以下、添付図面を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1について説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシン1の制御回路の全体構成を示すブロック図である。
スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「ベル(たとえば、左リール2Lの領域番号19)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号10)」、「ブランク(たとえば、左リール2Lの領域番号7)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号3)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄(ただし、図3では文字のみを表記し、絵柄は省略している)が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55とが設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bには液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、遊技者に視認可能な状態で配置された画面を有し、この画面の左上には、遊技者が視認可能な態様でATカウント表示部60が表示されるようになっている。ATカウント表示部60には、後述するアシストタイム(以下、ATと称する)に遊技状態が制御されたときに、ATの残りゲーム数が表示されるようになっている。
より具体的に、ATに制御されていないときにおいては、ATカウント表示部60には何も表示されず単なる楕円形の枠のみ表示される。一方、ATに制御されたときにおいては、ATカウント表示部60に表示された楕円形の枠内にカウントダウン形式で数字画像が表示される。この数字は、現在制御中のATの残りゲーム数(なお、以下では、ATに制御されるゲームのことを「ATゲーム」と称し、ATに制御されるゲーム数のことを「ATゲーム数」と称する)を示しており、遊技者がこれを確認することによって現在行われているATの残りATゲーム数を認識することができるようになっている。たとえば、ATカウント表示部60に「30」の数字が表示されていれば、残りATゲーム数が30ゲームであることを遊技者は認識することができる。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスとも称する)、また、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態にかかわらず、すべての遊技状態において「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB(ビッグボーナス)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述するBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
「入賞ライン」とは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、1種類の入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインである。なお、入賞ラインは、L1に示すラインに限らず、複数の入賞ラインを含んでいてもよい。たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化された入賞ラインL1上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインL1上に表示させることができる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性があるすべてのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されているすべてのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、LED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数など、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ、SB)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行われた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置の入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、がある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、取りこぼし出目の種類、取りこぼし出目の図柄組合せ、および取りこぼし出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図7は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図7に示すように、メイン制御部41により、RT1(不利遊技状態)、RT0(通常遊技状態)、RT2(有利遊技状態)、RT3(準備遊技状態)、RT4(内部中RT)、ボーナス状態のうち、いずれかに制御される。なお、遊技状態がボーナス状態以外の遊技状態を一般遊技あるいは一般遊技状態と称する。
RT1とは、後述する再遊技役に当選する確率が最も低く、遊技者が遊技全体を通して最も長く遊技する可能性が高い遊技状態である。RT0とは、RT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0のみから移行可能であり、RT0〜4の遊技状態の中で最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT3とは、ボーナス状態が終了すると移行する遊技状態である。RT4とは、RT1、RT0、RT2の遊技状態においてBBもしくはRBに当選したときに移行し、BBもしくはRBに入賞したときにはボーナス状態に移行する遊技状態である。ボーナス状態とは、BBに入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでBBが行われ、RBが入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでRBが行われる遊技状態である。
RT1においては、32ゲームが行われ、当該32ゲームすべてが消化した場合に遊技状態がRT0へ移行する。また、32ゲームの間にBBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
RT0においては、後述する昇格リプ(リプレイ3)に入賞した場合に、遊技状態がRT2へ移行する。また、後述する転落リプ(リプレイ4、リプレイ5)に入賞した場合に、遊技状態がRT1へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
RT2においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に演出状態を制御可能となっている。
本実施の形態におけるATは、後述するAT抽選によって、ATゲーム数が0〜150ゲームの間で決定される。なお、獲得しているATゲーム数が0になっている状態で初めてATゲーム数を獲得したときには、RT0またはRT2でATに制御されたときに決定されたゲーム数のカウントが開始されるとともに、ATカウント表示部60において当該カウントが数字画像によって表示される。
RT4においては、BBもしくはRBに入賞した場合に、遊技状態がボーナス状態へ移行する。
ボーナス状態においては、所定の終了条件が成立した場合にRT3へ遊技状態が移行する。ここで、「所定の終了条件」とは、後述するBB1もしくはBB2が行われたときには351枚以上のメダルを獲得したことであり、BB3が行われたときには216枚以上のメダルを獲得したことであり、RB1もしくはRB2が行われたときには5ゲーム遊技もしくは何らかの入賞役に5回入賞したことである。
RT3においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。
[入賞役]
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBB1〜3とも称する)と、2種類のレギュラーボーナス1、2(以下、レギュラーボーナスをRB1、2とも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインL1に「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインL1に「黒7−黒7−黒7」、もしくは「リプb−黒7−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインL1に「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、351枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、216枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1は、入賞ラインL1に「白7−白7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。また、RB2は、入賞ラインL1に「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RB1またはRB2に入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、5ゲーム遊技もしくはいずれかの入賞役に5回入賞することを条件として終了する。
図7に示すように、BB1〜BB3およびRB1、RB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、RT4に遊技状態が制御される。RT4では、再遊技役に当選する確率がRT1であるときよりも高確率となる。また、図7に示すように、BB1〜BB3やRB1、RB2が終了した後は、RT3に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3およびRB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3およびRB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」、「リプb」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3およびRB1、RB2のうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2、メロン、ベル1、ベル2、9枚役1〜8、およびBB役が含まれる。
小役のうちイチゴ1は、入賞ラインL1に「イチゴ−ANY−ベル」、「イチゴ−ANY−メロン」、「イチゴ−ANY−バナナ」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ1が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ1を構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちイチゴ2は、入賞ラインL1に「黒7−ANY−白7」、「黒7−ANY−星7」、「黒7−ANY−ベル」、「バナナ−ANY−白7」、「バナナ−ANY−星7」、「バナナ−ANY−ベル」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ2が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ2を構成する左リール2Lの図柄(「黒7」、「バナナ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち1枚役1は、入賞ラインL1に「ベル−星7−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役1が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「星7」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち1枚役2は、入賞ラインL1に「星7−ブランク−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役2が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役2を構成する左リール2Lの図柄(「星7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロンは、入賞ラインL1に「白7−メロン−ベル」、「ベル−メロン−ベル」、「ブランク−メロン−ベル」、「リプa−メロン−リプa」、「リプa−メロン−イチゴ」、「リプa−メロン−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると、5枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、メロンを構成する中リール2Cの図柄(「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちベル1は、入賞ラインL1に「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞する。ベル1を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
小役のうちベル2は、入賞ラインL1に「リプa−ベル−リプa」、「リプa−ベル−リプb」、「リプb−ベル−リプa」、「リプb−ベル−リプb」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル2は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞する。ベル2を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、小役のうち9枚役1〜8について説明する。9枚役1〜8は、後述するようにベル1、ベル2を取りこぼした場合に入賞する可能性のある役である。
小役のうち9枚役1は、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役2は、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役2を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役3は、入賞ラインL1に「リプa−ブランク−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役3が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役3は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役3を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役4は、入賞ラインL1に「リプa−ブランク−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役4が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役4は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役4を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役5は、入賞ラインL1に「リプb−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役5が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役5は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役5を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役6は、入賞ラインL1に「リプb−イチゴ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役6が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役6を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役7は、入賞ラインL1に「リプb−ブランク−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役7が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役7は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役7を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役8は、入賞ラインL1に「リプb−ブランク−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役8が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役8を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちBB役は、BB中のみ入賞する役であり、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−イチゴ」、「リプa−イチゴ−ブランク」、「リプa−ブランク−イチゴ」、「リプa−ブランク−ブランク」、「リプb−イチゴ−イチゴ」、「リプb−イチゴ−ブランク」、「リプb−ブランク−イチゴ」、「リプb−ブランク−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。BB中にBB役が入賞すると、9枚メダルが払い出される。また、BB役が当選した場合は、9枚役1〜8が必ず同時当選するため、BB役に当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、取りこぼすことなくいずれかの役に入賞することができる。また、BB役と同時当選する役には、9枚役1〜8が含まれていればよく、これに加えて、たとえばイチゴ1、2やメロン、その他の役が含まれていてもよい。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜6が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ1は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ1を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプとも称する。
リプレイ2は、入賞ラインL1に「ベル−リプa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。リプレイ2は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプとも称する。
リプレイ3は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−メロン」、「リプa−リプa−バナナ」、「リプb−リプa−メロン」、「リプb−リプa−バナナ」、のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ3を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0の状態においてリプレイ3に入賞した後は、RT0よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT2に制御される。このため、リプレイ3は、以下では昇格リプとも称する。
また、RT2へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選しない限り、取りこぼし出目が導出されるまでの間、当該RT2への制御が維持される。
リプレイ4は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−ベル」、「リプb−リプa−ベル」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ4に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプとも称する。
リプレイ5は、入賞ラインL1に「ベル−リプa−メロン」、「ベル−リプa−バナナ」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ5を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ5については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ5に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ5は、以下では転落リプとも称する。
リプレイ6は、BB2に内部当選中の場合にのみ当選する再遊技役である。リプレイ6は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−ブランク」、「リプb−リプa−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプレイ6を構成する右リール2Rの図柄(「ブランク」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
[取りこぼし出目]
次に、図6を参照して取りこぼし出目について説明する。取りこぼし出目は、後述するようにベル1、ベル2を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができず、さらに9枚役1〜8を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができない場合に導出される役である。RT2およびRT3の遊技状態ときに取りこぼし出目が導出されると、RT0への制御が作動される。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目1は、入賞ラインL1に揃う「リプa−イチゴ−ベル」、「リプa−ブランク−ベル」、「リプb−イチゴ−ベル」、「リプb−ブランク−ベル」のいずれかの組合せである。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目2は、入賞ラインL1に揃う「リプa−ベル−メロン」、「リプa−ベル−バナナ」、「リプb−ベル−メロン」、「リプb−ベル−バナナ」のいずれかの組合せである。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目3は、入賞ラインL1に揃う「星7−イチゴ−メロン」、「星7−イチゴ−バナナ」、「星7−ブランク−メロン」、「星7−ブランク−バナナ」、「メロン−イチゴ−メロン」、「メロン−イチゴ−バナナ」、「メロン−ブランク−メロン」、「メロン−ブランク−バナナ」、「バナナ−イチゴ−メロン」、「バナナ−イチゴ−バナナ」、「バナナ−ブランク−メロン」、「バナナ−ブランク−バナナ」のいずれかの組合せである。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図8、図9を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図8、図9においては、各々、左2列により、“抽選対象役名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図8、図9では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「495」が設定されている抽選対象役(図8のRT0〜3における弱イチゴA)の当選確率は、495/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図8は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、RT0〜3のうちいずれかであるときには、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、1枚役A〜L、メロンA〜F、不問ベル、左ベルA〜D、中ベルA〜D、右ベルA〜D、RB1、2、BB1〜3が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
弱イチゴAとは、イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴBとは、イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴCとは、イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴDとは、イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴEとは、イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴFとは、イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
強イチゴAとは、イチゴ1+イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴBとは、イチゴ1+イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴCとは、イチゴ1+イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴDとは、イチゴ1+イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴEとは、イチゴ1+イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴFとは、イチゴ1+イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
なお、以下では、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜Fを、総称してイチゴ役とも称する。
1枚役Aとは、1枚役1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Bとは、1枚役2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Cとは、1枚役1+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Dとは、1枚役2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Eとは、1枚役1+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Fとは、1枚役2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Gとは、1枚役1+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Hとは、1枚役2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Iとは、1枚役1+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Jとは、1枚役2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Kとは、1枚役1+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Lとは、1枚役2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
メロンAとは、メロンを読み出す抽選対象役をいう。メロンBとは、メロン+RB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンCとは、メロン+RB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンDとは、メロン+BB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンEとは、メロン+BB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンFとは、メロン+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
なお、以下では、メロンA〜Fを、総称してメロン役とも称する。
不問ベルとは、ベル1+ベル2+9枚役1〜8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルAとは、ベル2+9枚役1+9枚役4を読み出す抽選対象役をいう。左ベルBとは、ベル2+9枚役2+9枚役3を読み出す抽選対象役をいう。左ベルCとは、ベル2+9枚役5+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルDとは、ベル2+9枚役6+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。中ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。中ベルBとは、ベル1+9枚役2+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。中ベルCとは、ベル1+9枚役3+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。中ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルBとは、ベル1+9枚役3+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。右ベルCとは、ベル1+9枚役2+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。右ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。
RB1とは、RB1を読み出す抽選対象役をいう。RB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB1とは、BB1を読み出す抽選対象役をいう。BB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB3とは、BB3を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態がRT4であるときには、弱イチゴA、強イチゴA、1枚役A、1枚役B、メロンA、不問ベル、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図9は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
不問リプとは、リプレイ1+リプレイ2を読み出す抽選対象役をいう。リプAとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプBとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプCとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプDとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプEとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプFとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプGとは、リプレイ1+リプレイ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。リプHとは、リプレイ1+リプレイ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。リプIとは、リプレイ1+リプレイ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。リプJとは、リプレイ1+リプレイ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。リプKとは、リプレイ1+リプレイ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が、RT0〜3のいずれかであるときには、不問リプおよびリプC〜Kが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。また、遊技状態が、RT4のときには、不問リプおよびリプA〜Fが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、BB1〜3中におけるRB1の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1〜3中におけるRB1であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、および不問ベル+BB役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、BB1〜BB3中におけるRB2の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1〜3中におけるRB2であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、および不問ベルが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、RB(RB1、2)中の抽選対象役および判定値数を説明する。
RB(RB1、2)中であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、強イチゴ+不問ベル、不問ベル+1枚役A+1枚役B、および不問ベル+メロンAが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行うことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行われる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
また、RB1、2、BB1〜3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB1、2、BB1〜3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴA〜Fのうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴA〜Fのうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴA〜Fおよび強イチゴA〜F各々の判定値数が設定されている。弱イチゴA〜F当選時と強イチゴA〜F当選時とで異なるリール制御が行われるため、遊技者は、当該リール制御の内容からRB1、2、BB1〜3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、一般遊技状態においては、図8に示すように、左ベルA〜D各々の判定値数が「830」に設定されており、左ベルA〜Dのいずれかが830×4/65536=3320/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、中ベルA〜D各々の判定値数が「1600」に設定されており、中ベルA〜Dのいずれかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、右ベルA〜D各々の判定値数が「1600」に設定されており、右ベルA〜Dのいずれかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。このように、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dにおいては、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
次に、図9の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態ごとに再遊技役の当選確率を比較する。RT0においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「83」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「2200」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT0においていずれかのリプレイに当選する確率は、8900/65536となる。また、このうち、RT0からRT2に昇格させる可能性のあるリプレイ3を含むのはリプC〜Fであり、そのいずれかに当選する確率は、2200×4/65536=8800/65536となる。また、RT0からRT1に転落させる可能性のあるリプレイ4、5を含むのはリプC〜Fであり、そのいずれかに当選する確率は、2200×4/65536=8800/65536となる。
このように、RT0において、RT2に昇格する確率とRT1に転落する確率とは、同じ確率となるように設定されている。なお、RT0においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT1においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「6961」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT1においていずれかのリプレイに当選する確率は、8978/65536となる。なお、RT1においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT2においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「46755」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、48772/65536となる。なお、RT2においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT3においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「8961」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、10978/65536となる。なお、RT3においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT4においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「5018」が、リプA〜Fが読み出されるときの判定値数として「1000」が設定されている。よって、RT4においていずれかのリプレイに当選する確率は、11018/65536となる。
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率がRT2であるときに、RT0、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT2は、RT0、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT0では、ATに制御されていないときには当該RT0を維持させること、および昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に制御させることが困難となるように構成されている。
次に、BB1〜3中におけるRB1であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「65527」、不問ベル+BB役の判定値数が「9」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
また、BB1〜3中におけるRB2であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「65535」に設定されており、不問ベルの判定値数が「1」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
また、RB1、2中であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「1」、強イチゴ+不問ベルの判定値数が「21845」、不問ベル+1枚役A+1枚役Bの判定値数が「21845」、不問ベル+メロンAの判定値数が「21845」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、すべてのリールが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左リール2Lおよび中リール2Cが停止しているか、左リール2Lおよび右リール2Rが停止しているか、中リール2Cおよび右リール2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。
なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、先ず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。より具体的には、先ずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データからすべてのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開してすべてのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
より具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)のすべてが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインL1上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインL1上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
ここで、イチゴ役に当選したゲームにおけるリール制御を説明する。イチゴ役に当選したときには、遊技者が少なくともストップスイッチ8Lを所定タイミングで操作しなければ、当選しているイチゴ1またはイチゴ2を入賞させることはできないようになっている。その理由は、イチゴ1またはイチゴ2を入賞させるためには、左リール2Lにおいて「イチゴ」、「黒7」、および「バナナ」のいずれかを入賞ラインL1上に引き込まなければならないが、「イチゴ」、「黒7」、および「バナナ」は左リール2Lにおいて4コマ以内に配置されていないからである。そのため、遊技者は、イチゴ役に当選していることを認識することができなければ、イチゴ役の入賞図柄を入賞ラインL1に引き込んで停止させるタイミングで意図的にストップスイッチ8Lを操作させることができず、イチゴ1またはイチゴ2を入賞させることができないようになっている。
次に、メロン役に当選したゲームにおけるリール制御を説明する。メロン役に当選したときには、遊技者が少なくともストップスイッチ8Lを所定タイミングで操作しなければ、当選しているメロンを入賞させることはできないようになっている。その理由は、メロンを入賞させるためには、左リール2Lにおいて「白7」、「ベル」、「ブランク」、および「リプa」のいずれかを入賞ラインL1上に引き込まなければならないが、「白7」、「ベル」、「ブランク」、および「リプa」は左リール2Lにおいて4コマ以内に配置されていないからである。そのため、遊技者は、メロン役に当選していることを認識することができなければ、メロン役の入賞図柄を入賞ラインL1に引き込んで停止させるタイミングで意図的にストップスイッチ8Lを操作させることができず、メロンを入賞させることができないようになっている。
なお、本実施の形態においては、当選している役がイチゴ役またはメロン役のいずれかであることが事前に分かっていれば、左リール2Lにおいて「ブランク」の図柄が上段、中段、下段のいずれかに表示されたタイミングでストップスイッチ8Lを操作することで、イチゴ役およびメロン役のいずれの入賞図柄も入賞ラインL1上に引き込むことができるようになっている。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインL1に最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。
これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインL1上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行われる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、リプAなど)には、図10に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図10は、再遊技役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問リプに当選しているときには、遊技者によるリール2L、2C、2Rの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1またはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプAに当選しているときには、順押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3またはリプレイ6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。なお、リプレイ6は、BB2に内部当選している場合にのみ入賞するよう制御される。一方、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプBに当選しているときには、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプCに当選しているときには、中左押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、中左押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプDに当選しているときには、中右押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、中右押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプEに当選しているときには、逆挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、逆挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプFに当選しているときには、逆押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、逆押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
なお、上記以外の再遊技役(リプG〜K)に当選しているときには、不問リプと同様に、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1またはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
このように、昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している再遊技役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT0においてリプA〜Fのいずれかに当選したとしても、当選している再遊技役の種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるようにすることができる。
次に、小役のうちベル役が当選しているときには、図11に示すように、当選したベル役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
図11は、ベル役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問ベルに当選しているときには、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、ベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役4を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルBに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルCに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役5または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルDに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役6または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルAに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルBに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルCに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルDに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルAに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルBに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3または9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルCに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルDに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4または9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
さらに、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1またはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1〜8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
より具体的には、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が右リール2Rであった場合には、取りこぼし出目1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。また、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が中リール2Cであった場合には、取りこぼし出目2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。また、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が左リール2Lであった場合には、取りこぼし出目3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
このように、ベル1またはベル2を入賞させるための操作手順として、当選しているベル役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2またはRT3において左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dのいずれかに当選したとしても、当選しているベル役の種類を特定することができない限り、ベル1またはベル2を入賞させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、ベル1またはベル2を入賞し難くして取りこぼし出目を導出させ易くし、その結果、RT0に制御され易くすることができる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態に係るスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、先ず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、先ず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入部4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。なお、スタートスイッチ7が操作されると、スタートコマンドが演出制御基板90に送信される。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定されるごとに、賭数の設定に使用されたメダルを特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行う内部抽選処理を行う。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3およびRB1、2のいずれかに当選したときに、RT4に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT4フラグの値を設定など)が行われる。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右のすべてのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かにかかわらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止するごとに、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。より具体的には、回転している3つのリールのうちいずれか1つのリールが停止すると第1リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、続いて2つ目のリールが停止すると第2リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、さらに続いて3つ目のリールが停止すると第3リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行われた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3およびRB1、2のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行われる。
また、RT0における入賞判定処理において、リプレイ3(昇格リプ)に入賞したと判定されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行われる。RT0における入賞判定処理において、リプレイ4またはリプレイ5(転落リプ)に入賞したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1の値を設定など)が行われる。
また、RT2、RT3において取りこぼし出目が入賞ラインL1に停止していると判定されたときには、RT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払い出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞にかかわらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行われる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行われる。
また、RT1中における払出処理では、当該RT1中において消化したゲーム数を特定可能に計数し、消化したゲーム数が32ゲームに到達したか否かを判定し、32ゲームに到達したと判定したときにRT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行われる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT0〜RT4のいずれであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行われ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT0〜RT4、ボーナス状態の間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行う。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、先ず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行われる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行われる。遊技演出を行うための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行うために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタ、各種フラグを設定する領域、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置されたすべての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行う。
また、演出制御基板90側にて乱数回路(図示略)などによりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、図12の優遇期間移行抽選を行う優遇期間移行抽選処理、図13の演出設定処理、図20の補助演出処理、図22の当選役確定演出処理、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、および遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理などが行われる。また、演出設定処理では、図14〜図16のAT抽選処理、図17の煽り演出処理、図18、図19の報知演出処理、および図21の当選役確定フラグ設定処理などが行われる。
[優遇期間移行抽選]
優遇期間移行抽選処理では、優遇期間に移行するか否かの優遇期間移行抽選が行われる。図12は、優遇期間移行抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。優遇期間とは、AT抽選でAT当選することによりATゲーム数を獲得できる確率および獲得することを期待できるATゲーム数の期待値が大きく遊技者にとって有利な期間をいう。
優遇期間には、優遇期間移行抽選で当選すると、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り移行される。優遇期間移行抽選は、イチゴ役やメロン役に当選したときに成立する第1〜第6のAT抽選条件が成立したにもかかわらずAT抽選で当選しなかったときにおいて、図12に示す優遇期間移行抽選テーブルを参照して抽選が行われる。
優遇期間移行抽選テーブルは、AT抽選で当選しなかったときの状態に応じて異なる割合で優遇期間に移行するように、優遇期間移行確率が設定(具体的には、優遇期間移行確率となるように判定値数が設定)されている。
当選しなかったときの状態が、非AT中であってかつRT0やRT2であったときには、10%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。一方、AT中であったときには、30%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。このため、AT抽選で非当選となったときでも、そのときの状態が非AT+RT0や非AT+RT2中であるときよりも、AT中であったときの方が、高い割合で優遇期間移行抽選において当選し、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り優遇期間に移行される。
このため、AT中においては、優遇期間に移行されることに対する期待感を抱かせることができ、かつ優遇期間においてATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を向上させることができる。
優遇期間に移行されると、優遇期間において消化したゲーム数を特定するために優遇期間ゲーム数カウンタの値を1加算し、当該優遇期間ゲーム数カウンタの値が所定ゲーム数に対応するゲーム数(たとえば、10ゲーム)に到達することにより優遇期間を終了させる。なお、サブ制御部91は、優遇期間に移行しているときに、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したことに基づき、後述する第7のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
[演出設定処理]
次に、サブ制御部91が実行する演出設定処理について説明する。演出設定処理においては、サブ制御部91が実行する複数種類の演出のうち、煽り演出、報知演出、および当選役確定演出を、所定の実行タイミングで実行するための各種処理の進行が管理される。
図13は、演出設定処理を実行するためのフローチャートである。演出設定処理は、1ゲーム開始時に実行される。
先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41からスタートコマンドを受信したか否かを判定する(S1)。サブ制御部91は、スタートコマンドを受信していないと判定したときには(S1においてNO)、演出設定処理を終了する。
サブ制御部91は、スタートコマンドを受信したと判定したときには(S1においてYES)、AT抽選条件が成立したか否かを判定する(S2)。サブ制御部91は、AT抽選条件が成立していないと判定したときには(S2においてNO)、S6の処理に移行する。
次に、サブ制御部91は、AT抽選条件が成立したと判定したときには(S2においてYES)、AT抽選処理を実行する(S3)。次に、サブ制御部91は、図17の煽り演出処理を実行する(S4)。次に、サブ制御部91は、図18の報知演出処理を実行する(S5)。
AT抽選条件が成立したと判定されなかったとき(S2においてNO)、または、報知演出処理が実行された後において、サブ制御部91は、図21の当選役確定フラグ設定処理を実行する(S6)。その後、サブ制御部91は、演出設定処理を終了する。
[AT抽選処理]
次に、サブ制御部91が実行するAT抽選処理について説明する。AT抽選処理においては、所定のAT抽選条件が成立したときに遊技者にATゲーム数を付与するか否かが抽選によって決定される。
図14は、AT抽選条件テーブルを説明するための図である。図15は、AT抽選の一例を説明するための図である。図16は、参照テーブルを説明するための図である。
AT抽選条件は、図14に示すように、第1〜第7の条件が設定されている。AT抽選は、AT抽選条件が成立することにより行われる。
第1のAT抽選条件は、弱イチゴAに当選したときに成立する。第2のAT抽選条件は、弱イチゴB〜Fのいずれかに当選したときに成立する。第3のAT抽選条件は、強イチゴAに当選したときに成立する。第4のAT抽選条件は、強イチゴB〜Fのいずれかに当選したときに成立する。第5のAT抽選条件は、メロンAに当選したときに成立する。第6のAT抽選条件は、メロンB〜Fのいずれかに当選したときに成立する。つまり、イチゴ役に当選したときには、第1〜第4のAT抽選条件のいずれかが成立し、メロン役に当選したときには、第5のAT抽選条件または第6のAT抽選条件が成立することになる。第7のAT抽選条件は、優遇期間において毎ゲームの開始時に成立する。
第1〜6のAT抽選条件のうちいずれかが成立すると、サブ制御部91は、AT抽選を実行するため、AT抽選条件に対応付けられた参照テーブルを参照する。
図15(a)に示すように、第1のAT抽選条件が成立したときには、第1テーブルが参照される。第2のAT抽選条件が成立したときには、第2テーブルが参照される。第3のAT抽選条件が成立したときには、第3テーブルが参照される。第4のAT抽選条件が成立したときには、第4テーブルが参照される。第5のAT抽選条件が成立したときには、第5テーブルが参照される。第6のAT抽選条件が成立したときには、第6テーブルが参照される。つまり、イチゴ役に当選したときには、第1〜第4テーブルのいずれかが参照され、メロン役に当選したときには、第5テーブルまたは第6テーブルが参照されることになる。
図16(a)に示された参照テーブルにおいては、抽選結果における有利度が異なるように、抽選結果と振分率とが設定されている。
図16(a)に示すように、第1テーブルが参照されたときには、50%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り50%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、10%の確率で「10ゲーム」に、10%の確率で「20ゲーム」に、10%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「50ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第1テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.1×10)+(0.1×20)+(0.1×30)+(0.1×50)+(0.1×100)=21となる。
第2テーブルが参照されたときには、50%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り50%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、10%の確率で「10ゲーム」に、10%の確率で「20ゲーム」に、10%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「77ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第2テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.1×10)+(0.1×20)+(0.1×30)+(0.1×77)+(0.1×100)=23.7となる。
第3テーブルが参照されたときには、30%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り70%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、20%の確率で「10ゲーム」に、20%の確率で「20ゲーム」に、10%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「50ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第3テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.2×10)+(0.2×20)+(0.1×30)+(0.1×50)+(0.1×100)=24となる。
第4テーブルが参照されたときには、30%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り70%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、20%の確率で「10ゲーム」に、20%の確率で「20ゲーム」に、10%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「77ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第4テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.2×10)+(0.2×20)+(0.1×30)+(0.1×77)+(0.1×100)=26.7となる。
第5テーブルが参照されたときには、20%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り80%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、55%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「50ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に、3%の確率で「120ゲーム」に、2%の確率で「150ゲーム」に決定される。
第5テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.55×30)+(0.1×50)+(0.1×100)+(0.03×120)+(0.02×1500)=38.1となる。
第6テーブルが参照されたときには、20%の確率でATゲームが付与されない非当選に決定され、残り80%の確率でATゲームが付与される当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、55%の確率で「30ゲーム」に、10%の確率で「77ゲーム」に、10%の確率で「100ゲーム」に、3%の確率で「120ゲーム」に、2%の確率で「150ゲーム」に決定される。
第6テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.55×30)+(0.1×77)+(0.1×100)+(0.03×120)+(0.02×1500)=40.8となる。
このように、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、AT当選する確率は70%が限度であるのに対して、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、AT当選する確率は80%である。そのため、遊技者にとっては、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選が実行されたときよりも、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選が実行されたときの方が、より高い確率でATゲーム数を獲得する可能性がある。
また、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、獲得可能なATゲーム数の上限値が100ゲームであるのに対して、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、獲得可能なATゲーム数の上限値は150ゲームである。そのため、遊技者にとっては、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選が実行されたときよりも、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選が実行されたときの方が、より多くのATゲーム数を獲得する可能性がある。
また、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、ATゲーム数の期待値が30未満であるのに対して、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、ATゲーム数の期待値が30以上である。そのため、遊技者にとっては、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選が実行されたときよりも、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選が実行されたときの方が、ATゲーム数の獲得に対してより期待できる。
以上のことから、第5テーブルまたは第6テーブルを参照してAT抽選を実行したときには、第1〜第4テーブルを参照してAT抽選を実行したときよりも、ATゲーム数の獲得に関して有利度合いが高くなっている。言い換えると、遊技者にとっては、メロン役に当選したときには、イチゴ役に当選したときよりも、AT抽選においてより有利な結果を得やすく、ATゲーム数の獲得に関して期待をもつことができる。そのため、本実施の形態においては、イチゴ役よりもメロン役に当選することを遊技者が期待するようになっている。
ここで、図8に示すように、弱イチゴB〜F、強イチゴB〜F、およびメロンB〜Fの各々は、ボーナスと同時当選する役である。さらに、弱イチゴB〜Fのいずれかに当選したときに参照される第2テーブル、強イチゴB〜Fのいずれかに当選したときに参照される第4テーブル、およびメロンB〜Fのいずれかに当選したときに参照される第6テーブルのいずれにおいても、ATゲーム数として「77ゲーム」が選択され得るようになっている。これに対し、ボーナスと同時当選しない役である弱イチゴA、強イチゴA、およびメロンAのいずれかに当選したときに参照されるテーブル(第1テーブル、第3テーブル、第5テーブル)においては、ATゲーム数として「77ゲーム」が選択されないようになっている。
そのため、AT当選して遊技者にATゲーム数が付与される際、付与されるATゲーム数が「77ゲーム」であることが報知されると、遊技者がボーナス当選していることを推測することができる。これにより、ATゲーム数を獲得した喜びとともに、ボーナス当選した喜びも加わり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第7のAT抽選条件が成立すると、図15(b)に示すように、サブ制御部91は、優遇期間の最終ゲーム(10ゲーム目)であるか、最終ゲーム以外のゲーム(1〜9ゲーム目)であるかに応じて、異なる割合に従ってAT抽選を実行する。
優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときには、ATゲーム数として、80%の確率で「10ゲーム」に、20%の確率で「20ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.8×10+0.2×20=12となる。
これに対して、優遇期間における最終ゲームであるときには、ATゲーム数として、50%の確率で「10ゲーム」に、30%の確率で「20ゲーム」に、20%の確率で「30ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.5×10+0.3×20+0.2×30=17となる。
このように、優遇期間においては、ゲーム毎にAT当選してATゲーム数が加算される。また、10ゲームに亘る優遇期間に移行されることにより獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、12×9+17=125となり、たとえば、図16に示すいずれのテーブルを参照してのAT抽選におけるATゲーム数の期待値よりも大きくなる。このため、優遇期間においては、優遇期間でないときよりも遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行われる。
また、優遇期間のうちでも、最終ゲームにおいては、最終ゲーム以外のゲームであるときよりもATゲーム数の期待値が大きくなるように設定されている。このため、優遇期間の最終ゲームに対する期待感を高めることができる。なお、優遇期間のうちATゲーム数の期待値が大きくなるタイミングは、最終ゲームに限らず、5ゲーム目など所定タイミング以降に設定されているものであってもよい。
[煽り演出処理]
次に、サブ制御部91が実行する煽り演出処理について説明する。煽り演出処理においては、ATゲーム数が付与されたか否かなどを複数ゲームに亘って遊技者に示唆する煽り演出が実行される。
たとえば、AT抽選によるAT当選でATゲーム数が付与されたときには、遊技者に期待感を与える演出をした後に、ATゲーム数が付与されたことが報知される。なお、このような真の報知に限らず、ATゲーム数が付与されたにもかかわらず、ATゲーム数が付与されていないことのガセの報知がされてもよい。また、AT抽選によりATゲーム数が付与されていないときには、遊技者に期待感を与える演出をした後に、ATゲーム数が付与されていないことが報知される。
煽り演出においては、たとえば、液晶表示器51の画面上に複数ゲームに亘ってキャラクタ画像が表示され、そのキャラクタによる演出でATゲーム数が付与されたか否かなどが報知される。このような煽り演出を実行することによって、複数ゲームに亘って遊技者の興趣を向上させることができる。
図17は、煽り演出処理を実行するためのフローチャートである。
先ず、サブ制御部91は、ATゲーム数が付与されているか否かにかかわらず、煽り演出抽選を50%の当選確率で実行する(S11)。サブ制御部91は、煽り演出抽選の結果、煽り演出を実行すると決定したか否かを判定する(S12)。サブ制御部91は、煽り演出を実行すると決定していないと判定したときには(S12においてNO)、煽り演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、煽り演出を実行すると決定したと判定したときには(S12においてYES)、煽り演出を実行することを示す煽り演出フラグをRAM91cの所定領域にセットする。その後、サブ制御部91は、煽り演出処理を終了する。
サブ制御部91は、この煽り演出処理によりRAM91cの所定領域に煽り演出フラグをセットしたときには。次のゲームから複数ゲーム(たとえば、3ゲーム)に亘って、煽り演出を実行する。なお、煽り演出によって真の報知がされるか、あるいはガセの報知がされるかは、さらなる抽選などによって決定されてもよいし、予め決まっていてもよい。サブ制御部91は、煽り演出の最終(たとえば、3ゲーム目)で最終的に結果を報知した後は、RAM91cの所定領域にセットされていた煽り演出フラグをクリアし、再び煽り演出フラグがセットされるまで、煽り演出を実行しない。
[報知演出処理]
次に、サブ制御部91が実行する報知演出処理について説明する。報知演出処理においては、AT抽選が実行された1ゲーム内において、そのAT抽選でATゲーム数が付与されたか否か、ATゲーム数が付与されたときには付与されたATゲーム数を遊技者に報知する報知演出が実行される。
報知演出においては、ATゲーム数に関する報知を2段階に分けて実行される。1段階目の報知は、1ゲーム内において遊技者がスタートスイッチ7を操作した後、第1停止リールを停止させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかを第1停止操作するまでの期間(以下、特定期間とも称する)において行われる。この1段階目の報知においては、AT抽選によってATゲーム数が付与されたことを条件として、ATゲーム数が付与された事実だけが報知される。以下では、1段階目の報知を付与確定報知とも称する。
2段階目の報知は、1ゲーム内において遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかを操作した後に行われる。つまり、2段階目の報知は、1ゲーム内で最終的にすべての表示結果が導出された後に行われる。この2段階目の報知においては、AT抽選によるAT当選でATゲーム数が付与されたときには、所定条件(後述するキャンセル操作の有無)に基づき付与されたATゲーム数の全部またはその一部が報知される。
2段階目の報知には、図24の第1操作演出による報知と、図25の第2操作演出による報知とが含まれる。第1操作演出による報知は、AT抽選によってATゲーム数が付与されたか否かにかかわらずに実行される可能性があり、ATゲーム数を付与するか否かが報知されるとともに、付与されていればそのゲーム数も報知される。第2操作演出による報知は、AT抽選によってATゲーム数が付与されたときのみ実行される可能性があり、ATゲーム数を付与することが確定的に報知されるとともに、付与されたゲーム数も報知される。
図18は、報知演出処理を実行するためのフローチャートである。
先ず、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされているか否かを判定する(S21)。サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされていると判定したときには(S21でYES)、報知演出処理を終了する。つまり、サブ制御部91は、煽り演出が実行されている間に報知演出を実行しないようになっている。
これにより、煽り演出によってATゲーム数が付与される可能性が複数ゲームに亘って示唆されている間は、報知演出による報知がされないため、煽り演出の流れを遮ることなく、遊技の興趣を持続させることができる。
一方、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされていないと判定したときには(S21でNO)、図19に示す報知演出抽選テーブルを参照して報知演出抽選を実行する(S22)。
ここで、図19は、報知演出抽選テーブルを説明するための図である。報知演出は、第1〜第3報知演出までの3種類の報知演出が設けられている。第1報知演出は、1段階目の報知として付与確定報知がされず、かつ2段階目の報知として第1操作演出による報知がされる報知演出である。第2報知演出は、1段階目の報知として付与確定報知がされず、かつ2段階目の報知として第2操作演出による報知がされる報知演出である。本実施の形態においては、非優遇期間であるか、あるいは優遇期間であるかによって報知演出の実行確率が異なっている。さらに、ATゲーム数の付与の有無によっても報知演出の実行確率が異なっている。
たとえば、非優遇期間であり、かつATゲーム数が付与されないときには、80%の確率で報知演出が実行されず、20%の確率で第1報知演出が実行されるようになっている。
非優遇期間であり、かつATゲーム数が付与されるときには、30%の確率で報知演出が実行されず、50%の確率で第1報知演出が実行され、15%の確率で第2報知演出が実行され、5%の確率で第3報知演出が実行されるようになっている。
優遇期間であり、かつATゲーム数が付与されないときには、70%の確率で報知演出が実行されず、30%の確率で第1報知演出が実行されるようになっている。
優遇期間であり、かつATゲーム数が付与がされるときには、30%の確率で第1報知演出が実行され、50%の確率で第2報知演出が実行され、20%の確率で第3報知演出が実行されるようになっている。
このように、ATゲーム数が付与されない場合でも、あるいは付与される場合でも、AT抽選においてATゲーム数が付与されやすくなっている優遇期間においては優遇期間でないときよりも高い割合で報知演出が実行されるようになっている。これにより、ATゲーム数の獲得に期待をもてる優遇期間における遊技者の興趣を報知演出の実行によってさらに向上させることができる。
図18に戻り、サブ制御部91は、報知演出抽選の結果、報知演出を実行すると決定したか否かを判定する(S23)。サブ制御部91は、報知演出を実行すると決定していないと判定したときには(S23においてNO)、報知演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、報知演出を実行すると決定したと判定したときには(S23においてYES)、報知演出抽選の抽選結果に基づき報知演出を実行するための処理を行う(S24)。具体的には、報知演出抽選の抽選結果に基づき、付与確定報知を実行するためのデータや、操作演出を実行するためのデータをRAM91cの所定領域に設定する。
サブ制御部91は、報知演出抽選の抽選結果に基づき実行される報知演出は付与確定報知を実行する第3報知演出であるか否かを判定する(S25)。サブ制御部91は、付与確定報知を実行する第3報知演出でないと判定したときには(S25においてNO)、報知演出処理を終了する。一方、サブ制御部91は、付与確定報知を実行する第3報知演出であると判定したときには(S25においてYES)、付与確定報知を実行することを示す確定報知フラグをRAM91cの所定領域にセットする(S26)。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。
サブ制御部91は、S26において確定報知フラグをセットすることにより、演出設定処理の終了後の特定期間において付与確定報知を実行し、ATゲーム数が付与されたことを遊技者に報知する。また、サブ制御部91は、付与確定報知を実行した後には付与確定報知が実行済みであることを示す確定報知済みフラグをRAM91cの所定領域にセットする。
[補助演出処理]
次に、サブ制御部91が実行する補助演出処理について説明する。補助演出処理においては、イチゴ役またはメロン役に当選したときに、イチゴ役またはメロン役が当選していることを遊技者に報知する補助演出が実行される。
本実施の形態においては、イチゴ役の入賞図柄を入賞ラインL1に引き込んで停止させるタイミングで意図的にストップスイッチ8Lを操作しなければ、イチゴ1またはイチゴ2を入賞させることができず、また、メロン役の入賞図柄を入賞ラインL1に引き込んで停止させるタイミングで意図的にストップスイッチ8Lを操作しなければ、メロンを入賞させることができない。さらに、イチゴ役やメロン役への当選は、AT抽選条件に含まれている。
そこで、本実施の形態においては、イチゴ役またはメロン役に当選したゲームで第1停止操作がされる前に、イチゴ役またはメロン役が当選していることを遊技者に報知する補助演出を実行することで、遊技者に対して、ATゲーム数が付与されることに対して期待させるとともに、極力イチゴやメロンを入賞させてメダルの払い出しを受けられるようになっている。
具体的には、補助演出においては、たとえば、液晶表示器51の画面上に「イチゴまたはメロン!!」といった文字画像が表示され、イチゴ役またはメロン役に当選したことを遊技者に報知する。なお、いずれの役が当選したかは明確には報知されないようになっている。その理由は、仮にイチゴ役またはメロン役のいずれが当選したかを補助演出によって知ることができた場合、報知演出の最後で報知される付与されたATゲーム数がいずれの役当選に基づくAT抽選によるものかを、第1操作演出や第2操作演出の前に知ることができてしまうからである。
このような補助演出が実行されることによって、イチゴ役とメロン役の入賞図柄を引き込むことが可能なタイミング(本実施の形態では、左リール2Lにおいて「ブランク」の図柄が上段、中段、下段のいずれかに表示されたタイミング)で意図的にストップスイッチ8Lを操作するようになり、当選しているいずれかの役を入賞させることができる。
図20は、補助演出処理を実行するためのフローチャートである。
先ず、サブ制御部91は、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれかに当選したか否かを判定する(S31)。サブ制御部91は、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれにも当選していないと判定したときには(S31でNO)、補助演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれかに当選したと判定したときには(S31でYES)、RAM91cの所定領域に確定報知済みフラグがセットされているか否かを判定する(S32)。サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に確定報知済みフラグがセットされていないと判定したときには(S31でNO)、補助演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に確定報知済みフラグがセットされていると判定したときには(S32でYES)、補助演出を実行する(S33)。つまり、サブ制御部91は、付与確定報知がされた後に限り補助演出を実行するようになっている。その後、サブ制御部91は、補助演出処理を終了する。
これにより、先ず、付与確定報知によってATゲーム数の付与に対して遊技者に期待させておき、イチゴ役とメロン役の両方の入賞図柄を引き込むことが可能なタイミングで意図的にストップスイッチ8Lを操作させてイチゴ役当選であったかメロン役当選であったかを停止した図柄の組合せによって報知することにより、間接的にATゲーム数に対する期待感を異ならせることができる。また、できる限り当選しているいずれかの役を入賞させてメダルの払い出しを受けさせることができる。
[当選役確定フラグ設定処理]
次に、サブ制御部91が実行する当選役確定フラグ設定処理について説明する。当選役確定フラグ設定処理においては、当選役確定演出処理を実行する旨を示す当選役確定フラグをRAM91cの所定領域にセットするための処理が実行される。
当選役確定演出においては、イチゴ役またはメロン役に当選したときに、当選した役の種類を明確に遊技者に報知する演出である。たとえば、イチゴ役に当選したゲームにおいては、液晶表示器51の画面上において、イチゴの図柄が表示される。これにより、遊技者は、イチゴ役に当選していることを明確に認識することができる。
なお、当選役確定演出は、補助演出が実行される前には実行されないようになっている。その理由は、補助演出は、イチゴ役およびメロン役のいずれかが当選していることを報知する演出であるのに対し、当選役確定演出は、イチゴ役およびメロン役のうち当選した役の種類を確定報知する演出であるため、補助演出が実行された後に当選役確定演出が実行されないと、補助演出による効果が奏されないからである。
また、本実施の形態においては、イチゴ役に当選したゲームでの特定期間において付与確定報知がされた場合に限っては、当選役がイチゴ役であることが遊技者に表示結果により認識されるまで、当選役確定演出が実行されないようになっている。その理由は、当選役確定演出が実行されるときは、イチゴ役またはメロン役に当選することを条件としており、かつイチゴ役はメロン役よりもAT抽選においてATゲーム数の獲得に関して期待をもつことができないからである。
つまり、特定期間において付与確定報知がされたときには、その後の操作演出によって、メロン役当選時のAT当選によってより多くのATゲーム数が付与されることに遊技者が期待する。それにもかかわらず、当選役確定演出が実行されたことによって、イチゴ役に当選したことが確定報知されると、遊技者はその後に付与されるATゲーム数は少ないものであると推測できてしまい、遊技者の期待感が減退してしまう。このような状況を防止するため、本実施の形態においては、イチゴ役に当選したゲームの特定期間において付与確定報知がされた場合には、当選役がイチゴ役であることが遊技者に認識されるまで当選役確定演出が実行されないようになっている。つまり、イチゴ役に当選したゲームの特定期間において付与確定報知がされた場合には、当選役がイチゴ役であることが遊技者に認識されるまで、遊技者の意思にかかわらずイチゴ役に当選している旨が報知されないように構成されている。
図21は、当選役確定フラグ設定処理を実行するためのフローチャートである。
先ず、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされているか否かを判定する(S41)。サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされていると判定したときには(S41でYES)、当選役確定フラグ設定処理を終了する。つまり、サブ制御部91は、煽り演出が実行されている間に当選役確定演出を実行しないようになっている。
これにより、煽り演出によってATゲーム数が付与される可能性が複数ゲームに亘って示唆されている間は、当選役確定演出による報知がされないため、煽り演出の流れを遮ることなく、遊技の興趣を持続させることができる。
一方、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に煽り演出フラグがセットされていないと判定したときには(S41でNO)、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれかに当選したか否かを判定する(S42)。サブ制御部91は、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれにも当選していないと判定したときには(S42でNO)、当選役確定フラグ設定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、およびメロンA〜Fのいずれかに当選したと判定したときには(S42でYES)、当選役確定演出抽選を実行する(S43)。当選役確定演出抽選では、たとえば50%の確率で、当選役確定演出を実行すると決定される。サブ制御部91は、当選役確定演出抽選の結果、当選役確定演出を実行すると決定したか否かを判定する(S44)。サブ制御部91は、当選役確定演出を実行すると決定していないと判定したときには(S44においてNO)、当選役確定フラグ設定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、当選役確定演出を実行すると決定したと判定したときには(S44においてYES)、当選役は弱イチゴA〜F、および強イチゴA〜Fのいずれかであるか否かを判定する(S45)。サブ制御部91は、当選役は弱イチゴA〜F、および強イチゴA〜Fのいずれかであると判定したときには(S45でYES)、当選役確定フラグ1をRAM91cの所定領域にセットする(S46)。その後、サブ制御部91は、当選役確定フラグ設定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、当選役は弱イチゴA〜F、および強イチゴA〜Fのいずれかでない、つまり当選役はメロンA〜Fのいずれかであると判定したときには(S45でNO)、当選役確定フラグ2をRAM91cの所定領域にセットする(S47)。その後、サブ制御部91は、当選役確定フラグ設定処理を終了する。
[当選役確定演出処理]
次に、サブ制御部91が実行する当選役確定演出処理について説明する。図22は、当選役確定演出処理を実行するためのフローチャートである。
先ず、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に当選役確定フラグがセットされているか否かを判定する(S51)。サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に当選役確定フラグがセットされていないと判定したときには(S51でNO)、当選役確定演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域に当選役確定フラグがセットされていると判定したときには(S51でYES)、当選役確定フラグ1がセットされているか否かを判定する(S51)。サブ制御部91は、当選役確定フラグ1がセットされていない、つまり、当選役確定フラグ2がセットされていると判定したときには(S52でNO)、当選役確定演出を実行するための処理を行う(S56)。その後、サブ制御部91は、当選役確定演出処理を終了する。これにより、今回のゲームが開始された後であって、付与確定報知が実行される場合にはその後の所定タイミングにおいて当選役確定演出が実行される。
つまり、メロン役に当選したときには、当選役確定演出が操作演出によるATゲーム数の報知前であっても、遊技者の期待感が減退することがなく、逆に、多くのATゲーム数が付与されることに対して期待させることができるため、サブ制御部91は、当選役確定演出を実行するようになっている。
一方、サブ制御部91は、当選役確定フラグ1がセットされていると判定したときには(S52でYES)、RAM91cの所定領域に確定報知済みフラグがセットされているか否かを判定する(S53)。サブ制御部91は、確定報知済みフラグがセットされていないと判定したときには(S53でNO)、S56の処理に移行する。
つまり、イチゴ役に当選したときでも、付与確定報知がされない報知演出(第1報知演出、第2報知演出)であれば、ATゲーム数が付与されたことが遊技者に報知されていないため、サブ制御部91は、当選役確定演出を実行するようになっている。
ここで、当選役確定演出が実行される所定タイミングについて説明する。本実施の形態における当選役確定演出は、付与確定報知がされないときには遊技者が第1停止操作をする前までに実行される。この理由は、遊技者が第1停止操作した後に当選役を報知したとしても、すでに第1停止操作によってリールが停止してしまっているため、当選役を知っても入賞させることができない場合があるからである。また、付与確定報知がされるときには、当選役がイチゴ役かメロン役かで当選役確定演出の実行タイミングは異なる。たとえば、イチゴ役に当選したときに付与確定報知がなされるときには、表示結果によってイチゴ役に当選したことを遊技者が認識するまで当選役確定演出は実行されない。この理由は、イチゴ役に当選したことを当選役確定演出で報知してしまうと、その後の操作演出によるATゲーム数の報知において遊技者が期待をもてなくなってしまうからである。一方、メロン役に当選したときに付与確定報知がされるときには、遊技者が第1停止操作をする前までに実行される。
一方、サブ制御部91は、確定報知済みフラグがセットされていると判定したときには(S53でYES)、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの第1停止操作があったか否かを判定する(S54)。サブ制御部91は、第1停止操作がないと判定したときには(S54でNO)、当選役確定演出処理を終了する。
つまり、サブ制御部91は、イチゴ役に当選したゲームでの報知演出において、付与確定報知がされている場合には、特定期間で当選役確定演出を実行しない。
これにより、付与確定報知がされることにより、遊技者に対して、ATゲーム数が付与されることを判別させるとともにそのゲーム数については判別させないことで多くのATゲーム数が付与されていることに対する期待感を抱かせることができる。このような付与確定報知がされた特定期間においては、付与されるATゲーム数の期待値が低いイチゴ役に当選したときの当選役確定演出は実行されないため、付与確定報知がされることによって遊技者に抱かせた期待感が減退してしまうことを防止することができる。
一方、サブ制御部91は、第1停止操作があると判定したときには(S54でYES)、イチゴ役の当選が判別可能であるか否かを判定する(S55)。イチゴ役の当選が判別可能な状態とは、たとえば、リールの停止状況によって、イチゴ役に入賞したことやイチゴ役を取りこぼしたことを遊技者が確定的に判別可能となった状態のことをいう。
サブ制御部91は、イチゴ役の当選が判別可能でないと判定したときには(S55でNO)、未だ遊技者が付与されるATゲーム数の大きさに対して期待をもっているため、当選役確定演出を実行することなく、当選役確定演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、イチゴ役の当選が判別可能であると判定したときには(S55でYES)、すでに遊技者がリールの停止状況によって、イチゴ役に入賞したことやイチゴ役を取りこぼしたことを遊技者が把握している可能性が高いため、当選役確定演出を実行する(S56)。その後、サブ制御部91は、当選役確定演出処理を終了する。
[報知演出と当選役確定演出との関係]
次に、報知演出と当選役確定演出との関係について説明する。図23は、報知演出と当選役確定演出との関係を説明するための図である。図23では、報知演出と当選役確定演出との関係として、イチゴ役当選時における一例を説明する。
図23(a)は、イチゴ役当選時にATゲーム数が付与されたゲームにおいて、報知演出で付与確定報知されない場合の報知演出と当選役確定演出との関係を示している。
図23(a)に示すように、イチゴ役当選時にATゲーム数が付与されたゲームにおいて付与確定報知されない時(図22のS53でNOの場合)には、特定期間内の所定タイミングにおいて当選役確定演出が実行されるため、液晶表示器51の画面上の画像部70においてイチゴの図柄が表示される。その後、中リール2C、右リール2Rが順次停止する間も当選役確定演出は実行されたままである。
これに対して、図23(b)に示すように、イチゴ役当選時にATゲーム数が付与されたゲームにおいて付与確定報知される時(図22のS53でYESの場合)には、少なくとも特定期間においては当選役確定演出が実行されないため(図22のS54でNOの場合)、液晶表示器51の画面上の画像部70においてイチゴの図柄は表示されない。その後、左リール2Lが停止したときにイチゴ役の当選が判別可能となるため(図22のS55でYESの場合)、そのタイミングで当選役確定演出が実行され、液晶表示器51の画面上の画像部70においてイチゴの図柄が表示される。その後、最終停止するまで当選役確定演出は実行されたままである。
このように、付与確定報知がされた特定期間においては、イチゴ役に当選したときの当選役確定演出は実行されないため、付与確定報知がされることによって遊技者に抱かせた期待感が減退してしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、すべてのリールが停止した後に、報知演出の2段階目の報知として、第1操作演出または第2操作演出による報知がされることで、付与されたATゲーム数の全部またはその一部が報知される。
[第1操作演出の演出態様]
次に、図24を用いて第1操作演出の具体的な演出態様を説明する。図24は、第1操作演出の演出態様を説明するための図である。
報知演出において第1操作演出が実行されると、図24(a)に示すように、液晶表示器51の画面上にルーレット画像が表示される。ルーレット画像においては、4種類の選択肢の枠が表示される。図24(a)では、4種類の選択肢の枠内に、AT抽選の結果を示す情報として、「残念」の文字画像、「+10」の文字画像、「+30」の文字画像、および「+100」の文字画像が表示されている例について説明する。なお、ATゲーム数が付与されている場合には、この4種類の選択肢の中には、付与されたATゲーム数以下のゲーム数が含まれている。
「残念」の文字画像は、AT抽選によってATゲーム数が付与されなかったことを示している。「+10」の文字画像は、AT抽選によって10ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。「+30」の文字画像は、AT抽選によって30ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。「+100」の文字画像は、AT抽選によって100ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。
このように、第1操作演出においては、AT抽選によってATゲーム数が付与されると決定されたか否か、および決定された場合は何ゲームのATゲームが付与されるかを報知する演出が行われる。
また、液晶表示器51の画面の中央部には、4種類の選択肢の枠の一部にそれぞれ重なるように、操作要求演出としてのチャンスボタンの画像が表示される。この操作要求演出によって、演出用スイッチ56の操作を遊技者に促している。そして、液晶表示器51の画面の左上部には、ATカウント表示部60が表示され、その表示には、制御中のATの残りATゲーム数として「残り10ゲーム」の文字画像が表示されている。これにより、遊技者に対して現在の残りATゲーム数を報知している。
先ず、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作したときにおける第1操作演出の演出態様を説明する。
操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作すると、図24(b)に示すようにルーレット演出が開始され、所定時間経過したときに、4種類の選択肢の枠のうちいずれかが最終的に点灯される。図24(b)に示す例では、「+30」の文字画像が表示された枠が点灯されている。このように、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作することによってAT抽選の結果が報知されるため、遊技者はAT抽選によって30ゲームのATゲーム数が付与されたことを認識することができる。
そして、図24(c)に示すように、遊技者がゲーム終了後のベット操作をすると、第1操作演出が終了するとともに報知演出(この例では、第1報知演出)が終了する。このとき、液晶表示器51の画面上のATカウント表示部60には、更新された後のATゲーム数が表示される。図24(c)に示す例では、ATゲーム数が+30追加された上で次のゲームが開始されたため、ATカウント表示部60には「残り40ゲーム」の文字画像が表示される。なお、遊技者がベット操作をせずとも、結果が報知された後には自動的にATカウント表示部60におけるATゲーム数が更新されるものであってもよい。
次に、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作せずにゲーム終了後のベット操作をして第1操作演出をキャンセルしたときにおける第1操作演出の演出態様を説明する。
操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作せずにゲーム終了後のベット操作をすると、図24(d)に示すようにルーレット演出が開始されることなく、次のゲームが開始して第1操作演出が終了する。この場合、第1操作演出がキャンセルされたため、AT抽選の結果は報知されない。よって、次のゲームにおける液晶表示器51の画面上のATカウント表示部60には、ATゲーム数が付与されていたとしても更新されないままのATゲーム数が表示される。図24(d)に示す例では、ATゲーム数が更新されずに次のゲームが開始されたため、ATカウント表示部60には「残り10ゲーム」の文字画像が表示される。
なお、AT抽選によってATゲーム数が付与されていたにもかかわらず、第1操作演出がキャンセルされたときには、その第1操作演出によっては付与されたATゲーム数が報知されないため、未報知分のATゲーム数が存在することになる。この場合、ATに制御中であれば、当該ATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて未報知分のATゲーム数が報知されるようになっている。なお、ATに制御中でなければ、次回以降のゲームで未報知分のATゲーム数が報知されてもよい。
また、本実施の形態においては、付与されたATゲーム数がルーレット演出の選択肢には含まれない場合もある。そのため、演出用スイッチ56が操作されてATゲーム数が報知されたとしても、その報知は付与されたATゲーム数の一部となり、未報知分のATゲーム数が存在することになる。たとえば、AT抽選によって付与された合計のATゲーム数が150ゲームであったときの第1操作演出によって100ゲームの報知がされたときには、残りの50ゲーム分が未報知分のATゲーム数となる。よって、この場合は、ATに制御中であれば、当該ATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて未報知分のATゲーム数が報知されるようになっている。また、この場合においても、ATに制御中でなければ、次回以降のゲームで未報知分のATゲーム数が報知されてもよい。
また、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作してルーレット演出が開始された後、所定時間経過する前にゲーム終了後のベット操作がされたときには、図24(b)のような報知をせずに、図24(d)に示すように、第1操作演出がキャンセルされるようにもなっている。
このように、本実施の形態においては、ATゲーム数が付与されているか否かにかかわらず実行される第1操作演出において演出用スイッチ56が操作されたときには、ATゲーム数付与の結果や付与されたATゲーム数の全部または一部が報知される。一方、第1操作演出においてキャンセル操作がされたときには、ATゲーム数が付与されていたとしても、AT抽選の結果は報知されずに第1操作演出が終了する。これにより、第1操作演出が実行されたときには、AT抽選によってATゲーム数が付与されたのかが分からない上に、キャンセル操作をすると、AT抽選の結果が報知されないため、第1操作演出において遊技者が積極的に演出用スイッチ56を操作するように促すことができる。
また、このように、第1操作演出においてキャンセル操作がされたときに発生した場合でも、ATに制御中であれば、当該ATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて未報知分のATゲーム数が報知されるため、ATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいてより多くのATゲーム数が付与された旨が一度に報知されることがあり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1操作演出は、特定期間において付与確定報知が行われない第1報知演出で実行されるようになっている。そのため、遊技者は、特定期間において付与確定報知が行われなかったゲームの最終結果が導出されたときに第1操作演出が実行されることによって、ATゲーム数が付与されているか否かに対して期待することができるとともに、より多くのゲーム数が付与されることに対しても期待することができる。
[第2操作演出の演出態様]
次に、図25を用いて第2操作演出の具体的な演出態様を説明する。図25は、第2操作演出の演出態様を説明するための図である。
報知演出において第2操作演出が実行されると、図25(a)に示すように、液晶表示器51の画面上にルーレット画像が表示される。ルーレット画像においては、4種類の選択肢の枠が表示される。図24(b)では、4種類の選択肢の枠内には、AT抽選の結果を示す情報として、「+30」の文字画像、「+50」の文字画像、「+77」の文字画像、および「+100」の文字画像が表示されている例について説明する。なお、この4種類の選択肢の中には、付与されたATゲーム数以下のゲーム数が含まれている。
「+30」の文字画像は、AT抽選によって30ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。「+50」の文字画像は、AT抽選によって50ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。「+77」の文字画像は、AT抽選によって77ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。「+100」の文字画像は、AT抽選によって100ゲームのATゲーム数が付与されたことを示している。
このように、第2操作演出はAT抽選によってATゲーム数が付与されると決定されたときのみ実行されるため、図25で示した第1操作演出とは異なり、「残念」の文字画像が選択肢の中に含まれていない。また、これにより、遊技者は、30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることを認識することができるようになっている。
ここで、77ゲームのATゲーム数が付与される場合には、ボーナス当選もしている可能性が高い。そのため、遊技者は、ATゲーム数の付与とともに、「+77」の文字画像が選択されることでボーナス当選していることに対しても期待することができる。このように、報知されるATゲーム数の大きさに対して、遊技者の興味を惹きつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、液晶表示器51の画面の中央部には、4種類の選択肢の枠の一部にそれぞれ重なるように、操作要求演出としてのチャンスボタンの画像が表示される。この操作要求演出によって、演出用スイッチ56の操作を遊技者に促している。そして、液晶表示器51の画面の左上部には、ATカウント表示部60が表示され、その表示には、制御中のATの残りATゲーム数として「残り10ゲーム」の文字画像が表示されている。これにより、遊技者に対して現在の残りATゲーム数を報知している。
先ず、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作したときにおける第2操作演出の演出態様を説明する。
操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作すると、図25(b)に示すようにルーレット演出が開始され、所定時間経過したときに、4種類の選択肢の枠のうちいずれかが最終的に点灯される。図25(b)に示す例では、「+77」の文字画像が表示された枠が点灯されている。このように、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作することによってAT抽選の結果が報知されるため、遊技者はAT抽選によって77ゲームのATゲーム数が付与されたことを認識することができる。さらに、遊技者は、ボーナス当選していることに対しても期待することができる。
そして、図25(c)に示すように、遊技者がゲーム終了後のベット操作をすると、第2操作演出が終了するとともに報知演出(本実施の形態では、第2報知演出または第3報知演出)が終了する。このとき、液晶表示器51の画面上のATカウント表示部60には、更新された後のATゲーム数が表示される。図25(c)に示す例では、ATゲーム数が+77追加されたため、ATカウント表示部60には「残り87ゲーム」の文字画像が表示される。なお、遊技者がベット操作をせずとも結果報知された後には自動的にATカウント表示部60におけるATゲーム数が更新されるものであってもよい。
次に、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作せずにゲーム終了後のベット操作をして第2操作演出をキャンセルしたときにおける第2操作演出の演出態様を説明する。
操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作せずにゲーム終了後のベット操作をすると、図25(d)に示すようにルーレット演出が開始されることなく、第2操作演出が終了する。この場合、第2操作演出がキャンセルされたが、AT抽選の結果として、付与されたATゲーム数の一部が報知される。よって、液晶表示器51の画面上のATカウント表示部60には、更新後のATゲーム数が表示される。図25(d)に示す例では、付与されたATゲーム数のうち10ゲーム分だけ報知するため、10ゲーム分のATゲーム数が更新されて、ATカウント表示部60には「残り20ゲーム」の文字画像が表示される。このように、たとえば、AT抽選によって77ゲームのATゲーム数が付与されていたとしても、そのうちの一部となる10ゲーム分だけは報知されるようになっている。
なお、第2操作演出がキャンセルされたときには、その第2操作演出によっては、付与されたATゲーム数の一部しか報知されないため、未報知分のATゲーム数が存在することになる。この場合、ATに制御中であれば、当該ATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて未報知分のATゲーム数が報知されるようになっている。なお、ATに制御中でなければ、次回以降のゲームで未報知分のATゲーム数が報知されてもよい。
また、本実施の形態においては、付与されたATゲーム数がルーレット演出の選択肢には含まれない場合もある。そのため、演出用スイッチ56が操作されてATゲーム数が報知されたとしても、その報知は付与されたATゲーム数の一部となり、未報知分のATゲーム数が存在することになる。たとえば、AT抽選によって付与された合計のATゲーム数が150ゲームであったときの第2操作演出によって100ゲームの報知がされたときには、残りの50ゲーム分が未報知分のATゲーム数となる。よって、この場合は、ATに制御中であれば、当該ATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて未報知分のATゲーム数が報知されるようになっている。また、この場合においても、ATに制御中でなければ、次回以降のゲームで未報知分のATゲーム数が報知されてもよい。
また、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を操作してルーレット演出が開始された後、所定時間経過する前にゲーム終了後のベット操作がされたときには、図25(b)のような報知をせずに、図25(d)に示すように、第2操作演出がキャンセルされるようにもなっている。
このように、本実施の形態においては、ATゲーム数が付与されているときのみ実行される第2操作演出において演出用スイッチ56が操作されたときには、ATゲーム数付与の結果や付与されたATゲーム数の全部または一部が報知される。一方、第2操作演出においてキャンセル操作がされたときでも、付与されているATゲーム数以下となるATゲーム数を特定可能な情報がATカウント表示部60によって報知される。これにより、ATゲーム数が付与されているときのみ実行される第2操作演出でキャンセルされたときに第1操作演出のようにAT抽選の結果が何ら報知されずに演出が終了するものとは異なり、AT抽選の一部の結果が報知されて演出が終了するため、ATゲーム数の付与自体に対して遊技者に不信感を抱かせることがない。
また、このように、第2操作演出が実行されたにもかかわらず演出用スイッチ56の操作がされるまでに第2操作演出を終了させるキャンセル操作がされたときには、第2操作演出が実行される必要条件である10ゲーム分のATゲーム数が付与された旨の報知されないため、第2操作演出が実行されているときには演出用スイッチ56の操作をするように遊技者を促すことができる。
また、第2操作演出は、特定期間において付与確定報知が行われる第3報知演出に限らず、付与確定報知が行われない第2報知演出においても実行されるようになっている。そのため、遊技者は、特定期間において付与確定報知が行われなかったゲームの最終的な表示結果が導出された後に第2操作演出が実行されたときには、ATゲーム数が確実に付与されることを認識することで遊技の興趣が向上し、さらに、より多くのATゲーム数が付与されることに対しても期待することができる。
さらに、図25に示す第2操作演出の例では、付与されるATゲーム数が30ゲーム以上であることが示唆されている。つまり、AT抽選において選択され得る10ゲームのATゲーム数よりは多い30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることを遊技者は認識することができるようになっている。これにより、遊技者に、30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることに対する期待感を抱かせることができる。また、特定期間においては、このような第2操作演出によって30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることは示唆されないため、特定期間において30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることが示唆されてしまうことで、付与確定報知によって遊技者に抱かせた期待感が減退してしまうことを防止することができる。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、RT0またはRT2であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
より具体的には、サブ制御部91は、RT1において32ゲーム消化された時点でATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。このとき、遊技状態がRT1からRT0へ移行すると同時にATに制御する。なお、AT中におけるRT0においてリプレイ3(昇格リプ)の入賞によりRT2に制御されたときには、当該RT2においても当該ATへの制御が継続される。
一方、サブ制御部91は、AT中におけるRT0においてリプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞によりRT1に制御されたときには、非ATに制御する。
また、サブ制御部91は、AT中におけるRT2において取りこぼし出目が導出されたときには、当該RT0においても当該ATへの制御が継続される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、RT0、RT2においてATに制御したときには、消化したゲーム数をカウントする。サブ制御部91は、制御中のATのすべてのゲームを消費したと判定した場合に、非ATに制御する。
非ATに制御されたときには、ナビ演出が実行されない。これにより、RT0においては、リプレイ3(昇格リプ)の入賞が発生しにくくなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)が発生しやすくなる。また、RT2においては、取りこぼし出目が導出しやすくなる。そのため、RT0やRT2での遊技が継続されることを極力防止することができる。
[ナビ演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
本実施の形態におけるATは、RT0およびRT2の遊技状態にのみナビ演出が実行される。たとえば、RT0におけるナビ対象役は、リプA〜F、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dである。
また、本実施の形態においては、リプレイ3(昇格リプ)に入賞することにより、RT2へ移行するが、そのときにナビ演出が実行されていれば、RT2においてもナビ演出は継続される。なお、RT2におけるナビ対象役は、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dである。
リプA〜Fのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が報知される。たとえば、リプAに当選したときのナビ演出としては、「順押し」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、リプレイ3(昇格リプ)に入賞してRT2へ移行し易くなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞を回避してRT1へ移行することを防止することができる。
左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。たとえば、左ベルAに当選したときのナビ演出としては、「左」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、ベル1またはベル2に入賞してメダルを取得し易くなるとともに、RT2の状態においては取りこぼし出目が導出されることを回避してRT0へ移行することを防止することができる。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが報知される。なお、ナビ演出の態様は、上記に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[優遇期間移行抽選について]
本実施の形態における優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、第1〜第6のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときであれば行われる例について説明した。しかしながら、これに限らず、その他の条件で行われるようにしてもよい。
たとえば、優遇期間移行抽選は、AT中で第1〜第6のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときにのみ行われるようにしてもよい。
たとえば、優遇期間移行抽選は、非AT中で第1〜第6のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときにのみ行われるようにしてもよい。
たとえば、優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、第1〜第6のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選したときにのみ行われるようにしてもよい。
たとえば、優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、第1〜第6のAT抽選条件が成立したときには、AT抽選で当選したか否かにかかわらず行われるようにしてもよい。
また、優遇期間移行抽選は、所定の入賞役に当選や、所定入賞役に入賞など、所定条件が成立することにより行われるものであってもよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、イチゴ役やメロン役以外の小役に当選(あるいは入賞)したときに行われるようにしてもよい。この場合、イチゴ役やメロン役以外の小役のうちいずれに当選(あるいは入賞)したかに応じて、つまり成立した所定条件の種類に応じて、優遇期間移行確率を異ならせるようにしてもよい。
[イチゴ役とメロン役について]
本実施の形態においては、図14のAT抽選条件テーブルにおける第1〜第6のAT抽選条件のように、イチゴ役またはメロン役に当選したときにAT抽選が実行されるものであった。また、図20の補助演出処理においては、イチゴ役およびメロン役のいずれかに当選したときに補助演出を実行するものであった。さらに、図22の当選役確定演出処理においては、当選役確定演出によってイチゴ役およびメロン役のいずれに当選したかを確定的に報知するものであった。しかしながら、これに限らず、以下のように内部抽選の結果を用いるものであってもよい。
たとえば、イチゴ役をベルなどの所定の小役Aに置き換え、メロン役を小役Aとは異なる所定の小役Bに置き換えてもよい。この場合、小役Aに当選したときよりも小役Bに当選したときの方がATゲーム数の獲得期待値が高いものになるため、小役Aよりも小役Bの方が内部抽選の結果で当選しにくい役である方が好ましい。
たとえば、イチゴ役をリプレイなどの所定の再遊技Aに置き換え、メロン役を再遊技Aとは異なる所定の再遊技Bに置き換えてもよい。この場合、再遊技Aに当選したときよりも再遊技Bに当選したときの方がATゲーム数の獲得期待値が高いものになるため、再遊技Aよりも再遊技Bの方が内部抽選の結果で当選しにくい役である方が好ましい。
たとえば、イチゴ役を入賞ラインL1上に1つのイチゴ図柄が配置される所定の弱イチゴに置き換え、メロン役を入賞ラインL1上に2つ以上のイチゴ図柄が配置される所定の強イチゴに置き換えてもよい。この場合、弱イチゴに当選したときよりも強イチゴに当選したときの方がATゲーム数の獲得期待値が高いものになるため、弱イチゴよりも強イチゴの方が内部抽選の結果で当選しにくい役である方が好ましい。
さらに、弱イチゴと強イチゴとは、第2停止操作がされるまでは区別できないものであってもよい。たとえば、弱イチゴは、左リールの所定位置(たとえば、下段)にイチゴの図柄が配置され、かつ中リールには特定図柄(たとえば、「7」の図柄など遊技者から注目されやすい図柄)がいずれの位置にも配置されないものであるのに対して、強イチゴは、左リールの所定位置(たとえば、下段)にイチゴの図柄が配置され、かつ中リールには特定図柄(たとえば、「7」の図柄など遊技者から注目されやすい図柄)がいずれかの位置に配置されるものであってもよい。あるいは、弱イチゴは、左リールの所定位置(たとえば、下段)にイチゴの図柄が配置され、かつ中リールには特定図柄(たとえば、「7」の図柄など遊技者から注目されやすい図柄)が特定位置(たとえば、上段または下段)に配置されるのに対して、強イチゴは、左リールの所定位置(たとえば、下段)にイチゴの図柄が配置され、かつ中リールには特定図柄(たとえば、「7」の図柄など遊技者から注目されやすい図柄)が特定位置とは異なる位置(たとえば、中段)に配置されるものであってもよい。これにより、弱イチゴと強イチゴとを区別するには、左リールのみを停止させただけでは足りず、中リールまで停止する必要があるため、遊技者がいずれの役に当選したのかについて注目できる時間が長くなり、遊技の興趣が向上する。
たとえば、イチゴ役をリーチ目などではない単なるハズレ目となる所定の弱ハズレに置き換え、メロン役をリーチ目となる所定の強ハズレに置き換えてもよい。この場合、弱ハズレに決定されたときよりも強ハズレに決定されたときの方がATゲーム数の獲得期待値が高いものになる。
たとえば、イチゴ役をレギュラーボーナスなどの所定の特別役Aに置き換え、メロン役をビッグボーナスなどの所定の特別役Bに置き換えてもよい。この場合、特別役Aに当選したときよりも特別役Bに当選したときの方がATゲーム数の獲得期待値が高いものになるため、特別役Aよりも特別役Bの方が内部抽選の結果で当選しにくい役である方が好ましい。
また、上記のようにイチゴ役およびメロン役に置き換えた内部抽選の結果を、入れ替えて組み合わせて用いてもよい。
[煽り演出について]
本実施の形態においては、煽り演出が、AT抽選によりATゲーム数が付与されたときにも、付与されなかったときにも実行されるものであったが、これに限らない。
たとえば、煽り演出は、AT抽選によりATゲーム数が付与されたときのみ実行されるものであってもよい。
また、煽り演出の演出態様は、ATゲーム数が付与される可能性を複数ゲームに亘って示唆するものであれば、いずれの演出態様であってもよい。
また、煽り演出は、煽り演出抽選で当選したときに実行されるものに限らず、AT抽選によりATゲーム数が付与されたときには必ず実行されるものや、AT抽選が実行されたときには必ず実行されるものであってもよい。
また、煽り演出は、ATゲーム数の付与に関する情報を示唆するものに限らず、遊技者が知りたがっている情報であれば、いずれの情報を示唆するものであってもよい。
[報知演出について]
本実施の形態における報知演出は、3種類の報知演出が設けられていたが、これに限らない。たとえば、AT抽選でATゲーム数が付与されたときには、付与確定報知を必ず実行する1種類の報知演出(たとえば、図19の第3報知演出)のみが設けられていてもよい。また、3種類以上の報知演出が設けられていてもよい。
本実施の形態における報知演出は、図19の報知演出抽選テーブルに格納された振分率に基づいて実行するか否かを決定していたが、この振分率の値は適宜変更することも可能である。この場合においては、優遇期間であるときには非優遇期間であるときよりも高い割合で報知演出が実行される方が好ましい。なお、報知演出抽選をしなくても、優遇期間であるときには報知演出を実行するのに対して、非優遇期間であるときには報知演出を実行しないものであってもよい。
また、本実施の形態においては、付与確定報知と操作演出とから構成される報知演出によって、1段階目の報知として特定期間内にATゲーム数が付与されたか否かを報知し、2段階目の報知として表示結果が導出された後に付与されるATゲーム数を報知していた。しかしながら、これに限らず、以下のように、操作演出によって、上記1段階目の報知と2段階目の報知をするものであってもよい。
たとえば、ATゲーム数の付与が確定する第2操作演出を1ゲームの開始時で実行する。ルーレット画像が表示されることによって、ATゲーム数の付与が確定する(1段階目の報知)。その後、操作要求に対して遊技者が演出用スイッチ56などを操作することにより、最終的に付与されるATゲーム数を報知する(2段階目の報知)。この場合、当選役確定演出は、1段階目の報知としてルーレット画像が表示された後、最終的に付与されるATゲーム数が報知される前においては実行されないようにする方が好ましい。
[特定期間について]
本実施の形態においては、1ゲーム内において遊技者がスタートスイッチ7を操作した後、第1停止操作するまでの期間を特定期間として説明したが、これに限らない。
たとえば、特定期間は、1ゲーム内において遊技者がスタートスイッチ7を操作した後、第1停止操作するまでの期間の中での所定期間であってもよい。
たとえば、特定期間は、表示結果に基づき遊技者が当選役を判別できるまでの期間であってもよい。たとえば、イチゴ役当選に対応する当選状況が第2停止までしないと表示結果に基づき遊技者が当選役を判別できないスロットマシンであれば、特定期間は、1ゲーム内において遊技者がスタートスイッチ7を操作した後、第2停止操作するまでの期間であってもよいし、当該期間の中での所定期間であってもよい。
[補助演出について]
本実施の形態においては、補助演出は、液晶表示器51の画面上に「イチゴまたはメロン!!」といった文字画像が表示され、イチゴ役またはメロン役に当選したことを遊技者に報知するものであったが、これに限らない。
たとえば、補助演出は、イチゴ役またはメロン役を入賞させることが可能な操作態様(本実施の形態では、左リール2Lにおいて「ブランク」の図柄が上段、中段、下段のいずれかに表示されたタイミングでの操作)を報知するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、補助演出は、付与確定報知がされたときには必ず実行されるものであったが、これに限らず、付与確定報知がされないときでも実行されるものであってもよい。
また、補助演出と付与確定報知は1つの演出によって兼用されていてもよい。たとえば、補助演出が実行されたときには、イチゴ役またはメロン役が当選したときであるので、AT抽選で100%の確率でATゲーム数が付与されるものであれば、補助演出によって付与確定報知の機能を兼用することができる。
[当選役確定演出について]
本実施の形態においては、当選役確定演出は、液晶表示器51の画面上において、イチゴの図柄やメロンの図柄が表示することで、イチゴ役およびメロン役のうち当選した役の種類を明確に遊技者に報知するものであったが、これに限らない。たとえば、イチゴの図柄やメロンの図柄が表示されるものに限らず、イチゴに当選していたときには画面が瞬間的に赤色に表示され、メロンに当選していたときには画面が瞬間的に緑色に表示されるなど、遊技者がイチゴ役およびメロン役のうち当選した役の種類を明確に判別できるような演出であればよい。
また、当選役確定演出は、当選役確定演出抽選で当選したときに実行されるものに限らず、イチゴ役に当選したゲームで付与確定報知されたときには、実行しないものであってもよい。たとえば、図23(b)の例を用いた場合、第2リールが停止したときに表示されていたイチゴの図柄の画像が、1ゲーム中、常に表示されない(第3リールの停止した後も表示されない)ものであってもよい。
また、本実施の形態においては、当選役がイチゴ役であることが遊技者に表示結果により認識されるまで当選役確定演出が実行されないようになっていたが、遊技者がイチゴ役に当選したことを第1停止リールの表示結果で分かるようであれば、第1停止リールの停止後は当選役確定演出が実行されるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、イチゴ役に当選したゲームで付与確定報知されたときのみ特定期間で当選役確定演出が実行されないものであったが。これに限らず、メロン役に当選したゲームで付与確定報知されたときのみ特定期間で当選役確定演出が実行されないものであってもよい。これにより、メロン役に当選したときでも、操作演出が実行されるまでは付与されるATゲーム数に対して遊技者の興味を惹き付けることができる。また、メロン役に当選したときに付与確定報知がなされるときには、表示結果によってメロン役に当選したことを遊技者が認識するまで当選役確定演出が実行されないものであってもよい。
[操作演出について]
本実施形態においては、図24に示すようなルーレット演出を用いた第1操作演出および図25に示すようなルーレット演出を用いた第2操作演出を実行するものであったが、これに限らず操作演出は以下のような演出態様であってもよい。
たとえば、変形例における第1操作演出においては、ルーレット演出の代わりに、液晶表示器51の画面上にゲージ画像が表示されるとともに操作要求演出が行われる。そして、操作要求演出に対して遊技者が演出用スイッチ56を連打することによって、ゲージが溜まっていく演出がされる。
そして、ATゲーム数が付与されていれば、ゲージが満タンに溜まって「成功!」の文字画像が表示される。これにより、演出用スイッチ56を操作した遊技者に対してATゲーム数が付与されたことを報知することができる。つまり、この場合の第1操作演出に対応する操作とは、演出用スイッチ56を連打してゲージが満タンに溜まったときのことである。その後、ベット操作がされることによってATカウント表示部60の残りATゲーム数が追加されて更新される。これにより、演出用スイッチ56を操作した遊技者に対して付与されたATゲーム数を報知することができる。
一方、ATゲーム数が付与されていなければ、溜まっていたゲージが途中で無くなって「失敗!」の文字画像が表示される。これにより、演出用スイッチ56を操作した遊技者に対してATゲーム数が付与されなかったことを報知することができる。その後、ベット操作がされても、ATゲーム数が付与されていないため、ATカウント表示部60の残りATゲーム数は追加されない。
また、ATゲーム数の付与の有無にかかわらず、第1操作演出の実行中に演出用スイッチ56が操作されることなくベット操作がされると、ATカウント表示部60の残りATゲーム数は追加されることなく第1操作演出が終了する。なお、演出用スイッチ56を連打してゲージが満タンに溜まる前にベット操作がされたときでも第1操作演出はキャンセルされる。
このような第1操作演出を実行するものであっても、第1操作演出が実行されたときには、AT抽選によってATゲーム数が付与されたのかが分からない上に、キャンセル操作をすると、AT抽選の結果が報知されないため、第1操作演出において遊技者が積極的に演出用スイッチ56を操作するように促すことができる。
次に、変形例における第2操作演出においては、ルーレット演出の代わりに、液晶表示器51の画面上に操作要求演出としてのチャンスボタンの画像が大きく表示される。
そして、操作要求演出に対して演出用スイッチ56が操作されると、「+30ゲーム」の文字画像が表示される。これにより、演出用スイッチ56を操作した遊技者に対してATゲーム数が付与されたことを報知することができる。その後、ベット操作がされることによってATカウント表示部60の残りATゲーム数が追加されて更新される。これにより、演出用スイッチ56を操作した遊技者に対して付与されたATゲーム数を報知することができる。
一方、第2操作演出の実行中に演出用スイッチ56が操作されることなくベット操作がされると、ベット操作がされることによってATカウント表示部60の残りATゲーム数が追加されて更新される。
このような第2操作演出を実行するものであっても、ATゲーム数が付与されているときのみ実行される第2操作演出でキャンセルされたときに第1操作演出のようにAT抽選の結果が何ら報知されずに演出が終了するものとは異なり、AT抽選の一部の結果が報知されて演出が終了するため、ATゲーム数の付与自体に対して遊技者に不信感を抱かせることがない。
また、操作演出においては、AT抽選で付与されたATゲーム数を一括で報知するものであってもよいし、小出しで(複数回に分けて)報知するものであってもよい。
たとえば、AT抽選で付与されたATゲーム数が100ゲームであれば、「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」といったように、付与されたATゲーム数が増えていくように報知するものであってもよい。
さらに、ボーナスと同時当選している役が当選したときのAT抽選で付与されたATゲーム数が77ゲームであれば、「10ゲーム」、「20ゲーム」、「40ゲーム」といったように、付与されたATゲーム数が増えていくように報知するとともに、最後にボーナスを想起させる「7ゲーム」を報知してもよい。
また、本実施の形態においては、操作演出により報知されたATゲーム数を用いてボーナス当選を示唆するものであったが、これに限らず、直接的に「ボーナス当選」といった画像を用いるなど、その他の手段によってボーナス当選を示唆するものであってもよい。
さらに、操作演出により示唆されるATゲーム数以外の情報は、ボーナス当選に限らず、たとえば、設定値や遊技時間などその他の情報であってもよい。
また、本実施の形態においては、操作演出におけるルーレット画像によって、所定数以上のATゲーム数が付与されることを示唆するものであったが、これに限らない。
たとえば、ルーレット画像を用いるものではなく、単に操作要求演出としてのチャンスボタンの画像を表示して、当該画像が桜柄になっていれば、所定ゲーム数以上のATゲーム数が付与されることを示唆しているものであってもよい。
[未報知分の報知について]
本実施形態においては、ATゲーム数が付与されていたにもかかわらず第1操作演出がキャンセルされたときに生じた未報知分のATゲーム数を制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて報知するものであった。また、付与されたATゲーム数が、第1操作演出および第2操作演出で報知されたゲーム数よりも多いときに生じた未報知分のATゲーム数を制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームにおいて報知するものであった。しかしながら、このような処理をするものに限らず、その他の処理をするものであってもよい。
たとえば、制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲームに限らず、残りATゲーム数が0〜9ゲームの間やATの終了後など、操作演出の終了後の所定期間経過したときに未報知分のATゲーム数を報知するものであってもよい。さらには、次に行われる操作演出に上乗せして報知するものであってもよい。
また、以下のような処理で未報知分のATゲーム数を報知するものであってもよい。たとえば、サブ制御部91は、操作演出の終了後の所定の第1タイミング(たとえば、制御中のATの残りATゲーム数が2ゲームとなったゲーム)で所定確率に基づき示唆演出を実行する。示唆演出とは、その後にチャンス演出が行われるか否かを示唆する演出であり、具体的には液晶表示器51の画面上にキャラクタ画像が表示される演出である。サブ制御部91は、所定の第2タイミング(たとえば、制御中のATの残りATゲーム数が1ゲームとなったゲーム)で所定確率に基づきチャンス演出を実行する。チャンス演出とは、未報知分のATゲーム数があるか否かを煽るとともに、未報知分のATゲーム数があれば演出の最後でそれを報知し、未報知分のATゲーム数がなければ報知しない演出である。なお、チャンス演出は示唆演出が実行されたときの方が実行されなかったときよりも実行確率が高くなっている。このように、示唆演出やチャンス演出などの演出によって未報知分のATゲーム数を報知することによって、示唆演出やチャンス演出が行われたときに操作演出において未報知分のATゲーム数があるのではないかと遊技者に期待させ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、未報知分のATゲーム数が無く、チャンス演出によって報知されなかったとしても、そのセットのATが終了した後に、次のセットのATが開始されるか否かの継続演出(たとえば、キャラクタ同士のバトル演出などで味方キャラクタが勝利すると継続する演出など)を実行し、チャンス演出が実行されていたときの方が実行されなかったときよりも継続演出で次のセットのATが開始される演出がされやすくなっているものであってもよい。これによれば、未報知分のATゲーム数が無くチャンス演出によって報知されなかったとしても、その後の継続演出に対して遊技者に期待をもたせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[操作演出での報知について]
本実施形態においては、操作演出において、付与されたATゲーム数を報知するものであったが、これに限らない。たとえば、AT抽選によってATゲーム数を付与するものではなく、1消費するごとに50ゲームのATゲームを実行することのできるナビストックを付与するものであってもよい。そして、操作演出においては、付与されたナビストック数を報知するものであってもよい。
また、付与されたナビストック数1個に対応するATゲーム数を報知するものであってもよい。また、付与されたナビストックのそれぞれに対応するATゲーム数をナビストック数の分だけ合計したATゲーム数を報知するものであってもよい。また、付与されたATゲーム数の一部を操作演出の報知対象とし、第2操作演出がキャンセル操作されたときには、当該報知対象であるATゲーム数のさらに一部を報知するものであってもよい。さらには、付与されたナビストックに対応する合計のATゲーム数の一部を操作演出の報知対象とし、第2操作演出がキャンセル操作されたときには、当該報知対象であるATゲーム数のさらに一部を報知するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、AT抽選が実行された場合に一律報知演出による操作演出を実行するものであったが、これに限らず、初当り時においてのみ実行するものであってもよい。
また、第2操作演出でキャンセル操作がされたときには、ATカウント表示部60の表示が更新されることによって遊技者に報知されるものであったが、これに限らず、たとえば、キャンセル操作されたときに「+10ゲーム追加!」のような画面が液晶表示器51に表示されることで、一部のATゲーム数が一旦報知された後にATカウント表示部60の表示が更新されるものであってもよい。
また、操作演出は、図24、図25のような演出態様に限らず、その他の演出態様であってもよく、たとえば、液晶表示器51を用いた画面上の演出ではなくスピーカ53、54による音声による演出であってもよい。
[操作演出における操作について]
本実施形態においては、操作要求演出に対する操作として、第1操作演出および第2操作演出ともに、演出用スイッチ56を用いるものであった。しかしながら、これに限らず、たとえば、スタートスイッチ7やベット操作のようなその他の手段を用いるものであってもよい。さらには、第1操作演出と第2操作演出とで同じ操作を用いるものに限らず、たとえば、第1操作演出は演出用スイッチ56を用い、第2操作演出はスタートスイッチ7を用いるなど、互いに異なる操作を用いるものであってもよい。
[ナビ対象役について]
本実施形態に係るスロットマシン1のナビ対象役は、RT0であるときには、リプA〜F、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dであり、RT2であるときには、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dであったが、これに限らず、他の役であってもよい。また、たとえば、ナビ対象役に、メロンやイチゴを含め、当選したときにメロンに当選した旨あるいはイチゴに当選した旨を報知するようにしてもよい。
[フリーズ演出について]
本実施形態に係るスロットマシン1において、ストップスイッチ8L、8C、8Rやスタートスイッチ7などゲーム進行において操作される操作手段の操作を強制的に無効にするフリーズ制御を行うようにしてもよい。たとえば、ボーナス終了後1ゲーム目にBB1もしくはBB2に当選した場合に、フリーズ制御を行うようにしてもよい。
[本実施形態におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。