JP6409760B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6409760B2
JP6409760B2 JP2015240917A JP2015240917A JP6409760B2 JP 6409760 B2 JP6409760 B2 JP 6409760B2 JP 2015240917 A JP2015240917 A JP 2015240917A JP 2015240917 A JP2015240917 A JP 2015240917A JP 6409760 B2 JP6409760 B2 JP 6409760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electromagnetic wave
conductive layer
conductive
wave shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015240917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016115937A (ja
Inventor
努 早坂
努 早坂
桑原 章史
章史 桑原
和規 松戸
和規 松戸
祥太 森
祥太 森
遼太 梅澤
遼太 梅澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyochem Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyochem Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd, Toyochem Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Publication of JP2016115937A publication Critical patent/JP2016115937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6409760B2 publication Critical patent/JP6409760B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

本発明は、プリント配線板等に使用する電磁波を遮蔽する電磁波シールドシートに関する。
近年では、小型化・薄型化が急速に進む携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、柔軟で可撓性のあるフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)は必要不可欠となっている。さらに電子機器の高性能化に伴い内蔵される信号配線の狭ピッチ化・高周波化が進むため、電磁波ノイズに対する対策が重要度を増している。そのためFPCには、信号配線から発生する電磁波ノイズを遮蔽もしくは吸収する電磁波シールド材を組み込むことが一般的になっている。
なおFPCは、エッチング処理により回路形成した銅張積層版(CCL)とカバーコート材から構成される。カバーコート材はカバーレイフィルム、感光性インク(ソルダーレジスト)、感光性フィルム(感光性カバーレイフィルム)等から選択するのが一般的であり、取り扱いの容易さ、耐久性、絶縁信頼性の高さから、カバーレイフィルムが多く使用されている。カバーレイフィルムとは絶縁性基材に熱硬化性接着剤を塗布した材料である。
そこで例えば、特許文献1には、FPCの絶縁層上に導電性接着剤層や金属薄膜層等を有するシールド層を貼り合せると共に、FPCのグランド配線に導電接着剤層を介して金属薄膜層を電気的に接続した電磁波シールド機能を有するFPCが開示されている。
また、特許文献2には、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む導電層を有する電磁波シールドシートが開示されている。
また、従来はグランド配線とシールド層を電気的に接続するためカバーレイフィルムにドリル等で穴等を形成していた。しかし信号配線の狭ピッチ化に伴い、ドリルでは微細加工が出来ないため、感光性カバーレイフィルムを使用することで穴等を形成するようになってきた。そこで特許文献3には、一般的なポリイミドカバーレイフィルムに代えて感光性アルカリ現像型のソルダーレジストをカバーコート材として使用したFPCが開示されている。
特開2007−294996号公報 特開2014−141628号公報 特開2013−38235号公報
しかし、このように感光性アルカリ現像型のソルダーレジストによってカバーコート層を形成した場合、カバーレイフィルムと比べ絶縁基材を有さない単層構成であり、且つ、フォトリソ工程由来のコンタミを含んでいるため絶縁信頼性が低く、このようなソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層に従来の電波波シールドシートを張り合わせたFPCは、マイグレーション耐性が極端に悪化する問題があった。
また、上記構成のFPCは、プレッシャークッカー試験(PCT試験)後の屈曲性と接着強度が低下する問題があった。
さらに、電磁波シールドシートと信号配線との間の接続信頼性が低下する問題があった。
本発明は、ソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層を有する場合にも、マイグレーション耐性、接続信頼性および屈曲性が良好な電磁波シールドシート付きのプリント配線板の提供を目的とする。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールドシートと、ソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層と、信号配線および絶縁性基材を有する基板とを具備するプリント配線板用の電磁波シールドシートであって、絶縁層および導電層を備え、前記導電層が、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含むことを特徴とする。
上記の本発明によれば、電磁波シールドシートの導電層がイオン捕集剤を含むため、カバーコート層が含む金属イオンや、導電性微粒子に起因する金属イオンを捕集できる。これにより、本発明の電磁波シールドシートを組み込んだプリント配線板は、マイグレーション耐性、接着力、および接続信頼性が良好であり、屈曲性も良好である。
本発明により接続信頼性および屈曲性が良好なプリント配線板を作製できる電磁波シールドシートおよびプリント配線板を提供できる。
マイグレーション試験を説明した概念図である。 接続信頼性試験の説明図である。
本発明を説明する前に用語を定義する。配線回路は、グランド配線と信号配線を含む。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールドシートと、ソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層と、信号配線および絶縁性基材を有する基板とを具備するプリント配線板用であって、絶縁層および導電層を備え、前記導電層が、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む。
<導電層>
電磁波シールドシートの導電層は、電磁波等のノイズをシールドし、主にFPCのカバーコート層に貼り付ける層である。
導電層は、導電性接着剤から形成した導電層の第一の態様、および金属層と導電性接着剤から形成した導電層とを有する第二の態様の2つの態様が好ましい。第二の態様を採用するとシールド効果がさらに向上する。また、導電層は、等方導電性または異方導電性を有することが好ましい。等方導電性とは、電磁波シールドシートを水平に置いたときに垂直方向(縦方向)と水平方向(面方向)に導電することをいう。また異方導電とは、電磁波シールドシートを水平に置いたときに垂直方向(縦方向)に導電することをいう。等方導電性は、フレーク状や樹枝状の導電性微粒子を使用する方法等公知の方法で得られる。また、異方導電性は、球状または樹枝状の導電性微粒子を使用する方法等で得られる。なお、導電層が樹枝状の導電性微粒子を大量に含む場合、等方導電性が得られる。また導電層が樹枝状の導電性微粒子を少量含む場合、異方導電性が得られる。
導電層は、導電性接着剤を使用して形成できる。導電性接着剤は、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を複数有する樹脂である。官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。これらの中でも屈曲性と絶縁信頼性の点から、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
[硬化剤]
硬化剤は、熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、例えばエポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、アミン化合物、フェノール化合物等の公知の化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上併用できる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜50重量部含むことが好ましく、3〜30重量部がより好ましく、3〜20重量部がさらに好ましい。
[導電性微粒子]
導電性微粒子は、導電層に導電性を付与する機能を有する。導電性微粒子は、素材としては、例えば金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属およびその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましく、価格と導電性の面から銀がより好ましい。
また単一素材の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、核体の表面を被覆した被覆層を有する複合微粒子もコストダウンの観点から好ましい。ここで核体は、価格が安いニッケル、シリカ、銅およびその合金、ならびに樹脂から適宜選択することが好ましい。被覆層は、核体より導電性が優れる素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、ニッケル、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも価格と導電性の面から銀が好ましい。
導電性微粒子の形状は、所望の導電性が得られればよく形状は限定されない。具体的には、例えば、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状が好ましい。これらの中でも接続信頼性を向上する点から樹枝状がより好ましい。
導電性微粒子は、単独または2種類以上併用できる。
導電性微粒子の平均粒子径は、D50平均粒子径であり、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
なお、D50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320
( ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性微粒子を測定して得た数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。なお、屈折率の設定は1.6とした。
導電性微粒子は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、50〜1500重量部を配合することが好ましく、100〜1000重量部がより好ましい。
[イオン捕集剤]
本発明においてイオン捕集剤は、電磁波シールドシートの特性に悪影響を与えるイオンを捕集する機能を有する。
イオン捕集剤は、陽イオン捕集剤、陰イオン捕集剤、および両イオン捕集剤を含む。これらのなかでも、電磁波シールドシートの導電接着剤層と配線回路の間のマイグレーションを抑制し、接続信頼性を高める点で、陽イオン捕集剤を用いることが好ましい。特に好ましくは、無機陽イオン捕集剤である。
(陽イオン捕集剤)
陽イオン捕集剤は、金属イオン等の陽イオンを捕集する機能を有する。導電層が陽イオン捕集剤を含むと、カバーコート層に残留した金属イオンや導電性微粒子から発生した金属イオンを捕集し、導電層と信号配線との間のマイグレーションを抑制する。陽イオン捕集剤は、無機陽イオン捕集剤と有機陽イオン捕集剤があり、両者とも使用できる。この中でもマイグレーション耐性をより向上する点から無機陽イオン捕集剤が好ましい。
無機陽イオン捕集剤は、例えばマンガン化合物(含水二酸化マンガン等)、アンチモン化合物(結晶性アンチモン酸、含水五酸化アンチモン等)、ジルコニウム化合物(水酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、モリブデン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム等)、ケイ酸塩化合物(アルミノケイ酸塩、合成アルミノケイ酸塩等)、リン酸塩化合物(リン酸チタン、リン酸スズ等)、シュウ酸セリウム(III)、モリブドリン酸アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)コバルト(II)カリウム、天然グリーンサンド、安定化グリーンサンド、Mn2+型にしたグリーンサンド等が挙げられる。これらの中でもアンチモン化合物、ジルコニウム化合物は、陽イオンを捕集する能力が高いので、マイグレーション耐性が高い電磁波シールドシートが得やすくなる。
無機陽イオン捕集剤は、例えばIXE−100、IXE−300(東亜合成社製)等の公知の製品を使用できる。
有機陽イオン捕集剤は、例えば、ピラゾール化合物として、例えば3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン等が挙げられる。また、トリアゾール化合物として、例えば1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−アミノベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール、1−[(2−ヘキシルアミノ)メチル]-ベンゾトリアゾール、1−(1,2-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、N−ベンゾトリアゾリメチルウレア、1-(2
,3−ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トリアゾール、1-[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル
]トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール・ナトリウム塩溶液、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。また、チアゾール化合物として、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、(2−ベンゾチアジルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、ベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールアセトニトリル、ベンゾチアゾール−6−カルボン酸、2−(2−ベンゾチアゾールチオ)エタノール等が挙げられる。また、クラウンエーテル化合物として、例えば12−クラウン−4、15−クラウンー5、18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−クラウン−8、ビストレン、クリプタッド、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8、サイクラム(cyclam:1,4,8,11−tetrazacyclote−tradecane)、シクロデキストリン等が挙げられる。また、下記化学式(1)で表す単位を有するジヒドラジド化合物も好ましい。ジヒドラジド化合物は、例えば、N−サリシロイル−N’−アルデヒドラジン、N,N−ジベンザル(オキザルヒドラジド)、イソフタリック酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジン)、[3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどが挙げられる。これらの中でも特に化学式(2)で示した化合物:デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、及び化学式(3)に示した化合物:N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンが好ましい。
化学式(1)
化学式(2)
化学式(3)

有機陽イオン捕集剤は、例えばアデカスタブCDA−6、CDA−10(ADEKA社製)等の公知の製品を使用できる。
(陰イオン捕集剤)
本発明の電磁波シールドシートは、陰イオン捕集剤を用いることもできる。なかでも、陽イオン捕集剤に、さらに陰イオン捕集剤を含むことが好ましい。例えば導電性接着剤が硬化剤としてエポキシ化合物を含む場合、導電層には原料のエピクロロヒドリンに由来する塩化物イオンが残留することがある。係る場合、陰イオン捕集剤を含むことで、陰イオン(塩化物イオン)に起因する熱硬化性樹脂の劣化を抑制できるため、マイグレーション耐性、PCT後の接着力、および耐屈曲性を向上できる。
陰イオン捕集剤は、例えばビスマス化合物(含水酸化ビスマス、水和硝酸ビスマス等)、マグネシウム・アルミニウム複合酸化物(マグネシウムアルミニウムハイドロタルサイト等)、リン酸塩化合物(水酸化リン酸鉛等)等が挙げられる。これらの中でもマグネシウム・アルミニウム複合酸化物は、陰イオンを捕集する能力が高いので、PCT後の接着力および耐屈曲性をさらに向上できる。陰イオン捕集剤はマイグレーション耐性、PCT後の接着力、および耐屈曲性をより向上する点から無機陽イオン捕集剤が好ましい。
陰イオン捕集剤は、例えばIXE−500、IXE−530、IXE−550、IXE−700F、IXE−700D、IXE−800(東亜合成社製)等の公知の製品を使用できる。
(両イオン捕集剤)
両イオン捕集剤とは、陽イオン捕集剤および陰イオン捕集剤を含むものである。両イオン捕集剤は、例えば既に説明したジルコニウム化合物、アンチモン化合物、リン酸塩化合物等から適宜選択した陽イオン捕集剤と、ビスマス化合物、マグネシウム・アルミニウム化合物等から適宜選択した陰イオン捕集剤との混合物が好ましい。
両イオン捕集剤は、例えばIXEPLAS−A1、IXEPLAS−A2、IXEPLAS−B1、IXE−600、IXE−633、IXE−6107、IXE−6136(東亜合成社製)等の公知の製品を使用できる。
イオン捕集剤は、単独または2種類以上併用できる。
イオン捕集剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部配合することが好ましく、0.3〜10重量部がより好ましい。0.1〜20重量部配合することで接続信頼性および屈曲性がより向上したFPCを得易くなる。
イオン捕集剤の平均粒子径は、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましく、0.1〜1μmがさらに好ましい。平均粒子径を0.1〜10μmにすることでマイグレーション耐性が得やすくなる。なお平均粒子径は、D50平均粒子径である。
導電性接着剤は、他に任意成分としてシランカップリング剤、防錆剤、還元剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤などを配合できる。
導電性接着剤は、これまで説明した材料を混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、例えばディスパーマット、ホモジナイザー等に公知の攪拌装置を使用できる。
<絶縁層>
絶縁層は、絶縁性樹脂組成物を使用して形成できる。
絶縁性樹脂組成物は、導電性接着剤で説明した熱硬化性樹脂および硬化剤を、必要に応じて上記任意成分を含むことができる。なお、絶縁層および導電層に使用する熱硬化性樹脂、硬化剤は、同一、または異なっていてもよい。
絶縁性樹脂組成物は、導電性接着剤と同様の方法で得ることが出来る。
《電磁波シールドシート》
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールドシートと、ソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層と、信号配線および絶縁性基材を有する基板とを具備するプリント配線板用であって、導電層および絶縁層を備える。または、導電層、金属層および絶縁層を備える。
電磁波シールドシートの作製方法を説明する。まず導電層の作製は、公知の方法を使用できる。例えば、導電性接着剤を剥離性シート上に塗工して乾燥することで導電層を形成する方法、または、Tダイのような押出成形機を使用して導電性接着剤をシート状に押し出すことで形成することもできる。
塗工方法は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工に際して、乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥工程は、例えば、熱風乾燥機、赤外線ヒーター等の公知の乾燥装置を使用できる。
導電層の厚みは、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。厚みが1〜100μmの範囲にあることで導電性と、その他の物性とのバランスを取り易くなる。
既に説明したように導電層に加えて、絶縁層と導電層の間に金属層を設けても良い。導電層と金属層とを積層する方法は公知の方法を使用できる。方法は、例えば、剥離性シート上に金属層を形成する。さらに、別途、剥離性シート上に形成した導電層を、前記金属層とラミネートする方法等が挙げられる。
金属層は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性の金属箔が好ましく、シールド性、接続信頼性およびコストの面から銅、銀、アルミニウムがより好ましく、銅がさらに好ましい。銅は、例えば、圧延銅箔または電解銅箔を使用することが好ましく、金属層の薄さを追及すると電解銅がより好ましい。金属箔の場合、厚みは0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
また、金属は、金属箔以外に真空蒸着、スパッタリング、CVD法、MO(メタルオーガニック)、メッキ等で形成しても良い。これらの中でも量産性を考慮すれば真空蒸着が好ましい。金属箔以外の金属層の厚みは、通常0.005〜10μm程度である。
絶縁層は、絶縁性樹脂組成物を使用して導電層と同様の方法で作成することができる。または、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の絶縁性樹脂を成形したフィルムを使用することもできる。
絶縁層の厚みは、通常2〜10μm程度である。
電磁波シールドシートは、例えば、導電層と絶縁層と貼り合わせて作製できる。なお、前記したとおり、絶縁層と導電層との間には、公知の方法で金属層を設けてもよい。
電磁波シールドシートは、導電層に含まれる熱硬化性樹脂と硬化剤が未硬化状態で存在し、配線板と加熱圧着により硬化することで、所望の接着強度を得ることが出来る。なお、前記未硬化状態は、硬化剤の一部が硬化した半硬化状態を含む。
剥離性シートは、紙やプラスチック等の基材に公知の剥離処理を行ったシートである。
なお電磁波シールドシートは、異物の付着を防止するため、導電層および絶縁層に剥離性シートを貼り付けた状態で保存することが一般的である。
電磁波シールドシートは、導電層および絶縁層のほかに、他の機能層を備えることができる。他の機能層とは、ハードコート性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、熱伝導性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波をシールドする必要がある様々な用途に使用できる。例えば、フレキシブルプリント配線板は元より、リジッドプリント配線板、COF、TAB、フレキシブルコネクタ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に使用できる。
《プリント配線板》
本発明のプリント配線板は、電磁波シールドシートと、ソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層と、信号配線および絶縁性基材を含む配線板とを備えている。
<カバーコート層>
カバーコート層は、配線板の信号配線を覆い外部環境から保護する絶縁材料である。本発明のプリント配線板におけるカバーコート層は、紫外線硬化型のソルダーレジスト、感光性カバーレイフィルムから構成される。プリント配線板の製造コストダウンの点から感光性カバーレイフィルムがより好ましい。
このようなソルダーレジストまたは感光性カバーレイフィルムから形成されてなるカバーコート層を用いることで、信号配線の狭ピッチ化に対応した、微細な穴の形成が可能である。また、導電層が、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む電磁波シールドシートを用いることにより、前記カバーコート層由来の金属イオンがマイグレーションすることを防止することができる。すなわち、感光性カバーレイを使用した穴の形成は、フォトリソ工程を行う必要があるため、現像液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)から金属イオン(例えば、ナトリウムイオンが感光性カバーレイに浸透して残留することが多い。この金属イオンのマイグレーションによる、電磁波シールドシートと信号配線との間の接続信頼性の低下を抑制することが可能となる。
また、電磁波シールドシートの導電層に含まれる導電性微粒子から金属イオン(例えば、銀イオン)がマイグレーションすることでの、接続信頼性の低下を防ぐことも可能である。
ソルダーレジストおよび感光性カバーレイフィルムは、従来公知のものを用いることができ、通常、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、モノマー、光開始剤および増感剤等を含み、必要に応じて着色剤を含む。
感光性カバーレイフィルムによりカバーコート層を形成する場合、絶縁性基材の信号配線上に真空ラミネーターによって感光性カバーレイフィルムを貼り合わせる。その後、感光性カバーレイフィルムに紫外線を照射し光硬化させた後、アルカリ水溶液によって現像することで、未照射部が洗い流される。現像後感光性カバーレイフィルムを130〜190℃でキュアし硬化させてカバーコート層を形成する。
ソルダーレジストを使用する場合は、ソルダーレジストを信号配線上にコーティングし乾燥させる。その後の工程は感光性カバーレイフィルムと同様の手順でカバーコート層を形成する。
カバーコート層の厚みは10〜70μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。カバーコート層の厚みを10〜70μmの範囲にすることで、プリント配線板の屈曲性とマイグレーション耐性を向上することができる。
カバーコート層のガラス転移温度(Tg)は40℃〜120℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましい。カバーコート層のガラス転移温度(Tg)を40℃〜120℃にすることで、屈曲性とマイグレーション耐性を向上することができる。
<信号配線および絶縁性基材を含む配線板>
信号配線は、アースを取るグランド配線、電子部品に電気信号を送る配線回路を含み、銅箔をエッチング処理することで形成することが一般的である。
絶縁性基材は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の屈曲可能なプラスチックが好ましく、ポリイミドがより好ましい。
電磁波シールドシートと、配線板との加熱圧着は、温度150〜190℃程度、圧力1〜3MPa程度、時間1〜60分程度の条件で行うことが一般的である。加熱圧着により熱硬化性樹脂と硬化剤が反応する。なお、硬化を促進させるため、加熱圧着後に150〜190℃で30〜90分ポストキュアを行う場合もある。なお、電磁波シールドシートは、加熱圧着後に電磁波シールド層ということがある。
本発明のプリント配線板は、液晶ディスプレイ、タッチパネル等のほか、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器に備えることが好ましい。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」に基づく値である。
実施例で使用した原料を以下に示す。
<バインダー樹脂>
ウレタン樹脂:(熱硬化性樹脂 酸価=10mgKOH/g、アミン価=0.1mgKOH/g) トーヨーケム製社
<導電性微粒子>
導電性微粒子1:(核体に銅、被覆層に銀を使用した樹枝状粒子 D50平均粒子径=11.0μm、)福田金属箔粉工業社製
導電性微粒子2:(核体に銅、被覆層に銀を使用した球状粒子 D50平均粒子径=10.0μm、)福田金属箔粉工業社製
導電性微粒子3:(核体に銅、被覆層に銀を使用したフレーク状粒子 D50平均粒子径=10.0μm)福田金属箔粉工業社製
<硬化剤>
エポキシ化合物:「JER828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量=189g/eq)三菱化学社製
アジリジン化合物:「ケミタイトPZ−33」日本触媒社製
<陽イオン捕集剤>
IXE100:ジルコニア系無機陽イオン捕集剤、粒径1μm(東亞合成社製)
IXE300:アンチモン系無機陽イオン捕集剤、粒径0.5μm(東亞合成社製)
CDA−6:デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド(ADEKA社製)
CDA−10:N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(ADEKA社製)
<陰イオン捕集剤>
IXE500:ビスマス系無機陰イオン捕集剤、粒径1.5μm(東亞合成社製)
IXE700F:ハイドロタルサイト系無機陰イオン捕集剤、粒径1.5μm(東亞合成社製)
<両イオン捕集剤>
IXE PLUS−A1:ジルコニア系無機陽イオン捕集剤とハイドロタルサイト系無機陰イオン捕集剤の混合物、粒径0.5μm(東亞合成社製)
[実施例1]
バインダー樹脂を100部、導電性微粒子1を450部、容器に仕込み、不揮発分濃度が40%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比=2:1)の混合溶剤を加えて混合した。次いでエポキシ化合物10部、アジリジン化合物1.0部および陽イオン捕集剤(東亜合成株式会社製「IXE100」)2部を加えディスパーで10分攪拌して導
電性接着剤を作成した。さらに得られた導電性接着剤をバーコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように剥離性シート上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、バインダー樹脂100部、エポキシ化合物10部およびアジリジン化合物10部を加えディスパーで10分攪拌することで絶縁性樹脂組成物を得た。次いで得られた絶縁性樹脂組成物をバーコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように剥離性シート上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を得た。さらに導電層に絶縁層を貼り合わせることで電磁波シールドシートを得た。
[実施例2〜17、比較例1]
実施例1の導電性接着剤の組成を表1、2に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様に行うことで実施例2〜17、比較例1の電磁波シールドシートをそれぞれ得た。
[実施例18]
バインダー樹脂を100部、導電性微粒子1を50部、容器に仕込み、不揮発分濃度が40%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比=2:1)の混合溶剤を加えて混合した。次いでエポキシ化合物10部、アジリジン化合物1.0部および陽イオン捕集剤(東亜合成株式会社製「IXEPLAS−A1」)2部を加えディスパーで10分攪拌して導電性接着剤を作成した。さらに得られた導電性接着剤をバーコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように剥離性シート上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで異方導電層を得た。
別途、バインダー樹脂100部、エポキシ化合物10部およびアジリジン硬化剤10部を加えディスパーで10分攪拌することで絶縁性樹脂組成物を得た。次いで得られた絶縁性樹脂組成物をバーコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように厚さ3μmの銅キャリア付き電解銅箔の面に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥し、微粘着剥離シートを張り合わせた。次いで、銅キャリアを剥がし、その面に異方導電層を張り合わせることで、微粘着剥離性シート/絶縁層/金属層(電解銅箔)/異方導電層/剥離性シートの構成の電磁波シールドシートを得た。
[実施例19]
実施例18の導電性接着剤の組成を表1、2に記載した通りに変更した以外は、実施例18と同様に行うことで実施例19の電磁波シールドシートを得た。
得られた電磁波シールドシートについて以下の物性を評価した。結果を表1、2に記す。
<マイグレーション試験>
カルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂(トーヨーケム株式会社製:酸価=67mgKOH/g、エチレン性不飽和基当量=765g/eq)の固形分100部に対して、硬化剤として、エピコート1031S(三菱化学株式会社製:多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂);10部、BL3175(住化バイエルウレタン株式会社製:イソシアヌレート型ブロックイソシアネート)10部、難燃剤としてホスフィン酸アルミニウムEXOLITOP−935(クラリアントジャパン株式会社製);20部、着色剤として銅フタロシアニン顔料LIONOL BLUE FG7350(トーヨーカラー株式会社製);1部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン);5部、光増感剤としてDETX−S(日本化薬株式会社製:2,4−ジエチルチオキサントン);0.5部を均一に溶解・混合し、横型サンドミルDYNO−MILL(株式会社シンマルエンタープライズ製)を使用して、グラインドゲージによる粒子径が10μm未満になるまで分散し、感光性樹脂組成物を得た。
上記で得られた感光性樹脂組成物を、ドクターブレードを使用して乾燥後の厚さが40μmとなるようにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(S-12 厚さ12
μm 東レ・デュポン社製)上に均一塗工して100℃で5分乾燥させた後、室温まで冷却し被膜を形成した。さらに得られた被膜を二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)製の剥離性シートに貼り合わせることで感光性カバーレイフィルムを得た。
感光性カバーレイフィルムの硬化後のガラス転移温度(Tg)は、60℃であった。
図1を参照してマイグレーション試験を説明する。厚さ16μmの銅箔と厚さ25μmポリイミドフィルムの積層体をエッチング処理することで図1(1)の平面図に示した通り、ポリイミドフィルム1上にライン/スペース=0.050mm/0.050mmの、カソード電極接続点2’を備えたカソード電極用櫛型信号配線2と、アノード電極接続点3’を備えたアノード電極用櫛型信号配線3とをそれぞれ形成した。次いで感光性カバーレイフィルムから、OPPフィルムを剥がし、図1(2)の平面図に示した通り、カソード電極用櫛型信号配線2およびアノード電極用櫛型信号配線3を覆い、カソード電極接続点2’付近およびアノード電極接続点3’付近が露出する程度の大きさに感光性カバーレイフィルを重ね、真空ラミネートすることで感光性カバーレイフィルムを積層体に貼り合わせた。なお真空ラミネート条件は加熱温度60℃、真空時間60秒、真空到達圧2hPa、圧力0.4MPa、加圧時間60秒であった。さらに積層体の感光性カバーレイフィルムの上に厚さ120μmのPETシートを重ね、その上方から水銀ショートアークアンプ(5kW)を使用して5分間露光した。次いで、PETマイラーシートを剥がし、現像機で40秒間現像(現像液:濃度1%の炭酸ナトリウム水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa)した。現像後、150℃の熱風乾燥器で感光性カバーレイフィルムを1
時間熱硬化(ポストキュア)することでカバーコート層4付き配線板を得た。
さらに得られた電磁波シールドシートの導電層側から剥離性シートを剥がし、露出した導電層面をカバーコート層4の上に貼り合わせることで図1(3)に示す平面図の通りに積層した試料を得た。得られた試料は、図1(4)に示す試料のA−A’断面図に記載した通り導電層5bはカソード電極用櫛型信号配線2と電気的に接続している。
得られた試料を150℃、2.0MPa、30minの条件で熱プレスすることで熱硬化性樹脂を硬化させた。次いで、試料を85℃−85%RH(相対湿度)の雰囲気下で、アノード電極接続点3’にアノード電極を接続し、カソード電極接続点2’にカソード電極を接続した上で、電圧50Vを印加し500時間継続した。そして1000時間を経過するまでの抵抗値の変化を継続して測定した。なお下記「リークタッチ」とは、短絡による絶縁破壊があり、瞬間的に抵抗が低下し電流が流れることをいう。リークタッチがない場合は絶縁性が低下しない。評価基準は以下の通りである。

◎:500時間経過後の抵抗値が1×10Ω以上、かつリークタッチ無し。良好
○:500時間経過後の抵抗値が1×107Ω以上、かつリークタッチ無し。良好
△:500時間経過後の抵抗値が1×107Ω以上、かつリークタッチ1回有り。実用
上問題ない。
×:500時間経過後の抵抗値が1×107Ω未満、かつリークタッチ2回以上有り。
実用不可。
<屈曲性>
プレッシャークッカーテスト(PCT)後の屈曲性をJIS C6471に準拠して耐折性についてMIT試験にて測定した。
電磁波シールドシートを幅15mm、長さ120mmの大きさに準備した。また、電磁波シールドフィルムを貼り付ける被着体は、ポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)と銅箔(厚さ18μm)とを積層した2層CCLを元に、JIS C6471に基づく形状に配線を形成した。次いで配線上に上記マイグレーション試験と同様に感光性カバーレイフィルムを貼付、露光、現像後、にポストキュアを行なうことでカバーコート層を形成した。さらに、電磁波シールドシートの導電層側の剥離性シートを剥離して露出した導電層をカバーコート層に対して、150℃、30分間、2.0MPaの条件で圧着することで試料を得た。得られた試料についてPCT試験(条件:121℃、100%RH、2気圧、24時間)を行った。PCT試験後の試料について、温度25℃、湿度50%雰囲気下で、曲率半径0.38mm、荷重500g、速度180回/minの条件でMIT試験機を使用して耐折性を測定した。評価は、屈曲を3000回行い配線が断線するまでの屈曲回数を測定した。評価基準は以下の通りである。

○:3000回以上で断線しなかった。 良好。
△:断線までに2500回以上、3000回未満 実用上問題ない。
×:2500回未満で断線した。 実用不可。
<接着強度>
PCT後の接着強度を以下の通りに測定した。
得られた電磁波シールドシートを幅25mm・長さ70mmに準備し試料とした。試料から導電層の剥離性シートを剥がし、露出した導電層に厚さ50μmのポリイミドフィルム(「カプトン200EN」 東レ・デュポン社製)を150℃、2.0MPa、30minの条件で圧着し、熱硬化させた。熱硬化後の試料について、PCT(条件:121℃、100%RH、2気圧、24時間)を行った。次いで接着強度を安定して測定するために試料を補強した。具体的には、試料の絶縁層側の剥離性シートを剥がし、露出した絶縁層と熱硬化性接着シート(トーヨーケム社製)と、厚さ50μmのポリイミドフィルムとを重ね、150℃、1MPa、30minの条件で加熱圧着することで「ポリイミドフィルム/電磁波シールドシート/熱硬化性接着シート/ポリイミドフィルム」の積層体を得た。この積層体を引張試験機(島津製作所社製)を使用して23℃−50%RHの雰囲気下、剥離速度50mm/min、剥離角度90°で、電磁波シールドシートの導電層とポリイミドフィルムとの界面を剥離することで剥離強度を測定した。評価基準は以下の通りである。

○:6N/25mm以上。良好。
△:4N/25mm以上、6N/25mm未満。実用上問題ない。
×:4N/25mm未満。実用不可。
<接続信頼性>
電磁波シールドシートを幅20mm、長さ50mmの大きさに準備し試料15とした。図2(1)の平面図を示して説明すると電磁波シールドシート15から剥離性シートを剥がし、露出した導電層15bを、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム11上に、互いに電気的に接続されていない厚み18μmの銅箔回路12A、および銅箔回路12Bが形成されており、銅箔回路12A上に、マイグレーション試験と同様の方法で感光性カバーレイフィルムを用いて形成した、厚み37.5μm、直径1.6mmのスルーホール14を有するカバーコート層13が積層された配線板)に150℃、2MPa、30minの条件で圧着し、導電層15bおよび絶縁層15aを硬化させることで試料を得た。次いで、試料の絶縁層15a側の剥離性シートを除去し、85℃、85%のオーブンに500時間放置した後、図2(4)の平面図に示す12A−12B間の接続信頼性を、三菱化学製「ロレスターGP」のBSPプローブを用いて抵抗値を測定することにより評価した。なお、図2(2)は、図2(1)のD−D’断面図、図2(3)は図2(1)のC−C’断面図である。同様に図2(5)は、図2(4)のD−D’断面図、図2(6)は図2(4)のC−C’断面図である。接続信頼性の評価基準は以下の通りである。

○:抵抗値が300mΩ未満 良好な結果である。
△:抵抗値が300mΩ以上700mΩ未満 実用上問題ない。
×:抵抗値が700mΩ以上 実用不可
表1の結果から、実施例1〜19は、マイグレーション耐性、PCT後の屈曲性、接着強度、および接続信頼性が良好な結果が得られた。この中でも、無機陽イオン捕集剤を添加した場合においてマイグレーション耐性がより優れた結果となっている。これは、感光性カバーレイフィルムのフォトリソ工程における、現像液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)に由来する、ナトリウムイオンなどの金属陽イオンを捕集したことで、マイグレーション耐性がより向上したものと考えられる。
また、実施例8および9で示されるように、無機陽イオン捕集剤と無機陰イオン捕集剤を併用した場合、マイグレーション耐性のみならず、屈曲性と接着強度がより良好な結果となっている。これは、陰イオン捕集剤によってエポキシ化合物由来の塩化物イオンを捕集したことで、導電接着剤層の屈曲性とPCT後の接着強度がより向上したものと考えられる。
1 ポリイミドフィルム
2 カソード電極用櫛形信号配線
2’ カソード電極接続点
3 アノード電極用櫛形信号配線
3’ アノード電極接続点
4 カバーコート層
5 電磁波シールドシート
5a 絶縁層
5b 導電層
11 ポリイミドフィルム
12A、12B 銅箔回路
13 カバーフィルム
14 スルーホール
15a 絶縁層
15b 導電層

Claims (5)

  1. 信号配線および絶縁性基材を有する基板上に、
    アルカリ現像型の紫外線硬化型ソルダーレジストをコーティングし、乾燥させ、
    紫外線により光硬化させた後、現像し、カバーコート層を形成する工程と、
    前記カバーコート層上に電磁波シールドシートを加熱圧着する工程、
    を備え、
    電磁波シールドシートは、絶縁層および導電層を有し、
    前記導電層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む
    プリント配線板の製造方法。
  2. 信号配線および絶縁性基材を有する基板上に、
    アルカリ現像型の感光性カバーレイを貼り合わせ、
    紫外線により光硬化させた後、現像し、カバーコート層を形成する工程と、
    前記カバーコート層上に電磁波シールドシートを加熱圧着する工程、
    を備え、
    電磁波シールドシートは、絶縁層および導電層を有し、
    前記導電層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、導電性微粒子、およびイオン捕集剤を含む
    プリント配線板の製造方法。
  3. 熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記イオン捕集剤を0.1〜20重量部含むことを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 前記電磁波シールドシートは、絶縁層と、金属層と、導電性接着剤から形成されてなる導電層とを有することを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載のプリント配線板の製造方法。
  5. イオン捕集剤が、陽イオン捕集剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のプリント配線板の製造方法。
JP2015240917A 2014-12-11 2015-12-10 プリント配線板の製造方法 Active JP6409760B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250818 2014-12-11
JP2014250818 2014-12-11

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016115937A JP2016115937A (ja) 2016-06-23
JP6409760B2 true JP6409760B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=56142093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015240917A Active JP6409760B2 (ja) 2014-12-11 2015-12-10 プリント配線板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6409760B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7424745B2 (ja) * 2018-10-11 2024-01-30 信越ポリマー株式会社 電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板およびその製造方法
JP2021019012A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 信越ポリマー株式会社 電磁波シールドフィルム、回路基板、及び回路基板の製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010229282A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd ポリウレタンポリウレア樹脂組成物、それを用いた硬化性電磁波シールド性接着性フィルム及びその製造方法
JP4911252B1 (ja) * 2010-11-30 2012-04-04 東洋インキScホールディングス株式会社 カルボキシル基含有変性エステル樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物
JP5308465B2 (ja) * 2011-01-28 2013-10-09 タツタ電線株式会社 シールドプリント配線板
JP5940260B2 (ja) * 2011-08-08 2016-06-29 株式会社カネカ 新規な導電層一体型フレキシブルプリント基板
JP2014078574A (ja) * 2012-10-10 2014-05-01 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 電磁波シールド性カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及びフレキシブルプリント配線板
JP2014078573A (ja) * 2012-10-10 2014-05-01 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 電磁波シールド性カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及びフレキシブルプリント配線板
JP5988869B2 (ja) * 2012-12-28 2016-09-07 富士フイルム株式会社 粘着シート、配線基板、樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016115937A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5854248B1 (ja) 導電性接着剤、ならびにそれを用いた導電性接着シートおよび電磁波シールドシート
KR101789082B1 (ko) 도전성 접착제, 도전성 접착 시트, 및 배선 디바이스
JP6202177B1 (ja) 電磁波シールドシートおよびプリント配線板
JP6183491B2 (ja) 導電性接着剤、導電性接着シートおよび電磁波シールドシート
JP6287430B2 (ja) 導電性接着シート、電磁波シールドシートおよびプリント配線板
JP6354526B2 (ja) 電磁波シールドシートおよびプリント配線板
JP6597927B1 (ja) 電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板
JP6255816B2 (ja) 電磁波シールドシートおよびプリント配線板
JP5146567B2 (ja) 導電性インキ、および導電パターン付き積層体とその製造方法
JP6624331B1 (ja) 電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板
JP6409760B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JP2016204628A (ja) 導電性接着剤、導電性接着シート、および配線デバイス
JP7001187B1 (ja) 電磁波シールドシートおよびその製造方法、シールド性配線基板、並びに電子機器
KR101176425B1 (ko) 도전성 접착제 조성물, 그를 이용한 이형필름 및 회로기판
JP2012097226A (ja) 異方導電性接着フィルム及び接続構造体
JP2018074168A (ja) 電磁波シールドシートおよびプリント配線板
TW202110318A (zh) 電磁波屏蔽片及電磁波屏蔽性配線電路基板
JP6465243B1 (ja) 電磁波シールドフィルム、プリント配線板および電子機器。
JP2015195200A (ja) 光硬化性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
KR20200068500A (ko) 이방 도전성 필름 및/또는 이를 포함하는 디스플레이 장치 및/또는 이를 포함하는 반도체 장치
JP2020021924A (ja) 電磁波シールドシート付きプリント配線板
JP6753455B2 (ja) 導電性樹脂組成物、導電性接着シート、およびプリント配線板
JP6451879B2 (ja) 導電性接着シート、電磁波シールドシートおよびプリント配線板
JP5356111B2 (ja) 接続方法,接続構造および電子機器
JP2015155529A (ja) 光硬化性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170825

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180910

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6409760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250