JP6432122B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示装置に関する。
画像表示装置は、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ、PDA、電子辞書、カーナビゲーション、音楽プレーヤー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等において幅広く実用化されている。画像表示装置の小型化、軽量化が進むについて、その利用はもはやオフィスや屋内に限られず、屋外及び車や電車等での移動中の利用も拡大している。
そのような中、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルタを介して視認する機会が増加している。一方、画像表示装置には、種々の要因から配向フィルムを使用することが提案されている。しかしながら、画像表示装置に配向フィルムを使用した場合、その副屈折性により、偏光板から射出した光の偏光特性に歪みが生じ、結果として偏光フィルタで画像を視認した場合に虹斑等の色調の乱れによって視認性が悪化するという問題がある(特許文献1)。また、多くの画像表示装置には、その視認側の表面にカバーガラス(以下、「表面カバーガラス」とも称する)が設けられており、衝撃を受けた際に、それが割れると飛散するおそれがあるという問題がある。
WO2011/058774
そこで本発明は、配向フィルムが使用された画像表示装置を偏光フィルタを介して視認した場合の視認性を改善することを1つの目的とする。また、画像表示装置の表面カバーガラスが割れた場合にそれが飛散することを効果的に防止することを更なる目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決すべく日夜研究を重ねたところ、リタデーションが制御された配向フィルムの両側にガラス板を貼り合わせた合わせガラスを画像表示装置の表面カバーガラスに用いることにより、上記課題の解決が可能であることを見出した。本発明者等は、斯かる知見に基づき更なる検討と改良を重ね、本発明を完成するに至った。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1
(1)画像表示セル、
(2)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光子、及び
(3)前記偏光子より視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルムの両面にガラス板を貼り合わせたガラス積層体、
を有する画像表示装置。
項2
前記偏光子の偏光軸と前記配向フィルムの配向主軸とが形成する角が略45度である、項1に記載の画像表示装置。
項3
前記画像表示セルが液晶セルまたは有機ELセルである、項1又は2に記載の画像表示装置。
本発明によれば、画像表示装置の視認性が改善される。特に、偏光フィルタを介して視認した場合に生じる虹斑に代表される画質の低下が軽減される。尚、本書において、「虹斑」とは、「色斑」、「色ずれ」及び「干渉色」を含む概念である。また、本発明によれば、表面カバーガラスの飛散を効果的に防止することが可能である。
代表的な有機EL表示装置の模式的断面図を示す。 代表的な液晶表示装置の模式的断面図を示す。
画像表示装置は、典型的に、画像表示セル及び偏光板を有する。画像表示セルには、典型的に、有機ELセル又は液晶セルが用いられる。画像表示セルとして有機ELセルを用いた画像表示装置(有機EL表示装置)の代表的な模式図を図1に示し、画像表示セルとして液晶セルを用いた画像表示装置(液晶表示装置)の代表的な模式図を図2に示す。以下、画像表示装置の代表的な構造を図1又は2を参照して説明するが、画像表示装置の構造をこれらに限定されず、種々の変更が可能である。
本書において、画像表示装置の画像が表示される側(ヒトが画像を視認する側)を「視認側」と呼び、視認側と反対側(即ち、有機EL表示装置において、光源としても機能する有機ELセルが設定される側、液晶表示装置において光源が配置される側)を「光源側」と称する。図1及び2では、右側が視認側であり、左側が光源側である。
図1に示すように、有機EL表示装置(E1)は、有機ELセル(E4)、偏光板(E5)及びタッチパネル(E6)を有し得る。有機ELセル(E4)と偏光板(E5)との間には、1/4波長板(E16)を備えていても良い。偏光板(E5)は、典型的に、有機ELセル(E4)の視認側に設けられ、偏光子(E8)と呼ばれるフィルムの両側に偏光子保護フィルム(E10a,E10b)が積層された構造を有する。タッチパネル(E6)は、典型的に、視認側偏光板(E5)より視認側に設けられる。タッチパネル(E6)は、典型的に、2枚の透明導電性フィルム(E11,E12)がスペーサー(E13)を介して配置された構造を有する。透明導電性フィルム(E11,E12)は、基材フィルム(E11a,E12a)と透明導電層(E11b,E12b)とを積層した構造を有する。タッチパネル(E6)の光源側には、任意の接着層を介して、透明基体である飛散防止フィルム(E14)が設けられ得る。画像表示装置の視認側偏光子より視認側には表面カバーガラス(E15)が設けられる。
図2に示すように、液晶表示装置(L1)は、光源(L2)、液晶セル(L4)、及びタッチパネル(L6)を有し得る。液晶セル(L4)の光源側及び視認側の両方には、典型的に、それぞれ偏光板(光源側偏光板(L3)及び視認側偏光板(L5))が設けられている。各偏光板(L3,L5)は、典型的に、偏光子(L7,L8)と呼ばれるフィルムの両側に偏光子保護フィルム(L9a,L9b,L10a,L10b)が積層された構造を有する。本書において、画像表示セルより視認側に存在する偏光板(L5)を「視認側偏光板」とも称し、それを構成する偏光子(L8)を「視認側偏光子」とも称する。タッチパネル(L6)は、典型的に、視認側偏光板(L5)よりも視認側に設けられる。タッチパネル(L6)は、典型的に、2枚の透明導電性フィルム(L11,L12)がスペーサー(L13)を介して配置された構造を有する。透明導電性フィルム(L11,L12)は、基材フィルム(L11a,L12a)と透明導電層(L11b,L12b)とを積層した構造を有する。また、タッチパネル(L6)の光源側には、任意の接着層を介して、透明基体である飛散防止フィルム(L14)が設けられ得る。画像表示装置の視認側偏光子より視認側には表面カバーガラス(L15)が設けられる。
図1及び2に示される画像表示装置において、視認側偏光子(E8,L8)より視認側の部材はいずれも必須ではない。よって、例えば、飛散防止フィルム(E14、L14)は必須ではなく、必用に応じて存在してもよい。
画像表示装置は、画像表示装置には、種々の目的で配向フィルムが使用され得る。本書において、配向フィルムとは、複屈折性を有する高分子フィルムのことを意味する。画像表示装置は、視認性を改善するという観点から、視認側偏光子より視認側に3000μm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルムの両面にガラス板を貼り合わせたガラス積層体を備えることが好ましい。本書において、3000μm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルムを「高リタデーション配向フィルム」と称する。
なお、図1及び2においては、視認側偏光板(E5,L5)の視認側にタッチパネル(E6,L6)が示されるが、タッチパネルの存在は必須ではない。画像表示装置がタッチパネルを備える場合、タッチパネルは、上記の抵抗膜式のタッチパネルに限らず、投影型静電容量式等の他の方式のタッチパネルを使用することが可能である。例えば、透明導電性フィルムは1枚であってもよい。また、タッチパネルは、画像表示セルにタッチパネル機能を組み込んだ内蔵型タッチパネルであっても良い。内蔵型タッチパネルとしては、タッチ感知用の電極を画像表示セルの2枚の基板の内側に配置したインセル型タッチパネル及びタッチ感知用の電極を表示セルの視認側の基板の外側に配置したオンセル型タッチパネル等が挙げられる。
タッチパネルは、表面カバーガラスにタッチパネル機能を付与したものであっても良い。表面カバーガラスにタッチパネル機能を付与したタッチパネルとしては、例えば、次の(A)〜(F)を例示することができるがこれらに限定される訳ではない。(A)ガラス板表面に透明導電層、絶縁層、及び透明導電層をこの順に積層させたタッチセンサーと、透明導電層が設けられていないもう1つのガラス板とを高リタデーション配向フィルムの両側に1枚ずつ貼り合わせたタッチパネル。ここで、透明導電層が積層されたガラス板は、その透明導電性層が高リタデーション配向フィルムと接しないように高リタデーション配向フィルムと張り合わせられることが好ましいが、透明導電層が高リタデーション配向フィルムと接するように張り合わせられても良い。(B)ガラス板の両面に透明導電層を設け、当該ガラス板を絶縁層に利用したタッチセンサーと、透明導電層が設けられていないもう1つのガラス板とを高リタデーション配向フィルムの両側に1枚ずつ貼り合わせたタッチパネル。(C)ガラス板の片面に一層の透明導電層を設けたガラス積層体を2枚用意し、それらを高リタデーション配向フィルムの両側に貼り合わせ、高リタデーション配向フィルムを絶縁層に利用したタッチセンサーとするタッチパネル。ここで、2枚のガラス積層体は、各々の透明導電層が設けられた表面が高リタデーション配向フィルムの表面と接するように配置される。(D)高リタデーション配向フィルムの片面に透明性導電層、絶縁層、及び透明導電層をこの順に設けてタッチセンサーとし、それの両側にガラス板を貼り合わせたタッチパネル。(E)高リタデーション配向フィルムの両面に透明導電層を設けてタッチセンサーとし、それの両側にガラス板を貼り合わせた、タッチパネル。(F)合わせガラスの両面に透明電極を設けてタッチセンサーとし、さらに任意のフィルムやシート物と積層したタッチパネル。
上記では、表面カバーガラスにタッチパネル機能を付与したタッチパネルの代表的な例を示したが、ガラス板の片面に設けられる透明電極と、高レタデーション配向フィルムの片面に設けられる透明電極の間でタッチセンサー機能を持たせても良く、上記(A)及び(D)においては透明電極1層でタッチセンサーとすることも可能である。
<表面カバーガラス>
表面カバーガラスは高リタデーション配向フィルムの両側にガラス板を貼り合わせた合わせガラスである。表面カバーガラスを構成するガラス板としては、シリカガラス(SiO)、ソーダ石灰シリカガラス(NaO−CaO−SiO)、鉛ガラス(KO−PbO−SiO)、ホウケイ酸塩ガラス(NaO−B−SiO)、無アルカリガラス(XO−Al−SiO Xは2価の元素)など、任意の材料で作製されたものが用いられる。好ましいガラス板はソーダライムガラス及び/又はアルミノシリケートガラスを化学強化したものである。
また、ガラス板の代替物として、有機無機複合シート(例えばシルプラス)を用いてもよい。高リタデーション配向フィルムの両側に有機無機複合シートを貼り合わせたもの、及び硬化前の有機無機複合体を高リタデーション配向フィルムの両面に塗布し、その後硬化させたものも好ましい。この様なフィルム上で成形したものも貼り合わせガラスに該当する。高リタデーション配向フィルム上への有機無機複合体の塗布は、接着剤レスでの積層が可能となるため好ましい。高リタデーション配向フィルムの表面には易接着層を設けることが好ましい。
ガラス板の厚みは任意であり、画像表示装置の大きさに合わせて適宜設定できるが、表面カバーとしての強度を保持させるという観点から50μm以上が好ましく、より好ましくは70μm以上、更に好ましくは100μm以上である。ガラス板の厚み上限は、軽量化の観点から、好ましくは2000μm以下であり、より好ましくは1500μm以下、更に好ましくは1000μm以下である。小型の携帯末端に使用される表面カバーガラスの場合、それを構成するガラス板は、好ましくは700μm以下、より好ましくは500μm以下である。尚、複数のガラス板を組み合わせて使用する場合、それらの厚みは、同一であっても異なっていても良い。
合わせガラスである表面カバーガラスの厚みも任意であり、画像表示装置の大きさ等によって適宜設定できるが、強度の観点から、100μm以上が好ましく、より好ましくは150μm以上である。表面カバーガラスの厚みの上限は、軽量化の観点から、4000μm以下が好ましく、より好ましくは3000μm以下、更に好ましくは2000μm以下である。小型の携帯末端に使用されるカバーガラスの場合、その厚みは1500μm以下が好ましく、より好ましくは1000μm以下である。
表面カバーガラスの視認側は、反射防止層(低反射層)、防眩層、反射防止(低反射)防眩層、帯電防止層、防汚層なとの表面処理をすることも好ましい。また、表面カバーガラスの光源側は、反射防止層(低反射層)を設けることも好ましい。
<高リタデーション配向フィルム>
高リタデーション配向フィルムのリタデーションの下限値は、3000nm以上である。さらに、効果的に虹斑を低減するという観点から、好ましくは4500nm以上、好ましくは6000nm以上、好ましくは8000nm以上、好ましくは10000nm以上である。一方、高リタデーション配向フィルムのリタデーションの上限は、それ以上のリタデーションを有するポリエステルフィルムを用いたとしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じては配向フィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し兼ねないという観点から、150000nmと設定されるが、更に高い値とすることも理論的には可能である。画像表示装置が2枚以上の高リタデーション配向フィルムを有する場合、それらのリタデーションは同一であっても異なっていても良い。
高リタデーション配向フィルムの厚みとしては、高いリタデーションを確保する、合わせガラスとして飛散防止機能を確保する点で、5μm以上が好ましく、さらには10μm以上、特には15μm以上が好ましい。厚みの上限は、薄型、軽量化の面で250μm以下が好ましく、さらには200μm以下、特には170μm以下が好ましい。
虹斑をより効果的に抑制するという観点から、高リタデーション配向フィルムは、そのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が、好ましくは0.2以上であり、好ましくは0.5以上、好ましくは0.6以上である。厚さ方向リタデーションとは、フィルムの厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz及び△Nyzにそれぞれフィルム厚みdを掛けて得られるリタデーションの平均値を意味する。Re/Rthが大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、画面への虹斑の発生をより効果的に抑制することができる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記載する場合は、面内リタデーションを意味する。
Re/Rthの最大値は2.0(即ち、完全な1軸対称性フィルム)であるが、完全な1軸対称性フィルムに近づくにつれて配向方向と直交する方向の機械的強度が低下する傾向がある。よって、ポリエステルフィルムのRe/Rthの上限は、好ましくは1.2以下、好ましくは1.0以下である。上記比率が1.0以下であっても、画像表示装置に求められる視野角特性(左右180度、上下120度程度)を満足することが可能である。
配向フィルムのリタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を用いて求めることもできる。
高リタデーション配向フィルムは、公知の手法を適宜選択して製造することができる。例えば、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、シクロオレフィン樹脂、液晶性ポリマー樹脂、及びセルロース系樹脂に液晶化合物を添加した樹脂から成る群より選択される一種以上を用いて製造することができる。従って、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、シクロオレフィンフィルム、液晶性フィルム、セルロース系樹脂に液晶化合物が添加されたフィルムであり得る。
高リタデーション配向フィルムの好ましい原料樹脂は、ポリカーボネート及び/又はポリエステル、シンジオタクチックポリスチレンである。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるので好ましい。特に、ポリエチレンナフタレートは、ポリエステルの中でも固有複屈折率が大きいことから、リタデーションを特に高くしたい場合や、リタデーションを高く保ちながらフィルム厚みを薄くしたい場合に好適である。ポリエステル樹脂を代表例として、より具体的な高リタデーション配向フィルムの製造方法を後述する。
<高リタデーション配向フィルムの製造方法>
以下に、ポリエステルフィルムを例に、高リタデーション配向フィルムの製造方法を説明する。ポリエステルフィルムは、任意のジカルボン酸とジオールとを縮合させて得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等を挙げることができる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。
ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートであり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。ポリエステル樹脂は他の共重合成分を含んでも良く、機械強度の点からは共重合成分の割合は3モル%以下が好ましく、より好ましくは2モル%以下、更に好ましくは1.5モル%以下である。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れる。また、これらの樹脂は、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。
ポリエステルフィルムは、一般的な製造方法に従って得ることができる。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施すことにより配向ポリエステルフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであっても良い。高リタデーション配向フィルムは斜め45度に延伸されたものであってもよい。
ポリエステルフィルムを得るための製造条件は、公知の手法に従って適宜設定することが出来る。例えば、縦延伸温度及び横延伸温度は、通常80〜130℃であり、好ましくは90〜120℃である。縦延伸倍率は、通常1.0〜3.5倍であり、好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は、通常2.5〜6.0倍であり、好ましくは3.0〜5.5倍である。
リタデーションを特定範囲に制御することは、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行うことができる。例えば、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、延伸温度が高いほど、トータル延伸倍率が低いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が低いフィルムが得やすくなる。逆に、延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得られる。更に、熱処理温度は、通常140〜240℃が好ましく、好ましくは180〜240℃である。
ポリエステルフィルムにおけるリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。リタデーション差をつけるために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑の値が高くなる場合がある。縦厚み斑の値は延伸倍率のある特定の範囲で非常に高くなる領域があるため、そのような範囲を外すように製膜条件を設定することが望ましい。
配向ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。フィルムの厚み斑は、任意の手段で測定することができる。例えば、フィルムの流れ方向に連続したテープ状サンプル(長さ3m)を採取し、市販される測定器(例えば、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ ミリトロン1240)を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定し、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出することができる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
<接着剤>
高リタデーション配向フィルムとガラス板との貼り合わせには、接着剤を用いることが好ましい。接着剤としては、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、これらの変性物などが挙げられる。これらの中でもポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
接着剤の使用方法は特に制限されないが、例えば、シート状に成型された接着剤を用いる方法、ガラスにコートして用いる方法、高リタデーション配向フィルムにコートして用いる方法、離型フィルム上にコートされた粘着剤をガラスや高リタデーション配向フィルムに転写する方法等を挙げることができる。
接着剤層の厚みは任意であり、適宜設定可能である。例えば、コートされた接着剤の場合には下限は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上が好ましく、上限は100μm以下が好ましく、さらには50μm以下、特には30μ以下が好ましい。また、接着層の厚みはシート上に成形された接着剤の場合には下限は、2μm以上が好ましく、さらには5μm以上が好ましく、特には7μm以上が好ましく、上限は100μm以下が好ましく、さらには50μm以下が好ましく、特には30μm以下が好ましい。
<積層方法>
ガラス板と高リタデーション配向フィルムを積層して合わせガラスを製造する方法は、任意であり特に制限されない。例えば、ガラス板、接着剤、高リタデーション配向フィルム、接着剤、及びガラス板をこの順に積層し、ローラーなどで圧をかけて気泡を除去しながら各層を密着させ、接着処理を行うことによって合わせガラスを得ることができる。なお、積層時〜接着処理時には加圧するだけでなく減圧して挟み込まれる気泡を除去することも好ましい。
接着処理は接着剤に適した各種の処理を行うことによって実施できる。例えば、熱接着型の接着剤であれば軟化温度以上で加熱圧着することで実施できる。接着剤にイソシアネート及び/又はエポキシなどの硬化剤が添加されている反応硬化型の接着剤であれば、硬化が進むよう室温以上で加熱圧着することによって実施できる。紫外線硬化型接着剤であれば、紫外線照射させることによって実施できる。
ガラス板と高リタデーション配向フィルムの積層はガラス板、高リタデーション配向フィルム、及びガラス板だけでなく、更にこれらの上に高リタデーション配向フィルム、3000nm以下のリタデーションのフィルム、及びガラス板を単独又は組み合わせて積層することもできる。
高リタデーション配向フィルムは単体で用いるだけでなく、複数枚を重ねて用いても良いし、高リタデーション配向フィルムと3000nm以下のリタデーションのフィルムをラミネートしたフィルムとして用いても良い。
<高リタデーション配向フィルムの易接着処理>
高リタデーション配向フィルムはガラス板と貼り合わせる場合の接着剤との接着性を確保するため、易接着処理されていることが好ましい。易接着処理としては、高リタデーション配向フィルムの材質、接着剤によって適宜選択することができる。例えば、コロナ処理、プラズマ処理などの物理的処理、易接着コート等が挙げられるが、易接着コートが好ましい。
易接着コート剤に用いられる樹脂は、例えば、高リタデーション配向フィルムがポリエステルの場合には、共重合ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、アクリル樹脂などが好ましく用いられる。これらの樹脂は異なる2種の樹脂、例えば、アクリル樹脂とポリエステル樹脂、アクリル樹脂とウレタン樹脂、あるいはポリエステル樹脂とウレタン樹脂を組み合わせて用いることが好ましい。これは、2種類の樹脂の特性が維持され、接着性がさらに向上する為である。
好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸から選ばれる共重合体等を挙げることができる。アクリル樹脂のガラス転移温度は好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜80℃である。アクリル樹脂の数平均分子量は10万以上が好ましく、30万以上が接着性の点で特に望ましい。
好ましいポリエステル樹脂としてはテレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる共重合体を挙げることができる。ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜80℃である。ポリエステル樹脂の数平均分子量は15000以上が好ましく、17000以上が接着性の点で特に望ましい。
好ましいポリエステルポリウレタンは、上記のポリエステル樹脂、またはそのオリゴマーをジイソシアネート化合物と反応させたものである。好ましいポリカーボネートポリウレタン樹脂としては、脂肪族のポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物と反応させたものを例示できる。ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリウレタン樹脂を得る際には低分子量の鎖延長剤を用いても良い。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は好ましくは0〜60℃、より好ましくは10〜50℃である。ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15000以上が好ましく、17000以上が接着性の点で特に望ましい。
易接着コート剤にポリビニルアルコール系樹脂を添加することも接着性確保のために好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のけん化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコール;などが挙げられる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は1種のみ用いても良いし2種以上を併用しても良い。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニルアルコール−ビニルブチラール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体が例示され、これらの中でもビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は特に問わないが、塗布液の粘性の点から重合度が3000以下であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は60モル%以上85モル%以下が好ましく、65モル%以上83モル%以下がより好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量としては易接着コート層中に10質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上55%質量%以下がより好ましい。
易接着コート剤には架橋剤が添加されることが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミンなどのアミノ樹脂、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物など挙げられる。
易接着コート剤には、他にレベリング剤、消泡剤、帯電防止剤など添加することができる。
高リタデーション配向フィルムには粒子滑材を添加せず、易接着コートにシリカなどの滑材を添加することも高透明性とフィルムの取り扱い性を確保するためには好ましい方法である。粒子としては、平均粒径(SEMによる個数基準の平均粒径。以下同じ)、0.04〜2.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。
易接着コート剤は有機溶剤系であっても水系であっても良いが、取り扱いの点で水系が好ましい。樹脂は水系に溶解又は分散することが好ましく、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基を導入したものが好ましい。易接着コート剤は、易接着コートフィルム製造時にコートするインラインコートであってもフィルム製造後にコートするオフラインコートであっても良い。
<表面カバーフィルムの設置>
画像表示装置において表面カバーガラスを配置する角度は、任意であるが、表面カバーガラスを構成する高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(高リタデーション配向フィルムと偏光子とが同一平面上にあると仮定する)は、特に制限されないが、虹斑を低減する、輝度低下を低減するという観点から、45度に近いこと(略45度)が好ましい。例えば、前記角度は、45度±30度以下、好ましくは45度±20度以下、好ましくは45度±15度、好ましくは45度±10、好ましくは45度±5度、好ましくは45度±3度、45度±2度、45度±1度、45度である。本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。よって、例えば、前記「45度±20度以下」とは、45度を中心に上下20度の範囲の変動を許容することを意味する。
上記のように偏光軸と配向主軸とが一定の角度を満たすように偏光子及び高リタデーション配向フィルムを配置することは、例えば、切断された高リタデーション配向フィルムをその配向主軸が偏光子の偏光軸と特定の角度になるように配置する方法や、高リタデーション配向フィルムを斜め延伸する方法により行うことができる。
虹斑等を回避してより良好な視認性を得るという観点から、偏光フィルタを用いて画像表示装置を視認する場合、偏光フィルタの偏光軸と、視認側偏光子(及び光源側偏光子)の偏光軸とが形成する角度は、略平行又は略垂直であることが好ましい。ここで、略平行であるとは、好ましくは0度±10度以下であり、好ましくは0度±5度以下であり、好ましくは0度±4度以下であり、好ましくは0度±3度以下であり、好ましくは0度±2度以下であり、好ましくは0度±1度以下である。また、略垂直であるとは、好ましくは90度±10度以下であり、好ましくは90度±5度以下であり、好ましくは90度±4度以下であり、好ましくは90度±3度以下であり、好ましくは90度±2度以下であり、好ましくは90度±1度以下である。
偏光サングラス等の偏光フィルタは、通常、装着した際の偏光軸が水平に対して垂直方向となるように設計されている。そこで、このような偏光フィルタを介して画像表示装置を見た際に、より優れた視認性を得るという観点から、画像表示装置において、偏光子は、略長方形であるディスプレイの縦軸又は横軸と平行となるように配置することが好ましい。
高リタデーション配向フィルムの配向主軸は、長方形であるディスプレイ画面の縦軸又は横軸と平行となるように画像表示装置内で配置されることが好ましい。高リタデーション配向フィルムの配向主軸がディスプレイの縦軸と略平行である場合には、画面を正面からではなく斜め方向から(横方向から)観察した場合でも虹斑が抑えられ視認性に優れるためである。一方、高リタデーション配向フィルムの配向主軸がディスプレイ画面の横方向とほぼ一致する場合には、画面を正面からではなく斜め方向(縦方向から)から観察した場合でも虹斑が抑えられ視認性に優れるためである。
表面カバーガラスはスペーサーを介して内部の部材と重ねられていても良く、基材レスの光学用粘着剤で内部の部材と貼り合わされていても良い。
<画像表示セル及び光源>
画像表示装置において、画像表示セルから射出される光は、虹斑を抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有することが好ましい。ここで、「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
画像表示装置が画像表示セルとして有機ELセルを備える場合、有機ELセル自体が連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源としての機能を有する。一方、画像表示装置が画像表示セルとして液晶セルを備える場合、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を備えることが好ましい。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。そのような白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化合物半導体を使用した青色光、及び紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子)並びに有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。
<偏光板及び偏光子保護フィルム>
偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用される任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料を染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
PVAフィルムは、市販品を用いることができ、例えば、「クラレビニロン((株)クラレ製)」、「トーセロビニロン(東セロ(株)製)]、「日合ビニロン(日本合成化学(株)製)]等を用いることができる。二色性材料としてはヨウ素、ジアゾ化合物、ポリメチン染料等を挙げることができる。
偏光子は、任意の手法で得ることができ、例えば、PVAフィルムを二色性材料で染着させたものをホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄及び乾燥を行うことにより得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度であるが特に制限されない。他の製造条件等は公知の手法に従って適宜設定することができる。
視認側偏光子の視認側の保護フィルム(視認側偏光子保護フィルム)は、リタデーションの値が3000nm以上の高リタデーション配向フィルム、リタデーションの値が3000nm未満の配向フィルム又は偏光子保護フィルムとして従来から使用される任意の複屈折を有しないフィルムであり得るが、これらに限定されるものではない。リタデーションの値が3000nm未満の配向フィルムは、高リタデーション配向フィルムと同様の材料を用いて、膜厚や延伸条件を調整して得ることができる。複屈折を有しないフィルムとしては、取り扱い性及び入手の容易性といった観点から、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリルフィルム、及び環状オレフィン系フィルム(例えば、ノルボルネン系フィルム)、ポリプロピレンフィルム、及びポリオレフィン系フィルム(例えば、TPX)等が挙げられる。
視認側偏光子の光源側の保護フィルム及び光源側偏光子の保護フィルムの種類は任意であり、従来から保護フィルムとして使用されるフィルムを適宜選択して使用することができ、上記の複屈折性を有さないフィルムが好ましい例として挙げられる。
一実施形態において、視認側偏光子の光源側保護フィルム及び光源側偏光子の視認側保護フィルムは、光学補償機能を有する光学補償フィルムであることが好ましい。そのような光学補償フィルムは画像表示セルの各方式に合わせて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース中に液晶化合物(例えば、ディスコティック液晶化合物及び/又は複屈折性化合物)を分散させた樹脂、環状オレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン樹脂)、プロピオニルアセテート樹脂、ポリカーボネートフィルム樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂、ラクトン環含有樹脂、及びイミド基含有ポリオレフィン樹脂等なら成る群より選択される1種以上から得られるものを挙げることができる。
光学補償フィルムは、商業的に入手可能であるため、それらを適宜選択して使用することも可能である。例えば、TN方式用の「ワイドビュー−EA」及び「ワイドビュー−T」(富士フイルム社製)、VA方式用の「ワイドビュー−B」(富士フイルム社製)、VA−TAC(コニカミノルタ社製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン社製)、「アートン」(JSR社製)、「X−plate」(日東電工社製)、並びにIPS方式用の「Z−TAC」(富士フイルム社製)、「CIG」(日東電工社製)、「P−TAC」(大倉工業社製)等が挙げられる。
偏光子保護フィルムは偏光子上に直接又は接着剤層を介して積層することができる。接着性向上の点から、接着剤を介して積層することが好ましい。接着剤としては、特に制限されず任意のものを使用できる。接着剤層を薄くする観点から、水系のもの(即ち、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたもの)が好ましい。例えば、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合は、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂などを用い、接着性を向上させるために、必要に応じてイソシアネート系化合物、エポキシ化合物などを配合した組成物を接着剤として用いることができる。接着剤層の厚みは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
偏光子保護フィルムとしてTACフィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて張り合わせることができる。偏光子保護フィルムとして、アクリルフィルム、環状オレフィン系フィルム、ポリプロピレフィルム、又はTPX等の透湿性の低いフィルムを用いる場合は、接着剤として光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
偏光子保護フィルムの厚みは任意であり、例えば、15〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で適宜設定できる。
<タッチパネル、透明導電性フィルム、基材フィルム、飛散防止フィルム>
画像表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層された構造を有する。基材フィルムとして、リタデーションの値が3000nm以上の高リタデーション配向フィルム、リタデーションの値が3000nm未満の配向フィルム又は複屈折を有しないフィルム、若しくはガラス板等の剛性板を用いることができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、より好ましくはポリエステル樹脂である。
基材フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。
基材フィルムは、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施してもよい。これにより、基材フィルム上に設けられる透明導電層等との密着性を向上させることができる。また、透明導電層等を設ける前に、必要に応じて基材フィルムの表面を溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。
透明導電層は、直接基材フィルムに積層されても良いが、易接着層及び/又は種々の他の層を介して積層することが出来る。他の層としては、例えば、ハードコート層、インデックスマッチング(IM)層、及び低屈折率層等を挙げることができる。代表的な透明導電性フィルムの積層構造としては、次の6パターンを挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)ポリエステルフィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
IM層は、それ自体が高屈折率層/低屈折率層の積層構成(透明導電性薄膜側が低屈折率層)であるため、これを用いることにより、液晶表示画面を見た際にITOパターンを見え難くすることができる。上記(6)のように、IM層の高屈折率層とハードコート層を一体化させることもでき、薄型化の観点から好ましい。
上記(3)〜(6)の構成は、静電容量式のタッチパネルにおける使用に特に適している。また、上記(2)〜(6)の構成は、基材フィルムの表面にオリゴマーが析出することが防止できるという観点で好ましく、基材フィルムのもう一方の片面にもハードコート層を設けることが好ましい。
基材フィルム上の透明導電層は、導電性金属酸化物により形成される。透明導電層を構成する導電性金属酸化物は特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の導電性金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。好ましい透明導電層は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)層及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)層であり、より好ましくはITO層である。また、Agナノワイヤー、Agインク、Agインクの自己組織化導電膜、網目状電極、CNTインク、導電性高分子であってもよい。
透明導電層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、15〜40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。透明導電層の厚みが15nm以上であると、表面抵抗が例えば1×103Ω/□以下の良好な連続被膜が得られ易い。また、透明導電層の厚みが40nm以下であると、より透明性の高い層とすることができる。
透明導電層は、公知の手順に従って形成することができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。透明導電層は、アモルファスであってもよく、結晶性のものであってもよい。結晶性の透明導電層を形成する方法としては、一旦基材上にアモルファス膜を形成した後、該アモルファス膜を可撓性透明基材とともに加熱・結晶化することによって形成することが好ましい。
透明導電性フィルムは、透明導電層の面内の一部が除去されてパターン化されたものであってもよい。透明導電層がパターン化された透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が形成されているパターン形成部と、基材フィルム上に透明導電層を有していないパターン開口部とを有する。パターン形成部の形状は、例えば、ストライプ状の他、スクエア状等が挙げられる。
画像表示装置は、更に飛散防止フィルムを設けても良い。飛散防止フィルムとして、リタデーションの値が3000nm以上の高リタデーション配向フィルム、リタデーションの値が3000nm未満の配向フィルム又は複屈折を有しないフィルム、若しくはガラス板等の剛性板を用いることができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、より好ましくはポリエステル樹脂である。
飛散防止フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。
<視認側偏光子の視認側偏光子保護フィルム、電極基材フィルム、又は飛散防止フィルムの角度>
視認側偏光子の視認側偏光子保護フィルム、基材フィルム又は飛散防止フィルムが、リタデーションが150nm以上である配向フィルムまたは高リタデーション配向フィルムである時は、フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(フィルムと偏光子とが同一平面上にあると仮定する)は、特に制限されないが、虹斑を低減するという観点から、0度±30度以下であり、好ましくは0度±25度以下であり、好ましくは0度±20度以下であり、好ましくは0度±10度以下であり、好ましくは0度±5度以下である。また、好ましくは90度±30度以下であり、好ましくは90度±25度以下であり、好ましくは90度±20度以下であり、好ましくは90度±10度以下であり、好ましくは90度±5度以下である。
また、視認側偏光子の視認側偏光子保護フィルム、基材フィルム又は飛散防止フィルムが、リタデーションが3000nm以上である高リタデーション配向フィルムである時は、高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度は45度に近いこと(略45度)も好ましい。例えば、前記角度は、45度±30度以下、好ましくは45度±20度以下、好ましくは45度±15度、好ましくは45度±10、好ましくは45度±5度、好ましくは45度±3度、45度±2度、45度±1度、45度である。本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。
偏光子保護フィルム、基材フィルム、高リタデーション配向フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
<画像表示装置の構成>
(1)バックライト光源:白色LED
(2)光源側及び視認側の偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の両側の保護フィルムとしてTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm)を有する。
(3)画像表示セル:液晶セル
(4)表面カバーガラス:後述する手順で作製した。
(フィルム用樹脂の合成)
製造例−PET(A)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン(登録商標)製フィルタで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
(易接着コート用ポリエステル樹脂の重合)
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート194.2質量部、ジメチルイソフタレート184.5質量部、ジメチルー5−ナトリウムスルホイソフタレート14.8質量部、ジエチレングリコール233.5質量部、エチレングリコール136.6質量部、およびテトラーnーブチルチタネート0.2質量部を仕込み、160℃から220℃の温度で4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。共重合ポリエステル樹脂の還元粘度を測定したところ,0.70dl/gであった。DSCによるガラス転移温度は40℃であった。
(易接着コート用ポリエステル水分散体の調製)
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、共重合ポリエステル樹脂30質量部、エチレングリコールn−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分30質量%の乳白色の共重合ポリエステル水分散体を作製した
(易接着コート用ポリビニルアルコール水溶液の調製)
攪拌機と温度計を備えた容器に、水90質量部を入れ、攪拌しながら重合度500、ケン化度74モル%のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液を作成した。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤の重合)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
(1)塗布液の調製
下記の塗剤を混合し、共重合ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール系樹脂の質量比が70/30になる塗布液を作成した。
水 40.61質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液 15.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
配向フィルム1
基材フィルム原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように、上記塗布液を両面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この塗布層を形成した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約50μmの一軸配向の配向フィルム1を得た。
配向フィルム2
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約100μmとする以外は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の配向フィルム2を得た。
配向フィルム3
走行方向に3.3倍、幅方向に4.0倍延伸した以外は配向フィルム3と同様にして、フィルム厚み約75μmの二軸配向の配向フィルム3を得た。
配向フィルム4
走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸した以外は配向フィルム3と同様にして、フィルム厚み約100μmの一軸配向の配向フィルム4を得た。
配向フィルム5
走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸した以外は配向フィルム3と同様にして、フィルム厚み約38μmの二軸配向の配向フィルム5を得た。
配向フィルム6
ポリカーボネート(アルドリッチ社製)を重量比で4倍の塩化メチレンに溶かし、ポリマー溶液を調製した。ポリマー溶液を平滑なガラス板状にナイフコーターで展開し、室温で放置し、溶媒を乾燥させた。その後、ポリカーボネートシートをガラス板より剥がし、90℃の減圧乾燥機中で24時間乾燥させた。得られたポリカーボネートシートからダンベル状にサンプルを切り出した。切り出したシートサンプルをテンシロン(オリエンテック製)を用い、温度160℃程度に加熱し、一軸方向に延伸した。その際の、延伸倍率、延伸速度を調節することで、9087nmのリタデーションを有する一軸配向の配向フィルム6を得た。
得られたフィルムの物性を表1に示す。
Figure 0006432122
尚、リタデーション(Re)及び厚さ方向リタデーション(Rth)は、次の通り測定した。即ち、二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向主軸方向を求め、配向主軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)として求めた。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。また、リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)、(△Nyz×d)の平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(表面カバーガラスの作成)
ガラス板/接着剤層/高リタデーション配向フィルム/接着剤層/ガラス板の順になるように重ね合わせ、減圧下100℃の条件下で熱圧着し、合わせガラスとした。使用した材料は以下の通りである。
ガラス:表面に反射防止層を設けた化学強化アルミノシリケートガラス(100mm×70mm、厚さ300μm)
接着剤層:エチレンビニルアセテート共重合体(積水化学製 S−LEC(TM))厚さ0.38μmのものをテフロン(TM)ロールで加熱延展して厚さ0.2μmにし、ガラス板上に移して使用した。
高リタデーション配向フィルム:上記の配向フィルム1〜6を用いた。なお、参考のため、高リタデーション配向フィルムを用いずに合わせガラスを作成した。
試験例1:虹斑の評価(リタデーションの影響)
上記構成を有する画像表示装置において、視認側偏光子の偏光軸と表面カバーガラスの高リタデーション配向フィルムの配向主軸が45度の角度になるよう設置し、さらに視認側表面に、視認側表面と平行でかつ偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が90度となるように偏光フィルムを配置して白画像を表示させた。偏光フィルムを介して白画像を眺めて虹斑発生の有無及び程度を確認し、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎: 正面から観察したときに、虹斑が観察されない。
○: 正面から観察したときに、弱い虹斑が観測された。
×: 正面から観察したときに、明らかに虹斑が観測されるか、輝度が低下した。
結果を表2に示す。表2より、表面カバーガラスに用いるフィルムのリタデーションが3000nm以上で効果的に虹斑が低減されることが分かった。
Figure 0006432122
試験例2:輝度の評価(高リタデーション配向フィルムの角度の影響)
上記構成を有する画像表示装置において、配向フィルム2を用いた表面カバーガラスを設置し、さらに視認側表面に、視認側表面と平行でかつ偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が90度となるように偏光フィルムを配置して白画像を表示させた。表面カバーガラスに用いた高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸との角度を0から90度まで5度おきに回転させて、偏光フィルムを介して白画像を眺めて評価したところ表3の様になった。
Figure 0006432122
試験例3:偏光子と表面カバーガラス間に配向フィルムを設けた場合の視認性
上記構成を有する画像表示装置において、配向フィルム2を用いた表面カバーガラスを用いて、視認側偏光子の偏光軸と表面カバーガラスの高リタデーション配向フィルムの配向主軸が45度の角度になるよう設置し、さらに視認側表面に、視認側表面と平行でかつ偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が90度となるように偏光フィルムを配置して白画像を表示させた。さらに、新側偏光板の偏光子補フィルム、電極基板フィルム等に配向フィルムが用いられたことを想定して、リタデーション1537nm、厚み50μmのポリエステルフィルム(東洋紡製、A4300)を視認側偏光板と表面カバーガラス間に角度を変えて挿入し、偏光フィルムを介して白画像を眺めて虹斑発生の有無及び程度を確認した。ポリエステルフィルムが視認側偏光子の偏光軸いずれの角度であっても正面からの虹斑は観察されなかった。
試験例4:偏光子と表面カバーガラス間に高リタデーション配向フィルムを設けた場合の視認性
試験例3において、表面カバーガラスに用いる高リタデーション配向フィルムを配向フィルム1または4とし、ポリエステルフィルムの代わりに配向フィルム1〜4、6を挿入した。なお、表面カバーガラスに用いた配向フィルムと挿入した配向フィルムの配向主軸は30度となるよう、ポリエステルフィルムの代わりの配向フィルムを挿入した。
表面カバーガラスに用いた配向フィルムと挿入した配向フィルムが同じ場合、配向フィルム1を表面カバーガラスに用い、かつ配向フィルム3を挿入した場合には虹斑が観測されたが、それ以外は虹斑は認められなかった。
E1 有機EL表示装置
E4 有機ELセル
E5 視認側偏光板
E6 タッチパネル
E7 光源側偏光子
E8 視認側偏光子
E9a 偏光子保護フィルム
E9b 偏光子保護フィルム
E10a 偏光子保護フィルム
E10b 視認側偏光子保護フィルム
E11 光源側透明導電性フィルム
E11a 光源側基材フィルム
E11b 透明導電層
E12 視認側透明導電性フィルム
E12a 視認側基材フィルム
E12b 透明導電層
E13 スペーサー
E14 光源側飛散防止フィルム
E15 表面カバーガラス
E16 1/4波長板
L1 液晶表示装置
L2 光源
L3 光源側偏光板
L4 液晶セル
L5 視認側偏光板
L6 タッチパネル
L7 光源側偏光子
L8 視認側偏光子
L9a 偏光子保護フィルム
L9b 偏光子保護フィルム
L10a 偏光子保護フィルム
L10b 視認側偏光子保護フィルム
L11 光源側透明導電性フィルム
L11a 光源側基材フィルム
L11b 透明導電層
L12 視認側透明導電性フィルム
L12a 視認側基材フィルム
L12b 透明導電層
L13 スペーサー
L14 光源側飛散防止フィルム
L15 表面カバーガラス

Claims (5)

  1. (1)画像表示セル、
    (2)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光子、及び
    (3)前記偏光子より視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルムの両面にガラス板を接着剤を介して直接貼り合わせたガラス積層体、
    を有し、
    前記ガラス板の厚みは100μm以上であり、
    前記配向フィルムの厚みは100μm以下であり、
    前記配向フィルムは、ポリエステルフィルムある、
    画像表示装置。
  2. 前記配向フィルムは、少なくとも一方のフィルム表面が易接着処理された配向フィルムである、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記偏光子の偏光軸と前記配向フィルムの配向主軸とが形成する角が略45度である、請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記画像表示セルが液晶セルまたは有機ELセルである、請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
  5. (1)有機ELセル、
    (2)前記有機ELセルより視認側に配置される偏光子
    (3)前記偏光子より視認側に配置されるタッチパネル、及び
    (4)前記タッチパネルより視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルムの両面にガラス板を貼り合わせたガラス積層体、
    を有する画像表示装置。
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