JP6423321B2 - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents
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Description
複合層は、圧縮ゴム層の底部において、研削されずに形成され、圧縮ゴム層を構成するゴム組成物の加硫温度で溶融する熱可塑性繊維を含む不織布の熱処理物と、前記ゴム組成物の加硫物とを含む。
不織布の熱処理物は、繊維形状が残存した繊維状部と、繊維形状を消失した非繊維状部とで形成されている。そのため、複合層は、繊維状部と非繊維状部とゴム成分との3成分が適度に混在した構造を形成し、残存した繊維形状により加硫工程における離型性や通気性、更には耐久性を確保でき、かつ溶融して生じた非繊維形状によりベルトの外観を向上できる。
本発明では、前記不織布の熱処理物とゴム組成物の加硫物とが適度に混在した3成分系を形成することにより、柔軟な複合層が形成され、ベルトの屈曲における障害(突っ張り)とならず、ベルトの耐久性を向上できる。
複合層の平均厚みは、例えば0.02〜0.15mm、好ましくは0.03〜0.1mm程度である。複合層の平均厚みは、圧縮ゴム層に埋設した不織布の熱処理物を基準に測定でき、圧縮ゴム層の底部表面における任意の10箇所における埋設深さを測定して平均値を求めることにより測定できる。
圧縮ゴム層は、前記複合層に含まれるゴム組成物と同一のゴム組成物で形成されている。圧縮ゴム層の平均厚みは、例えば2〜20mm、好ましくは2.5〜15mm、さらに好ましくは3〜10mm程度である。
本発明のVリブドベルトの平均厚みは2〜12mm程度の範囲から選択でき、例えば、2.5〜10mm、好ましくは3.8〜5mm程度であり、例えば4.1〜4.3mm程度であってもよい。リブ部の平均厚みは1〜3.5mm程度の範囲から選択でき、例えば1.2〜3mm、好ましくは1.5〜2.7mm、さらに好ましくは1.6〜2mm程度である。リブ部の平均厚みは、ベルト全体の平均厚みに対して54%以下であってもよく、好ましくは36〜53%程度である。
(実施例1〜6のポリプロピレン(PP)不織布:旭化成せんい(株)製)
実施例1:商品名「P03015」、目付15g/m2、厚み0.14mm
実施例2及び6:商品名「PL2020」、目付20g/m2、厚み0.23mm
実施例3:商品名「P03025」、目付25g/m2、厚み0.21mm
実施例4:商品名「P03030」、目付30g/m2、厚み0.27mm
実施例5:商品名「P03040」、目付40g/m2、厚み0.34mm
(比較例の不織布)
比較例1:レーヨン不織布、目付30g/m2、シンワ(株)製、商品名「#5130」、厚み0.25mm
比較例2及び3:低密度ポリエチレン(PE)不織布、目付30g/m2、出光ユニテック(株)製、商品名「ストラテックLL」、厚み0.3mm。
EPDMポリマー:デュポン・ダウエラストマージャパン(株)製「IP3640」、ムーニー粘度40(100℃)
ポリアミド短繊維:旭化成(株)製「66ナイロン」
カーボンブラックHAF:東海カーボン(株)製「シースト3」
パラフィン系軟化剤:出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイル」
有機過酸化物:化薬アクゾ(株)製「パーカドックス14RP」
含水シリカ:東ソー・シリカ(株)製「Nipsil VN3」、比表面積240m2/g
老化防止剤:精工化学(株)製「ノンフレックスOD3」
加硫促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド
心線:1,000デニールのPET繊維を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で緒撚りしたトータルデニール6,000のコードを接着処理した繊維。
耐熱耐久性の試験に用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、アイドラープーリ(直径85mm)、従動プーリ(直径120mm)、テンションプーリ(直径45mm)を配置して構成される。そして、テンションプーリへの巻き付け角度が90°、アイドラープーリへの巻き付け角度が120°になるように各プーリにVリブドベルトを懸架し、雰囲気温度120℃、駆動プーリの回転数4900rpmの条件でVリブドベルトを走行させた。このとき、ベルト張力40kgf/リブとなるように駆動プーリに荷重を付与し、従動プーリに負荷8.8kWを与えた。そして、このようにVリブドベルトを走行させ、心線に達する亀裂が6個発生するまでの時間を測定した。
図2に示すレイアウトの試験機を用いて、実施例及び比較例で得られたVリブドベルトを130℃雰囲気下でVリブドベルトの走行試験を行い、リブ部にクラックが発生するまでの時間を測定し、耐屈曲疲労性を評価した。
実施例及び比較例で得られたVリブドベルトのリブ先端面を目視で観察し、以下の基準で判定した。
3:リブ先端面の一部に不織布の繊維の毛羽立ちがわずかにあるが目立たない
2:リブ先端面に不織布の繊維の毛羽立ちがあり、やや目立つ
1:リブ先端面の全体に不織布の繊維の毛羽立ちがある。
(2)側部を研削する際に、底部(複合層)に埋設していた繊維形状を維持した糸状物が、グラインダーの影響で複合層から引っ張り出されて表面に出てきた状態。
(伸張層を形成するため外被布)
外被布として、綿繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を重量比で50:50の混撚糸を使用したワイドアングルの平織帆布(厚み0.63mm)を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150℃で2分間熱処理して接着処理帆布とした。さらに、この接着処理帆布に、表1に示すゴム組成物により得た接着ゴム層を形成するためのゴムシート(厚み0.5mm)を積層した積層体を作製した。
表1に示すゴム組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダーロールによって圧延することによって、圧縮ゴム層を形成するためのゴムシートを2.2mmの厚みで、接着ゴム層を形成するためのゴムシートを0.5mmの厚みで作製した。
表面が平滑な円筒状ドラム(成形金型)の外周に、伸張層を形成するための外被布と接着ゴム層を形成するためのゴムシートとを積層した積層体を、接着ゴム層を形成するためのゴムシートが外周面となるように巻き付けた。この積層体の外周面に心線をスパイラル状に巻き付けた後、さらにこの心線の上に、接着ゴム層を形成するためのゴムシートと圧縮ゴム層を形成するためのゴムシートとを積層した積層体を、圧縮ゴム層を形成するためのゴムシートが最外周面となるように巻き付けた。さらに、この最外周面に不織布を巻き付け、未加硫状態のベルト成形体を作製した。
作製したVリブドベルトの耐熱耐久性、耐屈曲疲労性、リブ部表面の外観の評価結果を表2に示す。
2…心線
3…接着ゴム層
4…圧縮ゴム層
4a…研削面
5…複合層
Claims (9)
- ゴム組成物の加硫物を含む圧縮ゴム層と心線と伸張層とを備えるとともに、前記圧縮ゴム層の側部がプーリと接触する研削面であり、かつ前記圧縮ゴム層の底部がプーリと接触しない非研削面であるVリブドベルトであって、
前記底部の表面が、前記ゴム組成物の加硫温度で溶融する熱可塑性繊維を含む不織布の熱処理物と、前記ゴム組成物の加硫物とを含む複合層であり、かつ
前記不織布の熱処理物が、繊維形状が残存した繊維状部と、繊維形状を消失した非繊維状部とで形成されているVリブドベルト。 - 熱可塑性繊維が、ポリオレフィン繊維及びポリウレタン繊維からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1記載のVリブドベルト。
- 熱可塑性繊維がポリプロピレン系繊維である請求項1又は2記載のVリブドベルト。
- 不織布の目付量が12〜30g/m2である請求項1〜3のいずれかに記載のVリブドベルト。
- 不織布の平均厚みが0.03〜0.3mmである請求項1〜4のいずれかに記載のVリブドベルト。
- 不織布の繊維が所定の方向に配向しており、繊維の長手方向がベルトの長手方向と平行である請求項1〜5のいずれかに記載のVリブドベルト。
- 圧縮ゴム層がリブ部を有し、かつこのリブ部の平均厚みがVリブドベルト全体の平均厚みに対して54%以下である請求項1〜6のいずれかに記載のVリブドベルト。
- 円筒状ドラムに伸張層を形成するための伸張層用部材を装着する伸張層装着工程、さらに心線を巻き付ける心線スピニング工程、さらに圧縮ゴム層を形成するための未加硫ゴムシートを巻き付ける圧縮ゴム層巻付工程、巻き付けた未加硫ゴムシートの上に、さらに熱可塑性繊維を含む不織布を巻き付ける不織布巻付工程、前記伸張層用部材、心線、未加硫ゴムシート及び不織布を、前記熱可塑性繊維の融点よりも高い温度で加硫して加硫スリーブを得る加硫工程、加硫スリーブの不織布側において、圧縮ゴム層の側部のみを研削で成形する研削工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。
- 加硫温度が、熱可塑性繊維の融点よりも5〜15℃高い温度である請求項8記載の製造方法。
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