JP6435755B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタに関する。
従来、キャリッジに、記録ヘッドと記録媒体との距離を検出するための距離検出センサが搭載されたインクジェットプリンタが知られている(例えば特許文献1)。この距離検出センサは、記録媒体に向けて光を照射し、その反射光の光量に基づいて、記録ヘッドと記録媒体との距離を取得する。
一方で、従来、記録ヘッドの下方に搬送された被記録媒体に印刷を行った後、被記録媒体を、表裏を反転させた状態で再度記録ヘッドの下方に搬送して、被記録媒体の反対側の面に印刷を行うことで、両面印刷を行っているインクジェットプリンタが知られている(例えば特許文献2)。
特開2009−178986号公報 特開2014−80038号公報
一般的に、インクジェットプリンタでは、インクが着弾したときの膨潤などによって被記録媒体が記録ヘッドの側に撓んで、記録ヘッドのインク吐出面に接触してしまうことがある。この状態で、キャリッジの移動や被記録媒体の搬送を行うと、被記録媒体がインク吐出面と擦れて、インク吐出面が傷ついてしまう虞がある。
特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、記録ヘッドと被記録媒体との距離を取得しているため、取得した距離に基づいて、記録ヘッドと記録媒体とが接触する虞があるか否かを判定することが考えられる。一方、特許文献2に記載の両面印刷を行うインクジェットプリンタでも、特許文献1と同様にして、記録ヘッドと被記録媒体との距離を取得し、取得した距離に基づいて、記録ヘッドと記録媒体とが接触する虞があるか否かを判定することが考えられる。しかしながら、両面印刷を行うインクジェットプリンタでは、被記録媒体の片側の面に印刷を行った後に反対側の面に印刷を行うため、上記反対側の面への印刷時には、上記片側の面に印刷された画像が裏写りする。そのため、上記反対側の面への印刷時における反射光の光量は、裏写りの影響を受け、実際の記録ヘッドと被記録媒体との距離に対応したものから大きくずれてしまう虞がある。
本発明の目的は、被記録媒体に両面印刷を行う場合に、被記録媒体がインク吐出面に接触する虞があるか否かを正確に判定することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、ノズルが形成されたインク吐出面を有し、前記インク吐出面と平行な走査方向に移動しつつ前記ノズルからインクを吐出することで被記録媒体への印刷を行うインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドとともに前記走査方向に移動し、作動時に前記被記録媒体に照射した光の反射光の光量に対応する検出信号を出力するための反射型の光センサと、前記インクジェットヘッド及び前記光センサの動作を制御し、前記検出信号が入力される制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記インクジェットヘッドに、前記被記録媒体の第1面への印刷を行わせ、その後に、前記被記録媒体の前記第1面と反対側の第2面に印刷を行わせ、前記被記録媒体の前記第2面への印刷よりも前に、前記第1面の各部分に吐出するインク量を示すインク量情報を生成するインク量情報生成処理を行い、前記被記録媒体の前記第2面への印刷時に、前記光センサを作動させる光センサ作動処理と、入力された前記検出信号から前記被記録媒体と前記インク吐出面との距離を示す距離情報を生成する距離情報生成処理と、前記距離情報と所定の閾値とを比較する比較処理と、を行い、前記比較処理の前に、前記インク量情報が示すインク量が第1量のときは前記第1量よりも少ない第2量のときよりも、前記距離情報が示す前記距離が大きくなる又は前記閾値が小さくなるように、前記距離情報及び前記閾値のいずれか一方を補正する補正処理を行い、前記比較処理において、前記補正処理で補正された前記距離情報及び前記閾値の前記一方と、前記補正処理で補正されない前記距離情報及び前記閾値の他方とを比較する。
被記録媒体の第1面に印刷を行った後に第2面に印刷を行うことで、両面印刷を行う場合、第2面への印刷時に、第1面に着弾したインクが第2面に裏写りする。そのため、被記録媒体の第2面への印刷時に、光センサが受信する反射光の光量は、第1面に着弾したインクの裏写りの影響を受けたものとなる。したがって、光センサから制御装置に入力される検出信号に基づいて生成された距離情報が示すインク吐出面と被記録媒体との距離が、実際の距離から大きくずれたものとなる虞がある。本発明では、被記録媒体の第2面への印刷時に、インク量情報が示すインク量が第1量のときは前記第1量よりも少ない第2量のときよりも、前記距離情報が示す前記距離が大きくなる又は前記閾値が小さくなるように、距離情報及び閾値のいずれか一方を補正する補正処理を行う。そして、比較処理において、補正処理で補正された距離情報及び閾値の上記一方と、補正処理で補正されない距離情報及び閾値の他方とを比較する。これにより、被記録媒体がインク吐出面に接触する虞があるか否かを正確に判定することができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1を矢印IIの方向から見た図であって、(a)が記録用紙Pの第1面に印刷を行っている状態の図であり、(b)が記録用紙Pを反転しつつ上流側に戻している状態の図であり、(c)が記録用紙Pの第2面に印刷を行っている状態の図である。 インクジェットプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 記録用紙Pの第1面への印刷時における制御の流れを示すフローチャートである。 記録用紙Pの第2面への印刷時における制御の流れを示すフローチャートである。 記録用紙Pの第1面における分割部分を示す図である。 記録用紙Pの被照射部分と分割部分との関係を示す図である。 変形例1の図7相当の図である。 変形例2の図5相当の図である。 変形例3の図5相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(インクジェットプリンタの全体構成)
図1、図2に示すように、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4(本発明の「供給機構」)、排出ローラ5(本発明の「排出機構」)、プラテン6、メディアセンサ7(本発明の「光センサ」)、エンコーダ8などを備えている。なお、図2では、後述のガイドレール11などの図示を省略している。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11に、走査方向に移動自在に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ29(図3参照)に接続され、キャリッジモータ29に駆動されることで走査方向に往復移動する。なお、以下では図1に示すように走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載されており、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動する。インクジェットヘッド3は、その下面であるインク吐出面3a(図2参照)に形成された複数のノズル10からインクを吐出する。複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に、長さLにわたって配列されることでノズル列9を形成している。また、インク吐出面3aには、5つのノズル列9が走査方向に並んでいる。そして、これら5つのノズル列9のうち、最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10からは、ブラックの顔料インクが吐出される。また、これら5つのノズル列9のうち、左側4列のノズル列9を構成する複数のノズル10からは、右側のノズル列9を構成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの染料インクが吐出される。
搬送ローラ4は、搬送方向におけるインクジェットヘッド3よりも上流側に配置されている。排出ローラ5は、一対のローラであり、搬送方向におけるインクジェットヘッド3よりも下流側に配置されている。ローラ4、5は、それぞれに対向して配置されるピンチローラと協働して、記録用紙Pを挟持する。また、ローラ4、5は、搬送モータ28によって駆動され、記録用紙Pを、搬送方向に搬送する。また、搬送ローラ4の搬送方向におけるすぐ上流側には、上流側用紙センサ12が配置されている(図2参照)。上流側用紙センサ12は、搬送ローラ4の搬送方向におけるすぐ上流側を記録用紙Pが通過すると、後述する制御装置50(図3参照)に検出信号を出力する。この制御装置50は、この検出信号から、図示しない給送トレイなどから給送された記録用紙Pの搬送方向における下流側の端(以下、先端とする)が、搬送ローラ4に到達したことを検出する。プラテン6は、インク吐出面3aと対向するように配置され、ローラ4、5に搬送される記録用紙Pを下方から支持する。
メディアセンサ7は、キャリッジ2に搭載され、インクジェットヘッド3の搬送方向における上流側の端部と走査方向に並んで配置されている。メディアセンサ7は、発光部7aと受光部7bとを有する。発光部7a及び受光部7bは、インク吐出面3aとほぼ同じ高さに配置されている。発光部7aは、プラテン6又はプラテン6上の記録用紙Pに向けて光を照射する。受光部7bは、発光部7aから照射された光の反射光を受信する。そしてメディアセンサ7は、受光部7bが受信した反射光の光量に応じた検出信号(アナログ値)を制御装置50に出力する。ここで、検出信号は、反射光の光量が大きいほど値が大きくなるような信号である。
ここで、プラテン6上に記録用紙Pが存在している場合には、記録用紙Pがメディアセンサ7(インク吐出面3a)に近いほど、受光部7bにおいて受信される反射光の光量は大きくなる。したがって、メディアセンサ7から制御装置50に出力される検出信号は、記録用紙Pとインク吐出面3aとの距離に対応したものとなる。
また、通常、記録用紙Pの色が白いのに対して、プラテン6は黒くなっている。これにより、プラテン6上に記録用紙Pが存在していない状態では、発光部7aから照射された光は、黒いプラテン6当たり、ほとんど反射されない。これに対して、プラテン6上に記録用紙Pが存在している状態では、発光部7aから照射された光は、白い記録用紙Pに当たり反射する。したがって、プラテン6上に記録用紙Pが存在しているか否かによって、受光部7bが受信する反射光の光量が大きく異なる。これにより、本実施の形態では、メディアセンサ7を、制御装置50によってプラテン6上の記録用紙Pの有無を検出するためのセンサとしても用いることができる。
エンコーダ8は、キャリッジ2に搭載され、走査方向におけるキャリッジ2の位置を検出する。
そして、インクジェットプリンタ1では、搬送動作とインク吐出動作とを交互に繰りかえることによって記録用紙Pに印刷を行う。搬送動作とは、ローラ4、5の少なくとも一方が記録用紙Pを搬送する動作である。インク吐出動作は、キャリッジ2とともに走査方向に移動するインクジェットヘッド3からインクを吐出する動作である。ここで、インクジェットプリンタ1では、文書などを高速に印刷するためのドキュメント印刷モード、及び、写真などを高画質で印刷するための写真印刷モードのうち、いずれかの印刷モードで選択的に印刷を行うことができるようになっている。そして、ドキュメント印刷モードで印刷を行うときには、インクジェットヘッド3から、ブラックの顔料インクと、イエロー、シアン、マゼンタの染料インクを吐出する。一方、写真印刷モードで印刷を行うときには、インクジェットヘッド3からブラック、イエロー、シアン、マゼンタの染料インクを吐出する。なお、ドキュメント印刷モード及び写真印刷モードのうちいずれの印刷モードで印刷を行うかは、例えば、ユーザが、インクジェットプリンタ1が搭載する操作部や、インクジェットプリンタ1に接続された図示しないPCを操作することによって選択する。
また、インクジェットプリンタ1は、上述したような構成の他に、用紙反転経路21と、スイッチバックローラ22と、戻しローラ23とを備えている。
用紙反転経路21は、プラテン6の下方を通って、搬送方向における排出ローラ5よりも下流側の位置と、搬送方向における搬送ローラ4よりも上流側の位置との間にわたって延びている。
スイッチバックローラ22は、搬送方向において、排出ローラ5、及び、用紙反転経路21の下流側の端よりも下流側に配置されている。また、搬送方向におけるスイッチバックローラ22のすぐ上流側には、下流側用紙センサ24が配置されている。下流側用紙センサ24は、記録用紙Pが搬送方向におけるスイッチバックローラ22のすぐ上流側を通過したときに、制御装置50に検出信号を出力する。制御装置50は、この検出信号から、記録用紙Pの搬送方向における上流側の端(以下、後端とする)がスイッチバックローラ22に到達したことを検出する。スイッチバックローラ22は、搬送モータ28(図3参照)に駆動され、記録用紙Pの後端がスイッチバックローラ22に到達するまでの間は、ローラ4、5とともに記録用紙Pを搬送方向に搬送する。そして、記録用紙Pの後端がスイッチバックローラ22に到達すると、スイッチバックローラ22は逆回転し、図2(b)に矢印A1で示すように、記録用紙Pを用紙反転経路21に導入させる。
戻しローラ23は、用紙反転経路21に配置される。また、戻しローラ23は、搬送モータ28(図3参照)に駆動され、用紙反転経路21に導入された記録用紙Pを、図2(c)に矢印A2で示すように、用紙反転経路21に沿って搬送ローラ4の上流側の位置に向けて搬送する。
そして、スイッチバックローラ22によって用紙反転経路21に導入された記録用紙Pは、搬送方向における排出ローラ5よりも下流側から、搬送ローラ4よりも上流側に戻される。用紙反転経路21に導入されて搬送ローラ4に戻された記録用紙Pは、裏返された状態となっている。そして、記録用紙Pが搬送ローラ4のすぐ上流側まで戻されると、上流側用紙センサ12の検出信号によって、制御装置50が記録用紙Pの先端を検出する。
これにより、インクジェットプリンタ1では、以下の流れで両面印刷を行うことができる。まず、インクジェットプリンタ1は、図2(a)に示すように、記録用紙Pの片側の面である第1面Paに印刷を行う。その後、インクジェットプリンタ1は、図2(b)に示すように、第1面Paに印刷が行われた記録用紙Pを、用紙反転経路21を通して、裏返しつつ搬送方向における搬送ローラ4よりも上流側に戻す。そして、インクジェットプリンタ1は、図2(c)に示すように、記録用紙Pの第1面Paと反対側の面である第2面Pbに印刷を行う。
次に、インクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御装置50について説明する。制御装置50は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)54、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)55等を備える。そして制御装置50は、キャリッジモータ29、インクジェットヘッド3、搬送モータ28、メディアセンサ7などの動作を制御する。また、制御装置50には、エンコーダ20、用紙センサ12、24、メディアセンサ7などからの信号が入力される。
ここで、図3では、CPU51を1つだけ図示しているが、制御装置50は、CPU51を1つだけ備え、この1つのCPU51が一括して処理を行うものであってもよいし、CPU51を複数備え、これら複数のCPU51が分担して処理を行うものであってもよい。また、図3では、ASIC55を1つだけ図示しているが、制御装置50は、ASIC55を1つだけ備え、この1つのASIC55が一括して処理を行うものであってもよいし、ASIC55を複数備え、これら複数のASIC55が分担して処理を行うものであってもよい。
(印刷時の制御)
次に、記録用紙Pに印刷を行うときの、制御装置50によるインクジェットプリンタ1の制御について詳細に説明する。図示しない入力手段をユーザが操作することで、制御装置50に印刷データが入力されると、制御装置50は、図4及び図5に示されるフローチャートに示される各処理を実行して記録用紙Pへの印刷を実現する。まず、制御装置50は、インクジェットプリンタ1に、記録用紙Pの第1面Paの印刷を開始させる(S101)。S101においては、制御装置50は、メディアセンサ7を用いて、プラテン6上の記録用紙Pの有無を検出し、検出した際の後述するデジタル値を記憶しておく。次に、制御装置50は、記録用紙Pの第1面Paへの印刷が完了するまで(S102:NO)の間、S103〜S108の処理を行う。
S103では、制御装置50は、メディアセンサ7を作動させて、メディアセンサ7から制御装置50に検出信号を出力させるセンサ作動処理を行う。次に、制御装置50は、メディアセンサ7から入力された検出信号から、インク吐出面3aと記録用紙Pとの距離を示す距離情報を生成する距離情報生成処理を行う(S104)。例えば、制御装置50は、検出信号(アナログ値)を0〜255の256段階のデジタル値Dに変換し、このデジタル値Dを距離情報とする。そして、制御装置50は、生成したデジタル値Dを制御装置50のRAM53に記憶させる。ここで、デジタル値Dは、受光部7bにおいて受信された光の光量が大きいほど値が大きくなる。すなわち、インク吐出面3aと記録用紙Pとの距離が小さくなるほど、デジタル値Dが大きくなる。なお、本実施の形態では、以下、距離情報がデジタル値Dであるとして説明を行う。
次に、制御装置50は、デジタル値Dと所定の閾値Tとの大小関係を比較する比較処理を行う(S105)。なお、閾値Tは、S101において記憶したデジタル値の1.1〜1.3倍の値に設定される。そして、制御装置50は、デジタル値Dが閾値T以下である場合には(S105:NO)、S102の処理に戻る。一方、制御装置50は、デジタル値Dが閾値Tよりも大きい場合には(S105:YES)、印刷を中断させ(S106)、所定の待機時間が経過するまで待機する(S107:NO)。そして、制御装置50は、待機時間が経過したときに(S107:YES)、印刷を再開させ(S108)、S102に戻る。
ここで、本実施の形態では、印刷時に、記録用紙Pにインクが着弾することで膨潤し、インク吐出面3a側に変形する。一方、記録用紙Pにおけるインクの着弾位置のばらつきを抑える観点から、通常、記録用紙Pとインク吐出面3aとはある程度近づけられるように、プラテン6やインクジェットヘッド3等の位置が決められている。そのため、記録用紙Pが膨潤によってインク吐出面3a側に変形したときに、記録用紙Pがインク吐出面3aに接触してしまう虞がある。そして、記録用紙Pがインク吐出面3aと接触した状態で印刷を継続すると、キャリッジ2の移動や記録用紙Pの搬送により、記録用紙Pとインク吐出面3aとが擦れてインク吐出面3aが傷つけられてしまう。その結果、ノズル10内のインクのメニスカスが破壊され、ノズル10からインクを吐出させることができなくなるなどの問題が発生する虞がある。
そこで、本実施の形態では、制御装置50は、記録用紙Pの第1面Paへの印刷時に、デジタル値Dが閾値Tよりも大きくなったときに(S105:YES)、印刷を中断させている(S106)。デジタル値Dが閾値Tよりも大きい場合は、記録用紙Pがインク吐出面3aに接触する可能性があることを示す。これにより、インク吐出面3aと記録用紙Pとが擦れてしまうのを防止することができる。
また、膨潤による記録用紙Pの変形は、時間の経過とともに小さくなる。そこで、本実施の形態では、制御装置50は、印刷を中断させた後(S106)、所定の待機時間が経過したときに(S107)、印刷を再開させている(S108)。これにより、インク吐出面3aと記録用紙Pとが擦れるのを防止しつつ、同じ記録用紙Pの第1面Paへの印刷を継続させることができる。
そして、制御装置50は、記録用紙Pの第1面Paの印刷が完了し(S102:YES)、両面印刷を行わない場合には(S109:NO)、動作を終了する。一方、両面印刷を行う場合には(S109:YES)、制御装置50は、図5に示すように、用紙反転処理を行う(S110)。用紙反転処理では、制御装置50は、スイッチバックローラ22、戻しローラ23などの動作を制御して、これらのローラ22、23に、第1面Paへの印刷が完了した記録用紙Pを、用紙反転経路21を通して、裏返しつつ搬送ローラ4よりも上流側に戻させる処理である。
次に、制御装置50は、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時に、第2面Pbのうち、メディアセンサ7の発光部7aから光が照射される被照射部分Fを特定する被照射部分特定処理を行う(S111)。続いて、制御装置50は、記録用紙Pの第1面Paのうち被照射部分Fに対応する部分に、第1面Paへの印刷時に吐出されたインク量を示すインク量情報を生成するインク量情報生成処理を行う(S112)。そして、生成したインク量情報を、制御装置50のRAM53に記憶させる。
ここで、S111の被照射部分特定処理、及び、S112のインク量情報生成処理について説明する。制御装置50は、例えば、図6に示すように、記録用紙Pの第1面Paにおける印刷領域Eを、搬送方向に30等分し、走査方向に20等分した複数の分割部分Bについて、インク量情報を生成することができるようになっている。なお、以下では、図6に示すように、これら複数の分割部分Bに対して、記録用紙Pの第1面への印刷時における搬送方向の下流側から順に「1」〜「30」の番号を付し、走査方向における左側から順に「a」〜「t」のアルファベットを付している。そして、例えば、搬送方向における下流側から3番目で、且つ、走査方向における左側から6番目の分割部分BをB3fと表す等、各分割部分Bを、「1」〜「30」の番号、及び、「a」〜「t」のアルファベットを用いて表す。
また、ここでは、インク吐出動作を5回繰り返し、5回のうちの任意の2回のインク吐出動作の間に、記録用紙Pを搬送方向にノズル列9の長さLだけ搬送する搬送動作行うことで、記録用紙Pの両面に印刷を行う場合を例に挙げて説明を行う。この場合には、5回のインク吐出動作により、それぞれ、印刷領域Eを搬送方向に5等分した5つの領域Eaに、搬送方向の下流側の領域Eaから順に印刷が行われる。また、各領域Eaは、搬送方向に分割部分Bが6つ並ぶ領域である。
そして、この場合には、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時に、図7に示すように、第1面Paへの印刷時と、記録用紙Pの搬送方向における向きが逆になる。具体的には、分割部分B30a〜B30tが搬送方向の最も下流側(先端側)に位置し、分割部分B1a〜B1tが搬送方向に最も上流側(後端側)に位置する。S111では、制御装置50は、記録用紙Pの第2面Pbにおける、第2面Pbへの印刷時にメディアセンサ7の発光部7aから光が照射される被照射部分F(図7でハッチングを付した箇所)を特定する。本実施の形態では、メディアセンサ7は、キャリッジ2とともに走査方向に移動しつつ、発光部7aから光を照射するため、被照射部分Fは、走査方向に延びている。
そして、制御装置50は、S112では、複数の分割部分Bのうち、S111で特定した被照射部分Fに対応する分割部分B(図7の場合、分割部分B2a〜B2t、B8a〜B8t、B14a〜B14t、B20a〜B20t、B26a〜B26t)について、それぞれインク量情報を生成する。このとき、制御装置50は、インクの色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)毎に、インク量を示すインク量情報を生成する。本実施の形態では、制御装置50は、被照射部分Fに対応する分割部分Bについてのみインク量情報を生成する。これにより、S111の被照射部分Fの特定を行わずに、全ての分割部分Bについてインク量情報を生成する場合と比較して、制御装置50によるS112のインク量情報生成処理における演算処理などを簡単にすることができる。
ここで、インク量情報は、分割部分Bに吐出されたインクのインク量そのものを示すものであってもよいし、分割部分におけるインクのデューティを示すものであってもよい。ここで、本実施の形態では、各色のインクについて、インクジェットヘッド3が、ノズル10から、大玉、中玉、小玉の3種類の体積の異なるインクを吐出可能に構成されている。分割部分Bに吐出された各色のインク量は、各色のインクについて、大玉、中玉、小玉1つのインク量に、それぞれ、分割部分Bに吐出された大玉、中玉、小玉の数を乗じた値を足し合わせることによって算出することができる。また、デューティは、各色のインクについて、上述したようにして算出したインク量を、ノズル10から大玉のみを吐出して全てのドットを形成した場合のインク吐出量で除すことによって算出することができる。
そして、S112のインク量情報生成処理の後、続けて、制御装置50は、第1面の印刷で使用されるブラックインクの種類(顔料インクであるか染料インクであるか)を特定するインク特定処理を行う(S113)。S113では、ドキュメント印刷モード及び写真印刷モードのうちどちらの印刷モードによって印刷を行っているかに基づいて、使用されるブラックインクの種類を特定する。
次に、制御装置50は、記録用紙Pの種類を特定する用紙特定処理(本発明の「媒体特定処理」)を行う(S114)。ここで、インクジェットプリンタ1では、例えば、普通紙、及び、普通紙よりも厚いインクジェット紙の2種類の記録用紙Pに対して印刷を行うことができるようになっている。そして、制御装置50は、S113では、制御装置50に入力された印刷データに含まれる記録用紙Pの種類を示す情報、図示しない給送トレイに対して設定された記録用紙Pの種類等に基づいて、記録用紙Pの種類を特定する。あるいは、インクジェットプリンタ1に、記録用紙Pの種類を判定するためのセンサなどを設置し、S114において、制御装置50が、このセンサの検出結果に基づいて記録用紙Pの種類を特定してもよい。
なお、制御装置50は、上記S113、S114の処理を、記録用紙Pの第1面Paへの印刷中、用紙反転処理中、用紙反転処理と被照射部分特定処理との間等、図5で示したタイミングよりも前のタイミングで行ってもよい。
次に、制御装置50は、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷を開始させ(S115)、第2面Pbへの印刷が完了するまでの間(S116:NO)、S117〜S123の処理を行う。
S117では、制御装置50は、S103と同様、メディアセンサ7を作動させて、メディアセンサ7から制御装置50に検出信号を出力させるセンサ作動処理を行う。次に、制御装置50は、S104と同様、メディアセンサ7から入力された検出信号から、距離情報(デジタル値D)を生成する距離情報生成処理を行う(S118)。そして、制御装置50は、生成したデジタル値Dを制御装置50のRAM53に記憶させる。
次に、制御装置50は、S112で生成したインク量情報、S113で特定したインクの種類、及び、S114で特定した記録用紙Pの種類に基づいて、S118で生成したデジタル値Dを補正する補正処理を行う(S119)。そして、制御装置50のRAM53に記憶されているデジタル値Dを補正後のデジタル値Daに置き換える。補正処理については、後程詳細に説明する。次に、制御装置50は、補正後のデジタル値Daと閾値Tとの大小関係を比較する比較処理を行う(S120)。そして、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値T以下である場合には(S120:NO)、S116に戻る。一方、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きい場合には(S120:YES)、S106〜S108と同様、印刷を中断し(S121)、所定の待機時間が経過するまで待機する(S122:NO)。そして、制御装置50は、所定時間が経過したときに(S122:YES)、印刷を再開させる(S123)。そして、制御装置50は、印刷の再開後、S116に戻る。
ここで、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時においても、第1面Paへの印刷時と同様、記録用紙Pが膨潤によってインク吐出面3a側に変形したときに、記録用紙Pがインク吐出面3aに接触してしまう虞がある。そして、記録用紙Pがインク吐出面3aと接触した状態で印刷(キャリッジ2の移動、記録用紙Pの搬送)を継続すると、記録用紙Pとインク吐出面3aとが擦れてインク吐出面3aが傷つけられてしまう。
一方で、記録用紙Pの両面に印刷を行う場合、記録用紙Pの第2面Pbに印刷を行うときに、第1面Paに着弾したインクが第2面Pbに裏写りする。そのため、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時に、メディアセンサ7の発光部7aから照射された光の反射光の光量は、上記裏写りの影響によって小さくなり、受光部7bで受信される反射光の光量がインク吐出面3aと記録用紙Pとの距離に対応する光量からずれたものとなる虞がある。すなわち、S117でメディアセンサ7から入力される検出信号は、上記裏写りの影響により、インク吐出面3aと記録用紙Pとの距離に対応する光量からずれたものとなる虞がある。その結果、S118で生成されるデジタル値Dも、インク吐出面3aと記録用紙Pとの距離に対応した値からずれたものとなる虞がある。
また、このとき、記録用紙Pの第1面Paに着弾するインクの量によって、上記裏写りが、メディアセンサ7の受光部7bで受信される反射光の光量に与える影響が異なる。具体的には、第1面Paに着弾するインクの量が多いほど、メディアセンサ7の受光部7bで受信される反射光の光量が小さくなる。
また、インクの色によっても、裏写りの程度は異なる。例えば、濃い色のインクほど、裏写りしやすい。また、ブラックインクの種類によっても、裏移りの程度は異なる。例えば、染料インクは、顔料インクに比べて記録用紙Pに染み込みやすく、染料インクのほうが顔料インクよりも裏移りしやすい。また、記録用紙Pの種類によっても、裏写りの程度は異なる。具体的には、普通紙よりも厚いインクジェット紙は、裏写りしにくい。
そこで、本実施の形態では、制御装置50は、S119の補正処理において、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時に、S118で生成したデジタル値Dを、対応する分割部分Bについてのインク量情報、インクの色、ブラックインクの種類、及び、記録用紙Pの種類に応じて補正する。このとき、複数の分割部分Bのうち、どの分割部分Bについてのインク量情報を用いるかは、エンコーダ8によるキャリッジ2の位置の検出結果に基づいて決定される。
そして、このようにデジタル値Dを補正すれば、補正後のデジタル値Daは、補正前のデジタル値Dよりもインク吐出面3aと記録用紙Pとの距離に対応した値に近いものとなる。そして、制御装置50は、S120では、補正後のデジタル値Daと閾値Tとの大小関係を比較している。これにより、制御装置50は、記録用紙Pがインク吐出面3aに接触する虞があるか否かを正確に判定することができる。また、上述したように、記録用紙Pの第2面Pbのメディアセンサ7の発光部7aから光が照射される被照射部分Fが走査方向に延びている。これに対応して、制御装置50は、S112では、記録用紙Pの第1面Paの被照射部分Fに対応する部分を走査方向に分割した複数の分割部分Bについて、それぞれインク量情報を生成し、これらのインク量情報に基づいて、デジタル値Dを補正する。したがって、デジタル値Dをより適切に補正することができる。
また、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きくなったときに(S120:YES)、印刷を中断させることにより、インク吐出面3aと記録用紙Pとが擦れてしまうのを防止することができる。また、制御装置50は、印刷を中断させた後(S121)、所定の待機時間が経過したときに(S122:YES)、印刷を再開させている(S123)。これにより、インク吐出面3aと記録用紙Pとが擦れるのを防止しつつ、同じ記録用紙Pの第2面Pbへの印刷を継続させることができる。
(補正処理)
次に、S119におけるデジタル値Dの補正について説明する。制御装置50は、S119では、S112で生成したインク量情報、S113で特定したインクの種類、及び、S114で特定した記録用紙Pの種類に基づいて、補正量Rを算出する。そして、制御装置50は、S119において、S118で生成したデジタル値Dに、補正量Rを足し合わせることによって、補正後のデジタル値Da(=D+R)を算出する。
ここで、補正量Rは、α・(RK+RY+RC+RM)として算出される。RKは、ブラックインクの裏写りに対する補正のための補正量である。RYは、イエローインクの裏写りに対する補正のための補正量である。RCは、シアンインクの裏写りに対する補正のための補正量である。RMは、マゼンタインクの裏写りに対する補正のための補正量である。αは、記録用紙Pの種類に応じた係数である。
ここで、係数αは、記録用紙Pの種類による裏写りの程度を示す係数である。係数αの値は、記録用紙Pがインクジェット紙である場合に、普通紙である場合よりも小さくなる。例えば、記録用紙Pが普通紙である場合にはαの値を「1」とし、記録用紙Pがインクジェット紙である場合にはαの値を「0.8」とする。なお、係数αは、制御装置50のROM52等に記憶されている。
また、補正量RK、RY、RC、RMは、それぞれ、RK=γ・βK・QK、RY=βY・QY、RC=βC・QC、RC=βC・QCで表される式によって算出される。ここで、QK、QY、QC、QMは、それぞれ、制御装置50が、S112で生成したインクの色毎のインク量情報が示す、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタインクのインク量あるいはデューティである。また、βK、βY、βC、βMは、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクの色の濃さによって決まる係数であり、インクの色が濃いほど大きい値となる。例えば、βK、βY、βC、βMは、βK>βC>βM>βYのような大小関係となる。なお、係数βK、βY、βC、βMは、制御装置50のROM52等に記憶されている。
また、制御装置50が、S112で生成したインク量情報がデューティを示すものである場合には、QK、QY、QC、QMは、デューティの値となる。一方、制御装置50が、S112で生成したインク量情報がインク量そのものを示すものである場合には、QK、QY、QC、QMは、インク量そのもの、及び、デューティのいずれの値とすることもできる。なお、βK、βY、βC、βMの値は、QK、QY、QC、QMがインク量そのものであるかデューティであるかによって異なる。
また、γはブラックインクの種類による裏写りの程度を示す係数である。係数γの値は、ブラックインクが顔料インクである場合に、染料インクである場合よりも小さくなる。例えば、ブラックインクが染料インクである場合にはγの値を「1」とし、ブラックインクが顔料インクである場合にはγの値「0.9」とする。なお、係数γは、制御装置50のROM52等に記憶されている。
以上のように、本実施の形態では、制御装置50は、S112において、被照射部分Fに対応する複数の分割部分Bについて、それぞれ、インクの色毎に、インク量を示すインク量情報を生成する。そして、制御装置50は、S119において、インク量情報が示す、インクの色毎のインク量あるいはデューティQK、QY、QC、QMに、それぞれ、インクの色の濃さに対応した係数βK、βY、βC、βMを乗じて、各色のインクについての裏写りに対する補正量RK、RY、RC、RMを算出している。さらに、制御装置50は、S119では、ブラックのインクについての裏写りに対する補正量RKを算出する際に、βK・QKにブラックインクの種類に応じたγを乗じている。さらに、制御装置50は、S119では、算出された補正量RK、RY、RC、RMを足し合わせ、足し合わされた値(RK+RY+RC+RM)に、記録用紙Pの種類に応じた係数αを乗じることで、補正量Rを算出している。これにより、補正量Rは、分割部分Bに吐出したインクのインク量、インクの色、ブラックインクの種類、及び、記録用紙Pの種類の違いによる裏写りの程度の違いを考慮したものとなる。したがって、補正後のデジタル値Daは、補正前のデジタル値Dよりも、インク吐出面3aと記録用紙Pとの距離に対応した値に近い値となる。したがって、制御装置50は、S120において、補正後のデジタル値Daと閾値Tとの大小関係を比較することにより、記録用紙Pがインク吐出面3aに接触する虞があるか否かを正確に判定することができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、2回のインク吐出動作の間に、記録用紙Pをノズル列9の長さLと同じ距離だけ搬送する搬送動作を行ったが、これには限られない。2回のインク吐出動作の間に、記録用紙Pを、ノズル列9の長さよりも短い距離だけ搬送する搬送動作を行うことで記録用紙Pに印刷を行ってもよい。この場合、あるインク吐出動作によってインクが吐出される領域Eaとその次のインク吐出動作によってインクが吐出される領域Eaとが部分的に重なる、いわゆる重ね打ちを行って、記録用紙Pに印刷を行ってもよい。
例えば、変形例1では、図8に示すように、任意の2回のインク吐出動作の間に、記録用紙Pをノズル列9の長さLの半分の長さL/2だけ搬送している。そして、この場合には、記録用紙Pの第2面Pbへの印刷時に、第2面Pbのうち、分割部分B2a〜B2t、B5a〜B5t、B8a〜B8t、B11a〜B11t、B14a〜B14t、B17a〜B17t、B20a〜B20t、B23a〜B23t、B26a〜B26tに対応する部分に、メディアセンサ7の発光部7aから光が照射される。
したがって、この場合には、制御装置50は、S112において、これらの分割部分B2a〜B2t、B5a〜B5t、B8a〜B8t、B11a〜B11t、B14a〜B14t、B17a〜B17t、B20a〜B20t、B23a〜B23t、B26a〜B26tについて、それぞれ、インクの色毎のインク量情報を生成する。また、この場合には、制御装置50は、S112において、連続する2回のパスによってインクが吐出される分割部分Bについては、各パスによって分割部分Bに吐出されるインク量を足し合わせたインク量に基づいて、インク量情報を生成する。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きくなったときに(S120:YES)、印刷を中断させ(S121)、待機時間が経過したときに(S122:YES)、印刷を再開させたが、これには限られない。
変形例2では、図9に示すように、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きくなったときに(S120:YES)、上述の実施の形態と同様、印刷を中断させる(S121)。しかしながら、変形例2では、上述の実施の形態とは異なり、制御装置50は、待機時間が経過したときに(S122:YES)、排出ローラ5により記録用紙Pを排出させ(S201)、動作を終了する。
膨潤による記録用紙Pのインク吐出面3a側への変形は、時間の経過とともに小さくなる。したがって、変形例2では、印刷を中断させた後、所定時間が経過した後に、記録用紙Pを排出させることにより、記録用紙Pの排出時に、記録用紙Pとインク吐出面3aとが擦れてしまうのを防止することができる。
変形例3では、図10に示すように、変形例2と同様、制御装置50は、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きくなったときに(S120:YES)、印刷を中断させ、待機時間が経過したときに(S121:YES)、記録用紙Pを排出させる(S201)。しかしながら、変形例3では、さらにその後、制御装置50は、搬送ローラ4により別の記録用紙Pを供給させる(S301)。そして、制御装置50において、ノズル10からのインクの吐出量を減らすための設定を行ったうえで(S302)、S101に戻り、供給された別の記録用紙Pへの印刷を行わせる。ここで、ノズル10からのインクの吐出量を減らすための設定を行うというのは、例えば、制御装置50からインクジェットヘッド3に送信する駆動波形を、ノズル10から吐出されるインクの量が少なくなるような波形に変更すること等である。また、制御装置50が別の記録用紙Pへの印刷における解像度を粗く設定する(例えば、排出した記録用紙Pに対する解像度が1200dpiである場合に、別の記録用紙Pに対する解像度を600dpiにする)ことでもよい。
なお、変形例2、3では、制御装置50によって、S120で、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きくなったと判定された場合について説明した。しかし、制御装置50によって、S105で、デジタル値Dが閾値Tよりも大きくなったと判定された場合にも、変形例2、3と同様の動作を行わせてもよい。
さらには、例えば、制御装置50は、印刷を中断させた後、異常が生じたこと報知させるなど、上述の実施の形態及び変形例2、3とは別の動作を行わせてもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、補正量Rを算出する際に、記録用紙の種類に応じた係数αを乗じることによって、補正量Rを記録用紙Pの種類に応じて異ならせたが、これには限られない。記録用紙Pの種類は考慮せず、補正量Rを各色のインクの裏移りに対する補正量を足し合わせた値(RK+RY+RC+RM)によって算出してもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、ブラックのインクの裏写りに対する補正量RKを算出する際に、ブラックインクの種類に応じた係数γを乗じることによって、補正量Rをブラックインクの種類に応じて異ならせたが、これには限られない。ブラックインクの種類を考慮せずに、補正量RKを、RK=βK・QKとして算出してもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、S112でインクの色毎に、分割部分Bにおけるインクの吐出量を示すインク吐出量情報を生成した。さらに制御装置50は、S118で、各色のインクの裏写りに対する補正量RK、RY、RC、RMを足し合わせて、補正量Rを算出したが、これには限られない。例えば、制御装置50は、S112で、分割部分Bおける、各色のインクの吐出量の合計である合計吐出量Qを示すインク吐出量情報を生成し、S118において、インクの色を考慮せず、上記合計吐出量Qに所定の係数βを乗じて補正量Rを算出してもよい。
また、上述の実施の形態では、分割部分Bに吐出されたインク量が多いほど、補正量Rの値を大きくしたが、これには限られない。例えば、分割部分Bに吐出されたインクの量が所定量以上であり、上記裏写りがメディアセンサ7の受光部7bが受信する反射光の光量に与える影響がある程度大きくなる場合に、補正量Rの値を一律の値としてもよい。また、分割部分Bに吐出されたインクの量が所定量よりも少なく、上記裏写りがメディアセンサ7の受光部7bが受信する反射光の光量に与える影響が僅かである場合には、補正量Rを「0」とするなどしてもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、S112において、被照射部分Fに対応する複数の分割部分Bについて、それぞれインク量情報を生成した。さらに、制御装置50は、S118において、各分割部分Bのインク量情報を用いて補正量Rを算出したが、これには限られない。例えば、制御装置50は、S112において、記録用紙Pの第1面Paの、被照射部分Fに対応する部分全体のインク量情報を生成し、S118において、このインク量情報を用いて補正量Rを算出してもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、S111において被照射部分Fを特定した。さらに、制御装置50は、S112において、記録用紙Pの第1面Paの、S111で特定した被照射部分Fに対応する分割部分Bについてのインク吐出情報を生成したが、これには限られない。例えば、制御装置50は、被照射部分Fの特定は行わなくてもよい。この場合、制御装置50は、全ての分割部分Bについてのインク吐出情報を生成し、S118において、生成されたインク吐出情報のうち、メディアセンサ7の発光部7aから光が照射された部分に対応する分割部分についての吐出量情報を読み出して、補正量Rを算出してもよい。また、この場合には、制御装置50は、S112のインク量情報処理を、記録用紙Pの第1面Paへの印刷中や、S110の用紙反転処理中など、S115の第2面Pbへの印刷の開始よりも前の別のタイミングで行ってもよい。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、デジタル値Dを補正し、補正後のデジタル値Daが閾値Tよりも大きいか否かを判定したが、これには限られない。制御装置50は、色のインクの吐出量、インクの色、ブラックインクの種類、記録用紙Pの種類に応じて、閾値Tを補正し、デジタル値Dが補正後の閾値Taよりも大きいか否かを判定してもよい。なお、この場合には、補正後の閾値Taは、例えば、上述の実施の形態の補正量Rを用いて、Ta=T−Rによって算出する。
また、上述の実施の形態では、制御装置50は、メディアセンサ7から入力された検出信号から、距離情報として、受光部7bで受信した光の光量が大きいほど値が大きくなるようなデジタル値Dを生成したが、これには限られない。例えば、制御装置50は、メディアセンサ7から入力された検出信号から、距離情報として、受光部7bで受信した光の光量が大きいほど値が小さくなるようなデジタル信号を生成してもよい。このように生成されたデジタル信号は、記録用紙Pとインク吐出面3aとの距離が小さくなるほど値が小さくなる。この場合には、制御装置50は、補正後のデジタル値が閾値よりも小さくなったとき(閾値を越したとき)に、印刷を中断するなどする。また、この場合には、例えば、制御装置50は、デジタル値から補正量Rを差し引くような補正を行う。一方、制御装置50は、閾値を補正する場合には、閾値に補正量Rを足し合わせるような補正を行う。
さらには、距離情報はデジタル値であることにも限られない。距離情報は、検出信号が示すアナログ値であってもよい。
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド
3a インク吐出面
7 メディアセンサ
10 ノズル
50 制御装置

Claims (10)

  1. ノズルが形成されたインク吐出面を有し、前記インク吐出面と平行な走査方向に移動しつつ前記ノズルからインクを吐出することで被記録媒体への印刷を行うインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドとともに前記走査方向に移動し、作動時に前記被記録媒体に照射した光の反射光の光量に対応する検出信号を出力するための反射型の光センサと、
    前記インクジェットヘッド及び前記光センサの動作を制御し、前記検出信号が入力される制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記インクジェットヘッドに、前記被記録媒体の第1面への印刷を行わせ、その後に、前記被記録媒体の前記第1面と反対側の第2面に印刷を行わせ、
    前記被記録媒体の前記第2面への印刷よりも前に、前記第1面の各部分に吐出するインク量を示すインク量情報を生成するインク量情報生成処理を行い、
    前記被記録媒体の前記第2面への印刷時に、
    前記光センサを作動させる光センサ作動処理と、
    入力された前記検出信号から前記被記録媒体と前記インク吐出面との距離を示す距離情報を生成する距離情報生成処理と、
    前記距離情報と所定の閾値とを比較する比較処理と、を行い、
    前記比較処理の前に、前記インク量情報が示すインク量が第1量のときは前記第1量よりも少ない第2量のときよりも、前記距離情報が示す前記距離が大きくなる又は前記閾値が小さくなるように、前記距離情報及び前記閾値のいずれか一方を補正する補正処理を行い、
    前記比較処理において、前記補正処理で補正された前記距離情報及び前記閾値の前記一方と、前記補正処理で補正されない前記距離情報及び前記閾値の他方とを比較することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記制御装置は、
    前記インク量情報生成処理よりも前に、前記被記録媒体の前記第2面の、前記第2面への印刷時に前記光センサから光が照射される被照射部分を特定する被照射部分特定処理を行い、
    前記インク量情報生成処理において、前記被記録媒体の前記第1面の、前記被照射部分に対応する部分についての前記インク量情報を生成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記制御装置は、
    前記インク量情報生成処理において、前記被記録媒体の前記第1面の、前記被照射部分に対応する部分を前記走査方向に分割した複数の分割部分について、それぞれ前記インク量情報を生成し、
    前記補正処理において、各前記分割部分についての前記インク量情報に基づいて、前記被記録媒体の前記第2面の、各前記分割部分に対応する部分についての前記距離情報及び前記閾値の前記一方を補正することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記インクジェットヘッドは、互いに異なる色のインクを吐出する複数種類の前記ノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記インク量情報生成処理において、インクの色毎に前記インク量情報を生成し、
    前記補正処理において、インクの色毎の前記インク量情報に基づいて、前記距離情報及び前記閾値の前記一方を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記制御装置は、
    前記被記録媒体の種類を特定する媒体特定処理を行い、
    前記補正処理において、前記媒体特定処理で特定した前記被記録媒体の種類に応じて前記距離情報及び前記閾値の前記一方の補正量を異ならせることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記インクジェットヘッドは、前記被記録媒体への染み込みやすさが互いに異なるインクを吐出する複数種類の前記ノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記被記録媒体の前記第1面の各部分に吐出するインクの種類を特定するインク特定処理を行い、
    前記補正処理において、前記インク特定処理で特定したインクの種類に応じて前記距離情報及び前記閾値の前記一方の補正量を異ならせることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記制御装置は、前記比較処理において前記距離情報が前記閾値を越した場合に、前記被記録媒体への印刷を中断させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記制御装置は、前記被記録媒体への印刷を中断させた後、所定の待機時間が経過したときに、前記被記録媒体への印刷を再開させることを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記被記録媒体を排出させるための排出機構をさらに備え、
    前記制御装置は、前記被記録媒体への印刷を中断させた後、所定の待機時間が経過したときに、前記排出機構に前記被記録媒体を排出させることを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記被記録媒体を前記インクジェットヘッドと対向する位置に供給するための供給機構と、
    前記被記録媒体を排出させるための排出機構と、をさらに備え、
    前記制御装置は、前記被記録媒体への印刷を中断させた後、前記排出機構に前記被記録媒体を排出させ、その後、前記供給機構に別の前記被記録媒体を供給させ、前記インクジェットヘッドに前記別の被記録媒体への印刷を行わせ、
    前記別の被記録媒体に印刷を行わせるときに、直前の印刷時よりも、前記ノズルからのインクの吐出量を少なくさせることを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
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