JP6422707B2 - 液圧ポンプの故障診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液圧ポンプの故障診断装置に関する。
特許文献1には、液圧ポンプの異常を検出する異常検出装置が記載されている。特許文献1の異常検出装置は、回転中の液圧ポンプから流出する作動油の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段によって検出された圧力を用いて液圧ポンプから流出する作動油の圧力の脈動周波数を解析する周波数解析手段と、を備えている。この周波数解析手段は、液圧ポンプから流出する作動油の圧力の脈動周波数を時間軸で解析している。特許文献1の異常検出装置では、前記周波数解析手段による脈動周波数の解析結果を用いて、液圧ポンプの回転周波数の成分を抽出し、当該抽出された回転周波数の成分が正常値か否かを判定することにより、液圧ポンプに異常か発生しているか否かを判断する。
特開2013−170509号公報
特許文献1の異常検出装置は、上記のとおり、周波数解析手段が液圧ポンプから流出する作動油の圧力の脈動周波数を時間軸で解析し、この解析結果を用いて液圧ポンプに異常か発生しているか否かを判断する。
しかしながら、作動油の圧力の脈動は、液圧ポンプの回転位相に依存して変化するため、特許文献1の異常検出装置では液圧ポンプにおける異常発生を正確に判断できない可能性がある。作動油の圧力の脈動周波数を時間軸で解析する場合、圧力検出手段にて作動油の圧力を検出する際の液圧ポンプの回転速度が常に一定でなければ、作動油の圧力の脈動と時間軸との関係にずれが生じてしまう。すなわち、特許文献1の異常検出装置では、液圧ポンプの回転速度の変化に応じて周波数解析手段による脈動周波数の解析結果が変化するため、液圧ポンプにおける異常発生を正確に判断できない可能性がある。
本発明は、上記の観点からなされたものであり、その目的は、液圧ポンプの回転速度のばらつきの影響を受けることなく当該液圧ポンプの故障を診断可能な故障診断装置に関する。
本発明は、周方向に並ぶ複数のピストンを有するとともに当該周方向における回転に伴って液体を吐出する液圧ポンプの故障診断装置であって、回転中の前記液圧ポンプから吐出される液体の圧力値を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段によって液体の圧力値が検出された際の前記液圧ポンプの回転位相を検出する回転位相検出手段と、前記圧力検出手段によって検出された液体の圧力値と前記回転位相検出手段によって検出された前記液圧ポンプの回転位相との関係をモデル化することにより脈動波形データを抽出するモデル化手段と、を備える。
上記の液圧ポンプの故障診断装置では、液圧ポンプの回転速度の変化の影響を受けることなく当該液圧ポンプの故障を診断可能である。具体的には、上記の液圧ポンプの故障診断装置では、液圧ポンプの故障を診断するための脈動波形データが圧力値と回転位相との関係をモデル化することにより抽出されるものである。このため、脈動波形データは、液圧ポンプの回転速度が一定速度に対してばらつく場合であっても、当該ばらつきによる影響を受けることがなく、液圧ポンプの故障を正確に診断することができる。
前記モデル化手段は、前記液圧ポンプの回転数だけ位相を重ねることにより前記圧力検出手段によって検出された液体の圧力値と前記回転位相検出手段によって検出された前記液圧ポンプの回転位相との関係を抽出するとともに、当該抽出した関係を前記液圧ポンプの1回転を基本周波数とする空間に写像し、前記液圧ポンプの前記回転数の整数倍周波数の波の重ね合わせにてモデル化することにより前記脈動波形データを抽出する。
特許文献1のように作動油の圧力の脈動周波数を時間軸で解析する場合、圧力検出手段における作動油の圧力検出のサンプリング間隔は、前記時間軸において作動油の圧力の脈動波形を捉えることができる程度に短く設定する必要がある。このため、特許文献1の異常検出装置では、短いサンプリング間隔で作動油の圧力を検出可能な圧力検出手段が必要であり、異常検出装置のコストが高くなってしまう。
これに対し、上記の液圧ポンプの故障診断装置では、脈動波形データが圧力値と回転位相との関係をモデル化することにより抽出されるものであるため、圧力検出手段のコストが高くなることを抑止することができる。具体的には、上記の液圧ポンプの故障診断装置では、圧力検出手段によるサンプリング間隔が長い場合であっても、液圧ポンプを繰り返し回転させ、当該回転数ごとにサンプリングデータを重ね合わせることによって、圧力値と回転位相との関係を抽出することができる。このため、短いサンプリング間隔で液体の圧力を検出可能な圧力検出手段を用いる必要がなく、当該圧力検出手段のコストが高くなることを抑止することができる。
前記モデル化手段によって抽出された脈動波形データから前記各ピストンに固有の成分を分離する分離手段をさらに備えることが好ましい。
上記の液圧ポンプの故障診断装置では、脈動波形データから各ピストンに固有の成分を分離することにより、当該分離したデータから液圧ポンプの故障を診断することができ、精度の高い診断が可能となる。前記脈動波形データは、各ピストンに共通する成分と各ピストンに固有の成分との重ね合わせによって表現される。各ピストンに固有の成分は、各ピストンのいずれかに故障が発生した場合に表れる成分である。ここで、脈動波形データにおいて各ピストンに共通する成分が各ピストンに固有の成分に比して十分に大きい場合、当該脈動波形データから各ピストンに固有の成分が表れているか否かを判断することが困難である。そこで、上記の液圧ポンプの故障診断装置では、脈動波形データから各ピストンに固有の成分を分離し、当該分離したデータから液圧ポンプの故障を診断することにより、精度の高い診断が可能となる。
前記分離手段によって分離された前記各ピストンに固有の成分に関する特徴量が所定の閾値を超えているか否かを判定する判定手段をさらに備えることが好ましい。
上記の液圧ポンプの故障診断装置では、各ピストンに固有の成分に関する特徴量が所定の閾値を超えているか否かを判定し、当該判定結果から液圧ポンプの故障の有無を判断することができる。
前記回転位相検出手段は、前記液圧ポンプの回転速度を積算することで得られた積算値に所定の補正係数を乗じることにより、前記圧力検出手段によって液体の圧力値が検出された際の前記液圧ポンプの回転位相を算出するものであってもよい。
上記の液圧ポンプの故障診断装置では、回転位相検出手段が液圧ポンプの回転位相を直接検出しない場合であっても、当該回転位置検出手段が液圧ポンプの回転速度の積算値に所定の補正係数を乗じることにより、回転位相を精度良く算出することができる。
以上説明したように、本発明によれば、液圧ポンプの回転速度のばらつきの影響を受けることなく当該液圧ポンプの故障を診断可能な故障診断装置が提供される。
本実施形態に係る液圧ポンプの故障診断装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る液圧ポンプを示す概略正面図である。 本実施形態に係る液圧ポンプの故障診断装置の動作手順を示すフローチャート図である。 圧力センサによって検出した作動油の圧力値に対応する複数の点を時間軸上にプロットしたグラフである。 液圧ポンプの回転数だけ位相を重ねることにより作動油の圧力値と液圧ポンプの回転位相との関係を抽出し、液圧ポンプの1回転を基本周波数とする空間に写像したグラフである。 図5にて抽出されたグラフを液圧ポンプの回転数の整数倍周波数の波の重ね合わせにてモデル化したグラフである。 図6にてモデル化されたグラフのうち9本のピストンに共通する成分を分離したグラフである。 図6にてモデル化されたグラフのうち9本のピストンに固有の成分を分離したグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部のうち、本実施形態を説明するために必要な主要部を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る液圧ポンプの故障診断装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部を備え得る。
図1は、本実施形態に係る液圧ポンプの故障診断装置X1を示す。この故障診断装置X1は、油圧回路Y1に含まれる液圧ポンプ2の故障診断に適用される。
油圧回路Y1は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載され、作動油によって当該建設機械の構成部材を作動させる役割を果たす。油圧回路Y1は、作動油を吐出する前記液圧ポンプ2と、液圧ポンプ2を駆動するエンジン等の駆動源3と、作動油の循環路となる第1〜第3油圧配管41〜43と、作動油を貯留する油タンク5と、作動油の供給を受けて伸縮する液圧シリンダ6と、コントロールバルブ7と、を有している。
液圧ポンプ2は、作動油を液圧シリンダ6へと吐出する役割を有する。具体的には、液圧ポンプ2は、第1油圧配管41を介して油タンク5に繋がっている。また、液圧ポンプ2は、第2油圧配管42を介して液圧シリンダ6に繋がっている。そして、液圧ポンプ2は、駆動源3の出力軸に接続されており、当該駆動源3が液圧ポンプ2を駆動する。
油タンク5から第1油圧配管41を通じて液圧ポンプ2に吸入された作動油は、駆動源3によって駆動された当該液圧ポンプ2から第2油圧配管42へ吐出される。そして、液圧ポンプ2から第2油圧配管42へ吐出された作動油は、コントロールバルブ7を介して液圧シリンダ6に供給される。
前記液圧ポンプ2は、ピストン型のポンプであって、図2に示すように9本のピストンM1〜M9を有している。各ピストンM1〜M9は、液圧ポンプ2の周方向に等間隔に並んで配置されている。液圧ポンプ2は、駆動源3からの駆動信号に応じて周方向に回転する。そして、液圧ポンプ2が周方向に回転するに際して、各ピストンM1〜M9が順次ピストン運動することにより、液圧ポンプ2から作動油が吐出される。
なお、本実施形態では、液圧ポンプ2が9本のピストンM1〜M9を有しているが、これに限らず、液圧ポンプ2が有するピストンの数は任意であって、当該液圧ポンプ2の使用態様に応じて適宜変更することができる。
液圧シリンダ6は、例えば建設機械の構成部材を作動させる役割を有する。液圧シリンダ6は、ピストン部とシリンダ部とを有している。液圧シリンダ6は、コントロールバルブ7を介して第2油圧配管42および第3油圧配管43に接続されている。第2油圧配管42から液圧シリンダ6に作動油が供給された場合、当該作動油は、コントロールバルブ7および第3油圧配管43を介して油タンク5に送られる。
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係る故障診断装置X1の構成について説明する。
故障診断装置X1は、作動油の圧力値を検出する圧力センサ30と、液圧ポンプ2の回転速度を検出する速度センサ40と、各センサ30,40の検出値から各種の演算を行う演算部100と、演算部100の演算結果から故障の判定を行う判定部90と、を有している。
圧力センサ30は、本発明に係る圧力検出手段に相当する部材である。圧力センサ30は、液圧ポンプ2によって吐出される作動油の圧力値を検出する役割を有する。圧力センサ30は、作動油の循環路のうち液圧ポンプ2の下流側に位置する第2油圧配管42に接続されており、当該第2油圧配管42における作動油の圧力値を検出する。圧力センサ30によって検出された作動油の圧力値は、演算部100に送られる。
速度センサ40は、液圧ポンプ2の回転速度を検出する役割を有する。速度センサ40は、例えば液圧ポンプ2と当該液圧ポンプ2を回転させる駆動源3との接続点に接続される。速度センサ40によって検出された液圧ポンプ2の回転速度は、演算部100に送られる。
演算部100は、圧力センサ30によって検出された作動油の圧力値および速度センサ40によって検出された液圧ポンプ2の回転速度から、当該液圧ポンプ2の故障を診断するための各種の演算を行う役割を有する。演算部100は、例えばCPU、ROM、RAM、あるいはEEPROM 等によって構成される。
演算部100は、位相演算部50と、モデル化部60と、分離部70と、特徴量演算部80と、を機能的に有している。
位相演算部50は、圧力センサ30が圧力値を検出した時点における液圧ポンプ2の回転位相を演算する。位相演算部50には、圧力センサ30から圧力値の検出信号が送られるとともに、速度センサ40から液圧ポンプ2の回転速度情報が送られる。圧力センサ30から前記圧力値の検出信号を受けた位相演算部50は、当該検出信号を受けるまでの液圧ポンプ2の回転速度を積算し、当該積算値に所定の補正係数を乗じる。これにより、圧力センサ30が圧力値を検出した時点における液圧ポンプ2の回転位相が算出される。
本実施形態では、上記のとおり速度センサ40および位相演算部50によって液圧ポンプ2の回転位相が算出されるため、当該速度センサ40および位相演算部50が本発明に係る回転位相検出手段に相当する。なお、速度センサ40および位相演算部50に代えて、圧力センサ30が圧力値を検出した時点における液圧ポンプ2の回転位相を直接検出する回転位相センサを設けてもよい。
モデル化部60は、本発明に係るモデル化手段に相当する。モデル化部60は、圧力センサ30によって検出された圧力値と位相演算部50によって算出された前記圧力値が検出された時点における液圧ポンプ2の回転位相との関係を後述するようにモデル化し、液圧ポンプ2の一回転を基本周波数とする脈動波形データを抽出する。
分離部70は、本発明に係る分離手段に相当する。分離部70は、モデル化部60によって抽出された脈動波形データを各ピストンM1〜M9に共通する成分と各ピストンM1〜M9に固有の成分とに分離する。なお、分離部70は、モデル化部60によって抽出された脈動波形データから各ピストンM1〜M9に固有の成分のみを分離するものであってもよい。
特徴量演算部80は、分離部70によって脈動波形データから分離された各ピストンM1〜M9に固有の成分から、当該固有の成分の特徴量を演算する。
なお、位相演算部50、モデル化部60、分離部70、および特徴量演算部80のそれぞれに相当する機能は、ソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。また、位相演算部50、モデル化部60、分離部70、および特徴量演算部80のそれぞれに相当する機能は、個別の機能部品によって実現されてもよいし、共通の機能部品によって実現されてもよい。
判定部90は、特徴量演算部80によって演算された特徴量から液圧ポンプ2の故障の有無を判定する役割を有する。具体的には、判定部90は、特徴量演算部80から送られた特徴量を所定の閾値と比較することにより、液圧ポンプ2の故障の有無を判定する。判定部90は、演算部100と同じく例えばCPU、ROM、RAM、あるいはEEPROM 等によって構成される。本実施形態では、図1において演算部100と判定部90とを異なるブロックにて示しているが、判定部90は、演算部100と共通の機能部品によって実現されてもよい。
ここで、図3を参照しながら、故障診断装置X1の動作手順について詳細に説明する。
駆動源3によって液圧ポンプ2の駆動が開始されると、液圧ポンプ2の回転に応じて当該液圧ポンプ2から第2油圧配管42へと作動油が吐出される。圧力センサ30は、液圧ポンプ2から第2油圧配管42へと吐出された作動油の圧力値を検出し(Op1)、当該圧力値の情報を演算部100へ送る。また、速度センサ40は、駆動源3のよって液圧ポンプ2の駆動が開始されてからの当該液圧ポンプ2の回転速度を経時的に検出し(Op2)、当該回転速度の情報を演算部100へ送る。そして、位相演算部50は、演算部100に送られた液圧ポンプ2の回転速度の情報から、圧力センサ30が作動油の圧力値を検出した時点までの回転速度を積算し、当該積算値に所定の補正係数を乗じる。これにより、位相演算部50は、圧力センサ30が圧力値を検出した時点における液圧ポンプ2の回転位相を算出する(Op3)。なお、前記補正係数の算出方法については後述する。
ここで、圧力センサ30は、図4に示すように液圧ポンプ2から第2油圧配管42へと吐出された作動油の圧力値を所定のサンプリング間隔で検出している。ここで、圧力センサ30による圧力値のサンプリング回数をNとすると、上記のOp1〜Op3によりN点の圧力値と当該各圧力値に対応する回転位相との時系列データとして下記のデータが得られる。
Figure 0006422707
なお、本実施形態では、油圧回路Y1には単一の液圧ポンプ2が含まれているが、当該油圧回路Y1に複数の液圧ポンプが含まれる場合、各センサ30,40による圧力値および回転速度の検出は、前記複数の液圧ポンプのそれぞれに対して個別に行われることが好ましい。具体的には、前記複数の液圧ポンプにおける一の液圧ポンプの圧力値および回転速度の検出が行われる際には、当該一の液圧ポンプ以外の液圧ポンプは、傾倒最小で無負荷にすることが好ましい。
モデル化部60は、前記時系列データから、液圧ポンプ2から吐出された作動油の圧力値と当該液圧ポンプ2の回転位相との関係をモデル化する(Op4)。
具体的には、まず、モデル化部60は、圧力センサ30がN回圧力値を検出する間における液圧ポンプ2の回転数だけ位相を重ねることにより、図4に示す各点を液圧ポンプ2の1回転を基本周波数とする空間に写像する。このようにして、液圧ポンプ2の1回転を基本周波数とする空間に写像された前記時系列データのグラフを図5に示す。
次に、モデル化部60は、液圧ポンプ2の1回転を基本周波数とする空間に写像された前記時系列データを液圧ポンプ2の回転数の整数倍であるL倍周波数の波の重ね合わせにてモデル化する。具体的には、モデル化部60は、モデル式となる下記の数式によって液圧ポンプ2の1回転を基本周波数とする空間に写像された前記時系列データをモデル化する。
Figure 0006422707
なお、上記のモデル式におけるLの値は、例えば液圧ポンプ2が有するピストンの数をMとする場合に(M×5)〜(M×10)程度の値に設定される。本実施形態では、液圧ポンプ2は、9つのピストンM1〜M9を有しているため、Lの値は、45〜90程度の値に設定される。なお、圧力値と回転位相との関係を精度よくモデル化することができるのであれば、Lの値は上記の値よりも小さく設定されてもよい。また、圧力値のサンプリング回数であるNが十分に大きい値であれば、Lの値は上記の値よりも大きく設定されてもよい。
上記のモデル式における係数の値は、下記の数式に対して前記時系列データを適用することによって求めることができる。
Figure 0006422707
そして、上記の数式によって求めた係数を前記モデル式に適用することにより、下記の脈動波形データを表す数式を導くことができる。
Figure 0006422707
このように、モデル化部60は、液圧ポンプ2の1回転を基本周波数とする空間に写像された前記時系列データを前記モデル式によってモデル化することにより、前記脈動波形データを算出する。ここで、図6では、前記脈動波形データのグラフを示す。図6に示すグラフは、液圧ポンプ2の一回転あたりの脈動の山の数が9つとなっている。これは、液圧ポンプ2が9本のピストンM1〜M9を有しているためである。本実施形態では、9つの脈動の山は、位相の小さい方から順に各ピストンM1〜M9に対応しているとする。
なお、本実施形態では、モデル化部60は、図4に示すグラフを図5に示すグラフに変換した後に、当該図5に示すグラフを図6に示すグラフにモデル化しているが、これに限らず、図4に示すグラフを図6に示すグラフに直接モデル化するような態様であってもよい。
ここで、位相演算部50において液圧ポンプ2の回転速度の積算値に乗じる所定の補正係数は、例えば以下のとおり求めることができる。まず、回転位相Φと圧力値Pを使って上記のモデル式の係数Θを求める。そして、上記の脈度波形データを表す数式における計算値p(φ)と実測値Pとを比較し、そのモデル化誤差が最も小さくなるような補正係数を最適化計算によって求める。なお、前記モデル化誤差は、計算値p(φ)と実測値Pとの誤差の二乗和とすることができる。ここで、前記最適化計算には、PSOのような手法を使用してもよいし、補正係数を0.99〜1.01まで0.00001単位で離散的に振り、最もモデル化誤差が小さくなったときの補正係数を最適解と見なして採用してもよい。
次に、分離部70は、前記脈動波形データを各ピストンM1〜M9に共通する成分と各ピストンM1〜M9に固有の成分とに分離する。
具体的には、分離部70は、モデル化部60によって導き出された前記脈動波形データを、下記の2つの式に分離する。
Figure 0006422707
Figure 0006422707
数式Aは、各ピストンM1〜M9に共通する成分を表す。数式Bは、各ピストンM1〜M9に固有の成分を表す。
ここで、数式Aにおける係数は、下記のような条件にて場合分けされる。
Figure 0006422707
また、数式Bにおける係数は、下記のような条件にて場合分けされる。
Figure 0006422707
上記のMの値は、液圧ポンプ2が有するピストンM1〜M9の数に相当する。本実施形態では、液圧ポンプ2が9つのピストンM1〜M9を有しているため、M=9となる。すなわち、分離部70は、モデル化部60によって導き出された前記脈動波形データを、9倍周波数の波の成分とそれ以外の波の成分とに分離することにより、各ピストンM1〜M9に共通する成分と各ピストンM1〜M9に固有の成分とを抽出している。
ここで、前記脈動波形データから分離された各成分のうち、各ピストンM1〜M9に共通する成分を図7のグラフに示すとともに、各ピストンM1〜M9に固有の成分を図8のグラフに示す。
図7に示すグラフは、各ピストンM1〜M9に共通する成分を示しており、液圧ポンプ2が一回転するにあたって振幅が同じくする脈動の山が9つ形成されている。図8に示すグラフは、各ピストンM1〜M9に固有の成分を示している。ここで、各ピストンM1〜M9が同じ挙動を示す正常状態にある場合、前記脈動波形データは、各ピストンM1〜M9に共通する成分のみから形成される。このため、各ピストンM1〜M9が正常状態にある場合、各ピストンM1〜M9の脈動波形には製造時のばらつきによる小さな差しか生じないので、各ピストンM1〜M9に固有の成分は、ポンプ2の回転位相が0〜2.0πのいずれの位相であっても0に近い数値となるはずである。これに対し、図8の各ピストンM1〜M9に固有の成分を示すグラフでは、図7に示す9つの脈動の山うち回転位相の小さい順における1番目の山に対応する回転位相の範囲内で中程度の波の変化が見られる。この中程度の波の変化は、ピストンM1に起因するものである。また、図8の各ピストンM1〜M9に固有の成分を示すグラフでは、図7に示す9つの脈動の山うち回転位相の小さい順における7番目の山に対応する回転位相の範囲内で大きな波の変化が見られる。7番目の山に対応する回転位相の範囲内で大きな波の変化が見られる。この中程度の波の変化は、ピストンM7に起因するものである。
次に、特徴量演算部80は、分離部70が前記脈動波形データから分離した各ピストンM1〜M9に固有の成分から、判定部90によって液圧ポンプ2の故障の判定が可能な特徴量Jを算出する(Op6)。この特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分の2乗の面積に相当する下記の数式によって算出される。
Figure 0006422707
上記の数式により特徴量Jを算出する場合、当該特徴量を算出するに際して各ピストンM1〜M9に共通する成分を用いる必要がないため、分離部70は、前記脈動波形データから各ピストンM1〜M9に共通する成分を分離しなくともよい。
なお、特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分と各ピストンM1〜M9に共通する成分との比率に相当する下記の数式によって算出されてもよい。本特徴量Jによれば、分子を分母で割ることにより圧力の単位が無次元化されるので、液圧ポンプ2における液体の吐出圧力の大きさに応じて判別の閾値を調整する必要がなくなる。
Figure 0006422707
また、特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分と前記脈動波形データの全成分との比率に相当する下記の数式によって算出されてもよい。本特徴量Jによっても、分子を分母で割ることにより圧力の単位が無次元化されるので、液圧ポンプ2における液体の吐出圧力の大きさに応じて判別の閾値を調整する必要がなくなる。
Figure 0006422707
また、特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分の個々の周波数の最大振幅に相当する下記の数式によって算出されてもよい。
Figure 0006422707
また、特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分の合計した振動波形の最大振幅に相当する下記の数式によって算出されてもよい。
Figure 0006422707
なお、上記の数式によって算出される最大振幅は、例えば回転位相0〜2πを十分に細かく分割した上で当該分割したそれぞれに対して数式Bの絶対値を求め、その最大値で代用してもよい。
また、特徴量Jは、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分の微分値の最大振幅に相当する下記の式によって算出されてもよい。
Figure 0006422707
ここで、ピストンM1〜M9のガタ等の不具合は、液圧ポンプ2から吐出される作動油の急峻な圧力変化として現れることがある。上記の数式では、数式Bを回転位相軸で微分することにより特徴量Jを算出するため、当該特徴量JからピストンM1〜M9のガタ等の不具合の有無を精度良く判定することができる。
このように、特徴量Jの算出方法は任意であって、故障診断装置X1の使用態様に応じて適宜変更することができる。このため、上述した各種の特徴量Jの算出方法は、例えば互いに組み合わせて使用することができる。また、上述した各種の特徴量Jの算出方法以外の方法にて特徴量Jを算出してもよい。
特徴量演算部80は、当該特徴量演算部80において算出した特徴量Jの情報を判定部90に送る。
図3に示すように、判定部90は、特徴量演算部80から受けた特徴量Jの情報に基づいて、特徴量Jが判定部90に記憶された閾値以上であるか否かを判定する(Op7)。判定部90は、特徴量Jが各ピストンM1〜M9に固有の成分のみから算出される場合には、例えば液圧ポンプ2から吐出される作動油の圧力値の平均値に基づいて閾値を決定し、当該決定された閾値と特徴量Jとを比較する。また、判定部90は、特徴量Jが各ピストンM1〜M9に固有の成分と各ピストンM1〜M9に共通する成分との比率により算出される場合には、予め定められた固定値である閾値と特徴量Jとを比較する。
判定部90において特徴量Jが閾値以上であると判定された場合(Op7にてYES)、当該判定部90は、液圧ポンプ2に故障有りと判定し(Op8)、当該判定結果を例えば液晶モニター等に表示する。また、判定部90において特徴量Jが閾値以上でないと判定された場合(Op7にてNO)、当該判定部90は、液圧ポンプ2に故障無しと判定し(Op9)、当該判定結果を例えば液晶モニター等に表示する。使用者は、例えば前記液晶モニター等に表示された判定結果を参照し、液圧ポンプ2の故障の有無を確認する。
このようにして、故障診断装置X1による液圧ポンプ2の故障診断が完了する。
以上のとおり、故障診断装置X1では、液圧ポンプ2の回転速度の変化の影響を受けることなく当該液圧ポンプ2の故障を診断可能である。具体的には、故障診断装置X1では、液圧ポンプ2の故障を診断するための前記脈動波形データが圧力値と回転位相との関係をモデル化することにより抽出されるものである。このため、前記脈動波形データは、液圧ポンプ2の回転速度が一定速度に対してばらつく場合であっても、当該ばらつきによる影響を受けることがなく、液圧ポンプの故障を正確に診断することができる。
さらに、故障診断装置X1では、前記脈動波形データが圧力値と回転位相との関係をモデル化することにより抽出されるものであるため、圧力センサ30のコストが高くなることを抑止することができる。具体的には、故障診断装置X1では、圧力センサ30によるサンプリング間隔が長い場合であっても、液圧ポンプ2を繰り返し回転させ、当該回転数ごとにサンプリングデータを重ね合わせることによって、圧力値と回転位相との関係を抽出することができる。このため、圧力センサ30として短いサンプリング間隔で液体の圧力を検出可能な圧力センサを採用する必要がなく、コストが高くなることを抑止することができる。
さらに、故障診断装置X1では、前記脈動波形データから各ピストンに固有の成分を分離することにより、当該分離したデータから液圧ポンプ2の故障を診断することができ、精度の高い診断が可能となる。具体的には、前記脈動波形データにおいて各ピストンM1〜M9に共通する成分が各ピストンM1〜M9に固有の成分に比して十分に大きい場合、当該脈動波形データから各ピストンM1〜M9に固有の成分が表れているか否かを判断することが困難である。そこで、故障診断装置X1では、前記脈動波形データから各ピストンM1〜M9に固有の成分を分離し、当該分離したデータから液圧ポンプ2の故障を診断することにより、精度の高い診断が可能となる。
さらに、故障診断装置X1では、判定部90が特徴量演算部80において算出された各ピストンM1〜M9に固有の成分を含む特徴量Jが所定の閾値を超えているか否かを判定し、当該判定結果から液圧ポンプ2の故障の有無を判断することができる。
さらに、故障診断装置X1では、位相演算部50が液圧ポンプ2の回転速度の積算値に所定の補正係数を乗じることによって液圧ポンプ2の回転位相を算出するため、当該回転位相を精度良く算出することができる。
さらに、故障診断装置X1では、各ピストンM1〜M9に共通しない圧力脈動成分を全て取り出すことにより、感度よく当該各ピストンM1〜M9の不具合を捉えることができる。
具体的には、各ピストンM1〜M9のうち1本のピストンに不具合が生じた場合、回転周期の圧力脈動成分のみならず、他の周期の圧力脈動成分にも影響が生じる。このため、前記回転周期の圧力脈動波形成分のみを取り出す場合、他の周期の圧力脈動成分における影響が考慮されないため、前記ピストンの不具合の検出感度が低下する可能性がある。これに対して、故障診断装置X1では、各ピストンM1〜M9に共通しない圧力脈動成分をすべて取り出すことにより、感度よく当該各ピストンM1〜M9の不具合を捉えることができる。
また、液圧ポンプ2の1回転に1回変化する特徴量を捉えようとする場合、当該液圧ポンプ2の回転軸に対して点対称に位置するピストンが同時に劣化すると、当該各ピストンの不具合を感度よく捉えることができない可能性がある。これに対して、故障診断装置X1では、各ピストンM1〜M9に共通しない圧力脈動成分をすべて取り出すことにより、感度よく当該各ピストンM1〜M9の不具合を捉えることができる。
なお、各ピストンM1〜M9に共通しない圧力脈動成分は、必ずしも全て取り出さなくともよく、略全て取り出すことにより感度よく各ピストンM1〜M9の不具合を捉えることができればよい。
さらに、故障診断装置X1では、各ピストンM1〜M9に共通する成分の大きさに対する各ピストンM1〜M9に固有の成分の大きさに着目することによって、液圧ポンプ2が吐出する作動油の圧力値に応じた閾値を設定しなくとも、各ピストンM1〜M9の不具合を捉えることができる。すなわち、故障診断装置X1では、液圧ポンプ2が吐出する作動油の圧力値に応じて閾値を調整するような手間を省くことができるため、液圧ポンプ2の故障の有無を容易に診断することができる。
さらに、故障診断装置X1では、モデル化した前記脈動波形データあるいは当該脈動波形データから分離したデータにおいて、各ピストンM1〜M9のいずれに対応する波形の山が異常を示しているかを判断することができる。これにより、実際に不具合が生じているピストンを特定すること、あるいは実際に不具合が生じているピストンの候補を選定することが可能とある。
なお、本実施形態では、判定部90による判定結果から液圧ポンプ2の故障の有無が判断されるが、これに限らず、判定部90はなくともよい。この場合、特徴量演算部80によって演算された特徴量Jを例えば液晶モニター等の表示部に表示し、当該表示された特徴量Jを視認した使用者によって液圧ポンプ2の故障の有無が判断される。
また、本実施形態では、特徴量演算部80が各ピストンM1〜M9に固有の成分から特徴量Jを算出することにより当該特徴量Jから液圧ポンプ2の故障の有無が判断されたが、これに限らず、特徴量演算部80はなくともよい。この場合、例えば各ピストンM1〜M9に固有の成分を示す図8のグラフを液晶モニター等の表示部に表示し、当該表示された図8のグラフを視認した使用者によって液圧ポンプ2の故障の有無が判断される。このとき、液晶モニター等の表示部には、例えば図8のグラフとともに各ピストンM1〜M9に共通する成分を示す図7のグラフが表示されてもよい。この場合、使用者は、図8に示すグラフにおいて波の変化が大きい部分が図7に示すグラフにおける9つの脈動の山うちいずれの山に対応するものであるかを確認することができる。これにより、各ピストンM1〜M9のうちいずれのピストンに故障が生じているのかを判断することができる。
また、本実施形態では、分離部70が前記脈動波形データから各ピストンM1〜M9に共通する成分と各ピストンM1〜M9に固有の成分とを分離し、当該分離したデータから液圧ポンプ2の故障の有無が判断されたが、これに限らず、分離部70はなくともよい。この場合、例えば前記脈動波形データを示す図6のグラフを液晶モニター等の表示部に表示し、当該表示された図6のグラフを視認した使用者によって液圧ポンプ2の故障の有無が判断される。
また、図6に示すグラフを回転位相軸で微分した波形、あるいは、図8に示すグラフを回転位相軸で微分した波形を液晶モニター等の表示部に表示し、当該表示された波形を視認した使用者によって液圧ポンプ2の故障の有無が判断されてもよい。図5に示すグラフから差分をとる場合、外乱やノイズの影響が増幅され特徴が捉えにくくなる上に、隣り合うデータ点の間隔が一定でないので差分の計算が複雑となる。そこで、本実施形態のように、図5に示すグラフをモデル化し、当該モデル化後の図6および図8に示すグラフに対応する数式を微分することによって、簡易な計算により波形の乱れに関する特徴量を顕著に捉えることができる。
また、特徴量演算部80が前記脈動波形データから特徴量Jを算出し、判定部90が当該特徴量Jと閾値とを比較することによって、液圧ポンプ2の故障の有無が判定されてもよい。この場合、特徴量演算部80は、例えば以下の数式から前記脈動波形データから特徴量Jを算出する。
Figure 0006422707
また、本実施形態では、故障診断装置X1によって作動油を吐出する液圧ポンプ2の故障を診断する例について説明したが、これに限らない。故障診断装置X1は、作動油以外にも例えば温水等の液体を吐出する液圧ポンプの故障を診断することもできる。
X1 故障診断装置
M1〜M9 ピストン
2 液圧ポンプ
30 圧力センサ(圧力検出手段)
40 速度センサ
50 位相演算部
60 モデル化部(モデル化手段)
70 分離部(分離手段)
80 特徴量演算部
90 判定部(判定手段)
100 演算部

Claims (4)

  1. 周方向に並ぶ複数のピストンを有するとともに当該周方向における回転に伴って液体を吐出する液圧ポンプの故障診断装置であって、
    回転中の前記液圧ポンプから吐出される液体の圧力値を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段によって液体の圧力値が検出された際の前記液圧ポンプの回転位相を検出する回転位相検出手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された液体の圧力値と前記回転位相検出手段によって検出された前記液圧ポンプの回転位相との関係をモデル化することにより脈動波形データを抽出するモデル化手段と、を備え
    前記モデル化手段は、前記液圧ポンプの回転数だけ位相を重ねることにより前記圧力検出手段によって検出された液体の圧力値と前記回転位相検出手段によって検出された前記液圧ポンプの回転位相との関係を抽出するとともに、当該抽出した関係を前記液圧ポンプの1回転を基本周波数とする空間に写像し、前記液圧ポンプの前記回転数の整数倍周波数の波の重ね合わせにてモデル化することにより前記脈動波形データを抽出する、液圧ポンプの故障診断装置。
  2. 前記モデル化手段によって抽出された脈動波形データから前記各ピストンに固有の成分を分離する分離手段をさらに備える、請求項1に記載の液圧ポンプの故障診断装置。
  3. 前記分離手段によって分離された前記各ピストンに固有の成分に関する特徴量が所定の閾値を超えているか否かを判定する判定手段をさらに備える、請求項に記載の液圧ポンプの故障診断装置。
  4. 前記回転位相検出手段は、前記液圧ポンプの回転速度を積算することで得られた積算値に所定の補正係数を乗じることにより、前記圧力検出手段によって液体の圧力値が検出された際の前記液圧ポンプの回転位相を算出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の液圧ポンプの故障診断装置。
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