JP6419379B2 - Icチップが組み込まれた熱可塑性合成樹脂製エンブレムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軍隊、警察、消防その他官公庁の制服、及び民間会社の制服等に装着される、ICチップが組み込まれたエンブレムであって、熱可塑性合成樹脂フィルムを原材料とし、高周波誘電加熱により製造されるエンブレムの製造装置及び方法に関する。
熱可塑性合成樹脂フィルムを原材料とし、高周波誘電加熱を行って、エンブレム、アップリケ、ステッカー等の装飾片を製造する方法、及び該方法により製造された装飾片としては、例えば、下記特許文献1、2、3に開示のものが知られている。
例えば、特許文献1によれば、装飾片は、下層(塩化ビニルフィルム11)と、熱可塑性合成樹脂製の上層(ポリエステルシート1)とよりなる。上層の材料としては、熱可塑性合成樹脂のフィルム又はシートが挙げられる。下層としては、織布、編布、合成樹脂(特許文献1では塩化ビニルフィルム11)、合成皮革等任意のものを用いることができ、また、装飾片を熱転写装飾片とする場合には、熱接着フィルムを下層として用いることもできる。
このように、熱可塑性合成樹脂製の上層と下層とよりなる装飾片を製造するには、高周波誘電加熱により製造することが可能である。
高周波誘電加熱により装飾片を製造する場合、高周波誘電加熱用の一方の電極たる金型台(特許文献1では下部電極16’)と、高周波誘電加熱用の他方の電極たる彫金型(特許文献1では上部電極16)とを用いる。
前記彫金型は、溶断刃(特許文献1では刃部17)と押圧刃(特許文献1では突出部14’)とを有する。該溶断刃は、成形すべき模様の外輪郭線に沿った尖鋭刃先を有し、模様片の材料たる熱可塑性合成樹脂フィルムを溶断する。一方、前記押圧刃の刃先は、前記尖鋭刃先が存する水平面よりも上方の面に位置しており、前記溶断刃の尖鋭刃先程鋭くはなく、熱可塑性合成樹脂フィルムに立体模様を賦形する。
製造にあたっては、必要に応じて、先ず、上層材料たる熱可塑性合成樹脂フィルムに模様を印刷する。そして、金型台の上に下層材料を載置し、その上に、上層材料たる熱可塑性合成樹脂フィルムを載置する。そして、該上層材料たるフィルムの上から、彫金型により、熱可塑性合成樹脂フィルム及び下層材料を押圧し、高周波誘電加熱を行う。上層材料は溶融し、彫金型の彫刻形状及び押圧刃により、熱可塑性合成樹脂フィルムには、立体模様が形成される。また、溶断刃により、熱可塑性合成樹脂フィルムは、溶断され、模様片の外輪郭線が形成される。
また、高周波誘電加熱を行うことにより、熱可塑性合成樹脂フィルムが溶融するので、上層と下層とが一体となった装飾片が形成される。その後、不要部分を除去し、装飾片が完成する。
尚、製造しようとする装飾片が、熱接着フィルムタイプの装飾片(下層が熱接着性を有する材料よりなり、アイロン等によって衣服等被装着物に熱接着可能なもの)である場合には、成形された下層の下面に離型紙を配しても良く、また、模様片の上面に透明なキャリアフィルムを配しても良い。また、下層材料が布帛等である場合には、下層材料を高周波誘電加熱による溶断ではなく、他の公知手段により切断しても良い。
以上のように、上方からの押圧及び高周波誘電加熱により、安価かつ大量に熱可塑性合成樹脂製エンブレムが製造される。
特公昭61−016608号公報 特公平06−033040号公報 特許第2542551号公報
上述のように熱可塑性合成樹脂製エンブレムは、安価に大量生産することができ、しかも、軟質樹脂フィルムを用いれば、柔らかく軽量なものを製造することができる。従って、シャツや制服の胸ポケット部分に装着しても、重さで垂れることがなく、また、袖に装着した場合には、柔らかいことより腕の動きに対応することができ、違和感が無い。
しかし、大量生産ゆえ、エンブレムの形状、模様、色彩は同一であり、個々人の識別をすることはできない。近年、これらエンブレム等の装飾片により、個々人の識別を可能にすることが求められている。
このため、熱可塑性合成樹脂製エンブレムにICチップを組み込み、該ICチップに必要情報を入力して、個々人の識別をすることが求められている。具体的には、上層(及び中間層)と下層との間にICチップを組み込むことが求められている。
しかしながら、上述の方法においてICチップを上層(及び中間層)と下層との間に組み込み製造しようとすると、上方からの彫金型の押圧により、ICチップが破損してしまう、と言う問題が生ずる。
従って、本発明は、ICチップが組み込まれた熱可塑性合成樹脂製エンブレムを、ICチップが破損することなく、高周波誘電加熱により製造することができる製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ICチップが組み込まれた、熱可塑性合成樹脂フィルム製エンブレムを高周波誘電加熱で製造するための装置であって、
少なくとも溶断刃を有する上金型と、
テーブルと、
テーブルの周縁部及び上面に配置される支持枠と、
テーブルの上面に配置され、軸方向に摺動可能なスライド盤と、
スライド盤の上面に配置された金属板と、よりなり、
前記テーブルの上面には、固体潤滑剤が配置されており、
前記支持枠が、テーブルの長辺に沿って配置される長辺支持枠と、テーブルの短辺に沿って配置される短辺支持枠とよりなり、
前記長辺支持枠の下面、幅方向中央側には、段部が形成されており、
前記スライド盤の上面、幅方向端部には、段部が形成されており、該段部と前記長辺支持枠の段部とにより、スライド盤は、テーブルに対して軸方向に摺動可能となっており、
前記金属板の上面には、平坦面と、ICチップが当接される寸法に形成された凹部とが設けられており、該凹部には、クッション材が配置されており、
上層材料を高周波誘電加熱して、上層材料を賦形する際には、金属板の平坦面に上層材料を配置し、
下層材料及び下層材料の上面に配置されたICチップと、上層材料とを高周波誘電加熱して、上層材料と下層材料とを溶着するに際には、ICチップを前記凹部の上部位置に配置し、スライド盤を軸方向に摺動させて、上金型の下に配置して高周波誘電加熱を行い、凹部及びクッション材により、ICチップに押圧力がかからないこととする、
ICチップが組み込まれた、熱可塑性合成樹脂製エンブレムを高周波誘電加熱で製造するための装置、が提供される。
また、本発明によれば、陰極たるテーブルの上面たる平坦面に、離型紙と、離型紙の上面に上層材料とを配置し、
上方より、上金型で上層材料を押圧し、高周波誘電加熱をして、上層材料を賦形して中間体とし、
上金型に中間体を仮止めし、上金型を引き上げると共に、中間体をも引き上げ、
テーブル上に配置されたスライド盤を軸方向に移動させ、スライド盤上に配置された金属板の上面に設けられた凹部を、上金型の真下に移動させ、
該凹部上に、離型紙と、下層材料と、ICチップとを載置し、
上金型を下降させ、中間体とICチップと下層材料とを押圧し、高周波誘電加熱をして、中間体と下層材料とを溶着して、ICチップが組み込まれた、熱可塑性合成樹脂製エンブレムを製造する方法、が提供される。
好ましくは、上層材料の下面に、離型紙を配置する。また、好ましくは、上層材料の上面にキャリアフィルムを配置し、該キャリアフィルムの上面にポリプロピレンフィルムを配置する。
本発明の装置によれば、上層材料と下層材料とを溶着するに際には、ICチップが凹部に存することより、上金型による押圧力を受けず、仮に受けたとしても、クッション材により押圧力が吸収されるので、ICチップが押圧力により破損することが避けられる。
本発明の装置によれば、スライド盤を軸方向に移動させるだけで、上層材料(及び中間層)の賦形を行うことができると共に、押圧力によりICチップを破損することなく、上層材料と下層材料とを溶着することができる。
本発明の装置によれば、2種類のテーブルを用いる必要が無く、上述のような簡易な構造の装置が提供される。
本発明の方法によれば、上層材料と下層材料とを高周波誘電加熱により溶着するに際して、ICチップが上金型による押圧力を受けず、したがって、ICチップが破損しない。
本発明の製造装置により製造されるエンブレムの正面図である。 図1に示したエンブレムの、拡大A−A’線断面図である。 本発明の製造装置の上金型の下面図である。 本発明の製造装置の治具の平面図であって、第二工程における状態を示す。 図4に示す治具の、各部材を分解した状態の側面図である。 図4中、B−B’線断面図である。 テーブルの平面図である。 スライド盤の平面図である。 金属板の平面図である。 本発明の製造装置の治具の平面図であって、第一工程における状態を示す。 第一工程における縦断面図である。 第二工程における縦断面図である。
<エンブレム>
本発明の装置及び製造方法により製造されたエンブレム1は、図2に示したように、熱可塑性合成樹脂よりなる上層2と、下層3とよりなる。図示実施形態においては、下層3の下面に離型紙9が装着されている。
上層2は、後述のように、表面層材料4aと中間層材料5aとより作られ、高周波誘電加熱により、表面層材料4aと中間層材料5aとは互いに溶着され、一体となる。
本発明のエンブレム1においては、上層2と下層3との間に、ICチップ6が設けられている。
<表面層材料>
上述のように、上層2は、表面層材料4aと中間層材料5aとより作られる。
表面層材料4aは、立体的な形状が賦形される。また、必要に応じて、上面に印刷がなされる。
表面層材料4aとしては、熱可塑性合成樹脂フィルムを用いることが可能であり、合成樹脂製装飾片の材料として公知のものを用いることができる。例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム等を用いることが可能である。熱可塑性合成樹脂フィルムは、積層フィルムであっても良い。
また、熱可塑性合成樹脂フィルムに、公知技術により金属を蒸着して、金属調の装飾片とすることも可能であり、例えば、金属蒸着ポリ塩化ビニルフィルム、金属蒸着ポリウレタンフィルム、金属蒸着ポリエステルフィルム、金属蒸着ポリオレフィンフィルム等を用いることが可能である。金属としては、公知のものを用いることが可能であり、例えば、アルミニウム、クロム、銀、錫等が挙げられる。
表面層4の上面に、更に、キャリアフィルム7を配置してもよく、キャリアフィルム7の上面に、更に、ポリプロピレンフィルム8を配置しても良い。
キャリアフィルム7の下面は、粘着機能を有する。従って、互いに離間して配置された複数の模様片が1組となって1模様を形成する場合にも、模様片同士の相対的位置は変化しない。
キャリアフィルム7としては、この分野において公知のものを使用することができる。表面層4に印刷された模様が見えるよう、キャリアフィルム7は透明であることが求められる。キャリアフィルムの厚みとしては、30〜60ミクロンが挙げられるが、本発明は、かかる厚みに限定されない。
ポリプロピレンフィルム8は、半透明又は透明なフィルムであれば、この分野において公知のものを使用することができる。
エンブレム完成後もキャリアフィルム7、ポリプロピレンフィルム8は基本的に被服等に転写するまで付けておく。キャリアフィルム7だけで複数個の図形や文字を加工した場合、保持力が弱いため、転写の際、位置ずれを起こしたり、一部はずれたりしまい兼ねない。従って、キャリアフィルム7の補強として、ポリプロピレンフィルム8を用いることが好ましい。また、ポリプロピレンフィルム8は、溶断されないので、エンブレム側面に巻き込まれることとなり、表面材料たるポリプロピレンフィルム8が下層まで届き、もって側面がきれいに仕上がることとなる。更に、キャリアフィルム7を単独で使用すると、往々にして溶断刃部分が切れてしまうことがあるため、ポリプロピレンフィルム8を用いる。これにより溶断刃部分の材料の切れが良くなる。
<中間層>
中間層材料5aは、エンブレムに厚みを持たせると共に、エンブレム内に空洞ができるのを防ぎ、エンブレムがへこまないようにするために用いられる。中間層材料5aとしては、熱可塑性合成樹脂を用いることが可能であり、例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリウレタンシート、ポリオレフィンシート等が挙げられる。上述のように、エンブレムに厚みを持たせる必要がある場合に用いられるものであり、必須ではない。
このような中間層5と、上記表面層4とは、高周波誘電加熱により溶着され、一体化されており、「上層2」となる。
<下層>
下層3は、上層2を被服の被装着物に装着するための層である。
アイロン等により加熱することによって被服に装着するタイプのエンブレムの場合には、下層3は、接着又は粘着機能を有するものが用いられるが、本発明の下層3は、接着又は粘着機能を有するものに限定されない。
下層3は、下層材料3aより作られる。下層材料3aとしては、この分野で公知の材料を用いることが可能である。下記の図示実施形態においては、加熱することにより接着能を有するホットメルトフィルム9aと、該ホットメルトフィルム9aの上面に配置された熱可塑性合成樹脂フィルム9bとが用いられているが、ホットメルトフィルム9aのみでよいことは勿論である。また、布帛等を下層材料とすることも可能である。また、図示実施形態に示したように、ホットメルトフィルム9aの下面に、離型紙9cを配置しても良い。このように、下層材料3aは、製造するエンブレムに求められる性能により適宜選択される。
<ICチップ>
前記上層2と、前記下層3との間にICチップ6が配置される。
かかるICチップ6には、IDナンバーが予め入力されており、データはコンピュータに保存される。読み取り機でIDナンバーを読み取り、コンピュータに接続されて認証できるので、写真をはじめ個々人のデータをコンピュータに入力することができ、偽造を防止すると共に、管理能力を高めることができる。
ICチップ6の例としては、例えば、富士通フロンテック株式会社製のTFU-TL741Bが挙げられるが、本発明は、これに限定されない。
<製造装置>
次に、高周波誘電加熱により、熱可塑性合成樹脂の材料より製造されたエンブレム1であって、ICチップ6が装着されたものを製造するための装置を説明する。
かかる装置は、陽極として機能する上金型11と、陰極として機能する治具21とよりなる。
上金型11の下面には、エンブレムの立体形状と共に、溶断刃、押圧刃が設けられており、公知技術のものを用いることが可能である。尚、押圧刃は、必要に応じて設けられるものであり、必須ではない。
また、上金型11には、後述のように、中間体23を仮止めする仮止め手段13が設けられている。仮止め手段13は、表面層材料4aと中間層材料5aとにより成形された中間体23を、上金型11と共に持ち上げればよく、例えば、図示実施例に示したように、上金型11の前面及び後面に粘着テープを設けておくことが挙げられるが、本発明の仮止め手段13は、これに限定されない。
上金型11の位置は、固定されており、下記のテーブル31上のスライド盤51及び金属板61を、上金型11に対して軸方向に相対的に動かす。尚、「軸方向」とは、テーブル31の長辺方向を意味し、図4においては、左右方向を意味する。テーブル31の短辺方向を以下「幅方向」と称することとする。
先ず、上金型11に対して軸方向に相対的に移動可能な治具21を作成する。図4において、「軸方向」とは、左右方向を意味する。
治具21は、陰極として機能するテーブル31と、テーブル31の周縁部及び上面に配置される支持枠41と、テーブル31の上面に配置され、軸方向に摺動可能なスライド盤51と、スライド盤51の上面に配置され、スライド盤51と共に摺動可能であり、陰極として機能する金属板61とよりなる。
テーブル31は、長辺と短辺とを有する長方形板状体であって、上面及び下面はフラットになっている。
テーブル31の上面には、スライド盤51が摺動し易いように、固体潤滑剤33が配置されている。固体潤滑剤33は、テーブル11の上面全体に配置させてもよく、図示実施例のように、点在させてもよい。製造コストの観点から、点在させることが好ましい。
固体潤滑剤33の上面は、図示実施例に示したように、テーブル31の上面と同一平面であってもよく、またはテーブル31の上面より僅かに突出していてもよい。
固体潤滑剤33としては、固体であって潤滑機能を有するものであれば、公知のものを使用することが可能である。
支持枠41は、図示実施例においては、テーブル31の長辺全体を覆う長辺支持枠43と、該長辺支持枠43の間に配置され、テーブル31の短辺を覆う短辺支持枠45とよりなる。支持枠41は、テーブル31の上面の外周部に配置され、テーブル31の上面に固定される。図示実施例においては、支持枠41は、テーブル31の上面にねじで固定されているが、本発明は、ねじで固定することに限定されない。
長辺支持枠43の下面、幅方向の中央側には、後述するスライド盤の案内部が挿入可能な段部47が形成されている。
短辺支持枠45には、指入れ部49が形成され、後述のようにスライド盤51を軸方向に移動させ易いようにしている。
スライド盤51は、軸方向の長さ(長辺の長さ)が、テーブル31の軸方向の長さ(長辺の長さ)よりも短い長方形板状体であって、フラットな上面とフラットな下面とを有し、テーブル31の上面を軸方向に摺動可能となっている。
スライド盤51の長辺側側面の下部には、幅方向に突出する段部53が形成されている。この段部53は、長辺支持枠43の段部47とにより、スライド盤51が、軸方向に摺動可能となっている。
上述のように、テーブル31の上面には、固体潤滑剤33が配置されているので、スライド盤51は、軸方向に容易に摺動することができる。スライド盤51は、金属製であることが好ましいが、金属製に限定されない。
短辺支持枠内面と反対側に位置する短辺支持枠内面との軸方向長さFと、スライド盤の軸方向長さGの比は、3対2であることが好ましい。スライド盤51を一方に移動させると、磁石69と磁石49とがくっつき固定されるが、その時金属製の板61の上面63のフラットな部分の中心が上金型11の真下に来、逆方にスライド盤51をスライドさせると、凹部65の中心が植え金型11の真下に来る。従って、スライド盤の軸方向長さGは、短辺支持枠内面と反対側に位置する短辺支持枠内面との軸方向長さFの3分の2となる。
スライド盤51の上面には、スライド盤51の軸方向の長さと同じ軸方向長さを有し、スライド盤51の幅方向の長さよりも段部53の幅だけ短い幅方向長さを有する、金属製の板61が配置される。
該金属製の板61は、上面63と下面とを有する。金属製の板の上面63は、フラットである。金属製の板61の上面63の幅方向半分の中央部には、ICチップが加圧力を受けない寸法に形成された凹部65が設けられており、ICチップは凹部65に当接する寸法となっている。即ち、凹部65の上面には、ICチップが配置される。これにより、金属製の板61の上面63は、フラットな部分(A部分)と凹部を設けた部分(B部分)とよりなる。
凹部65には、クッション材67が配置されており、上方からの押圧力を吸収し、押圧力がICチップにかからないようにしている。また、クッション材67が存在することにより、エンブレムの内部(上層と下層との間)にエアーがたまることが防止される。
クッション材67としては、スポンジ又はゴムが挙げられるが、本発明は、これに限定されず、上方からの押圧力を吸収することができるものであれば、公知のものを用いることが可能である。
該金属製の板61の幅方向中央部には、位置決め用磁石69が設置されており、一方、短辺支持枠45の、位置決め用磁石69に対応する位置には、位置決め用磁石49が配置されており、スライド盤51を軸方向に摺動させた場合に、幅方向の位置を合わせることとしている。
治具21は、上述のような構成となっており、金属板31に対してスライド盤51が軸方向に摺動可能となっており、また、スライド盤51上の配置される金属製の板61の上面に設けられた凹部65には、クッション材67が存し、ICチップが加圧力を受けないで破損を防ぐ構成となっている。
尚、金属製の板61の上に、絶縁クロス(図示せず)を装着する。
<製造方法>
上述の製造装置を用いてICチップが組み込まれたエンブレムを製造する際には、先ず、金属製の板61の上面が平坦である部分(Aブロック)に、離型紙9を載置し、離型紙の上に必要ならば中間層材料5aを載置し、中間層材料5aの上に表面層材料4aを載置する。必要ならば、表面層材料4aの上にキャリアフィルム7aを載置し、更にキャリアフィルム7aの上にポリプロピレンフィルム8aを載置してもよい。
離型紙9を載置する理由は、第一工程(高周波誘電加熱して、表面層材料4aと中間層材料5aとを賦形すると共に、表面層材料4aと中間層材料5aとを溶着する工程)において、高周波誘電加熱を行うと、高周波誘電加熱により溶融した材料が金属製の板61にくっついてしまうのを防止するためである。
これら材料の上方には、上金型11が位置する。
上金型を下降させて、材料を押圧し、高周波を発信して、立体模様を形成する(第一工程)。また、中間層材料がある場合には、上層材料と中間層材料とを溶着し、中間体23とする。この立体模様成形、溶着は、公知技術により行われる。
尚、これら材料は、金属製の板61の上面が平坦である部分に載置されるので、正確に立体模様が賦形される。
成形された中間体23(表面相材料と中間層材料とが溶着したもの)を、仮止め手段13により、上金型11に仮止めする。
次に、上金型を上昇させる。前述のように、上金型には仮止め手段により仮止めされているので、中間体23は、上金型と共に上昇する。
中間体23の下面には、離型紙が配置されているので、上層材料及び中間層材料が溶融しても、金属製の板61に付着せず、中間体23を上昇させることが可能である。
次に、スライド盤を軸方向にスライドさせて、前記Bブロックの中央の凹部65が上金型の真下に来るように、スライド盤を移動させる。この時、位置決め用磁石69、49が備えられているので、左右方向の位置がずれることがない。
次に、金属板61上に下層材料を載置する。
下層材料は、必要に応じて選択することができる。例えば、加熱接着タイプのエンブレムとするのであれば、先ず離型紙を載置し、その上にホットメルトフィルムを載置し、ホットメルトフィルム上に、ICチップ(IDナンバーが記録されたもの)が仮止めされた合成樹脂フィルムを載置する。下層材料は、この分野で公知のものを用いることが可能である。図示実施形態においては、先ず、金属板61の上面に離型紙9cを載置し、該離型紙9cの上面にホットメルトフィルム9aを載置し、該ホットメルトフィルム9aの上面に熱可塑性合成樹脂フィルム9bを載置する。
ICチップは、スライド盤51上の金属板61の凹部65に位置するように載置する。
合成樹脂フィルムへのICチップの仮止めは、両面テープ、粘着テープ等公知の手段を用いることができる。
スライド盤51の軸方向スライドと、下層材料のスライド盤への載置とは、いずれを先に行っても良い。
上金型に仮止めされた中間体23から、離型紙のみを剥がす。尚、図12は、離型紙を剥がす前の状態を示している。
次に、上金型11を下降させて、下層材料(図示実施形態の場合には、離型紙9cと、ホットメルトフィルム9aと、熱可塑性合成樹脂フィルム9b)と中間体23とを押圧し、高周波を発信して、中間体23と下層材料とを溶着し、また、これらを溶断する。そして、公知技術により、不要部分を除去し、エンブレムを完成させる。
この場合、ICチップが凹部45に位置し、しかも凹部45の下面にはクッション材47が配置されているので、上金型により押圧されたとしても、ICチップが破損することがなく、ICチップの存在により、エンブレムの表面に形成された立体形状が変形することもない。

Claims (1)

  1. 少なくとも溶断刃を有する上金型と、
    前記上金型の下方に配置された金属板であって、前記金属板の上面には、平坦面と、凹部を有し、前記凹部にはクッション材が配置された金属板と、
    を具えた装置に対し
    上層材料と下層材料の間にICチップを配置してなるエンブレムの材料を、前記上金型と前記金属板との間に配置し、前記上金型と前記金属板を接近させて高周波誘電加熱により前記上層材料と前記下層材料を溶着するICチップが組み込まれた熱可塑性合成樹脂製エンブレムの製造方法であって、
    前記凹部は、前記ICチップが当接される寸法に形成されており、前記エンブレムの材料は、前記ICチップが前記凹部に位置するよう配置される、
    ことを特徴とする、
    ICチップが組み込まれた熱可塑性合成樹脂製エンブレムを高周波誘電加熱で製造する方法
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