JP6407854B2 - 静電容量検出装置及び入力装置 - Google Patents
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Description
一方、図13は、検出回路の感度のばらつきがある場合を示しており、点線で囲った検出値を出力する検出回路の感度が他の検出回路に比べて30%低くなっている。図13におけるY方向のプロファイルは、近接した2つのピークを持っており、Y方向に2つの指が近接して並んでいる場合のプロファイルと区別できない。そのため、1本の指を2本の指と誤判定する可能性がある。
これにより、簡易な構成で複数の静電容量を切り替えることが可能となる。
図1は、本実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。図1に示す入力装置は、複数の容量性センサSEを持ったセンサマトリクス1と、その容量性センサSEの静電容量を検出する静電容量検出装置2とを有する。
本実施形態に係る入力装置は、センサマトリクス1の複数の容量性センサSEが設けられた入力面に近接する指やペンなどの物体による操作に応じた情報を入力する装置であり、例えば、タッチパッドやタッチパネルなどの装置である。本明細書における「近接」は、近くにあることを意味するが、接触の有無を何れか一方に限定しない。
以上が処理部7の説明である。
制御部71は、図2において示すように、センサマトリクス1の検出電極Lsと検出部U1〜U5との接続を切り離すようにスイッチ部6を制御する(ST100)。また制御部71は、1つの検出部Uiを補正用キャパシタ5と接続するようにスイッチ部6を制御する(ST110)。
制御部71は、補正用キャパシタ5の2つの静電容量C1,C2をそれぞれ検出するように各回路(検出部Ui、駆動部4、補正用キャパシタ5)を制御する。まず制御部71は、補正用キャパシタ5の静電容量を「C1」に設定し、駆動部4によって補正用キャパシタ5の一方の端子に駆動電圧を供給し、その駆動電圧の供給によって補正用キャパシタ5に蓄積される電荷を検出部Uiにおいてサンプリングし、静電容量C1の検出値Di(C1)を取得する。次に制御部71は、補正用キャパシタ5の静電容量を「C2」に設定し、上述と同様の制御により、静電容量C2の検出値Di(C2)を取得する。
誤差データ算出部72は、ステップST110において取得した検出値Di(C2)及びDi(C2)から、式(1)により差ΔDiを算出する。
ステップST130において未だ差ΔDiを算出されていない検出部Uiがある場合、その検出部Uiを補正用キャパシタ5と接続するように制御部71がスイッチ部6を制御し、ステップST120へ処理が戻る。ステップST130において全ての検出部Uiの差ΔDiが算出された場合、ステップST160へ処理が移行する。
誤差データ算出部72は、ステップST130において算出した各検出部Uiの差ΔDiに基づいて、各検出部Uiの相対誤差データRiを式(2)により算出する。
補正部73は、検出部Uiにおいて新たな検出値Diが取得されると、記憶部8から検出部Uiの相対誤差データRiを読みだす。
補正部73は、相対誤差データRiに基づいて、検出部Uiの検出値Diを式(3)により補正する。
入力装置における検出感度は、センサマトリクス1の全体でフラットであることが理想であるが、センサマトリクス1の外縁部にはESD保護用のグランド電極Gが配置されているため、センサマトリクス1の端部に近い電極の感度は若干低下する傾向がある。感度の調整は、このグランド電極Gによる影響を受けにくいセンサマトリクス1の中央部で行われるため、相対誤差データを算出する際の基準となる検出部Uiは、グランド電極Gから最も離れた位置にある中央部の検出電極Lsに接続された検出部Ui(図1の例では検出部3)であることが望ましい。
また、集積回路内の配置において中央部に位置する検出部Uは、複数ある検出部Uの中でも周囲のノイズ源(デジタル回路等)からの距離や電源ライン、グランド配線の引き廻し長さに関して中央値になるため、平均的な特性になり易く、ノイズ等の影響度も平均的である。このことから、IC内で中央に配置される検出部Uは、相対誤差データを算出する際の基準となる検出部Uとして望ましい。通常、IC内で中央に配置される検出部Uは、センサマトリクス1の中央の検出電極Lsに接続されるため、この観点からも、Y方向の中央部の検出電極Lsに接続される検出部Uは、相対誤差データの基準となる検出部Uとして望ましい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第1の実施形態に係る入力装置における制御部71の動作を変更したものであり、装置の全体的な構成は図1に示す入力装置と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第1の実施形態に係る入力装置における制御部71及び誤差データ算出部72の動作を変更したものであり、装置の全体的な構成は図1に示す入力装置と同様である。
誤差データ算出部72は、補正モードにおいて補正用キャパシタ5に設定された複数の静電容量(C1,C2,…)の値と、それらの静電容量の検出部Uiによる検出値とをもとに、最小二乗法などによって一次関数Fi(C)の定数を計算する。なお、誤差データ算出部72は、計算を簡略化するため、一次関数Fi(C)における切片Biをゼロとして傾きAiを算出してもよい。
制御部71は、ステップST110又はステップST150において補正用キャパシタ5と接続された検出部Uiにおいて、補正用キャパシタ5の複数の静電容量(C1,C2,…)をそれぞれ検出するように各回路(検出部Ui、駆動部4、補正用キャパシタ5)を制御する。
誤差データ算出部72は、ステップST125において複数の静電容量(C1,C2,…)の検出値(Di(C1),Di(C2),…)が得られると、これらの静電容量と検出値との関係を近似する一次関数Fi(C)の傾きAiを最小二乗法などにより算出する。
誤差データ算出部72は、ステップST135において算出した各検出部Uiの一次関数Fi(C)の傾きAiに基づいて、各検出部Uiの相対誤差データRiを式(5)により算出する。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態に係る入力装置は、第3の実施形態に係る入力装置における誤差データ算出部72及び補正部73の動作を変更したものであり、他の構成は第3の実施形態に係る入力装置と同様である。
誤差データ算出部72の他の動作は、既に説明した第3の実施形態の誤差データ算出部72と同じである。
また、検出部Uiの検出値Diが「TH2」より大きい場合、補正部73は、この範囲に属する検出値Di(C14)〜Di(C17)について算出された非直線性誤差データLi(C14)〜Li(C17)を選択し、これらの平均値等を検出値Diの補正に用いる。
ステップST135において一次関数Fi(C)を最小二乗法等により求めると、次に誤差データ算出部72は、検出部Uiにより検出される静電容量Cnの検出値Di(Cn)と、一次関数Fiによって推定される静電容量Cnの検出値Fi(Cn)との比に応じた非直線性誤差データLi(Cn)を算出する。誤差データ算出部72は、式(6)により、検出値Di(C1),Di(C2),Di(C3)…について非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…をそれぞれ算出する。
補正部73は、検出部Uiの検出値Diが含まれるレンジを判定する。例えば静電容量Cとその検出値Diとが図9のグラフ(点線)に示すような関係を持つ場合、補正部73は、検出値Diが3つのレンジ(0≦Di<TH1、TH1≦Di<TH2、TH2≦Di)の何れに含まれるかを判定する。
補正部73は、補正モードにおいて算出された非直線性誤差データLi(C1),Li(C2),Li(C3),…の中から、ステップST205において判定したレンジに対応する非直線性誤差データを選択する。
補正部73は、検出部Uiにおける検出値Diを、検出部Uiについて算出された相対誤差データRiと、ステップST207で選択された非直線性誤差データに基づいて補正する。例えば補正部73は、ステップST207で選択された非直線性誤差データの平均値Liを算出し、これと相対誤差データRiを用いて式(7)により検出値DAiを算出する。
Claims (13)
- 複数の容量性センサの静電容量を検出する静電容量検出装置であって、
静電容量を検出する複数の検出部と、
補正用キャパシタと、
前記複数の検出部と前記複数の容量性センサとを接続する経路、及び、前記複数の検出部と前記補正用キャパシタとを接続する経路に設けられたスイッチ部と、
前記補正用キャパシタの静電容量を検出する補正モードにおいて、前記複数の検出部を前記補正用キャパシタへ順番に接続し、前記複数の容量性センサの静電容量を検出する検出モードにおいて、前記複数の検出部を前記複数の容量性センサへ接続するように前記スイッチ部を制御する制御部と、
前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づいて、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを少なくとも一部の前記検出部について算出する誤差データ算出部と、
前記誤差データ算出部により算出された前記相対誤差データに基づいて、前記検出モードにおいて前記少なくとも一部の検出部により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を補正する補正部と
を有する静電容量検出装置。 - 前記補正用キャパシタは、2つの静電容量を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記2つの静電容量の検出値に基づいて、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差を算出し、各検出部における当該差の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
請求項1に記載の静電容量検出装置。 - 前記補正用キャパシタは、3以上の静電容量を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記容量性センサの静電容量の変化範囲を示す情報を入力し、当該入力した情報に応じて前記3以上の静電容量から2つの静電容量を選択し、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記選択した2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御する、
請求項2に記載の静電容量検出装置。 - 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差と他の前記検出部における前記2つの検出値の差との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
請求項2又は3に記載の静電容量検出装置。 - 前記補正用キャパシタは、複数の静電容量を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記複数の静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量の変化量と静電容量の検出値の変化量との比に応じた変化率を検出部ごとに算出し、各検出部における当該変化率の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
請求項1に記載の静電容量検出装置。 - 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記変化率と他の前記検出部における前変化率との比に応じた前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
請求項5に記載の静電容量検出装置。 - 前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記複数の静電容量の検出値に基づいて、前記補正用キャパシタの静電容量と静電容量の検出値との関係を近似する一次関数を前記複数の検出部の各々について特定し、前記一次関数の傾きを前記変化率として前記相対誤差データを算出する、
請求項5又は6に記載の静電容量検出装置。 - 前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて1つの前記検出部により検出される1つの静電容量の検出値と前記一次関数から推定される当該1つの静電容量の検出値との比に応じた非直線性誤差データを、前記補正モードにおいて前記複数の検出部により検出される前記複数の静電容量の検出値についてそれぞれ算出し、
前記補正部は、1つの前記検出部における前記容量性センサの静電容量の検出値を、当該1つの検出部について算出された前記相対誤差データと、当該1つの検出部について算出された複数の前記非直線性誤差データのうち前記容量性センサの静電容量の検出値に応じて選択した非直線性誤差データとに基づいて補正する、
請求項7に記載の静電容量検出装置。 - 前記補正用キャパシタは、
複数のキャパシタと、
前記複数のキャパシタの接続状態を切り替える少なくとも1つのスイッチとを含む、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の静電容量検出装置。 - 入力面に近接する物体による操作に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記入力面上に配置され、前記物体との近接度合に応じて静電容量が変化する複数の容量性センサと、
静電容量を検出する複数の検出部と、
補正用キャパシタと、
前記複数の検出部と前記複数の容量性センサとを接続する経路、及び、前記複数の検出部と前記補正用キャパシタとを接続する経路に設けられたスイッチ部と、
前記補正用キャパシタの静電容量を検出する補正モードにおいて、前記複数の検出部を前記補正用キャパシタへ順番に接続し、前記複数の容量性センサの静電容量を検出する検出モードにおいて、前記複数の検出部を前記複数の容量性センサへ接続するように前記スイッチ部を制御する制御部と、
前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記補正用キャパシタの静電容量の検出値に基づいて、各検出部の検出値の相対的な誤差を示す相対誤差データを少なくとも一部の前記検出部について算出する誤差データ算出部と、
前記誤差データ算出部により算出された前記相対誤差データに基づいて、前記検出モードにおいて前記少なくとも一部の検出部により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を補正する補正部と
を有する入力装置。 - 前記補正用キャパシタは、2つの静電容量を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記補正モードにおいて、前記複数の検出部の各々が前記補正用キャパシタの前記2つの静電容量をそれぞれ検出するように前記スイッチ部及び前記補正用キャパシタを制御し、
前記誤差データ算出部は、前記補正モードにおいて前記複数の検出部によりそれぞれ検出された前記2つの静電容量の検出値に基づいて、各検出部における前記2つの静電容量の検出値の差を算出し、各検出部における当該差の相対的な違いを示す前記相対誤差データを、前記少なくとも一部の検出部について算出する、
請求項10に記載の入力装置。 - 前記誤差データ算出部は、特定の1つの前記検出部における前記2つの検出値の差と他の前記検出部における前記2つの検出値の差との比である前記相対誤差データを当該他の検出部の各々について算出し、
前記補正部は、前記他の検出部の各々により検出された前記容量性センサの静電容量の検出値を前記相対誤差データに基づいて補正する、
請求項11に記載の入力装置。 - 前記入力面上において第1方向へ延在するととともに前記第1方向と直交する第2方向に並んで配置され、少なくとも1つの前記容量性センサにおける電極をそれぞれ形成し、前記検出モードにおいて前記スイッチ部を介して前記複数の検出部に接続される複数の検出電極と、
前記複数の検出電極の周囲を囲むESD保護用のグランド電極とを有し、
前記特定の1つの検出部は、前記複数の検出電極のうち、前記第2方向において前記グランド電極から最も離れた検出電極に接続される、
請求項12に記載の入力装置。
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