JP6415235B2 - 計測装置、計測方法、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 - Google Patents

計測装置、計測方法、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、計測装置、計測方法、リソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
露光装置は、半導体デバイスや液晶表示デバイスなどの製造工程に含まれるリソグラフィ工程において、原版(レチクルやマスクなど)のパターンを投影光学系を介して感光剤が塗布された基板(ウエハやガラスプレートなど)に転写する装置である。このような露光装置では、原版のパターンの結像面に基板の表面(露光面)を位置合わせ、すなわち合焦するために、基板の表面の位置(面位置または高さ)を正確に計測する必要がある。そこで、露光装置は、投影光学系の光軸方向における基板の位置を計測するオートフォーカスセンサー(AFセンサー)を有する。AFセンサーは、一般的に、基板の表面に対して光(複数のビーム)を投射する投光系と、基板の表面からの反射光を受光する受光系と、受光系からの光を検出し処理部へ信号波形を出力する検出部とを含む。ここで、基板がガラスプレートなどの透光性基板である場合、受光系が受光する光には、基板の表面からの反射光のみならず、基板の裏面からの反射光も含まれる。そのような反射光を用いて計測する場合には検出対象でない基板の裏面からの反射光により計測精度が低下するため、AFセンサーを用いる場合には、いかに基板の裏面での反射光を低減するか、または基板の表面での反射光を抽出するかが重要となる。しかし、リソグラフィ装置で用いる基板の厚さの薄化に伴い、検出器で検出される表面反射光の波形と裏面反射光の波形とが重なることがある。そこで、特許文献1は、検出部が検出した反射光の波形と参照波形とのプロファイルフィッティング処理を用いて、表面反射光の波形のみを抽出する面位置検出装置を開示している。特許文献2は、基板の表面で反射した反射光の波形と基板の裏面で反射した反射光の波形との両方を含む信号波形のうち、互いに重なりのない波形のみを使用する自動焦点合わせ装置を開示している。特許文献3は、物質の表面および下面のそれぞれからの反射光が重なることによる誤差量と既知である物質の膜厚との関係を予め取得し、物質の膜厚に合わせ誤差量を予測する試料面位置測定装置を開示している。
特開2004−273828号公報 特開平05−281458号公報 特公平07−113547号公報
しかしながら、計測対象となる透過性基板は、基板毎および基板内で厚さに微小なばらつきがあり、基板の厚さに応じて表面反射光および裏面反射光の波形の重なり状態は変化することがある。特許文献1の装置では、基板の厚さに応じて変化する重なり状態に対応するためには、基板上を多点計測し、その計測点毎にプロファイルフィッティング処理を行わなければならず、スループットが低下する。また、特許文献2および特許文献3の装置では、計測対象となる基板および該基板の計測位置における厚さのばらつきを検出することができず、算出される基板の計測値に誤差が生じることがある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、例えば、計測対象の表面位置を高精度に計測するのに有利な計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、物体の表面の位置を計測する計測装置であって、複数の開口部を有し、光源からの光を複数の開口部を用いて複数の光束に分配する遮光部材と、複数の光束が物体の表面で反射した表面反射光と、複数の光束が物体の裏面で反射した裏面反射光とを検出して、信号波形を出力する検出器と、物体の厚さと信号波形の補正値との関係に基づいて、信号波形から算出された物体の厚さに応じた信号波形の補正値を決定し、該決定された補正値により補正された信号波形を用いて物体の表面の位置を算出する処理部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、計測対象の表面位置を高精度に計測するのに有利な計測装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る計測装置の構成を示す図である。 受光光の流れを示す計測装置の要部の構成の図である。 比較的厚い基板を計測した際の計測光の流れを示す図である。 図3に示す基板を計測した際の信号波形を示すグラフである。 比較的薄い基板を計測した際の計測光の流れを示す図である。 図5に示す基板を計測した際の信号波形を示すグラフである。 信号波形に重なりがない状態の信号波形の一例を示すグラフである。 信号波形の一部に重なりがある状態の信号波形の一例を示すグラフである。 信号波形すべてに重なりがある状態の信号波形の一例を示すグラフである。 基板の厚さと表裏面反射光のシフト量位置との関係を示す図である。 基板の厚さと計測誤差との相関関係を示すグラフである。 光の強度比毎の基板の厚さと計測誤差との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る計測装置(計測方法)について説明する。本実施形態に係る計測装置は、例えば、露光装置などのリソグラフィ装置に設置される。そして、計測装置は、リソグラフィ装置内のステージに載置されている基板(ウエハやガラスプレートなど)を計測対象物(物体)として、その表面の位置(面位置または高さ)を計測するものである。以下、本実施形態に係る計測装置は、一例として露光装置に設置されるものとして説明する。
図1は、本実施形態に係る計測装置22を含む露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、例えば、ステップ・アンド・リピートまたはステップ・アンド・スキャン方式にて原版(レチクルまたはマスク)1に形成されているパターン(例えば回路パターン)を介して基板5を露光する露光装置である。なお、図1を含む以下の各図では、後述する投影光学系4の光軸方向(本実施形態では鉛直方向)に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で露光時の走査方向にY軸を取り、Y軸に直交する非走査方向にX軸を取っている。露光装置100は、照明系3と、原版ステージ2と、投影光学系4と、基板ステージ7と、計測装置22と、制御部23とを備える。照明系3は、露光時に光(例えばレーザー光)を照射し、原版1を照明する。原版ステージ2は、原版1を保持する。投影光学系4は、原版1に形成されているパターンを基板5上に投影(結像)する。基板ステージ7は、基板5を保持部材(チャック)6を介し、XY平面上を移動可能に保持する。なお、基板ステージ7は、XYの各軸方向だけでなくZ軸方向にも移動可能であり、合焦のための駆動系でもある。また、基板ステージ7は、各軸用にそれぞれ設けられた、レーザー干渉計9と、基板ステージ7に設置されたミラー8とを用いてその位置が特定され、制御部23により各軸方向において高精度に位置決めされる。
計測装置22は、基板ステージ7上の保持部材6に載置されている基板5の面位置(本実施形態ではZ軸方向の高さ位置)を検出する。計測装置22は、光源10と、投光系19と、受光系13と、検出器14と、処理部15とを含む。光源は、例えば500〜1200nmの波長の光を発する。投光系19は、不図示の集光レンズ、複数の開口部(スリット等)が形成された遮光部材11、および投光レンズ12を含み、集光レンズにより集光された光源10からの光を遮光部材11および投光レンズ12を介して基板5の表面に投影する。検出光16は、基板5の表面(物体上)に向けて斜め(入射角θ)に導光(投光)される。受光系13は、検出光16が基板5で反射してなる受光光17を検出器14へ導光する。検出器14は、例えば受光素子アレイを含み、受光光17を受光し、処理部15へ検出信号を出力(送信)する。処理部15は、検出器14から受信した検出信号に基づいて演算処理を実行し、面位置を求める。
制御部23は、露光装置100の各構成要素の動作および調整などを制御し得る。制御部23は、例えばコンピューターなどで構成され、露光装置100の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。ここで、上記の説明では、計測装置22には、露光装置100とは独立して演算処理を実行する処理部15を含む構成としている。これに対して、本実施形態のように計測装置22が露光装置100に設置される場合には、処理部15が実行する処理を、代わりに制御部23が実行する構成としてもよい。さらに、制御部23は、露光装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、露光装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
次に、計測装置22による計測(計測方法)について説明する。図2は、図1に示す計測装置22を含む露光装置100の構成のうち検出光16と受光光17との関係を説明するための要部を示す概略図である。光源10からの光が遮光部材11の開口部により分配され、複数の光束として形成された検出光16は、基板5で反射する際、基板5の表面で反射した表面反射光17aと、基板5の裏面で反射した裏面反射光17bとの2つの成分の受光光17となる。これら2つの成分の受光光17は、混在した状態で存在し、受光系13を介して検出器14へ導かれ、検出器14において、基板5の表面で反射した表面反射光17aは、点sの位置に入射し、基板5の裏面で反射した裏面反射光17bは、点rの位置に入射する。露光装置100において、投影光学系4の焦点位置は、基板5の面位置と合焦させる必要があるため、計測装置22は、表面反射光17aに基づき、基板5の面位置を計測する。しかし、基板5の厚さが薄くなると、表面反射光17aと裏面反射光17bとの光線間隔が狭くなり、表面反射光17aの検出信号に、裏面反射光17bの検出信号がノイズとなって混入することがある。
ここで、表面反射光17aと裏面反射光17bとの光線間隔Δdと基板5の厚みとの関係について、図3〜6を用いて詳説する。なお、説明を簡略化するため、遮光部材11の透光部が1つの場合、すなわち、検出光16が1本の場合を例に挙げて説明する。図3に示すように、基板5が比較的厚くかつ検出光16の入射角θが適切に設定されている場合には、検出器14に入射する表面反射光17aと裏面反射光17bとの光線間隔は、Δdとなる。この場合、検出器14で出力される信号波形において、点sに入射した表面反射光17aの検出信号Aと点rに入射した裏面反射光17bの検出信号Bとは、図4に示すように、離れた位置に存在するため重なることはない。そのため、この信号波形を検出器14から取得した処理部15は、裏面反射光17bの検出信号Bに影響を受けることなく、表面反射光17aの検出信号Aのピーク位置sを決定することができる。しかし、図3と同じ入射角θで入射する検出光16を用いて、薄化した基板5を計測する場合、図5に示すように、検出器14に入射する表面反射光17aと裏面反射光17bとの光線間隔は、Δdとなる。この場合、検出器14より出力される信号波形において、表面反射光17aの検出信号Aと裏面反射光17bの検出信号Bとは、図6に示すように、重なって現れることがある。この重なりにより表面反射光17aの検出信号Aに裏面反射光17bの検出信号Bがノイズとなって影響するため、処理部15は、表面反射光17aの検出信号Aのピーク位置sを精度良く決定することができない。
そこで、本発明の一実施形態に係る計測装置22は、基板5の厚さtに応じた計測誤差Δuを考慮して基板5の面位置を計測するものとする。この計測装置22は、一例として3本のスリットを開口部として有する遮光部材11を備え、3本の検出光16を基板5に照射するものとする。図7〜9は、本実施形態における計測装置22に適用可能な検出器14が出力する、基板5の厚さ毎の信号波形を示すグラフである。なお、図7〜9において、検出光16の基板5への入射角度θは、すべて80°であるものとし、測定対象となる基板5の厚さtは、50μm以上であるものとする。50μ以上にすることにより、表面反射光17aの検出信号Aと裏面反射光17bの検出信号Bの重なりを浅くすることができ、後述する重なりのない検出信号を検出しやすくなる。なお、基板5の厚さtが50μm未満であっても、検出光16の基板5への入射角度θが小さくなるよう計測装置22を調整することにより表面反射光17aの検出信号Aと裏面反射光17bの検出信号Bの重なりを低減することは可能である。しかし、入射角度θが小さくなると、基板5上に前工程において処理が施されている場合、検出器から出力される信号波形がその影響を受けて、計測誤差が発生することがあるため、測定対象となる基板5の厚さtは、50μm以上であることが望ましい。
まず、図7を参照して、比較的厚い基板(一例として、0.4mm)5を計測する場合を考える。この場合、表面反射光17aの検出信号Aとなるピーク値aおよびピーク位置s1〜s3を示す3つのピーク波形と、裏面反射光17bの検出信号Bとなるピーク値bおよびピーク位置r1〜r3を示す3つのピーク波形とは、重ならない波形として出力される。そのため、表面反射光17aの検出信号Aに、裏面反射光17bの検出信号Bによる誤差が含まれない。したがって、処理部15は、検出器14から出力される信号波形に基づき、表面反射光17aのピーク値aおよびピーク位置s1〜s3を判断し、基板5の面位置を計測することができる。
次に、図7と比較して薄化した基板(一例として、0.14mm)5を計測する場合を考える。この場合、表面反射光17aと裏面反射光17bとの光線間隔Δdが図7の場合と比較して小さくなる。そのため、図8に示すように、検出器14から出力される信号波形において表面反射光17aの検出信号Aのうちピーク位置s2、s3を示すピーク波形が、裏面反射光17bの検出信号Bのピーク位置r1、r2を示すピーク波形と重なる。また、基板5がさらに薄化すると(一例として、0.06mm)、図9に示すように、表面反射光17aの検出信号Aと裏面反射光17bの検出信号Bのそれぞれ3つのピーク波形すべてが重なる。
図8および図9に示すように、基板5の厚さtが薄くなると、表面反射光17aの検出信号Aのs3側から、裏面反射光17bの検出信号Bのr1側と重なり始める。表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bが重なることにより、表面反射光17aのピーク位置s1〜s3およびピーク値aに裏面反射光17bの検出信号Bがノイズとして影響を与えることがある。そのため、処理部15は、検出器14から出力される信号波形から表面反射光17aの正確な検出信号Aを判断することができず、基板5の面位置を精度良く計測することができない。そこで、この計測装置22は、検出器14により出力された信号波形から基板5の厚さtを算出し、基板5の厚さtに基づき、基板5の面位置の計測誤差Δuを予測する。
まず、計測対象となる基板5の厚さtの算出方法について説明する。図10は、基板5の厚さtと表裏面反射光位置のシフト量Δsとの関係を示す概略図である。図10に示すように、基板の厚さをtとし、基板の屈折率をNとし、計測光の入射角度をθとし、受光系の倍率をβとし、検出器14における表裏面反射光位置のシフト量をΔsとする。この場合、これらの関係は、以下の式1および式2で表すことができる。
Δs=β×(2×t×tanθ’)×sinθ (式1)
θ’=sin−1(sinθ/N) (式2)
図7に示すように、表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bが重ならない場合、表裏面反射光位置のシフト量Δsは、表面反射光17aのピーク位置と対応する裏面反射光17bのピーク位置から算出される。この場合、表面反射光17aの検出信号Aのピーク位置s1〜s3、裏面反射光17bの検出信号のピーク位置r1〜r3を用いて、表裏面反射光位置のシフト量Δsは、以下の式3で表すことができる。
Δs=s1−r1=s2−r2=s3−r3 (式3)
しかし、基板5の薄化により表面反射光17aの検出信号Aに裏面反射光17bの検出信号Bが重なり始めると、処理部15が、各反射光のピーク位置すべてを判別できず、表裏面反射光位置のシフト量Δsを信号波形から検出することができない。すなわち、基板5の厚さtが薄くなると、図7〜9に示す信号波形のように表面反射光17aの検出信号Aに裏面反射光17bの検出信号Bが重なり始める。厚さtの変化に応じて、表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bのうち重なったピーク波形の数、およびその位置も変化するため、表裏面反射光位置のシフト量Δsを検出器14が出力する信号波形から算出することができない。
そこで、処理部15は、表面反射光17aの左側のピーク波形のピーク位置s1と裏面反射光17bの右側のピーク波形のピーク位置r3との関係から厚さtを算出する。基板5の厚さtが薄くなるにつれ、表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bのそれぞれ3つのピーク波形のうち重なるピーク波形の数は、増える。各反射光の検出信号A、Bの波形のうち最後に重なるピーク波形は、検出器14が出力する信号波形の両端に存在するピーク波形である。すなわち、本実施形態においては、表面反射光17aの左側のピーク波形のピーク位置s1と裏面反射光17bの右側のピーク波形のピーク位置r3がこれに該当する。また、検出器14から出力される信号波形において、裏面反射光17bは、基板5中を屈折および反射するため、表面反射光17aよりも低いピーク値bを有する。さらに、表面反射光17aの検出信号Aに対する裏面反射光17bの検出信号Bのピーク波形の位置は、検出器14および受光系13の仕様に依存し、同じ計測装置22を用いる場合、表面反射光17aの検出信号Aに対し常に左右どちらか一定の側に存在する。そのため、例えば、図8に示すような信号波形を得た処理部15は、ピークを有する4つの波形のうち、ピークの小さい波形1つが裏面反射光17bのピーク位置r3であり、最も左側に存在する波形が表面反射光17aのピーク位置s1であると判断できる。2つのピーク位置s1、r1と、表裏面反射光位置のシフト量Δsとの関係は、ピーク波形間のピッチ、すなわち遮光部材11の遮光部間のピッチをPとすると、以下の式4で表すことができる。
Δs=s1−r1=s1−(r3−2×P)
=s3−r3=(s1+2×P)−r3 (式4)
なお、ピーク波形間のピッチPは、表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bにおいて、通常共通である。しかし、遮光部材11の複数の遮光部が異なるピッチで配置され、ピッチPが表面反射光17aおよび裏面反射光17bのそれぞれの検出信号内で異なる場合、または表裏面反射光間でピッチPが異なる場合がある。この場合、それぞれ重複がないピーク波形を使用して各反射光に応じたピーク位置s、rとピッチPとの関係を求め、表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、B間それぞれでピッチPが同一であるとする式4に反映させればよい。
さらに、同一の基板5で厚さtが異なる位置、または、厚さtが異なる基板5を計測する場合を考える。この場合、厚さtが既知な基板5を計測した際の信号波形において、各反射光のうち、重なりのない各検出信号の検出器14上の位置差(図8におけるs1−s3)を基準とし、該基準からの変化をシフト量Δsとして算出してもよい。
以上の方法により、波形の重なりの有無に関わらず、表裏面反射光位置のシフト量Δsを求めることができ、この表裏面反射光位置のシフト量Δsから式1および式2を用いて、基板5の厚さtを算出することができる。
次に、上述のように算出した基板5の厚さtに基づき、計測誤差Δuを算出する方法について説明する。この計測誤差Δuとは、図7〜図8に示すように厚さtが薄くなり表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bが重なることにより発生する誤差をいう。まず、処理部15は、この計測装置22を用いた場合の基板5の厚さtと計測誤差Δuとの関係を示す相関テーブルを作成する。図11は、基板5の厚さtと計測誤差Δuとの関係を示す相関テーブルの一例である。この相関テーブルは、計測装置22を用いて、厚さtが既知である基板5の高さを計測し、基板5の厚さtから予測される基板5の高さ(位置)と計測装置22による計測結果を比較して計測誤差Δuを算出することにより作成することができる。また、この相関テーブルは、上述の方法により算出された基板5の厚さtから予測される基板5の高さ(位置)と計測装置22による計測結果を比較して計測誤差Δuを算出することにより作成してもよい。ただし、この相関テーブルにおいて、例えば、図7に示すように表面反射光17aおよび裏面反射光17bの検出信号A、Bに重なりが発生しないときの計測誤差を基準値u0とする。また、相関テーブルを作成する際の検出光16は、実際に計測対象となる基板5を計測するための検出光16またはそれとほぼ等価な波形を有する検出光を用いる。
処理部15は、計測対象の基板5を計測した際に検出器14から出力された信号波形から上述の方法で基板5の厚さtを算出し、予め作成した相関テーブルにおいてその厚さtに相当する計測誤差Δuを決定する。そして、処理部15は、検出器14からの信号波形に基づき算出した生値(u0+Δu)から、厚さtに応じた計測誤差Δuを差し引く。これにより、表面反射光17aの検出信号Aを特定することができ、裏面反射光17bに起因する誤差を含まない基板5の面位置の真値を求めることができる。
このように、本実施形態によれば、基板5の厚さtおよび各反射光の重なりにより発生する計測誤差Δuを算出することにより、計測対象である基板5の厚さtのばらつきを考慮し、精度良く基板5の面位置を計測することができる。
なお、本実施形態の計測装置22は、基板5の厚さtと計測誤差Δuとの関係を示す相関テーブルを使用するものとした。しかし、基板5の素材や厚み等により表面反射光17aと裏面反射光17bとの強度比が異なる場合がある。この場合、計測誤差Δuとなる表面反射光17aと裏面反射光17bとの重なり状態は、表面反射光17aに対する裏面反射光17bの光の強度の関係に依存する。そこで、反射光強度比毎に相関テーブルを作成し、該相関テーブルを用いて計測誤差Δuを求める構成としてもよい。図12は、反射光強度比毎の、基板5の厚みtと計測誤差Δuとの相関テーブルを示すグラフである。この相関テーブルにおいて、反射光強度比とは、表面反射光強度に対する裏面反射光強度を意味し、一例として、0.33〜1.0の値で作成されている。処理部15は、検出器14から取得した信号波形から基板5の厚さtに加え、反射光強度比を算出し、算出された反射光強度比および基板5の厚さtに対応する計測誤差Δuを求める。
また、開口部として3本のスリットを有する遮光部材11を備え、3本の検出光16を基板5に照射する計測装置22を例に挙げて説明したが、この構成に限定せず、少なくとも2本以上の検出光16を基板5に照射する構成であればよい。
また、本実施形態では、リソグラフィ装置として露光装置の例を説明したが、リソグラフィ装置は、それに限らず、他のリソグラフィ装置であってもよい。例えば、電子線のような荷電粒子線で基板(上の感光剤)に描画を行う描画装置であってもよく、または基板上のインプリント材を型(モールド)で成形(成型)して基板上にパターンを形成するインプリント装置等であってもよい。
(物品の製造方法)
一実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。当該製造方法は、物体(例えば、感光剤を表面に有する基板)上に上記のリソグラフィ装置を用いてパターン(例えば潜像パターン)を形成する工程と、該工程でパターンを形成された物体を処理する工程(例えば、現像工程)とを含み得る。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形または変更が可能である。
11 遮光部材
14 検出器
15 処理部
17a 表面反射光
17b 裏面反射光

Claims (8)

  1. 物体の表面の位置を計測する計測装置であって、
    複数の開口部を有し、光源からの光を前記複数の開口部を用いて複数の光束に分配する遮光部材と、
    前記複数の光束が前記物体の表面で反射した表面反射光と、前記複数の光束が前記物体の裏面で反射した裏面反射光とを検出して、信号波形を出力する検出器と、
    前記物体の厚さと前記信号波形の補正値との関係に基づいて、前記信号波形から算出された前記物体の厚さに応じた前記信号波形の補正値を決定し、該決定された補正値により補正された前記信号波形を用いて前記物体の表面の位置を算出する処理部と、
    を備えることを特徴とする計測装置。
  2. 前記信号波形は、前記表面反射光の複数のピーク波形と前記裏面反射光の複数のピーク波形とを含み、
    前記処理部は、前記裏面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記表面反射光のピーク波形と、前記表面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記裏面反射光のピーク波形とに基づいて前記物体の厚さを算出することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記裏面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記表面反射光のピーク波形と、前記表面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記裏面反射光のピーク波形は、前記信号波形の端部に存在することを特徴とする請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記処理部は、前記裏面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記表面反射光のピーク波形と、前記表面反射光の複数のピーク波形と重なりのない前記裏面反射光のピーク波形に基づいて前記表面反射光と前記裏面反射光との反射光強度比を算出し、該算出された反射光強度比ごとに前記物体の厚さと前記信号波形の補正値との関係を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記処理部は、前記決定された補正値により補正された前記信号波形から前記表面反射光のピーク波形を特定し、該特定されたピーク波形に基づいて前記物体の表面の位置を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測装置。
  6. 物体の表面の位置を計測する計測方法であって、
    複数の光束を前記物体に照射する工程と、
    前記複数の光束が前記物体の表面で反射した表面反射光と、前記複数の光束が前記物体の裏面で反射した裏面反射光とを検出して信号波形を出力する工程と、
    前記物体の厚さと前記信号波形の補正値との関係に基づいて、前記信号波形から算出された前記物体の厚さに応じた前記信号波形の補正値を決定する工程と、
    該決定された補正値により補正された前記信号波形を用いて前記物体の表面の位置を算出する工程と
    を含むことを特徴とする計測方法。
  7. パターンを基板に形成するリソグラフィ装置であって、
    前記物体としての前記基板の表面の位置を計測する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測装置を有する、
    ことを特徴とするリソグラフィ装置。
  8. 請求項に記載のリソグラフィ装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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