まず、本実施例に用いたスロットマシン1について図1、図2を用いて以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「スイカ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「ベル」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「赤7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号9の図柄)、「BAR」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号7の図柄)、および「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、「REPLAY」という文字の下に線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。前述したように、「リプa」と「リプb」とは、「REPLAY」という文字の下に線が追加されている点のみで異なりその他の点で共通しているため、外形が類似する図柄といえる。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。以下では、ストップスイッチ8L、8C、8Rをまとめて、「ストップスイッチ8」という場合がある。
本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。以下では、リール2L、2C、2Rをまとめて、「リール2」という場合がある。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT2終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(たとえば、リプ−リプ−リプ)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施例では、図9(a)を用いて後述するように、昇格リプレイ、転落リプレイ、および特殊リプレイなどが入賞、あるいは、移行出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、メイン制御部41内のROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPUの動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
メイン制御部41が備える乱数回路は、たとえば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。当該乱数回路は、メイン制御部41に内蔵されるものであってもよいし、メイン制御部4とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであってもよい。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、当該ROMには、メイン制御部41のCPUが各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、当該ROMには、CPUが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAMには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。以下では、参照番号を付加しない「RAM」、「ROM」については、メイン制御部41が備える「RAM」、「ROM」であるとする。また、当該RAMには、各リール2L、2C、2Rについて、入賞ラインLN上に停止されている図柄を特定できる図柄特定情報が記憶される。ここで、図柄特定情報は、基準となる図柄(たとえば、領域番号が「0」の図柄)から当該入賞ラインLN上に停止されている図柄までのリールモータ32のステップ数や当該入賞ラインLN上に停止されている図柄の識別情報(たとえば、図3記載の領域番号)などをいう。RAMとしては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メイン制御部41のCPUには、このリフレッシュ動作を行なうためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはメイン制御部41のCPUがメイン制御部41のROMから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、メイン制御部41のCPUにおける1命令の実行時間ごとに行なわれることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、メイン制御部41に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
液晶表示器51においては、後述するように、遊技状態がRT3またはRT1であるときにATに制御されると、「AT中」といったメッセージ画像が小さく表示される。また、AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選したときには、当選ゲームにおいてリプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、当選ゲームが終了したときにATが開始される旨を報知して50ゲームのカウントを開始するAT開始演出が実行される。より具体的には、液晶表示器51の画面に「AT開始!!」といったメッセージ画像が大きく表示されるとともに、ATに制御される残りゲーム数がカウントダウン形式で表示される。
また、本実施例では、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。これに対して、AT中のRT1からRT2に移行したときには、AT開始演出が行なわれる(すでに開始されている場合有り)とともに液晶表示器51における背景画像も変化する。このように、本実施例では、AT中におけるRT3からRT1への移行前後の演出態様の変化度合いよりも、AT中におけるRT1からRT2への移行前後の演出態様の変化度合いの方が大きくなるように演出が実行される。
なお、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
また、液晶表示器51においては、AT中におけるメダルの純増数を報知する。「純増数」とは、AT中におけるメダルの払出枚数からAT中における賭数の設定に用いたメダルの投入数を減算した値である。つまり、純増数とは、AT中における遊技者の儲けを示す値である。遊技者は、液晶表示器51の画面上に表示されたメダルの純増数を確認することによってAT中におけるメダルの純増数を把握することができるようになっている。なお、AT中におけるメダルの純増数を報知する演出を純増数報知演出ともいう。
なお、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行なうこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、メイン制御部41のRAMのスタックにレジスタを退避し、当該RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行なうようになっている。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT2など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行なう。
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAMに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図5に戻り、Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。以下では、リール回転処理により通常ゲーム時において各リール2L、2C、2Rを回転あるいは停止させる制御を、通常ゲーム時におけるリール制御ともいう。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506Aに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
また、本実施例において、後述するフリーズ演出では、たとえば、リール2L、2C、2Rのうち少なくとも1つをN(Nは0以上の整数)コマ分、通常ゲーム時のリール2の回転方向または逆回転方向に回転させるのであるが、この場合には、Nコマ回転させるリール2L、2C、2Rのうち少なくとも1つについてのリールモータをN×16ステップ駆動させる。また、以下の説明では、1コマを「1図柄」として用いる。たとえば、リールを3コマ回転させるとは、3図柄分回転させることをいう。
また、本実施例のスロットマシンは、各リール2L、2C、2Rを振動させることが可能なリール振動手段(図示せず)を備える。リール振動手段が、各リール2L、2C、2Rを振動させることにより、透視窓3に表示されている図柄を揺動して表示させることができる。リール振動手段については、リールモータ32L、32C、32Rであってもよく、これに限らず、リールモータ32L、32C、32Rと一体化した構成であってもよいし、リールモータ32L、32C、32Rとは別部材であってもよい。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
なお、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行なうが、演出状態がAT中でないときには左リール2Lを第1停止させるようにするために、サブ制御部91側において、AT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行なわれる。つまり、本実施例のスロットマシン1は、AT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させるように設計されている。
図5に戻り、Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出などの処理を行なう。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、次ゲームからBBまたはRBのゲームが開始される場合にはBB信号またはRB信号をONに変更する旨の変更命令をRAMに設定する。また、RT2が当該ゲームで終了した場合にはART信号をOFFに変更する旨の変更命令をRAMに設定する。また、RT1において特殊リプに入賞した場合には、ART信号の出力命令をRAMに設定する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンド、フリーズ中回転開始コマンド、および、フリーズ種類特定コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行なわれる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
フリーズ中回転開始コマンドは、フリーズ中においてリール回転制御が開始されたときに送信されるコマンドである。また、フリーズ種類特定コマンドは、後述する2種類のフリーズ種類(当りフリーズまたは外れフリーズ)のうちいずれであるかを特定できるコマンドである。
以下では、「フリーズ中」ではないゲーム(つまり、通常ゲーム)を「非フリーズ中」という場合もある。フリーズ中においては、リール2L〜2Rによるリール演出が実行される。後述する図13〜図15に示すように、フリーズに制御されると、「遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作される」→「通常ゲーム時と同一の回転方向(本実施例では下方向)に、各リール2L、2C、2Rともに単位必要回転コマ数分、回転させる」を、フリーズ終了条件が成立するまで繰り返す。単位必要回転コマ数およびフリーズ終了条件については後述する。また、「各リール2L、2C、2Rともに1コマ回転させる」とは、リールモータ32L、32C、32Rを16ステップ駆動させるということである。このように、本実施例のスロットマシン1において、非フリーズ中(通常ゲーム時)では、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、図柄組合せを導出させる一方、フリーズ中では、MAXBETスイッチ6を操作することにより、図柄組合せ(後述する「途中仮表示結果」または「最終仮表示結果」)を導出させる。したがって、フリーズ中であっても、遊技者は非フリーズ中とは異なる操作で疑似的なゲームを楽しめることから、遊技の興趣を向上させることができる。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、メイン制御部41のシリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、メイン制御部41のシリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
図6〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。なお、ボーナス役には、BB1、RB1が含まれる。入賞ラインLN上に、図6に示す図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応するボーナス入賞が発生したことになる。
BB1に入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、BB信号がRAMに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、所定の入賞役(たとえば小役)の当選確率が所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、RB信号がRAMに設定される。すなわち、BB信号がRAMに設定されている間は、毎ゲーム、RB信号が設定された状態に制御される。BB1の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、247枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1に入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、RB信号がRAMに設定される。RB1の入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、5ゲーム遊技もしくは何れかの入賞役に5回入賞することを条件として終了する。
図9(a)に示すように、BB1またはRB1に内部当選してから入賞するまでは、RT4に遊技状態が制御される。また、BB1またはRB1が終了した後は、RT0に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1またはRB1に当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1またはRB1を構成する図柄(「赤7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
入賞役のうち再遊技役には、図6に示すリプ1〜7の7種類の再遊技役が含まれる。再遊技役についても入賞ラインLN上に、図6に示す図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応するリプレイ入賞が発生したことになる。なお、本実施例における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプa」という2種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、入賞ラインLNにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となるため、中段通常リプともいう。
図9(a)に示されるように、RT1においてリプ3に入賞した後は、RT3に制御される。RT1とRT3とを比較した場合、RT1は、少なくともRT2への制御契機となる特殊リプレイについて当選し得る状態である点において、RT3よりも遊技者にとって有利な状態であるといえる。このため、リプ3を転落リプともいう。
また、図9(a)に示されるように、RT3においてリプ4に入賞した後は、RT3よりも遊技者にとって有利なRT1に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
図9(a)に示されるように、RT1においてリプ5に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとってさらに有利なRT2に制御される。なお、前述したようにリプ5を特殊リプともいう。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルの1つ下の位置にリプaまたはリプbが配置され、右リール2Rについては、ベルの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ5の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「リプa/リプb−リプa−リプa」の組み合わせが右上がり、すなわち外形同一または外形類似の図柄が無効ラインLM4に揃うこととなる。一方、リプ4(昇格リプ)が入賞した場合は、リプ5が入賞したときのようにいずれのラインにおいても外形同一または外形類似の図柄が揃うことがない。
たとえば、図9(b)は、RT3からRT1への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図9(b)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号9〜11が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「リプa−リプa−ベル」の昇格リプの図柄組合せが停止されている。ここで、入賞ラインLNと異なる無効ラインのいずれにおいても外形同一または外形類似の図柄の組合せが揃って停止されることはない。
これに対して、図9(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ5(特殊リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図9(c)では、左リール2Lの領域番号14〜16が停止され、中リール2Cの領域番号14〜16が停止され、右リール2Rの領域番号6〜8が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「ベル−リプa−ベル」の特殊リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、特殊リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプb−リプa−リプa」という外形同一の図柄と外形類似の図柄とから構成される組合せが揃って停止されている。これにより特殊リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、特殊リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
図6に戻り、リプ6は、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段7リプともいう。なお、リプ6はRT2のときにのみ入賞することが可能であり、RT2において中段7リプが導出されてリプ6に入賞した場合には、後述するナビストックが必ず付与されるようになっている。
リプ1〜7を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜7のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行なわれる。
リプ1〜7のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、AT6、AT7、AT8、チェリー1、チェリー2、スイカ1、スイカ2、一枚1、一枚2、および一枚3が含まれる。なお、小役も、BB1〜3などと同様に、入賞ラインLN上に、図7に示す図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応する小役の入賞が発生したことになる。
ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2各々を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる役といえる。
AT1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
AT1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてAT1〜8のいずれかに当選していても、AT1〜8のうち当選しているATの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞することはない。ベル1、ベル2、およびAT1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが13枚払い出される。
チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が下段に停止して入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1、2各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1、2のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1、2のいずれかに入賞したときには、メダルが4枚払い出される。
スイカ1は、入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となることから、中段スイカともいう。スイカ2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ1、2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1、2のいずれかに当選していても、スイカ1、2のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1、2のいずれかに入賞したときには、メダルが10枚払い出される。
一枚1〜3各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において一枚1〜3のいずれかに当選していても、一枚1〜3のうち当選している一枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している一枚の入賞役に入賞することはない。一枚1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、移行出目を説明する。移行出目は、小役のうちAT1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
移行出目は、図8に示すように、ベル取りこぼし1、ベル取りこぼし2、および、ベル取りこぼし3を含み、図8に示す図柄の組み合わせが移行出目となる。
ベル取りこぼし1は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、ベル取りこぼし2は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、ベル取りこぼし3は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図9に示されるように、RT0、RT1、およびRT2において、いずれの入賞も発生することなく、移行出目が停止した後は、RT3に制御される。
次に、図10〜図12を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0〜RT4、およびRB、BBのいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図10〜図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役毎の、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図10、図11に示すように、遊技状態がRT0であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+最強チェリー、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+最強チェリー、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、およびリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+最強チェリー、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+最強チェリー、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+最強チェリー、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+最強チェリー、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、7揃いリプ、および7聴牌リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+最強チェリー、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+最強チェリー、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、および6択リプ1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT4であるときには、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、および6択リプ1、2が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT4のいずれの遊技状態においても、最強チェリー、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4については、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱一枚1〜3、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、弱チェリー、強チェリー、最強チェリーの判定値数を比較すると、弱チェリーよりも強チェリーの方が小さく、強チェリーよりも最強チェリーの方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、以下では、弱チェリー、強チェリー、最強チェリーをまとめて「チェリー」といい、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をまとめて「押し順ベル」という。たとえば、チェリー当選とは、弱チェリー、強チェリー、最強チェリーのうちいずれかに当選したことをいい、押し順ベル当選とは、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のうち、いずれかに当選したことをいう。
後述するように、強チェリー、強スイカ、最強チェリーに当選したときにAT抽選が行なわれ、強チェリー当選時よりも強スイカまたは最強チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、強チェリーよりも最強チェリーあるいは強スイカに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、リプ、6択リプ1〜6、3択リプ1〜6、7揃いリプ、および7聴牌リプの判定値数を、遊技状態毎に比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT2が最も高く、続いて、RT1、RT3、およびRT4がほぼ同じ確率でRT2よりも低くなるように、判定値数が設定されている。
また、RT2におけるリプと7揃いリプおよび7聴牌リプの判定値数を比較すると、リプよりも7揃いリプおよび7聴牌リプの方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。その中でも、7揃いリプは極めて低確率で当選するように設定されている。さらに、本実施例では、7揃いリプに当選したときにおいて白7の図柄が揃うリプ6が入賞した場合には、後述するナビストックが必ず付与されるようになっている。そのため、RT2中においては、7揃いリプに当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
次に、図12に示すように、遊技状態がRBであるときには、RB左ベルおよびRB右ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がBBであるときには、全役、BB役揃い1〜3、およびBB役聴牌1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
次に、リール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうちAT1またはAT4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、AT1およびAT4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、AT1またはAT4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT1またはAT4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、移行出目のうちベル取りこぼし3を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうちATを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、ATを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選しているATに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するATに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、移行出目のうちベル取りこぼし3を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中リール2C以外のリールであった場合には、AT1〜8のうち当選しているATの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選しているATの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、移行出目のうちベル取りこぼし2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2R以外のリールであった場合には、AT1〜8のうち当選しているATの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選しているATの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、移行出目のうちベル取りこぼし1を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
以上のように本実施例では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ移行出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態がAT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、仮にRT1のときにATが終了して非ATに制御されたときは、高い確率で移行出目が停止されるため、当該RT1を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときあるいは所定条件成立時においてナビ演出が実行されたときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、ベルを確実に入賞させることができ、遊技状態がRT1やRT2であっても、RT3に転落することを回避させることができる。
次に、チェリー当選したときのリール制御について説明する。まず、弱チェリーが当選したときにおいては、左リール2Lの「チェリー」を下段に引き込み可能なタイミングで停止操作された場合にチェリー2を入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2Lの「チェリー」を下段に引き込み不可能な場合にチェリー2を取りこぼすリール制御(「チェリー」を中段にも上段にも引き込まないリール制御)が行なわれる。中リール2Cおよび右リール2Rについて、弱チェリーが当選しているゲームでは、中リール2Cの「チェリー」を中段および下段のいずれにも停止させず、また右リール2Rの「チェリー」を上段および下段のいずれにも停止させないように、リール制御を行なう。このため、弱チェリー当選によりチェリー2に入賞した場合でも、無効ラインLM2あるいは無効ラインLM4上に、「チェリー」が2つ以上停止されない。一のライン上に「チェリー」が1つしか停止していないことを、以下では「単チェリー」ともいう。
また、強チェリーあるいは最強チェリーが当選したときにおいては、左リール2Lの「チェリー」を中段に引き込み可能なタイミングで停止操作された場合にチェリー1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、「チェリー」を中段に引き込み不可能な場合において当該「チェリー」を下段に引き込み可能なタイミングで停止操作された場合にチェリー2を入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2Lの「チェリー」を下段に引き込み不可能な場合にチェリー1およびチェリー2を取りこぼすリール制御が行なわれる。
また、強チェリーが当選しているゲームでは、中リール2Cの「チェリー」を中段または下段に停止させるか、右リール2Rの「チェリー」を上段または下段に停止させるリール制御を行ない得る。このため、強チェリー当選している場合には、無効ラインLM2上または無効ラインLM4上に「チェリー」が2つ停止可能となるが、無効ラインLM2上および無効ラインLM4上のいずれにも「チェリー」が3つ揃って停止されない。一のライン上に「チェリー」が2つ停止しているが3つ揃っていないことを、以下では「2連チェリー」ともいう。
一方、最強チェリーが当選しているゲームでは、中リール2Cの「チェリー」を中段および下段に停止させ、かつ、右リール2Rの「チェリー」を上段または下段に停止させるリール制御を行ない得る。このため、最強チェリー当選している場合には、無効ラインLM2上または無効ラインLM4上に「チェリー」が3つ揃って停止可能となる。一のライン上に「チェリー」が3つ揃って停止することを、以下では「3連チェリー」ともいう。
なお、弱チェリー、強チェリー、および最強チェリーのうちいずれかに当選し、かつBBあるいはRBにも当選しているゲームにおいて、当選しているチェリーを取りこぼす場合には、当選しているBBあるいはRBを引き込み可能な範囲内で引き込むリール制御が行なわれる。
弱一枚1〜3に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、移行出目と異なる予め定められた弱チャンス目を停止させるリール制御を行なう。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、移行出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、弱チェリー、強チェリー、最強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行なわれる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ2を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカを停止させ、スイカ2を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ2よりもスイカ1を優先して入賞ラインLNに引き込み、中段スイカを停止させ、スイカ1を引き込むことができない場合にはスイカ2を引き込み、スイカ2をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
また、リプに当選しているゲームにおいては、第1停止されたリールが左リール2Lであるか否かなどに応じて、リプ1またはリプ2を入賞させる制御が行なわれる。左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ2を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ1に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させ、その後、中リール2C、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ2に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させ、その後、右リール2R、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ3に当選しているゲームにおいては、中リール2Cを第1停止させ、その後、左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ4に当選しているゲームにおいては、中リール2Cを第1停止させ、その後、右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ5に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させ、その後、左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ2の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ6に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、右リール2Rを第1停止させ、その後、左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ2の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
このように、6択リプ1〜6のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
ここで、RT3であるときには、左リール2Lを第1停止させた場合に昇格リプが入賞する6択リプ1、2が当選する確率は0%である。また、本実施例では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。そのため、非AT中では、昇格リプを入賞させることができないようになっており、遊技者はRT1に移行することなく、ATに制御されるまでRT3で遊技を行なうようになっている。
3択リプ1に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ2に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ3に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ4に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ5に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ6に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
このように、3択リプ1〜3のいずれに当選したかによって、リプ4またはリプ3を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。また、3択リプ4〜6のいずれに当選したかによって、RT2への移行を伴うリプレイ5(特殊リプ)またはリプレイ3を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときに3択リプ1または3択リプ4に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、それ以外の3択リプに当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT1へ制御されていたとしても、当該RT1を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときあるいは所定条件成立時においてナビ演出が実行されたときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、3択リプに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT1への制御を維持させることができる。
また、上記のように、3択リプ4〜6のうちいずれかに当選している場合には、停止操作順に応じて、RT2への移行を伴うリプレイ5(特殊リプ)を入賞させる制御か、RT3への移行を伴なうリプレイ3を入賞させる制御が行なわれる。
なお、内部抽選において3択リプ4〜6に当選して特殊リプに入賞したときには、所定期間に亘って、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を有効に受付けないことによりゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御される。
7揃いリプに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させて、かつ白7の図柄を狙ったときには、リプ6の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。また、右リール2Rを第1停止させたが、白7の図柄を狙わなかったときには、リプ7の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。さらに、右リール2R以外を第1停止させたときには、リプ1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。なお、本実施例では、リプ6を入賞させたときにはナビストックが必ず付与される。
7聴牌リプに当選した場合において、右リール2Rを第1停止させたときには、リプ7の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させたときには、リプ1を入賞させるリール制御を行なう。
遊技状態がBBであるときには、いずれの役が当選したときにおいても、ベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。
RB左ベルが当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときには、AT1〜8のいずれかの図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、ベル取りこぼし1〜3のいずれかを入賞させるリール制御を行なう。
RB右ベルが当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときには、ベル取りこぼし1〜3のいずれかの図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、AT1〜8のいずれかを入賞させるリール制御を行なう。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて、リール制御を行ない、表示結果にしたがってメダル払出や遊技状態移行を行なう。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
ここで、図9(a)を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、図9(a)に示されるように、設定変更状態が終了した後やボーナスが終了した後において、RT0に制御される。RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよびATを取りこぼして、入賞ラインLNに移行出目が停止され、いつまでも移行出目が停止されずにRT3に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜4においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、AT中でないときのゲームの流れについて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、前述したように、AT中でないときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、AT中でないときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行なう。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT3では、リプ4(昇格リプ)に入賞することにより、RT1に移行される。リプ4に入賞するためには、図11で示したように、6択リプ1〜6のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる6択リプ1、2の当選確率は0%である。さらに、非AT中においては左リール2Lを第1停止させるように設計されているため、ATが行なわれない限り、RT1に移行される可能性はない。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT3では、6択リプ1〜6のいずれかに当選したときに、リプ4を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ4入賞によりRT1に移行させることができる。
また、RT1では、3択リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ4を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ4入賞によりRT1を維持させることができる。
さらに、RT1では、3択リプ4〜6のいずれかに当選したときに、リプ5(特殊リプ)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ5入賞によりRT2に移行させることができる。
なお、RT1においてATが終了して非ATに制御された場合は、3択リプ1〜6のいずれかに当選してもナビ演出が実行されないため、リプ3が入賞することによってRT3に移行されてしまう。
RT2では、7揃いリプに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。より具体的には、たとえば、右リール2Rを第1停止させる旨と白7の図柄を揃える旨とを報知するナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ6入賞によりナビストックを付与させることができる。
また、RT2では、7聴牌リプに当選したときに、7揃いリプに当選したときと同じナビ演出が実行される。ここで、7聴牌リプが当選した場合は操作手順に従うか否かにかかわらず、リプ1またはリプ7といった通常のリプレイが入賞するが、このように、7聴牌リプが当選したことに対してもナビ演出を行なうことによって、もしかしたら7揃いリプに当選したかもしれないと遊技者に思わせることができ、遊技に対する期待感を向上させることができる。なお、7揃いリプの当選確率は低く滅多に当選することがないが、このように、7聴牌リプに対してもナビ演出を行なうことによって、遊技者がナビストック付与に対して期待する機会を多くもうけることができる。
このように、本実施例のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。本実施例では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態におけるATは、1セット(ナビストック1消費して)50ゲームである。AT中におけるRT1においては、内部当選結果が特定結果(本実施の形態においては、3択リプ4〜6に当選)となったときに、リプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、50ゲームのカウントを開始する旨を報知するAT開始演出が実行される。なお、RT2でATに制御された場合においては、ATに制御後すぐにAT開始演出が実行される。
さらに、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示されるのに対し、AT中のRT1からRT2に移行したときには、AT開始演出が行なわれるとともに液晶表示器51における背景画像も変化するようになっている。
また、ATであるか否かにかかわらず、チェリー当選したときには、チェリー当選を想起させる演出が実行される。たとえば、チェリー当選したときには、「チェリーを狙え!」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。また、ATであるか否かにかかわらず、スイカ当選したときには、スイカ当選を想起させる演出が実行される。たとえば、スイカ当選したときには、「スイカを狙え!」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。これにより、チェリーやスイカを取りこぼす可能性を低減させることができる。
また、本実施例におけるメイン制御部41により実行されるゲーム処理では、Sd2における内部抽選処理において内部抽選が行なわれた後、フリーズに関連する処理(フリーズ演出抽選処理およびフリーズ関連処理)が行なわれる。
本実施例におけるスロットマシン1では、強チェリー、最強チェリー、強スイカのうちいずれかに当選したときに(図15参照)、所定期間に亘ってフリーズ状態に制御する演出(以下、フリーズ演出ともいう)が行なわれる。そして、フリーズ中の仮表示結果によりAT当選してナビストックを獲得した旨や、AT抽選が行なわれる旨を示唆するリール演出が行なわれる。
リール演出において停止される出目を仮表示結果ともいい、仮表示結果を構成する図柄を「仮表示図柄」ともいう。仮導出表示結果を導出させることを「仮導出」ともいう。仮表示結果とは、停止されることによってはゲームを進行させることのない出目であればよく、たとえば、停止されることによって1ゲームを終了させる出目ではない。また、仮表示結果とは、通常ゲーム時に入賞を発生させる結果でもよく、通常ゲーム時に入賞を発生させない結果でもよい。本実施例の仮表示結果には、「当り仮表示結果」と「外れ仮表示結果」がある。また、最終的に「当り仮表示結果」が仮導出されるフリーズを「当りフリーズ」といい、最終的に「当り仮表示結果」が仮導出されるフリーズを「外れフリーズ」という。後述するように、「当りフリーズ」であるか「外れフリーズ」であるかはフリーズ抽選処理(後述する図18のSf1参照)で決定される。そして、「当りフリーズ」に決定されたときには、「外れフリーズ」に決定されたときよりも、付与されるATゲーム数の期待値が高い(後述する図17参照)。本実施例の当り仮表示結果は、「赤7−白7−チェリー」の1種類である。このように、本実施例の当り仮表示結果とは、通常ゲーム時にボーナス入賞や小役の入賞を発生させる表示結果または当該表示結果と類似する表示結果ではない。さらに、当り仮表示結果の構成図柄は、プレミア感のある特定の図柄「赤7」、「白7」、「チェリー」(「BAR」でもよい。)が設定されている。このため、遊技者は仮導出された当り仮表示結果が仮停止されても、当該仮表示結果を通常ゲーム時のプレミア感のある表示結果(ボーナス入賞など)であるなどと誤認させることなく、かつ、プレミア感を直感的に認識させることができる。また、「外れ仮表示結果」についても通常ゲーム時にボーナス入賞や小役の入賞を発生させる表示結果または当該表示結果と類似する表示結果ではない。
また、フリーズ中に仮表示結果を停止させるまでの態様は、非フリーズ中において表示結果を停止させるまでの態様とは異なる態様である。異なる態様とは本実施例では、フリーズ終了条件が成立するまで、「遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作される」→「通常ゲーム時と同一の回転方向(本実施例では下方向)に、各リール2L、2C、2Rともに単位必要回転コマ数分、回転させる」を繰り返す態様である。
図13は、メイン制御部41により実行されるフリーズ関連処理のフローチャートを説明するための図である。また、図14は、フリーズ中の仮導出される仮表示結果の一例を示した図である。図14および後述する図18については、太線で囲まれた図柄については、透視窓3に表示されている図柄を示し、破線で示された図柄については、透視窓3に表示されている図柄の、リールの回転方向と逆方向側に配置されている図柄を示す。たとえば、図14(A)の導出状態から、各リール2L、2C、2Rが1コマ回転すると、図14(B)に示す「リプ−チェリー−プラム」が無効ラインLM1上に仮導出されることになる。
フリーズ関連処理は、1ゲーム毎の内部抽選処理において、強チェリー、最強チェリー、強スイカのうちいずれか(以下、「フリーズ演出実行当選役」という。)に当選した場合に、メイン制御部41により実行される。Sf3以降の処理が行なわれることによってゲームの進行を遅延させるフリーズが発生し、当該フリーズは、後述するSf12でのフリーズ終了条件が成立した後、通常回転に移行するまで継続して実行される。フリーズが発生した場合には、ゲームを進行させるための操作(具体的には、ゲーム結果を導出させるためのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作)を有効化するタイミングが、少なくともフリーズ関連処理が終了するまで遅延する。
また、本実施例でのフリーズ中におけるリール演出において、フリーズ演出が当りフリーズである場合には、当り仮表示結果として、図14(D)に示す「赤7−白7−チェリー」が仮導出されることにより、ナビストックが付与された旨が示唆される。
Sf1では、フリーズ抽選処理が実行される。フリーズ抽選処理は、フリーズ抽選用テーブルを用いて実行される。図15にフリーズ抽選用テーブルの一例を示す。フリーズ抽選用テーブルは、今回のフリーズ抽選を行なう契機が、強チェリー単独当選、最強チェリー単独当選または強スイカ単独当選であるかに応じてフリーズの実行確率が異なるように定められている。
また、本実施例のフリーズ抽選の決定対象には、フリーズ不実行、外れフリーズ、当りフリーズがある。フリーズ抽選により、フリーズ不実行が決定されると、フリーズが実行されず、外れフリーズが決定されると、フリーズ中に最終的に仮導出される仮表示結果(以下、「最終仮表示結果」という。)は外れ仮表示結果となる。外れ仮表示結果とは、通常ゲーム時に入賞を発生させる表示結果ではなく、かつ、外れ仮表示結果の構成図柄がプレミア感のない特定の図柄(「ベル」、「オレンジ」など)である。このような外れ仮表示結果とすることにより、当該外れ仮表示結果を目視した遊技者は、フリーズ演出が外れであることを認識できる。
また、フリーズ抽選により、当りフリーズが決定されると、最終仮表示結果として上述の「赤7−白7−チェリー」(図14(D)参照)が仮導出される。また、上述のように、リール演出中に、当り表示結果になったときには、外れ仮表示結果になったときよりも、付与されるATゲーム数の期待値が高い(後述する図17参照)。また、リール演出中に、外れ仮表示結果が仮表示されたときには、フリーズ不実行になったときよりも付与されるATゲーム数の期待値が高い(後述する図17参照)。また、当りフリーズ、外れフリーズをそれぞれ当りフリーズ、外れフリーズという場合もある。また、最終仮表示結果が仮導出されるまでに仮導出される仮表示結果を「途中仮表示結果」という。
図15の例では、強チェリー当選している場合には、フリーズ不実行の確率が40%であり、外れフリーズの確率が30%であり、当りフリーズの確率が30%である。また、最強チェリーまたは強スイカが当選している場合には、フリーズ不実行の確率が20%であるのに対し、外れフリーズの確率が10%であり、当りフリーズの確率が70%である。このように、本実施例では、強チェリーが当選したときよりも、最強チェリーまたは強スイカが当選したときの方が、高い確率で当りフリーズが実行される。
また、Sf1で、外れフリーズまたは当りフリーズが実行されると決定された場合には、フリーズ種類特定コマンド、フリーズ中回転開始コマンドをサブ制御部91に送信する。上述のように、フリーズ種類特定コマンドとは当りフリーズまたは外れフリーズを特定できるコマンドである。フリーズ中回転開始コマンドを受信したサブ制御部91は、フリーズに対応した演出を実行することができる。また、本実施例では、外れフリーズが実行されると決定されようと、当りフリーズが実行されると決定されようと、サブ制御部91により同一の演出が実行される。これにより、外れフリーズが実行されたとしても、当りフリーズが実行されたとしても、サブ制御部91は同一の演出を実行することから、遊技者は、当りフリーズが実行されているか、または、外れフリーズが実行されているかを特定することができず、仮表示結果が当り仮表示結果であるか外れ仮表示結果であるかといった期待を遊技者に抱かせることができる。また、サブ制御部91はフリーズ演出については1種類の演出データを保持すればよいことから、サブ制御部91の処理負担およびお記憶容量を軽減できる。以下では、Sf1において当りフリーズが決定された場合の図13の処理の流れを説明する。
Sf2では、フリーズが実行されるか否かが判断される。フリーズが実行されないと判断されると、フリーズ関連処理は終了する。フリーズが実行されると判断されると、Sf3に移行する。
Sf3では、準備表示結果を導出する。準備表示結果とは、フリーズが実行されるための前段階の表示結果である。本実施例のスロットマシン1は、準備表示結果を複数備え、乱数抽選などにより、準備表示結果を決定する。本実施例では、当該乱数抽選などにより決定された準備表示結果を、図14(A)に示すようにフリーズ開始後における最初の仮表示結果として仮導出させる。以下では、準備表示結果から途中仮表示結果に移行させる制御、および途中仮表示結果から次の仮途中表示結果に移行させる制御を単位フリーズ演出という。また、本実施例では、準備表示結果を導出するフリーズ演出について説明するが、当該準備表示結果を導出させずにフリーズ演出を開始させるようにしてもよい。この場合には、フリーズ演出が開始されるときに導出されている表示結果が図14(A)に示す表示結果となる。
また、Sf3で、導出される準備表示結果が決定されると、フリーズ抽選により当りフリーズが決定された場合には、各リール2L、2C、2Rそれぞれについて、「決定された準備表示結果から、当り仮表示結果までのコマ数(以下、「必要回転コマ数」という。)が算出されると共に、単位フリーズ演出の回数が決定される。単位フリーズ演出の回数については、乱数抽選により決定される。そして、それぞれの単位フリーズ演出に対して、必要回転コマ数が割り振られる。それぞれの単位フリーズ演出に割り振られた必要回転コマ数を「単位必要回転コマ数」という。当該単位必要回転コマ数については、途中仮表示結果が入賞表示結果と同一また類似とならないように、変更させることができる。入賞表示結果については後述する。
図14は、単位フリーズ演出の回数が3回であり、必要回転コマ数が「5」に決定された場合を例示した図である。なお、図14(A)では記載していないが、最上部の「スイカ−リプレイ−リプレイ」の1つ上の図柄は「赤7−白7−チェリー」が存在する。1回目の単位フリーズ演出(図14(A)から図14(B)までの単位フリーズ演出)についての必要回転コマ数は、各リールともに「1」、割り振られたとする。2回目の単位フリーズ演出(図14(B)から図14(C)までの単位フリーズ演出)についての必要回転コマ数は各リールともに「1」、割り振られたとする。3回目の単位フリーズ演出(図14(C)から図14(D)までの単位フリーズ演出)についての必要回転コマ数は各リールともに「3」、割り振られたとする。
一方、フリーズ抽選により、外れフリーズが決定された場合には、単位フリーズ演出の回数のみが決定される。
また、Sf3の処理終了後に、サブ制御部91は、フリーズ制御が開始されたことを特定すると、MAXBETスイッチ6の操作を遊技者に促進させる操作促進演出を実行する。たとえば、操作促進演出は、液晶表示器51に「MAXBETスイッチを押せ!」などといったメッセージを表示させたり、当該メッセージに係る音声をスピーカ53、54から出力させる演出である。このように、操作促進演出を実行することにより、フリーズ中であっても、操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
Sf4では、それぞれのリール2L、2C、2Rについて、入賞ラインLN上に導出されている図柄についての図柄特定情報をメイン制御部41のRAMに記憶させる。上述のように、図柄特定情報は、基準となる図柄(たとえば、領域番号が「0」の図柄)から当該入賞ラインLN上に停止されている図柄までのリールモータ32のステップ数や当該図柄の識別情報などをいう。この例では、図14(A)に示す、入賞ラインLN上に導出されている図柄(オレンジ−オレンジ−白7)についての図柄特定情報がメイン制御部41のRAMに記憶される。
Sf5では、1回目の単位フリーズ演出が実行されたと仮定した場合に仮導出される仮表示結果を構成する図柄それぞれの図柄特定情報を算出する。以下では、「仮表示結果を構成する図柄それぞれの図柄特定情報を算出する」ことを単に「仮表示結果を算出する」という。上述のように、本実施例のリール演出については、「遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作される」→「下方向に、各リール2L、2C、2Rともに単位必要回転コマ数分、回転させる」である。したがって、図14(A)の導出状態から各リール2Cともに、1コマ移動された図14(B)に示す仮表示結果を算出する。また、当該算出された仮表示結果については、メイン制御部41のRAMに一旦記憶させるようにしてもよい。
Sf7では、遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作されたか否かが判断される。Sf7で、MAXBETスイッチ6が操作されたと判断されると、Sf8に移行する。一方、MAXBETスイッチ6が操作されたと判断されなかった場合には、Sf9に移行する。Sf9では、上述の操作促進演出開始時から、所定時間(たとえば、10秒)経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合には、Sf7に戻る。また、所定時間経過したと判断されると、Sf8に移行する。このように、フリーズ制御が開始した時から、MAXBETスイッチ6を操作しない期間が所定時間に到達すると、Sf8に移行する。したがって、MAXBETスイッチ6が操作されぬまま、フリーズ演出が延々と継続するという事態を回避できる。
Sf8では、Sf5で算出された仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似するか否かを判断する。入賞表示結果とは、通常ゲーム時において、所定の入賞を発生させる表示結果である。本実施例での所定の入賞とは、再遊技役を除く入賞役、つまり、ボーナス役、小役である。すなはち、ボーナス役、小役を入賞させる表示結果と同一または類似の仮表示結果を仮導出させないようにする。つまり、算出された仮表示結果は、再遊技役に係る表示結果と同一または類似であってもよいが、ボーナス役または小役に係る表示結果と同一または類似であってはならない。また、仮表示結果が、再遊技役に係る表示結果と同一または類似でもよい理由については後述する。
また、「仮表示結果が入賞表示結果と類似する」とは、遊技者が、仮表示結果を入賞表示結果と誤認する虞のあることをいう。具体的には、所定表示結果として通常ゲーム時のボーナス入賞の「赤7−赤7−赤7」を備える場合には、「所定表示結果と類似となる仮特定表示結果」とは、「赤7−白7−赤7」などである。
Sf8において、算出された仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似ではない、つまり、遊技者の誤認を生じない程度に、算出された仮表示結果が入賞表示結果と異なる、と判断された場合には(Sf8のNO)、Sf10に移行する。また、算出された仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似であると判断された場合には(Sf8のYES)、Sf11に移行する。
Sf8での判断手法例について説明する。入賞表示結果を構成する図柄それぞれについての図柄特定情報、および、入賞表示結果と類似する表示結果を構成する図柄それぞれについての図柄特定情報が、予めメイン制御部41のROMに記憶されている。そして、算出された仮表示結果を構成する図柄についての図柄特定情報と、当該ROMに記憶されている図柄特定情報とを比較し、同一であると判断されれば、算出された仮表示結果と入賞表示結果とは同一または類似であると判断され、異なると判断されれば、算出された仮表示結果と入賞表示結果とは同一でもなく類似でもないと判断される。
たとえば、現在の導出状態が図14(A)に示される状態であれば、Sf5において算出される仮表示結果は図14(B)に示すものである。そして、図14(B)に示す仮表示結果は、入賞表示結果とは同一でもなく類似でもないので、Sf8では、NOと判断され、Sf10において、各リール単位必要回転コマ数分回転させることにより図14(B)に示す仮表示結果を仮導出させる。その後、Sf12に移行する。
Sf12では、フリーズ終了条件が成立したか否かが判断される。ここで、フリーズ終了条件とは、Sf1でのフリーズ抽選処理において、当りフリーズが決定された場合には、当り仮表示結果が仮導出されることにより成立する条件であり、外れフリーズが決定された場合には、外れ仮表示結果が仮導出されることにより成立する条件である。フリーズ終了条件が成立したと判断されると(Sf12のYES)、フリーズ回転処理は終了し、フリーズ終了条件が成立していないと判断されると(Sf12のNO)、Sf4に移行される。そして、フリーズ終了条件が成立するまで、Sf4〜Sf11の処理が繰り返される。そして、フリーズ終了条件が成立すると、通常回転(通常ゲーム時のリール回転)に移行させるための所定のリール制御(以下、「通常回転移行リール制御」という。)を行なった後、フリーズ状態を終了する。
図14(B)の時点では、当り仮表示結果が仮導出されておらず、Sf12ではNOと判断され、Sf4に戻る。Sf4では、図14(B)に示す仮途中仮導出結果を構成するそれぞれの図柄の図柄特定情報が記憶される。なお、前回記憶した図14(A)についての図柄特定情報は消去される。
次に、現在の導出状態が図14(B)に示される状態であり、Sf5において算出される仮表示結果は無効ラインLM1上に仮導出される「ベル−ベルーベル」である。無効ラインLM1上に仮導出された「ベル−ベルーベル」は、ベル1(図7参照)の表示結果(入賞表示結果)と同一であることから、無効ラインLM1上に「ベル−ベルーベル」が仮導出されると、フリーズ中であるにも関わらず、遊技者は、「通常ゲーム時でベル1(図7参照)が入賞した」と誤認し、遊技の興趣を低下させてしまう。
そこで、算出された仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似である場合には、Sf11において、図14(C)に示すように、入賞ライン上に「スイカ−チェリー−プラム」を仮導出させる。具体的なリール制御としては、図14(B)の導出状態から、リール2C、リール2Rについては、1コマ下方向に回転させるが、リール2Lについては回転させない。このように、リール2Lのみを回転させないことにより、図14(C)に示すように、入賞表示結果と同一でもなく類似でもない途中仮表示結果を仮導出させることができ、遊技者の混乱を防止することができる。このSf11のように、入賞表示結果とは同一でもなく類似でもない途中仮表示結果を仮導出させるリール制御を「特殊リール制御」という。
また、Sf10、Sf11において、仮表示結果を導出させると、図柄を揺動させる。通常ゲーム時においては、表示結果が導出されたとしても、図柄を揺動させることはない。したがって、遊技者に対して、フリーズ中か通常ゲームであるか混同させることなく、遊技の興趣を向上させることができる。なお、図柄の揺動については、上述したリール振動手段により行なうことができる。
当該Sf11の処理を経て、Sf12のNO→Sf4→Sf5→Sf6の処理が終了した後のSf8では、現在の導出状態が図14(C)であり、入賞ラインLN上に、当り仮表示結果としての「赤7−白7−チェリー」を仮導出させるために、左リール2Lについては4コマ回転させ、中リール2Lについては3コマ回転させ、右リール2Rについては3コマ回転させる。
一方、フリーズ抽選処理において外れフリーズが決定された場合には、決定された「単位フリーズ演出の回数」分だけ単位フリーズ演出を実行させる。また、それぞれの単位フリーズ演出による途中仮表示結果が、入賞表示結果と同一または類似とならないように単位フリーズ演出は実行される。そして、決定された「単位フリーズ演出の回数」分だけ単位フリーズ演出が実行されることによりフリーズ終了条件が成立されたと判断する。また、フリーズ抽選処理において外れフリーズが決定された場合には、所定の外れ仮表示結果が仮導出されることによりフリーズ終了条件が成立するようにしてもよい。
このように、図13に示すフリーズ関連処理が実行されることにより、フリーズ抽選処理で当りフリーズまたは外れフリーズが決定されたとしても、遊技者の混同を生じさせることなく、途中仮表示結果または最終仮表示結果を仮導出させることができる。
また、図13に示したSf4〜Sf8の順番に限らない。たとえば、Sf8の判断処理については、Sf5の仮導出算出処理の後に、実行するようにしてもよい。そして、判断結果については、一旦メイン制御部41のRAMに記憶させ、Sf7の処理終了後に、当該記憶された判断結果を用いて、Sf10またはSf11の処理を実行する。
また、Sf4の処理である図柄特定情報の記憶処理については、省略することもできる。たとえば、Sf5の仮表示結果算出処理においては、準備表示結果の図柄を特定できる図柄特定情報から、仮表示結果の算出を行なうようにしてもよい。この場合には、Sf4の記憶処理を省略できることから、メイン制御部41のRAMの記憶容量を削減できる。
次に、図13のSf5で算出された仮表示結果(途中仮表示結果または最終仮表示結果)が再遊技役に係る表示結果と同一または類似であってもよい理由について説明する。もし、ボーナス役または小役に係る表示結果と同一または類似である仮表示結果が仮導出されると、フリーズ中であるのにもかかわらず、遊技者は通常ゲーム時においてボーナス役または小役に入賞したと誤認し、遊技者の落胆を招く場合がある。しかし、再遊技役に係る表示結果と同一または類似である途中仮表示結果が仮導出されたときには、次の単位フリーズ演出が実行されることで再びリールが回転し、再遊技役に係る表示結果と同一または類似である最終仮表示結果が仮導出されたときには、通常ゲームに戻り通常ゲーム時のリール演出で再びリールが回転することから、通常ゲーム時に再遊技役に入賞した場合とのリール制御と殆ど同じである。したがって、遊技者の落胆を招くことはなく、仮表示結果(途中仮表示結果または最終仮表示結果)が再遊技役に係る表示結果と同一または類似であってもよい。
また、本実施例では、図14(D)に示したように、当りフリーズに決定された場合には、入賞ラインLN上に「赤7−白7−チェリー」が仮導出されるとして説明した。この場合に、Sf5で算出された仮導出結果が、入賞ラインLN以外のライン、たとえば、無効ラインLM1〜LM4上に表示される「赤7−白7−チェリー」の表示結果(以下、「無効ライン表示結果」という。)と同一または類似となる場合には、当該無効ライン表示結果と同一でもなく類似でもない仮表示結果を導出させるリール制御を行なう。何故ならば、外れフリーズに決定されて無効ラインLM1〜LM4に「赤7−白7−チェリー」が仮導出されると、遊技者は、当りフリーズに決定したと誤認する可能性があるからである。
また、図13〜図15の例では、Sf11の特殊リール制御として、リール2Lを回転させず、リール2C、2Rを、単位必要コマ数分回転させるとして説明した。その他の特殊制御として、リールを通常ゲーム時とは逆回転(つまり、上方向)させたり、「単位必要コマ数+S(Sは整数)」だけ回転させるようにしてもよい。このように、特殊リール制御については、仮表示結果が入賞表示結果と同一でもなく類似でもないようにできれば、リール制御を行なってもよい。
また、本実施例では、非フリーズ中において、リール2が回転している間に、ストップスイッチ8が操作されたときの操作時態様と、フリーズ中において、リール2が回転している間に、Sf7でMAXBETスイッチ6が操作されたときの操作時態様とは異なる。ここで、操作時態様とは、遊技者が、操作部(ストップスイッチ8やMAXBETスイッチ6など)を操作したときの態様をいい、操作部を操作したときのスピーカ53、54からの遊技音出力態様や、リールLED55の発光態様などを含む。このように、非フリーズ中にストップスイッチ8が操作されたときの操作時態様とフリーズ中にMAXBETスイッチ6が操作されたときの操作時態様とを異ならせることにより、遊技者に対して、フリーズ中であるか非フリーズ中であるかの混同を防ぐことができる。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中でかつナビ演出が実行されていないときに受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行なう。所定のペナルティとは、たとえば、所定期間(2000ゲーム)に亘ってATへ制御させないように規制すること、後述するAT抽選におけるAT当選確率を低確率に変更すること、あるいは、AT抽選を行なわないことなど、遊技者にとって不利となる制御を行なうことなどをいう。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中に受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT3中においては6択リプ3〜6の当選時におけるリプ4の入賞などが該当する。
次に、サブ制御部91側において行なわれる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行なう。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、RT2に制御されてから50ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図16は、サブ制御部91により実行されるAT抽選関連処理を説明するためのフローチャートである。AT抽選関連処理では、AT抽選条件の成立に応じて、ナビストック数を付与するか否か、および、付与する場合にナビストック数をいくつ付与するかを抽選するAT抽選と、成立したAT抽選条件に対応する演出を設定するための処理とが行なわれる。AT抽選関連処理は、ゲーム開始に関連するタイミングで実行される。
Ss1では、AT抽選条件が成立したか否かが判定される。本実施例におけるAT抽選条件としては、図17に示すように、外れフリーズが実行されることにより成立する第1条件と、当りフリーズが実行されることにより成立する第2条件と、強チェリー当選しかつフリーズ不実行であることにより成立する第3条件と、最強チェリーまたは強スイカに当選しかつフリーズ不実行であることにより成立する第4条件とが定められている。第1条件または第2条件の成否は、図13のSf1でのメイン制御部41から送信されるフリーズ種類特定コマンドから特定される。また、第3条件、第4条件については、メイン制御部41から送信されるフリーズ種類特定コマンドの有無および内部当選コマンドから特定される。
また、第3条件、第4条件は、所定の抽選対象役に当選によっても成立する例について説明するが、抽選対象役に含まれる所定の入賞役(第3条件であればチェリー、第4条件であればチェリーまたはスイカ)に入賞することにより成立するものであってもよい。また、AT抽選条件は、前述した第1〜第4条件に限らず、たとえば、ボーナス当選あるいは入賞により成立する条件を含むものであってもよい。
Ss1においていずれかのAT抽選条件が成立していると判定されたときには、Ss2において現在制御されている遊技状態が、RT4(ボーナス当選したゲームを含む)でもボーナス中でもないかが判定される。現在制御されている遊技状態については、メイン制御部41から送信される遊技状態コマンドおよび内部当選コマンドから特定される。Ss2においてRT4あるいはボーナス中のいずれかであると判定されたときには、後述するAT抽選を行なうことなくAT抽選関連処理を終了する。このように、本実施例におけるスロットマシン1では、ボーナス当選してからボーナス終了するまでの間において、AT抽選が行なわれない。
一方、Ss2においてRT4でもボーナス中でもないと判定されたときには、Ss3においてAT抽選が行なわれる。
図17は、AT抽選に用いるAT抽選テーブルを説明するための図である。図17に示すように本実施例では、成立したAT抽選条件に対応して定められた抽選確率に従ってナビストックが付与されるようになっている。AT抽選テーブルにおいては、ナビストック数(0個、1個、2個、3個、5個、10個)に対応して所定のAT抽選条件毎にナビストックが付与される振分率が設定されている。
より具体的に、外れフリーズが実行されたことにより第1条件が成立したときには、付与されるナビストックが1個となる確率が80%、2個となる確率が20%に設定されている。
当りフリーズが実行されたことにより第2条件が成立したときには、付与されるナビストックが1個となる確率が10%、2個となる確率が15%、3個となる確率が35%、5個となる確率が40%に設定されている。
強チェリー当選しかつフリーズ不実行となることにより第3条件が成立したときには、付与されるナビストックが0個となる確率が90%、1個となる確率が10%に設定されている。最強チェリーまたは強スイカ当選しかつフリーズ不実行となることにより第4条件が成立したときには、付与されるナビストックが0個となる確率が70%、1個となる確率が20%、2個となる確率が10%に設定されている。
このように、AT抽選条件が成立したときにナビストックが付与される確率は、第1条件または第2条件のいずれかに成立した場合には100%であり、次に第4条件、第3条件の順となるように設定されている。また、付与されるナビストック数の期待数(たとえば確率×個数の和)は、第2条件成立時、第1条件成立時、第4条件成立時、第3条件成立時の順番で大きくなるように設定されている。つまり、強チェリー、最強チェリー、強スイカのうちいずれかに当選した場合において、フリーズ不実行になった場合であっても、第3条件あるいは第4条件が成立するため、期待を抱かせることができる。
さらに、強チェリー、最強チェリー、強スイカのうちいずれかに当選した場合においてフリーズ実行になった場合には、第1条件または第2条件のいずれになるかといった期待を抱かせることができる。そして、実行されるリール演出においては、当りフリーズ演出外れフリーズ演出の順番で、ナビストック数の期待数が多くなるように設定されている。したがって、遊技者に実行されるリール演出の種類に対する期待を抱かせることができる。
図示を省略しているが、前述したように、RT2においてリプ6に入賞したときにもAT抽選条件が成立し、この場合には、ナビストックが必ず付与されるようにAT抽選が行なわれる。なお、RT2においては、リプ6に入賞せずとも、リプ6に当選することによりAT抽選条件が成立し、ナビストックが必ず付与されるようにしてもよい。
図16に戻り、Ss4においては、成立したAT抽選条件に対応する演出を設定しAT抽選関連処理を終了する。これにより、設定された演出が、フリーズ中あるいは今回開始されるゲームにおいて実行される。AT抽選条件に対応する演出としては、第2条件が成立している場合において、当り仮表示結果「赤7−白7−チェリー」が導出されたら「やったね!ナビストック獲得!!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出を実行する。また、第3条件や第4条件が成立している場合には、所定の連続演出が定められている。所定の連続演出としては、たとえば、3ゲームに亘り味方キャラクタと敵方キャラクタとがバトルを繰り広げる演出を行なって、ナビストックを獲得したか否かを煽り、3ゲーム目においてバトルの結果を報知する。ナビストックが付与されたときには味方キャラクタが勝利し、ナビストックが付与されなかったときには味方キャラクタが敗北する演出が行なわれる。
その他のリール演出に対応する演出としては、対応する画像を液晶表示器51に表示する例について説明したが、これに限らず、画像に加えてあるいは替えて、対応するパターンで演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を制御することにより行なわれる演出であってもよい。
このように、サブ制御部91は、メイン制御部41によりフリーズ中に実行されるリール演出に対応させて所定の演出を実行することにより、ナビストックを獲得したのか、あるいは獲得した可能性があるのかなどについて遊技者に対してわかりやすく報知することができる。
次に、ATへの制御について説明する。サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施例においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT3中であるときには6択リプ3〜6のいずれかに当選したときに成立し、非AT中でかつRT1中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6のいずれかに当選したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1〜3においてATフラグからATである旨が特定されたことを条件として、ATに制御される旨を報知するATの確定報知を行なった後、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、RT3においては、6択リプ3〜6のいずれかに当選したときにリプ4(昇格リプ)入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT1へ制御されやすくなる。また、RT1においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6のいずれかに当選したときに移行出目停止やリプ3(転落リプ)入賞を回避させ、その結果、RT1への制御を維持させやすくなり、さらに、3択リプ4〜6に当選したときにリプ6(特殊リプ)入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
RT3またはRT1においては、原則として、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。このとき、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「AT中」といったメッセージ画像を表示させる。また、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。なお、AT中におけるRT3においてリプ4(昇格リプ)入賞によりRT1に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選したときには、当選ゲームにおいてリプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、当選ゲーム終了後にナビストック数を1消費(減算)して、AT開始演出が実行されるとともに50ゲームを消化する間、ATに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。さらに、AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選してリプ5(特殊リプ)に入賞した結果、RT3に移行したときには、AT開始演出が行なわれるとともに液晶表示器51における背景画像も変化する。なお、すでにRT1において3択リプ4〜6に当選したがリプ5に入賞せずにAT開始演出が実行されているときには、新たにAT開始演出を行なわないものであってもよい。
一方、非AT中のRT1においてリプ4(昇格リプ)入賞した場合であっても、非AT中におけるRT1において6択リプ3〜6のいずれかに当選していた場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT1に制御されたとしてもATに制御されずナビ演出が実行されないため、当該RT1を維持することが困難となり、移行出目停止あるいはリプ3(転落リプ)入賞によりRT3に移行されることになる。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに移行出目が停止されやすくなり、その結果、RT3へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば、サブ制御部91は、AT継続演出を実行して、ナビストック数を1減算させた値に更新してATへの制御を継続させる。AT継続演出は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示することにより実行される。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
ここで、遊技状態に応じたナビ対象役について説明する。まず、RT3に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および6択リプ1〜6が定められている。
また、RT1に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6が定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、7揃いリプ、および7聴牌リプが定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、弱チェリー、強チェリー、最強チェリー、弱スイカ、強スイカが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル2を確実に入賞させて移行出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
6択リプ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、6択リプ3に当選したときのナビ演出としては、「まず中だ!その次に右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、6択リプ5に当選したときのナビ演出としては、「まず右だ!その次に中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
3択リプ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、3択リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、3択リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
弱チェリー、強チェリーおよび最強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
7揃いリプに当選したときには、リプ6を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、「右だ!」といったメッセージとともに「白7を狙え」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
7聴牌リプに当選したときには、リプ7を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行されるが、ナビ演出においては、7揃いリプに当選したときと同様に、たとえば、「右だ!」といったメッセージとともに「白7を狙え」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの電気部品を用いて実行する。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施例では、図14(B)に示すように、導出状態が、「フリーズ演出が行なわれると「ベルーベルーベル」と同一または類似となる仮表示結果が仮導出される状態」であるときに、図14(C)に示すように、左リール2Lは回転させず、中リール2C、右リール2Rをそれぞれ1コマ分、回転させる。もし、フリーズ中において図14(B)に示す導出状態である場合に、左リール2L、中リール2C、右リール2Rをそれぞれ1コマ分回転させると、「ベルーベルーベル」が仮導出されてしまい、遊技者は通常ゲーム時の「ベルーベルーベル」であると誤認する虞がある。本実施例のように、通常のリール演出とは異なるリール演出を実行することにより、「ベルーベルーベル」を仮導出させず、遊技者の誤認を防止しつつ、フリーズ演出により遊技の興趣を向上させる。
(2) また、本実施例では、フリーズ中には、MAXBETスイッチ6が操作されることにより、途中仮表示結果または最終仮表示結果を導出させるのであるが、非フリーズ中にスタートスイッチ2L、2C、2Rが操作されたときの操作時態様と、フリーズ中にMAXBETスイッチ6が操作されたことに対する操作時態様とを異ならせる。これにより報知演出の態様から、フリーズ中か非フリーズ中であるかを把握することができ、仮表示結果を表示結果であると遊技者が誤認してしまう可能性を低減できる。
(3) また、本実施例では、非フリーズ中ではストップスイッチ8L〜8Cを操作することにより所定コマ数以内に図柄を引き込むのに対し、フリーズ中では「遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作される」→「各リール2を単位必要回転コマ数分、回転させる」に、各リール2L、2C、2Rともに単位必要回転コマ数分、回転させる」をフリーズ終了条件が成立するまで繰り返す。したがって、フリーズ中のリール回転が行なわれていることを特定可能にするため、仮表示結果を表示結果であると遊技者が誤認してしまう可能性を低減できる。
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[リール演出について]
(1) 本実施例では、途中仮表示結果または最終仮表示結果が、入賞表示結果と同一または類似とならないように、リール演出を実行するとして説明した。しかし、リール演出が実行されることにより、途中仮表示結果または最終仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似となると判断されたときには、全てのリール2L、2C、2Rについてリール演出を実行しないようにしてもよい。つまり、現在の表示結果を維持するようにしてもよい。このように、リール演出を実行しないことにより、途中仮表示結果または最終仮表示結果が入賞表示結果と同一または類似となることによる遊技者の誤認を防止でき、さらに、リール演出の実行処理負担を削減できる。
また、全てのリール2L、2C、2Rについてリール演出を実行しない場合には、リール演出とは異なるフリーズ代替演出を実行することが好ましい。フリーズ代替演出とは、たとえば、液晶表示器51に所定のキャラクタまたはメッセージの表示、演出効果LED52の発光、スピーカ53、54からの音出力などにより行なわれる。遊技者は、当該フリーズ代替演出を認識することにより、リール演出で報知される内容を把握できる。当該フリーズ代替演出終了後に、通常回転に移行させる。
次に、リール演出を実行しない場合の具体例を説明する。たとえば、フリーズ中の準備表示結果(図13のSf3参照)が図14(B)になった場合においては、各リール2を1コマ下方向に回転させると、途中仮表示結果として「ベル−ベル−ベル」が仮導出されてしまい、遊技者の誤認を生じる。そこで、フリーズ中の準備表示結果が図14(B)になった場合には、リール演出を実行しない。その代わりに、フリーズ代替演出を実行する。その結果、遊技者の誤認を防止できつつ、リール演出で報知される内容を把握できる。
図18を用いて、他の具体例について説明する。また、図18を用いて説明するリール演出については、各リール2をそれぞれ、下方向に3コマ回転させるとする。フリーズ中の準備表示結果が図18記載のようになったとし、リール演出が実行されると、遊技者は、「チェリー−any−any」が仮導出されてしまい、通常ゲーム時の「チェリー−any−any」との誤認が生じてしまう。そこで、フリーズ中の準備表示結果が図18になった場合には、リール演出を実行しない。その代わりに、フリーズ代替演出を実行する。その結果、遊技者の誤認を防止できつつ、リール演出で報知される内容を把握できる。
また、全てのリール2L、2C、2Rについてリール演出を実行しない場合には、図13、図14で説明したリール演出を実行するようにしてもよい。当該実行されるリール演出で仮導出される仮表示結果は、入賞表示結果と同一または類似とならない表示結果とする必要がある。
(2) 本実施例のリール演出として、図14などにおいて、MAXBETスイッチ6が操作される毎に、各リール2L、2C、2Rともに単位必要回転コマ数分、回転させるとして説明した。しかし、フリーズ中に仮導出される仮導出結果が入賞表示結果と同一または類似とならなければ、如何なるリール演出を実行してもよい。たとえば、他のリール演出の例として、リール演出が開始されると、MAXBETスイッチ6を操作せずに、現在、導出されている表示結果から、通常ゲーム時の回転方向および回転速度と同じ回転方向および回転速度で各リール2L、2C、2Rともに所定コマ数(たとえば、10コマ)回転させるリール演出でもよい。この場合には、当該現在の表示結果から10コマ回転させた仮定したときの仮表示結果を算出する(図13のSf8の処理に対応)。そして、当該算出された仮表示結果が、入賞表示結果と同一または類似であるときには、当該仮表示結果を仮導出させない制御を実行する。たとえば、各リール2L、2C、2Rのうち、少なくとも1つを11コマ回転させたり、逆回転させたりする。このような、リール演出であっても、遊技者の誤認を生じないリール演出を実行することができる。
また、リール演出を開始するときのリール回転制御は、非フリーズ中におけるリール制御と異なる態様で行なうものであってもよく(たとえばフリーズ中は通常ゲーム時とは逆方向に回転させるなど)、また、リール演出において出目を停止させるときの制御は、フリーズ中でない通常ゲーム時において出目を停止させるときの制御と同じ態様で行なうものであってもよい。
(3) また、本実施例では、図17に示したように、外れフリーズまたは当りフリーズのいずれかが実行されると、必ずAT当選するとして説明したが、外れフリーズが実行されても、AT当選しない場合が生じ得るようにしてもよい。つまり、外れフリーズをいわゆるガセフリーズとしてもよい。外れフリーズ演出であるガセフリーズ演出により外れ仮表示結果が仮導出されると、「残念!!」などのメッセージを液晶表示器51に表示する演出などを実行するようにしてもよい。遊技者は導出された外れ仮表示結果を視認することにより、フリーズ演出であったのか、ガセフリーズ演出であったのかを認識できる。このように、ガセフリーズ演出を備えることにより、フリーズ演出が実行された場合に、AT当選するか否かに対する期待を抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
(4) 本実施例では、フリーズ演出実行当選役を強チェリー、強スイカ、最強チェリーとしたが、これに限られるものではない。そのほかの当選役、たとえば、強1枚などをフリーズ演出実行当選役としてもよい。
[他のリール演出について]
図19は、他のリール演出の態様などの一例を示した図である。他のリール演出については、当りフリーズや外れフリーズの概念はなく、当該他のリール演出が実行されると、仮導出結果として「赤7−赤7−赤7」(以下、「777」という場合もある。)が仮導出される例について説明する。また、当該他のリール演出が実行されて、「赤7−赤7−赤7」が仮導出されたとしても、以下の理由により、通常ゲーム時の遊技者の誤認を生じることはない。
図19(A)は、通常ゲーム時(非フリーズ中)の表示結果の導出態様を示した図であり、図19(B)は他のリール演出が実行されたときの仮表示結果の導出態様を示した図である。ここで、導出態様とは、図柄が導出される態様(たとえば、後述するように揺動させながら導出する態様)のみならず、図柄が導出される位置も含む概念である。
以下では、非フリーズ中において(通常ゲームにおいて)、各リール2L、2C、2Rが停止されて図柄が表示されている態様を「通常導出態様」といい、他のリール演出が実行されることにより仮導出される仮表示結果の導出態様をそれぞれ「リール演出導出態様」という。また、他のリール演出中に、各リール2L、2C、2Rについて仮表示結果が導出される位置を「リール演出中導出位置」という。
図19(A)に示すように、非フリーズ中においては、何らかの役に入賞したか否かに関わらず(外れ出目が表示された場合でも)、各リール2L、2C、2Rそれぞれの透視窓3には、3個の図柄が表示されて、各リールが停止される。このように、本実施例の通常導出態様とは、リール2L〜2Rの図柄が揺動せずに入賞ラインLN上に停止される態様をいう。
図19(B)に示すように、リール2L、2C、2Rのリール演出中導出位置それぞれの中心を結んだ線分を線分Lsとする。リール演出導出態様は、通常導出態様と比較して、リール2Cの図柄が通常導出位置から1/2コマずれて、リール2L、2Rの図柄については通常導出位置と同じ位置に停止される態様である。「1コマ」とは「1図柄」をいう。つまり、「半コマ」とは、「半分の図柄」をいう。よって、実行された他のリール演出が終了して各リール2L、2C、2Rが停止されると、各リール2Cの透視窓3の上方から順番に、半分の図柄、2個の全体の図柄、半分の図柄が表示される。
また、上述のように、1コマ(1図柄)移動させるためには、ステッピングモータであるリールモータ32を16ステップ駆動させる。つまり、リール演出導出態様は、リールモータ32Cを通常導出態様からさらに8ステップ駆動させた態様である。このように、他のリール演出では、通常導出位置からリール2Cについての図柄が半コマずれて表示される。
また、他のリール演出についての、リール2Lまたはリール2Rのリール演出中導出位置それぞれと、リール2Cのリール演出中導出位置との相対的な位置関係は、非フリーズ中の、リール2Lまたはリール2Rの表示結果の導出位置それぞれと、リール2Cのリールの表示結果の導出位置との相対的な位置関係と異なる。他のリール演出中の仮表示結果が「777」である場合には、たとえば、通常導出態様からリール2Cについての図柄が半コマずれた状態で「777」が導出されることから、「「当該「777」が、通常ゲーム時に導出された「777」である」と遊技者は誤認することはなく、遊技者の混乱が生じることを回避できる。
また、図19(B)に示すように、リール2Lまたはリール2Rのリール演出中導出位置それぞれの中心と、リール2Cのリール演出中導出位置の中心とを結んだ線分を線分Lsとする。また、図19(A)に示すように、リール2Lまたはリール2Rの通常導出位置それぞれの中心と、リール2Cのリール2Cの中心とを結んだ線分は入賞ラインLNとなる。そして、他のリール演出が終了したときの導出態様については、線分Lsと入賞ラインLNとが平行でない態様である。
なお、各リール2L、2C、2Rの他のリール演出中導出位置それぞれの相対的な位置関係が、各リール2L、2C、2Rの通常導出位置それぞれの相対的な位置関係と異なるのであれば、各リール2L、2C、2Rのずれコマ数Sはこれらに限られるものではない。ただし、−1<S<1とする。
[図柄の揺動について]
本実施例では、Sf10およびSf11において、各リール2L、2C、2Rそれぞれの図柄を揺動させるとして説明したが、通常ゲーム時の導出態様と異なる導出態様であれば、図柄の揺動に限られるものではない。たとえば、Sf10およびSf11において、非フリーズ中とは異なる点灯態様でリールLED55を点灯させたり、非フリーズ中とは異なる遊技音出力態様でスピーカ53、54から遊技音出力させたりしてもよい。また、図柄の揺動、リールLED55の点灯、スピーカ53、54の遊技音出力のうち、少なくとも2つを組み合わせた態様としてもよい。また、図19(B)で説明したリール演出導出態様と当該異なる導出態様とを組合せてもよい。
[フリーズ中の操作について]
(1) 本実施例においては、フリーズ中の操作対象をMAXBETスイッチ6とし、フリーズ中に、MAXBETスイッチ6を操作することを契機に、途中仮表示結果または最終仮表示結果が仮導出されるとして説明した。その他の例として、フリーズ中の操作対象をMAXBETスイッチ6でなく、その他の操作部、たとえば、スタートスイッチ7やストップスイッチ8としてもよい。また、フリーズ中の操作対象の操作部を「ストップスイッチ」とした場合には、非フリーズ中とフリーズ中とで、ストップスイッチが操作されたときの表示結果の導出態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかを操作すると、非フリーズ中では操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させる一方、フリーズ中では全てのリール2L、2C、2Rを停止させる。このようにすることで、フリーズ中の操作対象の操作部を「ストップスイッチ」とした場合でも、フリーズ中であるか非フリーズ中であるかの混同を防ぐことができる。
(2) また、本実施例では、フリーズ制御開始時から所定時間経過以内にMAXBETスイッチ6が操作されたときにおいて、途中仮導出結果や最終仮表示結果を導出させるとして説明した。しかし、これに限らず、フリーズ中には、MAXBETスイッチ6の操作など如何なる操作も無効とし、フリーズ制御開始時から所定時間経過後または所定ステップ数分リールモータ32L、32C、32Rを駆動させた後にフリーズ制御(つまり、リールの回転)を自動的に終了させることにより、仮表示結果を導出するようにしてもよい。
[通常ゲーム時のリール制御と遅延制御時のリール演出との区別態様について]
本実施例では、フリーズを発生させている期間において実行する演出として、通常ゲーム時と同じ態様でリール回転制御を行なって全リールを変動(回転)させた後、MAXBETスイッチ6の操作に応じて、通常ゲーム時と異なる態様で途中仮表示結果または最終仮表示結果を導出させるリール演出するための制御(以下、リール演出制御ともいう)を行なうことにより、フリーズ中におけるリール演出であることを特定可能に報知する例について説明した。しかし、フリーズ中におけるリール演出であることを特定可能に報知する態様は、これに限るものではなく、所定の演出手段を用いてフリーズ中におけるリール演出であることを特定可能に報知することもできる。
演出手段としては、たとえば、ストップスイッチ8L〜8Rに対応して、ストップスイッチの操作ボタン内部(あるいは操作ボタンの周囲)に設けられている発光手段である左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを用いてもよい。この場合、たとえば、メイン制御部41が、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを、通常ゲーム時におけるリール制御中における発光態様(たとえば、回転中のリールに対応するLEDを点灯させる態様など)と異なるフリーズ中用の発光態様(たとえば、点滅させる態様、通常ゲーム時と異なる発光色で点灯させる態様、消灯など)で発光させる制御を行なうことにより、フリーズ中におけるリール演出であることを特定可能に報知するようにしてもよい。これにより、ストップスイッチ8L〜8Rの操作を行なう際に、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの発光態様からフリーズ中におけるリール演出であるか否かを認識させやすくでき、当該操作により入賞の有無に関わる表示結果が停止されるのかフリーズ中の出目が停止されるのかを報知することができる。また、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を有効に受付可能となった場合に、通常ゲーム時に点灯させる発光手段とは異なる発光手段を所定の態様で発光させるようにしてもよい。
また、演出手段としては、たとえば、出音手段であるスピーカ53、54を用いてもよい。この場合、たとえば、フリーズ中におけるリール演出実行中においては、サブ制御部91が、通常ゲーム時におけるリール制御中においては出音させることのない特殊な遊技音をスピーカ53、54から出力させることにより、フリーズ中におけるリール演出であることを特定可能に報知するようにしてもよい。これにより、特殊な遊技音が出力されていることにより、フリーズ中におけるリール演出であることを認識でき、当該操作により入賞の有無に関わる表示結果が停止されるのかフリーズ中の出目が停止されるのかを報知することができる。
この場合、さらに、通常ゲーム時におけるリール制御中と、フリーズ中におけるリール演出中とで異ならせる遊技音を、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されたときに出力される操作音としてもよい。たとえば、通常ゲーム時におけるリール制御中における操作音として「ドッ!」という音を出力させるのに対し、フリーズ中におけるリール演出中における操作音としては「ピッ!」という音を出力させるようにしてもよい。これにより、操作を行なう際に出力される操作音から、当該操作により入賞の有無に関わる表示結果が停止されるのかフリーズ中の出目が停止されるのかを報知することができる。
また、フリーズ中におけるリール演出であることを、リールの動作態様によって特定可能に報知するものに限らず、リールとは別個の演出手段の態様によって特定可能に報知するものであってもよい。
[遅延制御中のリール演出について]
また、フリーズ中では、通常ゲーム時の回転方向および回転速度と同じ回転方向および回転速度でリールが回転されるようにしてもよい。さらに、これに限らず、フリーズを発生させている期間にリール演出制御を行なって、変動が停止した状態または規定速度とは異なる速度で識別情報(図柄)を移動させる状態(たとえば、所定の出目を停止させずに一直線上に揃うようにリールを同期させてゆっくり回転させる状態)のいずれか一方の状態である特定状態(停止状態ともいう)とする前後において、以下に示す制御を行なうものであってもよい。
(i) 例1
例1では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせ(たとえば、「赤7」の3つ揃い、3連チェリー、2連チェリー)が一直線上に揃うようにリールを同期させるとともに、同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を行なうようになっている。
なお、複数の可変表示領域同士の前記識別情報の相対的な位置関係が特殊位置関係となるように前記複数の可変表示領域の導出制御を行なう特殊導出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させるリール演出制御をしてもよいし、例えば、「赤7」が並んだ状態で上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、「赤7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置で停止させる制御、停止はしないものの「赤7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。この点については、以下説明する例1〜5についても同様である。
例1においてメインCPU41aは、図20に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。また、フリーズ抽選に当選した場合には、それと同時、すなわちリール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後、定速回転となるまでの加速制御に要する加速時間をリール毎にランダムに決定する加速時間決定処理を行なう。
加速時間決定処理では、各リールの加速時間をT(最短加速時間)+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なう。例1において停止操作が有効となる定速回転時においてリールが1図柄移動するのに約38ms要する構成であることから、これらいずれかの加速時間が選択されることにより、定速回転となった時点で、最大で4図柄分のずれが生じることとなる。
加速時間決定抽選では、左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行なわれる。詳しくは、変更量決定抽選と同様に、左リールの加速時間を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リールの加速時間を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リールの加速時間を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
これらの乱数は、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数を用いているが、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、乱数同士の更新周期が同期し難いようになっている。
一方、変更量決定抽選と同様に、加速時間決定抽選では、いずれのリールにおいても加速時間としてT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msがほぼ均等な割合で当選するようになっているが、前述のように乱数同士の更新周期が同期しない構成であるため、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成となる。
また、変更量決定抽選と同様に、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて変更量決定抽選が行なわれることはなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成となる。
そしてメインCPU41aは、それぞれの加速時間決定抽選を行なうことにより、これら3つのリールの加速時間を決定する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御を行なうとともに、その後、図20に示すように、加速時間決定抽選の結果に基づいて各リールを定速回転となるまで加速させる加速制御を行なう。加速制御では、各リールの加速を開始させた後、各リール毎に決定された加速時間にて定速回転に到達するように各リールを加速させる制御が行なわれる。
これにより、各リール同士で、定速回転に到達するタイミングがランダムとなり、さらにリール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる。
そして、メインCPU41aは、加速制御により全てのリールが定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
以上説明したように例1のスロットマシンでは、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、たとえば「赤7」の図柄が並んだ状態で、これら図柄を所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
また、例1では、リール演出制御により「赤7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更することで、リールの加速開始時点からの経過時間により引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、「赤7」が並んだ状態を所定時間にわたり表示させるリール演出制御を行なった場合でも、このようなリール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
尚、例1では、可変表示領域に特定の識別情報を表示させる特殊導出制御として、「赤7」が並んだ状態で所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、すなわち所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内で移動させつつ表示させる制御を適用しているが、例えば、特定の図柄を所定時間にわたり透視窓3に対応する位置で停止させる制御や、停止はしないものの特定の図柄が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。
また、例1では、リール演出制御により「赤7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間を各リール毎にランダムに変更する構成であり、定速回転に到達するタイミングだけでなく、リール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる構成であるが、ランダムに決定された一の加速時間を全てのリールの加速時間として適用する構成としてもよく、このような構成であっても、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例1では、複数のリールを備える構成であるが、1つのリールのみを備える構成において、特定の図柄が所定期間にわたり表示されるリール演出制御を行なった場合であっても、その後、リールの加速を開始し、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更する構成とすることで、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例1では、ゲーム終了時の各リール同士の位置関係とは関係なく、リール演出制御の後、各リールの加速時間をランダムに変更することで、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない構成であるので、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
また、例1では、リール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の加速制御に適用する加速時間をランダムに決定する加速時間決定処理を行なうようになっており、フリーズ抽選、すなわちリール演出制御を行なうか否かを決定するための処理と加速時間決定処理とを、リール演出制御を挟まずに連続して行なうことが可能となり、処理の流れが簡素化できるとともに、リール演出制御の終了後、直ちに加速制御に移行させることができる。
尚、例1では、リール演出制御を開始する前の段階で加速時間決定処理を行なう構成であるが、リール演出制御の後に、加速時間決定処理を行ない、その結果に基づいて加速制御を行なう構成でもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の期間にわたり、加速制御にて用いる各リールの加速時間を特定するデータを保持しておく必要が無く、例えば、リール演出制御の期間中に電断した場合などにおいても、電断復帰まで保持しておくデータ量を軽減することができる。
また、例1では、各リールの加速時間をランダムに決定する変更量決定抽選をリール毎にそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールのそれぞれの加速時間が決定されるようになっており、それぞれのリールの加速時間との関連性がより不規則なものとなり、加速を開始してから定速回転となるまでの時間をより不規則なものにできる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、それぞれの乱数同士の更新周期が、それぞれの乱数の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができる。
尚、例1では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、それぞれの乱数毎に、1周期毎に開始値がランダムに変更されるようにした乱数を用いたり、各リールの加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすことにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることで、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができるだけでなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定される割合を下げることもできるので、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
また、例1では、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出制御が行なわれた場合であっても、リール演出制御後の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなることがないようになっている。また、リール演出制御を行なうにあたり、加速時間決定抽選を行なう際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
尚、例1では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、リール演出制御を行なう毎に加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすこと(例えば、リール演出制御前に加速時間決定抽選を行なった場合には、次回リール演出制御を行なう場合に、リール演出制御後に加速時間決定抽選を行なうなど)により、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、例1の加速時間決定抽選では、各リール毎に加速時間が引込範囲に対応する0、1、2、3、4図柄分のずれを生じるT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定される構成であるが、加速時間の範囲は、上記で例示したT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲に限るものではなく、それ以上の範囲を適用してもよいし、それよりも少ない範囲、例えば、0〜38msに対して割り当てられた範囲を適用してもよい。
また、例1では、各リール毎に加速時間をランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成であるが、いずれか一のリールの加速時間に対する他のリールの加速時間の差分をランダムに決定する抽選を行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成としてもよい。
また、予め異なるように複数定められた各リールの加速時間の組み合わせからいずれかの組み合わせをランダムに選択する加速時間組み合わせ決定抽選を行ない、選択された加速時間の組み合わせに基づいて、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速制御を行なう構成としてもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の後、複数のリール毎の加速時間に偏りが生じてしまうことを防止できる。
(ii) 例2
図21は、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出制御の終了後にメイン制御部41が実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。例2におけるリール演出制御とは、たとえば、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせ(たとえば、「赤7」の3つ揃い、3連チェリー、2連チェリー)が一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御(同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を含む)などをいう。なお、以下に示す例3〜例5におけるリール演出制御についても例2と同様である。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S1)、全てのリールが停止するまで待機する。例2では、リール演出制御が終了した後に全てのリールが停止した状態に制御される。S1ではこのような状態に制御されているか否かが判定される。この点は、以下に示す例3〜例5におけるリール演出後加速処理においても同様である。
S1のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S2)。図22に示すように、左遅延用乱数値(Lr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜996(総数997)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出され、中遅延用乱数値(Cr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜997(総数998)の範囲で1ずつ加算更新される中遅延用乱数カウンタから抽出され、右遅延用乱数値(Rr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜998(総数999)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出される。
次いで、S2のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAMに設定する(S3)。
詳しくは、図23に示すように、左リール用タイマ値(Lt)は、左遅延用乱数値(Lr)を21で除して余った値であり、中リール用タイマ値(Ct)は、中遅延用乱数値(Cr)を21で除して余った値であり、右リール用タイマ値(Rt)は、右遅延用乱数値(Rr)を21で除して余った値であり、いずれも0〜20の値となる。
次いで、S3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをメイン制御部41のシリアル通信回路に転送し、サブ制御部91に送信する(S4)。
リール遅延コマンドとは、フリーズ状態において実行されるリール演出制御が行なわれた後、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドである。より詳しくは、各リールの遅延時間を特定可能な左、中、右リール用タイマ値が格納され、サブ制御部91側で、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドであり、リール演出後、最初に回転を開始する左リールの回転開始前に送信される。なお、この例では、フリーズコマンドとは別個にリール遅延コマンドを出力する例について説明するが、これに限らず、たとえば、フリーズを開始するまでに、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを決定し、これらの情報を含むフリーズコマンドをフリーズを開始するときに出力するように構成してもよい。なお、リール遅延コマンドについては、以下に示す例3〜例5においても例2と同様に適用するものとする。
リール遅延コマンドを受信したことに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S5)、左リールの加速が完了したか否か、すなわち左リールが定速回転となったか否かを判定する(S6)。
ここで、リールが定速回転となったか否かの判断方法について説明する。メイン制御部41がリールを回転開始するにあたり、リールモータのステップ幅が異なる複数の制御状態を段階的に切り替えることによりリールを加速する制御行ない、最終的に定速回転時のステップ幅の制御状態に到達後、このステップ幅を維持する制御を行なうこととなる。この際、メイン制御部41は、各段階の制御状態を示す制御フラグがRAMに設定され、当該制御フラグを参照することで、制御状態を切り替える。そして、リールが定速回転となったか否かは、定速回転時のステップ幅の制御状態を示す制御フラグが設定されているか否かにより判定し、当該制御フラグが設定されている場合にリールが定速回転となったと判定することとなる。
尚、リールが定速回転となったか否かの判断方法はこれに限らず、例えば、リールの基準位置が検出されてから次回基準位置が検出されるまでの時間を計測し、この計測した時間が規定回数以上、定速回転時の時間と一致することで、リールが定速回転となったと判定する構成、すなわち物理的にリールの速度を検出し、定速回転となったか否かを判定する構成としてもよい。
S6のステップにおいて左リールの加速が完了したと判定された後、RAMに割り当てられた遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S7)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S8)。
S8のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S9)、中リールの加速が完了したか否か、すなわち中リールが定速回転となったか否かを判定する(S10)。
遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、((左リール用タイマ値×60)×0.56)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例2では、約33.6ms要することとなるので、左リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S10のステップにおいて中リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S11)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S12)。
S12のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S13)、右リールの加速が完了したか否か、すなわち右リールが定速回転となったか否かを判定する(S14)。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((中リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例2では、約33.6ms要することとなるので、中リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S14のステップにおいて右リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S15)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S16)。
S16のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S17)、リール演出後加速処理を終了する。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((右リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例2では、約33.6ms要することとなるので、右リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングでリールの停止操作が有効となる。
フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図25に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、右リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例2では、ゲームの開始後、停止操作の有効化を遅延させているフリーズ状態において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特殊位置関係、すなわち「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが一直線上に並ぶ位置関係となるように制御するリール演出制御が行なわれるため、フリーズ状態におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
尚、例2では、複数の可変表示領域を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特殊位置関係となるように前記複数の可変表示領域の導出制御を行なう特殊導出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを停止させるリール演出制御を適用しているが、このような演出に限るものではなく、単に3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に並んだ状態で同期回転させるだけの演出を適用してもよい。また、同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うものだけでなく、異なる図柄の組み合わせであるが、透視窓に表示されている図柄を用いて遊技者が特定の役の当選やナビストックの当選などを示唆することが可能な表示態様(例えば、リーチ目やチャンス目など)を停止させたり、その状態で同期回転させる演出を適用してもよい。
また、上記のように3つのリール同士の相対的な位置関係が特殊位置関係、例えば「赤7−赤7−赤7」の並びとなるリール演出制御を行なった後、そのままの位置関係でリールの停止操作を有効とすると、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合、最初に停止操作を行なったタイミングが偶然、「赤7」の引込範囲であれば、他のリールの停止操作のタイミングも「赤7」の引込範囲となる可能性が高くなり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち3つのリール同士の相対的な位置関係が特殊位置関係ではない場合に、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合に比較して、「赤7−赤7−赤7」が揃う可能性が高まってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、リール同士の相対的な位置関係と、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して、例2では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例2では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例2では、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、右リールに対する遅延時間が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例2では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例2では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例2では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例2では、一のリールの加速が完了した後、次のリールの回転を開始するまでに遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAMに割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例2のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例2のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例2はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
また、例2では、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数である60とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
尚、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAMの容量も削減することができる。
さらにタイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAMの容量をさらに削減することができる。
また、例2では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出しているので、それぞれのリールについて更新範囲が同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、各リールに対応する遅延時間をよりばらつかせることができる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、これらの乱数カウンタとして、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数カウンタを用いているが、それぞれの更新範囲の総数が、互いに素の関係となる乱数カウンタを用いているため、それぞれの乱数カウンタ同士の更新周期が、それぞれの乱数カウンタの更新範囲の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをより確実に回避できる。
また、それぞれの乱数カウンタの総数である997、998、999が同期することとなる最小公倍数は、994010994であり、例2では、それぞれの乱数がタイマ割込処理(メイン)毎に更新され、その間隔が0.56msであり、1秒間に約1786回更新されるので、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて左、中、右リールタイマ値が算出されることがない。
すなわち一度同期した後に次回3つの乱数カウンタの値が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出が行なわれた場合であっても、リール演出後の位置関係が同じ位置関係となることがないようになっている。また、リール演出を行なうにあたり、左、中、右リールタイマ値を設定する際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをさらに確実に回避できる。
尚、例2では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出する構成であるが、少なくとも更新範囲または更新規則が異なる乱数カウンタを用いる構成であれば上記と同様に、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
以下に、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として、更新規則の異なる乱数カウンタの値を用いた例を図24に基づいて説明する。
この例では、RAMに今回の左リール用タイマ値LT、前回の左リール用タイマ値bLT、今回の中リール用タイマ値CT、前回の中リール用タイマ値bCT、今回の右リール用タイマ値RT、前回の右リール用タイマ値bRTがそれぞれ割り当てられている。そして、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、図24に示す演算がされ、上記の値がそれぞれ更新されるようになっている。
詳しくは、まず、LTの値を、bLTの値に13(予め定められた素数であればよい)を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、CTの値を、bCTの値にLTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、RTの値を、bRTの値にCTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。
そして、メイン制御部41は、リール演出後加速処理を行なうにあたり、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を抽出し、これら抽出した値をそれぞれ遅延させる時点で遅延用タイマカウンタに設定する。
この例においては、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値が、それぞれ更新規則の異なる乱数カウンタを用いて抽出されるので、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、乱数カウンタの値が0〜20となり、そのまま左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として用いることが可能となるので、値の算出または加工に係る負荷を軽減できる。
(iii) 例3
図26は、例3においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S101)、全てのリールが停止するまで待機する。
S101のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S102)。
次いで、S102のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAMに設定する(S103)。
次いで、S103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをメイン制御部41のシリアル通信回路に転送し、サブ制御部91に送信する(S104)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAMに割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S105)、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S106)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S107)。
ここで、左リール用タイマ値に60を乗算した値に加算される240は、リールの回転開始後、定速回転となるまで、すなわち加速が完了されるまでに実行されるタイマ割込処理(メイン)の実行回数であり、S107のステップでは、リールの加速時間と左リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S107のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S108)、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S109)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S110)。すなわちリールの加速時間と中リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S110のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S111)、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S112)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S113)。すなわちリールの加速時間と右リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S113のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S114)、リール演出後加速処理を終了する。
例3では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図27に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から左リールが定速回転となるまでの加速時間と0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から中リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、右リールの回転を開始し、右リールの回転が開始した時点から右リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例3では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例3では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例3では、最後に回転が開始する右リールの回転が開始した後、右リールの加速時間と右リールに対する遅延時間の合算値が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速時間経過後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例3では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例3では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例3では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例3では、一のリールに対する加速時間と遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する加速時間と遅延時間を設定しているため、各リールに対して加速時間と遅延時間を計時するためのカウンタをRAMに割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する加速時間と遅延時間を計時することが可能となる。特に、例3のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間にさらに加速時間を合算した時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60+240=1500を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例3のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例3はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(iv) 例4
図28は、例4においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S201)、全てのリールが停止するまで待機する。
S201のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S202)。
次いで、S202のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAMに設定する(S203)。
次いで、S203のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをメイン制御部41のシリアル通信回路に転送し、サブ制御部91に送信する(S204)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAMに割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S205)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S206)。
S206のステップでは、左リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S206のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S207)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S208)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S209)。すなわち中リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S209のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S210)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S211)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S212)。すなわち右リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S212のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S213)、右リールが定速回転となるまで、すなわち右リールの加速が完了するまで待機し(S214)、右リールの加速が完了した後、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S215)、リール演出後加速処理を終了する。
例4では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図29に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した後、右リールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例4では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例4では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例4では、最初に回転が開始する左リールの回転が開始する前に遅延時間を設定し、遅延時間が経過した後に左リールが回転を開始する構成であるが、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けない構成とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けず直ちに回転を開始する構成としてもよい。
また、例4では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例4では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階詳しくは、左リールの遅延時間の計時前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例4では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例4では、一のリールに対する遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAMに割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例4のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例4のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例4はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(v) 例5
図30は、例5においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S301)、全てのリールが停止するまで待機する。
S301のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S302)。
次いで、S302のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)を算出し、RAMに割り当てられた左遅延用タイマカウンタに設定し(S303)、S302のステップにおいて抽出された中遅延用乱数値(Cr)に基づいて中リール用タイマ値(Ct)を算出し、RAMに割り当てられた中遅延用タイマカウンタに設定し(S304)、S302のステップにおいて抽出された右遅延用乱数値(Rr)に基づいて右リール用タイマ値(Rt)を算出し、RAMに割り当てられた右遅延用タイマカウンタに設定する(S305)。
次いで、S303、S304、S305のステップにおいてそれぞれ設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをメイン制御部41のシリアル通信回路に転送し、サブ制御部91に送信する(S306)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールが回転開始しているか否かを判定し(S307)、左リールが回転開始していればS310のステップに進む。一方、左リールが回転開始していない場合には、左遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S308)。
S308のステップにおいて左遅延用タイマカウンタの値が0でなければS310のステップに進む。一方、左遅延用タイマカウンタの値が0であれば、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S309)、S310のステップに進む。
ここで、左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、左遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例5では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで左リールの回転が開始することとなる。
S310のステップでは、中リールが回転開始しているか否かを判定し、中リールが回転開始していればS313のステップに進む。一方、中リールが回転開始していない場合には、中遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S311)。
S311のステップにおいて中遅延用タイマカウンタの値が0でなければS313のステップに進む。一方、中遅延用タイマカウンタの値が0であれば、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S312)、S313のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、中遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例5では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S313のステップでは、右リールが回転開始しているか否かを判定し、右リールが回転開始していればS316のステップに進む。一方、右リールが回転開始していない場合には、右遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S314)。
S314のステップにおいて右遅延用タイマカウンタの値が0でなければS316のステップに進む。一方、右遅延用タイマカウンタの値が0であれば、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S315)、S316のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、右遅延用タイマカウンタにより(右リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例5では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S316のステップでは、全てのリールが回転開始しているか否かを判定し、いずれか1つのリールでも回転開始していないリールがあればS307のステップに戻り、全てのリールが回転開始していればS317のステップに進み、全てのリールの加速が完了するまで待機する。
S317のステップにおいて全てのリールの加速が完了すると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S318)、リール演出後加速処理を終了する。
例5では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図31に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した後、中リールの回転を開始し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例5では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、それぞれのリールが回転するまでの時間が、それぞれのリール毎にランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、いずれかのリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例5では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例5では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングでそれぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例5では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例5では、タイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAMの容量も削減することができる。
尚、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することでそれぞれの遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とした場合でも、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAMの容量も削減することができる。
また、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
以上、例1〜例5を説明したが、フリーズを発生させている期間におけるリール演出制御はこれらの例に限定されるものではなく、各例で示した発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、他の例と同一もしくは類似する構成については、他の例で説明したものと同様の効果を有するものである。また、他の例において例示した変形例についても各例について適用可能である。
また、前記した例および実施例では、可変表示装置として外周に複数種の図柄が配列されたリールを回転させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される構成であるが、リールに替えて外周に複数種の図柄が配列されたベルトを移動させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。さらに液晶表示器などの画像表示装置に、図柄画像などの識別情報を所定の順番で周期的に移動させる画像を表示させることで表示画面上に識別情報が連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。
なお、前述した実施例では、フリーズ中におけるリール演出においてストップスイッチ8L〜8Rへの操作を受付けて、操作されると出目を停止させる例について説明したが、フリーズ中におけるリール演出においては、出目を停止させないものであってもよい。たとえば、フリーズ中におけるリール演出においては、リール回転制御のみを実行し、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を受付ける期間を設けず、かつ操作されても出目を停止させずにリール回転制御を継続して行なうものであってもよい。この場合でも、リール演出としてリール回転制御が行なわれるため、遊技者は、通常ゲーム時におけるリール制御と誤認してしまう虞が生じるが、前述した実施例と同様に、フリーズ中におけるリール演出である旨を特定可能に報知(たとえば、リールを逆回転あるいはスロー回転、所定の演出手段による報知など)されるため、フリーズ中においてリール演出が行なわれることによる混乱を回避でき、フリーズ中における遊技の興趣を向上させることができる。なお、フリーズ中におけるリール演出は、リール回転制御のみを実行するリール演出のみを含むものであってもよく、リール回転制御を行なった後に操作に応じて出目を停止させるリール演出のみを含むものであってもよく、また、リール回転制御のみを実行するリール演出とリール回転制御を行なった後に操作に応じて出目を停止させるリール演出との双方を含むものであってもよい。
[有利度および特典について]
前述した実施例においては、リール制御の種類によって有利度が異なり、当該有利度の例として、ナビストックの有無や付与されるナビストック数の期待値であることを例示した(図17参照)。しかし、「有利度が大きい」とは、ナビストックの有無あるいは付与数に限らず、たとえば、ATに制御可能なゲーム数を決定し、当該決定されたゲーム数消化するまでATに制御する場合、ATに制御可能にするゲーム数そのものが多いことであってもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数が多いことであってもよい。
[スロットマシンについて]
前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
また、本発明を具現化する遊技機としては、前述したようなスロットマシンに限定されるものではなく、遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であればよい。遊技機としては、たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(たとえばパチンコ球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(たとえば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(たとえば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大入賞口を所定の態様で開放させる当り状態)に制御するパチンコ遊技機、あるいは封入された遊技媒体を用いる封入式パチンコ遊技機であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。