JP6406998B2 - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法及びノボラック型フェノール樹脂に関する。
ノボラック型フェノール樹脂は、一般にフェノール類とアルデヒド類とを縮重合させて得られるものであり、例えばフォトレジスト組成物等の様々な用途に用いられている。
このノボラック型フェノール樹脂に高い耐熱性を付与するために、アルデヒド類として広く用いられるホルムアルデヒドに代えてサリチルアルデヒド等のモノヒドロキシ芳香族アルデヒドを用いる方法が検討されている。具体的には、30質量%以上70質量%以下のm−クレゾ−ル、5質量%以上40質量%以下のp−クレゾール、5質量%以上50質量%以下のキシレノール及び/又はトリメチルフェノールからなるフェノール類と、ホルムアルデヒドと、サリチルアルデヒドとを反応させてノボラック型フェノール樹脂を製造する方法が提案されている(特開2002−107925号公報参照)。
しかしながらこの方法では、サリチルアルデヒド単量体をノボラック型フェノール樹脂骨格内に十分に導入できないため、ノボラック型フェノール樹脂の分子量が大きくならず、耐熱性も不十分であるという不都合がある。
特開2002−107925号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが十分に樹脂骨格内に導入されることで、高分子量かつ耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとの酸触媒の存在下での反応により、反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物を得る第1工程を備え、上記第1の反応性フェノール類が、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールのみを含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。
当該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、上記第1工程を備え、この第1工程において第1の反応性フェノール類が1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールのみを含むことで、第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとを効率良く反応させることができると考えられる。その結果、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが十分にノボラック型フェノール樹脂骨格中に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
上記反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドを反応させる第2工程をさらに備えるとよい。このように、当該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法が第2工程をさらに備えることで、ノボラック型フェノール樹脂におけるモノヒドロキシ芳香族アルデヒド単量体の残留量を低減できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を簡便かつ確実に提供できる。
上記第1の反応性フェノール類のメタ位の置換基が、アルキル基であるとよい。このように、第1の反応性フェノール類の置換基がアルキル基であることで、第1の反応性フェノールとモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとが効率良く反応すると考えられる。その結果、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドをノボラック型フェノール樹脂骨格中に容易に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を容易に得ることができる。
上記第1の反応性フェノール類が、m−クレゾール、及び/又は3−エチルフェノールであってもよい。このように、第1の反応性フェノールが上記化合物であることでも、第1の反応性フェノールとモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとがより効率良く反応すると考えられる。その結果、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドをノボラック型フェノール樹脂骨格中に容易に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を容易に得ることができる。
上記第1の反応性フェノール類が、m−クレゾールであるとよい。このように、第1の反応性フェノール類がm−クレゾールであることで、第1の反応性フェノールとモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとがさらに効率良く反応すると考えられる。その結果モノヒドロキシ芳香族アルデヒドをノボラック型フェノール樹脂骨格中にさらに容易に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂をさらに容易に得ることができる。
上記モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが、サリチルアルデヒドであるとよい。このように、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドがサリチルアルデヒドであることで、第1の反応性フェノールとモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとがより効率良く反応すると考えられる。その結果、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドをノボラック型フェノール樹脂骨格中に容易に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を容易に得ることができる。
上記第1工程において、モノヒドロキシ芳香族アルデヒド1モルに対して、2モル以上の第1の反応性フェノール類を使用するとよい。このように、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドと第1の反応性フェノール類とを上記割合で使用することで、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドをノボラック型フェノール樹脂骨格中に容易に導入できるため、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂を容易に得ることができる。
また、本発明には当該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法により得られるフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂が含まれる。本発明のフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂は高分子量で耐熱性に優れるため、フォトレジスト用途に好適である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールに由来する構成単位及びモノヒドロキシ芳香族アルデヒドに由来する構成単位を含むノボラック型フェノール樹脂であって、上記ノボラック型フェノール樹脂を波長254nmのUV検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定して得られる分子量分布曲線において、全ピーク面積に対する残存モノヒドロキシ芳香族アルデヒド由来のピークの面積の比が、0.7%以下であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂である。
このように、当該ノボラック型フェノール樹脂は、全ピーク面積に対する残存モノヒドロキシ芳香族アルデヒド由来のピークの面積の比が0.7%以下であるため、ノボラック型フェノール樹脂を構成する全構造単位に対するモノヒドロキシ芳香族アルデヒド単量体の残存量が少ない。
本発明によれば、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが樹脂骨格中に十分に導入されることで、高分子量かつ耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂が提供される。
以下、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法及びノボラック型フェノール樹脂について説明する。
[ノボラック型フェノール樹脂の製造方法]
当該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させることにより、反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物を得る第1工程を備える。上記反応性フェノール類は、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールのみを実質的に含む。当該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、上記反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドを反応させる第2工程をさらに備えることが好ましい。
<第1工程>
(第1の反応性フェノール類)
反応性フェノール類とは、アルデヒドに対して反応性を有するフェノール化合物のことをいう。第1の反応性フェノール類は、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールである。置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられ、アルキル基が好ましく、炭素数2以下のアルキル基がより好ましい。第1の反応性フェノール類としては、例えばm−クレゾール、3−エチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール、3−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でm−クレゾール、及び/又は3−エチルフェノールが好ましく、m−クレゾールがより好ましい。
(モノヒドロキシ芳香族アルデヒド)
モノヒドロキシ芳香族アルデヒドとは、芳香環にヒドロキシ基とアルデヒド基とがそれぞれ結合している化合物のことをいう。モノヒドロキシ芳香族アルデヒドとしては、例えばバニリン(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、サリチルアルデヒド(オルト−ヒドロキシベンズアルデヒド)、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でサリチルアルデヒドが好ましい。
(酸触媒)
上記酸触媒としては、例えば蓚酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;塩酸、硫酸等の無機酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でp−トルエンスルホン酸が好ましい。
モノヒドロキシ芳香族アルデヒド100質量部に対する酸触媒の使用量の下限としては、0.8質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。一方、上記使用量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。上記使用量が上記下限未満の場合、第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとの反応が進みにくくなるおそれがある。逆に、上記使用量が上記上限を超えると、後述する酸触媒の中和により多くの化合物が必要となり、ノボラック型フェノール樹脂の製造コストが増加するおそれがある。
モノヒドロキシ芳香族アルデヒド1モルに対する第1の反応性フェノールの使用量の下限としては、2モルが好ましく、4モルがより好ましい。一方、上記使用量の上限としては、15モルが好ましく、10モルがより好ましい。このような使用量によれば、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残存量をより低減させることができる。
(反応方法)
反応は、常法に従い、反応性フェノール類、モノヒドロキシ芳香族アルデヒド及び酸触媒を混合することにより行うことができる。第1工程においては、反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドのみとを反応させることが好ましい。
第1工程における反応温度の下限としては、70℃が好ましく、85℃がより好ましい。一方、上記反応温度の上限としては、170℃が好ましく、155℃がより好ましい。上記反応温度が上記下限未満の場合、第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとの反応が十分に起こらないおそれがある。逆に、上記反応温度が上記上限を超えると、反応に用いた化合物や生成した化合物が変質するおそれがある。
第1工程における反応時間の下限としては、5分が好ましく、20分がより好ましい。一方、上記反応時間の上限としては、24時間が好ましく、12時間がより好ましい。上記反応時間が上記下限未満の場合、第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとの反応が十分に起こらないおそれがある。逆に、上記反応時間が上記上限を超えると、ノボラック型フェノール樹脂の製造効率が低下するおそれがある。
第1工程終了後のモノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残留量の上限としては、2%が好ましく、1.5%がより好ましい。上記残留量が上記上限を超えると、得られるノボラック型フェノール樹脂におけるモノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残留量が増加するおそれがある。ここで、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残留量は、GPC測定により得られる分子量分布曲線の全ピーク面積に対するモノヒドロキシ芳香族アルデヒド由来のピークの面積の比をそれぞれ百分率を用いて表示する面積法により求めた値である。
<第2工程>
(第2の反応性フェノール類)
第2の反応性フェノール類としては、例えば
第1の反応性フェノール類として挙げた化合物;
フェノール、o−クレゾール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール等のオルト位にアルキル基を有するフェノール類;
p−クレゾール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sce−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール等のパラ位にアルキル基を有するフェノール類;
2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等のオルト位及びメタ位にアルキル基を有するフェノール類;
2,6−キシレノール等の2つのオルト位にアルキル基を有するフェノール類;
2,4−キシレノール等のオルト位及びパラ位にアルキル基を有するフェノール類;
3,4−キシレノール等のメタ位及びパラ位にアルキル基を有するフェノール類;
3,5−キシレノール等の2つのメタ位にアルキル基を有するフェノール類;
α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類;
ビスフェノールA等のビスフェノール;
ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記フェノール類が有するアルキル基の炭素数としては、2以下が好ましい。
第2の反応性フェノール類としては、アルキル基を有するフェノール類が好ましく、パラ位にアルキル基を有するフェノール類と2つのメタ位にアルキル基を有するフェノール類との組み合わせがより好ましく、p−クレゾールと3,5−キシレノールとの組み合わせがさらに好ましい。
第1の反応性フェノール類1モルに対する第2の反応性フェノールの使用量の下限としては、0.3モルが好ましく、0.5モルがより好ましい。一方、上記使用量の上限としては、1.5モルが好ましく、1.2モルがより好ましい。上記使用量が上記下限未満の場合、反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物と第2の反応性フェノール類とが十分に反応しないおそれがある。逆に、上記使用量が上記上限を超えると、フェノール類の残留量が増加するおそれがある。
(脂肪族アルデヒド)
脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが好ましく、パラホルムアルデヒドがより好ましい。
第2の反応性フェノール類1モルに対する脂肪族アルデヒドの使用量の下限としては、0.3モルが好ましく、0.5モルがより好ましい。一方、上記使用量の上限としては、2モルが好ましく、1.5モルがより好ましい。上記使用量が上記下限未満の場合、反応性フェノール類の残留量が増加するおそれがある。逆に、上記使用量が上記上限を超えると、ノボラック型フェノール樹脂がゲル化するおそれがある。
(反応方法)
第2工程は、第1工程で得られる反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物及び酸触媒を含む反応混合物に、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドを添加し、常法に従い反応させることにより行うことができる。
第2工程における反応温度の下限としては、50℃が好ましく、65℃がより好ましい。一方、上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、135℃がより好ましい。上記反応温度が上記下限未満の場合、上記反応混合物、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドの反応が不十分となるおそれがある。逆に、上記反応温度が上記上限を超えると、上記反応混合物、第2の反応性フェノール類、脂肪族アルデヒド及びノボラック型フェノール樹脂が変質するおそれがある。
第2工程における反応時間の下限としては、0.5時間が好ましく、1時間がより好ましい。一方、上記反応時間の上限としては、24時間が好ましく、12時間がより好ましい。上記反応時間が上記下限未満の場合、上記反応混合物、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドの反応が不十分となるおそれがある。逆に、上記反応時間が上記上限を超えると、ノボラック型フェノール樹脂の製造効率が低下するおそれがある。
反応後は、必要に応じて減圧脱水処理等を行うことにより、ノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
得られたノボラック型フェノール樹脂を特にフォトレジスト組成物に用いる場合、フォトレジストの各種特性を低下させないように酸触媒を中和及び/又は水洗することが好ましい。この中和に用いる化合物としては、アミン類が好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びジブチルアミンがより好ましく、トリプロピルアミンがさらに好ましい。
以上のようにして、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残留量が少ないノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。このノボラック型フェノール樹脂は、分子量が高く、耐熱性に優れる。
[ノボラック型フェノール樹脂]
当該ノボラック型フェノール樹脂は、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールに由来する構成単位及びモノヒドロキシ芳香族アルデヒドに由来する構成単位を含むノボラック型フェノール樹脂であって、上記ノボラック型フェノール樹脂を波長254nmのUV検出器を用いてGPC測定して得られる分子量分布曲線において、全ピーク面積に対する残存モノヒドロキシ芳香族アルデヒド由来のピークの面積の比が、0.7%以下であることを特徴とする。この面積の比の上限は、好ましくは0.6%であり、より好ましくは0.5%である。上記比が上記上限を超えると、ノボラック型フェノール樹脂中に含まれるモノヒドロキシ芳香族アルデヒド単量体の残存量が大きくなり、当該ノボラック型フェノール樹脂の耐熱性が不十分となるおそれがある。
当該ノボラック型フェノール樹脂は、上記のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の第2工程までを実施することにより製造することができる。
GPC測定は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフに東ソー社の「HCL−8220」を、GPCカラムにTSK−Gel G4000HXL及びG2000HXL(7.8mmφ×300mm)を、検出器に波長254nmのUV検出器を、溶出溶媒にテトラヒドロフランを用い、流量:1.0mm/分の条件下で行うことができる。
当該ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量の下限としては、2000が好ましく、3500がより好ましい。一方、上記重量平均分子量の上限としては、10000が好ましく、8000がより好ましい。上記重量平均分子量が上記下限未満の場合、当該ノボラック型フェノール樹脂の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記重量平均分子量が上記上限を超えると、当該ノボラック型フェノール樹脂の用途が限定されるおそれがある。この重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算での値であり、例えば上記と同様にGPC測定を行って求めることができる。
当該ノボラック型フェノール樹脂のアルカリ溶解速度の下限としては、100Å/秒が好ましく、200Å/秒がより好ましい。一方、上記アルカリ溶解速度の上限としては、2500Å/秒が好ましく、1000Å/秒がより好ましい。上記アルカリ溶解速度が上記下限未満の場合、当該ノボラック型フェノール樹脂の製造コストが増加するおそれがある。逆に、上記アルカリ溶解速度が上記上限を超えると、当該ノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用途に好適に用いることができなくなるおそれがある。ここで、「アルカリ溶解速度」とは、当該ノボラック型フェノール樹脂をエチルセロソルブアセテート溶液とし、この溶液により樹脂膜を形成した後、この樹脂膜を23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液に浸漬させ、樹脂膜が完全に溶解するまでの時間を測定し、1秒あたりの溶解膜厚(Å/秒)として測定した値である。
当該ノボラック型フェノール樹脂の軟化点の下限としては、150℃が好ましく、160℃がより好ましい。一方、上記軟化点の上限としては、200℃が好ましく、195℃がより好ましい。上記軟化点が上記下限未満の場合、当該ノボラック型フェノール樹脂の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記軟化点が上記上限を超えると、当該ノボラック型フェノール樹脂の加工が困難となるおそれがある。
当該ノボラック型フェノール樹脂は、フォトレジスト用途等に有用である。当該ノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物は、当該ノボラック型フェノール樹脂とキノンジアジド基含有化合物等の感光剤とを含有する。また、このフォトレジスト組成物は上記成分以外に、例えば公知のアルカリ可溶性ノボラック樹脂、溶剤、界面活性剤、接着助剤、アルカリ現像液に対する溶解性を微調整する酸無水物及び高沸点溶剤、充填剤、着色剤、粘度調整剤等を含有してもよい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
(第1工程)
温度計、攪拌装置及び還流管を備えた反応容器に、第1の反応性フェノール類としてm−クレゾール540g(5.0モル)、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドとしてサリチルアルデヒド122g(1.0モル)及び酸触媒としてp−トルエンスルホン酸2.19g(0.0127モル)を添加し、125℃で8時間反応させた。
(第2工程)
反応後、反応液を100℃まで冷却し、第2の反応性フェノール類としてp−クレゾール432g(4.0モル)及び3,5−キシレノール122g(1.0モル)を添加した。この時点で混合物中のモノヒドロキシ芳香族アルデヒド残留量を測定したところ、0.8%であった。
その後、反応液に脂肪族アルデヒドとしてパラホルムアルデヒド191.1g(5.86モル)を添加して3.5時間反応させた。反応終了後、トリプロピルアミン1.65g(0.0115モル)を添加し、170℃まで昇温して脱水した後、減圧蒸留を行い未反応の化合物を除去してノボラック型フェノール樹脂950gを得た。
<実施例2及び比較例1〜4>
実施例2及び比較例1〜4では、第1工程及び第2工程で用いた第1の反応性フェノール類及び第2の反応性フェノール類の種類を表1に示す化合物に変更し、その配合量(g)を表1に記載の通りとした他は、実施例1と同様にしてノボラック型フェノール樹脂を調製した。なお、表1中、「−」は該当する成分を用いていないことを示す。
[評価]
<重量平均分子量>
実施例及び比較例のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー社の「HCL−8220」)及びGPCカラム(TSK−Gel G4000HXL、G2000HXL(7.8mmφ×300mm))を用い、検出器:UV254nm、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、流量:1.00mL/分の条件下で、標準ポリスチレン換算で求めた。測定結果を表1に示す。
<モノヒドロキシ芳香族アルデヒド及びフェノール類の残留量(%)>
実施例及び比較例のノボラック型フェノール樹脂のモノヒドロキシ芳香族アルデヒド及びフェノール類の残留量は、上記GPC測定により得られる分子量分布曲線の全ピーク面積に対するモノヒドロキシ芳香族アルデヒド及びフェノール類由来のピークの面積の比をそれぞれ百分率を用いて表示する面積法により求めた。測定結果を表1に示す。なお、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドの残留量は、第1工程終了後に第2の反応性フェノール類を追加した後と、第2工程終了後に2回測定している。測定結果を表1に示す。
<アルカリ溶解速度(Å/秒)>
実施例及び比較例のノボラック型フェノール樹脂をエチルセロソルブアセテートに溶解させ30質量%溶液とした。その後、上記溶液を回転塗布機を用いてシリコンウエハーに塗布し、100℃で90秒プリベークを行うことで、平均膜厚約15000Åの樹脂膜を形成した。この樹脂膜を23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液に浸漬させ、樹脂膜が完全に溶解するまでの時間を測定し、1秒あたりの溶解膜厚(Å/秒)を測定した。測定結果を表1に示す。
<軟化点(℃)>
実施例及び比較例のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、JIS−K6910(2007)に記載の環球法に準拠し、環球式自動軟化点測定装置(メイテック社の「ASP−MGK2」)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006406998
表1に示すように、実施例の製造方法によれば、高分子量で耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂が得られる。また、得られるノボラック型フェノール樹脂は、モノヒドロキシ芳香族サリチルアルデヒドの残留量が少ない。一方、比較例の製造方法で得られるノボラック型フェノール樹脂は、分子量が低い。また、比較例1〜3のノボラック型フェノール樹脂は軟化点が低く、耐熱性に劣る。さらに、比較例では得られるノボラック型フェノール樹脂中のモノヒドロキシ芳香族サリチルアルデヒドの残留量が多い。
本発明によれば、モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが樹脂骨格中に十分に導入されることで、高分子量かつ耐熱性に優れるノボラック型フェノール樹脂が提供される。このノボラック型フェノール樹脂は、分子量が高く、高い耐熱性を示すため、フォトレジスト組成物等として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 第1の反応性フェノール類とモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとの酸触媒の存在下での反応により、反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物を得る第1工程、並びに
    上記反応性フェノール類−芳香族アルデヒド縮合物、第2の反応性フェノール類及び脂肪族アルデヒドを反応させる第2工程を備え、
    上記第1の反応性フェノール類が、1つのメタ位にのみ置換基を有するフェノールのみを含み、
    上記モノヒドロキシ芳香族アルデヒドが、サリチルアルデヒドであり、
    上記脂肪族アルデヒドが、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドであるノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 上記第1の反応性フェノール類のメタ位の置換基が、アルキル基である請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  3. 上記第1の反応性フェノール類が、m−クレゾール、及び/又は3−エチルフェノールである請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  4. 上記第1の反応性フェノール類が、m−クレゾールである請求項3に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  5. 上記第1工程において、モノヒドロキシ芳香族アルデヒド1モルに対して、2モル以上の第1の反応性フェノール類を使用する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
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