JP6401092B2 - 変速装置 - Google Patents
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本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、変速装置を多段化でき、且つ、小型化できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、変速装置は、カウンタ軸に設けられ、2つのカウンタギアを連結するとともにカウンタ軸に対して回転自在に支持するギア連結部材を備え、メイン軸の外軸及び内軸のうちの、クラッチが接続された第1メイン軸に支持された第1メインギア、ギア連結部材により連結された第1カウンタギア及び第2カウンタギア、及び、カウンタ軸に一体回転可能に支持された第3カウンタギアを介した動力伝達経路によって動力が出力される。これにより、第1メインギアと第1カウンタギアとの間のギア比と、ギア連結部材で第1カウンタギアに連結された第2カウンタギアと第2カウンタギアに噛み合うメインギアとの間のギア比と、を合わせた新たな変速段を、ギアの数を増やさずに確立できる。このため、変速装置を多段化でき、且つ、小型化できる。
本発明によれば、メイン軸では、外軸及び内軸のうちの一方の軸に第1速メインギア及び第3速メインギアが一体回転可能に支持され、他方の軸に第2速メインギア及び第4速メインギアが一体回転可能に支持され、カウンタ軸では、第1速カウンタギア乃至第4速カウンタギアが、第1速メインギア乃至第4速メインギアにそれぞれ噛み合うように支持され、第1速カウンタギアと第4速カウンタギアとがギア連結部材により連結され、第2速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力が出力され、クラッチは、一方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、他方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する。これにより、第1速メインギアと第1速カウンタギアとの間のギア比と、ギア連結部材で第1速カウンタギアに連結された第4速カウンタギアと第4速メインギアとの間のギア比と、を合わせた超低速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第2速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
本発明によれば、メイン軸では、外軸及び内軸のうちの一方の軸に第1速メインギア及び第3速メインギアが一体回転可能に支持され、他方の軸に第2速メインギア及び第4速メインギアが一体回転可能に支持され、カウンタ軸では、第1速カウンタギア乃至第4速カウンタギアが、第1速メインギア乃至第4速メインギアにそれぞれ噛み合うように支持され、第1速カウンタギアと第4速カウンタギアとがギア連結部材により連結され、第3速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力が出力され、クラッチは、他方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、一方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する。これにより、第4速メインギアと第4速カウンタギアとの間のギア比と、ギア連結部材で第4速カウンタギアに連結された第1速カウンタギアと第1速メインギアとの間のギア比と、を合わせた超高速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第3速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
さらに、本発明は、前記クラッチ(12)は、前記一方の軸(17)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記他方の軸(18)を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、前記第3カウンタギアは、前記クラッチ(12)の切り替えに伴って、前記第3速カウンタギア(c3)から第2速カウンタギア(c2)に切り替わることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチは、一方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、他方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、第3カウンタギアは、クラッチの切り替えに伴って、第3速カウンタギアから第2速カウンタギアに切り替わる。これにより、クラッチの切り替えによって、ギア連結部材で連結される第4速カウンタギア及び第1速カウンタギアを通る動力の伝達経路を逆方向に変更でき、1つの変速装置に超高速段及び超低速段の両方を簡単に確立できる。
本発明によれば、メイン軸では、外軸及び内軸のうちの一方の軸に第1速メインギア及び第5速メインギアが一体回転可能に支持され、他方の軸に第4速メインギア及び第6速メインギアが一体回転可能に支持され、カウンタ軸では、第1速カウンタギア乃至第6速カウンタギアが、第1速メインギア乃至第6速メインギアにそれぞれ噛み合うように支持され、第1速カウンタギアと第6速カウンタギアとがギア連結部材により連結され、第4速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力が出力され、クラッチは、一方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、他方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する。これにより、第1速メインギアと第1速カウンタギアとの間のギア比と、ギア連結部材で第1速カウンタギアに連結される第6速カウンタギアと第6速メインギアとの間のギア比と、を合わせた超低速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第4速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
本発明によれば、メイン軸では、外軸及び内軸のうちの一方の軸に第1速メインギア及び第5速メインギアが一体回転可能に支持され、他方の軸に第4速メインギア及び第6速メインギアが一体回転可能に支持され、カウンタ軸では、第1速カウンタギア乃至第6速カウンタギアが、第1速メインギア乃至第6速メインギアにそれぞれ噛み合うように支持され、第1速カウンタギアと第6速カウンタギアとがギア連結部材により連結され、第5速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力が出力され、クラッチは、他方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、一方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する。これにより、第6速メインギアと第6速カウンタギアとの間のギア比と、ギア連結部材で第6速カウンタギアに連結される第1速カウンタギアと第1速メインギアとの間のギア比と、を合わせた超高速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第5速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
本発明によれば、クラッチは、一方の軸を第1メイン軸として動力を伝達し、他方の軸を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、第3カウンタギアは、クラッチの切り替えに伴って、第5速カウンタギアから第4速カウンタギアに切り替わる。これにより、クラッチの切り替えによって、ギア連結部材で連結される第6速カウンタギア及び第1速カウンタギアを通る動力の伝達経路を逆方向に変更でき、1つの変速装置に超高速段及び超低速段の両方を簡単に確立できる。
また、本発明は、前記動力伝達経路(Rsl,Rsl2)によって確立される超低速段と1速段との変速段の切り替えは、前記外軸(18)及び前記内軸(17)への動力を遮断した状態で行われることを特徴とする。
本発明によれば、動力伝達経路によって確立される超低速段と1速段との変速段の切り替えは、外軸及び内軸への動力を遮断した状態で行われる。これにより、変速段が超低速段に切り替わる前に、動力が切れた走行状態が発生し、この状態を運転者に感じさせることで、変速段が超低速段に切り替わることを運転者に事前に予期させることができる。
本発明によれば、動力伝達経路によって確立される超高速段と、超高速段の1つ下の段との変速段の切り替えは、外軸及び内軸への動力を遮断した状態で行われる。これにより、変速段が超高速段に切り替わる前に、動力が切れた走行状態が発生し、この状態を運転者に感じさせることで、変速段が超高速段に切り替わることを運転者に事前に予期させることができる。
また、本発明は、前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)の最低速メインギア(m1,M1)と他方の軸(18)の最高速メインギア(m4,M6)とが隣接して配置され、前記クラッチ(12)の制御により、前記動力伝達経路(Rsl,Reo,Rsl2,Reo2)によって確立される超低速段または超高速段が選択されることを特徴とする。
本発明によれば、外軸及び内軸のうちの一方の軸の最低速メインギアと他方の軸の最高速メインギアとが隣接して配置され、クラッチの制御により、動力伝達経路によって確立される超低速段または超高速段が選択される。これにより、最低速のギアのギア比と最高速のギアのギア比とを合わせたギア比を得ることができ、超低速段または超高速段を実現できる。
本発明によれば、第1メインギアは、外軸において最も軸端側に配置されるメインギアであり、内軸は、第1メインギアに隣接する第2メインギアを備え、第1カウンタギアは第1メインギアに噛み合い、第2カウンタギアは第2メインギアに噛み合う。これにより、外軸の第1メインギアに噛み合う第1カウンタギアと、内軸の第2メインギアに噛み合う第2カウンタギアとが隣接するため、第1カウンタギアと第2カウンタギアとをギア連結部材で簡単に連結できる。
また、第1速メインギア乃至第4速メインギアを備えるものにおいて、超低速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第2速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
また、1速メインギア乃至第4速メインギアを備えるものにおいて、超高速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第3速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
さらに、1速メインギア乃至第4速メインギアを備える1つの変速装置に、超高速段及び超低速段の両方を簡単に確立できる。
また、第1速メインギア乃至第6速メインギアを備えるものにおいて、超高速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第5速カウンタギアを介してカウンタ軸から動力を出力できる。
さらに、第1速メインギア乃至第6速メインギアを備える1つの変速装置に、超高速段及び超低速段の両方を簡単に確立できる。
また、変速段が超低速段に切り替わることを運転者に事前に予期させることができる。
また、変速段が超高速段に切り替わることを運転者に事前に予期させることができる。
また、最低速のギアのギア比と最高速のギアのギア比とを合わせたギア比を得ることができ、超低速段または超高速段を実現できる。
さらに、第1カウンタギアと第2カウンタギアとをギア連結部材で簡単に連結できる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る変速装置10の構造を示すスケルトン図である。
変速装置10は、変速機11と、エンジン(不図示)から変速機11への動力伝達の伝達及び遮断を切り替えるクラッチ12と、変速機11を変速するシフト機構(不図示)と、クラッチ12の接続及び切断を操作するクラッチ操作機構(不図示)と、上記シフト機構及びクラッチ操作機構を制御する制御部(不図示)とを備える。
変速装置10は、例えば自動二輪車等の鞍乗り型車両に搭載され、エンジンの出力を変速して出力し、駆動輪を駆動する。
メイン軸13は、内軸17(一方の軸)と、内軸17の外周に嵌合して設けられ、内軸17に対して相対回転自在な外軸18(他方の軸)とを備える。内軸17と外軸18とは同軸であるとともに、外軸18は内軸17の外周のベアリング(不図示)を介して内軸17に支持される。外軸18は、外軸18よりも長く形成された内軸17の一端側に寄せて設けられており、内軸17の他端側のギア支持部17aは、外軸18よりも外側に大きく突出する。
第1クラッチ19及び第2クラッチ20は、上記制御部の制御により上記クラッチ操作機構から供給される油圧によって互いに独立して操作される。
詳細には、メインギア群14は、内軸17のギア支持部17aに支持される第1速メインギアm1及び第3速メインギアm3と、外軸18に支持される第2速メインギアm2及び第4速メインギアm4とを備える。すなわち、内軸17には、奇数段の第1速メインギアm1及び第3速メインギアm3が設けられ、外軸18には、偶数段の第2速メインギアm2及び第4速メインギアm4が設けられる。
第4速メインギアm4は、外軸18において最も軸端側に配置されるメインギアであるとともに、外軸18における最高速のメインギアである。第2速メインギアm2は、第4速メインギアm4と第2クラッチ20との間に配置されるとともに、第4速メインギアm4よりも低速のメインギアである。
第1速メインギアm1は、内軸17において外軸18の第4速メインギアm4に隣接して配置されるメインギアであるとともに、内軸17における最低速のメインギアである。第3速メインギアm3は、第1速メインギアm1よりも軸端側に配置されるとともに、第1速メインギアm1よりも高速のメインギアである。
すなわち、変速装置10は、第1クラッチ19及び内軸17を介して奇数段の1速段又は3速段で動力を伝達する一方の系統と、第2クラッチ20及び外軸18を介して偶数段の2速段または4速段で動力を伝達する他方の系統とを備え、これらの系統を交互に切り替えて変速を行う。
カウンタ軸15は、変速機11の外側に動力を出力する出力歯車15aを備える。出力歯車15aは、例えば駆動チェーンやドライブシャフトを介して駆動輪に接続される。
第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4は、カウンタ軸15に対して相対回転可能且つ軸方向にスライド可能に設けられたフリーギアである。
カウンタ軸15は、第1速カウンタギアc1をカウンタ軸15に固定可能な第1速シフター21と、第2速カウンタギアc2をカウンタ軸15に固定可能な第2速シフター22と、第3速カウンタギアc3をカウンタ軸15に固定可能な第3速シフター23と、第4速カウンタギアc4をカウンタ軸15に固定可能な第4速シフター24とを備える。
第1速シフター21、第2速シフター22、第3速シフター23及び第4速シフター24は、第1速カウンタギアc1、第2速カウンタギアc2、第3速カウンタギアc3及び第4速カウンタギアc4にそれぞれ係合するダボ21a,22a,23a,24aを備える。
第1速シフター21がスライドしてダボ21aが第1速カウンタギアc1に係合すると、第1速カウンタギアc1がカウンタ軸15に固定されて1速段が確立される。
第2速シフター22がスライドしてダボ22aが第2速カウンタギアc2に係合すると、第2速カウンタギアc2がカウンタ軸15に固定されて2速段が確立される。
第3速シフター23がスライドしてダボ23aが第3速カウンタギアc3に係合すると、第3速カウンタギアc3がカウンタ軸15に固定されて3速段が確立される。
第4速シフター24がスライドしてダボ24aが第4速カウンタギアc4に係合すると、第4速カウンタギアc4がカウンタ軸15に固定されて4速段が確立される。
ギア連結部材40は、第1速カウンタギアc1に係合するダボ40aを一方の軸端に備え、第4速カウンタギアc4に係合するダボ40bを他方の軸端に備える。
第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4は、上記シフト機構によってギア連結部材40側へそれぞれスライドさせられ、ダボ40a,40bに係合し、ギア連結部材40に一体に連結される。第1速カウンタギアc1とギア連結部材40と第4速カウンタギアc4とが連結されたギア連結体41(図5)は、カウンタ軸15上でカウンタ軸15に対して相対回転自在である。
上記シフトドラムは、第1速シフトフォーク27、第2速シフトフォーク28、第3速シフトフォーク29、第4速シフトフォーク30、ギア連結用第1シフトフォーク31、及び、ギア連結用第2シフトフォーク32の端がそれぞれ独立して嵌まるリード溝(不図示)を外周部に備える。上記シフトドラムが回転すると、上記リード溝のパターンに沿ってシフトフォーク27〜32がそれぞれスライドし、第1速シフター21、第2速シフター22、第3速シフター23、第4速シフター24、第1速カウンタギアc1、及び、第4速カウンタギアc4がスライド操作され、変速が行われる。
図2に示すように、ギア比は、1速段から4速段の中では1速段が最も大きく、変速段が大きくなるほど小さくなり、4速段では1.0よりも小さくなり、エンジンからの回転は、1速段で最も大きく減速される。
また、超低速段のギア比は、1速段よりも大きく、超高速段のギア比は、4速段よりも小さい。
このギア比に対応し、メインギア群14のギアの径の関係は、図1に示すように、第1速メインギアm1の径<第2速メインギアm2の径<第3速メインギアm3の径<第4速メインギアm4の径となっている。
また、カウンタギア群16のギアの径の関係は、第1速カウンタギアc1の径>第2速カウンタギアc2の径>第3速カウンタギアc3の径>第4速カウンタギアc4の径となっている。
クラッチ12は、1速段では第1クラッチ19が接続され、2速段では第2クラッチ20が接続され、3速段では第1クラッチ19が接続され、4速段では第2クラッチ20が接続され、超低速段では第1クラッチ19が接続され、超高速段では第2クラッチ20が接続される。
図3に示すように、第1速シフトフォーク27によって第1速シフター21がスライドされて第1速カウンタギアc1がカウンタ軸15に固定されるとともに、第1クラッチ19が接続されると、1速段が確立される。1速段では、第1クラッチ19が接続されるとともに第2クラッチ20が切断されており、エンジンの動力は、第1クラッチ19から内軸17、第1速メインギアm1、第1速カウンタギアc1及びカウンタ軸15を順に通る動力伝達経路R1を介して出力歯車15aから出力される。
また、1速段では、第2速シフター22がスライドされて第2速カウンタギアc2がカウンタ軸15に固定された2速段の予備変速状態となっている。1速段から2速段にシフトアップする場合、2速段の予備変速状態から第1クラッチ19を切断し、第2クラッチ20を接続することでシフトアップを行うことができ、クラッチ12を切り替えるだけでシフトアップを速やかに行うことができる。
なお、2速段の予備変速状態では、第2クラッチ20が切断されているため、外軸18は、第2速カウンタギアc2から第2速メインギアm2に伝達される動力によって空転するだけである。
このように、変速装置10では、次段への予備変速を行うとともに、第1クラッチ19及び第2クラッチ20を交互に切り替えることで、速やかに変速を行うことができる。
図4に示すように、第4速シフトフォーク30によって第4速シフター24がスライドされて第4速カウンタギアc4がカウンタ軸15に固定されるとともに、第2クラッチ20が接続されると、4速段が確立される。4速段では、第2クラッチ20が接続されるとともに第1クラッチ19が切断されており、エンジンの動力は、第2クラッチ20から外軸18、第4速メインギアm4、第4速カウンタギアc4及びカウンタ軸15を順に通る動力伝達経路R4を介して出力歯車15aから出力される。
また、4速段では、第3速シフター23がスライドされて第3速カウンタギアc3がカウンタ軸15に固定された3速段の予備変速状態となっている。4速段から3速段にシフトダウンする場合、3速段の予備変速状態から第2クラッチ20を切断し、第1クラッチ19を接続することでシフトダウンを行うことができ、クラッチ12を切り替えるだけでシフトダウンを速やかに行うことができる。
超低速段は、1速段よりも低速の変速段であり、図3の1速段の状態から変速される。
超低速段では、1速段の状態に対し、第1速シフター21が戻され、第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4がスライドさせられてギア連結体41が形成され、第2速カウンタギアc2が2速段の予備変速状態と同じくカウンタ軸15に固定されている。
超低速段では、第1クラッチ19が接続されるとともに、第2クラッチ20が切断される。すなわち、超低速段では、第1クラッチ19を介してエンジンからの動力が伝達される内軸17が第1メイン軸であり、第2クラッチ20が切断されてエンジンからの動力が遮断される外軸18が第2メイン軸である。
第1速メインギアm1及び第4速メインギアm4は、第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4がギア連結部材40側にスライドした場合であっても第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4との噛み合いがそれぞれ維持されるように、軸方向に長く形成されている。
すなわち、超低速段の動力伝達経路Rslでは、カウンタ軸15に形成されたギア連結体41が、第1速メインギアm1によってカウンタ軸15上で回転させられ、エンジンの動力は、第1速メインギアm1から第1速カウンタギアc1に入力される際に減速されるとともに、第4速カウンタギアc4から第4速メインギアm4に入力される際にも減速される。ここで、第4速カウンタギアc4から第4速メインギアm4への動力の伝達経路は、通常の4速段の伝達経路の逆方向であり、第4速カウンタギアc4の径が第4速メインギアm4の径よりも小さいため、動力は第4速カウンタギアc4から第4速メインギアm4に伝達される際に減速される。このため、第1速よりもさらに大きなギア比の超低速段を確立できる。
また、内軸17の最低速メインギアである第1速メインギアm1に噛み合う第1速カウンタギアc1と、外軸18の最高速メインギアである第4速メインギアm4に噛み合う第4速カウンタギアc4と、をギア連結部材40で連結するため、最低速のギアと最高速のギアとを組み合わせた大きなギア比を得ることができ、効果的に超低速段を設けることができる。
さらに、外軸18において最も軸端側に配置される第4速メインギアm4に噛み合う第4速カウンタギアc4と、内軸17側で第4速メインギアm4に隣接する第1速メインギアm1に噛み合う第1速カウンタギアc1とを連結するため、ギア連結部材40によって容易に第4速カウンタギアc4と第1速カウンタギアc1とを連結して超低速段を設けることができる。
また、1速段及び超低速段では、第2速カウンタギアc2は、第2速シフター22によってカウンタ軸15に固定された状態となる。このため、1速段から超低速段に変速する際、第2速カウンタギアc2を2速段の予備変速状態のまま動かす必要がないため、1速段から容易に超低速段に変速できる。
超高速段は、4速段よりも高速の変速段であり、図4の4速段の状態から変速される。
超高速段では、4速段の状態に対し、第4速シフター24が戻され、第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4がスライドさせられてギア連結体41が形成され、第3速カウンタギアc3が3速段の予備変速状態と同じくカウンタ軸15に固定されている。
超高速段では、第2クラッチ20が接続されるとともに、第1クラッチ19が切断される。すなわち、超高速段では、第2クラッチ20を介してエンジンからの動力が伝達される外軸18が第1メイン軸であり、第1クラッチ19が切断されてエンジンからの動力が遮断される内軸17が第2メイン軸である。
すなわち、超高速段の動力伝達経路Reoでは、カウンタ軸15に形成されたギア連結体41が、第4速メインギアm4によってカウンタ軸15上で回転させられ、エンジンの動力は、第4速メインギアm4から第4速カウンタギアc4に入力される際に増速されるとともに、第1速カウンタギアc1から第1速メインギアm1に入力される際にも増速される。ここで、第1速カウンタギアc1から第1速メインギアm1への動力の伝達経路は、通常の1速段の伝達経路の逆方向であり、第1速カウンタギアc1の径が第1速メインギアm1の径よりも大きいため、動力は第1速カウンタギアc1から第1速メインギアm1に伝達される際に増速される。このため、第4速よりもさらに小さなギア比の超高速段を確立できる。
また、外軸18の最高速メインギアである第4速メインギアm4に噛み合う第4速カウンタギアc4と、内軸17の最低速メインギアである第1速メインギアm1に噛み合う第1速カウンタギアc1と、をギア連結部材40で連結するため、最高速のギアと最低速のギアとを組み合わせた小さなギア比を得ることができ、効果的に超高速段を設けることができる。
さらに、外軸18において最も軸端側に配置される第4速メインギアm4に噛み合う第4速カウンタギアc4と、内軸17側で第4速メインギアm4に隣接する第1速メインギアm1に噛み合う第1速カウンタギアc1とを連結するため、ギア連結部材40によって容易に第4速カウンタギアc4と第1速カウンタギアc1とを連結して超高速段を設けることができる。
また、図5及び図6に示すように、変速機11を超高速段から超低速段の配置にしようとする場合、第2速シフター22を戻すとともに第3速シフター23を第3速カウンタギアc3に係合させ、クラッチ12を、第2クラッチ20が接続された状態から第1クラッチ19が接続された状態に切り替えるだけで良く、ギア連結体41の切り替えは不要である。このため、簡単な構成で1台の変速機11に超高速段及び超低速段を設けることができる。
また、外軸18及び内軸17のうちの、クラッチ12の第2クラッチ20が接続された第1メイン軸である外軸18に支持された第1メインギアとしての第4速メインギアm4、ギア連結部材40により連結された第1カウンタギアとしての第4速カウンタギアc4及び第2カウンタギアとしての第1速カウンタギアc1、及び、カウンタ軸15に一体回転可能に支持された第3カウンタギアとしての第3速カウンタギアc3を介した動力伝達経路Reo(図6)によって動力が出力される。これにより、第4速メインギアm4と第4速カウンタギアc4との間のギア比と、第1速カウンタギアc1と第1速メインギアm1との間のギア比と、を合わせた新たな変速段である超高速段を、ギアの数を増やさずに確立できる。このため、変速装置10を多段化でき、且つ、小型化できる。
さらに、クラッチ12は、一方の軸である内軸17を第1メイン軸として動力を伝達し、他方の軸である外軸18を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、カウンタ軸15に一体回転可能に支持される第3カウンタギアは、クラッチ12の切り替えに伴って、第3速カウンタギアc3から第2速カウンタギアc2に切り替わる。これにより、クラッチ12の切り替えによって、ギア連結部材40で連結される第4速カウンタギアc4及び第1速カウンタギアc1を通る動力の伝達経路を逆方向に変更でき、1つの変速装置10に超高速段及び超低速段の両方を簡単に確立できる。
また、動力伝達経路Rslによって確立される超低速段と1速段との変速段の切り替えは、外軸18及び内軸17への動力を遮断した状態で行われる。これにより、変速段が1速段から超低速段に切り替わる前に、エンジンからの動力が切れた走行状態が発生し、この状態を運転者に感じさせることで、変速段が超低速段に切り替わることを運転者に事前に予期させることができる。
また、外軸18及び内軸17のうちの一方の軸である内軸17の最低速メインギアである第1速メインギアm1と他方の軸である外軸18の最高速メインギアである第4速メインギアm4とが隣接して配置され、クラッチ12の制御により、超低速段または超高速段が選択される。これにより、最低速のギアのギア比と最高速のギアのギア比とを合わせたギア比を得ることができ、超低速段または超高速段を実現できる。
以下、図7〜図12を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、1速段〜4速段までの変速段を備える変速機11に超低速段及び超高速段を設ける構成を説明したが、本第2の実施の形態は、1速段〜6速段までの変速段を備える変速機111に超低速段及び超高速段を設ける構成について説明する。
変速装置110は、変速機111と、第1の実施の形態と同様のシフト機構(不図示)及びクラッチ操作機構(不図示)と、上記シフト機構及びクラッチ操作機構を制御する制御部(不図示)とを備える。
変速機111は、メイン軸13と、メイン軸13上に設けられる複数のギアからなるメインギア群114と、カウンタ軸15と、メイン軸13上に設けられてメインギア群114に噛み合う複数のギアからなるカウンタギア群116とを備える。
詳細には、メインギア群114は、内軸17のギア支持部17aに支持される第1速メインギアM1、第3速メインギアM3、及び、第5速メインギアM5と、外軸18に支持される第2速メインギアM2、第4速メインギアM4、及び、第6速メインギアM6とを備える。すなわち、内軸17には、奇数段が設けられ、外軸18には、偶数段が設けられる。
第6速メインギアM6は、外軸18において最も軸端側に配置されるメインギアであるとともに、外軸18における最高速のメインギアである。第4速メインギアM4は、第6速メインギアM6に隣接して配置されるとともに、第6速メインギアM6よりも低速のメインギアである。第2速メインギアM2は、第4速メインギアM4と第2クラッチ20との間に配置されるとともに、外軸18における最も低速のメインギアである。
第5速メインギアM5は、第1速メインギアM1に隣接して配置されるとともに、内軸17における最高速のメインギアである。
第3速メインギアM3は、内軸17の軸端側に配置されるとともに、第1速メインギアM1よりも高速且つ第5速メインギアM5よりも低速のメインギアである。
すなわち、変速装置110は、第1クラッチ19及び内軸17を介して奇数段のいずれかで動力を伝達する一方の系統と、第2クラッチ20及び外軸18を介して偶数段のいずれかで動力を伝達する他方の系統とを備え、これらの系統を交互に切り替えて変速を行う。
カウンタ軸15は、出力歯車15aを備える。
第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6は、カウンタ軸15に対して相対回転可能且つ軸方向にスライド可能に設けられたフリーギアである。
カウンタ軸15は、第1速カウンタギアC1をカウンタ軸15に固定可能な第1速シフター121と、第2速カウンタギアC2をカウンタ軸15に固定可能な第2速シフター122と、第3速カウンタギアC3をカウンタ軸15に固定可能な第3速シフター123と、第4速カウンタギアC4をカウンタ軸15に固定可能な第4速シフター124と、第5速カウンタギアC5をカウンタ軸15に固定可能な第5速シフター125と、第6速カウンタギアC6をカウンタ軸15に固定可能な第6速シフター126とを備える。
第1速シフター121、第2速シフター122、第3速シフター123、第4速シフター124、第5速シフター125、及び、第6速シフター126は、第1速カウンタギアC1、第2速カウンタギアC2、第3速カウンタギアC3、第4速カウンタギアC4、第5速カウンタギアC5、及び、第6速カウンタギアC6に係合するダボ121a,122a,123a,124a,125a,126aをそれぞれ備える。
第2速シフター122がスライドしてダボ122aが第2速カウンタギアC2に係合すると、第2速カウンタギアC2がカウンタ軸15に固定されて2速段が確立される。
第3速シフター123がスライドしてダボ123aが第3速カウンタギアC3に係合すると、第3速カウンタギアC3がカウンタ軸15に固定されて3速段が確立される。
第4速シフター124がスライドしてダボ124aが第4速カウンタギアC4に係合すると、第4速カウンタギアC4がカウンタ軸15に固定されて4速段が確立される。
第5速シフター125がスライドしてダボ125aが第5速カウンタギアC5に係合すると、第5速カウンタギアC5がカウンタ軸15に固定されて5速段が確立される。
第6速シフター126がスライドしてダボ126aが第6速カウンタギアC6に係合すると、第6速カウンタギアC6がカウンタ軸15に固定されて6速段が確立される。
ギア連結部材140は、第1速カウンタギアC1に係合するダボ140aを一方の軸端に備え、第6速カウンタギアC6に係合するダボ140bを他方の軸端に備える。
第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6は、上記シフト機構によってギア連結部材140側へそれぞれスライドさせられ、ダボ140a,140bに係合し、ギア連結部材140に一体に連結される。第1速カウンタギアC1とギア連結部材140と第6速カウンタギアC6とが連結されたギア連結体141(図9)は、カウンタ軸15上でカウンタ軸15に対して相対回転自在である。
図8に示すように、ギア比は、1速段から6速段の中では1速段が最も大きく、変速段が大きくなるほど小さくなり、6速段では1.0よりも小さくなり、エンジンからの回転は、1速段で最も大きく減速される。
また、超低速段のギア比は、1速段よりも大きく、超高速段のギア比は、6速段よりも小さい。
このギア比に対応し、メインギア群114のギアの径の関係は、図7に示すように、第1速メインギアM1の径<第2速メインギアM2の径<第3速メインギアM3の径<第4速メインギアM4の径<第5速メインギアM5の径<第6速メインギアM6の径となっている。
クラッチ12は、1速段では第1クラッチ19が接続され、2速段では第2クラッチ20が接続され、3速段では第1クラッチ19が接続され、4速段では第2クラッチ20が接続され、5速段では第1クラッチ19が接続され、6速段では第2クラッチ20が接続され、超低速段では第1クラッチ19が接続され、超高速段では第2クラッチ20が接続される。
図9に示すように、第1速シフトフォーク127によって第1速シフター121がスライドされて第1速カウンタギアC1がカウンタ軸15に固定されるとともに、第1クラッチ19が接続されると、1速段が確立される。1速段では、第1クラッチ19が接続されるとともに第2クラッチ20が切断されており、エンジンの動力は、第1クラッチ19から内軸17、第1速メインギアM1、第1速カウンタギアC1及びカウンタ軸15を順に通る動力伝達経路R1aを介して出力歯車15aから出力される。
また、1速段では、第2速シフター122がスライドされて第2速カウンタギアC2がカウンタ軸15に固定された2速段の予備変速状態となっている。1速段から2速段にシフトアップする場合、2速段の予備変速状態から第1クラッチ19を切断し、第2クラッチ20を接続することでシフトアップを行うことができ、クラッチ12を切り替えるだけでシフトアップを速やかに行うことができる。
なお、2速段の予備変速状態では、第2クラッチ20が切断されているため、外軸18は、第2速カウンタギアC2から第2速メインギアM2に伝達される動力によって空転するだけである。
このように、変速装置110では、次段への予備変速を行うとともに、第1クラッチ19及び第2クラッチ20を交互に切り替えることで、速やかに変速を行うことができる。
図10に示すように、第6速シフトフォーク134によって第6速シフター126がスライドされて第6速カウンタギアC6がカウンタ軸15に固定されるとともに、第2クラッチ20が接続されると、6速段が確立される。6速段では、第2クラッチ20が接続されるとともに第1クラッチ19が切断されており、エンジンの動力は、第2クラッチ20から外軸18、第6速メインギアM6、第6速カウンタギアC6及びカウンタ軸15を順に通る動力伝達経路R6aを介して出力歯車15aから出力される。
また、6速段では、第5速シフター125がスライドされて第5速カウンタギアC5がカウンタ軸15に固定された5速段の予備変速状態となっている。6速段から5速段にシフトダウンする場合、5速段の予備変速状態から第2クラッチ20を切断し、第1クラッチ19を接続することでシフトダウンを行うことができ、クラッチ12を切り替えるだけでシフトダウンを速やかに行うことができる。
超低速段は、1速段よりも低速の変速段であり、図9の1速段の状態から変速される。
超低速段では、1速段の状態に対し、第1速シフター121及び第2速シフター122が戻され、第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6がスライドさせられてギア連結体141が形成され、第4速カウンタギアC4が第4速シフター124によってカウンタ軸15に固定されている。
超低速段では、第1クラッチ19が接続されるとともに、第2クラッチ20が切断される。すなわち、超低速段では、第1クラッチ19を介してエンジンからの動力が伝達される内軸17が第1メイン軸であり、第2クラッチ20が切断されてエンジンからの動力が遮断される外軸18が第2メイン軸である。
第1速メインギアM1及び第6速メインギアM6は、第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6がギア連結部材140側にスライドした場合であっても第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6との噛み合いがそれぞれ維持されるように、軸方向に長く形成されている。
すなわち、超低速段の動力伝達経路Rsl2では、カウンタ軸15に形成されたギア連結体141が、第1速メインギアM1によってカウンタ軸15上で回転させられ、エンジンの動力は、第1速メインギアM1から第1速カウンタギアC1に入力される際に減速されるとともに、第6速カウンタギアC6から第6速メインギアM6に入力される際にも減速される。ここで、第6速カウンタギアC6から第6速メインギアM6への動力の伝達経路は、通常の6速段の伝達経路の逆方向であり、第6速カウンタギアC6の径が第6速メインギアM6の径よりも小さいため、動力は第6速カウンタギアC6から第6速メインギアM6に伝達される際に減速される。このため、第1速よりもさらに大きなギア比の超低速段を確立できる。
また、内軸17の最低速メインギアである第1速メインギアM1に噛み合う第1速カウンタギアC1と、外軸18の最高速メインギアである第6速メインギアM6に噛み合う第6速カウンタギアC6と、をギア連結部材140で連結するため、最低速のギアと最高速のギアとを組み合わせた大きなギア比を得ることができ、効果的に超低速段を設けることができる。
さらに、外軸18において最も軸端側に配置される第6速メインギアM6に噛み合う第6速カウンタギアC6と、内軸17側で第6速メインギアM6に隣接する第1速メインギアM1に噛み合う第1速カウンタギアC1とを連結するため、ギア連結部材140によって容易に第6速カウンタギアC6と第1速カウンタギアC1とを連結して超低速段を設けることができる。
超高速段は、6速段(超高速段の1つ下の段)よりも高速の変速段であり、図10の6速段の状態から変速される。
超高速段では、6速段の状態に対し、第6速シフター126が戻され、第1速カウンタギアC1及び第6速カウンタギアC6がスライドさせられてギア連結体141が形成され、第5速カウンタギアC5が5速段の予備変速状態と同じくカウンタ軸15に固定されている。
超高速段では、第2クラッチ20が接続されるとともに、第1クラッチ19が切断される。すなわち、超高速段では、第2クラッチ20を介してエンジンからの動力が伝達される外軸18が第1メイン軸であり、第1クラッチ19が切断されてエンジンからの動力が遮断される内軸17が第2メイン軸である。
すなわち、超高速段の動力伝達経路Reo2では、カウンタ軸15に形成されたギア連結体141が、第6速メインギアM6によってカウンタ軸15上で回転させられ、エンジンの動力は、第6速メインギアM6から第6速カウンタギアC6に入力される際に増速されるとともに、第1速カウンタギアC1から第1速メインギアM1に入力される際にも増速される。ここで、第1速カウンタギアC1から第1速メインギアM1への動力の伝達経路は、通常の1速段の伝達経路の逆方向であり、第1速カウンタギアC1の径が第1速メインギアM1の径よりも大きいため、動力は第1速カウンタギアC1から第1速メインギアM1に伝達される際に増速される。このため、第6速よりもさらに小さなギア比の超高速段を確立できる。
また、外軸18の最高速メインギアである第6速メインギアM6に噛み合う第6速カウンタギアC6と、内軸17の最低速メインギアである第1速メインギアM1に噛み合う第1速カウンタギアC1と、をギア連結部材140で連結するため、最高速のギアと最低速のギアとを組み合わせた小さなギア比を得ることができ、効果的に超高速段を設けることができる。
さらに、外軸18において最も軸端側に配置される第6速メインギアM6に噛み合う第6速カウンタギアC6と、内軸17側で第6速メインギアM6に隣接する第1速メインギアM1に噛み合う第1速カウンタギアC1とを連結するため、ギア連結部材140によって容易に第6速カウンタギアC6と第1速カウンタギアC1とを連結して超高速段を設けることができる。
また、図11及び図12に示すように、変速機111を超高速段から超低速段の配置にしようとする場合、第5速シフター125を戻すとともに第4速シフター124を第4速カウンタギアC4に係合させ、クラッチ12を、第2クラッチ20が接続された状態から第1クラッチ19が接続された状態に切り替えるだけで良く、ギア連結体141の切り替えは不要である。このため、簡単な構成で1台の変速機111に超高速段及び超低速段を設けることができる。
また、外軸18及び内軸17のうちの、クラッチ12の第2クラッチ20が接続された第1メイン軸である外軸18に支持された第1メインギアとしての第6速メインギアM6、ギア連結部材140により連結された第1カウンタギアとしての第6速カウンタギアC6及び第2カウンタギアとしての第1速カウンタギアC1、及び、カウンタ軸15に一体回転可能に支持された第3カウンタギアとしての第5速カウンタギアC5を介した動力伝達経路Reo2(図12)によって動力が出力される。これにより、第6速メインギアM6と第6速カウンタギアC6との間のギア比と、第1速カウンタギアC1と第1速メインギアM1との間のギア比と、を合わせた新たな変速段である超高速段を、ギアの数を増やさずに確立できる。このため、変速装置110を多段化でき、且つ、小型化できる。
また、メイン軸13では、外軸18及び内軸17のうちの一方の軸である内軸17に第1速メインギアM1及び第5速メインギアM5が一体回転可能に支持され、他方の軸である外軸18に第4速メインギアM4及び第6速メインギアM6が一体回転可能に支持され、カウンタ軸15では、第1速カウンタギアC1乃至第6速カウンタギアC6が、第1速メインギアM1乃至第6速メインギアM6にそれぞれ噛み合うように支持され、第1速カウンタギアC1と第6速カウンタギアC6とがギア連結部材140により連結され、第5速カウンタギアC5を介してカウンタ軸15から動力が出力され、クラッチ12は、外軸18を第1メイン軸として動力を伝達し、内軸17を第2メイン軸として動力を遮断する。これにより、第6速メインギアM6と第6速カウンタギアC6との間のギア比と、ギア連結部材140で第6速カウンタギアC6に連結される第1速カウンタギアC1と第1速メインギアM1との間のギア比と、を合わせた超高速の変速段をギアの数を増やさずに確立し、第5速カウンタギアC5を介してカウンタ軸15から動力を出力できる。
上記第1及び第2の実施の形態では、一方の軸である内軸17に奇数段を設け、他方の軸である外軸18に偶数段を設ける例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方の軸を外軸18とし、外軸18に奇数段を設け、他方の軸を内軸17とし、内軸17に偶数段を設ける構成としても良い。
また、上記第1及び第2の実施の形態では、超低速段及び超高速段を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ギア連結部材で2つのカウンタギアを連結し、最低速メインギアの変速段と最高速メインギアの変速段との間の中間の変速段を設ける構成としてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4がスライドしてギア連結部材40に係合するものとして説明したが、これに限らず、例えば、ギア連結部材40が軸方向に延出して第1速カウンタギアc1及び第4速カウンタギアc4に係合する構成としても良い。
また、上記第2の実施の形態の図12では、超高速段において第5速カウンタギアC5が第5速シフター125によってカウンタ軸15に固定されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、動力は、内軸17のメインギアに噛み合うカウンタギアによって伝達されれば良い。例えば、第3速カウンタギアC3を第3速シフター123でカウンタ軸15に固定して、第3速カウンタギアC3で動力を伝達しても良い。
12 クラッチ
13 メイン軸
14,114 メインギア群(メインギア)
15 カウンタ軸
16,116 カウンタギア群(カウンタギア)
17 内軸(第1メイン軸,第2メイン軸、一方の軸)
18 外軸(第2メイン軸,第1メイン軸、他方の軸)
40,140 ギア連結部材
c1 第1速カウンタギア(第1カウンタギア、第2カウンタギア)
c2 第2速カウンタギア(第3カウンタギア)
c3 第3速カウンタギア(第3カウンタギア)
c4 第4速カウンタギア(第2カウンタギア、第1カウンタギア)
m1 第1速メインギア(第1メインギア、第2メインギア、最低速メインギア)
m2 第2速メインギア
m3 第3速メインギア
m4 第4速メインギア(第1メインギア、最高速メインギア、最も軸端側に配置されるメインギア)
C1 第1速カウンタギア(第1カウンタギア、第2カウンタギア)
C4 第4速カウンタギア(第3カウンタギア)
C5 第5速カウンタギア(第3カウンタギア)
C6 第6速カウンタギア(第2カウンタギア、第1カウンタギア)
M1 第1速メインギア(第1メインギア、第2メインギア、最低速メインギア)
M4 第4速メインギア
M5 第5速メインギア
M6 第6速メインギア(第1メインギア、最高速メインギア、最も軸端側に配置されるメインギア)
Reo 動力伝達経路
Reo2 動力伝達経路
Rsl 動力伝達経路
Rsl2 動力伝達経路
Claims (11)
- 外軸(18)及び内軸(17)を備え、当該外軸(18)及び当該内軸(17)のそれぞれにメインギア(14,114)を備えるとともに、当該外軸(18)及び当該内軸(17)への動力がクラッチ(12)によって伝達及び遮断されるメイン軸(13)と、前記メインギア(14,114)に噛み合う複数のカウンタギア(16,116)を支持するカウンタ軸(15)とを備える変速装置において、
前記カウンタ軸(15)に設けられ、2つの前記カウンタギア(c1,c4,C1,C6)を連結するとともに前記カウンタ軸(15)に対して回転自在に支持するギア連結部材(40,140)を備え、
前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの、前記クラッチ(12)が接続された第1メイン軸(17,18)に支持された第1メインギア(m1,m4,M1,M6)、前記ギア連結部材(40,140)により連結された第1カウンタギア(c1,c4,C1,C6)及び第2カウンタギア(c1,c4,C1,C6)、及び、前記カウンタ軸(15)に一体回転可能に支持された第3カウンタギア(c2,c3,C4,C5)を介した動力伝達経路(Rsl,Reo,Rsl2,Reo2)によって動力が出力されることを特徴とする変速装置。 - 前記メイン軸(13)では、前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)に第1速メインギア(m1)及び第3速メインギア(m3)が一体回転可能に支持され、他方の軸(18)に第2速メインギア(m2)及び第4速メインギア(m4)が一体回転可能に支持され、
前記カウンタ軸(15)では、第1速カウンタギア(c1)乃至第4速カウンタギア(c4)が、前記第1速メインギア(m1)乃至前記第4速メインギア(m4)にそれぞれ噛み合うように支持され、
前記第1速カウンタギア(c1)と前記第4速カウンタギア(c4)とが前記ギア連結部材(40)により連結され、第2速カウンタギア(c2)を介して前記カウンタ軸(15)から動力が出力され、
前記クラッチ(12)は、前記一方の軸(17)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記他方の軸(18)を第2メイン軸として動力を遮断することを特徴とする請求項1記載の変速装置。 - 前記メイン軸(13)では、前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)に第1速メインギア(m1)及び第3速メインギア(m3)が一体回転可能に支持され、他方の軸(18)に第2速メインギア(m2)及び第4速メインギア(m4)が一体回転可能に支持され、
前記カウンタ軸(15)では、第1速カウンタギア(c1)乃至第4速カウンタギア(c4)が、前記第1速メインギア(m1)乃至前記第4速メインギア(m4)にそれぞれ噛み合うように支持され、
前記第1速カウンタギア(c1)と前記第4速カウンタギア(c4)とが前記ギア連結部材(40)により連結され、第3速カウンタギア(c3)を介して前記カウンタ軸(15)から動力が出力され、
前記クラッチ(12)は、前記他方の軸(18)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記一方の軸(17)を第2メイン軸として動力を遮断することを特徴とする請求項1記載の変速装置。 - 前記クラッチ(12)は、前記一方の軸(17)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記他方の軸(18)を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、
前記第3カウンタギアは、前記クラッチ(12)の切り替えに伴って、前記第3速カウンタギア(c3)から第2速カウンタギア(c2)に切り替わることを特徴とする請求項3記載の変速装置。 - 前記メイン軸(13)では、前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)に第1速メインギア(M1)及び第5速メインギア(M5)が一体回転可能に支持され、他方の軸(18)に第4速メインギア(M4)及び第6速メインギア(M6)が一体回転可能に支持され、
前記カウンタ軸(15)では、第1速カウンタギア(C1)乃至第6速カウンタギア(C6)が、前記第1速メインギア(M1)乃至前記第6速メインギア(M6)にそれぞれ噛み合うように支持され、
前記第1速カウンタギア(C1)と前記第6速カウンタギア(C6)とが前記ギア連結部材(140)により連結され、第4速カウンタギア(C4)を介して前記カウンタ軸(15)から動力が出力され、
前記クラッチ(12)は、前記一方の軸(17)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記他方の軸(18)を第2メイン軸として動力を遮断することを特徴とする請求項1記載の変速装置。 - 前記メイン軸(13)では、前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)に第1速メインギア(M1)及び第5速メインギア(M5)が一体回転可能に支持され、他方の軸(18)に第4速メインギア(M4)及び第6速メインギア(M6)が一体回転可能に支持され、
前記カウンタ軸(15)では、第1速カウンタギア(C1)乃至第6速カウンタギア(C6)が、前記第1速メインギア(M1)乃至前記第6速メインギア(M6)にそれぞれ噛み合うように支持され、
前記第1速カウンタギア(C1)と前記第6速カウンタギア(C6)とが前記ギア連結部材(140)により連結され、第5速カウンタギア(C5)を介して前記カウンタ軸(15)から動力が出力され、
前記クラッチ(12)は、前記他方の軸(18)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記一方の軸(17)を第2メイン軸として動力を遮断することを特徴とする請求項1記載の変速装置。 - 前記クラッチ(12)は、前記一方の軸(17)を前記第1メイン軸として動力を伝達し、前記他方の軸(18)を第2メイン軸として動力を遮断する状態に切り替え可能であり、
前記第3カウンタギアは、前記クラッチ(12)の切り替えに伴って、前記第5速カウンタギア(C5)から第4速カウンタギア(C4)に切り替わることを特徴とする請求項6記載の変速装置。 - 前記動力伝達経路(Rsl,Rsl2)によって確立される超低速段と1速段との変速段の切り替えは、前記外軸(18)及び前記内軸(17)への動力を遮断した状態で行われることを特徴とする請求項2または5に記載の変速装置。
- 前記動力伝達経路(Reo,Reo2)によって確立される超高速段と、当該超高速段の1つ下の段との変速段の切り替えは、前記外軸(18)及び前記内軸(17)への動力を遮断した状態で行われることを特徴とする請求項3または6に記載の変速装置。
- 前記外軸(18)及び前記内軸(17)のうちの一方の軸(17)の最低速メインギア(m1,M1)と他方の軸(18)の最高速メインギア(m4,M6)とが隣接して配置され、前記クラッチ(12)の制御により、前記動力伝達経路(Rsl,Reo,Rsl2,Reo2)によって確立される超低速段または超高速段が選択されることを特徴とする請求項1記載の変速装置。
- 前記第1メインギアは、前記外軸(18)において最も軸端側に配置されるメインギア(m4,M6)であり、前記内軸(17)は、前記第1メインギアに隣接する第2メインギア(m1,M1)を備え、
前記第1カウンタギア(c4,C6)は前記第1メインギア(m4,M6)に噛み合い、前記第2カウンタギア(c1,C1)は前記第2メインギア(m1,M1)に噛み合うことを特徴とする請求項1記載の変速装置。
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