JP6408230B2 - 硬化性樹脂組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
赤色、緑色および青色の顔料等の色材をそれぞれ含有した硬化性樹脂組成物について、輝度を高くするための検討が種々されている。しかしながら、硬化性樹脂組成物中に含まれる重合体、添加剤、光重合開始剤等に起因するポストベーク工程における硬化物層の黄変が、カラーフィルタの輝度を低下させる要因となっている。
このようなカラーフィルタの輝度を向上させる手法に関し、特許文献1には、輝度の高い優れた青色画素を提供するために、青色着色剤を含有する青色カラーフィルタ用感放射性樹脂組成物において、組成物中に特定の酸化防止剤を含有させるとともに、その含有量を特定の範囲とする旨の記載がされている。特許文献2には、デカハイドロナフチル基を有する重合体を着色層形成用感放射線性組成物として用いることで透明性に優れ輝度の高い画素を形成できる旨の記載がされている。特許文献3には、マレイミド系アルカリ可溶性共重合体が、N置換マレイミド単量体単位を必須として有すると、耐熱性や硬度を向上することが可能となり、また、二重結合当量が300〜10万となるようにすると、電離放射線量による硬化性が優れ、現像後のパターン形状の精度を向上することができる旨の記載がされている。特許文献4には、2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルのエーテルダイマーである特定構造の化合物を重合してなるポリマーを硬化成分とともに含む樹脂組成物が、熱性とともに透明性にも極めて優れた塗膜を形成することができるので、輝度および色純度が高く、色ムラ等を生じることのない良好な表示品質の表示装置を提供することができる旨の記載がされている。
本発明はまた、前記重合体(A)の重量平均分子量が2000〜10000である硬化性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、更に顔料を含有する硬化性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、重合体(A)が顔料分散用樹脂である硬化性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物でもある。
そして、本発明はまた、前記硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物層が基板上に設けられてなるカラーフィルタでもある。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、(A)主鎖に環構造を有し、側鎖に二重結合を有する重合体、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物、(C)光重合開始剤、(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、上記重合体(A)の二重結合当量が1000〜4500g/molである硬化性樹脂組成物である。なお、これらの必須成分は、各々1種又は2種以上使用してもよく、本発明の作用効果を損なわない限り、他の成分を更に含有していてもよい。以下では、上記(A)の主鎖に環構造を有し、側鎖に二重結合を有する重合体を「重合体(A)や(A)成分」、上記(B)の多官能(メタ)アクリレート化合物を「化合物(B)や(B)成分」、上記(C)の光重合開始剤を「(C)成分」、上記(D)の溶剤を「(D)成分」とも称する場合もある。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の両方を表現した表記である。
上記(A)〜(C)成分の含有割合は、適宜組み合わせることができるが、より好ましい含有割合は、(A)成分100質量%に対して、(B)成分20〜200質量%、(C)成分5〜50質量%であり、特に好ましい含有割合は、(A)成分100質量%に対して、(B)成分50〜150質量%、(C)成分5〜30質量%を含有するものである。上記範囲に調整することにより、硬化性、透明性がより高いものとなる。
なお、上記主鎖に環構造を有する単量体の含有割合は、重合体の原料として用いられる全単量体成分の総量100質量%中、60質量%以下とすることが好ましく、50質量%以下とすることがより好適である。特にN置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体及び/又はα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体を含む場合、その含有割合は、耐熱性や硬度、色材分散性、現像速度、透明性等の観点から、2〜60質量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは3〜40質量%である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
上記一般式(1)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、R1およびR2は、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
上記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
上記重合体(A)を得る際の単量体成分中における上記エーテルダイマーの割合は、特に制限されないが、全単量体成分中2〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%であるのがよい。エーテルダイマーの量が多すぎると、重合の際、低分子量のものを得ることが困難になったり、あるいはゲル化し易くなったりするおそれがあり、一方、少なすぎると、透明性や耐熱性などの塗膜性能が不充分となる恐れがある。
上記単量体成分の重合反応の方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度(%)=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶媒重量)]X100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なるが、好ましくは、重合温度40〜150℃、重合濃度20〜50%とするのがよく、さらに好ましくは、重合温度60〜130℃、重合濃度30〜45%とするのがよい。
上記単量体成分の重合において溶媒を用いる場合には、溶媒として通常のラジカル重合反応で使用される溶媒を用いるようにすればよい。好ましくは硬化性樹脂組成物に含む溶媒であれば組成物の調製がし易い。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。また、特に、酸基含有単量体の含有量が30質量%を越える場合には、重量体の析出を防止するために、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒と、プロピレングリコールモノメチルエーテルやイソプロパノール等のアルコール系溶媒との混合溶媒が好ましい。なお、ここでの酸基含有単量体の含有量とは、側鎖に反応性二重結合を導入するために消費される量を上乗せしたものである。
上記単量体成分を重合する際には、必要に応じて、通常用いられる重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。なお、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、全単量体成分に対して0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%とするのがよい。
上記重合体(A)は、側鎖に重合性二重結合を含む。側鎖に重合性二重結合を持たせることにより、熱や光で硬化させることができる。その為、より耐熱分解性が向上するほか、感光性樹脂組成物としたときの光に対する感度が向上し、より少ない光で硬化し、かつ硬化後の機械強度も高くなる。側鎖に重合性二重結合を導入する方法としては、エポキシ基、オキサゾリン基、および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種と重合性不飽和二重結合を含む化合物を付加させる方法が挙げられる。重合性不飽和二重結合としては、得られる重合体の反応性の点から(メタ)アクリロイル基の有する二重結合が好ましく挙げられる。
なお、二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が大きいほど二重結合の導入量が少なくなる。重合体や二重結合を導入する化合物の仕込み量から計算できる。また、滴定及び元素分析、NMR、IR等の各種分析や示差走査熱量計法を用いて測定できる。
重合体(A)中の酸基の一部に(メタ)アクリル酸グリシジル等の酸基と反応する官能基を持った単量体を付加する方法は、公知の方法を採用すればよく、特に制限はないが、反応温度は60℃〜140℃が好ましく、また、トリエチルアミンやジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、塩化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、臭化テトラフェニルホスホニウム等のホスホニウム塩、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物等、公知の触媒を使用することが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物において、(C)光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類、その他、フェニルグリオキシリックメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノンが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物において、(D)溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルジグリコールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
上記(D)成分の好ましい含有割合は、(A)成分100質量%に対して、20〜5000質量%、さらに好ましい含有割合は50〜2000質量%である。
上記硬化性樹脂組成物において、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分のほかに、本発明に効果を損なわない範囲で、例えば、染料、顔料等の着色剤、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を含有するものであってもよい。
上記顔料としては、種々の有機又は無機着色剤を1種又は2種以上用いることができる。
有機着色剤としては、有機顔料、染料、天然色素等を用いることができる。
160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170.172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、209、209:1、212、213、214、215、219等が挙げられる。
紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、13、14、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等が挙げられる。
黒色顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉄、チタンブラック、C.I.ピグメントブラック1、6、7、9、10、11、12、13、20、31、32、34等が挙げられる。白色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28等を挙げることができる。
98号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載
されている有機染料を使用することができる。中でも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
また、顔料について好ましい含有割合は(A)成分100質量%に対して、1〜500質量%、さらに好ましい含有割合は10〜200質量%である。
上記無機着色剤としては、無機顔料、体質顔料が好適であり、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、硬化樹脂層が基板上に設けられてなるカラーフィルタにおいて、前記硬化樹脂層となる樹脂組成物が上記本発明の硬化性樹脂組成物であるものである。前記カラーフィルタとは、画像のカラー化に必要な、透明基板上に少なくとも3原色の微細な画素とそれらを区切るブラックマトリクスを有する光学フィルタであり、3原色としては、一般に、赤(R)・緑(G)・青(B)が用いられる。カラーフィルタを構成する部材としては、具体的には、3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜、柱状スペーサーがあるが、本発明のカラーフィルタは、上記フィルタを構成する各部材の少なくとも1つが、前記硬化性樹脂組成物を硬化させて形成されたものであればよい。
本発明のカラーフィルタは、例えば、次のようにして作製することができる。1)顔料を含む硬化性樹脂組成物を、ガラス、好ましくは無アルカリガラス、透明プラスチックなどの透明基板上に、スピンコート法、スプレー法など公知の方法でコートし、乾燥し、塗膜を作製する。コート法としてはスピンコート法が好ましく用いられる。乾燥条件としては、室温〜120℃、好ましくは60℃〜100℃の温度、10秒〜60分、好ましくは30秒から10分、常圧または真空下で加熱乾燥する方法が好ましい。2)その後、所望のパターン形状に応じた開口部を設けたフォトマスク(パターニングフィルム)を、上記塗膜の上に接触状態でまたは非接触状態で載せ、光を照射し、硬化させる。ここで、光とは、可視光のみならず、紫外線、X線、電子線などの放射線を意味するが、紫外線が最も好ましい。紫外線源としては、一般に高圧水銀ランプが好適に使用される。3)光照射後、溶剤、水、アルカリ水溶液などで現像を行う。これらのなかで、アルカリ水溶液が、環境への負荷が少なく高感度の現像を行うことができるため好ましい。アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが好ましい。アルカリの濃度としては、0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がさらに好ましく、0.1〜1重量%が最も好ましい。アルカリ濃度が上記範囲より低いと前記硬化性樹脂の溶解性が不足する恐れがあり、逆に高いと溶解力が高すぎて現像性が劣る場合がある。さらに、アルカリ水溶液には、界面活性剤を添加してもよい。まず、以上の1)〜3)の工程を、黒色顔料を含む硬化性樹脂組成物を用いて行い、基板上に樹脂ブラックマトリックスを形成する。
次に、硬化性樹脂組成物の顔料を赤(R)、緑(G)、青(B)と順次変えて、上記1)〜3)の工程を繰り返し行い、R、G、Bの画素を形成して、RGB画素を作製する。次に、基板上に形成されたRGB画素の保護や表面平滑性を向上させる目的で、必要に応じて、保護膜を形成する。
さらに、上記カラーフィルタが液晶表示装置用カラーフィルタである場合には、柱状スペーサーを形成することが好ましい。柱状スペーサーは、スペーサーを形成すべき面に硬化性樹脂組成物を所望のスペーサーの高さとなるような厚みに塗工し、上記1)〜3)の工程を経て作製することができる。
カラーフィルタを作製する際には、各部材の作成時に、現像後加熱して(ポストベーク)硬化をさらに進行させ、かつ溶媒が残存している場合はこれを完全に除去させることが好ましい。ポストベークの際の温度としては120〜300℃が好ましく、150〜250℃がさらに好ましく、180〜230℃が最も好ましい。ポストベーク温度が上記より高いと、画素の着色や熱分解により塗膜の平滑性を損なう恐れがあり、逆に低いと硬化の進行が少なく、塗膜強度が低下する恐れがある。ポストベークは、各部材形成における現像後に行っても良いし、全ての部材を形成した後に行っても良い。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<重合体溶液中の重合体濃度>
重合体溶液1gにアセトン4gを加えて溶解させた溶液を、常温で自然乾燥させ、さらに5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。そして、重量減少量から、重合体溶液の不揮発分を算出し、これを重合体濃度とした。
<酸価>
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価を求めた。
〔重合体A−1の合成〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「MD」と称する)20質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(以下「CHMA」と称する)26質量部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)36質量部、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)18質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」、日本油脂製;以下「PBO」と称する)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する)40質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール(以下「n−DM」と称する)5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(以下「GMA」と称する)3.3部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、トリエチルアミン(以下「TEA」と称する)0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA36部を加えて室温まで冷却し、濃度が35%の重合体溶液1を得た。(A)重合体成分の重量平均分子量は8000、酸価は101mgKOH/g、重合体の二重結合当量は4447g/molであった。
〔重合体A−2の合成〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA26質量部、MMA32質量部、MAA22質量部、PBO3質量部、PGMEA40質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA8.3部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA36部を加えて室温まで冷却し、濃度が36%の重合体溶液2を得た。(A)重合体成分の重量平均分子量は8500、酸価は102mgKOH/g、重合体の二重結合当量は1864g/molであった。
〔重合体A−3の合成〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA26質量部、MMA22質量部、MAA26質量部、PBO3質量部、PGMEA40質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA13.2部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA36部を加えて室温まで冷却し、濃度が36%の重合体溶液3を得た。(A)重合体成分の重量平均分子量は8800、酸価は104mgKOH/g、重合体の二重結合当量は1218g/molであった。
〔比較重合体A−1の合成〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA26質量部、MMA19質量部、MAA35質量部、PBO3質量部、PGMEA40質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA24.8部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA36部を加えて室温まで冷却し、濃度が39%の比較重合体溶液1を得た。(A)重合体成分の重量平均分子量は10000、酸価は104mgKOH/g、重合体の二重結合当量は716g/molであった。
〔バインダー樹脂の合成〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA15質量部、HEMA20質量部、MAA15質量部、、PBO3質量部、PGMEA40質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。 反応槽にPGMEA71質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、室温まで冷却し、濃度が42質量%のバインダイー樹脂溶液1を得た。バインダー樹脂の重量平均分子量は10000、酸価は100mgKOH/gであった。
〔硬化性樹脂組成物の調製、およびカラーフィルタ適性評価〕
〔顔料分散液の調製〕
<実施例1>
緑色顔料として臭素化亜鉛フタロシアニンを7.24部及びC.I.ピグメントイエロー150を2.54部、PGMEA60.00部、分散剤(ビックケミ−社製「DISPER BYK−2000」)を固形分換算で2部、および重合体A−1を固形分換算で3.3部、ジルコニアビーズ225部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて緑色顔料分散液を調製した。
〔硬化性樹脂組成物の調整〕
緑色含量分散液57.78部、PGMEA23.40部、3−エトキシプロピオン酸エチル8部、バインダー樹脂を固形分換算で5.47部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3.63部、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール0.38部、4,4′−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン0.19部、2−メルカプトベンゾチアゾール0.38部、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン0.76部をよく混合してテトラヒドロピラン環含有共重合体と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物を調整した。
〔カラーフィルタの作製〕
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板上に、上記感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行い、ガラス基板上に感光性樹脂組成物が形成されてなる着色塗布基板を作成した。その後、温度250℃で、60分間の熱硬化処理を行った。得られた塗布基板について、日立製作所社製分光光度計(日立製作所社製「U−3310」)により、分光透過率を測定し、XYZ表光系における色度(C光源)を算出した。結果はY57.4であった。
以上より、主鎖に環構造を有し、側鎖に二重結合を有する重合体を原料として、感光性樹脂組成物の調製をし、良好なカラーフィルタの作製を行うことができた。
<実施例2>
実施例1で使用した重合体A−1を重合体A−2に変更した以外は実施例1と同様に実施した。カラーフィルタを作成し、分光光度計で色度を算出した結果、Y57.4であった。
<実施例3>
実施例1で使用した重合体A−1を重合体A−3に変更した以外は実施例1と同様に実施した。カラーフィルタを作成し、分光光度計で色度を算出した結果、Y57.3であった。
<比較例1>
実施例1で使用した重合体A−1を比較重合体A−1に変更した以外は実施例1と同様に実施した。カラーフィルタを作成し、分光光度計で色度を算出した結果、Y55.3となり色度の低下がみられた。
実施例1〜3および比較例1に示すように本発明の特定の範囲の二重結合量当量を有する重合体を用いた硬化性樹脂組成物を用いた方が、作成したカラーフィルタの色度が高いことを示しており、その効果が確認された。
以上より、上記構成の樹脂組成物とすることによって初めて優れた硬化物を与えることができるものである。このような硬化性樹脂組成物から得た硬化樹脂層をカラーフィルタに用いれば輝度(Y値)および色純度が高く、色ムラ等を生じることのない良好な表示品質の表示装置を提供することができる。
Claims (7)
- 前記重合体(A)の重量平均分子量は2000〜10000であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 更に顔料を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記顔料の含有割合は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、3〜70質量%であることを特徴とする請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記重合体(A)が顔料分散用樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- カラーフィルタ用であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物層が基板上に設けられてなることを特徴とするカラーフィルタ。
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