JP6411049B2 - ゼリー剤 - Google Patents

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Description

本発明は、チアミン又はその誘導体を含むゼリー剤に関する。より具体的には、本発明は、チアミン又はその誘導体を含んでいながらも、苦味が低減されており、呈味が良好で服用し易いゼリー剤に関する。また、本発明は、当該ゼリー剤を使用したゼリー状素錠、及びこれに糖衣等を施してなるゼリー状ドロップ剤に関する。
ゼリー状ドロップ剤や経口ゼリー剤等のゼリー剤は、医薬や食品分野で使用されている剤形の一つであり、有効成分や矯味成分等に水分とゲル化剤を加えて、所定の形状に成形された製剤である。ゼリー剤は、ゼリー状のゲル化物を含むため、服用する際に水が不要であり、必要な時にいつでも服用できるという利点がある。更に、ゼリー剤は、細かく噛み砕くことができるので、製剤の大きさに左右されることがなく服用が容易であり、しかも咀嚼力の低い小児や高齢者でも容易に服用できるため、服用履行性(コンプライアンス)を向上させることも可能である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、ビタミンB群は、水溶性ビタミンとしてドリンク剤等に広く使用されている。しかしながら、ビタミンB群は一般に苦味を有しており、とりわけ、チアミン(ビタミンB1)、その誘導体及びそれらの塩(以下、「チアミン類」と表記することもある)は、非常に強いえぐみを伴う苦味を呈し、服用後、口の中に長時間残留するという特異な性質があることが知られている。そのため、チアミン類を含む製剤は、その苦味が顕著に発現し、服用に苦痛を伴うという問題点がある。
従来、チアミン類の苦味をマスキングする方法が報告されている。例えば、特許文献1には、飲用液組成物において、チアミン誘導体と共に苦味を有する生薬抽出物を併用することによって、チアミン誘導体の苦味を低減できることが報告されている。しかしながら、特許文献1の方法では、依然としてチアミン類の特異な苦みを十分に抑制することは困難である。
また、ゼリー剤では、通常、少量の服用で多く栄養分を摂取させるように設計されるため、飲用液組成物よりも栄養成分が高濃度で含まれている。そのため、チアミン類を含むゼリー剤は、飲用液組成物の場合に比べてチアミン類の濃度が高く、チアミン類に起因する呈味悪化はより深刻になる。そのため、飲用液組成物について開示する特許文献1の苦味マスキング技術は、ゼリー剤に含まれるチアミン類の苦味の低減に転用できるものではない。
また、従来、苦味を有する成分を製剤化する際に、製剤に糖衣等のコーティングを施すことによって苦味をマスキングできることが知られている。しかしながら、ゼリー剤は口内で細かく噛み砕いて服用されるため、チアミン類を配合したゼリー剤にコーティングを施しても、口内で噛み砕いた際に感じる苦味を抑制することは困難である。
このような従来技術を背景として、チアミン類を含むゼリー剤の苦味を低減して、良好な呈味で服用し易くする製剤技術の開発が望まれている。
月刊薬事、Vol.37、No.11、p2381−2385(1995)
特開平10−150959号公報
本発明は、チアミン類を含んでいながらも、苦味が低減されており、呈味が良好で服用し易いゼリー剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、チアミン類を含むゼリー剤において、25℃の水に対する溶解度が50%以下の甘味料を配合し、且つ水分含量を35重量%以下に設定することにより、チアミン類に起因する苦味を効果的に抑制でき、呈味が良好で服用し易くなることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)チアミン、その誘導体、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種のチアミン類、並びに(B)25℃の水に対する溶解度が50%以下の甘味料を含有し、水分含量が35重量%以下であることを特徴とする、ゼリー剤。
項2. 前記(A)チアミン類が、チアミン硫酸塩及び/又はチアミン塩酸塩である、項1に記載のゼリー剤。
項3. 前記(B)甘味料が、スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、及びアセスルファムKよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載のゼリー剤。
項4. ゼリー状素錠である、項1〜3のいずれかに記載のゼリー剤。
項5. 項4に記載のゼリー剤を含む、ゼリー状ドロップ剤。
本発明のゼリー剤は、チアミン類を含んでいながら、その特有の苦みを十分に低減できており、たとえ口内で細かく噛み砕いても、チアミン類特有の苦味が感じられ難く、良好な呈味を示すことができる。このように、本発明のゼリー剤は、呈味が良好で服用し易くなっており、服用履行性(コンプライアンス)をより一層向上させることができる。
本発明のゼリー剤は、(A)チアミン、その誘導体、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種のチアミン類、並びに(B)25℃の水に対する溶解度が50%以下の甘味料を含有し、水分含量が35重量%以下であることを特徴とする。以下、本発明のゼリー剤について詳述する。
(A)チアミン類
本発明のゼリー剤は、チアミン類として、チアミン、その誘導体、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
チアミンの誘導体としては、生理学的に許容され、ビタミンB1誘導体として知られているものであればよく、例えば、フルスルチアミン、オクトチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、チアミンピロリン酸、ジセチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、プロスルチアミン等が挙げられる。これらのチアミンの誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
チアミン及び/又はその誘導体の塩としては、生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸エステル塩等が挙げられる。チアミンの誘導体及び/又はその誘導体の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のゼリー剤において、チアミン類として、チアミン、その誘導体、及びそれらの塩の中から1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのチアミン類の中でも、好ましくは、チアミン、フルスルチアミン、ベンフォチアミン、これらの塩;更に好ましくはチアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、ベンフォチアミン;特に好ましくはチアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩が挙げられる。
本発明のゼリー剤において、チアミン類の含有量については、1日当たりの服用量等に応じて適宜設定されるが、例えば、0.01〜6重量%、好ましくは0.05〜3重量%が挙げられる。本発明のゼリー剤では、高含有量のチアミン類を含んでいても、チアミン類特有の苦味を低減して、呈味を良好にすることができるため、かかる本発明の効果に鑑みれば、チアミン類の含有量として、更に好ましくは0.1〜2.0重量%、特に好ましくは0.5〜1.5重量%が挙げられる。
(B)25℃の水に対する溶解度が50%以下の甘味料
本発明のゼリー剤は、25℃の水に対する溶解度が50%以下の甘味料を含有する。本発明において、「25℃の水に対する溶解度(%)」とは、25℃の水に甘味料が溶解できる最大濃度(重量%)である。以下、本明細書において、「25℃の水に対する溶解度(%)」を単に「溶解度」と表記することもある。
溶解度50%以下の甘味料としては、生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、スクラロース(溶解度28.3%)、ソーマチン(溶解度20%)、アスパルテーム(溶解度1%)、アセスルファムK(溶解度27%)、エリスリトール(溶解度35%)等が挙げられる。これらの甘味料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶解度50%以下の甘味料の中でも、チアミン類の苦味をより一層効果的に低減させるという観点から、好ましくは溶解度0.1〜30%の甘味料の甘味料が挙げられる。
より具体的には、溶解度50%以下の甘味料として、チアミン類の苦味をより一層効果的に低減させるという観点から、好ましくはスクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、及びアセスルファムKが挙げられ、更に好ましくはスクラロースおよびソーマチンが挙げられる。本発明のゼリー剤においては、特に、スクラロースとソーマチンを組み合わせて使用することで、チアミン類の苦味をより一層効果的に低減させることができる。溶解度50%以下の甘味料として、スクラロースとソーマチンを組み合わせて使用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、スクラロース100重量部当たり、ソーマチンが5〜500重量部、好ましくは20〜500重量部、更に好ましくは50〜300重量部が挙げられる。
本発明のゼリー剤において、溶解度50%以下の甘味料の含有量としては例えば、0.01〜3重量%、好ましくは0.03〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%が挙げられる。このような含有量で溶解度50%以下の甘味料が含まれることによって、チアミン類の苦味をより一層効果的に低減させることができる。
水分含量
本発明のゼリー剤は、水分含量が35重量%以下である。このような低水分含量のゼリー剤において、前述する溶解度が低い甘味料を配合することによって、チアミン類特有の苦味の低減が可能になる。限定的な解釈を望むものではないが、本発明のゼリー剤では、溶解度が低い甘味料が低濃度になる環境に拡散し易い性質を利用して、チアミン類の苦味を低減していると考えられる。即ち、水分含量が低いゼリー剤中で、溶解度が高いチアミン類と溶解度が低い甘味料が含まれることにより、服用時に口内のゼリー剤が唾液と接触すると、溶解度が低い甘味料の方が、チアミン類よりも唾液に拡散し易く拡散速度が高まるため、チアミン類の苦味よりも、溶解度が低い甘味料の呈味が感じられ易くなると考えられる。勿論、前記メカニズムに基づいて、本発明が限定的に解釈されるものではない。
本発明のゼリー剤の水分含量については、35重量%以下であればよいが、チアミン類の苦味をより一層効果的に低減させるという観点から、好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは10〜25重量%が挙げられる。
ゲル化剤
本発明のゼリー剤は、ゲル化剤を使用してゲル状に成形される。本発明のゼリー剤に使用されるゲル化剤としては、生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、寒天、ペクチン、ゼラチン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸及びその塩、ジェランガム、ネイティブジェランガム、カードラン、タマリンドガム、グルコマンナン等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの観点の中でも、好ましくは寒天及び/又はペクチン、更に好ましくは寒天とペクチンの組み合わせが挙げられる。
本発明のゼリー剤におけるゲル化剤の含有量については、使用するゲル化剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜5.0重量%、好ましくは1.0〜4.0重量%、更に好ましくは2.0〜3.0重量%が挙げられる。
他の甘味料
本発明のゼリー剤には、前記成分の他に、必要に応じて、溶解度が50%超の甘味料を含んでいてもよい。溶解度が50%超の甘味料は、ゼリー剤の基剤として有用であると共に、ゼリー剤の良好な呈味を更に補強させることもできる。
溶解度が50%超の甘味料としては、生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、ショ糖、果糖、乳糖、水アメ、果糖ブドウ糖液糖、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、還元パラチノース、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖)、ポリデキストロース、デキストリン、難消化性デキストリン、還元難消化性デキストリン等が挙げられる。これらの甘味料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの甘味料の中でも、ゼリー強度を向上させ、良好な噛みごたえのゼリー剤を製するという観点、更にはより一層良好な呈味を備えさせるという観点から、好ましくは、ショ糖、水アメが挙げられる。
本発明のゼリー剤において、溶解度が50%超の甘味料の含有量については、使用する甘味料の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、溶解度が50%超の甘味料の総量で10〜90重量%、好ましくは20〜90重量%、更に好ましくは30〜87.9重量%が挙げられる。なお、溶解度が50%超の甘味料として水アメを使用する場合には、水アメの乾燥固形分換算での含有量が上記範囲を満たすように設定される。
他の添加成分
更に、本発明のゼリー剤は、前述する成分の他に、必要に応じて、各種添加成分を含有することができる。このような添加成分としては、医薬品や食品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、リコペン等のビタミン類;塩酸ベタイン、塩化カルニチン、塩化ベタネコール等の健胃剤;ニンジン、ヨクイニン、加工大蒜、麻黄、南天実、桂皮、ゲンチアナ、陳皮、センブリ、ゴシュウ、ソウジュツ、チョウジ、アロエ、ホップ、葛根湯、桂枝湯、柴胡桂枝湯、麻黄湯、小柴胡湯、小青竜湯等の生薬エキス又は漢方薬;アスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、サリチルアミド等の解熱鎮痛剤;塩酸ノスカピン、ノスカピン等の去痰剤;アクリノール、塩化ベルベリン、クレオソート、タンニン酸、臭化水素酸スコポラミン、臭化メチルアトロピン、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸エチル等の止瀉剤;臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジヒドロコデイン等の血管拡張剤;塩酸イソチベンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン等の抗ヒスタミン剤;臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジヒドロコデイン等の鎮咳剤;カルシウム、イオウ、マグネシウム、亜鉛、セレン、鉄等のミネラル類;大豆タンパク、卵白粉末、乳清タンパク等のタンパク質;グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、フェニルアラニン、タウリン、トリプトファン等のアミノ酸;EPA、DHA、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸等の脂肪酸類;コーンスターチ、バレイショデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン等のデンプン;カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス、エリスロシン、アルラレッドAC、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミン等の色素;各種フルーツのフレーバーやエッセンス等の香料;クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、酒石酸及びその塩、酢酸及びその塩、乳酸及びその塩、食塩、グルタミン酸及びその塩、みりん、食酢、天然果汁、野菜・果実・海産物等の裁断物又は粉末化物等の調味剤;アガリクス、シイタケエキス、レイシ、ヤマブシタケ等のキノコ類又はそのエキス;防腐剤;pH調整剤;食物繊維、ローヤルゼリー、プロポリス、ハチミツ、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、セラミド、ヒアルロン酸等のその他機能性素材等が挙げられる。これらの添加成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加成分の含有量については、使用する添加成分の種類やゼリー剤の用途等に応じて適宜設定される。
製造方法
本発明のゼリー剤は、一般的なゼリー剤の製法に従って製造することができる。具体的には、所定量の各含有成分を加熱した所定量の水に添加して、ゲル化剤を可溶化させて、原料液を調製する。次いで、この原料液を所定の容器又は型に注入した後に、静置して常温に冷却してゲル化させ、必要に応じて所定の水分含量になるまで乾燥させることによって本発明のゼリー剤が製造される。
用途・形態
本発明のゼリー剤は、ゼリー状ドロップ剤、経口ゼリー剤等として提供されるが、ゼリー状ドロップ剤が好適である。本明細書において、「ゼリー状ドロップ剤」とは、ゲル化剤によってゲル化した組成物を乾燥させることにより錠剤状に成型したゼリー状素錠、又は当該ゼリー状素錠にコーティングを施したコーティング錠である。また、「経口ゼリー剤」とは、ゲル化剤によってゲル化した組成物を乾燥させずに、流動性のないゲル状に成形した製剤である。
本発明のゼリー剤をゼリー状素錠にする場合、その形状については、特に制限されず、医薬品や食品において通常採用されている錠剤形状であればよいが、例えば、円盤形、レンズ形、竿形等が挙げられる。
また、本発明のゼリー剤をゼリー状ドロップ剤として提供する場合、コーティングを施していないゼリー状素錠のままであってもよいが、服用し易さを考慮するとゼリー状素錠にコーティングを施したコーティング錠であることが好ましい。
ゼリー状ドロップ剤をコーティング錠にする場合、そのコーティングは、ショ糖等を使用した糖衣コーティング、又は水溶性高分子によるフィルムコーティングのいずれであってもよいが、良好な呈味を備えさせて服用し易さをより一層向上させるという観点から、好ましくは糖衣コーティングが挙げられる。ゼリー状ドロップ剤をコーティング錠にする場合、前記ゼリー状素錠とコーティング部分の重量比については、特に制限されないが、例えば、前記ゼリー状素錠100重量部当たり、コーティング部分が10〜200重量部程度であればよい。
ゼリー状素錠にコーティングを施す方法については、一般的に使用されているフィルムコーティングや糖衣コーティングの方法に従って行うことができる。例えば、糖衣コーティングする場合であれば、ゼリー状素錠を収容した糖衣パンを回転させながら、必要に応じて結合液(増粘多糖類等を含む水溶液)を加えてゼリー状素錠の表面に均一にコーティングした後に、糖衣コーティングを形成する糖衣原料を回転している糖衣パンに入れることにより、ゼリー状素錠に糖衣コーティングを施すことができる。
糖衣コーティングに使用される糖衣原料としては、特に制限されず、医薬品や食品において一般的な糖衣コーティングに使用されているものを使用できるが、例えば、ショ糖、果糖、乳糖、水アメ、糖アルコール(例えば、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、還元パラチノース)、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖)、ポリデキストロース、デキストリン、難消化性デキストリン、還元難消化性デキストリン等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。更に、当該糖衣原料には、必要に応じて前記で例示した各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明のゼリー剤は、ゼリー状ドロップ剤、経口ゼリー剤等の形態で、医薬品又は食品として提供される。医薬品として提供する場合には、栄養補給や特定症状の緩和等を目的とした内服用医薬品として使用してもよく、また、食品として提供する場合には、機能性食品、病者用食品等の食品として使用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
1.ゼリー状素錠の製造
表1〜6に示す組成のゼリー状素錠を製造した。具体的には、水を90℃に加熱しながら、所定量の寒天、精製白糖、及び水アメを添加して溶解させた。次いで、80℃に加熱した状態で、ペクチン、チアミン硝酸塩又はチアミン塩酸塩、及び甘味料を加熱溶解させた水溶液を加えて、原料液を調製した。なお、当該原料液には、含有成分の総固形分量に対して重量比で約0.1〜2倍量程度の水が含まれている。得られた原料液を円盤状のスターチモールドに分注し、静置して常温に冷却し、水分含量が表1〜6に示す所定値になるまで乾燥してゲル化させた。なお、水分量の変化による重量の変動は、添加する水アメの添加量で調整した。その後、スターチモールドを取り除くことにより、ゼリー状素錠(1個当たりの重量0.56g)を製した。
2.ゼリー状素錠の呈味評価
口内での咀嚼条件を再現するために、各ゼリー状素錠を4分割したもの9個を40℃の水50mlに投入し、1分間放置した後に、分割されているゼリー状素錠を取り出して、滲出液を作製した。得られた滲出液の呈味について、評価モニター10名によって評価した。具体的には、1mlの滲出液を舌にのせて、苦味を判定した。苦味の判定は、苦いを「1」、苦くないを「10」としたVisual Analogue Scaleによるアンケートを実施することにより評価した。アンケート結果を平均し、小数点第一位を四捨五入することにより、評価結果をまとめた。
3.評価結果
得られた結果を表1〜6に示す。表1に示されるように、水分含量が40又は50重量%のゼリー状素錠では、溶解度50%以下の甘味料(スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、アセスルファムK)が含まれていても、強い苦みが感じられた。また、水分含量が35重量%以下であっても、甘味料として、白糖および水アメのみを含む場合や、更にサッカリン(溶解度66%)を含む場合では、甘味は殆ど感じられず、チアミン類由来の強い苦みを呈し、服用し難かった。これに対して、水分含量が35重量%以下であり、且つ溶解度50%以下の甘味料(スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、アセスルファムK)が含まれている場合には、苦味が格段に軽減されており、服用し易い呈味を示した。とりわけ、水分含量が10〜25重量%の場合には、苦味の低減効果が非常に高く、極めて服用し易い呈味を示した。
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Claims (3)

  1. (A)チアミン、その誘導体、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種のチアミン類、並びに(B)ソーマチン、アスパルテーム、及びアセスルファムKよりなる群から選択される少なくとも1種の甘味料を含有し、水分含量が35重量%以下であることを特徴とする、ゼリー剤。
  2. (A)チアミン、その誘導体、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種のチアミン類、並びに(B)スクラロースを含有し、水分含量が10〜35重量%であることを特徴とする、ゼリー剤。
  3. 前記(A)チアミン類が、チアミン硫酸塩及び/又はチアミン塩酸塩である、請求項1又は2に記載のゼリー剤。
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