JP6421021B2 - 高濃度硫酸塩溶液の精製方法および精製装置 - Google Patents

高濃度硫酸塩溶液の精製方法および精製装置 Download PDF

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Description

本発明は、高濃度の硫酸塩を含む高濃度硫酸塩溶液の精製方法および精製装置に関し、特に不純物として例えばppmレベルの微量の陰イオンを含む高濃度硫酸塩溶液を精製対象とする。
硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸銅等の硫酸塩は、肥料、医薬用途、メッキ用、半導体用途をはじめ各種工業原料として汎用されているが、最近ではこれらの用途として特に高純度のものも要求され始めている。
例えば副生硫酸アンモニウムを含む硫酸アンモニウム溶液中には、不純物として硝酸イオンや塩化物イオン、炭酸イオン等の陰イオンが含有されているため、これらの陰イオンの低減、あるいは完全な除去が望まれている。
硫酸塩溶液中に含まれる不純物を除去する方法として、例えば、粗硫酸ニッケル溶液からニッケルを有機抽出剤により抽出し、洗浄した後、硫酸による逆抽出を行い、精製硫酸ニッケル溶液を得る方法(特許文献1参照)や、塩素を含む硫酸塩溶液に金属銀、酸化銀、銀の硫酸塩または炭酸塩を添加して、塩化物イオンを塩化銀として沈殿除去する方法(特許文献2参照)、硝酸アンモニウムおよび有機不純物を含む硫酸アンモニウム溶液を圧力下で還元剤および任意に酸化剤を用いて加熱して、硝酸アンモニウムおよび有機不純物を除去する方法(特許文献3参照)等が知られている。
しかし、これらの方法は塩化物イオン等の特定のイオンの除去のための方法であり、2つ以上の陰イオンを一括して除去できないという問題がある。また、特許文献2において、硫酸塩溶液中の塩化物イオンをイオン交換樹脂への選択吸着により除去することも可能である旨の記載があるが、この方法はイオン交換樹脂の交換容量に比べて処理する硫酸塩溶液中の硫酸イオン濃度が著しく高いと、陰イオンの十分な除去が難しいと考えられている。
特開平10−310436号公報 特許第4321231号公報 特開平4−228419号公報
本発明の目的は、高濃度硫酸塩溶液中の微量な陰イオンを低減することができる高濃度硫酸塩溶液の精製方法および精製装置を提供することにある。
本発明は、0.8N以上の硫酸塩を含む高濃度硫酸塩溶液に含まれる、硫酸イオン濃度の10%以下の陰イオンを、硫酸形の陰イオン交換樹脂により除去して精製する精製工程を含み、前記陰イオンが硫酸イオン以外の2つ以上の一価の陰イオンを含み、前記精製工程において前記2つ以上の一価の陰イオンを一括して除去する、高濃度硫酸塩溶液の精製方法である。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製方法において、前記精製工程の前段に、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って前記0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る濃縮工程を含んでもよい。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製方法において、0.01〜2Nの硫酸および硫酸塩のうち少なくとも1つを再生剤として用いて0.5〜3.5eq/L−Rの再生レベルに前記精製工程で用いた陰イオン交換樹脂の再生を行う再生工程をさらに含むことが好ましい。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製方法において、前記精製工程により得られた処理水の少なくとも一部をそのまま使用または希釈して、前記再生工程における再生剤として用いることも好ましい。
また、本発明は、0.8N以上の硫酸塩を含む高濃度硫酸塩溶液に含まれる、硫酸イオン濃度の10%以下の陰イオンを、硫酸形の陰イオン交換樹脂により除去して精製する精製手段を備え、前記陰イオンが硫酸イオン以外の2つ以上の一価の陰イオンを含み、前記精製手段により前記2つ以上の一価の陰イオンを一括して除去す高濃度硫酸塩溶液の精製装置である。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製装置において、前記精製手段の前段に、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って前記0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る濃縮手段を備えてもよい。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製装置において、0.01〜2Nの硫酸および硫酸塩のうち少なくとも1つを再生剤として用いて0.5〜3.5eq/L−Rの再生レベルに前記精製手段で用いた陰イオン交換樹脂の再生を行う再生手段をさらに備えることが好ましい。
前記高濃度硫酸塩溶液の精製装置において、前記精製手段により得られた処理水の少なくとも一部をそのまま使用または希釈して、前記再生手段における再生剤として用いることも好ましい。
本発明では、硫酸形の陰イオン交換樹脂を用いることにより、高濃度硫酸塩溶液中の微量な陰イオンを低減することができる。
本発明の実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製装置の他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。高濃度硫酸塩溶液の精製装置1は、精製手段として、硫酸形の陰イオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂充填塔12を備える。高濃度硫酸塩溶液の精製装置1は、高濃度硫酸塩溶液を原水として貯える原水槽10と、処理水の少なくとも一部を回収する処理水槽14と、イオン交換樹脂を再生する再生処理に使用する再生剤である硫酸を貯える硫酸貯槽16と、再生したイオン交換樹脂の洗浄に使用する洗浄液である脱塩水を貯える脱塩水貯槽18と、処理水の少なくとも一部を回収し、イオン交換樹脂を再生する再生処理に使用する再生剤である再生水として貯える再生水槽20とを備えてもよい。
図1の高濃度硫酸塩溶液の精製装置1において、原水槽10の入口には原水配管22が接続されている。原水槽10の出口とイオン交換樹脂充填塔12の入口とは、ポンプ40およびバルブ48を介して原水供給配管24により接続されている。イオン交換樹脂充填塔12の出口と処理水槽14の入口とは、バルブ50およびバルブ52を介して処理水配管26により接続されている。処理水槽14の出口には処理水排出配管28が接続されている。再生水槽20の入口と、処理水配管26のバルブ50およびバルブ52の間とは、バルブ60を介して処理水配管36により接続されている。再生水槽20の出口と、原水供給配管24のバルブ48の下流側とは、ポンプ46およびバルブ58を介して再生水供給配管34により接続されている。硫酸貯槽16の出口と、原水供給配管24のバルブ48の下流側とは、ポンプ42およびバルブ54を介して硫酸供給配管30により接続されている。脱塩水貯槽18の出口と、原水供給配管24のバルブ48の下流側とは、ポンプ44およびバルブ56を介して脱塩水供給配管32により接続されている。処理水配管26のバルブ50と処理水配管36の接続点との間には、バルブ62を介して再生排水配管38が接続されている。
本実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製方法および高濃度硫酸塩溶液の精製装置1の動作について説明する。
本実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製方法および精製装置1では、0.8N以上の硫酸塩と、その硫酸イオン濃度の10%以下の塩化物イオン等の陰イオンを含む高濃度硫酸塩溶液を原水とし、硫酸形の陰イオン交換樹脂を用いるイオン交換処理によって、高濃度硫酸塩溶液中の硫酸イオン以外の微量な陰イオンを低減させる。
[精製工程]
まず、原水である高濃度硫酸塩溶液は、必要に応じて原水槽10に貯留される。バルブ48およびバルブ50を開状態とし、バルブ54,56,58,62を閉状態として、処理水を処理水槽14に送液する場合は、バルブ52を開状態とし、バルブ60を閉状態として、ポンプ40を起動して精製工程を開始する。処理水を再生水槽20に送液する場合は、バルブ60を開状態とし、バルブ52を閉状態として、ポンプ40を起動して精製工程を開始する。高濃度硫酸塩溶液は、原水槽10から原水供給配管24を通してイオン交換樹脂充填塔12に送液され、イオン交換樹脂充填塔12において、高濃度硫酸塩溶液に含まれる硫酸イオン濃度の10%以下の陰イオンが、硫酸形の陰イオン交換樹脂により除去されて精製される(精製工程)。高濃度硫酸塩溶液中の硫酸イオン以外の陰イオン濃度等に応じて処理量を決定すればよく、所定の量の処理が完了次第、開状態の全てのバルブを閉じて、ポンプ40を停止し、精製工程を終了する。
本発明者らは、一般的に陰イオン交換樹脂のイオン選択性が硫酸イオン(SO 2−)>硝酸イオン(NO )>塩化物イオン(Cl)>炭酸水素イオン(HCO )の順序であるが、硫酸イオンが高濃度(例えば、0.8N以上)で、硫酸イオン以外の他の陰イオンが低濃度(例えば、硫酸イオン濃度の10%以下)の場合には2価である硫酸イオンと1価である他の陰イオンの選択性の差が縮まるまたは逆転することを利用して、陰イオン交換樹脂の官能基を硫酸や硫酸塩溶液等を用いて硫酸形にして使用することにより、高濃度硫酸塩溶液中の従来は硫酸イオンに比べて選択性の低い微量の陰イオンを低減することができることを見出した。そして、陰イオンとして硫酸イオン以外に2つ以上の一価の陰イオンを含む場合でも、硫酸形の陰イオン交換樹脂により、2つ以上の一価の微量の陰イオンを一括して低減することができることを見出した。
本実施形態において、精製対象とする高濃度硫酸塩溶液に含まれる硫酸塩は、無機塩であることが好ましく、水に対して0.8N以上の溶解性を有するものであることがより好ましい。硫酸の無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ニッケル等が挙げられるが、これらの硫酸の無機塩に限定されるものではない。
本実施形態において、除去対象とする硫酸イオン以外の陰イオンとしては、塩化物イオン(Cl)のほかに、炭酸水素イオン(HCO )、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、シアンイオン(CN)等の一価の陰イオン等が挙げられるが、これらの陰イオンに限定されるものではない。
陰イオン交換樹脂としては、弱塩基性陰イオン交換樹脂でも使用可能であるが、陰イオンの除去能力等の点から強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。ここで用いられる強塩基性陰イオン交換樹脂の市販品としては、例えば、「AMBERJET 4400 Cl」(ダウ・ケミカル社製)等が例示され、弱塩基性陰イオン交換樹脂の市販品としては、例えば、「AMBERLITE IRA96SB」(ダウ・ケミカル社製)等が例示されるが、これらの樹脂に限定されるものではない。
陰イオン交換樹脂の官能基は、硫酸や、硫酸ナトリウム等の硫酸塩の水溶液等を用いて硫酸形(SO 2−)に変換すればよい。
本実施形態において、高濃度硫酸塩溶液中の除去対象とする陰イオンの濃度は、硫酸イオン濃度(eq/L)に対して10%以下の濃度(eq/L)であるが、好ましくは3%以下の濃度(eq/L)であると陰イオンの低減効果が高い。
本実施形態において、高濃度硫酸塩溶液中の硫酸イオンの濃度は0.8N以上の濃度であるが、好ましくは2.4N以上であると有効である。
[脱塩水置換工程]
精製工程の実施後、バルブ56およびバルブ50を開状態として、洗浄水を処理水槽14に送液する場合は、バルブ52を開状態とし、バルブ60,62を閉状態として、ポンプ44を起動して脱塩水置換工程を開始する。洗浄水の硫酸イオン濃度が希薄(例えば、0.1N以下)、かつ硫酸イオン以外の陰イオンが含まれる分画液を回収しない場合はバルブ62を開状態とし、バルブ52,60を閉状態として、ポンプ44を起動して脱塩水置換工程を開始する。脱塩水は、脱塩水貯槽18から脱塩水供給配管32を通してイオン交換樹脂充填塔12に送液され、イオン交換樹脂充填塔12内が脱塩水により置換される(脱塩水置換工程)。所定の量の処理が完了次第、開状態の全てのバルブを閉じて、ポンプ44を停止し、脱塩水置換工程を終了する。なお、脱塩水置換工程は、原水中の硫酸イオンと硫酸イオン以外の陰イオンの濃度(例えば、0.1N以下)によっては実施せずに次の再生工程を行ってもよい。
[再生工程]
脱塩水置換工程または精製工程の実施後、バルブ50およびバルブ62を開状態として、再生剤として硫酸を使用する場合には、バルブ54を開状態として、ポンプ42を起動して再生工程を開始する。なお、再生とは、イオン交換樹脂を精製工程で使用可能な状態にすることをいう。再生剤として再生水槽20に貯留した再生水を使用する場合には、バルブ58を開状態として、ポンプ46を起動して再生工程を開始する。再生剤として両者を併用する場合には、バルブ54およびバルブ58を開状態として、ポンプ42およびポンプ46を起動して再生工程を開始する。再生剤は、硫酸貯槽16から硫酸供給配管30を通して、または再生水槽20から再生水供給配管34を通してイオン交換樹脂充填塔12に送液され、イオン交換樹脂充填塔12内のイオン交換樹脂が再生される(再生工程)。イオン交換樹脂充填塔12の負荷量や充填する樹脂量等に応じて再生剤量を決定すればよく、所定の量の処理が完了次第、開状態の全てのバルブを閉じて、ポンプ42またはポンプ46を停止し、再生工程を終了する。
再生工程において、イオン交換樹脂を精製工程で使用可能な状態にするために使用する再生剤としては、硫酸の他に、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等の硫酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
再生工程において、再生剤として処理水、すなわち再生水槽20に貯留した再生水を使用する場合には、そのまま使用してもよいし、または希釈水等により希釈して使用してもよい。
再生工程において、陰イオン交換樹脂は、再生剤として硫酸だけでなく、処理水の少なくとも一部を再生水として使用しても再生が可能であり、効率的かつ低コストの再生処理を達成することができる。
再生工程において、硫酸貯槽16、ポンプ42および硫酸供給配管30、または再生水槽20、ポンプ46および再生水供給配管34が再生手段として機能する。
再生工程において、0.01〜2Nの硫酸を再生剤として用いて0.5〜3.5eq/L−R(樹脂)の再生レベルに精製工程で用いた陰イオン交換樹脂の再生を行うことが好ましい。0.01〜2Nという比較的低濃度の硫酸を用いることにより、効率的かつ低コストの再生処理を達成することができる。なお、再生レベルとは、単位イオン交換樹脂量(体積L)に対して使用する再生剤の量(当量(eq))である。
[押出工程]
再生工程の実施後、バルブ56、バルブ50およびバルブ62を開状態として、ポンプ44を起動して押出工程を開始する。脱塩水は、脱塩水貯槽18から脱塩水供給配管32を通してイオン交換樹脂充填塔12に送液され、イオン交換樹脂充填塔12内の再生剤が脱塩水により押し出され、再生排水配管38を通して排出される(押出工程)。所定の量の処理が完了次第、開状態の全てのバルブを閉じて、ポンプ44を停止し、押出工程を終了する。
[洗浄工程]
押出工程の実施後、バルブ56、バルブ50およびバルブ62を開状態として、ポンプ44を起動して洗浄工程を開始する。脱塩水は、脱塩水貯槽18から脱塩水供給配管32を通してイオン交換樹脂充填塔12に送液され、イオン交換樹脂充填塔12内が脱塩水により洗浄され、再生排水配管38を通して排出される(洗浄工程)。所定の量の処理が完了次第、開状態の全てのバルブを閉じて、ポンプ44を停止し、洗浄工程を終了する。なお、洗浄工程は、処理水のみを再生水として使用した場合または処理水を希釈水で希釈して再生水として使用した場合には実施しなくてもよい。
洗浄工程において、脱塩水貯槽18、ポンプ44および脱塩水供給配管32が洗浄手段として機能する。
ここで説明した精製方法では、上述の精製工程、脱塩水置換工程、再生工程、押出工程、洗浄工程を1サイクルとして運転を行えばよいが、原水中の硫酸イオンと硫酸イオン以外の陰イオンの濃度によっては脱塩水置換工程を実施せずに次の工程を行ってもよく、処理水のみを再生水として使用した場合または処理水を希釈水で希釈して再生水として使用した場合には洗浄工程を実施せずに次の工程を行ってもよい。
本発明の実施形態に係る高濃度硫酸塩溶液の精製装置の他の例の概略を図2に示す。処理対象の硫酸塩溶液中の硫酸塩の濃度が0.8N以上ではない場合には、精製工程の前段、例えば図2に示す高濃度硫酸塩溶液の精製装置3のように、原水槽10とイオン交換樹脂充填塔12との間に、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る濃縮手段としての濃縮装置64を備えてもよい。精製工程の前段において、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る(濃縮工程)。濃縮装置64としては、例えば、NF膜やRO膜、蒸留装置等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示したものと同様の精製装置を試験装置として製作し、精製工程、脱塩水置換工程、再生工程、押出工程、洗浄工程の各工程を進行させた。採用した試験条件は以下の通りである。
[試験条件]
(1)陰イオン交換樹脂
陰イオン交換樹脂として、強塩基性陰イオン交換樹脂である商品名「AMBERJET 4400 Cl」(ダウ・ケミカル社製、総交換容量1.4eq/L−R(樹脂))を、硫酸ナトリウム水溶液によりイオン形を硫酸形(SO 2−)に変換したものを用いた。硫酸形の強塩基性陰イオン交換樹脂を体積で400mL使用し、この強塩基性陰イオン交換樹脂を樹脂性カラムに充填した。樹脂性カラムは円筒形上のものであり、その内直径は25.3mm、長さは1000mmであった。
(2)原水液質
原水として用いた高濃度硫酸塩溶液の液質は、硫酸イオン濃度が2.6N(2.6eq/L)、塩化物イオン濃度が42.3meq/L(硫酸イオン濃度の1.63%)、炭酸水素イオン濃度が炭素換算で35.4meq/L(硫酸イオン濃度の1.36%)、pHが8.3であった。
(3)通水SV(流量)
精製工程での流量は、3L/L−R/hr(1.2L/hr)とした。
(4)精製工程
精製工程は、通液量を1600mLと設定して試験を行った。
(5)脱塩水置換工程
脱塩水置換工程は、通水量を600mLと設定して純水を用いて実験を行った。
(6)再生工程
再生工程では、再生剤として、1N硫酸ナトリウム(NaSO)を使用した。再生レベルを2eq/L−R(樹脂)とし、再生剤の流量を4L/L−R/hrとした。
(7)押出工程(洗浄工程)
脱塩水として純水を用い、純水による押出の流量を4L/L−R/hrとし、押出時間を15分とした。
再生レベル2eq/L−R(樹脂)となった時点の結果を、再生レベル1eq/L−R(樹脂)となった時点の結果とともに、表1に示した。
表1における再生%の算出方法は、以下の通りである。
(i)イオン交換樹脂に吸着したCl量+HCO 量((初期Cl濃度+HCO 量)×通液量−(処理水側に漏出したCl濃度+HCO 量)×処理水量))を算出する。
(ii)再生剤を添加したときの処理水側のCl量+HCO 量(言い換えれば再生された量)を算出する。
(iii)再生%を算出する。
再生%=[(ii)で算出した処理水側のCl量+HCO 量]/[(i)で算出したイオン交換樹脂に吸着したCl量+HCO 量]
これにより、イオン交換樹脂の交換容量(イオンを交換する部分の量)の再生割合(再生%)が算出される。
原水中および処理水中の硫酸イオン(SO 2−)、塩化物イオン(Cl)の濃度は、イオンクロマト装置(メトローム社製、Compact IC 761型)を用いて、炭酸水素イオン(HCO )の濃度は、酸標準液による滴定法により測定した。
<実施例2>
再生剤の濃度を2N硫酸にした以外は実施例1と同様にして、高濃度硫酸塩溶液から一価の陰イオンの除去を実施した。結果を同様に表1に示した。
<実施例3>
再生剤の濃度を0.1N硫酸にした以外は実施例1と同様にして、高濃度硫酸塩溶液から一価の陰イオンの除去を実施した。結果を同様に表1に示した。
<実施例4>
再生剤の濃度を3N硫酸にした以外は実施例1と同様にして、高濃度硫酸塩溶液から一価の陰イオンの除去を実施した。結果を同様に表1に示した。
Figure 0006421021
このように、硫酸形の陰イオン交換樹脂を用いることにより、高濃度硫酸塩溶液中の微量な陰イオン(塩化物イオンおよび炭酸水素イオン)を低減することができた。実施例3では、再生レベルが半量の1eq/L−R(樹脂)でも再生が十分に行われた。通常は、再生剤の濃度が高いほどイオン交換樹脂が再生されるが、濃度が低いほどイオン交換樹脂が再生される結果となった。これは、イオン交換樹脂のイオン選択性の順序が逆転しているためと考えられる。
<実施例5および比較例1,2>
表2に示す液質の高濃度硫酸塩溶液を原水として用い、実施例1と同様にして処理を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006421021
このように、原水の硫酸イオン濃度が0.8N以上と高く、かつ原水の塩化物イオンおよび炭酸水素イオン濃度の合計が硫酸イオンの10%以下の場合に十分な塩化物イオンおよび炭酸水素イオンの低減が行われた。比較例1では、原水の塩化物イオン濃度および炭酸水素イオン濃度が実施例5よりも低くなっているにもかかわらず、処理液の塩化物イオン濃度および炭酸水素イオン濃度は実施例5よりも若干高くなっていた。
1,3 高濃度硫酸塩溶液の精製装置、10 原水槽、12 イオン交換樹脂充填塔、14 処理水槽、16 硫酸貯槽、18 脱塩水貯槽、20 再生水槽、22 原水配管、24 原水供給配管、26,36 処理水配管、28 処理水排出配管、30 硫酸供給配管、32 脱塩水供給配管、34 再生水供給配管、38 再生排水配管、40,42,44,46 ポンプ、48,50,52,54,56,58,60,62 バルブ、64 濃縮装置。

Claims (8)

  1. 0.8N以上の硫酸塩を含む高濃度硫酸塩溶液に含まれる、硫酸イオン濃度の10%以下の陰イオンを、硫酸形の陰イオン交換樹脂により除去して精製する精製工程を含み、
    前記陰イオンが硫酸イオン以外の2つ以上の一価の陰イオンを含み、
    前記精製工程において前記2つ以上の一価の陰イオンを一括して除去することを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製方法。
  2. 請求項1に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製方法であって、
    前記精製工程の前段に、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って前記0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る濃縮工程を含むことを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製方法。
  3. 請求項1または2に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製方法であって、
    0.01〜2Nの硫酸および硫酸塩のうち少なくとも1つを再生剤として用いて0.5〜3.5eq/L−Rの再生レベルに前記精製工程で用いた陰イオン交換樹脂の再生を行う再生工程
    をさらに含むことを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製方法。
  4. 請求項に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製方法であって、
    前記精製工程により得られた処理水の少なくとも一部をそのまま使用または希釈して、前記再生工程における再生剤として用いることを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製方法。
  5. 0.8N以上の硫酸塩を含む高濃度硫酸塩溶液に含まれる、硫酸イオン濃度の10%以下の陰イオンを、硫酸形の陰イオン交換樹脂により除去して精製する精製手段を備え
    前記陰イオンが硫酸イオン以外の2つ以上の一価の陰イオンを含み、
    前記精製手段により前記2つ以上の一価の陰イオンを一括して除去することを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製装置。
  6. 請求項に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製装置であって、
    前記精製手段の前段に、硫酸塩溶液の濃縮処理を行って前記0.8N以上の高濃度硫酸塩溶液を得る濃縮手段を備えることを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製装置。
  7. 請求項5または6に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製装置であって、
    0.01〜2Nの硫酸および硫酸塩のうち少なくとも1つを再生剤として用いて0.5〜3.5eq/L−Rの再生レベルに前記精製手段で用いた陰イオン交換樹脂の再生を行う再生手段
    をさらに備えることを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製装置。
  8. 請求項に記載の高濃度硫酸塩溶液の精製装置であって、
    前記精製手段により得られた処理水の少なくとも一部をそのまま使用または希釈して、前記再生手段における再生剤として用いることを特徴とする高濃度硫酸塩溶液の精製装置。
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