JP6416038B2 - 半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置 - Google Patents

半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、主としてアルミニウム合金などの軽金属やその他の金属を半凝固状態にして成形する半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置に関する。
従来から、アルミニウム合金等を成形する技術の1つとして、金型に溶融金属を加圧注入し、所定形状の製品を得る鋳造方法のダイカスト法が用いられてきた。溶湯を用いた場合、金型の寿命が短い、引け巣等が発生し製品の品質が十分でないなどの問題がある。
そこで近年は、このダイカスト法において、金型に注入する金属材料として、溶融金属の代わりに、固相成分と液相成分とを共存させた半溶融状態にある金属(半凝固金属又は半溶融金属)を用いて高圧鋳造する方法が使用されてきている。
この方法は、一般的なダイキャスト法と区別され、レオキャスティング法やチクソキャスティング法と呼ばれている。
レオキャスティング法は、凝固途中の金属を電磁的、機械的、あるいは超音波等の手段で強制撹拌することによって、細かい球状晶を液相内に均一に分散させた固液混合の半凝固金属を得て、この半凝固金属をダイカストマシンの鋳型内に圧入し、製品を鋳造成形するものである。
チクソキャスティング法は、溶湯を冷却中に強制撹拌して得られる半凝固金属を得た後、それを一旦急速に冷却して完全凝固させた棒状の鋳塊(ビレット)を成形しておき、製品製造時において、このビレットから必要量を切出した後、半溶融状態(半凝固状態)まで再加熱し、レオキャスティング法と同様にダイカストマシン等により製品を製造する方法である。
いずれの方法も、一長一短があるが、いずれも半凝固金属(以下半溶融金属も含めて表示する)を鋳型内で加圧成形するという点で共通している。
ところで、これらの方法で金属材料を金型内に圧入するには、半凝固金属を鋳込スリーブにセットしてプランジャー等の加圧手段によって鋳型内に押出す(射出する)ことが必要であるが、半凝固金属をスリーブに挿入した段階で、金属はスリーブに接触して熱を奪われるので凝固層が発生しやすい。そのため、凝固層が製品に含有するのを防ぐ工夫が必要となる。
また、半凝固金属の充填中にはスリーブ等にはプランジャーとスリーブ終端との挟まったビスケットと称する加圧部分と金型へのランナー(湯道)等がダイカストと同様必要であり、また、流入速度を制限する(流入速度を遅くしたい)ことから断面積の大きなランナーが必要である。これらの部分は製品とは成らない部分で無駄が多く、歩留りが低く、製造コスト上昇の一因になっている。
また、半凝固金属はスリーブや金型との摩擦が溶湯よりも大きいため、プランジャーの押圧力を溶湯よりも大きくする必要があり、溶湯に比べてプランジャーの押圧力を大きな設備が必要となり設備費が高くなる等の問題もあり製造コスト上昇の一因となっている。
このような状況に鑑み、成形用の金型の中に、直接、半凝固金属(又は半溶融金属)を挿入して成形する方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、保持容器にて保持された半凝固金属下型の凹部内に反転して載置し、上金型を下降させ静かに圧縮変形させて基本形状を整え、次いで、最終形状の製品に成形する技術が開示されている。
また、特許文献2には、半溶融金属(半凝固金属)をプレスの金型(下型)のキャビティ内に投入し、上金型を下降させて、キャビティ内の金属の温度が凝固終了温度に達する温度まで圧力を加え続けて一次成形し、その後、第2の加圧手段によってキャビティの形状を変化させて製品を二次成形する方法が開示されている。
また、特許文献3には、金型内に半溶融金属又は半凝固金属を投入し、金型に第1の加圧(一次型締め)を行い、その後第2の加圧(最終製品とする二次型締め)を行う成形方法が開示されている。
また、特許文献4には半凝固金属の投入位置修正を可能とするために半凝固金属を適当な固相率として液相成分を減少させ液相成分のタレ落ちや半凝固金属の崩れを防ぐ方法が開示され、これにより良好な製品が得られるとしている。
これら4つの方法は、金型のキャビティ内に半溶融金属(半凝固金属)を投入し、その後加圧成形を行う点では同様の技術である。
特開2003−136223公報 特開2007−118030号公報 特開2011−67838号公報 特開2014−18823号公報
上述したような、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4による成形方法を用いれば、半溶融金属又は半凝固金属を用いて、引け巣がない高品質な製品を低コストで製造することができると考えられる。
しかし、上記特許文献1〜4に記載の成形方法では、成形速度が低速であるため、微細な模様を持った製品の成形では転写性が悪くなり、良品を得ることが難しく、また、薄肉部のある製品では変形量が大きく、薄肉部では表面積が大きくなるため、素材の冷却も進みやすく、ワレ等の成形欠陥が生じやすいといった実情がある。
このため、上記特許文献1〜4の成形方法では、表面に微細な模様を持つ製品や、薄肉部のある製品の成形には適さないといった実情がある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、表面に(微細な)模様付けがなされる部位と薄肉部の少なくとも一方を持つ製品を成形する方法として、半凝固金属を素材として用いて少ない成形工程にて生産性高く成形できると共に、鍛造成形や板金成形より低い荷重で成形でき、かつ、製品強度、伸び等もそれらの成形方法と同等の製品(成形品)を得ることができる半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形方法は、
金属材料の溶湯から製造された半凝固金属材料であって、固相率が40%以上である半凝固金属材料を、プレス成形品の形状に対応した凹部を有する下型の凹部の上に搬入する半凝固金属材料搬入ステップと、
搬入された半凝固金属材料を、1m/sec以上の下降速度で下降するスライドに取り付けられた上型をスライドの下死点に到達させて成形するプレス成形第1ステップと、
スライドを下死点位置で所定時間位置保持して半凝固金属材料を冷却すると共に、
この位置保持している状態において、半凝固金属材料の冷却による体積の収縮に合わせて、上型或いは下型の少なくとも一方をスライドに対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与するプレス成形第2ステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形方法において、前記上型或いは下型の少なくとも一方は、油圧クッションを介して、スライドに対してスライド移動方向に相対移動可能に取り付けられることを特徴とすることができる。
本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形方法において、スライドの下降速度が、7m/sec以上であることを特徴とすることができる。
本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形方法において、半凝固金属材料のプレス成形方法により成形されたプレス成形品は、表面に模様付けがなされる部位と薄肉部の少なくとも一方を有することを特徴とすることができる。
また、本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形方法において、前記薄肉部は、成形の際に、スライドの移動方向と平行な方向に延びる壁であることを特徴とすることができる。
本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形装置は、
金属材料の溶湯から製造された半凝固金属材料であって、固相率が40%以上である半凝固金属材料を、プレス成形製品の形状に対応した凹部を有する下型の凹部の上に搬入し、
該搬入された半凝固金属材料を、1m/sec以上の下降速度で下降するスライドに取り付けられた上型をスライドの下死点に到達させて成形する一方、
スライドを下死点位置で所定時間位置保持して半凝固金属材料を冷却すると共に、この位置保持している状態において、半凝固金属材料の冷却による体積の収縮に合わせて、上型或いは下型の少なくとも一方をスライドに対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与する
ことを特徴とする。
本発明に係る半凝固金属材料のプレス成形装置において、前記上型或いは下型の少なくとも一方は、油圧クッションを介して、スライドに対してスライド移動方向に相対移動可能に取り付けられていることを特徴とすることができる。
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、表面に(微細な)模様付けがなされる部位と薄肉部の少なくとも一方を持つ製品を成形する方法として、半凝固金属を素材として用いて少ない成形工程にて生産性高く成形できると共に、鍛造成形や板金成形より低い荷重で成形でき、かつ、製品強度、伸び等もそれらの成形方法と同等の製品を得ることができる半凝固金属材料のプレス成形方法およびプレス成形装置を提供することができる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る成形方法により成形する成形品の形状の一例を示す断面図(プレス方向に沿った面により切断した断面図)であり、(B)は同上成形品の下面図である。 同上実施の形態に係る成形方法に使用される成形装置の下型に半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)を投入した状態を示す正面図(プレス方向と直交する方向から見た図)である。 同上実施の形態に係る成形方法に使用される成形装置の上型が高速で下降している状態を示した正面図(プレス方向と直交する方向から見た側面)である(スライドの移動はスクリューを介したサーボモータにて制御され、スライド、又は、上型内には油圧クッションが内蔵されている)。 同上実施の形態に係る成形方法に使用される成形装置の上型が下死点にて停止して、スライド、又は、上型内の油圧クッションにて半凝固スラリーを所定圧力に加圧、保持している状態を示した正面図(プレス方向と直交する方向から見た図)である。 同上実施の形態に係る成形方法に使用される成形装置の上型が上昇し、成形品を下型から取り出した状態を示した正面図(プレス方向と直交する方向から見た図)である。
以下に、本発明の一実施の形態に係る半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
ここで、本発明のポイントについて説明する。
<ポイント1>
薄肉板構造品や微細模様品を作るには、溶湯の場合、射出速度を高速とし高真空の条件で成形する。これは溶湯が高速で射出されることにより、溶湯に大きな運動エネルギーが与えられ金型と衝突するとき微細な模様や薄肉部へも流入することを狙ったものである。高真空とするのは、溶湯が高速で射出される際の空気の巻き込みを防ぐためであるが、同時に空気の介在により模様がボケることを防ぐ役割も果たしているものと推定される。
また、圧延材等の展伸材の薄板への模様付けに関しては、スクリュープレスが優れていることは一般的に知られている。また、爆発成形や放電成形、電磁成形等の高エネルギー速度加工は薄板の模様付けや、異種金属の接合にも利用されているが、これらの方法は、いずれも被加工材料に大きな運動エネルギーを与えて金型に衝突させることで、材料内に伝達される応力波と材料の変形の関係が静的な条件と異なり、微細な模様付けや薄板の成形、異種金属の接合等に適した条件になったためと考えられる。これらの場合、空気、潤滑剤等の介在が問題となる場合がある。
半凝固金属は、溶湯と圧延板材の両方の中間的な性質であるので、微細な模様付けや薄板の成形には半凝固金属に運動エネルギーを与え金型へ衝突するような方法が有効であるが、その有効性を発揮するためには、一般的な半凝固金属のプレス成形と比べ半凝固金属の固相率は液相成分を少なくし、「しみ出し」等の欠陥を生じさせないようにする必要がある。
すなわち、通常のプレス成形に比べ高速での成形では、半凝固金属に衝撃荷重がかかるため、成形力は通常の成形に比べ高くなる。このため、半凝固金属の液相部分が固相部分と分離し易くなるため、固相率を高くしておき、半凝固金属の液相部分が固相部分との分離を防ぐ必要がある。
<ポイント2>
次に、高速で成形する際の被加工材内部の応力の状況を考える。
被加工材に加えられる力は、低速であれば静的な力と同等として扱えるが、1m/sec以上(好ましくは、例えば、7m/sec以上)のような高速にて成形する場合には被加工材の降伏応力が高くなる等、低速成形と違いが生じる。これらの違いが微細な形状、もしくは、薄肉部の成形する場合、低速、高速によりどのような変化を起こすかを以下に考える。
被加工材を溶製材(溶かして製造された一般的な金属材料、例えばアルミニウム合金など)とした場合、低速にて、図1の形状の成形を行うとすると、低速で金型と被加工材が接触するため、応力は静的に伝播され、その変形は通常の転位の移動により変形が進むこととなる。
このため、転位の移動が生じ難くなった時点で変形は止まり、それ以上変形が進むと亀裂等の欠陥が生じ(せん断により凸部が切断されてデッドメタルとなる現象等が生じ)、結果として微細な模様の転写性が悪く、また、薄肉部への材料の流動も起こりにくくなり、縦壁の寸法が短くなってしまう。
一方、図1の形状を高速で成形した場合には、瞬間的に材料の内部には高い応力が発生し、この応力は転移の移動によらない変形が可能(理論せん断力より応力が高いため)となると推測されている。
このため、空間への材料の流動は、低速で成形する場合より起こり易くなり、結果として微細な模様の転写性が良く、また、薄肉部への材料の流動も起こり易くなり、縦壁の寸法が高い製品を得ることができるようになる。
上記のように、高速で成形する場合には、被加工材内部に発生する応力の差が生じ、その変形過程が異なるものと考えられるため、結果として成形品には差が生じる。
応力伝播は溶製材とは異なり、また、成形中に冷却も行われることから、溶製材とは変形の挙動は異なるが、この高速の変形挙動を半凝固金属に適用することは微細な模様のある製品や薄肉部のある製品を成形するためには有益であると考えられる。
本発明は、上述した2つのポイントに鑑みて、半凝固金属(半溶融金属)を用いて、引け巣がない高品質な製品を低コストで製造することを目指すが、半溶融金属又は半凝固金属を用いても微細な模様のある製品や薄肉部のある製品を良好に成形することができるように、高速にて移動(下降或いは上昇)する金型にて半凝固金属の成形を行うこととした。
なお、半凝固金属を成形するには、半凝固金属の熱を金型が奪うため、下死点にてプレス機を停止させ、かつ、半凝固金属(成形品)は熱を奪われ収縮を起こすため、この動き(収縮)に対応して(追従して)金型を移動させる装置(機構)を備えることが望ましい。
高速で半凝固金属材料を成形する場合、応力伝播速度が材料全域に伝わる前に金型に設けた空間近傍の応力により材料が変形するため、この空間に材料が流動しやすく、微細な模様の転写性が高くなると共に、薄肉部への材料の流動も起こり易くなる。
そして、高速で成形されるため、材料同士、及び、材料と金型間の摩擦熱等の影響から、温度の低下も低速の成形に比べ少なくて済むといったメリットが生じ、微細な模様の転写性がよく、また、薄肉部を持った製品の成形も可能となる。
以下に、本発明において、主としてアルミニウム合金などの軽金属やその他の金属を半凝固状態(半凝固金属材料)にして成形する半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置の一例を示す。
ステップ1(S1)では、図2に示すように、予め電磁撹拌装置等によって容器内の溶湯を電磁撹拌しながら冷却することにより生成(製造)された固相率40〜99%の半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)10を、半凝固金属材料のプレス成形装置1の下型20へ投入する。この際、半凝固スラリーの形状は金型(下型20、上型31)に適した形が望ましく、軸対形状でなくともよいが、ここでは、所定高さを有する外径φ98mmの円柱状の半凝固素材を用いた。
なお、下型20は、プレス成形製品の形状の一部に対応した凹部21を有し、その凹部21の上に半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)10は搬入される。
かかるステップ1が、本発明に係る半凝固金属材料搬入ステップに相当する。
ここで、本実施の形態に係る金型(下型20、上型31)は、電熱式のカートリッジヒータ50(その他の加熱装置とすることもできる)により、約300〜400°Cに加熱・保持されており、この熱がプレス機本体へ伝達しないように、プレス機本体(ベッド、スライド2、上型本体(上型ベース部)30)と、金型(下型20、上型31)と、の間に、セラミックス等(例えばジルコニア等)の断熱材60を介装した構成とすることができる(図2、図4参照)。
ステップ2(S2)では、 ステップ1における素材10の投入後、高速で上型本体30(スライド2)及び上型本体30に備えられている上型31が下降して成形を行う(図3参照)。
高速でスライド2を下降させる方法として、ここでは、例えば、図3に示したように、スライド2に螺合させた(取り付けた)スクリュー(外周ネジ部材)3(4条ネジ)をギヤ等で介したサーボモータ4にて回転させる機構(サーボ式スクリュープレス)を採用し、成形位置による速度変化をなくし、高速での成形を可能とした。下降速度は7〜10m/sec程度とする。なお、サーボモータ4を一方向に回転させる及び反対方向に回転させることで、スライド2をプレス方向に往復移動させることができる。
ここで、かかるステップ2が、本発明に係るプレス成形第1ステップに相当する。
本実施の形態では、サーボモータ4の回転数を1000rpmとし、ギヤにて2段増速させスライド2に取り付けたスクリュー3(例えば、ピッチ12.5mm、4条ネジのためスクリュー1回転当りの移動距離50mm/revにて直進する)の回転数を12000rpmとすることで、スライド速度(下降速度)を7m/secとしたが、ギヤ比を変えることで10m/secとすることができる。なお、ここで示した7〜10m/secのスライド下降速度は、この装置にて対応可能な下降速度であるが、成形としてはこれ以上のスライド速度であっても問題はない。
ステップ3(S3)では、 ステップ2にてスライド2が下死点(プレス方向最下位置、スライドの往復移動の最大ストローク位置)に到達した後(図4参照)、その位置にてスライド2を所定時間(所定期間:例えば、数秒〜数分間)停止する(半凝固スラリー10を所定に加圧しながら冷却する)。この所定時間は、半凝固スラリー(素材)10が所定に冷却される時間により決定される。また、半凝固スラリー(素材)10が冷却される際には、体積の収縮が起こるため、この収縮に合わせ上型本体30の可動部である上型31をスライド移動方向(プレス方向;図4の下方)に向けて移動させて半凝固スラリー(素材)10を所定に加圧することができるように構成されている。
すなわち、本実施の形態では、スライド2(スライド2と略一体の上型本体30)内に油圧クッション32を備えて構成し、油圧クッション(油圧ダイクッション)32により上型(可動部)31をスライド2(上型本体30)から独立して移動可能な構成とし、この上型(可動部)31のスライド2(上型本体30)に対するスライド移動方向に関する相対移動により、半凝固スラリー(素材)10が冷却による体積収縮があっても、半凝固スラリー(素材)10に一定圧力(圧縮圧力)を作用させることができるようにしてある。
ここで、かかるステップ3が、本発明に係るプレス成形第2ステップに相当する。
具体的には、ステップ3にて、半凝固スラリー(素材)10が冷却される際の体積の収縮に合わせて、半凝固スラリー(素材)10に対して所定圧力を付与するように上型本体30に対して相対移動可能な上型(可動部)31を上型本体30(スライド2)に対してスライド移動方向に関して相対移動させたい場合(体積収縮なので図4において下方に相対移動させる場合)には、上油圧室33内の油圧と、下油圧室34内の油圧と、を所定に制御することで、かかる相対移動を達成することができる。
これに対して、ステップ2において、スライド2(上型本体30)の下降動作により成形する際には、ピストン部35延いては上型(可動部)31をスライド2(スライド2と略一体の上型本体30)と上型(可動部)31とが一体で移動するように、油圧クッション32の上油圧室33の油圧と下油圧室34の油圧を制御することで、かかる一体での移動を達成することができる。ピストン部35は、上型(可動部)31と一体的に構成されている。
なお、上型(可動部)31は、図4では上型本体30に対してスライド移動方向に関して相対移動させる構成としたが、これに限定されるものではなく、上型31と上型本体30とを略一体として、スライド2に対して上型本体30をスライド移動方向に関して相対移動させる構成とすることも可能である。
ステップ4(S4)では、ステップ3にて 半凝固スラリー10の温度が所定温度まで低下する時間まで上型本体30を下死点位置に保持した後、サーボモータ4を反対方向に回転させることで上型本体30を上昇させ、所定高さまで(上型31と、下ノックアウト装置40にて上昇される成形品10と、が干渉しない位置まで)上型31が上昇した後、成形品10を下ノックアウト装置40にて上昇させて下型20から取り出す。
ここで、図1に示したような形状を成形対象とした製品は、通常の溶製材(溶かして製造された一般的な金属材料、例えばアルミニウム合金など)を用いて成形しようとした場合、微細な模様付けがなされる部位(凸部)に充満した材料がせん断により切断されてデッドメタルとなるため、微細な模様付けがなされる部位と薄肉部の成形は分けて行う必要がある。
しかし、上述したステップ1〜ステップ4の方法によって半凝固素材を用いて成形する場合には、微細な模様付けがなされる部位と薄肉部が存在する形状であっても、金型(ここでは模様付けは下型20の底面)付近の材料は冷却され固まり、この箇所の材料は流動し難くなることから、デッドメタルとはならずに、一工程での成形が可能となる。
また、本実施の形態では、固相率40〜99%の半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)10を用いて成形したので、成形の際に「しみ出し」等の欠陥を生じさせることなく、良好な成形品(製品)を得ることができた。
すなわち、本実施の形態では、スライド下降速度を通常のプレス成形に比べて高速化して行うが、かかる場合には、半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)10に衝撃荷重がかかるため、成形力は通常の成形に比べ高くなるので、半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)10の液相部分が固相部分と分離し易くなるため、固相率を40〜99%と高くすることで、半凝固金属の液相部分が固相部分との分離、延いては液相部分のしみ出しを防止して、良好な成形品(製品)を得ることができるようになっている。
また、本実施の形態では、スライド下降速度を7〜10m/secとしたが、これに限らず、1m/sec以上程度のスライド下降速度であっても、溶製材を素材とする場合の通常のプレス機械のスライド下降速度(数百mm/sec程度)に比べて高速であり、1m/sec以上程度のスライド下降速度であっても、模様付けがなされる部位と薄肉部が存在する形状の製品を成形する場合であっても、模様付けがなされる部位と、薄肉部と、を分けて成形することなく、一工程(プレス一行程、スライド一往復)での成形が可能である。
また、本実施の形態では、 スライド2(上型本体30)を下死点に到達させて半凝固スラリー(素材)10を成形した後、その下死点位置にて所定時間(数秒〜数分間)停止させて半凝固スラリー(素材)10を冷却するが、その冷却の際に、半凝固スラリー(素材)10の冷却による体積の収縮に合わせて、上型(可動部)31をスライド2(上型本体30)に対してスライド移動方向に関して相対移動させて半凝固スラリー(素材)10を所定に加圧しておくことができるようにしたので、引け巣がなく、組織のばらつきが少ない均質で機械強度に優れた製品を得ることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、表面に(微細な)模様付けがなされる部位と薄肉部の少なくとも一方を持つ製品を成形する方法として、半凝固金属材料を素材として用いて少ない成形工程(プレス一行程(スライド一往復))にて生産性高く成形できると共に、鍛造成形や板金成形より低い荷重で成形でき、かつ、製品強度、伸び等もそれらの成形方法と同等の製品を得ることができる半凝固金属材料のプレス成形方法及びプレス成形装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、図1(A)に示したように、製品の底面Aに模様(模様は微細なものに限定されるものではない)付けがなされる場合を一例として説明したが、模様付けの部位は、これに限らず、製品の底面Aの裏面Bに模様付けがなされる場合、製品の底面A及び裏面Bの双方に模様付けがなされる場合にも適用可能である。
また、図1(A)では、模様は底面Aから下方に突出する模様(凸模様)として説明したが、これに限定されるものではなく、底面Aに対して上方に(裏面B側に)凹んだ模様(凹模様)とすることもできる。また、模様の形状は、図1(B)のように直線状に限定されるものではなく、曲線状、波状など他の形状の模様とすることも可能である。
なお、本発明に係る成形品において、模様付けがなされる部位は、スライド2の移動方向と略直交する面であり、薄肉部は、成形の際に、スライド2の移動方向と平行な方向に延びる壁が相当する。
また、本実施の形態では、スライド2を下死点位置で所定時間位置保持している際に、半凝固金属材料10の冷却収縮に応じて、上型31をスライド2(上型本体30)に対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与する構成として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、下型20をスライド2(上型31)に対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与する構成とすることも可能である。
更には、上型31及び下型20の双方をスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与する構成とすることも可能である。
この場合、下型20についても、上型31と同様、油圧クッションを介して、スライドに対してスライド移動方向に相対移動可能に(下型ベース部或いはベッドに)取り付けられた構成とすることができる。
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
1 成形装置
2 スライド
3 スクリュー(外周ネジ部材)
4 サーボモータ
10 半凝固スラリー(半凝固金属材料、素材)
20 下型
21 凹部
30 上型本体(スライドと一体移動する上型ベース部)
31 上型(可動部;スライド或いは上型本体に対してスライド方向に相対移動可能な上型)
32 油圧クッション
40 下ノックアウト装置
50 カートリッジヒータ
60 断熱材

Claims (7)

  1. 金属材料の溶湯から製造された半凝固金属材料であって、固相率が40%以上である半凝固金属材料を、プレス成形品の形状に対応した凹部を有する下型の凹部の上に搬入する半凝固金属材料搬入ステップと、
    搬入された半凝固金属材料を、1m/sec以上の下降速度で下降するスライドに取り付けられた上型をスライドの下死点に到達させて成形するプレス成形第1ステップと、
    スライドを下死点位置で所定時間位置保持して半凝固金属材料を冷却すると共に、
    この位置保持している状態において、半凝固金属材料の冷却による体積の収縮に合わせて、上型或いは下型の少なくとも一方をスライドに対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与するプレス成形第2ステップと、
    を含むことを特徴とする半凝固金属材料のプレス成形方法。
  2. 前記上型或いは下型の少なくとも一方は、油圧クッションを介して、スライドに対してスライド移動方向に相対移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の半凝固金属材料のプレス成形方法。
  3. スライドの下降速度が、7m/sec以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半凝固金属材料のプレス成形方法。
  4. 半凝固金属材料のプレス成形方法により成形されたプレス成形品は、表面に模様付けがなされる部位と薄肉部の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の半凝固金属材料のプレス成形方法。
  5. 前記薄肉部は、成形の際に、スライドの移動方向と平行な方向に延びる壁であることを特徴とする請求項4に記載の半凝固金属材料のプレス成形方法。
  6. 金属材料の溶湯から製造された半凝固金属材料であって、固相率が40%以上である半凝固金属材料を、プレス成形製品の形状に対応した凹部を有する下型の凹部の上に搬入し、
    該搬入された半凝固金属材料を、1m/sec以上の下降速度で下降するスライドに取り付けられた上型をスライドの下死点に到達させて成形する一方、
    スライドを下死点位置で所定時間位置保持して半凝固金属材料を冷却すると共に、この位置保持している状態において、半凝固金属材料の冷却による体積の収縮に合わせて、上型或いは下型の少なくとも一方をスライドに対してスライド移動方向に相対移動させることにより、半凝固金属材料に所定圧力を付与する
    ことを特徴とする半凝固金属材料のプレス成形装置。
  7. 前記上型或いは下型の少なくとも一方は、油圧クッションを介して、スライドに対してスライド移動方向に相対移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の半凝固金属材料のプレス成形装置。
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