JP6417844B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置に関する。
近年、低圧放電灯用の点灯装置の高周波化が進んでいる。しかし、高周波点灯方式において、点灯装置と放電灯の間の出力配線が比較的長い場合(例えば、数十メートル程度である場合)、出力配線の寄生容量による無負荷二次電圧の低下、及び出力配線のインダクタンスによるランプ電流の低下が無視できなくなる。そのため、放電灯に対して長い出力配線を介して接続される点灯装置に高周波点灯方式を適用することは好ましくない。したがって、長い出力配線が想定される点灯装置には、低周波の矩形波電流等によって放電灯を点灯する低周波点灯方式が適している。同様のことが、ランプ電流だけでなく、放電灯のフィラメントに供給されるフィラメント電流についても言える。
特許文献1は、低周波のフィラメント電流を供給することができる放電灯点灯装置を開示する。この点灯装置は、フィラメント用電源として商用電源用トランスを備え、トランスの一次側が商用電源に接続され、二次側の2つの巻線が一対のフィラメントにそれぞれ接続される。すなわち、商用電源電圧から降圧されて生成された低周波電圧がフィラメントに印加され、フィラメント電流が流れる。このようなフィラメント用電源の構成は、点灯装置が高周波点灯方式であるか低周波点灯方式であるかにかかわらず適用可能である。
特開平6−251883号公報
しかし、特許文献1のようなフィラメント電流の供給構成(以下、「商用電源トランス方式」という)には、以下のような問題がある。
第1に、放電灯の始動性低下、更には点灯特性の低下の問題がある。具体的には、点灯装置(フィラメント電源用のトランス)と放電灯との間の出力配線の抵抗成分による電圧降下のためにフィラメント電流が減少し得ることが問題となる。例えば、フィラメントの抵抗値が2.5Ω、出力配線の長さが50m、出力配線の導体断面積が0.75mmである場合、出力配線の抵抗値は約2.5Ωとなる。商用電源トランスは電圧源として作用し、出力配線はフィラメントに直列接続されるので、上記の場合、出力配線が充分に短い場合に比べて約半分の電圧、すなわち約半分の電流しかフィラメントに供給されないことになる。その結果として、ランプ始動前の予熱期間において、フィラメントから放出される電子放射物質が不十分となり、放電灯の始動性が低下する。また、ランプ始動後の安定点灯時においても、適切な値の電流がフィラメントに供給されないことは、放電灯の点灯特性の観点から好ましくない。この電圧降下の影響を小さくするために導体断面積の大きい配線を使用して出力配線の抵抗値を低減することは理論上は可能であるが、配線コスト及び配線の取り回しの観点から現実的ではない。したがって、商用電源トランス方式によると、出力配線が長い場合にフィラメント電流を適正化することが難しく、放電灯の始動性が低下するとともに適正な点灯特性が確保されなくなる。
第2に、点灯装置の大型化及びラインナップ増加の問題がある。上述したように商用電源トランス方式においては、商用周波数用のトランスを用いる必要があるため、そのサイズ及び重量が増大する。また、商用電源の電圧及び想定されるフィラメント電圧に応じた巻数比のトランスが必要となることから、商用電源の仕様及び放電灯の仕様に応じて異なるトランスを用意する必要があり、フィラメント用電源の標準化が難しい。したがって、商用電源トランス方式によると、フィラメント用電源乃至は点灯装置の小型化及び標準化を図ることが難しい。
そこで、本発明は、熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置において、出力配線の長さにかかわらずフィラメント電流を適正化するとともに点灯装置の小型化及び標準化を図ることが可能な構成を提供することを課題とする。
本発明の、放電灯点灯装置では、熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯するものであり、低圧放電灯に低周波又は直流のランプ電圧又は電流を供給する第1の電源回路と、第1の電源回路の一部から入力される直流電圧を直流のフィラメント電流に変換してそのフィラメント電流を熱陰極フィラメントに供給する絶縁型のDC/DCコンバータ及びフィラメント電流の電流値を検出する電流検出回路を有する第2の電源回路と、電流検出回路によって検出された電流検出値が目標値に一致するようにDC/DCコンバータを制御する制御部とを備える。
本発明の放電灯点灯装置によると、主電源回路の一部から入力される直流電圧がフィラメント用電源回路のDC/DCコンバータによって直流のフィラメント電流に変換され、このフィラメント電流が制御部によって定電流制御される。このような構成により、放電灯点灯装置から低圧放電灯までの出力配線の抵抗成分に起因する電圧降下にかかわらず所望値の電流をフィラメントに通電することが可能となる。これにより、出力配線の長さにかかわらず、フィラメント電流が適正化され、低圧放電灯の始動性の向上及び安定点灯中における適正な点灯特性の確保が可能となる。また、第2の電源回路がDC/DCコンバータによって構成されるので、商用電源トランスを用いる商用電源トランス方式に比べて放電灯点灯装置が大幅に小型化される。また更に、第2の電源回路がDC/DCコンバータによって構成されるので、入力電源電圧の値にかかわらず、又は低圧放電灯の種類にかかわらず、実質的に同じ回路構成の第2の電源回路を採用することができるため、放電灯点灯装置の標準化が可能となる。
ここで、DC/DCコンバータからフィラメント電流が出力されてから所定時間経過後に、制御部がDC/DCコンバータにフィラメント電流を減少させるように構成してもよい。これにより、予熱期間におけるフィラメント電流を相対的に増加させることができるので、熱陰極フィラメントの加熱を加速して予熱期間を短縮することができる。そして、安定点灯中におけるフィラメント電流を予熱期間におけるフィラメント電流よりも減少させることができるので、安定点灯期間においては必要以上の電流が熱陰極フィラメントに通電されるのを防止して省電力化を図ることが可能となる。また、予熱期間と安定点灯期間において異なるフィラメント電流を設定することができるので、予熱期間中のフィラメント電流の最適化による放電灯の始動性の向上と、安定点灯中のフィラメント電流の最適化による放電灯の点灯特性の向上とを効果的に実現することができる。
更に、DC/DCコンバータからフィラメント電流が出力された後であって第1の電源回路からランプ電圧が出力される前に、制御部がDC/DCコンバータにフィラメント電流を減少させるようにしてもよい。これによると、第2の電源回路によるフィラメント電流の増加と、第1の電源回路によるランプ始動時の出力電圧増加とが同じ期間に含まれないため、放電灯点灯装置全体としての出力電力が大幅に増大する期間が発生せず、放電灯点灯装置の信頼性管理の観点において好ましい。
また、DC/DCコンバータからフィラメント電流が出力された後であって第1の電源回路からランプ電圧が出力された後に、制御部がDC/DCコンバータにフィラメント電流を減少させるようにしてもよい。これにより、放電灯の始動直後において放電が不安定な期間においてもフィラメント電流の通電により電子放電物質の放出が継続されるので、放電灯の始動性が一層向上する。
また、放電灯の始動時を含む所定期間にわたって、制御部がDC/DCコンバータの出力動作を一時的に停止させるように構成してもよい。これにより、ランプ始動時においては第2の電源回路が非動作状態となるので、出力配線において発生し得るノイズが第2の電源回路の誤動作を誘発することが防止される。
また、DC/DCコンバータが、低圧放電灯の一方のフィラメントにフィラメント電流を供給する第1の出力回路、及び低圧放電灯の他方のフィラメントにフィラメント電流を供給する第2の出力回路を備え、第1の出力回路に電流検出回路が設けられ、第2の出力回路に該第2の出力回路の出力電圧を検出する電圧検知回路が設けられ、電圧検知回路によって検出される検出電圧が所定値を超えた場合に制御部がDC/DCコンバータの出力動作を停止させるように構成してもよい。これにより、フィラメント断線時、放電灯非接続時等にDC/DCコンバータの出力が過電圧状態となることが防止される。
また更に、上記第2の出力回路の出力経路において、電圧検知回路よりも熱陰極フィラメント側に、熱陰極フィラメントに直列接続される電流ヒューズが設けられるようにしてもよい。これにより、フィラメント短絡時等にDC/DCコンバータの出力が過電流状態となることが防止される。
また、DC/DCコンバータがフライバックコンバータからなることが好ましい。これにより、上述した有利な効果の各々が簡素な構成で実現される。
本発明の第1の実施形態による放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。 第1の実施形態を補足する図である。 第1の実施形態による放電灯点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の第2及び第3の実施形態による放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。 第2及び第3の実施形態を補足する図である。 第2及び第3の実施形態による放電灯点灯装置の代替の回路構成を示す図である。 第2の実施形態による放電灯点灯装置の動作を説明する図である。 第3の実施形態による放電灯点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の変形例による放電灯点灯装置の回路構成を部分的に示す図である。 本発明の変形例による放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態による放電灯点灯装置1(以下、「点灯装置1」という)の回路構成を示す。点灯装置1は、主電源回路2、フィラメント用電源回路3及び制御部4を備える。点灯装置1は、商用電源等の交流電源ACから給電され、出力配線W1、W2、W3及びW4介して低圧放電灯5(以下、「放電灯5」という)に電力を供給する。必要に応じて、イグナイタ6が、出力配線W3及びW4上において放電灯5側に接続される。具体的には、点灯装置1は、出力端子T1、T2、T3及びT4を有し、放電灯5(又は放電灯5及びイグナイタ6を含むユニット、以下同じ)は入力端子T5、T6、T7及びT8を有し、端子T1、T2、T3及びT4と端子T5、T6、T7及びT8の間に出力配線W1、W2、W3及びW4がそれぞれ接続される。
放電灯5は、一対の熱陰極フィラメント51及び52(以下、それぞれ「フィラメント51及び52」という)を有する。フィラメント51は端子T5及びT6に接続され、フィラメント52は端子T7及びT8に(イグナイタ6が接続される場合にはイグナイタ6を介して)接続される。フィラメント51及び52が加熱されることにより、放電に寄与する電子放電物質が放出される。
なお、本明細書における用語の定義は以下の通りである。放電灯5の両端間(すなわちフィラメント51−52間)に印加される電圧及び通電される電流をそれぞれ「ランプ電圧」及び「ランプ電流」といい、フィラメント51及び52の各々に流れる電流を「フィラメント電流」というものとする。また、放電灯5が絶縁破壊することにより放電を開始する動作を「ランプ始動」といい、ランプ始動前にフィラメント電流が通電される動作を「予熱」といい、ランプ始動後にランプ電流が通電される動作を「安定点灯」というものとする。また、フィラメント電流について、予熱期間中に流れるフィラメント電流を「予熱電流」ともいう。また、フィラメント電流の定電流制御とは、フィラメント電流の値をある目標値一致させる制御のことをいい、目標値が固定されているか変動しているかは、この用語の定義に影響しない。また、以降の説明において、各回路素子の各回路への区分けは説明の便宜上のものであり、本発明を拘束するものではない。
主電源回路2は、整流回路20、昇圧コンバータ22、降圧コンバータ24及びフルブリッジ回路25を備える。概略として、交流電源ACからの入力電圧が整流回路20によって整流され、整流回路20の整流出力が昇圧コンバータ22によって昇圧され、昇圧コンバータ22の昇圧出力が降圧コンバータ24によって降圧され、降圧コンバータ24からの降圧出力がフルブリッジ回路25によって交流変換される。フルブリッジ回路25によって交流変換された電力が出力配線W1及びW4を介して放電灯5の両端間に供給される。すなわち、主電源回路2は、昇圧コンバータ22、降圧コンバータ24及びフルブリッジ回路25によってDC/ACコンバータを構成し、後述するように放電灯5に低周波のランプ電圧又は電流を供給する。
整流回路20は、ダイオードブリッジ等の全波整流回路からなる。入力電源が交流電源ではなく、バッテリ等の直流電源である場合には整流回路20は不要である。なお、整流回路20の前段又は後段には、ノイズフィルタ、電流ヒューズ、バリスタ等の入力回路(不図示)が必要に応じて設けられる。
昇圧コンバータ22は、MOSFET等のスイッチング素子221、インダクタ222、ダイオード223、及び平滑コンデンサ224を含み、整流回路20の整流出力を昇圧して平滑化する。スイッチング素子221のオン時にインダクタ222→スイッチング素子221に電流が流れ、インダクタ222にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子221のオフ時に、インダクタ222に蓄えられているエネルギーにより、インダクタ222→ダイオード223→平滑コンデンサ224に電流が流れ、平滑コンデンサ224が充電される。スイッチング素子221は、昇圧コンバータ22の昇圧出力電圧が所定値となるように制御部4(制御回路40)によってPWM駆動される。なお、平滑コンデンサ224の低電位側電極と同電位のノードをグランドG1というものとする。
降圧コンバータ24は、MOSFET等のスイッチング素子241、インダクタ242、ダイオード243、及びコンデンサ244を含み、昇圧コンバータ22の昇圧出力から、制限された電流を生成する。スイッチング素子241のオン時にスイッチング素子241→インダクタ242→フルブリッジ回路25→放電灯5→フルブリッジ回路25→電流検出抵抗246に電流が流れ、インダクタ242にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子241のオフ時に、インダクタ242に蓄えられているエネルギーにより、インダクタ242→フルブリッジ回路25→放電灯5→フルブリッジ回路25→電流検出抵抗246→ダイオード243に電流が流れる。コンデンサ244は降圧コンバータ24の出力を平滑する。スイッチング素子241は、制御部4(制御回路40)によってPWM駆動され、そのオン幅(オンデューティ)は制御回路40において決定される。
また、降圧コンバータ24は、電圧検出回路245及び電流検出回路246を含む。電圧検出回路245は降圧コンバータ24の出力端に並列接続された抵抗分圧回路からなり、ノードAに示す分圧値(以下、「検出値A」という)は制御回路40に入力される。これにより、降圧コンバータ24の出力電圧が検出される。なお、ランプ電圧値は降圧コンバータ24の出力電圧値に実質的に等しい。電流検出回路246は低抵抗素子からなり、降圧コンバータ24の出力電流経路に挿入され、ノードBに示す電流検出回路246に発生する電圧値(以下、「検出値B」という)は制御回路40に入力される。これにより、降圧コンバータ24の出力電流が検出される。なお、ランプ電流値は降圧コンバータ24の出力電流値に実質的に等しい。
フルブリッジ回路25は、MOSFET等からなるスイッチング素子251、252、253及び254を含むフルブリッジを構成し、降圧コンバータ24の直流出力を交流変換する。スイッチング素子251及び252の接続点が端子T1を介して出力配線W1に接続され、スイッチング素子253及び254の接続点が端子T4を介して出力配線W4に接続される。これにより、フルブリッジ回路25からの交流出力が放電灯5に供給される。制御回路40に含まれるドライバによってスイッチング素子251及び254と、スイッチング素子252及び253とが、50Hz〜1kHz程度の周波数(以下、「低周波」という)で交互にオンオフされる。これにより、低周波矩形波の電圧又は電流が出力配線W1及びW4を介して放電灯5に印加又は通電される。
フィラメント用電源回路3は、DC/DCコンバータ30、電流検出回路31、電圧検出回路32及び保護回路33を備える。概略として、フィラメント用電源回路3は、昇圧コンバータ22の出力端から入力される直流電圧を二出力の直流電流に変換する。一方の出力が出力配線W3及びW4を介してフィラメント52に供給され、他方の出力が出力配線W1及びW2を介してフィラメント51に供給される。これにより、直流のフィラメント電流がフィラメント51及び52の各々に供給される。
DC/DCコンバータ30は、MOSFET等からなるスイッチング素子301、トランス302、出力回路30aのダイオード303及び出力コンデンサ304、並びに出力回路30bのダイオード305及び出力コンデンサ306を含み、絶縁型のフライバックコンバータ(降圧コンバータ)を構成する。DC/DCコンバータ30の1次側の基準電位はグランドG1であり、2次側の基準電位は出力コンデンサ304の低電位側電極と同電位のノード(以下、「グランドG2」という)となる。なお、図1においては、出力コンデンサ304及び306として電解コンデンサを図示しているが、スイッチング素子301のスイッチング動作による高周波リップルを除去できれば、出力コンデンサ304及び306はフィルムコンデンサ等であってもよい。
DC/DCコンバータ30において、スイッチング素子301のオン期間にトランス302の一次巻線によってエネルギーが蓄積され、スイッチング素子301のオフ期間にそのエネルギーがトランス302の2次巻線側に出力される。スイッチング素子301は、制御回路40によって数10kHz〜100kHz程度の高周波でPWM駆動される。出力回路30aにおいて一方の2次巻線の出力がダイオード303を介してコンデンサ304に充電され、出力回路30bにおいて他方の2次巻線の出力がダイオード305を介してコンデンサ306に充電される。DC/DCコンバータ30の出力は、スイッチング素子301のPWM駆動におけるオンデューティ(オン幅)、トランス302の1次巻線に対する2次巻線の巻数比等によって決まる。出力回路30aからの出力電流は、端子T4→出力配線W4→端子T8→イグナイタ6→フィラメント52→イグナイタ6→端子T7→出力配線W3→端子T3に流れ、フィラメント52のフィラメント電流となる。一方、出力回路30bからの出力電流は、端子T1→出力配線W1→端子T5→フィラメント51→端子T6→出力配線W2→端子T2に流れ、フィラメント51のフィラメント電流となる。
電流検出回路(電圧検出抵抗)31は、グランドG2と端子T3(出力配線W3)の間に挿入された低抵抗素子からなる。フィラメント52に流れるフィラメント電流に比例した電圧が電流検出抵抗31に発生する。以降において、電流検出抵抗31によって検出されるフィラメント52のフィラメント電流の値を検出電流値というものとする。
電圧検出回路(電圧検出抵抗)32は出力コンデンサ304に並列接続された分圧抵抗回路からなる。以降において、電圧検出抵抗32によって検出される出力回路30aの出力電圧値を電圧検出値というものとする。
保護回路33は出力回路30bに接続され、抵抗331、ツェナーダイオード332及びフォトカプラ333を含む電圧検知回路330並びに電流ヒューズ335を備える。電圧検知回路330において、抵抗331、ツェナーダイオード332及びフォトカプラ333のフォトダイオードの直列回路が出力コンデンサ306に並列接続され、フォトカプラ333のフォトトランジスタは基準電位をグランドG1として制御回路40に接続される。電流ヒューズ335は電圧検知回路330よりもフィラメント51側において、フィラメント51及び出力配線W2に対して直列となるように接続される。
電圧検知回路330は、出力開放検出時の保護機能を実現する。例えば、フィラメント51が開放した場合、あるいは放電灯5が点灯装置1に接続されていない場合等に、出力回路30bの出力電圧が過大となると、フォトカプラ333のフォトダイオードに流れる電流が増大し、フォトカプラ333のフォトトランジスタの出力値(以下、「検出値D」という)が減少する。この検出値Dの減少に応じて制御回路40が出力開放状態を特定し、DC/DCコンバータ30の出力動作、すなわちスイッチング素子301の駆動を停止する。
電流ヒューズ335は、出力短絡検出時の保護機能を実現する。例えば、フィラメント51が短絡した場合、あるいは出力配線W1−W2間で短絡故障が発生した場合等に、出力回路30bの出力電流が過大となると、電流ヒューズ335が溶断して出力回路30bの出力が開放される。この開放状態によって、上述したように、電圧検知回路330による出力開放検出時の保護機能により、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を停止させる。
制御部4は、制御回路40及びフィードバック回路41を備える。概略として、制御部4は、電流検出回路31によって検出された電流検出値が目標値に一致するようにDC/DCコンバータ30を制御し、電圧検出回路32によって検出された電圧検出値が目標値(上限値)以下となるようにDC/DCコンバータ30を制御する。すなわち、制御部4において、出力回路30aの出力電圧が上限値以下に維持されつつ、出力電流であるフィラメント52のフィラメント電流が定電流制御される。
制御回路40は、グランドG1を基準電位として、スイッチング素子221、スイッチング素子241、スイッチング素子251〜254、及びスイッチング素子301の駆動を制御する。具体的には、制御回路40は、昇圧コンバータ22の出力電圧が所定値となるようにスイッチング素子221をPWM駆動する。制御回路40はまた、検出値Aが電圧目標値(上限値)以下となり、検出値Bが電流目標値に一致するように降圧コンバータ24のスイッチング素子241をPWM駆動する。すなわち、降圧コンバータ24及び制御回路40によって、出力電圧が上限値以下に維持されつつ、ランプ電流がフィードバック制御される。あるいは、制御回路40が、検出値Aと検出値Bの乗算値が電力目標値に一致するように降圧コンバータ24のスイッチング素子241をPWM駆動するようにしてもよい。この場合、降圧コンバータ24及び制御回路40によって、出力電圧が上限値以下に維持されつつ、ランプ電力がフィードバック制御される。また、制御回路40は、上述したようにフルブリッジ回路25のスイッチング素子251〜254を低周波駆動する。
また、DC/DCコンバータ30について、制御回路40は、後述する検出値Cに基づいて決定されたオン幅によってスイッチング素子301をPWM駆動する。検出値Cは、後述するようにフィードバック回路41によって決定される。更に、制御回路40は、上記の検出値Dに基づいてスイッチング素子301を停止させることができる。
なお、制御回路40の制御電圧は、インダクタ222、インダクタ242若しくはトランス302の補助巻線(不図示)に発生する電圧又は平滑コンデンサ224の電圧から得られる電力をもとに適宜供給されるものとする。
予熱期間中においては、制御回路40は、スイッチング素子221及び301を駆動し、スイッチング素子241を実質的に停止させるとともに、スイッチング素子251〜254を停止させる。また、ランプ始動時及び安定点灯中においては、制御回路40は、スイッチング素子221、241、251〜254及び301を駆動する。
フィードバック回路41は、オペアンプ411及び412、電圧源413及び414、ダイオード415及び416、電圧源417、抵抗418並びにフォトカプラ419を含み、グランドG2を基準電位とする。概略として、オペアンプ411は出力回路30aの出力電流(すなわち、フィラメント電流)を一定化させる機能を担う定電流制御用のオペアンプであり、オペアンプ412は出力回路30aの出力電圧を一定化させる機能を担う定電圧制御用のオペアンプである。そして、出力回路30aの出力状態に応じて、定電流制御及び定電圧制御の一方がダイオード415及び416からなるダイオードOR回路によって選択され、フォトカプラ419のフォトダイオードにおける入力状態が決定される。これに応じて、フォトカプラ419のフォトトランジスタにおける出力が検出値Cとして制御回路40に入力される。すなわち、スイッチング素子301は、制御回路40及びフィードバック回路41によって定電流制御又は定電圧制御のいずれか一方を行うようにPWM制御される。実質的には、出力回路30aの出力電圧が上限値以下に維持されつつ、出力電流(すなわち、フィラメント電流)が定電流制御される。
定電流制御用のオペアンプ411の負入力端子(−)には電流検出回路31によって検出された電流検出値が入力され、正入力端子(+)にはフィラメント電流の目標値に対応する電圧値が電圧源413から入力される。なお、オペアンプ411の負入力端子と出力端子間には不図示の帰還素子(抵抗、コンデンサ、又はこれらの直列回路若しくは並列回路)が接続されるものとする。オペアンプ411は、負入力端子に入力される電流検出値と、正入力端子に入力される電圧値との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード415がオンされて定電流制御が選択されている場合には、オペアンプ411は電流検出値が電圧源413の電圧値に一致するようにスイッチング素子301のPWM制御におけるオン幅を決定することになる。
定電圧制御用のオペアンプ412の負入力端子(−)には電圧検出回路32によって検出された電圧検出値が入力され、正入力端子(+)には出力電圧の目標値(上限値)に対応する電圧値が電圧源414から入力される。なお、オペアンプ412の負入力端子と出力端子間にも不図示の帰還素子が接続されるものとする。オペアンプ412は、負入力端子に入力される電圧検出値と、正入力端子に入力される電圧値との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード416がオンされて定電圧制御が選択されている場合には、オペアンプ412は電圧検出値が電圧源414の電圧値に一致するようにスイッチング素子301のPWM制御におけるオン幅を決定することになる。
ダイオード415及び416からなるダイオードOR回路は、オペアンプ411の出力端子電圧又はオペアンプ412の出力端子電圧のいずれか低い方に対してオンする。ダイオードOR回路の共通アノードはフォトカプラ419のフォトダイオードのカソード側に接続される。フォトカプラ419のフォトダイオードのアノードは電圧源417の出力に抵抗418を介して接続される。フォトカプラ419のフォトトランジスタはグランドG1を基準電位とし、フォトダイオードに流れる電流(発光)に応じた検出値Cを出力する。制御回路40は検出値Cに応じたパルス幅のPWM駆動信号を生成し、それをスイッチング素子301のゲート電圧として出力する。
フィードバック回路41の制御電圧は、トランス302の補助巻線から得られるものであればよい。図2に、フィードバック回路41の制御電圧及び各電圧源の電圧を生成するための補助電源回路42の一例を示す。補助電源回路42は、トランス302の補助巻線S3、ダイオード421、コンデンサ422、トランジスタ423、抵抗424、ツェナーダイオード425、ダイオード426及びコンデンサ427を備える。補助巻線S3に発生する電圧がダイオード421及びコンデンサ422によって整流及び平滑され、この平滑された電圧が、トランジスタ423、抵抗424及びツェナーダイオード425によって構成されたシリーズレギュレータで降圧される。この降圧された電圧がダイオード426を介してコンデンサ427によって平滑され、フィードバック回路41の制御電圧Vccが生成される。電圧源417は制御電圧Vccであり、電圧源413及び414はそれぞれ制御電圧Vccを分圧する抵抗分圧回路であればよい。なお、補助電源回路42は、三端子レギュレータ、シャントレギュレータ等を用いて構成されていてもよい。
イグナイタ6は、抵抗601、コンデンサ602、放電ギャップ603、トランス604及びコンデンサ605を備える。イグナイタ6は、ランプ始動時に、出力配線W1−W4間のランプ電圧(フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧)にパルス電圧を重畳し、ランプ始動を促進する。ただし、フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧だけでランプ始動が可能な場合には、イグナイタ6は動作しないか、あるいは不要である。ランプ始動時において、フルブリッジ回路25の無負荷二次電圧が抵抗601を介してコンデンサ602に充電され、コンデンサ602の電圧が放電ギャップ603のブレークダウン電圧を超えると、放電ギャップ603が導通する。これにより、トランス604の1次巻線にパルス電圧が発生し、このパルス電圧がトランス604の巻数比に応じて昇圧され、高圧パルス電圧となって無負荷二次電圧に重畳される。ランプ始動後は、フルブリッジ回路25の出力電圧が無負荷二次電圧よりも低くなり、コンデンサ602に充電される電圧が放電ギャップ603のブレークダウン電圧を超えることはない。すなわち、ランプ始動後は、イグナイタ6は動作しない。
図3を参照して、点灯装置1の動作を説明する。図3において、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(すなわち、フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(すなわち、ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。時刻t0以降において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流が電流値I1となるように定電流制御が行われる。なお、電流値I1は、ランプ始動後も放電灯5が安定して点灯を続けるために必要な電流値であるものとする。
時刻t1において、制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。その後、ランプ始動後に、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後は、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。なお、時刻t0−t1間の時間は、放電灯の種類にもよるが1〜3秒程度であればよい。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、主電源回路2の一部から入力される直流電圧がフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30によって直流のフィラメント電流に変換され、このフィラメント電流が制御部4によって定電流制御される。このような構成により、以下の効果が得られる。
(1)予熱電流適正化による放電灯5の始動性向上
上述したように、点灯装置1から放電灯5には、定電流制御された直流のフィラメント電流が供給される。したがって、出力配線W1〜W4の長さ、すなわち抵抗成分に起因する電圧降下にかかわらず所望値の電流をフィラメントに通電することが可能となる。これにより、出力配線W1〜W4の長さにかかわらず、ランプ始動に際してフィラメント51及び52が充分加熱され、フィラメント51及び52からの電子放射物質の放出が促進され、放電灯5の始動性の向上が可能となる。また、安定点灯においても所定のフィラメント電流が通電されるので適正な点灯特性が確保される。
(2)点灯装置1の小型化
フィラメント用電源回路3がDC/DCコンバータ30によって構成され、そのトランス302は高周波スイッチング用トランスである。したがって、従来のようなフィラメント用電源回路に商用電源トランスが用いられる構成に比べてフィラメント用電源3は大幅に小型化される。これにより小型の点灯装置1が実現される。
(3)点灯装置1の標準化
フィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30は、その性質上、異なる入力電圧に対してもそのスイッチング動作(オン幅等)を制御することによって、所望値のフィラメント電流を出力することができる。また、フィラメント用電源回路3の出力側において、異なる種類の放電灯5(すなわち、必要なフィラメント電流が異なる放電灯5)に対してもフィラメント電流の目標値を調整することによって、所望値のフィラメント電流を出力することができる。すなわち、交流電源ACの仕様にかかわらず、又は放電灯5の種類にかかわらず、実質的に同じ回路構成のフィラメント用電源回路3を採用することができるため、点灯装置1の標準化が可能となる。特に、DC/DCコンバータ30の入力となる昇圧コンバータ22の出力電圧が交流電源ACの電圧にかかわらず一定となるように構成されている場合、フィラメント用電源回路3を、全ての交流電源仕様に対するラインナップにおいて実質的に同じ構成とすることができ、点灯装置1の標準化が一層促進される。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態ではフィラメント電流を固定値としたが、本実施形態ではフィラメント電流が切替え可能な構成を示す。図4に、本実施形態による点灯装置1の回路構成を示す。本実施形態の点灯装置1と第1の実施形態の点灯装置1との相違は制御回路4の構成及び動作にあり、他の構成は双方の実施形態において共通する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、概略として、フィラメント電流の通電開始から所定時間経過後に、制御部4がDC/DCコンバータ30にフィラメント電流を減少させる。言い換えると、本実施形態は、予熱期間においてはフィラメント電流を第1の実施形態におけるフィラメント電流よりも増加させる。なお、一般に、フィラメントの抵抗値は温度に大きく依存し、ランプ始動前の低温時においてはフィラメントの抵抗値は低い。したがって、予熱期間においてフィラメント電流を増大させることによって、DC/DCコンバータ30の出力電力が安定点灯時に比べて大きく増加することはない。
本実施形態の制御部4は、制御回路40及びフィードバック回路41を有し、フィードバック回路41のオペアンプ411に接続された電圧源413の電圧が制御回路40から切り替えられるように構成される。具体的には、制御回路40の出力部からの切替信号S0がフォトカプラ401を介して切替信号S1としてフィードバック回路41に出力され、切替信号S1によって電圧源413の電圧値が切り替えられる。なお、フォトカプラ401の入力側(フォトダイオード)の基準電位はグランドG1であり、フォトカプラ401の出力側(フォトトランジスタ)の基準電位はグランドG2である。
例えば、図5に一例を示すように、電圧源413が、制御電圧Vccを分圧する抵抗413a及び413bに加えて、抵抗413bに並列接続された抵抗413c及びトランジスタ413dの直列回路を備えるようにすればよい。そして、フォトカプラ401のフォトトランジスタが抵抗413eを介して制御電圧Vccに接続され、フォトトランジスタのコレクタ端子がトランジスタ413dのベース端子に接続されるようにすればよい。そして、切替信号S0がローレベルで切替信号S1がハイレベルの場合にはトランジスタ413dがオンされて電圧源413の電圧値(オペアンプ411の正入力端子の電圧)が減少するように構成される。図5に示す例では、切替信号S0がハイレベルからローレベルに切り替えられると、切替信号S1がローレベルからハイレベルに切り替えられ、電圧源413の電圧値(目標値)が低下し、オペアンプ411による定電流制御の結果としてフィラメント電流が減少する。
制御回路40において、切替信号S0が出力される切替タイミングは、内部タイマによって決定されるようにしてもよいし、検出値A又はBに基づいて決定されるようにしてもよい。いずれの場合であっても、切替タイミングは、概ねランプ始動のタイミング付近であればよい(ランプ始動前であってもランプ始動後であってもよい)。なお、検出値Aによってランプ始動に伴うランプ電圧の急激な低下が検出され、検出値Bによってランプ始動に伴うランプ電流の発生が検出される。したがって、切替タイミングが検出値A又はBに基づいて決定される場合には、切替タイミングはランプ始動後となる。
ランプ始動前に切替信号S0及びS1が出力されてフィラメント電流が低減される場合、フィラメント用電源回路3によるフィラメント電流の増加と、主電源回路2によるランプ始動時の出力電圧増加とが同じ期間に含まれない。したがって、点灯装置1全体としての出力電力が大幅に増大する期間が発生せず、点灯装置1の信頼性管理の観点において好ましい。一方、ランプ始動後に切替信号S0及びS1が出力されてフィラメント電流が低減される場合、ランプ始動直後において放電が不安定な期間(あるとすれば)においてもフィラメント電流の通電により電子放電物質の放出が継続されるので、ランプ始動性が一層向上する。
また、代替例として、図6に示すように、フィードバック回路41が、グランドG2を基準電位とするタイマ回路431及び切替回路432を備える構成としてもよい。この構成においては、DC/DCコンバータ30が起動してフィードバック回路41に制御電圧Vccが供給されると、タイマ回路431が起動する。そして、タイマ回路431が所定期間の経過を計時すると、切替回路432が切替信号S1を出力する。タイマ回路431は、例えば、抵抗とコンデンサが直列接続されたRC積分回路等であればよい。
図7を参照して、本実施形態の点灯装置1の動作を説明する。図7において、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(すなわち、フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(すなわち、ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。時刻t0以降において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流が電流値I2に一致するように定電流制御が行われる。なお、電流値I2は、第1の実施形態における電流値I1よりも大きいものとする。
時刻t2において、制御部4において、切替信号S1が出力されて定電流制御の目標値(すなわち、電圧源413の電圧値)が低減され、フィラメント電流が電流値I2から電流値I1に減少する。
時刻t3において、制御回路40がフルブリッジ回路25の出力動作を開始させ、これにより、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。ランプ始動後、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しい電圧値VLに低下する。すなわち、ランプ始動後は、ランプ電圧(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給されるとともに、直流フィラメント電流(I1)がフィラメント用電源回路3からフィラメント51及び52の各々に供給される。なお、上述したように、切替えタイミング(t2)は時刻t3以降に発生するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、第1の実施形態に関して説明した有利な効果(1)〜(3)に加えて、以下の有利な効果が得られる。
(4)予熱期間の短縮と省電力の両立
本実施形態では、フィラメント電流の通電開始から所定時間経過後にフィラメント電流が低減される。これにより、予熱期間におけるフィラメント電流を相対的に増加させることができるので、フィラメント51及び52の加熱を加速して予熱期間を短縮することができる。そして、安定点灯中におけるフィラメント電流を予熱期間におけるフィラメント電流よりも減少させることができるので、安定点灯期間においては必要以上の電流がフィラメント51及び52に通電されるのを防止して省電力化を図ることが可能となる。
(5)各期間に対する最適フィラメント電流の設定
また、本実施形態では、予熱期間と安定点灯期間において異なるフィラメント電流を設定することができる。予熱期間中のフィラメント電流(電流値I2)の最適化は放電灯5の始動性向上に寄与し、安定点灯期間中のフィラメント電流(電流値I1)の最適化は放電灯5の放電安定性、寿命等の点灯特性向上に寄与する。したがって、電流値I1及びI2を最適化することにより、点灯装置1に接続される放電灯5の始動性の向上及び点灯特性の向上を効果的に実現できる。
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態ではランプ始動前後にわたってフィラメント用電源回路3がフィラメント電流の供給を継続する構成を示したが、本実施形態ではランプ始動期間中においてはフィラメント用電源回路3の出力動作が停止される構成を示す。本実施形態による点灯装置1の回路構成は、図4乃至図6に示す第2の実施形態のものと同様であり、本実施形態の点灯装置1と第2の実施形態の点灯装置1との相違は制御部4の動作にある。
本実施形態では、概略として、ランプ始動時を含む所定期間にわたって、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作(すなわち、スイッチング素子301の駆動)を一時的に停止させる。これにより、ランプ始動期間に発生し得るノイズがDC/DCコンバータ30の動作に影響することが防止される。
図8を参照して、本実施形態の点灯装置1の動作を説明する。図8において、縦軸上段にフィラメント用電源回路3のDC/DCコンバータ30の出力電流(すなわち、フィラメント電流)を示し、縦軸下段に主電源回路2のフルブリッジ回路25の出力電圧(すなわち、ランプ電圧)を示し、横軸に時間を示す。
時刻t0において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を開始させる。なお、時刻t0の時点で昇圧コンバータ22は動作を開始しているものとする。時刻t0において、DC/DCコンバータ30及び制御部4によって、フィラメント電流が電流値I2となるように定電流制御が行われる。なお、電流値I1及びI2の設定は、第2の実施形態と同様である。
時刻t4において、制御部4において、切替信号S1が出力されて電圧源413の電圧値(すなわち、定電流制御の目標値)が低減され、フィラメント電流が電流値I2から電流値I1に減少する。
時刻t5において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の動作を停止させる。すなわち、DC/DCコンバータ30のスイッチング素子301はオフ状態となる。
時刻t6において、主電源回路2のフルブリッジ回路25が出力動作を開始し、ランプ始動が完了するまで一時的に無負荷電圧Voが出力される。その後、時刻t7においてランプ始動が完了すると、フルブリッジ回路25の出力電圧は、安定点灯中のランプ電圧に略等しいランプ電圧VLとなる。すなわち、ランプ始動後は、電圧値(VL)に対応する低周波ランプ電流が主電源回路2から放電灯5に供給される。
時刻t8において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を再開させ、これにより、フィラメント電流の電流値I1での定電流制御が再開される。なお、フィラメント電流の電流値I2から電流値I1への切替え(t4)は、時刻t5以降に発生するようにしてもよい。この切替えが時刻t5−t8の間に発生する場合には、フィラメント電流の降下自体は図8に表れないことになる。また、時刻t8において、制御回路40がDC/DCコンバータ30の出力動作を再開させるタイミングは、検出値A若しくはB又はその両方に基づいて決定されることが好ましい。前述したように。検出値Aによってランプ始動に伴うランプ電圧の急激な低下が検出され、検出値Bによってランプ始動に伴うランプ電流の発生が検出されるので、制御回路40はランプ始動の完了を検出することができる。
なお、本実施形態を第2の実施形態の拡張として構成したが、第1の実施形態の拡張として構成してもよい。すなわち、DC/DCコンバータ30の停止期間(t5〜t8)を除いてフィラメント電流が電流値I1に固定される構成としてもよい。
以上のように、本実施形態の点灯装置1によると、第1の実施形態に関して説明した有利な効果(1)〜(3)並びに第2の実施形態に関して説明した有利な効果(4)及び(5)に加えて、以下の有利な効果が得られる。
(6)フィラメント用電源回路3へのノイズの影響低減
本実施形態によると、ランプ始動期間に、DC/DCコンバータ30の出力動作が停止される。ここで、フィラメント用電源回路3が接続される出力配線W1及びW4(並びに実質的に出力配線W2及びW3)には、ランプ電圧及びランプ電流が印加及び通電される。そして、ランプ始動時には、ランプ電圧及びランプ電流が短時間に大きく変動するために出力配線W1〜W4にノイズが発生する可能性がある。しかし、本実施形態によれば、ランプ始動時においてはフィラメント用電源回路3が非動作状態となるので、出力配線W1〜W4において発生し得るノイズがフィラメント用電源回路3の誤動作を誘発することが防止される。
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
(1)主電源回路2に関する変形
上記各実施形態では、交流点灯用の放電灯5が低周波点灯される構成を示したが、直流点灯用の放電灯が直流点灯される構成にも本発明は適用可能である。この場合、主電源回路2は直流電圧及び直流電流を出力するDC/DCコンバータからなる。
(2)フィラメント用電源回路3に関する変形
上記各実施形態においては、DC/DCコンバータ30の入力電圧が、昇圧コンバータ22の出力部から供給される構成を示したが、DC/DCコンバータ30の入力電圧は他の箇所から入力されるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、DC/DCコンバータ30の入力電圧が、昇圧コンバータ22の入力部(すなわち、整流回路20の出力部)から供給されるようにしてもよい。この場合、入力コンデンサ201には、点灯装置1の力率を低下させないために比較的容量の小さいコンデンサを用いることが望ましい。したがって、DC/DCコンバータ30への入力電圧は非平滑の脈流電圧となる。出力コンデンサ304及び306については、交流電源ACの電源周波数に起因するリップルがフィラメント電流に表れるのを防止したい場合には比較的容量の大きいコンデンサを用いることが好ましい。
また、第1の実施形態において上述した有利な効果「(2)点灯装置1の小型化」及び「(3)点灯装置1の標準化」は、DC/DCコンバータ30が簡素な構成のフライバックコンバータであることによって一層担保されるものであるが、本発明は、他の形態の絶縁型DC/DCコンバータによっても実現可能である。例えば、DC/DCコンバータは、フォワードコンバータ、プッシュプルコンバータ等であってもよい。
(3)制御部4(切替信号S1)に関する変形
上記第2及び第3の実施形態においては、制御部4において2値信号の切替信号S1が生成されてフィラメント電流が2段階に切り替えられる構成を示したが、制御部4において多値信号の切替信号S1が生成されてフィラメント電流が多段階に切り替えられる構成としてもよい。また、制御部4においてリニアに可変の切替信号S1が生成されてフィラメント電流がなだらかに切り替えられる構成としてもよい。
(4)予熱構成に関する変形
上記各実施形態においては、フィラメント51及び52の双方に予熱電流を通電することを前提としたが、一方のフィラメントのみの予熱によって放電灯5の始動性及び点灯特性が確保される場合(特に、直流点灯用の放電灯の場合等)には、フィラメント用電源回路3が一方のフィラメントのみに接続される構成としてもよい。この場合、例えば図10に示すように、フィラメント用電源回路3は、一方の出力回路30aのみを有するDC/DCコンバータ30、電流検出回路31及び電圧検出回路32を備える。そして、出力配線W3及びW4に接続されるフィラメント52に流れるフィラメント電流が制御部4によって定電流制御される。他方のフィラメント51は開放又は短絡され、実質的に通電されない。これにより、出力配線W2が不要となり、点灯装置1及び放電灯5の設置容易性が高まる。
(5)安定点灯中の動作に関する変形
上記各実施形態においては、ランプ始動後の安定点灯時において、各フィラメントにフィラメント電流が通電される構成を示したが、放電灯5が安定点灯中のフィラメント電流を必要としないような放電灯である場合には、制御部4(制御回路40)がフィラメント用電源回路3(DC/DCコンバータ30)の動作を停止させるようにしてもよい。これにより、安定点灯中の消費電力が減少し、より高効率な点灯装置1が実現される。
1 放電灯点灯装置
2 主電源回路(第1の電源回路)
3 フィラメント用電源回路(第2の電源回路)
4 制御部
5 低圧放電灯
30 DC/DCコンバータ
31 電流検出回路
32 電圧検出回路
33 保護回路
51、52 熱陰極フィラメント
330 電圧検知回路
335 電流ヒューズ

Claims (8)

  1. 熱陰極フィラメントを有する低圧放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、
    前記低圧放電灯に低周波又は直流のランプ電圧又は電流を供給する第1の電源回路と、
    前記第1の電源回路の一部から入力される直流電圧を直流のフィラメント電流に変換して該フィラメント電流を前記熱陰極フィラメントに供給する絶縁型のDC/DCコンバータ及び前記フィラメント電流の電流値を検出する電流検出回路を有する第2の電源回路と、
    前記電流検出回路によって検出された電流検出値が目標値に一致するように前記DC/DCコンバータを制御する制御部と
    を備えた放電灯点灯装置。
  2. 請求項1に記載の放電灯点灯装置において、前記DC/DCコンバータから前記フィラメント電流が出力されてから所定時間経過後に、前記制御部が前記DC/DCコンバータにフィラメント電流を減少させるように構成された放電灯点灯装置。
  3. 請求項2に記載の放電灯点灯装置において、前記DC/DCコンバータから前記フィラメント電流が出力された後であって前記第1の電源回路から前記ランプ電圧が出力される前に、前記制御部が前記DC/DCコンバータに前記フィラメント電流を減少させるように構成された放電灯点灯装置。
  4. 請求項2に記載の放電灯点灯装置において、前記DC/DCコンバータから前記フィラメント電流が出力された後であって前記第1の電源回路から前記ランプ電圧が出力された後に、前記制御部が前記DC/DCコンバータに前記フィラメント電流を減少させるように構成された放電灯点灯装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、前記放電灯の始動時を含む所定期間にわたって、前記制御部が前記DC/DCコンバータの出力動作を一時的に停止させるように構成された放電灯点灯装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、
    前記DC/DCコンバータが、前記低圧放電灯の一方のフィラメントにフィラメント電流を供給する第1の出力回路、及び前記低圧放電灯の他方のフィラメントにフィラメント電流を供給する第2の出力回路を備え、
    前記第1の出力回路に、前記電流検出回路が設けられ、
    前記第2の出力回路に、該第2の出力回路の出力電圧を検出する電圧検知回路が設けられ、
    前記制御部が、前記電圧検知回路によって検出される検出電圧が所定値を超えた場合に前記DC/DCコンバータの出力動作を停止させるように構成された放電灯点灯装置。
  7. 請求項6に記載の放電灯点灯装置において、前記第2の出力回路の出力経路において、前記電圧検知回路よりも前記熱陰極フィラメント側に、前記熱陰極フィラメントに直列接続される電流ヒューズが設けられた、放電灯点灯装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、前記DC/DCコンバータがフライバックコンバータからなる、放電灯点灯装置。

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