JP6386764B2 - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、及びフォトレジスト組成物 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、及びフォトレジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジスト組成物の製造を可能にするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、及びフォトレジスト組成物に関する。
一般にポジ型フォトレジスト組成物には、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂とが用いられる。このポジ型フォトレジスト組成物は、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を有するので、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に好適に利用されている。特にアルカリ可溶性樹脂として耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂を用いると、露光後のドライエッチングを好適に行うことができる。ノボラック型フェノール樹脂を含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化されている。
ポジ型フォトレジスト組成物に用いられるノボラック型フェノール樹脂は、従来、m−、p−又はo−クレゾ−ルとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で縮重合反応させて得られる樹脂であり、フォトレジストの要求特性に対応して、m−、p−又はo−クレゾ−ルの使用比率などを調製して用いられている。また、フォトレジストの特性を調整または向上させるために、分子量、分子量分布などの検討がなされてきた。
ところで、LCDの分野では、TFT、STN等の技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、さらに微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子の設計寸法は数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物が要求されるために、従来のポジ型フォトレジスト組成物では対応できなくなりつつある。また、半導体に用いられるフォトレジスト組成物に対しては、従来からより高いレベルで高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物が求められていた。
このため、例えばノボラック型フェノール樹脂の耐熱性を向上させる方法として、キシレノール、トリメチルフェノールなどのアルキルフェノール類を用いた検討がなされている。しかし、この方法では耐熱性が若干改良される程度であり、十分な効果を得ることはできなかった。
他の耐熱性を向上させる方法として、芳香族アルデヒド類を用いる方法が検討されている。特許文献1には、架橋基に芳香族アルデヒドであるサリチルアルデヒドとホルムアルデヒドを併用することが提案されている。しかし、サリチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを併用したノボラック型フェノール樹脂は、露光・現像時においてアルカリ現像液に対する溶解速度が速過ぎて、現像後の残膜率が低くなるという問題があった。このことは、特許文献1と同じ発明者による特許文献2(段落0002や実施例参照)に記載されている。
特許文献3には、高耐熱性・高解像度・高感度を両立するフォトレジスト用フェノール樹脂として、m−クレゾ−ル、p−クレゾール及びナフトールを含有するフェノール類と、架橋基としてホルムアルデヒド及び/又はパラホルムを含むフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂について記載されている。この文献の実施例として、m−クレゾ−ル、p−クレゾールおよび1−ナフトールを含有するフェノール類と、架橋基にホルムアルデヒドを使用した例が開示されている。しかし、文献中の手法では未反応の高沸点物質であるナフトールの除去が操作上手間になる可能性があることや、樹脂骨格中にナフトールを一定量しか取り込むことができず、耐熱性が目的にかなうフォトレジスト用フェノール樹脂としては不十分である。文献中のノボラック型フェノール樹脂を用いた場合のフォトレジストは、耐熱性、感度、残膜率、解像度などにおいて十分なものとはいえず、更に改良の余地があった。(本願の比較例2及び比較例3参照)
特願平2−84414号公報 特開2008−88197号公報 特開2009−227926号公報
しかし、LCD等の分野においても、TFT、STNなどの技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、ますます微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子では、設計寸法が数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高い解像力、高耐熱性、高感度、高残膜率を有するフォトレジストが要求され、従来の上記のポジ型フォトレジストでは対応できないのが現状である。
そこで、本発明は、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジスト組成物の製造を可能にするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、及びフォトレジスト組成物を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明者らは,鋭意研究を重ねた結果、ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を反応させて式1で表される三核体を10〜80質量%含む中間反応物を得る第1工程と、第1工程で得られた中間反応物中の未反応ナフトール類(a1)の含有量を10質量%以下まで未反応ナフトール類を除去する第2工程と、第2工程で処理された中間反応物、クレゾール類(b2)及びホルムアルデヒド類(c2)を反応させてノボラック型フェノール樹脂を得る第3工程とによって、製造されるノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト組成物に用いた場合、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度を有することを見いだした。すなわち、本発明は、ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を反応させて式1で表される三核体を10〜80質量%含む中間反応物を得る第1工程と、第1工程で得られた中間反応物中の未反応ナフトール類(a1)の含有量を10質量%以下まで未反応ナフトール類を除去する第2工程と、第2工程で処理された中間反応物、クレゾール類(b2)及びホルムアルデヒド類(c2)を反応させてノボラック型フェノール樹脂を得る第3工程とを備えたことを特徴とするフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。
Figure 0006386764
以上のように、本発明によれば、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジスト組成物に用いることができるノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法、並びにそれを用いたフォトレジスト組成物を提供することができる。すなわち、この製造方法によって得られるノボラック型フェノール樹脂を用いると、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物を得ることができる。このため、高集積半導体や液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)を製造する際のリソグラフィーの材料や半導体絶縁膜用の材料などとして好適に使用することができる。
(第1工程)
本発明に係る製造方法において、第1工程は、ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を反応させて式1で表される三核体を10〜80質量%含む中間反応物を得る工程である。すなわち、第1工程においては、例えば、1−ナフトールからなるナフトール類(a1)とm−クレゾール及び/またはp−クレゾールからなるクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とを縮重合反応させて、1−ナフトール(a1)とクレゾール類(b1)とがホルムアルデヒド(c1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメント(S1)を生成する。
Figure 0006386764
前記第1工程の反応式において、lは第1工程においてナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)が縮重合したフェノール樹脂の重合単位の重合度を示し、0から100の整数を示す。
第1工程において、ナフトール類(a1)は、好ましくは1−ナフトール及び2−ナフトールのいずれか一以上であり、より好ましくは1−ナフトールである。
第1工程において、クレゾール類(b1)は、オルソクレゾール(2−メチルフェノール)、メタクレゾール(3−メチルフェノール)、及びパラクレゾール(4−メチルフェノール)のうち、いずれか一以上であるクレゾールである。好ましくはメタクレゾール単独、パラクレゾール単独、又はメタクレゾールとパラクレゾールとの混合物であり、より好ましくはパラクレゾール単独である。
第1工程において、ホルムアルデヒド類(c1)は、形態として特に制限はなく、ホルムアルデヒド水溶液の他、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を用いることもできる。
第1工程において、ナフトール類(a1)の配合量は、クレゾール類(b1)1モルに対して、好ましくは1〜10モルであり、より好ましくは3〜6モルである。また、ホルムアルデヒド類(c1)の配合量は、クレゾール類(b1)1モルに対して好ましくは、1.0〜3.0モル、より好ましくは2.0〜2.5モルである。
第1工程において、ナフトール類(a1)とクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とを上記の範囲で配合することで、樹脂構造中にナフトール類を取り込んだ式1で表される三核体を含んだ中間反応物を安定的に得ることができる。
第1工程で得られる中間反応物は、樹脂構造中にナフトール類(a1)に由来する骨格を式1で表される三核体が10〜80質量%含有しており、20〜70質量%含有していることが好ましく、30〜60質量%含有していることがさらに好ましい。上記のように、ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を配合すると、ナフトール類がクレゾール類やホルムアルデヒド類に対して過剰であるため、三核体のような低分子量成分が生成し易い。
第1工程で得られる中間反応物の重量平均分子量は、好ましくは400〜2000、より好ましくは500〜1500である。
第1工程において、ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を縮重合反応させる方法は、特に限定されない。ナフトール(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を縮重合反応させることのできる公知の触媒、溶媒、反応温度及び反応時間などを採用することができる。また、反応終了後の後処理についても、中和、水洗、脱水、及び減圧蒸留などの公知の方法を採用することができる。
第1工程の好ましい態様の一つとしては、例えばクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)を塩基性触媒下で反応させてクレゾール類のジメチロール体を得る工程Aと、次いで得られたクレゾール類のジメチロール体とナフトール類(a1)とを酸触媒下で反応させる工程Bを備えた態様がある。
具体的には、クレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)を水溶中、水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒下、反応温度40〜50℃で3〜6hr反応させて、クレゾール類(b1)のジメチロール体を得て、次いで得られたジメチロール体とナフトール類(a1)を無溶媒、又は水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒中、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫酸又はリン酸等の酸触媒下、反応温度40〜85℃で2〜15時間反応させることによって中間反応物を得ることができる。
(第2工程)
本発明に係る製造方法において、第2工程は、第1工程で得られた中間反応物中の未反応ナフトール類(a1)の含有量を10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、最も好ましくは1質量%以下まで未反応ナフトール類を除去する工程である。第1工程によって得られる中間反応物は、分子量が低く、溶融時の粘度が低いため、加熱減圧蒸留などによって、容易に未反応のナフトールを除去することができる。未反応のナフトールを除去する具体的な方法としては、加熱減圧蒸留による方法、水蒸気蒸留による方法、薄膜蒸留装置を用いて除去する方法などの公知の方法を用いることができる。
具体的には、第1工程の後処理として中間反応物を水洗し、その後、加熱減圧蒸留又は水蒸気蒸留(減圧スチーミング)又は薄膜蒸留装置を用いて、未反応ナフトール類(a1)などの未反応原料を除去することができる。この方法により、樹脂構造中にナフトール類を取り込んだ中間反応物を安定的に得ることができる。
(第3工程)
本発明に係る製造方法において、第3工程は、第2工程で処理された中間反応物、クレゾール類(b2)及びホルムアルデヒド類(c2)を反応させてノボラック型フェノール樹脂を得る工程である。すなわち、第3工程においては、例えば、m−クレゾール及び/またはp−クレゾールからなるクレゾール類(b2)と、ホルムアルデヒド(c2)と、第1工程で生成したセグメント(S1)とが更に縮重合反応して、クレゾール類(b2)とホルムアルデヒド(c2)とが縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメント(S2)と、1−ナフトール(a1)とクレゾール類(b1)とがホルムアルデヒド(c1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメント(S1)とを有するノボラック型フェノール樹脂が得られる。
Figure 0006386764
《第2工程》
前記第3工程の反応式において、mは第3工程でセグメント(S1)同士が縮重合した場合の重合度、nは第3工程でクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位の重合度、zは第3工程でセグメント(S1)とセグメント(S2)とが縮重合した重合度を示し、m、n、zはそれぞれ独立に1から100の整数を示す。
この様に、本発明の製造方法によって、分子中に、ナフトール類(a1)とクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位及び/又はクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位が、ブロック化して存在するノボラック型フェノール樹脂を生成することができる。すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、例えば・・・S2S2S1S1S1S2・・・や、・・・S2S1S2S1S2S2S1・・・のような構造を有する。これはいわゆるランダム縮重合反応によって生成したノボラック型フェノール樹脂とは、化学構造が相違するものである。
また、本発明の製造方法における前記縮重合反応によれば、ブロック化して存在する各重合単位の重合度の分布は狭くなり、分子量のコントロールが容易となる。また、ナフトールを確実に消費させ、樹脂中に取り込むことができ、反応を完結させることができるので、第2工程において高沸点である未反応のナフトールを除去する操作を省くことができ、品質の安定化にも繋がる。また、フォトレジスト組成物にした時に高耐熱性、高感度、及び高解像度となる、所望のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、ランダム縮重合反応で得られたノボラック型フェノール樹脂に比べて、ナフトール類(a1)とクレゾール類(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位同士及び/又はクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位同士が、相互に隣接して繰り返し結合している割合が高ければよく、ランダム縮重合反応の場合に比べて、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.3倍以上、更に好ましくは1.5倍以上の高い割合で隣接して繰り返し結合していればよい。
第3工程は、第1工程及び第2工程に続いて同一の反応系で連続的に行っても良い。第3工程を連続的に行う場合には、第2工程において未反応ナフトール類(a1)などの原料を除去した中間反応物にクレゾール類(b2)を添加して均一混合した後、ホルムアルデヒド類(c2)を添加して縮重合反応させる方法をとることができる。
また、第3工程は、第2工程で処理された中間反応物を一旦取り出して、第1工程及び第2工程とは別の反応系で行っても良い。その場合は、クレゾール類(b2)に第2工程で処理された中間反応物を添加して均一混合した後、ホルムアルデヒド類(c2)を添加して縮重合反応させる方法が好ましい。
第3工程において、クレゾール類(b2)は、オルソクレゾール、メタクレゾール、及びパラクレゾールからなる群より選ばれる少なくとも1のクレゾールであり、好ましくはメタクレゾールとパラクレゾールとの混合物である。
クレゾール類(b2)が、メタクレゾールとパラクレゾールとの混合物である場合には、メタクレゾールとパラクレゾールとのモル比(メタクレゾール/パラクレゾール)は、好ましくは1.0〜4.5であり、より好ましくは1.2〜4.3であり、さらに好ましくは1.4〜4.1である。
第3工程において、クレゾール類(b2)は、本発明の効果の範囲内で、その他の周知のフェノール化合物を含有することができる。その他の周知のフェノール化合物としては、具体的には、フェノール、o−クレゾ−ル、キシレノ−ル、トリメチルフェノ−ルが挙げられる。キシレノ−ルは、2、3−キシレノ−ル、2、4−キシレノ−ル、2、5−キシレノ−ル、2、6−キシレノ−ル、3、4−キシレノ−ル、3、5−キシレノ−ルの各構造異性体が使用でき、トリメチルフェノ−ルにおいても、2、3、5−トリメチルフェノ−ル、2、3、6−トリメチルフェノ−ル等の各異性体が使用できる。また、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の2価フェノール類も使用できる。
その他の周知のフェノール化合物の含有量はクレゾール類(b2)100質量%としたとき、好ましくは20質量%未満である。
第3工程において、ホルムアルデヒド類(c2)は、形態として特に制限はなく、ホルムアルデヒド水溶液の他、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を用いることもできる。
第3工程において、ホルムアルデヒド類(c2)の添加方法は、ホルムアルデヒド類(c2)を一度に添加する一括添加でも、滴下などによる逐次添加でも良いが、第2工程で処理された中間及びクレゾール類(b2)との反応で発生する反応熱により、反応の制御が難しくなる場合があることから、滴下などによる逐次添加が好ましい。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)との配合量は、中間反応物とクレゾール類(b2)との合計を100質量%とすると、中間反応物の配合量は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは6〜40質量%であり、さらに好ましくは7〜35質量%であり、さらに好ましくは8〜30質量%であり、最も好ましくは9〜25質量%である。中間反応物とクレゾール類(b2)との質量比を上記範囲とすることにより、フォトレジスト組成物としたときに耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂とすることができる。
第3工程において、ホルムアルデヒド類(c2)の配合量は、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)との合計の配合量に対し、質量比(ホルムアルデヒド類(c2)の質量/中間反応物の質量とクレゾール類(b2)の質量との合計の質量)で、好ましくは0.140〜0.200、より好ましくは0.150〜0.190、さらに好ましくは0.150〜0.185である。クレゾール類(b2)とのモル比(ホルムアルデヒド類(c2)のモル数/クレゾール類(b2)のモル数)で好ましくは0.65〜0.85、より好ましくは0.68〜0.83、さらに好ましくは0.70〜0.82である。ホルムアルデヒド類(c2)の配合量を上記範囲とすることにより、フォトレジスト組成物としたときに耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂とすることができる。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)との配合量を調整し、さらにクレゾール類(b2)のメタクレゾール、パラクレゾールなどの成分組成を調整することによって、ノボラック型フェノール樹脂をレジスト組成物にしたときの耐熱性、感度、残膜率及び解像度等の特性を調整することができる。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とを反応させる際の触媒としては、酸触媒を使用することができる。酸触媒としては、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸などを使用できる。酸触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、シュウ酸の場合は0.3〜1.0質量%程度、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%程度、またパラトルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%程度使用することが好ましい。また、酸触媒としてはシュウ酸が好ましい。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とを反応させる際の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。反応温度が50℃より低いと反応が進まず、200℃より高いと反応の制御が難しくなる場合があり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることが困難となる場合があるので好ましくない。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とを反応させる際は、必要に応じて反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、クレゾール類、ホルムアルデヒドを溶解する水が好適であるが、場合によっては、反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
これらの反応溶媒の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部である。
第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)とホルムアルデヒド類(c2)とを反応させる際の反応時間は反応温度にもよるが、通常は20時間以内である。反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
第3工程における反応終了後、後処理として、塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。塩基としては、例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するには、水洗回数としては1〜5回程度である。
水洗温度は、特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げて、20〜50toorの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去して、本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
以上のように、本発明に係る製造方法によって、未反応ナフトール類の含有量が少なく、樹脂骨格中にナフトール類を取り込んだノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。また、第1工程で得られるナフトール類とクレゾール類とホルムアルデヒド類とからなる重合単位と、クレゾール類とホルムアルデヒド類とからなる重合単位とが樹脂構造中にブロック化して存在するノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
(ノボラック型フェノール樹脂)
以上の製造方法によって製造されたノボラック型フェノール樹脂は、ナフトール類とクレゾール類とホルムアルデヒド類とを縮重合反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、分子中に、ナフトール類(a1)、とクレゾール類及び(b1)とホルムアルデヒド類(c1)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位、並びに及び/又はクレゾール類(b2)及びとホルムアルデヒド類(c2)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位がブロック化して存在し、且つ、構造中に含まれるナフトール類(a1)由来の構造の割合が、ノボラック型フェノール樹脂の質量を100質量%としたとき2.5%以上40%以下であることを特徴とする。
本発明に係るノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、4000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましく、7000〜20000がさらに好ましい。重量平均分子量が4000より小さい場合は、感度が高すぎたり或は耐熱性に劣る場合があり、50000より大きい場合は感度が低い場合がある。本発明に係るノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、モル比(ホルムアルデヒド類(c2)/クレゾール類(b2))や質量比(ホルムアルデヒド類(c2)/(中間反応物+クレゾール類(b2)))により調整することができる。具体的には、架橋成分であるホルムアルデヒド類(c2)の配合量を多くすると、すなわちモル比や重量比を高くするとで、ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は大きくなる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、耐熱性から140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、もっとも好ましくは160℃以上である。軟化点が140℃より低いと、フォトレジスト用として使用する場合に、耐熱性に劣り、好ましくない。
(レジスト組成物)
本発明に係るノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用できる。
本発明に係るレジスト組成物は、本発明に係る製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜25質量%含有する。
本発明に係るレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有することが好ましい。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として公知のものを使用できる。感光剤(B)としては、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。
キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等があげられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100重量部に対して、5〜50重量部が好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。感光剤(B)の配合量が5重量部よりも少なくと、感光性樹組成物として十分な感度が得られないことがあり、また、50重量部よりも多いと成分の析出の問題が起こることがあるので好ましくない。
本発明のレジスト組成物は、上記のノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などを添加することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
以下の例で用いた特性の測定方法を以下に示す。
[1]ノボラック型フェノール樹脂
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)アルカリ溶解速度
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
〔合成例1〕 温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量1000mLのガラス製フラスコにp−クレゾール108g(1モル)、パラホルムアルデヒド60g(2モル)及び純水44gを入れ、窒素を吹込みながら攪拌した。室温下、25%苛性ソーダ水44gを入れ、発熱に注意しながら液温が50℃を越えないようゆっくり滴下した。その後、水浴中で50℃まで昇温し、4時間反応した。反応終了後、純水を加え、室温まで冷却し、さらにpHが4になるまで25%塩酸水溶液を添加した。純水を加えて水洗を行った後、静置・分離して反応生成物を得た。
この得られた反応生成物にメタノール20gと1−ナフトール463gを加えて窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃まで昇温し、1−ナフトールを溶解した。そして、p−トルエンスルホン酸0.8gを発熱に注意しながら徐々に添加した後、油浴上で70℃まで昇温して4時間反応した後、さらに80℃まで昇温して3時間反応を行った。反応終了後、純水を加えて水洗を行い、185℃まで昇温して脱水した後、水蒸気蒸留を行って未反応の1−ナフトールなどを除去し、中間反応物345gを得た。得られた中間反応物の重量平均分子量は730であり、式1で表される三核体の割合はGPC測定結果の面積%で43%、未反応の1−ナフトールの量は0.9%であった。また、反応によって中間反応物に取り込まれた1−ナフトールは、中間反応物100質量%に対し70質量%であった(70%は理論値)。
〔実施例1〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール200g(1.85モル)、p−クレゾール133.3g(1.23モル)、合成例1で合成した中間反応物33.3g、42%ホルマリン157.1g(2.22モル)、及びシュウ酸2.34gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 330gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は10800であり、アルカリ溶解速度は254オングストローム/秒であった。
〔実施例2〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール200g(1.85モル)、p−クレゾール133.3g(1.23モル)、合成例1で合成した中間反応物66.7g、42%ホルマリン163.6g(2.50モル)、及びシュウ酸2.34gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂360gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は10700であり、アルカリ溶解速度は218オングストローム/秒であった。
〔実施例3〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール200g(1.85モル)、p−クレゾール133.3g(1.23モル)、合成例1で合成した中間反応物100g、42%ホルマリン176.7g(2.31モル)、及びシュウ酸2.34gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂390gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は11500であり、アルカリ溶解速度は153オングストローム/秒であった。
〔実施例4〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール200g(1.85モル)、p−クレゾール133.3g(1.23モル)、合成例1で合成した中間反応物100g、42%ホルマリン152.7g(2.16モル)、及びシュウ酸2.33gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 385gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は5000であり、アルカリ溶解速度は696オングストローム/秒であった。
〔実施例5〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール250g(2.31モル)、p−クレゾール62.5g(0.58モル)、合成例1で合成した中間反応物93.8g、42%ホルマリン165.7g(2.35モル)、及びシュウ酸2.19gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂380gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は6000であり、アルカリ溶解速度は671オングストローム/秒であった。
〔実施例6〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール153g(1.41モル)、p−クレゾール102g(0.94モル)、2,5−キシレノール37.8g(0.31モル)、2,4−キシレノール14.2g(0.12モル)、合成例1で合成した中間反応物93g、42%ホルマリン142.9g(2.03モル)、及びシュウ酸2.17gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂360gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は4500であり、アルカリ溶解速度は662オングストローム/秒であった。
〔比較例1〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール80g(0.74モル)、p−クレゾール120g(1.11モル)、42%ホルマリン80.8g(1.15モル)及び蓚酸0.7gを三つ口フラスコに入れ、100℃で10時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂150gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、5700であり、アルカリ溶解速度は380オングストローム/秒であった。
〔比較例2〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール100g(0.93モル)、p−クレゾール111.1g(1.03モル)、1−ナフトール11.1g(0.08モル)、42%ホルマリン90.1g(1.28モル)、及びシュウ酸0.44gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂360gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は5200であり、アルカリ溶解速度は733オングストローム/秒であった。
〔比較例3〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール50g(0.46モル)、p−クレゾール30g(0.28モル)、1−ナフトール20g(0.14モル)、42%ホルマリン46.44g(0.66モル)、及びシュウ酸0.2gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂360gを得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は6300であり、アルカリ溶解速度は705オングストローム/秒であった。
[2]フォトレジスト組成物
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の評価方法は次の通りである。
(1)感度、残膜率、解像度の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm2未満で画像が形成できる。
A:5mJ/cm2未満で画像が形成できる。
B:5〜60mJ/cm2で画像が形成できる。
残膜率
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
解像度
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
(2)耐熱性の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:130℃でパターン形状を維持できる。
○:125℃でパターン形状を維持できる。
×:125℃でパターン形状を維持できない。
〔実施例7〕
実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂 20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド 5gとを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 75gに溶解し、レジスト溶液を調合した。これを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過して、フォトレジスト組成物を得た。
〔実施例8〜12、比較例4〜6〕
実施例7のノボラック型フェノール樹脂として、実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂の代わりに、実施例2〜6及び比較例1〜3を用いたこと以外は同様にして、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3のノボラック型フェノール樹脂、実施例7〜12及び比較例4〜6のフォトレジスト組成物について、それぞれの分析及び評価結果を下記表1に示した。
Figure 0006386764
表1から以下のことが分かる。
実施例1〜6の分子中のフェノール成分(a)におけるm−クレゾール(a1)の割合が低いノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度に優れており、実用性がある。
実施例1〜6で得られた2段法で作成したノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物は、1段法で作成した比較例2〜3で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、より高い感度、残膜率、解像度及び耐熱性をバランスよく有していた。
特に実施例3で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、残膜率・解像度・耐熱性のバランスが特によく最も優れていた。
以上のとおりであり、本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上および高集積化に極めて貢献できる。
本発明によって、フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. ナフトール類(a1)、クレゾール類(b1)及びホルムアルデヒド類(c1)を反応させて式1で表される三核体を10〜80質量%含む中間反応物を得る第1工程と、
    Figure 0006386764
    第1工程で得られた中間反応物中の未反応ナフトール類(a1)の含有量を10質量%以下まで未反応ナフトール類を除去する第2工程と、
    第2工程で処理された中間反応物、クレゾール類(b2)及びホルムアルデヒド類(c2)を反応させてノボラック型フェノール樹脂を得る第3工程と
    を備え
    前記第3工程において、第2工程で処理された中間反応物とクレゾール類(b2)の合計を100質量%としたときに、中間反応物の配合量が5〜50質量%であり、かつホルムアルデヒド類(c2)とクレゾール類(b2)とのモル比(ホルムアルデヒド/クレゾール類)が0.65〜0.85であり、
    得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が4000以上50000以下であることを特徴とするフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 前記第1工程において、ナフトール類(a1)の配合量が、クレゾール類(b1)1モルに対して、1.0〜10.0モルであることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られたフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
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