JP6408733B1 - タイヤ試験機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明は、転動するタイヤ100を着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部20を備え、複数のタイヤ保持部20は、転動する第1タイヤ101を着脱可能に保持する第1タイヤ保持部21と、転動する第2タイヤ102を着脱可能に保持する1又は複数の第2タイヤ保持部23と、を備え、1又は複数の第2タイヤ保持部23は、第1タイヤ101の転舵により生じる横向きの力と反対方向の力を生じさせるために第2タイヤ102を保持することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
よって、推進力を有していない下記特許文献1のタイヤ試験機は、車両などの移動体に搭載される。そして、移動体の移動によりタイヤを転動させてタイヤに作用する荷重を計測している。
一方で、下記特許文献2に示す据え付け型のタイヤ試験機は、タイヤ転動装置を利用し、タイヤを転動させている。なお、タイヤ転動装置は、一対のドラムと、一対のドラムに掛け渡された無端状のベルトとを備え、一対のドラムの回転によりベルトが駆動すると、ベルト上に配置されたタイヤが転動する。
これに対し、移動体に横向きの力が作用しても移動体が蛇行しないようにするため、移動体の重量化・大型化が考えられるが、重量化・大型化した移動体を用意する必要があり、タイヤ試験を簡易に実施できず不便である。
以上から、上記した不便さを解消したタイヤ試験機、つまり、タイヤ試験を簡易に実施することができるタイヤ試験機の開発が望まれている。
また、本発明に係るタイヤ試験機は、自走可能な移動体又は前記移動体に牽引される被牽引体に取り付けられ、前記移動体の移動により転動するタイヤを着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部と、駆動力を生成するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動力を前記タイヤ保持部に伝達する伝達部と、を備え、前記複数のタイヤ保持部は、転動する第1タイヤを着脱可能に保持する第1タイヤ保持部と、転動する第2タイヤを着脱可能に保持する1又は複数の第2タイヤ保持部と、を備え、前記1又は複数の第2タイヤ保持部は、前記第1タイヤの転舵により生じる横向きの力と反対方向の力を生じさせるように前記第2タイヤを保持しており、前記第1タイヤ保持部及び前記第2タイヤ保持部の一方は、取り付けられる前記移動体又は前記被牽引体の左右方向の中心線よりも右側に取り付けられて右タイヤを保持する右タイヤ保持部を構成し、前記第1タイヤ保持部及び前記第2タイヤ保持部の他方は、前記中心線よりも左側に取り付けられて左タイヤを保持する左タイヤ保持部を構成し、前記右タイヤ保持部は、前記右タイヤのトー角の調整可能な右側トー角調整部を有し、前記左タイヤ保持部は、前記左タイヤのトー角の調整可能な左側トー角調整部を有し、前記伝達部は、前記右側トー角調整部に連結する右側リンク部と、前記左側トー角調整部に連結する左側リンク部と、を備えることを特徴とする。
本発明のタイヤ試験機1は、図1に示すように、転動するタイヤ100を着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部20を備える。
複数のタイヤ保持部20は、転動する第1タイヤ101を着脱可能に保持する第1タイヤ保持部21と、転動する第2タイヤ102を着脱可能に保持する(1又は複数の)第2タイヤ保持部23と、を備える。
そして、(1又は複数の)第2タイヤ保持部23は、第1タイヤ101の転舵により生じる横向きの力(図5の矢印F3参照)と反対方向の力(図5の矢印F4参照)を生じさせるために第2タイヤ102を保持する構成となっている。
これによれば、タイヤ試験1が搭載された移動体又は被牽引体に作用する横向きの力を相殺でき、移動体又は被牽引体の蛇行が抑制される。
次に本発明を具体的に適用した第1実施形態から第3実施形態を説明する。各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1,図2に示すように、第1実施形態のタイヤ試験機1は、移動体(不図示)に牽引される被牽引体10に取り付けられ、移動体の移動により転動するタイヤ100を着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部20と、駆動力を生成するアクチュエータ40と、アクチュエータ40の駆動力をタイヤ保持部20に伝達する伝達部50と、を備える。
なお、移動体とは、例えば自走可能な二輪車両、三輪車両、四輪車両が挙げられる。
被連結部11と前本体12と本体部13のそれぞれは、左右方向の中心を通る中心線M1を基準として左右対称に形成されている(図2参照)。
前本体12と本体部13のそれぞれは、中空の金属製フレームの端部同士を溶接により接合することで形成されている。
また、本体部13の後部の下側には、互いに前後に離間し左右方向に延在する一対の長板材14,15と、一対の長板材14,15から後方に延出してアクチュエータ40を支持する支持板16とが設けられている。
また、右タイヤ保持部21は、右タイヤ101の転舵角の調整可能な右側転舵角調整部22を有し、左タイヤ保持部23は、左タイヤ102の転舵角の調整可能な左側転舵角調整部24(図3参照)を有している。
また、右タイヤ保持部21と左タイヤ保持部23は、中心線M1を基準として左右対称に形成され同一構造となっている。よって、右タイヤ保持部21と左タイヤ保持部23の説明に関し、左タイヤ保持部23を代表として説明し、右タイヤ保持部21の説明を省略する。
フランジ25aには、ホイール103のハブ104が取り付けられている。よって、左タイヤ102は、車軸25の回転軸O1回りに回転可能(転動可能)に左側転舵角調整部24に支持されている。
なお、ハブ104は、図示しないボルトにより車軸25に締結されており、左タイヤ102が着脱可能となっている。
また、左側転舵角調整部24の上方には、上側ボールジョイント29が設けられている。一対の下方突出部24c間には、下側ボールジョイント30が設けられている。前方突出部24dには、前側ボールジョイント31が設けられている。
下側ボールジョイント30は、一対の下方突出部24c間を前後方向に延在し前後方向中央部に球体30bが形成されたボールスタット30aと、転動自在に球体30bを内嵌する環状のソケット30cとを備える。
図3に示すように、前側ボールジョイント31は、後述する左側リンク部53の左端部に支持され上下に延在し上端に球体31bが形成されたボールスタット31aと、球体31bを転動自在に内嵌する環状のソケット31cとを備えており、ソケット31cが前方突出部24dに支持されている。
このため、左側転舵角調整部24は、上側ボールジョイント29の球体29bの中心C1と、下側ボールジョイント30の球体30bの中心C2とを通る回転軸O2回りに回動可能になっている。よって、左側転舵角調整部24を回転させることで、左タイヤ102の転舵角を調整することができる。なお、下記において回転軸O2を転舵軸O2と称する。
そのほか、下アーム28の下支持部には、右斜め上方に延びて固定部26と連結する補強部28aが設けられている。
なお、第1板部32の雌ねじ孔33bは、中心線O3を中心に周方向に複数形成されている。よって、キャスター角を変えた後であっても、ボルト34を雌ねじ孔33bに螺合させて第2板部33を固定することができる。
また、特に図示しないが、荷重計測部2内にはエンコーダ(不図示)が配置され、タイヤ100の回転数を計測することができる。
また、ハブ104とホイール103との間において、荷重計測部2の入力部(荷重を計測するための入力部)がホイール103側と連結するように介在している。
なお、本発明において、荷重計測部2の位置はハブ104とホイール103との間に限定されない。荷重計測部2は、左タイヤ保持部23と左タイヤ102との間に介在していればよい。よって、荷重計測部2は、車軸25とハブ104の間に介在してもよく、又は、車軸25と軸受24bとの間に介在してもよい。若しくは、ホイール103と左タイヤ102との間に介在するようにホイール103の外周側に取り付けてもよい。
アクチュエータ40は、平面視で出力軸41が中心線M1と重なっており、被牽引体10の左右方向の中心線M1上に配置されている。
また、本実施形態において、アクチュエータ40は、被牽引体10に下側に設けられている。これによれば、アクチュエータ40が設けられる移動体又は被牽引体10のレイアウト性が向上する。なお、本発明において、アクチュエータ40の位置は移動体又は被牽引体10の下側に限定されない。
第1スライド軸51bは、中心線M1よりも右側に配置され、右側リンク部52の左端部と連結している。第2スライド軸51cは、中心線M1よりも左側に配置され、左側リンク部53の右端部と連結している。
また、第1スライド軸51bは、左右方向にスライド自在となっている(図2の矢印A1,A2参照)。同様に、第2スライド軸51cは、左右方向にスライド自在となっている(図2の矢印B1,B2参照)。
左側リンク部53の左端部は、前側ボールジョイント31(図3参照)を介して、左側転舵角調整部24の前方突出部24dと連結している。
また、右側リンク部52の右端部は、前側ボールジョイント31を介して、右側転舵角調整部22の前方突出部と連結している。
よって、アクチュエータ40が駆動し第1スライド軸51b及び第2スライド軸51cが左右方向へ移動すると、右側転舵角調整部22と左側転舵角調整部24とが転舵軸O2回りに回動し、右タイヤ101と左タイヤ102の転舵角が変更される。
また、アクチュエータ40の出力軸41が他方向に回動すると、第1スライド軸51bが右方(図2の矢印A2の方向)に移動し、第2スライド軸51cが左方(図2の矢印B2の方向)に移動する。この結果、特に図示しないが、右タイヤ101と左タイヤ102とが互いに外側に転舵し、トーアウト状態となる。
以上から、右側リンク部52と左側リンク部53との移動により右タイヤ101と左タイヤ102のトー角が変更する。
よって、第1実施形態において、右側転舵角調整部22は右タイヤ101のトー角を調整可能な右側トー角調整部に相当し、左側転舵角調整部24は左タイヤ102のトー角を調整可能な左側トー角調整部に相当し、転舵角計測機はタイヤ100トー角を計測可能なトー角計測器に相当する。
ここで、横力を計測している場合の右タイヤ101と左タイヤ102とは、トーイン状態又はトーアウト状態となるため、右タイヤ101に作用する横力F1と左タイヤ102に作用する横力F2は互いに左右方向反対側を向く。よって、被牽引体10に伝達した横向きの力F3、F4も互いに左右方向反対側を向くようになる。
なお、左側転舵角調整部24は、前側ボールジョイント31を介して左側リンク部53と連結し、左側リンク部53に対しても傾倒自在になっている。よって、左側転舵角調整部24の傾倒は、左側リンク部53により妨げられないようになっている。
また、キャンバー角の変更後であっても、左側リンク部53がスライドすると、左側転舵角調整部24の前方突出部24dが車幅方向に押圧され、左側転舵角調整部24が回動する。よって、キャンバー角の変更後であっても左タイヤ102を転舵させることが可能となっている。
さらに、転舵角計測器(トー角計測器)を備えているため、キャンバー角の変更後であっても、タイヤ100(右タイヤ101及び左タイヤ102)の転舵角(トー角)を正確に計測できる。
図6に示すように、第2実施形態のタイヤ試験機1Aは、移動体に牽引される被牽引体10に取り付けられてタイヤ100を着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部20(右タイヤ保持部21及び左タイヤ保持部23)と、被牽引体10に取り付けられた複数のアクチュエータ40Aと、アクチュエータ40Aの駆動力をタイヤ保持部20に伝達する複数の伝達部50Aと、を備える。
また、第2実施形態のタイヤ試験機1Aは、タイヤ保持部20(右タイヤ保持部21及び左タイヤ保持部23)とタイヤ100(右タイヤ101及び左タイヤ102)の間に介在する荷重計測部2を備える。
さらに、第2実施形態のタイヤ試験機1Aは、特に図示しないが、転舵角計測機(トー角計測機)と、温度計測器と、ピッチセンサと、旋回横加速度計測器とを備える。
よって、第2実施形態のタイヤ試験機1Aは、1つのアクチュエータ40に代えて複数のアクチュエータ40Aを備える点と、1つの伝達部50に代えて複数の伝達部50Aを備える点とにおいて、第1実施形態のタイヤ試験機1と相違する。
以下、相違点に絞って第2実施形態のタイヤ試験機1Aを説明する。
詳細に説明すると、複数のアクチュエータ40Aは、被牽引体10の中心線M1よりも右側に配置された右アクチュエータ42と、被牽引体10の中心線M1よりも左側に配置された左アクチュエータ43と、を備える。
伝達部50Aは、被牽引体10の中心線M1よりも右側に配置された右伝達部54と、被牽引体10の中心線M1よりも左側に配置された左伝達部55と、を備える。
右動力変換部54aは、特に図示しないが、出力軸42aと連結し回転運動を前後運動に変換する台形ねじと、台形ねじの前後運動を出力軸(右スライド軸54b)の左右運動に変換するリンク機構とを備える。
よって、右アクチュエータ42を駆動することで、右スライド軸54b及び右側リンク部54cがスライドし、右タイヤ保持部21に保持される右タイヤ101の転舵角を調整することができる。
左動力変換部55aは、特に図示しないが、出力軸43aと連結し回転運動を前後運動に変換する台形ねじと、台形ねじの前後運動を出力軸(左スライド軸55b)の左右運動に変換するリンク機構とを備える。
よって、左アクチュエータ43を駆動することで、左スライド軸55b及び左側リンク部55cがスライドし、左タイヤ保持部23に保持される左タイヤ102の転舵角を調整することができる。
これによれば、被牽引体10には、左向きの力F6と右向きの力F8が伝達し、横向きの力F6、F8が相殺され、被牽引体10の蛇行が抑制される。
このような誤差は、例えば、右アクチュエータ42及び左アクチュエータ43が駆動していない初期状態において、右タイヤ101の転舵角は0°であり正常であるものの、左タイヤ102のみが転舵している、という状態を招くおそれがある。
本実施形態では、このような状態において、右アクチュエータ42及び左アクチュエータ43のうち左アクチュエータ43のみを独立して駆動させ、転舵角計測機で計測される左タイヤ102の転舵角が0°となるように調整することができる。つまり、被牽引体10に対する右タイヤ保持部21又は左タイヤ保持部23の組み付けに誤差が生じてもその誤差を補正することができる。
図8に示すように、第3実施形態のタイヤ試験機1Bは、自走可能な移動体である四輪車両200に取り付けられた複数のタイヤ保持部20と、アクチュエータ40と、アクチュエータ40の駆動力をタイヤ保持部20に伝達する伝達部50と、を備える。
複数のタイヤ保持部20は、取り付けられる四輪車両(移動体)200の中心線M2よりも右側に取り付けられ右タイヤ101を保持する右タイヤ保持部21と、取り付けられる四輪車両(移動体)200の中心線M2よりも左側に取り付けられ左タイヤ102を保持する左タイヤ保持部23とを備える。
右タイヤ保持部21と左タイヤ保持部23とは、四輪車両(移動体)200の中心線M2を基準として左右対称に配置されている。
アクチュエータ40は、取り付けられる四輪車両(移動体)200の左右方向の中心線M2に配置されている。
また、第2実施形態のタイヤ試験機1Bは、タイヤ保持部20(右タイヤ保持部21及び左タイヤ保持部23)とタイヤ100(右タイヤ101及び左タイヤ102)の間に介在する荷重計測部2を備える。
さらに、第3実施形態のタイヤ試験機1Bは、特に図示しないが、転舵角計測機(トー角計測器)と、温度計測器と、ピッチセンサと、旋回横加速度計測器とを備える。
なお、上記した第3実施形態のタイヤ試験機1Bの各構成は、取付対象が異なるものの第1実施形態のタイヤ試験機1の各構成と同一構造である。
四輪車両200は、前輪201,202の駆動により推進する前輪駆動式の車両である。そして、右タイヤ保持部21が保持する右タイヤ101が四輪車両200の右後輪を構成し、左タイヤ保持部23が保持する左タイヤ102が左後輪を構成している。
よって、前輪201,202の駆動により四輪車両200が走行すると、右タイヤ101及び左タイヤ102が転動する。
また、右タイヤ101と左タイヤ102とはトーイン状態又はトーアウト状態となるため、右タイヤ101と左タイヤ102に作用する横力が互いに反対方向を向く。これにより、四輪車両200に作用する横向きの力は相殺され、四輪車両200の蛇行が抑制される。
複数のタイヤ保持部20(右タイヤ保持部21及び左タイヤ保持部23)は、取り付けられる四輪車両(移動体)200の中心線M2を基準として左右対称に配置されている。
変形例のタイヤ試験機1Cは、タイヤ保持部20(右タイヤ保持部21及び左タイヤ保持部23)とタイヤ100(右タイヤ101及び左タイヤ102)の間に介在する荷重計測部2を備える。
タイヤ試験機1Cは、特に図示しないが、転舵角計測機(トー角計測機)と、温度計測器と、ピッチセンサと、旋回横加速度計測器とを備える。
また、横力の発生により四輪車両200が蛇行するおそれがある場合には、右アクチュエータ42及び左アクチュエータ43の他方を駆動し、右タイヤ101と左タイヤ102とがトーイン状態又はトーアウト状態となるように転舵させる。これにより、四輪車両200に作用する横向きの力は相殺され、四輪車両200の蛇行が抑制される。
ここで、第1実施形態−第3実施形態では、右タイヤ101と左タイヤ102に作用する荷重を計測するため、右タイヤ保持部21と左タイヤ保持部23との両側に荷重計測部2を設けているが、本発明は、タイヤ特性を測定する対象となっているタイヤを保持するタイヤ保持部の方にのみ荷重計測部2を設けてもよい。つまり、本発明の荷重計測部2は、右タイヤ保持部21と右タイヤ101との間及び左タイヤ保持部23と左タイヤ102との間のうち少なくとも一方に介在していればよい。よって、本発明において、1又は複数の荷重計測部2を備えていればよい。
同様に、転舵角計測器(トー角計測器)についても、右タイヤ保持部21と左タイヤ保持部23のうち少なくとも一方に設けられていてもよい。
さらに、温度計測器4についても、移動体(四輪車両200)又は被牽引体10の左右両側のうち少なくとも一方に設けられていればよい。
詳細に説明すると、駆動機構60は、左タイヤ保持部23(タイヤ保持部20)に固定された筐体内61に格納された図示しない電動モータと、電動モータの駆動力を減速させて車軸25に伝達する減速部62と、を備える。
また、制動機構70は、車軸25の外周面から突出するブレーキディスク71と、左タイヤ保持部23(タイヤ保持部20)に固定されたブレーキキャリパ72と、を備える。
なお、上記構成によれば、電動モータの出力軸と車軸25は連動するため、電動モータを回生ブレーキとして利用してもよい。
言い換えると、本発明は、自走可能な四輪車両(移動体)200又は四輪車両200に牽引される被牽引体10に取り付けられ、四輪車両(移動体)200の移動により転動するタイヤを着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部20と、複数のタイヤ保持部20のうち少なくとも1つのタイヤ保持部20とタイヤ100との間に介在しタイヤ100に作用する荷重を計測する荷重計測部2と、のみを備えていてもよい。
このような構成であっても、被牽引体10や四輪車両200に対し、予めトーイン状態又はトーアウト状態となるようにタイヤ保持部20を取り付けることで、被牽引体10等に生じる横向きの力を相殺できるからである。
つぎに、据え付け型のタイヤ試験機に適用した例を説明する。
最初にタイヤ転動装置300について説明する。
図11に示すように、タイヤ転動装置300は、互いに離間して配置された左ドラム301及び右ドラム302と、左ドラム301及び右ドラム302に懸架されたスチール製の無端状のベルト303と、左ドラム301及び右ドラム302を回転させるための図示しないモータとを備える。そして、図示しないモータの駆動により左ドラム301及び右ドラム302が回転するとベルト303が駆動し、ベルト303の上面に当接するタイヤ100が転動する。
第1タイヤ保持部321と第2タイヤ保持部322と第3タイヤ保持部323は、タイヤ転動装置300の傍ら(前側)に設置された台310上に固定された固定部26と、固定部26からベルト側へ延出する上アーム27及び下アーム(不図示)と、上アーム27及び下アームに回動自在に支持された転舵角調整部(不図示)と、を備え、第1実施形態で説明した右タイヤ保持部21や左タイヤ保持部23と同一構造となっている。
第2タイヤ保持部322は、第1タイヤ保持部321の右側に離間して配置されており、第2タイヤ112がベルト303の上側表面303aの右側に当接している。
第3タイヤ保持部323は、第1タイヤ保持部321の左側に離間して配置されており、第3タイヤ113がベルト303の上側表面303aの左側に当接している。
以上から、複数のタイヤ保持部320に保持される各タイヤ100は、ベルト3の外周面に当接し、ベルト303の駆動により転動するようになっている。
また、ベルト303は、第1タイヤ111と摩擦するため、第1タイヤ111が転動すると、反作用の力として横向きの力(ドラムの回転軸方向の力)F10(図13参照)が生じる。
これにより、第2タイヤ112及び第3タイヤ113に横力F11、F12が生じるため、ベルト303には、反作用の力としてドラムの回転軸方向の力F13、F14が生じる。
さらに、第2タイヤ112の転舵角θ6及び第3タイヤ113の転舵角θ7は、第1タイヤ111の転舵角θ5の半分となるように設定する。これにより、F13とF14とを合成した力の大きさと、F10の大きさとが均等となる。
以上によれば、ベルト303に生じたドラムの回転軸方向の力F10,F13,F14が相殺され、ベルト303の位置ずれ等が抑制される。
以下、タイヤの位置を変更した第1変形例と、タイヤの数を変更した第2変形例について説明する。
第1タイヤ保持部321は、左右方向中央部に配置され、第1タイヤ111がベルト303の上側表面303aの左右方向中央部に当接している。
第2タイヤ保持部322は、左ドラム301の左側に配置され、第2タイヤ112がベルト303の左側表面303bに当接している。
第3タイヤ保持部323は、右ドラム302の右側に配置され、第3タイヤ113がベルト303の右側表面303cに当接している。
このようなタイヤ試験機1Eによっても、第2タイヤ112及び第3タイヤ113を第1タイヤ111の転舵方向と反対方向に転動させることで、ベルト303に生じるドラムの回転軸方向の力を相殺することができる。また、ベルト303の左側が第2タイヤ112と左ドラム301とに挟持されるとともに、ベルト303の右側が第3タイヤ113と右ドラム302とに挟持されるため、ベルト303の位置ずれ等がさらに生じ難い。
外周側タイヤ保持部324は、左右方向中央部に配置されており、第1タイヤ111がベルト303の上側表面303aの左右方向中央部に当接している。
内周側タイヤ保持部325は、左右方向中央部に配置されており、第2タイヤ112がベルト303の上側裏面303dの左右方向中央部に当接している。
つまり、複数のタイヤ保持部320に保持される複数のタイヤ100のうち少なくとも1つ(第2タイヤ112)は、ベルト303の内周面に当接し、ベルト303の駆動により転動するようになっている。
このタイヤ試験機1Fによっても、第1タイヤ111と第2タイヤ112とを互いに反対方向に転動させることで、ベルト303に生じる横向きの力(ドラムの回転軸方向の力)を相殺することができる。また、ベルト303の上側が第1タイヤ111と第2タイヤ112とに挟持されるため、ベルト303の位置ずれ等がさらに生じ難い。
2 荷重計測部
4 温度計測器
10 被牽引体
20 タイヤ保持部
21 右タイヤ保持部
22 右側転舵角調整部(右側トー角調整部)
23 左タイヤ保持部
24 左側転舵角調整部(左側トー角調整部)
25 車軸
26 固定部
27 上アーム
28 下アーム
29 上側ボールジョイント
30 下側ボールジョイント
40,40A アクチュエータ
42 右アクチュエータ
43 左アクチュエータ
50,50A 伝達部
51b 第1スライド軸
51c 第2スライド軸
52,54c 右側リンク部
53,55c 左側リンク部
54 右伝達部
55 左伝達部
100 タイヤ
101 右タイヤ
102 左タイヤ
111 第1タイヤ
112 第2タイヤ
113 第3タイヤ
300 タイヤ転動装置
303 ベルト
320 タイヤ保持部
321 第1タイヤ保持部
322 第2タイヤ保持部
323 第3タイヤ保持部
350 伝達部
Claims (20)
- 自走可能な移動体又は前記移動体に牽引される被牽引体に取り付けられ、前記移動体の移動により転動するタイヤを着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部と、
前記タイヤに作用する荷重を計測する1又は複数の荷重計測部と、を備え、
前記複数のタイヤ保持部は、
転動する第1タイヤを着脱可能に保持する第1タイヤ保持部と、
転動する第2タイヤを着脱可能に保持する1又は複数の第2タイヤ保持部と、を備え、
前記1又は複数の第2タイヤ保持部は、前記第1タイヤの転舵により生じる横向きの力と反対方向の力を生じさせるように前記第2タイヤを保持し、
前記タイヤ保持部は、取り付けられる前記移動体又は前記被牽引体の左右方向の中心線を基準として左右に少なくとも1つずつ配置されていることを特徴とするタイヤ試験機。 - 前記複数のタイヤ保持部は、前記中心線を基準として左右対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤの転舵角を変更するための1又は複数のアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ試験機。
- 前記1又は複数のアクチュエータの駆動により前記タイヤのトー角を変更することができることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤ保持部は、キャンバー角を変更可能なキャンバー角変更部を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤの転舵角を計測可能な転舵角計測器を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記転舵角計測器は、トー角を計測するトー角計測器であることを特徴とする請求項6に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤの表面温度を測定する温度計測器を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 旋回横加速度を測定する旋回横加速度計測器を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤ保持部は、前記タイヤを駆動させるための駆動機構を有していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記タイヤ保持部は、前記タイヤに制動力を付与するための制動機構を有していることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 自走可能な移動体又は前記移動体に牽引される被牽引体に取り付けられ、前記移動体の移動により転動するタイヤを着脱可能に保持する複数のタイヤ保持部と、
駆動力を生成するアクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動力を前記タイヤ保持部に伝達する伝達部と、を備え、
前記複数のタイヤ保持部は、
転動する第1タイヤを着脱可能に保持する第1タイヤ保持部と、
転動する第2タイヤを着脱可能に保持する1又は複数の第2タイヤ保持部と、を備え、
前記1又は複数の第2タイヤ保持部は、前記第1タイヤの転舵により生じる横向きの力と反対方向の力を生じさせるように前記第2タイヤを保持しており、
前記第1タイヤ保持部及び前記第2タイヤ保持部の一方は、取り付けられる前記移動体又は前記被牽引体の左右方向の中心線よりも右側に取り付けられて右タイヤを保持する右タイヤ保持部を構成し、
前記第1タイヤ保持部及び前記第2タイヤ保持部の他方は、前記中心線よりも左側に取り付けられて左タイヤを保持する左タイヤ保持部を構成し、
前記右タイヤ保持部は、前記右タイヤのトー角の調整可能な右側トー角調整部を有し、
前記左タイヤ保持部は、前記左タイヤのトー角の調整可能な左側トー角調整部を有し、
前記伝達部は、前記右側トー角調整部に連結する右側リンク部と、前記左側トー角調整部に連結する左側リンク部と、を備えることを特徴とするタイヤ試験機。 - 前記右タイヤ保持部と前記左タイヤ保持部とは、前記移動体又は前記被牽引体の左右方向の中心線を基準として左右対称に配置されていることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ試験機。
- 前記アクチュエータは、前記移動体又は前記被牽引体の左右方向の中心線上に配置されていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のタイヤ試験機。
- 前記アクチュエータは、前記移動体又は前記被牽引体の下側に設けられていることを特徴とする請求項14に記載のタイヤ試験機。
- 前記右タイヤ保持部と右タイヤとの間及び前記左タイヤ保持部と左タイヤとの間のうち少なくとも一方に介在し、前記タイヤに作用する荷重を計測する荷重計測部を備えていることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記右タイヤ保持部と前記左タイヤ保持部のうち少なくとも一方に設けられ、前記タイヤのトー角を計測するトー角計測器を備えていることを特徴とする請求項12から請求項16のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記移動体又は前記被牽引体の左右両側のうち少なくとも一方に設けられ、前記タイヤの表面温度を測定する温度計測器を備えていることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記右側リンク部と前記左側リンク部は、前記アクチュエータの駆動により、互いに左右方向の反対側へ移動することを特徴とする請求項12から請求項18のいずれか1項に記載のタイヤ試験機。
- 前記右側リンク部と前記左側リンク部との移動により前記タイヤのトー角が変更することを特徴とする請求項19に記載のタイヤ試験機。
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