JP6439097B2 - 光硬化性樹脂組成物及び遮光性樹脂層の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物及び遮光性樹脂層の製造方法に関する。
未硬化の光硬化性樹脂(以下、単に光硬化性樹脂という)組成物は、接着剤として使用される場合、数秒単位で硬化が完了することから接着プロセスを短タクト化がすることが可能となるため、エレクトロニクス分野における製品の大量生産に大きく貢献している。
一方、例えば、液晶パネル内のカラーフィルター基板として組み込まれるブラックマトリクスのように、遮光性が求められる遮光性樹脂膜を、黒色顔料のような有色顔料を含む光硬化性樹脂を硬化して製造する試みがなされている(例えば、特許文献1)。
特開2014−157179号公報
近年、液晶表示素子等の遮光性が求められる製品の生産において、接着剤として使用される光硬化性樹脂組成物に対しても、硬化後の接着剤層自体が遮光性を有する遮光性接着剤層を形成することを求められる場合がある。
しかし、遮光性樹脂膜や遮光性接着剤層(以下、まとめて遮光性樹脂層という)を形成させるために、有色顔料を含む光硬化性樹脂組成物を使用すると、有色顔料を含む光硬化性樹脂組成物の液膜自体が高い遮光性を有してしまい、紫外線等の光を透過し難くなり、短時間で硬化した遮光性樹脂層を形成することが困難であった。
そのため、遮光性樹脂層の製造には熱硬化性樹脂組成物を利用せざるを得ず、有色顔料を含む光硬化性樹脂組成物の短時間での硬化は、遮光性樹脂層の生産性向上にとって重要な課題である。
本発明は、光照射によって短時間に硬化すると共に、硬化後の樹脂層に遮光性を付与できる光硬化性樹脂組成物と、液膜状の光硬化性樹脂組成物を光硬化させて遮光性樹脂層を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕硬化性化合物(成分A)、光重合開始剤(成分B)及び下記式(1):
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよく、X、X、Y、Yは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、脂環又は芳香環を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい)で示される化合物(成分C)を含む光硬化性樹脂組成物、及び、
〔2〕液膜状の光硬化性樹脂組成物を光硬化反応させて遮光性樹脂層を得る工程を有する遮光性樹脂層の製造方法であって、
前記工程において、前記液膜状の光硬化性樹脂組成物が、所定の温度以下では遮光性を有し、前記所定の温度を超えると遮光性が低下する、遮光性樹脂層の製造方法、である。
本発明によれば、光照射によって短時間に硬化すると共に、硬化後の樹脂層に遮光性を付与できる光硬化性樹脂組成物と、液膜状の光硬化性樹脂組成物を光硬化させて遮光性樹脂層を製造する方法を提供することができる。
(1)成分A
本発明の光硬化性樹脂組成物(以下、光硬化性樹脂組成物ともいう)は、硬化性化合物(成分A)を含む。
成分Aは、可視光、紫外線等の光によりラジカル重合又はカチオン重合することのできる化合物であり、モノマー、オリゴマー又はポリマーであってもよい(以下、樹脂は、モノマー、オリゴマー又はポリマーの場合を含む)。
早硬性及び/又は硬化収縮低減の観点から、
エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、オキセタン樹脂及びスチレン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましく、
エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂がより好ましく、
ウレタンアクリレート樹脂及び/又はが(メタ)アクリレート樹脂が更に好ましく、
(メタ)アクリレート樹脂では、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
光硬化性樹脂組成物を液晶シール剤として使用する場合、成分Aの液晶中への溶出及び重合又は架橋反応後に残存する未反応化合物を低減し、液晶の汚染を抑制する観点から、成分Aとして、上記の好適な硬化性樹脂を、単独又は組み合わせて使用することが好ましい。
エポキシ樹脂は、エポキシ基を1個以上有する化合物であり、
ビフェノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類;
ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−4,5−エポキシテトラヒドロフタレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等の脂環式エポキシ化合物及びこれらの光反応性官能基を有するオリゴマー等が挙げられる。
(メタ)アクリレート樹脂は、1又は2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であればよく、(メタ)アクリル酸又はそのエステル、ジオールのモノ(メタ)アクリレート、ジオールのモノエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジオールのモノエステルモノ(メタ)アクリレート、ジオールのジ(メタ)アクリレート、ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のC1〜C18アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式エステル;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のヘテロシクリルエステル等が挙げられる。
ジオールのモノ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジオールのモノエーテルモノ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール又はネオペンチルグリコールの、モノC1〜C18アルキルエーテルモノ(メタ)アクリレート、モノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート等、より具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジオールのモノエステルモノ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール又はネオペンチルグリコールの、モノアセテートモノ(メタ)アクリレート、モノサクシネートモノ(メタ)アクリレート、モノフタレートモノ(メタ)アクリレート、モノヘキサヒドロフタレートモノ(メタ)アクリレート、モノベンゾエートモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジオールのジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオールのポリ(メタ)アクリレートとしては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート等、具体的には、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とのエステルである。
部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸とビスフェノールA型エポキシ化合物とのエステル、(メタ)アクリル酸とビスフェノールF型エポキシ化合物とのエステル等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物との反応物である。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、分子中に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物であれば、特に限定されることはなく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、2個以上のイソシアナト基を有する化合物であれば、特に限定されることはなく、芳香族、脂肪族、又は脂環式ポリイソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、あるいはこれらのポリイソシアネートとポリオールを反応させてなる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
スチレン誘導体としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
(2)成分B
光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤(成分B)を含む。
成分Bとしては、紫外線重合開始剤や可視光重合開始剤等が挙げられ、
紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、及びアセトフェノン系等が挙げられ、
可視光重合開始剤にはアシルホスフィンオキサイド系、チオキサントン系、メタロセン系、及びキノン系等が挙げられる。
紫外線重合開始剤としては、具体的には、
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、及びビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系重合開始剤;
2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン系重合開始剤;
ベンジル、ベンゾイン、及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン系重合開始剤;
ベンジルジメチルケタールなどのアルキルフェノン系重合開始剤;チオキサントンなどのチオキサントン系重合開始剤;
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1―プロパン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤が挙げられる。
可視光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド光重合開始剤;
カンファーキノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1などのケトン系重合開始剤等が挙げられる。
成分Bとして、上記例示の中でも、常態強度及び耐久強度に加えて硬化性の観点から、ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤及び/又はアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤がより好ましく、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASF社製)及び/又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、BASF社製)が更に好ましい。
成分Aがカチオン重合性の場合、成分Bは、光酸発生剤として作用し、常態強度及び耐久強度に加えて硬化性の観点から、好ましくはエネルギー線の照射によりルイス酸又はブレンステッド酸を発生する化合物であり、スルホニウム塩及び/又はヨードニウム塩が好ましい。
スルホニウム塩として、常態強度及び耐久強度に加えて硬化性の観点から、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロ
ホスフェート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスル
フィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスル
フィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフ
ルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキ
サフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジ
フェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホ
ニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ま
しい。
市販されているスルホニウム塩系カチオン重合開始剤としては、アデカ社製SP−170、SP−172、SP−150、SP−152、サンアプロ社製CPI−210Sなどが好ましく、アデカ社製SP−170、SP−172またはサンアプロ社製CPI−210Sが更に好ましい。
これらの塩は、それぞれ単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ヨードニウム塩として、常態強度及び耐久強度に加えて硬化性の観点から、
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート等が好ましい。
市販されているヨードニウム塩系カチオン重合開始剤としては、ローディア社製PI2074が好ましい。
これらの塩は、それぞれ単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(3)成分C
光硬化性樹脂組成物は、下記式(1):
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよく、X、X、Y、Yは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、脂環又は芳香環を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい)で示される化合物(成分C)を含む
成分Cは、青色のロイコ色素として、好ましく青色のロイコ色素として、発色濃度及び耐光性に優れ、鮮明な色調となる色素であり、光硬化性樹脂組成物に、好ましくは分散して含まれることによって、光硬化性樹脂組成物によって形成される遮光性樹脂層に、液晶パネル内のカラーフィルター基板として組み込まれるブラックマトリクスとして使用できるほどの遮光性を付与できる。
成分Cは、さらに、光硬化性樹脂組成物に含まれても、液膜状の光硬化性樹脂組成物が光硬化反応する過程において、反応熱による温度上昇に伴い消色し、樹脂層の紫外線等の光透過性が向上することで光硬化性樹脂組成物の深部硬化性が向上し樹脂層全体を短時間で硬化することが可能となる。
成分Cは、硬化後の樹脂層が一定の温度を下回ったときに再び発色し、樹脂層に遮光性を付与して遮光性樹脂層を形成する。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基などからなる炭素数1〜4のアルキル基;又は、フッ素原子(−F)、塩素原子(−Cl)、臭素原子(−Br)若しくはヨウ素原子(−I)のハロゲン原子が挙げられ、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、X、X、Y、Yは、それぞれ、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基などからなる炭素数1〜5のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などからなる脂環;又は、フェニル基、ベンジル基などからなる芳香環を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で示される具体的なロイコ色素としては、例えば、
メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
エチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
クロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
フルオロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
ブロモ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
ヨード−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、
3,4−ジクロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオランなどを挙げることができ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができるが、遮光性及び耐光性の点から、X及びYの少なくとも一方が、メチル基(−CH)であることが好ましく、X及びYがともにメチル基(−CH)であることがより好ましい。
成分Cとしては、具体的には、
下記化学式(2)(2’−アニリノ−6’−[エチル(p−トリル)アミノ]−3’−メチルスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン);
下記化学式(3)(6−(ジエチルアミノ)−2−[3−(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H−キサンテン−9,3’(1’H)−イソベンゾフラン]−1’−オン);
下記化学式(4)(2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−[9H]キサンテン]);又は、
下記化学式(5)(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(ジペンチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン):
で示される化合物が好ましい。
成分Cとして、例えば、市販の又は汎用の合成手段により得られたトリアリールアミン誘導体と、無水フタル酸誘導体とを酸触媒の存在下で加熱反応させることにより、容易に式(1)で示される遮光性及び耐光性に優れたロイコ色素を得ることができる。
成分Cは、三菱鉛筆社製No.TO62として入手することもできる。
(4)マイクロカプセル
成分Cは、光硬化性樹脂組成物中で分散させる観点と、成分Cの発色性を調整する観点から、マイクロカプセルに含まれ、成分Cを含むマイクロカプセルが光硬化性樹脂組成物中に含まれていることが好ましく、分散していることがより好ましい。
マイクロカプセルは、遮光性及び耐光性に優れると共に、易消色性、安定性に優れ、遮光性樹脂層を製造するための光硬化性樹脂組成物の成分Cの担体として好適に用いることができる。
マイクロカプセルには、成分Cの他に、顕色剤(成分D)及び/又は変色温度調整剤(成分E)も含みマイクロカプセル内の組成物が熱変色性組成物となっていることが更に好ましい。
成分Dは、成分Cを発色させる能力を有する成分となるものであり、例えば、無機酸、芳香族カルボン酸及びその無水物又は金属塩類、有機スルホン酸、その他の有機酸及びフェノール性化合物等が挙げられ、ビスフェノール誘導体及び/又はスルホニルウレア化合物が好ましく、下記式(6):
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R2は炭素数4〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を示す)で示される化合物(化合物d)がより好ましい。
化合物dとしては、具体的には、
4,4´−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール、
4,4´−(2−エチルペンチリデン)ビスフェノール、
4,4´−オクチリデンビスフェノール、
4,4´−ヘキシリデンビスフェノール、
4,4´−(4−メチルオクチリデン)ビスフェノール、
4,4´−デシリデンビスフェノール、
4,4´−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(3−メチルブチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−メチルヘブチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1,2−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1,5−ジメチルヘキシリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−エチル−3−メチルペンチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−メチル−4−メチルヘプチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−エチル−ヘキシリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−エチル−ペンチリデン)ビスフェノール、
4,4´−(1−エチル−オクチリデン)ビスフェノール等の少なくとも1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
成分Eは、成分Cと成分Dの呈色において変色温度をコントロールする物質であり、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられ、化学構造中に水酸基を有する化合物と、炭素数8〜22の飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物が好ましく、ビスフェノール誘導体と、炭素数8〜22の飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物であり、下記式(7):
(式中、R3及びR4は、直鎖又は分岐の炭素数7〜21のアルキル基を示し、R5及びR6は、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、又はCFを示す)で示される化合物eがより好ましい。
化合物eとしては、具体的には、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジカプレート、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジミリステート、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジパルミエート、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジウンデカノエート、
4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジトリデカエート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジカプレート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジミリステート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジパルミエート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジウンデカノエート、
4,4´−(イソプロピリデン)ビスフェノールジトリデカエート、
4,4´−メチレンビスフェノールジカプレート、
4,4´−メチレンビスフェノールジラウレート、
4,4´−メチレンビスフェノールジミリステート、
4,4´−メチレンビスフェノールジパルミエート、
4,4´−メチレンビスフェノールジウンデカノエート、
4,4´−メチレンビスフェノールジトリデカエート等の少なくとも1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
マイクロカプセルを含む光硬化性樹脂組成物を液膜状の樹脂層にして光照射すると、樹脂層は光硬化反応をすることで昇温し、所定の温度を超えるとマイクロカプセルが退色し、樹脂層の遮光性が低下し、好ましくは遮光性が消失して、樹脂層は光硬化が進行して短時間で硬化する。
硬化した樹脂層の温度が低下すると、マイクロカプセルが発色して樹脂層に遮光性が付与され遮光性樹脂層を得ることができる。
光硬化性樹脂の光硬化性と遮光性樹脂層の遮光性の観点から、
マイクロカプセルの退色温度(所定の温度)は、40〜70℃か好ましく、50〜60℃がより好ましく、
マイクロカプセルの発色温度は、20〜40℃か好ましく、25〜35℃がより好ましい。
マイクロカプセルは、成分C並びに成分E又は成分D及び成分Eからなる熱変色性組成物を、粒度分布測定装置(COULTER社製粒子径測定器N4Plus)で測定した平均粒子径が、好ましくは0.3〜1.0μmとなるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、成分C並びに成分D及び/又は成分Eを加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセルを製造することができる。
マイクロカプセルの壁膜は、保存安定性の観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又はアミノ樹脂で形成されることが好ましく、
ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとの化合物が挙げられ、エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂とアミンの化合物が挙げられ、アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられるが、メラミン樹脂であることより好ましい。
マイクロカプセルの壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜
決められる。
なお、壁膜がアミノ樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
成分Cを、成分D及び/又は成分Eと共にマイクロカプセルに入れて使用する場合、
成分Cの顕色性と変色温度調整の安定性の観点から、成分C(1質量部)に対して、
成分Dは、0.1〜100質量部が好ましく、
成分Eは、1〜1000質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましい。
マイクロカプセルの内容物中の成分C,D及びEの合計量は、顕色性と変色温度調整の安定性及び硬化後の遮光性の観点と実用性能を調整するための他の成分を配合する余地を確保する観点から、65〜97質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることが更に好ましい。
マイクロカプセルの膜剤は、マイクロカプセルの内容物(1質量部)に対して、0.1〜1質量部であることが好ましい。
成分C、D及びEの種類、量などを好適に組み合わせることにより、発色温度、消色温度を好適な温度に設定することができる。
なお、本発明の組成物の諸特性を損なわない範囲内であれば、その他公知の顕色剤及び/又は変色温度調整剤を組み合わせて用いることもできる。
(5)その他の添加剤
光硬化性樹脂組成物は、目的に応じて、例えば、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等を添加することができる。
光硬化性組成物は、液晶表示素子等の接着対象となる基板の表面に塗布して使用する観点から、溶剤を含む溶液、スラリー又はペースト状であることができる。
有機溶剤として、アルコール類、グリコールエーテル類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
アルコール類としては、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
グリコールエーテル類としては、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
エステル類としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
ケトン類としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
(6)光硬化樹脂組成物
光硬化性樹脂組成物の好適な組成を説明する。
光硬化性樹脂組成物は、成分A及びBと共に、成分Cを含むことで、例えば、液膜状にして、紫外線等の光照射を行うと、反応熱による温度上昇に伴い成分Cが消色し、樹脂層の光透過性が向上することで樹脂層全体を短時間で硬化することが可能となるだけでなく、硬化後の樹脂層が一定の温度を下回ったときに再び発色し、樹脂層に遮光性を付与して遮光性樹脂層を形成することができる。
なお、光硬化性樹脂組成物は、成分A又は成分A及びBが液状である場合、溶剤を使用することなく、溶液、スラリー又はペースト状等の流動性を有する液状体を構成し、スクリーン印刷、ディスペンサー等により液膜状にすることができる。
短時間での硬化性と硬化後の遮光性の観点から、成分A100質量部に対して、
成分Bは0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜7質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが更に好ましく、
成分Cを含むマイクロカプセルは1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることが更に好ましい。
短時間での硬化性と硬化後の遮光性の観点と光硬化性組成物の実用性能を調整するための他の成分を配合する余地を確保する観点から、光硬化性樹脂組成物の固形分中、
成分A、成分B及びマイクロカプセルの合計含有量は65〜97質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることが更に好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、配合成分を混合攪拌機、ロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることが得ることができる。
光硬化性樹脂組成物は、成分A、成分B及び成分C又は成分Cを含むマイクロカプセルを適宜溶剤に溶解した溶液に、他の成分を加えて均一になるまで撹拌混合して製造することもできる。
(7)遮光性樹脂層の製造方法
光硬化性樹脂組成物は、例えば、ガラス、シリコンウエハ、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の基材表面上に溶液、スラリー又はペースト状の光硬化性樹脂組成物を、スクリーン印刷、ディスペンサー等により液膜状に塗布して用いることができる。
なお、本明細書で、液膜状とは溶液、スラリー又はペースト状等の流動性を有する光硬化性樹脂組成物の状態をいう。
液膜状の光硬化性樹脂組成物に、メタルハライドランプ、高圧水ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LED照射機、LD照射機等により、好ましくは200〜450nm、より好ましくは300〜400nmの範囲の波長の光を照射することで、硬化した遮光性樹脂層をえることができる。
遮光性樹脂層の厚みは、用途により異なるが、
遮光性接着剤層を構成する場合は、乾燥後の厚みが、0.1〜10mmであることが好ましく、0.3〜5mmであることがより好ましく、0.5〜3mmであることが更に好ましく、
遮光性樹脂膜を構成する場合は、液晶パネル内のカラーフィルター用途にも用いられることを考慮すると、乾燥後の厚みが、0.5〜300μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、1〜20μmであることが更に好ましい。
〔化合物〕
(1)成分A
(化合物a1)ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製UN−7700)
(化合物a2)イソボルニルアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD RM−1002)
(2)成分B
(化合物b1)1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(BASF社製IrgacureI−184)、
(化合物b2)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製IrgacureI−819)
(3)マイクロカプセル:成分C、D及びEを含むマイクロカプセル(三菱鉛筆製ロイコ染料TO62)
(4)成分D:カーボンブラック(日弘ビックス社製NBD−0730)
〔光硬化性樹脂組成物〕
(1)実施例1
成分Aに成分Bを添加してから、60℃で30分加熱撹拌して、成分Bを溶解させた後、マイクロカプセルを添加して均一になるまで攪拌混合して実施例1の粘性のある液状の光硬化性樹脂組成物を得た。
(2)実施例2
成分Aに成分Bを添加してから、60℃で30分加熱撹拌して、成分Bを溶解させた後、マイクロカプセルを添加して均一になるまで攪拌混合して実施例2の粘性液状の光硬化性樹脂組成物を得た。
(3)比較例1
成分Aに成分Bを添加してから、60℃で30分加熱撹拌して、成分Bを溶解させた後、カーボンブラックを添加して均一になるまで攪拌混合して比較例1の粘性のある液状の光硬化性樹脂組成物を得た。
(4)比較例2
成分Aに成分Bを添加してから、60℃で30分加熱撹拌して、成分Bを溶解させた後、カーボンブラックを添加して均一になるまで攪拌混合して比較例2の粘性のある液状の光硬化性樹脂組成物を得た。
〔試験方法〕
(1)深部硬化性
液状の光硬化性樹脂組成物を、黒チューブ(デンカエレクトロン社製TB−6.0B)の注入口(6mmφ)から黒チューブ中に充填し、注入口の上方から高圧水銀ランプ(浜松ホトニクス社製LC5)にて波長365nm、300mW/cmの光を10秒間照射した。黒チューブから円柱状の硬化体を取り出してマイクロメーターで長さを測定した。
硬化体の長さが大きいほど、深部硬化性が大きいと評価できる。
(2)透過率
光硬化性樹脂組成物を0.5mmの厚みの液膜状になるように透明なスライドガラス(松浪ガラス社製S1127)で挟み込み、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製ECS−301)にて波長365nmの光を、3000mJ/cm照射して硬化させ、遮光性樹脂層を作成した。
遮光性樹脂層の透過率を、紫外可視分光光度計(日本分光製V−570)で測定した。
〔結果〕
表1から、成分Cを含む本発明の光硬化性樹脂組成物(実施例1及び2)は、成分Cを含むマイクロカプセルをカーボンブラックで置き換えた光硬化性樹脂組成物(比較例1及び2)に比べて、深部硬化性に優れ、製造された遮光性樹脂層の透過率が極めて低く遮光性に優れることがわかる。

Claims (3)

  1. 硬化性化合物(成分A)、光重合開始剤(成分B)及び下記式(1):
    (式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよく、X、X、Y、Yは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、脂環又は芳香環を表し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい)で示される化合物(成分C)を含み、
    前記光硬化性樹脂組成物が、前記成分Cを含むマイクロカプセルを含み、
    前記マイクロカプセルの発色温度が、20〜40℃の範囲である光硬化性樹脂組成物。
  2. 液膜状の請求項1記載の光硬化性樹脂組成物を光硬化反応させて遮光性樹脂層を形成する工程を有する遮光性樹脂層の製造方法であって、
    前記工程において、前記液膜状の光硬化性樹脂組成物が、所定の温度以下では遮光性を有し、前記所定の温度を超えると遮光性が低下する、遮光性樹脂層の製造方法。
  3. 前記所定の温度が40〜70℃の範囲にある、請求項記載の遮光性樹脂層の製造方法。

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