JP6411118B2 - 遠心羽根車およびそれを用いた一軸多段形遠心圧縮機および遠心羽根車の製造方法 - Google Patents

遠心羽根車およびそれを用いた一軸多段形遠心圧縮機および遠心羽根車の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一軸多段形遠心圧縮機の遠心羽根車の構造に関する。
プロセス用として使用される遠心圧縮機は、高効率でかつ広作動範囲が要求される。遠心圧縮機を一定回転速度で運転すると、図10の圧縮機の特性カーブを説明する図に示すように、その作動範囲は、小流量側はサージ発生、大流量側はチョーク発生によって定まる。このとき、設計点流量に対する小流量側の運転範囲はサージマージン、大流量側の運転範囲はチョークマージンと呼ばれる。
このサージ発生する流量(以下、サージ点と称す)より小さい流量で運転しようとすると、遠心圧縮機内部で失速・剥離に起因する逆流を生じ、安定した圧縮機運転が困難になり、圧縮機が損傷する可能性も生じる。
また吐出圧力を下げて、チョーク発生する流量(以下、チョーク点と称する)を超える流量増加を図ろうとしても、圧縮機内部の流路で流れが音速に達する(チョーク現象)と、それ以上の流量に増やすことはできない。
このサージマージンやチョークマージンを拡大する技術がいくつか考案されている。
例えば、特許文献1に開示される技術では、羽根入口から出口までの羽根角度分布、言い換えれば羽根の負荷分布を工夫することにより、羽根車のサージマージンを拡大し、同時に羽根車の効率向上を狙っている。この技術によれば、小流量側のサージマージン拡大効果が期待できる。しかし、大流量側のチョークマージン拡大については考慮されていない。
羽根車のチョークマージンを拡大するためには、羽根車流路の中で最も流路断面が狭い部分の面積、すなわちスロート面積を広くすることが知られている。詳しくは、羽根角度を工夫してスロート面積を大きくすると、チョークマージンを拡大することができる。
しかし、サージマージンを拡大するための羽根角度分布と、逆にチョークマージンを拡大する角度分布はトレードオフの関係になると考えられるので、この方法でチョークマージンを大幅に拡大することは難しい。
チョークマージンを拡大する他の方法として、特許文献2にも開示されている中間羽根の採用が挙げられる。この技術は、羽根車の羽根を、羽根長さの長い主羽根と相対的に羽根長さの短い中間羽根で構成し、それを後縁に揃えて周方向に交互に配置するものである。これにより、全て主羽根で構成した場合のスロート位置に対して、中間羽根の前縁はその位置よりも下流になるので、スロート位置の羽根数が半分になり、スロート面積を広くすることができる。
また、特許文献3には、ポンプ水車において、互いに隣接する主羽根の間に、主羽根のキャンバラインに沿う長さL0に対して所定比で短い、キャンバラインに沿う長さL1の羽根をもつ中間羽根を少なくとも1つ設けて、主羽根の一枚あたり負荷を減少させるとともに、翼面近傍での流速の減少をおさえて境界層の成長や流れの剥離を抑制する羽根車が開示され、これにより水位変動が大きな場合でも効率向上を図ることができ、キャビテーション特性を改善することが記載されている。
特開2010−151126号公報 特開2011−117346号公報 特開2000−54944号公報
上記の特許文献1に開示される技術によれば、サージマージンを拡大でき、特許文献2に開示される技術により、チョークマージンを拡大することができる。しかし、それぞれの技術だけでは、小流量側と大流量側の両方のマージンを拡大して、広作動範囲の遠心圧縮機を得ることができない。
また、特許文献2の中間羽根を用いたタイプの羽根車は、羽根車のシュラウドのついていないオープン羽根車に用いられることが多い。一軸多段形遠心圧縮機では、羽根先端隙間の管理が難しいという問題があり、オープン羽根車はほとんど適用されていない。
さらに、一軸多段形遠心圧縮機に適用可能な中間羽根をもったシュラウド付きの羽根車には、以下の製造上の課題がある。
羽根車の加工にはいくつかの方法がある。最も広く用いられているのは溶接製法で、その他にも鋳物、拡散接合、ロウ付け、あるいは放電加工などの製法がある。
例えば、溶接製法で行う場合、中間羽根の前縁付近は、溶接が容易でない。シュラウドに溝を加工して外部から溶接するスロット溶接を用いた場合でも、その前縁付近の溶接そのものの他に、その溶接ビードの仕上げは難しい。これは物理的に加工工具が挿入できないためである。
ロウ付けは、溶接ビードなしで接合するので、その仕上げの問題は無いが、ロウ付けそのものの接合強度が弱い上に、応力集中が生じやすいので、高速回転する圧縮機に適用するにはリスクが大きい。放電加工は、任意の形状に加工可能であるが、加工時間・加工コストの面で、課題がある。
鋳物で製作する場合は、中間羽根を備えた羽根車の製作は比較的容易である。したがって非圧縮性流体を取り扱うポンプなどでは1種類の鋳型で複数の羽根車を製作できるため、この製法が採用できるが、多段の圧縮機の場合、ガスの圧縮性のため、羽根車形状は各段で異なり、全ての羽根車を鋳物で作るのはコスト面で現実的でない。
本発明の目的は、サージマージンとチョークマージの両方を拡大し、広作動範囲の遠心羽根車を提供するとともに、一軸多段形遠心圧縮機に好適な遠心羽根車を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の複数の羽根の回転により遠心方向に流体を流出する遠心羽根車であって、前記複数の羽根は、その前縁からスロート位置までの羽根厚さを一定とし、前記スロート位置から後縁までの羽根厚さを下流に向かって厚みを増した主羽根と、前記主羽根と交互に設けられ、その前縁が前記スロート位置より下流に設けられ、前記主羽根より長さが短い中間羽根と、から成り、前記主羽根と前記中間羽根は、羽根車ハブと前記羽根車ハブに対向するシュラウドとの間に、周方向に配置され、前記主羽根は、前記羽根車ハブと前記シュラウドに一体接合し、前記中間羽根は、前記羽根車ハブと前記シュラウドのいずれか一方に一体接合するようにした。
また、本発明のひとつの回転軸に複数の異形の遠心羽根車を直列に配置し、流体を順次昇圧する一軸多段形遠心圧縮機は、前記遠心羽根車を、少なくとも最下流段に配置するようにした。
本発明によれば、高性能で広作動範囲の遠心羽根車を実現でき、また、一軸多段形遠心圧縮機の高性能化・高信頼化・低コスト化を図ることができる。
実施例の一軸多段形遠心圧縮機の断面構成をしめす図である。 実施例の羽根車の子午面形状をしめす図である。 実施例の羽根車の3次元斜視図(ワイヤーフレーム)である。 羽根車の羽根の負荷分布をしめす図である。 実施例の主羽根と中間羽根の接合構造の一例をしめす図である。 実施例の羽根車の羽根厚さをしめす3次元斜視図(ワイヤーフレーム)である。 主羽根と中間羽根の羽根厚さ分布をしめす図である。 主羽根と中間羽根の羽根厚さ分布の他例をしめす図である。 一軸多段遠心圧縮機の初段の圧縮機の特性を説明する図である。 一軸多段遠心圧縮機の最終段の圧縮機の特性を説明する図である。 圧縮機の特性カーブを説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
《一軸多段形遠心圧縮機の構成》
まず、一軸多段形遠心圧縮機の構成を説明する。図1は、実施例の一軸多段形遠心圧縮機の断面構成図である。
実施例の一軸多段形遠心圧縮機は、一つの回転軸10に5つの羽根車20−1〜20−5を備えた5段機の例である。圧縮流体は、吸込みノズル12から流入し、初段の羽根車20−1、ディフューザ1c、リターンチャネル1dを通過して2段目羽根車20−2へ流入する。以下、同様に、圧縮流体は、ディフューザ2c、3c、4c、リターンチャネル2d、3d、4dを通過して3段目羽根車20−3、4段目羽根車20−4、5段目羽根車20−5へ流入し、ディフューザ5cを経由して、吐出ノズル13から流出する。この間、羽根車20−1〜20−5で、圧縮流体は順次昇圧される。図の符号8は、圧縮流体の流れ方向をしめしている。
羽根車20−1〜20−5は、符号11の方向に回転する一軸の回転軸10により駆動され、圧縮流体を圧縮している。
回転軸10は、その両側をラジアル軸受6a、6bで支持され、また軸方向はスラスト軸受7で支持されている。また、回転軸10は、軸端ラビリンス9a、9bによりシールされている。
羽根車20−1〜20−5は、図に示すようなシュラウド付きの羽根車であり、回転部と静止部の間には、マウスラビリンス1b〜5bと段間ラビリンス1e〜4eが設けられ、段間の圧力漏れをシールしている。
回転軸10の回転とともに圧縮流体は昇圧され、同時に圧縮流体の温度も上昇するので、下流段ほど流体温度が高くなる。この温度上昇により、回転軸10は、熱膨張して、軸方向に所定の長さ伸びるが、マウスラビリンス1b〜5bと段間ラビリンス1e〜4eは、回転軸が軸方向に伸びても十分吸収できるので、漏れは変わらない。
回転軸10は、前段側のスラスト軸受7で軸方向が固定されているので、後段の羽根車の軸方向の変位量が大きくなる。もし羽根車にシュラウドのないオープン羽根車を使おうとすると、軸の伸びに相当する羽根先端隙間が生じるため、性能低下が大きくなる。
このため、一軸多段形の圧縮機においては、強度上の都合から例えば初段のみ、あるいは初段と2段目のみと限定してオープン羽根車を使うケースはありうるが、全段にオープンは羽根車を適用するケースは見られない。
《シュラウド付き羽根車の構造》
以下、本実施例の一軸多段形遠心圧縮機に適用されるシュラウド付き羽根車の構造を図2、図3により説明する。なお、詳細は後述するが、少なくとも、図1にしめした一軸多段形遠心圧縮機の羽根車20−5が以下の構造を有している。
図2は、シュラウド付きの羽根車20の子午面断面形状をしめす図である。また、図3は、羽根形状を見やすくするためにシュラウドを省いた状態の羽根車20の3次元斜視図(ワイヤーフレーム)である。
図2にしめした羽根車20は、符号11にしめされる方向に回転する回転軸10(図示せず)と一体回転するとともに、フランジ状に形成された羽根車ハブ20a上に、主羽根20cと中間羽根20dが交互に形成され、さらに、主羽根20cと中間羽根20dを羽根車ハブ20aで挟むように羽根車シュラウド20bが形成されている。符号20fは、中間羽根20dを主羽根20aと同じ形状にしたときの、羽根のスロート位置をしめしている。
《チョークマージの拡大》
そして、実施例の中間羽根20dは、前記スロート位置20fより下流に、中間羽根20dの前縁が位置するように形成さている。また、中間羽根20dの後縁は、主羽根20aの後縁と同じ、符号20eの羽根後縁に位置するように形成されている。
図3の羽根車20の3次元斜視図からも明らかなように、主羽根20aと中間羽根20dの前縁の位置を、上述の位置にすることで、スロート位置20fでの羽根枚数が半分になり、羽根の厚み分のスロート面積を広くすることができる。
なお、中間羽根前縁より下流側において、その中間羽根のスロート(中間羽根と主羽根の間の最小面積)も当然存在するが、このスロートは主羽根のスロートよりも半径が大きい位置に形成されるので、スロート位置20fのスロート面積よりも大きくなり、作動範囲への影響はない。
本実施例では、詳細を後述する製造方法により、上述の主羽根20aと中間羽根20dをもつシュラウド付きの羽根車20を形成することで、チョークマージンを拡大できる。
《サージマージの拡大》
つぎに、サージマージの拡大方法について説明する。
実施例の羽根車20は、羽根車の主羽根20aと中間羽根20dの負荷が、羽根の前縁で最小値になるとともに、前記最小値からキャンバー線に沿って増大して最大値になり、前記最大値からキャンバー線に沿って前記後縁向かって減少するように、かつ前記羽根の負荷の最小値が、前記前縁における前記圧縮流体の逆流を抑える大きさになるように、前記主羽根20aと中間羽根20dの翼角度を分布させている。
図4は、実施例の羽根の負荷分布をしめす図である。図4の横軸は、キャンバー線長さをシュラウド曲線の長さ(全長)で除した無次元数であらわしている。
詳細には、羽根の負荷は、羽根の両側を流れる圧縮流体の流速差や圧力差を示す指標であり、羽根の負荷が大きいほど、羽根車の内部を流れる圧縮流体の減速率が増加する。このため、サージの発生を遅らせるためには、羽根の前縁部での相対速度の減速を緩和し、逆流を抑えることが好適である。
そこで、本実施例では、図4にしめすように、羽根の負荷分布の屈曲点P1を、羽根のスロート位置の近傍に設けるようにした。すなわち、スロート位置より前縁部側で羽根の負荷を小さく抑え、スロート位置よりも後縁部側で羽根の負荷を急激に増加させる分布とする翼角度をもつ羽根とした。このような構成によってサージ発生に関与する、羽根車における主羽根の流入口での圧縮流体の減速を抑え、スロート位置より下流では、急激圧縮流体を減速させる理想的な相対速度分布を得ることができる。
図2や図3にしめすように、中間羽根20dの前縁部は、チョークマージンの拡大のため、スロート位置20fよりも下流に位置しており、中間羽根20dの負荷分布は、図4の屈曲点P1より下流の羽根の負荷分布をもつようにする。
本実施例の主羽根20cと中間羽根20dは、図4にしめしたシュラウド曲線に沿った羽根の負荷分布を満足するように、逆解法の手法によって、シュラウド曲線の形状を決定する。
この逆解法は、例えば、所望する羽根負荷の分布を先に求め、その分布に基づいて羽根の形状を決定する手法であり、羽根の形状を先に決定する順解法より、所望する羽根負荷の分布を実現しやすい。
キャンバー線方向の負荷分布は、羽根のどの位置で羽根に仕事をさせるか、つまり、ヘッドをあげるかを示す分布となり、次式(数式1)で表すことができる。(数式1)は、半径がr、圧縮流体の周方向平均絶対速度がCθ、キャンバー線長さがxのとき、羽根負荷λは、キャンバー線長さxの変化量に対する、周方向平均絶対速度Cθと半径rの積「r・Cθ」の変化量となる。
したがって、羽根負荷が決定すると、圧縮流体の周方向平均絶対速度Cθに対応した、キャンバー線長さxと半径rの関係を算出することができる。そして、例えば、つぎの(数式2)に基づいて翼角度βを設定できる。すなわち、羽根負荷が決定すると、逆解法によって翼角度βを設定することができ、さらにシュラウド曲線に沿って連続的に翼角度βを設定することで、シュラウド曲線の形状を決定できる。
(数式2)は、シュラウド曲線の任意の点と軸中心5aの距離を半径r、半径rが水平方向となす角度を周方向位置θ、シュラウド曲線の前縁部から点までを子午面に投影したときの長さをmとしたときの、翼角度βをしめしている。
羽根のシュラウド曲線の形状は、前縁部から後縁部までのシュラウド曲線側の翼角度βを連続的に設定して決定される。同様に、ハブ曲線の形状は、前縁部から後縁部までのハブ曲線の翼角度βを連続的に設定して決定される。
そして、シュラウド曲線とハブ曲線を滑らかに、例えば直線的に接続して、羽根が形成される。
上述により羽根の形状が決定された主羽根20cは、その羽根前縁からスロート部までの負荷を小さくして、入口部軽負荷にしたので、羽根車の流量が小さくなった時、この部分での流れの失速や剥離が抑えられ、サージマージンを大きくすることができる。
そして本実施例では、シュラウド付きの羽根車20において、中間羽根を採用したので、スロート面積を大きくすることができ、それによりチョークマージンを増加でき、全体の作動範囲が拡大する。主羽根の入口軽負荷は、特許文献1の開示内容と同様であるが、この特許文献1との違いは、中間羽根を有する構成にすることによりサージマージンだけでなくチョークマージンを増加させたことにある。
また、上述の主羽根20cと中間羽根20dの構成・形状の特徴は、羽根車回転の遠心方向に圧縮流体の流れをもつ斜流羽根車にも適用することができる。
ところで、シュラウド付きの羽根車に中間羽根を適用しようとすると、その前縁付近の溶接ビードの仕上げが難しいなどの製作上の問題があるが、つぎにその解決方法を説明する。
《羽根車の製造方法》
図5の主羽根20cと中間羽根20dの接合構造の一例をしめす図により、シュラウド付き羽根車20の製造方法を説明する。
最初に、羽根車ハブ20aを切削加工により、上述のように決定した形状に、主羽根20cと中間羽根20dを削りだす。
次に、別途製作した羽根車シュラウド20bを溶接により接合する。このとき、接合するのは主羽根20cのみとし、中間羽根20dは溶接しないようにする。
詳しくは、主羽根20cに対して、中間羽根20dの高さをδだけ低くしている。これは主羽根20cを溶接し冷却される際に羽根が縮むため、その縮み代を考慮して、溶接前は若干の隙間を設けている。溶接終了後は、この隙間はほぼ0になるように、予め主羽根20cと中間羽根20dの間に隙間δを与えることにより、溶接後の主羽根20cの縮みによる残留応力を緩和する。
これにより次のようなメリットが生じる。
まず1つは、半数の羽根(中間羽根20d)を溶接しないので、溶接作業および溶接後のビードの仕上げ作業時間が大幅に短縮される。
次に、羽根車入口部分は主羽根20cのみとなるので、羽根が全部主羽根20cの場合に比べて、空間が広く主羽根20cの前縁の溶接及び溶接ビード仕上げの作業性が向上する。
またこの例では、溶接方法は出入口からの溶接でも、あるいはシュラウド20bの外側からのスロット溶接でも構わない。さらにこの例では、羽根車ハブ20aに主羽根20cと中間羽根20dを削りだし、シュラウド20bを溶接しているが、逆にシュラウド20b側に主羽根20cと中間羽根20dを削りだして、あるいはシュラウド側に先に溶接で主羽根20cおよび中間羽根20dを接合した後、主羽根20cのみを羽根車ハブハブ20aに接合する方法でも構わない。
また、羽根車ハブ側に主羽根を削りだし、シュラウド側に中間羽根を削りだして、主羽根とシュラウドを溶接接合してもよい。この場合、羽根車ハブ側に中間羽根を削りだし、シュラウド側に主羽根を削りだしもよい。いずれの場合も、主羽根を溶接接合することにより、羽根車ハブとシュラウドを一体化する。
上記のとおり、中間羽根を接合しないので、中間羽根を採用する際の問題であった中間羽根前縁付近の溶接および溶接ビードの仕上げは不要となり、容易に羽根車を製作することができ、高い強度信頼性を確保できると同時に製作コストも低減できる。
《羽根の厚み》
つぎに、図6により、実施例の羽根車20の羽根の厚さを説明する。
図6は、実施例の羽根車の羽根厚さをしめす3次元斜視図(ワイヤーフレーム)である。シュラウド20bは省略しているが、上述のとおり、主羽根20cがシュラウド20bへ接合される。
本実施例では主羽根20c、中間羽根20dともその羽根厚さを下流(後縁)に向かって厚くしている。
このようにすることにより、羽根に生じる応力を緩和し、主羽根20cだけの接合で、羽根一枚あたりにかかる力が大きくても、羽根の強度を十分確保することが可能になる。
また、特に取り扱い流量の小さい低比速度段では、羽根の厚さを厚くすることにより、同一流量を流す流路において、流路の高さと幅の比、すなわちアスペクト比を1に近づけることができる。低比速度段では、摩擦損失が支配的になるので、これにより摩擦損失の低減が可能になり、効率が向上する。つまり羽根応力の緩和と摩擦損失の低減を同時に満足し、信頼性が高く、かつ高効率で、従来に比べて作動範囲の広い羽根車を提供することが出来る。
つぎに、図7と図8により、主羽根20cと中間羽根20dの羽根厚さの分布をしめす。
図7にしめす例では、主羽根20cは、その前縁からスロート位置20fまでは羽根厚さ一定(羽根厚さ小)とし、スロート位置20f以降では後縁に向かって直線的に羽根厚さを増している。
中間羽根20dは、上述のとおり、その前縁がスロート位置20fより下流に位置するように形成され、後縁で主羽根20cと同じ厚みになるように、後縁に向かって直線的に羽根を厚くしている。
このようにすることにより、スロート面積をより広く確保し、チョーク流量を大きくすることができる。
図8にしめす例では、主羽根20cは、図7と同様に、その前縁からスロート位置20fまでは羽根厚さ一定(羽根厚さ小)とするが、スロート位置20f以降では、図7に比べて、主羽根の厚さを上流側でより厚くしている。
中間羽根20dは、図7と同様に、その前縁がスロート位置20fより下流に、前縁が位置するように形成され、後縁で主羽根20cと同じ厚みになるように、後縁に向かって直線的に羽根厚さを増している。
これは羽根の応力低減を狙ったもので、回転速度が高く、強度的に厳しい場合、図8にしめす羽根厚さ分布にすることにより、半径の大きい部分の羽根の応力を低減できるので、より高速小型の設計をすることができ、圧縮機の性能向上・コスト低減に寄与することができる。
また、主羽根20cのみの接合とした場合、シュラウド20bを支える羽根の強度的負担が増加する点については、従来よりも主羽根20cの羽根厚さを下流に向けて厚くすることにより、羽根応力を緩和し、またこれにより、取り扱い流量の小さい羽根車20、すなわち低比速度羽根車については、羽根車流路の濡れぶち面積を小さくし、摩擦損失を低減できるので、流体性能も向上する。
《多段構成》
つぎに、本実施例の一軸多段形遠心圧縮機に上述の羽根車20を適用する場合に有効な適用段数について説明する。図1には、4段目と5段目の羽根車20−4、20−5に上述の羽根車20を適用した一軸多段形遠心圧縮機をしめした。詳細は後述するが、実施例の一軸多段形遠心圧縮機では、少なくとも、最後段の羽根車20−5に上述の羽根車20を適用する。以下、その理由を説明する。
一軸多段形遠心圧縮機には所定の作動範囲が要求されるが,仕様点流量で設計した各段は,流量が仕様点から離れた点で運転する場合,各段の流れのマッチングにずれが生じる。このマッチングのずれについて、図9Aの初段圧縮機の特性線図と図9Bの最終段圧縮機の特性線図を用いて説明する。
上述のとおり、圧縮機の小流量側の運転限界は、サージングの発生により決定される。一方、大流量側の運転限界は、チョークの発生で決定される。
サージングを発生する点をサージ点Ps、そのときの流量をQs、チョークを発生する点をチョーク点Pc、そのときの流量をQcとしたときに、このQsからQcまでの流量範囲を作動範囲として、圧縮機は運転をおこなう。
この作動範囲の中間には、設計点でもある仕様点PDesがある。この仕様点PDesの流量QDesを境に、サージ流量Qsから仕様点流量QDesまでの流量範囲をサージマージン、チョーク流量Qcから仕様点流量QDesまでの流量範囲をチョークマージンと呼んでいる。
この作動範囲の中間に設計点でもある仕様点PDesがあり、初段圧縮機を、仕様点流量QDes(体積流量比=1.0)で運転している場合は、最終段圧縮機も仕様点流量QDesで運転される。
これに対して、図9Aで、流量を増やすために初段圧縮機の流量を大流量側運転点Aの流量まで増加させると、初段圧縮機のヘッドHはHAとなり、仕様点PDesのヘッドHDesに比べて低くなる。つまり仕様点PDesでの運転時に比べて圧縮流体が圧縮されないので、下流段の羽根車にとっては、より体積流量比の大きいところで運転することになる。
その結果、最終段圧縮機は、図9Bに示すように初段圧縮機よりも体積流量比では大流量側の運転点A’で運転することになる。つまり、仕様点流量QDesからのずれが大きいところでの運転となる。
これとは逆に、図9Aで、初段圧縮機が仕様点PDesよりも小流量側の運転点Bで運転されると、仕様点PDesのヘッドHDesよりもヘッドHが高くなる(HB)のでガスはより圧縮され、次段以降の圧縮機では体積流量比がより小さい運転点で運転される。例えば最終段では、サージ点Psに近い小流量側の運転点B’で運転されることになる。
以上説明したように、一軸多段形圧縮機の作動範囲は、構成する圧縮機のうちの下流段の圧縮機、特に最終段の圧縮機の作動範囲に大きく依存する。したがって作動範囲の広い一軸多段圧縮機を得るには、圧縮機の下流段側ほど作動範囲を広くすることが必要である。
図1の一軸多段圧縮機は,後段側(このケースでは4段目と5段目)に本発明の作動範囲の広い羽根車を適用する。これによって,圧縮機全体として作動範囲を拡大することが可能になる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
8 流れの方向
20(20−1、20−2、20−3、20−4、20−5) 羽根車
20a 羽根車ハブ
20b 羽根車シュラウド
20c 主羽根
20d 中間羽根
20e 羽根後縁
20f スロート位置

Claims (4)

  1. 複数の羽根の回転により遠心方向に流体を流出する遠心羽根車であって、前記複数の羽根は、
    その前縁からスロート位置までの羽根厚さを一定とし、前記スロート位置から後縁までの羽根厚さを後縁に向かって厚みを増した主羽根と、
    前記主羽根と交互に設けられ、その前縁が前記スロート位置より下流に設けられ、前記主羽根より長さが短い中間羽根と、
    から成り、
    前記主羽根と前記中間羽根は、羽根車ハブと前記羽根車ハブに対向するシュラウドとの間に、周方向に配置され、
    前記主羽根は、前記羽根車ハブと前記シュラウドに一体接合し、
    前記中間羽根は、前記羽根車ハブと前記シュラウドのいずれか一方に一体接合している
    ことを特徴とする遠心羽根車。
  2. 請求項に記載の遠心羽根車において、
    前記中間羽根の高さは、前記主羽根の高さより所定量低い
    ことを特徴とする遠心羽根車。
  3. ひとつの回転軸に複数の遠心羽根車を直列に配置し、流体を順次昇圧する一軸多段形遠心圧縮機において、
    請求項1または2に記載の遠心羽根車が、少なくとも最下流段に配置されている
    ことを特徴とする一軸多段形遠心圧縮機。
  4. 請求項1に記載の遠心羽根車の製造方法であって、
    羽根車ハブを切削加工して、前記主羽根と前記中間羽根を削りだすステップと、
    羽根車シュラウドに、前記主羽根のみを溶接により接合するステップと、
    を有することを特徴とする遠心羽根車の製造方法。
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