JP6407854B2 - 静電容量検出装置及び入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、容量性センサの静電容量を検出する静電容量検出装置に係り、例えば、タッチパッドやタッチセンサなどの入力装置において、指やペンなどの物体が入力面に接触することによる静電容量の変化を検出する静電容量検出装置に関するものである。
ノートブック型PCやタブレット端末、スマートフォンなどの情報機器の入力インターフェースとして、物体(指、ペンなど)の接触位置を検出するセンサを備えたタッチパッドやタッチパネルなどの装置が広く普及している。物体の接触位置を検出するセンサには、抵抗膜方式や静電容量方式など種々のタイプが存在するが、近年では、複数の接触箇所を検出する「マルチタッチ」への対応が可能な静電容量方式のセンサの採用が増加している(例えば下記の特許文献1を参照)。
特開2014−176019号公報
近年、上述したタッチパッド等では、センサの入力面のサイズが大型化する傾向にある。そのため、入力面上の検出位置の数が多くなってきており、入力面の全体で得られる検出信号の数も多くなってきている。他方、タッチ操作における指の動きを正確に捉えるには、一定以上のセンシング速度が必要であるため、検出信号の数が多くなっても、入力面の全体から検出信号を取得する時間(走査周期)をあまり長くすることができない。従って、各検出位置におけるセンシング時間を十分に確保することが難しくなってきている。
このようなセンシング時間の問題を回避するためには、静電容量の検出回路を複数設けて、センシングを並列に行う必要がある。例えば、検出電極ごとに静電容量の検出回路を設ければ、複数の検出電極において同時にセンシングを行うことができるため、検出電極の本数が増えてもセンシング時間が短くなることはない。
ところが、静電容量の検出回路を複数設けた場合、各検出回路に感度のばらつきが存在すると、検出値の相対的な誤差が生じるため、上述したマルチタッチの検出を正確に行えなくなる可能性がある。
図12及び図13は、入力面上にマトリクス状に分布する複数の検出位置における静電容量の検出値の例を示す。X方向に並ぶ検出値は1本の検出電極に対応し、Y方向に並ぶ検出値は1本の駆動電極に対応する。X方向のプロファイルはY方向に並ぶ検出値の合計値をX方向に並べたものであり、Y方向のプロファイルはX方向に並ぶ検出値の合計値をY方向に並べたものである。これらのプロファイルに生じるピークから、指の接触位置の座標を求めることができる。静電容量の検出回路を検出電極ごとに設けた場合、検出回路の感度のばらつきはY方向のプロファイルに影響を与える。
図12は、検出回路の感度のばらつきが無い場合を示しており、X方向及びY方向のプロファイルはそれぞれ1つのピークを持つ。これらのピークから、1つの指の座標(X,Y)を求めることができる。
一方、図13は、検出回路の感度のばらつきがある場合を示しており、点線で囲った検出値を出力する検出回路の感度が他の検出回路に比べて30%低くなっている。図13におけるY方向のプロファイルは、近接した2つのピークを持っており、Y方向に2つの指が近接して並んでいる場合のプロファイルと区別できない。そのため、1本の指を2本の指と誤判定する可能性がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、それぞれ静電容量を検出する複数の検出部における検出値の相対的な誤差を低減できる静電容量検出装置及び入力装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、複数の容量性センサの静電容量を検出する静電容量検出装置に関するものである。この静電容量検出装置は、静電容量を検出する複数の検出部と、補正用キャパシタと、前記複数の検出部と前記複数の容量性センサとを接続する経路、及び、前記複数の検出部と前記補正用キャパシタとを接続する経路に設けられたスイッチ部と、前記補正用キャパシタの静電容量を検出する補正モードにおいて、前記複数の検出部を前記補正用キャパシタへ順番に接続し、前記複数の容量性センサの静電容量を検出する検出モードにおいて、前記複数の検出部を前記複数の容量性センサへ接続するように前記スイッチ部を制御する制御部と、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づいて、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを少なくとも一部の前記検出部について算出する誤差データ算出部と、前記誤差データ算出部により算出された前記相対誤差データに基づいて、前記検出モードにおいて前記少なくとも一部の検出部により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を補正する補正部とを有する。
上記の構成によれば、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部が順番に前記補正用キャパシタと接続され、前記補正用キャパシタの静電容量が前記複数の検出部によってそれぞれ検出される。すなわち、前記補正モードでは、前記複数の検出部によって共通の静電容量がそれぞれ検出される。そのため、前記複数の検出部により共通の静電容量を検出した結果として得られた検出値の違いは、前記複数の検出部において得られる検出値の相対的な誤差を示す。前記誤差データ算出部では、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づき、少なくとも一部の前記検出部について、前記検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データが算出される。前記補正部では、その相対誤差データに基づいて、前記少なくとも一部の検出部における検出値が補正される。これにより、前記複数の検出部における静電容量の検出値の相対的な誤差が低減される。
好適に、前記補正用キャパシタは、2つの静電容量を切り替え可能でもよい。前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御してよい。前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記2つの静電容量の検出値に基づいて、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差を算出し、各検出部における当該差の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出してよい。
上記の構成によれば、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々により、前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量がそれぞれ検出される。すなわち、前記補正モードでは、前記複数の検出部によって共通の2つの静電容量がそれぞれ検出される。そのため、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差が相対的に異なる場合、その相対的な違いは、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す。
好適に、前記補正用キャパシタは、3以上の静電容量を切り替え可能でもよい。前記制御部は、前記容量性センサの静電容量の変化範囲を示す情報を入力し、当該入力した情報に応じて前記3以上の静電容量から2つの静電容量を選択し、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記選択した2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御してよい。
上記の構成によれば、前記補正モードにおいて、前記容量性センサの静電容量の変化範囲を示す情報に応じて選択された前記2つの静電容量が、前記複数の検出部の各々で検出される。これにより、前記相対誤差データの算出に用いられる前記2つの静電容量を、前記容量性センサの静電容量の変化範囲に合わせて設定することが可能となる。
好適に、前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差と他の前記検出部における前記2つの検出値の差との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出してよい。前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正してよい。
上記の構成によれば、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差を基準として、他の検出部における前記相対誤差データが算出され、当該相対誤差データに基づいて、当該他の検出部における検出値が補正される。そのため、前記特定の1つの前記検出部については、前記相対誤差データの算出と前記検出値の補正を省略することが可能となる。
好適に、前記補正用キャパシタは、複数の静電容量を切り替え可能でもよい。前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記複数の静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御してよい。前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量の変化量と静電容量の検出値の変化量との比に応じた変化率を検出部ごとに算出し、各検出部における当該変化率の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出してよい。
上記の構成によれば、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々により、前記補正用キャパシタの前記複数の静電容量がそれぞれ検出される。すなわち、前記補正モードでは、前記複数の検出部によって共通の複数の静電容量がそれぞれ検出される。そのため、前記補正用キャパシタの静電容量の変化量と静電容量の検出値の変化量との比に応じた前記変化率が各検出部において相対的に異なる場合、その相対的な違いは、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す。
好適に、前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記変化率と他の前記検出部における前変化率との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出してよい。前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正してよい。
上記の構成によれば、特定の1つの前記検出部における前記変化率を基準として、他の検出部における前記相対誤差データが算出され、当該相対誤差データに基づいて、当該他の検出部における検出値が補正される。そのため、前記特定の1つの前記検出部については、前記相対誤差データの算出と前記検出値の補正を省略することが可能となる。
好適に、前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量と静電容量の検出値との関係を近似する一次関数を前記複数の検出部の各々について特定し、前記一次関数の傾きを前記変化率として前記相対誤差データを算出してよい。
好適に、前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて1つの前記検出部により検出される1つの静電容量の検出値と前記一次関数から推定される当該1つの静電容量の検出値との比に応じた非直線性誤差データを、前記補正モードにおいて前記複数の検出部により検出される前記複数の静電容量の検出値についてそれぞれ算出してよい。前記補正部は、1つの前記検出部における前記容量性センサの静電容量の検出値を、当該1つの検出部について算出された前記相対誤差データと、当該1つの検出部について算出された複数の前記非直線性誤差データのうち前記容量性センサの静電容量の検出値に応じて選択した非直線性誤差データとに基づいて補正してよい。
上記の構成によれば、前記検出部により検出される前記容量性センサの静電容量の検出値が、前記一次関数から推定される静電容量の検出値に対してずれていても、前記容量性センサの静電容量の検出値に応じて選択された前記非直線性誤差データに基づいて、当該推定される静電容量の検出値とのずれを補正することが可能となる。
好適に、前記補正用キャパシタは、複数のキャパシタと、前記複数のキャパシタの接続状態を切り替える少なくとも1つのスイッチとを含んでよい。
これにより、簡易な構成で複数の静電容量を切り替えることが可能となる。
本発明の第2の観点は、入力面に近接する物体による操作に応じた情報を入力する入力装置に関するものである。この入力装置は、前記入力面上に配置され、前記物体との近接度合に応じて静電容量が変化する複数の容量性センサと、上記第1の観点に係る静電容量検出装置とを有する。
上記の構成によれば、前記複数の検出部における検出値の相対的な誤差が低減されるため、前記入力面に近接する物体による操作に応じた情報を正確に入力することが可能となる。
好適に、上記第2の観点に係る入力装置は、前記入力面上において第1方向へ延在するととともに前記第1方向と直交する第2方向に並んで配置され、少なくとも1つの前記容量性センサにおける電極をそれぞれ形成し、前記検出モードにおいて前記スイッチ部を介して前記複数の検出部に接続される複数の検出電極と、前記複数の検出電極の周囲を囲むESD保護用のグランド電極とを有してよい。前記特定の1つの検出部は、前記複数の検出電極のうち、前記第2方向において前記グランド電極から最も離れた検出電極に接続されてよい。
静電容量の検出感度は前記グランド電極との距離が近くなるほど相対的に低下する傾向がある。上記の構成によれば、前記第2方向において前記グランド電極から最も離れた検出電極に接続された前記特定の1つの検出部における静電容量の検出値が前記相対誤差データを算出する際の基準として使用されるため、前記グランド電極による感度低下の影響を受け難くなり、前記複数の検出部における検出値の相対的な誤差が適切に低減される。
本発明によれば、それぞれ静電容量を検出する複数の検出部における検出値の相対的な誤差を低減できる。
本発明の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図であり、検出モードにおける接続状態を示す。 本発明の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図であり、補正モードにおける接続状態を示す。 補正用キャパシタの一例を示す図である。 補正用キャパシタの他の例を示す図である。図4Aは6つのキャパシタが並列に接続された状態を示し、図4Bは6つのキャパシタが直列に接続された状態を示す。 第1の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部及び誤差データ算出部の動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る入力装置における検出モード時の補正部の動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部及び誤差データ算出部の動作を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部及び誤差データ算出部の動作を説明するためのフローチャートである。 補正用キャパシタの静電容量と検出部における検出値との関係の一例を示すグラフである。 第4の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部及び誤差データ算出部の動作を説明するためのフローチャートである。 第4の実施形態に係る入力装置における検出モード時の補正部の動作を説明するためのフローチャートである。 入力面上の複数の検出位置における静電容量の検出値と、X方向及びY方向におけるプロファイルの例を示す図であり、検出回路の感度にばらつきが無い場合を示す。 入力面上の複数の検出位置における静電容量の検出値と、X方向及びY方向におけるプロファイルの例を示す図であり、検出回路の感度にばらつきが有る場合を示す。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。図1に示す入力装置は、複数の容量性センサSEを持ったセンサマトリクス1と、その容量性センサSEの静電容量を検出する静電容量検出装置2とを有する。
本実施形態に係る入力装置は、センサマトリクス1の複数の容量性センサSEが設けられた入力面に近接する指やペンなどの物体による操作に応じた情報を入力する装置であり、例えば、タッチパッドやタッチパネルなどの装置である。本明細書における「近接」は、近くにあることを意味するが、接触の有無を何れか一方に限定しない。
センサマトリクス1は、X方向に延在した複数(図1の例では5本)の検出電極Lsと、Y方向に延在した複数(図1の例では5本))の駆動電極Ldを備える。複数の検出電極LsはY方向へ平行に並び、複数の駆動電極LdはX方向へ平行に並ぶ。X方向とY方向は互いに直交する。複数の検出電極Lsと複数の駆動電極Ldが格子状に交差しており、その各交差点付近に容量性センサSEが形成される。なお、図1の例では電極(Ls、Ld)の形状が短冊状に描かれているが、他の任意の形状(ダイヤモンドパターンなど)でもよい。センサマトリクス1における複数の駆動電極Ld及び複数の検出電極Lsの周囲には、ESD保護用のグランド電極Gが設けられている。
静電容量検出装置2は、静電容量を検出する複数の検出部(U1〜U5)と、センサマトリクス1の各駆動電極Ldに静電容量検出用の駆動電圧を供給する駆動部4と、補正用キャパシタ5と、スイッチ部6と、処理部7と、記憶部8と、インターフェース部9を有する。以下の説明では、検出部U1〜U5の各々を区別せずに「検出部U」と記す場合がある。
駆動部4は、センサマトリクス1の各容量性センサSEに静電容量検出用の駆動電圧を印加する。例えば、駆動部4は、処理部7の制御に従って、複数の駆動電極Ldから順番に1つの駆動電極Ldを選択し、当該1つの駆動電極Ldの電位を周期的に変化させる。駆動電極Ldの電位が変化することにより、この駆動電極Ldと検出電極Lsとの交差点付近に形成された容量性センサSEに印加される駆動電圧が変化し、容量性センサSEにおいて充電や放電が生じる。駆動部4は、図1の例において、複数の駆動電極Ldに駆動電圧を出力する複数の駆動回路41を有するとともに、後述の補正用キャパシタ5に駆動電圧を出力する駆動回路41を有する。
検出部Uは、検出モードにおいて、スイッチ部6を介して1つの検出電極Lsに接続され、この1つの検出電極Lsと複数の駆動電極Ldとの交差点付近に形成される複数の容量性センサSEの静電容量を検出する。具体的には、検出部Uは、駆動部4による駆動電圧の印加に伴って容量性センサSEが充電又は放電される際に検出電極Lsにおいて伝送される電荷に基づいて、容量性センサSEの静電容量を検出する。すなわち、検出部Uは、駆動部4の駆動電圧の周期的な変化と同期したタイミングで、検出電極Lsにおいて伝送される電荷をサンプリングし、そのサンプリングの結果に応じた静電容量の検出値を出力する。
また検出部Uは、補正モードにおいて、スイッチ部6を介して補正用キャパシタ5に接続される。検出部Uは、駆動部4による駆動電圧の印加に伴って補正用キャパシタ5が充電又は放電される際の電荷に基づいて、補正用キャパシタ5の静電容量を検出し、その検出値を出力する。
例えば、検出部Uは、容量性センサSEの静電容量に応じた電圧を出力する静電容量−電圧変換回路(CV変換回路)と、CV変換回路の出力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路(AD変換回路)を有する。
補正用キャパシタ5は、補正モードにおいて各検出部Uが共通の静電容量を検出するために用いられるキャパシタであり、処理部7の制御に従って、複数の静電容量を切り替え可能である。
例えば補正用キャパシタ5は、それぞれ固定の静電容量を持つ複数のキャパシタと、当該複数のキャパシタの接続状態を処理部7の制御に従って切り替えるスイッチを含む。図3は、その補正用キャパシタ5の一例を示す図である。図3に示す補正用キャパシタ5は、2つのノードN1及びN2間に並列に設けられたキャパシタ5A〜5Bと、キャパシタ5A〜5Bの1つの端子をノードN1へ接続する経路上にそれぞれ設けられたスイッチS1A〜S1Fを有する。キャパシタ5A〜5Bは、例えばすべて同じ静電容量を持つように形成される。この場合、補正用キャパシタ5の静電容量は、スイッチS1A〜S1Fをオンに設定する数により制御することが可能である。
図4は、補正用キャパシタ5の他の例を示す図である。図4に示す補正用キャパシタ5は、図3に示す補正用キャパシタ5の構成に加えて、スイッチS2A〜S2Fを有する。スイッチS2A〜S3Fは、キャパシタ5A〜5Bの1つの端子をノードN2へ接続する経路上に設けられており、この1つの端子をノードN2へ接続するか、又は、他のキャパシタにおけるノードN1側の端子に接続する。すなわち、スイッチS2Aは、キャパシタ5Aの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5BのノードN1側の端子に接続する。スイッチS2Bは、キャパシタ5Bの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5CのノードN1側の端子に接続する。スイッチS2Cは、キャパシタ5Cの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5DのノードN1側の端子に接続する。スイッチS2Dは、キャパシタ5Dの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5EのノードN1側の端子に接続する。スイッチS2Eは、キャパシタ5Eの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5FのノードN1側の端子に接続する。スイッチS2Fは、キャパシタ5Fの1つの端子をノードN2に接続するか又はキャパシタ5AのノードN1側の端子に接続する。
図4Aは、6つのキャパシタ(5A〜5F)が並列に接続された状態を示し、図4Bは6つのキャパシタ(5A〜5F)が直列に接続された状態を示す。補正用キャパシタ5の静電容量は、図4Aの接続状態で最大となり、図4Bの接続状態で最小となる。図4に示す補正用キャパシタ5によれば、6つのキャパシタ(5A〜5F)の接続状態を様々に切り替えることで、図3に示す補正用キャパシタ5に比べて静電容量を広範囲に細かく変更できる。
スイッチ部6は、検出部U1〜U5と複数の容量性センサSEとを接続する経路、及び、検出部U1〜U5と補正用キャパシタ5とを接続する経路に設けられており、動作モード(検出モード、補正モード)に応じてこれらの経路の接続をオン又はオフする。
図1の例において、スイッチ部6は、複数のスイッチ61と複数のスイッチ62を有する。スイッチ61は、検出部Uと検出電極Lsと接続する経路に設けられる。スイッチ62は、検出部Uと補正用キャパシタ5とを接続する経路に設けられる。
処理部7は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えば、後述する記憶部8に格納されるプログラムの命令コードに従って処理を行うコンピュータや、特定の機能を実現するロジック回路を含んで構成される。処理部7の処理は、その全てをコンピュータとプログラムにより実現してもよいし、その一部若しくは全部を専用のロジック回路で実現してもよい。
図1の例において処理部7は、制御部71と、誤差データ算出部72と、補正部73と、座標算出部74を有する。
制御部71は、補正用キャパシタ5の静電容量を検出する補正モードにおいて、検出部U1〜U5を補正用キャパシタ5へ順番に接続し、検出部U1〜U5の各々が補正用キャパシタ5の2つの静電容量C1,C2をそれぞれ検出するように補正用キャパシタ5及びスイッチ部6を制御する。図2は、補正モードにおけるスイッチ部6の接続状態の1つ(検出部U1が検出を行う場合の接続状態)を示す。2つの静電容量C1,C2の値は、例えば0.6pFと0.8pFに設定される。
制御部71は、各検出部Uにおいて補正用キャパシタ5の静電容量C1,C2を検出する際、補正用キャパシタ5の一端に駆動電圧を供給するように駆動部4を制御する。例えば制御部71は、電源起動時などの初期状態において、検出モードへ移行する前に上述した補正モードの制御を行う。
他方、制御部71は、センサマトリクス1における複数の容量性センサSEの静電容量を検出する検出モードにおいて、検出部U1〜U5をセンサマトリクス1の複数の容量性センサSEへ接続するようにスイッチ部6を制御する。図1は、検出モードにおけるスイッチ部6の接続状態を示す。制御部71は、入力面上に分布する複数の容量性センサSEにおいて物体(指、ペンなど)の近接による静電容量の変化を1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように、駆動部4及び検出部U1〜U5を制御する。具体的には、制御部71は、駆動部4における駆動電極Ldの選択と駆動電圧の発生、並びに、検出部U1〜U5における検出電極Lsからの電荷のサンプリングが周期的に適切なタイミングで行われるように、これらの回路を制御する。
誤差データ算出部72は、補正モードにおいて検出部U1〜U5によりそれぞれ検出された補正用キャパシタ5の静電容量の検出値に基づいて、検出部U1〜U5の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを検出部ごとに算出する。
ここで、検出部Ui(iは1から5までの整数を示す。)により静電容量Cを検出した場合の検出値を「Di(C)」と表す。例えば、検出部U2により補正用キャパシタ5の静電容量C1を検出した場合の検出値は「D2(C1)」である。誤差データ算出部72は、補正モードにおいて検出部Uiにより検出された静電容量C1の検出値Di(C1)及び静電容量C2の検出値Di(C2)に基づいて、検出値Di(C1)及びDi(C2)の差ΔDiを算出する。
ΔDi = Di(C2)−Di(C1) …(1)
誤差データ算出部72は、検出部Uiの相対誤差データRiを次の式により算出する。
Ri = ΔDi/ΔDr …(2)
式(2)における「ΔDr」は、静電容量C1,C2の検出値の差を検出部U1〜U5において比較するための基準値である。誤差データ算出部72は、例えば、検出部U1〜U5における特定の1つの検出部Uiについて算出された差ΔDiをこの基準値ΔDrとして使用する。具体的には、Y方向に並んだ複数の検出電極Lsの中で、Y方向においてグランド電極Gから最も離れた位置(図1の例ではY方向の中央の位置)にある検出電極Lsに接続された検出部U3が、この特定の検出部である。誤差データ算出部72は、検出部U3について算出した差ΔD3を基準値ΔDrとして、相対誤差データRiを算出する。
補正モードでは、検出部U1〜U5によって共通の2つの静電容量C1,C2がそれぞれ検出されるため、差ΔDiが検出部ごとに相対的に異なる場合、その相対的な違いは、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を示す。従って、式(2)で表される相対誤差データRiは、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を示す。すなわち、相対誤差データRiが大きいほど、一定の静電容量の変化による検出部Uiの検出値の変化が他の検出部に比べて相対的に大きく、逆に相対誤差データRiが小さいほど、一定の静電容量の変化による検出部Uiの検出値の変化が他の検出部に比べて相対的に小さい。
なお、差ΔD3を基準値ΔDrとした場合、検出部U3の相対誤差データR3は常に「1」となるため、誤差データ算出部72は相対誤差データR3の算出を省略できる。
補正部73は、誤差データ算出部72により算出された相対誤差データR1〜R5に基づいて、検出モードにおいて検出部U1〜U5により検出された容量性センサSEの静電容量の検出値を補正する。
ここで、検出部Uiによる静電容量の検出値を「Di」と表す。例えば、検出部U3による容量性センサSEの静電容量の検出値は「D3」である。補正部73は、検出部Uiの検出値Diを次の式により補正する。
DAi = Di/Ri …(3)
式(3)における「DAi」は、補正部73による補正後の検出値を示す。式(3)から分かるように、相対誤差データRiが大きいほど、補正後の検出値DAiは小さくなる。逆に、相対誤差データRiが1より小さいほど、補正後の検出値DAiは大きくなる。この補正により、同じ静電容量を検出した場合の検出部U1〜U5の検出値は、基準値ΔDrとして使用される検出部U3の検出値へ近づく。
なお、差ΔD3を基準値ΔDrとした場合、検出部U3の相対誤差データR3は常に「1」となるため、補正部73は検出部U3の検出値D3の補正を省略できる。
座標算出部74は、補正部73によって補正された検出部U1〜U5の検出値に基づいて、入力面に近接する物体(指、ペンなど)の座標を算出する。例えば、座標算出部74は、入力面のX方向とY方向のそれぞれについてプロファイルデータを作成する。X方向のプロファイルデータは、入力面において行列状に配列された複数の容量性センサSEのうち、Y方向へ並ぶ1列分の容量性センサSEについて得られた静電容量の検出値の和を複数の列の各々について算出し、その和を入力面上のX方向の順番に配列したものである。また、Y方向のプロファイルデータは、入力面においてX方向へ並ぶ1行分の容量性センサSEについて得られた静電容量の検出値の和を複数の行の各々について算出し、その和を入力面上のY方向の順番に配列したものである。座標算出部74は、このX方向のプロファイルデータとY方向のプロファイルデータのそれぞれについて、ピークの位置や重心の位置を演算する。この演算により求められたX方向の位置とY方向の位置が、入力面上において物体が近接した座標を表す。
以上が処理部7の説明である。
記憶部8は、処理部7において処理に使用される定数データや変数データを記憶する。処理部7がコンピュータを含む場合、記憶部8はそのコンピュータにおいて実行されるプログラムを記憶してもよい。記憶部8は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ハードディスクなどを含んで構成される。
インターフェース部9は、入力装置と他の装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部7は、記憶部8に記憶される情報をインターフェース部9から図示しない制御装置等へ出力する。また、インターフェース部9は、処理部7のコンピュータにおいて実行されるプログラムを不図示のディスクドライブ装置(非一時的な有形の記録媒体に記録されたプログラムを読み取る装置)やサーバなどから取得して、記憶部8にロードしてもよい。
ここで、上述した構成を有する入力装置の動作について、図5,図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、第1の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部71及び誤差データ算出部72の動作を説明するためのフローチャートである。図5に示す補正モード時の動作は、例えば、電源起動時などの初期状態において検出モードの前に実行される。
ST100,ST110:
制御部71は、図2において示すように、センサマトリクス1の検出電極Lsと検出部U1〜U5との接続を切り離すようにスイッチ部6を制御する(ST100)。また制御部71は、1つの検出部Uiを補正用キャパシタ5と接続するようにスイッチ部6を制御する(ST110)。
ST120:
制御部71は、補正用キャパシタ5の2つの静電容量C1,C2をそれぞれ検出するように各回路(検出部Ui、駆動部4、補正用キャパシタ5)を制御する。まず制御部71は、補正用キャパシタ5の静電容量を「C1」に設定し、駆動部4によって補正用キャパシタ5の一方の端子に駆動電圧を供給し、その駆動電圧の供給によって補正用キャパシタ5に蓄積される電荷を検出部Uiにおいてサンプリングし、静電容量C1の検出値Di(C1)を取得する。次に制御部71は、補正用キャパシタ5の静電容量を「C2」に設定し、上述と同様の制御により、静電容量C2の検出値Di(C2)を取得する。
ST130:
誤差データ算出部72は、ステップST110において取得した検出値Di(C2)及びDi(C2)から、式(1)により差ΔDiを算出する。
ST140,ST150:
ステップST130において未だ差ΔDiを算出されていない検出部Uiがある場合、その検出部Uiを補正用キャパシタ5と接続するように制御部71がスイッチ部6を制御し、ステップST120へ処理が戻る。ステップST130において全ての検出部Uiの差ΔDiが算出された場合、ステップST160へ処理が移行する。
ST160:
誤差データ算出部72は、ステップST130において算出した各検出部Uiの差ΔDiに基づいて、各検出部Uiの相対誤差データRiを式(2)により算出する。
図6は、第1の実施形態に係る入力装置における検出モード時の補正部73の動作を説明するためのフローチャートである。図6に示す補正部73の動作は、例えば、検出モードにおいて検出部Uiの検出値Diが取得される度に実行される。
ST200:
補正部73は、検出部Uiにおいて新たな検出値Diが取得されると、記憶部8から検出部Uiの相対誤差データRiを読みだす。
ST210:
補正部73は、相対誤差データRiに基づいて、検出部Uiの検出値Diを式(3)により補正する。
以上説明したように、本実施形態によれば、補正モードにおいて、検出部U1〜U5が順番に補正用キャパシタ5と接続され、補正用キャパシタ5の静電容量が検出部U1〜U5によってそれぞれ検出される。すなわち、補正モードでは、検出部U1〜U5によって共通の静電容量がそれぞれ検出される。そのため、検出部U1〜U5により共通の静電容量を検出した結果として得られた検出値の違いは、検出部U1〜U5において得られる検出値の相対的な誤差を示す。誤差データ算出部72では、補正モードにおける検出部U1〜U5の検出値に基づいて、その検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データRiが算出される。検出モードでは、相対誤差データRiに基づいて、容量性センサSEの静電容量の検出値が補正される。従って、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を効果的に低減することができる。また、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を低減できるため、複数の検出部を用いる場合でも、入力面に近接する物体(指、ペンなど)による操作に応じた情報を正確に入力できる。
また、本実施形態によれば、補正モードにおいて、特定の1つの検出部における2つの検出値の差(例えば差ΔD3)を基準として、他の検出部Uiにおける相対誤差データRiが算出され、その相対誤差データRiに基づいて、他の検出部Uiにおける検出値Diが補正される。これにより、特定の1つの検出部Ui(例えば検出部U3)については、誤差データ算出部72における相対誤差データの算出と補正部73における検出値の補正を省略できるため、処理が簡単になり、処理部7の負担を軽減できる。
また、本実施形態によれば、Y方向に並ぶ複数の検出電極Lsのうち、Y方向においてグランド電極Gから最も離れた位置にある検出電極に接続された検出部U3の検出値を基準として、他の検出部Uiにおける相対誤差データRiが算出される。
入力装置における検出感度は、センサマトリクス1の全体でフラットであることが理想であるが、センサマトリクス1の外縁部にはESD保護用のグランド電極Gが配置されているため、センサマトリクス1の端部に近い電極の感度は若干低下する傾向がある。感度の調整は、このグランド電極Gによる影響を受けにくいセンサマトリクス1の中央部で行われるため、相対誤差データを算出する際の基準となる検出部Uiは、グランド電極Gから最も離れた位置にある中央部の検出電極Lsに接続された検出部Ui(図1の例では検出部3)であることが望ましい。
また、集積回路内の配置において中央部に位置する検出部Uは、複数ある検出部Uの中でも周囲のノイズ源(デジタル回路等)からの距離や電源ライン、グランド配線の引き廻し長さに関して中央値になるため、平均的な特性になり易く、ノイズ等の影響度も平均的である。このことから、IC内で中央に配置される検出部Uは、相対誤差データを算出する際の基準となる検出部Uとして望ましい。通常、IC内で中央に配置される検出部Uは、センサマトリクス1の中央の検出電極Lsに接続されるため、この観点からも、Y方向の中央部の検出電極Lsに接続される検出部Uは、相対誤差データの基準となる検出部Uとして望ましい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第1の実施形態に係る入力装置における制御部71の動作を変更したものであり、装置の全体的な構成は図1に示す入力装置と同様である。
本実施形態における制御部71は、容量性センサSEの静電容量の変化範囲を示す情報を不図示の装置(入力装置を搭載する機器のコントローラ等)から入力し、当該入力した情報に応じて、補正用キャパシタ5が持つ3以上の静電容量から2つの静電容量C1,C2を選択する。制御部71は、補正モードにおいて、検出部U1〜U5の各々が当該選択した静電容量C1,C2をそれぞれ検出するように、スイッチ部6を制御する。制御部71の他の動作は、既に説明した第1の実施形態の制御部71と同じである。
図7は、第2の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部71及び誤差データ算出部72の動作を説明するためのフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいてステップST100の前にステップST95を追加したものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。ここでは、処理が追加された部分についてのみ説明する。
補正モードにおいて、まず制御部71は、容量性センサSEの静電容量の変化範囲を示す情報の入力をチェックする。例えば、入力面から比較的離れた位置にある物体(指、ペンなど)による操作を検出する必要がある動作モードでは、容量性センサSEの静電容量の変化範囲を比較的広くするように指定する情報がコントローラ等から入力される。逆に、入力面と接触する物体による操作のみを検出する動作モードでは、容量性センサSEの静電容量の変化範囲を比較的狭くするように指定する情報が入力される。このような情報が入力された場合、制御部71は、その入力情報に応じて、補正用キャパシタ5が持つ3以上の静電容量から2つの静電容量C1,C2を選択する(ST95)。制御部71は、ステップST120において、この選択した静電容量C1,C2を検出するように補正用キャパシタ5を制御する。
本実施形態によれば、補正モードにおいて、容量性センサSEの静電容量の変化範囲を示す情報に応じて選択された2つの静電容量C1,C2が検出部U1〜U5の各々で検出される。これにより、相対誤差データRiの算出に用いられる2つの静電容量C1,C2を容量性センサSEの静電容量の変化範囲に合わせて設定できるため、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差をより適切に低減させることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第1の実施形態に係る入力装置における制御部71及び誤差データ算出部72の動作を変更したものであり、装置の全体的な構成は図1に示す入力装置と同様である。
本実施形態における制御部71は、補正モードにおいて、検出部U1〜U5の各々が補正用キャパシタ5の複数の静電容量(C1,C2,…)をそれぞれ検出するように各回路(検出部Ui,駆動部4,補正用キャパシタ5,スイッチ部6)を制御する。制御部71の他の動作は、既に説明した第1の実施形態の制御部71と同じである。
本実施形態における誤差データ算出部72は、補正モードにおいて検出部U1〜U5によりそれぞれ検出された補正用キャパシタ5の複数の静電容量(C1,C2,…)の検出値に基づいて、補正用キャパシタ5の静電容量の変化量と静電容量の検出値の変化量との比に応じた変化率を検出部Uiごとに算出する。例えば誤差データ算出部72は、補正モードにおいて検出部Uiが検出した複数の静電容量(C1,C2,…)の検出値に基づいて、補正用キャパシタ5の静電容量と検出部Uiの静電容量の検出値との関係を近似する一次関数の傾きAiを、上述した変化率として算出する。補正用キャパシタ5の静電容量を「C」とすると、検出部Uiによる静電容量Cの検出値Diを近似する一次関数Fi(C)は次のように表される。
Fi(C) = Ai×C+Bi …(4)
式(4)における「Ai」は傾きを示し、「Bi」は切片を示す。
誤差データ算出部72は、補正モードにおいて補正用キャパシタ5に設定された複数の静電容量(C1,C2,…)の値と、それらの静電容量の検出部Uiによる検出値とをもとに、最小二乗法などによって一次関数Fi(C)の定数を計算する。なお、誤差データ算出部72は、計算を簡略化するため、一次関数Fi(C)における切片Biをゼロとして傾きAiを算出してもよい。
誤差データ算出部72は、一次関数Fi(C)の傾きAi(変化率)を用いて、検出部Uiの相対誤差データRiを次の式により算出する。
Ri = Ai/Ar …(5)
式(5)における「Ar」は、傾きAi(変化率)を検出部U1〜U5において比較するための基準値である。誤差データ算出部72は、例えば、検出部U1〜U5における特定の1つの検出部Uiについて算出された傾きAi(変化率)をこの基準値Arとして使用する。具体的には、上述した第1の実施形態に係る入力装置と同様に、検出部U3について算出した傾きA3(変化率)を基準値Arとして、相対誤差データRiを算出する。
補正モードでは、検出部U1〜U5によって共通の複数の静電容量(C1,C2,…)がそれぞれ検出されるため、最小二乗法などにより求めた式(4)の一次関数Fi(C)の傾きAi(変化率)が検出部ごとに相対的に異なる場合、その相対的な違いは、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を示す。従って、式(5)で表される相対誤差データRiは、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を示す。すなわち、相対誤差データRiが大きいほど、検出対象の静電容量の変化に対する検出部Uiの検出値の変化率が他の検出部に比べて相対的に大きく、逆に相対誤差データRiが小さいほど、検出対象の静電容量の変化に対する検出部Uiの検出値の変化率が他の検出部に比べて相対的に小さい。
なお、検出部U3における傾きA3(変化率)を基準値Arとした場合、検出部U3の相対誤差データR3は常に「1」となるため、誤差データ算出部72は相対誤差データR3の算出を省略できる。
図8は、第3の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部71及び誤差データ算出部72の動作を説明するためのフローチャートである。図8に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおけるステップST120,ST130をステップST125,ST135に変更し、ステップST160をステップST165に変更したものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。ここでは、処理が変更された部分についてのみ説明する。
ST125:
制御部71は、ステップST110又はステップST150において補正用キャパシタ5と接続された検出部Uiにおいて、補正用キャパシタ5の複数の静電容量(C1,C2,…)をそれぞれ検出するように各回路(検出部Ui、駆動部4、補正用キャパシタ5)を制御する。
ST135:
誤差データ算出部72は、ステップST125において複数の静電容量(C1,C2,…)の検出値(Di(C1),Di(C2),…)が得られると、これらの静電容量と検出値との関係を近似する一次関数Fi(C)の傾きAiを最小二乗法などにより算出する。
ST165:
誤差データ算出部72は、ステップST135において算出した各検出部Uiの一次関数Fi(C)の傾きAiに基づいて、各検出部Uiの相対誤差データRiを式(5)により算出する。
以上説明したように、本実施形態によれば、既に説明した第1の実施形態と同様に、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データRiに基づいて容量性センサSEの検出値が補正される。従って、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を効果的に低減することができる。また、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を低減できるため、複数の検出部を用いる場合でも、入力面に近接する物体(指、ペンなど)による操作に応じた情報を正確に入力できる。
また、本実施形態によれば、補正モードにおいて、特定の1つの検出部について算出された傾きAi(例えば傾きA3)を基準として、他の検出部Uiにおける相対誤差データRiが算出され、その相対誤差データRiに基づいて、他の検出部Uiにおける検出値Diが補正される。これにより、特定の1つの検出部Ui(例えば検出部U3)については、誤差データ算出部72における相対誤差データの算出と補正部73における検出値の補正を省略できるため、処理が簡単になり、処理部7の負担を軽減できる。
また、本実施形態によれば、既に説明した第1の実施形態と同様に、Y方向においてグランド電極Gから最も離れた検出電極Lsに接続される検出部U3の検出値を基準として相対誤差データRiが算出される。これにより、相対誤差データRiがグランド電極Gによる感度低下の影響を受け難くなるため、検出部U1〜U5における検出値の相対的な誤差を適切に低減できる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第3の実施形態に係る入力装置における誤差データ算出部72及び補正部73の動作を変更したものであり、他の構成は第3の実施形態に係る入力装置と同様である。
本実施形態における誤差データ算出部72は、補正モードにおいて検出部Uiにより検出される静電容量Cn(nは1以上の整数を示す)の検出値Di(Cn)と、式(4)の一次関数Fi(C)によって推定される静電容量Cnの検出値Fi(Cn)との比に応じた非直線性誤差データLi(Cn)を算出する。誤差データ算出部72は、非直線性誤差データLi(Cn)を例えば次の式により算出する。
Li(Cn) = Di(Cn)/Fi(Cn) …(6)
誤差データ算出部72は、式(6)により、補正用キャパシタ5の静電容量C1,C2,C3,…の検出値Di(C1),Di(C2),Di(C3)…について非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…をそれぞれ算出する。
誤差データ算出部72の他の動作は、既に説明した第3の実施形態の誤差データ算出部72と同じである。
補正部73は、検出部Uiにおける容量性センサSEの静電容量の検出値Diを、検出部Uiについて算出された相対誤差データRiと、検出部Uiについて算出された複数の非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…のうち検出値Diに応じて選択した非直線性誤差データLiとに基づいて補正する。
図9は、補正用キャパシタ5の静電容量Cと検出部Uiにおける検出値Diとの関係の一例を示す図である。図9における黒丸は、補正用キャパシタ5の静電容量C1〜C17について検出部Uiが検出した検出値Di(C1)〜Di(C17)を表す。図9にける実線は、この黒丸が示す静電容量Cと検出値Diとの関係に近似する一次関数Fi(C)を示す。
図9の例において、検出部Uiは、検出値Diが「TH1」及び「TH2」の付近にあるとき、静電容量Cの変化に対する検出値Diの変化の割合(変化率)が不連続になる。このような傾向は、例えば、検出部Uiに用いられるAD変換器の特性によって生じる。そこで補正部73は、検出部Uiの検出値Diがゼロから「TH1」までの範囲にある場合、この範囲に属する検出値Di(C1)〜Di(C4)について算出された非直線性誤差データLi(C1)〜Li(C4)を選択し、検出値Diの補正に用いる。例えば補正部73は、非直線性誤差データLi(C1)〜Li(C4)の平均値を算出し、これを検出値Diの補正に用いる。なお、補正部73は、非直線性誤差データLi(C1)〜Li(C4)の何れか1つを更に選択し、検出値Diの補正に用いてもよい。
同様に、図9の例において、検出部Uiの検出値Diが「TH1」から「TH2」までの範囲にある場合、補正部73は、この範囲に属する検出値Di(C7)〜Di(C11)について算出された非直線性誤差データLi(C7)〜Li(C11)を選択し、これらの平均値等を検出値Diの補正に用いる。
また、検出部Uiの検出値Diが「TH2」より大きい場合、補正部73は、この範囲に属する検出値Di(C14)〜Di(C17)について算出された非直線性誤差データLi(C14)〜Li(C17)を選択し、これらの平均値等を検出値Diの補正に用いる。
補正部73は、検出部Uiの検出値Diを例えば次の式により補正する。
DAi = Di/(Ri×Li) …(7)
式(7)における「DAi」は、補正部73による補正後の検出値を示す。また「Li」は、検出値Diに応じて選択された複数の非直線性誤差データの平均値や、この選択された複数の非直線性誤差データから更に選択された非直線性誤差データである。式(7)から分かるように、非直線性誤差データLiが大きいほど(一次関数Fi(C)に比べて検出値Di(C)が大きいほど)、補正後の検出値DAiは小さくなる。逆に、非直線性誤差データLiが小さいほど(一次関数Fi(C)に比べて検出値Di(C)が小さいほど)、補正後の検出値DAiは大きくなる。この補正により、静電容量Cと検出値Diとの関係は、図9の黒丸が表すように傾きが不連続に変化する関係から、一次関数Fi(C)のように傾きが一定となる関係へ近づく。
図10は、第4の実施形態に係る入力装置における補正モード時の制御部71及び誤差データ算出部72の動作を説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートにステップST137を追加したものであり、他のステップは図8に示すフローチャートと同じである。ここでは、処理が追加された部分についてのみ説明する。
ST137:
ステップST135において一次関数Fi(C)を最小二乗法等により求めると、次に誤差データ算出部72は、検出部Uiにより検出される静電容量Cnの検出値Di(Cn)と、一次関数Fiによって推定される静電容量Cnの検出値Fi(Cn)との比に応じた非直線性誤差データLi(Cn)を算出する。誤差データ算出部72は、式(6)により、検出値Di(C1),Di(C2),Di(C3)…について非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…をそれぞれ算出する。
図11は、第4の実施形態に係る入力装置における検出モード時の補正部の動作を説明するためのフローチャートである。図11に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートにおけるステップST210をステップST215に変更し、ステップST200とステップST215の間にステップST205,ST207を追加したものであり、他のステップは図6に示すフローチャートと同じである。ここでは、処理が変更・追加された部分についてのみ説明する。
ST205:
補正部73は、検出部Uiの検出値Diが含まれるレンジを判定する。例えば静電容量Cとその検出値Diとが図9のグラフ(点線)に示すような関係を持つ場合、補正部73は、検出値Diが3つのレンジ(0≦Di<TH1、TH1≦Di<TH2、TH2≦Di)の何れに含まれるかを判定する。
ST207:
補正部73は、補正モードにおいて算出された非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…の中から、ステップST205において判定したレンジに対応する非直線性誤差データを選択する。
ST215:
補正部73は、検出部Uiにおける検出値Diを、検出部Uiについて算出された相対誤差データRiと、ステップST207で選択された非直線性誤差データに基づいて補正する。例えば補正部73は、ステップST207で選択された非直線性誤差データの平均値Liを算出し、これと相対誤差データRiを用いて式(7)により検出値DAiを算出する。
以上説明したように、本実施形態によれば、検出部Uiにより検出される容量性センサSEの静電容量Cの検出値Di(C)が、一次関数Fiによって推定される静電容量Cnの検出値Fi(Cn)に対してずれていても、検出値Di(C)に応じて選択された非直線性誤差データに基づいて、推定される検出値Fi(Cn)とのずれを補正できる。これにより、広い静電容量の範囲に渡って、検出部Uiの非直線性による検出値Diの誤差を低減できる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述した各実施形態において例示した容量性センサSEは、電極間に生じる静電容量(相互容量)を利用して近接する物体を検出するものであるが、この例に限らず、他の種々の方式によって近接する物体を検出してもよい。例えば、本発明の他の実施形態では、検出電極とグランドの間に生じる静電容量(自己容量)を利用して、近接する物体を検出してもよい。
1…センサマトリクス、2…静電容量検出装置、4…駆動部、41…駆動回路、5…補正用キャパシタ、5A〜5F…キャパシタ、6…スイッチ部、61,62…スイッチ、7…処理部、8…記憶部、9…インターフェース部、71…制御部、72…誤差データ算出部、73…補正部、74…座標算出部、U,U1〜U6…検出部、S1A〜S1F,S2A〜S2F…スイッチ、SE…容量性センサSE。

Claims (13)

  1. 複数の容量性センサの静電容量を検出する静電容量検出装置であって、
    静電容量を検出する複数の検出部と、
    補正用キャパシタと、
    前記複数の検出部と前記複数の容量性センサとを接続する経路、及び、前記複数の検出部と前記補正用キャパシタとを接続する経路に設けられたスイッチ部と、
    前記補正用キャパシタの静電容量を検出する補正モードにおいて、前記複数の検出部を前記補正用キャパシタへ順番に接続し、前記複数の容量性センサの静電容量を検出する検出モードにおいて、前記複数の検出部を前記複数の容量性センサへ接続するように前記スイッチ部を制御する制御部と、
    前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づいて、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを少なくとも一部の前記検出部について算出する誤差データ算出部と、
    前記誤差データ算出部により算出された前記相対誤差データに基づいて、前記検出モードにおいて前記少なくとも一部の検出部により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を補正する補正部と
    を有する静電容量検出装置。
  2. 前記補正用キャパシタは、2つの静電容量を切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
    前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記2つの静電容量の検出値に基づいて、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差を算出し、各検出部における当該差の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
    請求項1に記載の静電容量検出装置。
  3. 前記補正用キャパシタは、3以上の静電容量を切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記容量性センサの静電容量の変化範囲を示す情報を入力し、当該入力した情報に応じて前記3以上の静電容量から2つの静電容量を選択し、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記選択した2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御する、
    請求項2に記載の静電容量検出装置。
  4. 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差と他の前記検出部における前記2つの検出値の差との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
    前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
    請求項2又は3に記載の静電容量検出装置。
  5. 前記補正用キャパシタは、複数の静電容量を切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記複数の静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
    前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量の変化量と静電容量の検出値の変化量との比に応じた変化率を検出部ごとに算出し、各検出部における当該変化率の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
    請求項1に記載の静電容量検出装置。
  6. 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記変化率と他の前記検出部における前変化率との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
    前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
    請求項5に記載の静電容量検出装置。
  7. 前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量と静電容量の検出値との関係を近似する一次関数を前記複数の検出部の各々について特定し、前記一次関数の傾きを前記変化率として前記相対誤差データを算出する、
    請求項5又は6に記載の静電容量検出装置。
  8. 前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて1つの前記検出部により検出される1つの静電容量の検出値と前記一次関数から推定される当該1つの静電容量の検出値との比に応じた非直線性誤差データを、前記補正モードにおいて前記複数の検出部により検出される前記複数の静電容量の検出値についてそれぞれ算出し、
    前記補正部は、1つの前記検出部における前記容量性センサの静電容量の検出値を、当該1つの検出部について算出された前記相対誤差データと、当該1つの検出部について算出された複数の前記非直線性誤差データのうち前記容量性センサの静電容量の検出値に応じて選択した非直線性誤差データとに基づいて補正する、
    請求項7に記載の静電容量検出装置。
  9. 前記補正用キャパシタは、
    複数のキャパシタと、
    前記複数のキャパシタの接続状態を切り替える少なくとも1つのスイッチとを含む、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の静電容量検出装置。
  10. 入力面に近接する物体による操作に応じた情報を入力する入力装置であって、
    前記入力面上に配置され、前記物体との近接度合に応じて静電容量が変化する複数の容量性センサと、
    静電容量を検出する複数の検出部と、
    補正用キャパシタと、
    前記複数の検出部と前記複数の容量性センサとを接続する経路、及び、前記複数の検出部と前記補正用キャパシタとを接続する経路に設けられたスイッチ部と、
    前記補正用キャパシタの静電容量を検出する補正モードにおいて、前記複数の検出部を前記補正用キャパシタへ順番に接続し、前記複数の容量性センサの静電容量を検出する検出モードにおいて、前記複数の検出部を前記複数の容量性センサへ接続するように前記スイッチ部を制御する制御部と、
    前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づいて、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを少なくとも一部の前記検出部について算出する誤差データ算出部と、
    前記誤差データ算出部により算出された前記相対誤差データに基づいて、前記検出モードにおいて前記少なくとも一部の検出部により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を補正する補正部と
    を有する入力装置。
  11. 前記補正用キャパシタは、2つの静電容量を切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
    前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記2つの静電容量の検出値に基づいて、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差を算出し、各検出部における当該差の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
    請求項10に記載の入力装置。
  12. 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差と他の前記検出部における前記2つの検出値の差との比である前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
    前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
    請求項11に記載の入力装置。
  13. 前記入力面上において第1方向へ延在するととともに前記第1方向と直交する第2方向に並んで配置され、少なくとも1つの前記容量性センサにおける電極をそれぞれ形成し、前記検出モードにおいて前記スイッチ部を介して前記複数の検出部に接続される複数の検出電極と、
    前記複数の検出電極の周囲を囲むESD保護用のグランド電極とを有し、
    前記特定の1つの検出部は、前記複数の検出電極のうち、前記第2方向において前記グランド電極から最も離れた検出電極に接続される、
    請求項12に記載の入力装置。
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