JP6400859B2 - 鉄心装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、金型上に複数配列された分割積層鉄心において、鉄心同士は板状コア片の凸部と凹部を嵌合させることで回転可動を可能とし、両端のみを丸ピンを挿入して真円に形成した構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
実施の形態1は、片端に溝部と顎型突起とを有する第1コア部材と片端に凸部を有する第2コア部材とを交互に積み重ねた構造の分割積層鉄心を使用し、第1コア部材の顎型突起は溝部の開口部を縮小させ、溝部を囲み、溝部と顎型突起の内周で穴部を形成するように変形可能な構造であり、分割積層鉄心の連結は、第1コア部材の穴部と第2コア部材の凸部で行う構造の鉄心装置および位置合わせ工程と、連結工程と、巻線工程と、コア閉じ工程とを備える鉄心装置の製造方法に関するものである。
図1は、電動機の鉄心装置の構成を示す平面図である。鉄心装置1は複数の分割積層鉄心10を環状連結した構成であり、分割積層鉄心10には巻線2が巻き回されている。分割積層鉄心10同士は、後で詳細を説明する凸部10aと穴部10hとを嵌合することで連結されている。また、分割積層鉄心10は、第1コア部材11と第2コア部材12とを鉄心装置1の軸方向に積層固定した構成である。
図2は図1を構成する分割積層鉄心10を連結する工程を説明するための斜視図である。図2(a)は隣接する分割積層鉄心10を連結する前、図2(b)は隣接する分割積層鉄心10の位置合わせをした状態、および図2(c)は分割積層鉄心10を連結した状態の斜視図である。
図3(a)〜図3(c)は、それぞれ図2(a)〜図2(c)に対応する平面図である。
図4(a)は、図2(b)に対応し隣接する分割積層鉄心10の位置合わせをした状態を示す。図4(b)は、矢視XXの断面図、図4(c)はA部詳細図である。
図5は分割積層鉄心10の連結部が形成される過程の詳細を示す平面図である。図5(a)は、図2(b)に対応し、隣接する分割積層鉄心10の位置合わせをした状態を示し、図5(b)は図2(c)に対応し、分割積層鉄心10を連結した状態を示す。
分割積層鉄心10は、第1コア部材11と第2コア部材12を鉄心装置の軸方向に積層固定した構成である。第1コア部材11は板状第1コア片16をカシメ13により積層固定したものであり、第2コア部材12は板状第2コア片17をカシメ13により積層固定したものである。
第1コア部材11は、左端に凸円弧状端面10c、溝部10b、および顎型突起10gを有し、右端に凹円弧状端面10dを有する。
第2コア部材12は、左端に凹円弧状端面10fを有し、右端に凸円弧状端面10eおよび凸部10aを有する。
第1コア部材11と第2コア部材12とから構成された分割積層鉄心10は、連結手段として、左端に凸円弧状端面10c、溝部10b、および顎型突起10gを有し、右端に凸部10aを有する。なお、凸部10aと溝部10bを突合せて、顎型突起10gを変形させることで穴部10hを形成する。
図2(a)、図3(a)に示す隣接する分割積層鉄心10同士を、凸部10aと溝部10bを近づけて挿入し、図2(b)、図3(b)の位置決め状態とする。この時、溝部10bの開口幅は凸部10a直径より大きく形成されているため、凸部10aを溝部10bにスムーズに挿入することができる。
この構造により、後で説明する積層鉄心10を逆反りさせた巻線工程(図6)および積層鉄心10を直線配置した搬送工程(図12(c))において、顎型突起10gを変形させて溝部10bの開口部が閉じられているため、積層鉄心10の連結部は脱落しにくい構造となっている。
図6は、分割積層鉄心10に巻線を巻き回す工程を示している。巻線機(図示なし)のノズル31から繰出されたコイル30が、分割積層鉄心10に巻き回されて、巻線2が形成される。
図5(a)に示されているように、顎型突起10gは薄肉部10iを介して、第1コア部材11とつながっており、顎型突起10gの変形に必要な力を小さくする。さらに、変形逃がし溝10jが面外変形を抑制することで、穴部10h内径のR形状精度が向上する。また、略円形の外周形状を有する凸部10aと穴部10hのそれぞれの中心が同軸となり、この軸を回転軸として隣接する分割積層鉄心10をスムーズに相対回転することが可能となる。
その結果、図6に示すように、複数の分割積層鉄心10を連結した後に、隣接する分割積層鉄心10と巻線機のノズル31から繰出されたコイル30が干渉することなく、巻線作業をすることができる。
また、図6における積層鉄心10を逆反りさせた巻線工程において、顎型突起10gを変形させて溝部10bの開口部が閉じられているため、積層鉄心10の連結部は脱落しにくい。
なお、図7(a)〜図11(a)は図2(b)に対応し、隣接する分割積層鉄心10の位置合わせをした状態を示す。図7(b)〜図11(b)は図2(c)に対応し、分割積層鉄心10を連結した状態を示す。図11(c)も分割積層鉄心10を連結した状態を示す。
図7(a)に示しているように、溝部10bを囲む形状の一部に鉤状突起10kを形成している。この鉤状突起10kは、図7(b)に示すように変形後の顎型突起10gを押さえ、スプリングバックによって顎型突起10gが元に戻ることを防止する。さらに、鉄心搬送中に受ける引張力を、薄肉部10iに加えて鉤状突起10kでも受けることで、鉄心搬送中に受ける引張力に対する耐力を向上することができる。
図8(a)に示しているように、溝部10bを囲む形状の一部に、位置決め溝10mを形成している。図7(b)に示すように顎型突起10gの変形時に突起先端部とこの位置決め溝10mを噛み合わせることで、穴部10hの内径精度を向上させ、鉄心装置1の形状精度を向上することができる。
分割積層鉄心10の形状によっては、鉄心の外周部であるコアバックが厚く、顎型突起10g、薄肉部10i、変形逃し溝10jをコア外周に配置できない場合がある。この場合は、図9(a)に示すように第1コア部材11の顎型突起10g、薄肉部10i、および変形逃がし溝10jをコア内周に配置することも可能である。この場合、図9(b)で示すように、顎型突起10gを外部から治具で押す際に、第2コア部材12との干渉を防止するため、分割積層鉄心10の位置合わせ姿勢を変更している。
図10(a)に示すように第1コア部材11の顎型突起10g、薄肉部10i、および変形逃がし溝10jをコア内周と外周の両側に配置することも可能である。この場合、図10(a)でわかるように、第1コア部材11の溝部10bが大きく広がるために、連結をさらに容易に行うことができる。この場合は、図10(b)で示すように、まずコアバック側の顎型突起10gを変形させた後、コア姿勢を変更して、コア内周側の顎型突起10gを変形させる。
図7〜図10の分割積層鉄心10は、連結時に治工具や装置を必要とするのに対し、図11の連結構成では、治工具や装置なしで連結を行える。
分割積層鉄心10同士を近づけ、図11(a)の状態とすると、左側分割積層鉄心10の第1コア部材11の凹円弧状端面10dの一部である、凹円弧状端面突出部10sが右側分割積層鉄心10の第1コア部材11の顎型突起10gと接する。ここから右側分割積層鉄心10を図面上で時計方向に回転させると、回転させる力により、顎型突起10gが変形し、図11(b)の状態になる。
顎型突起10g変形後は、凹円弧状端面10d、凹円弧状端面突出部10sとは干渉することなく、図11(c)に示すように自由に回転できる。
一方、図14は従来の鉄心装置の製造工程の説明図であり、本願発明との対比および本願発明の優位な特徴を説明するために参照する。
なお、図12(c)における積層鉄心10を直線配置した搬送工程において、顎型突起10gを変形させて溝部10bの開口部が閉じられているため、積層鉄心10の連結部は脱落しにくい。
図13(b)、(c)に示すように、図2〜図4で説明した分割積層鉄心10の連結工程と同様に凸部10aと溝部10bを突合せて位置を合わせ、顎型突起10gを変形させることで穴部10hを形成して、図13(d)の鉄心装置1の製造が完了する。
図14(a)に示すように、従来の鉄心装置3を構成する従来の分割積層鉄心20同士を、分割積層鉄心20の凸部20aと凹部20bとで連結し、巻線前の鉄心装置3aを構成している。なお、分割積層鉄心20は、第4コア部材21と第5コア部材22から構成され、第4コア部材21は凸部20aを有し、第5コア部材22は凹部20bを有する。
次に、分割積層鉄心20の凸部20aと凹部20bとで構成される軸を中心に回転させ、逆反りさせることでコイルと分割積層鉄心20の干渉がない状態で巻線2を巻き回される。その後、1台の分割積層鉄心20を搬送し、隣の分割積層鉄心20に対して巻線を巻き回す工程を連続して実施していくことで、図14(b)の巻線2が巻き回された環状配列前の鉄心装置3bを構成する。
次に、図14(c)に示すように、環状を形成し、コア端部の凹円弧状端面20cとコア端部の凸円弧状端面20dを突合せる。さらに、図14(d)に示すように、溶接等の手段によりコア端部接合20eを形成し、従来の鉄心装置3の製造が完了する。
なお、コア端部に凹円弧状端面20cおよび凸円弧状端面20dを有する分割積層鉄心は、分割積層鉄心20とは形状が異なる別の分割積層鉄心であるが、実施の形態3で使用するのは分割積層鉄心20のみであるため説明は省略する。
図15(a)は、環状を形成し、分割積層鉄心10の凸部10aと溝部10bを突合せた図13(c)と同じ状態を示している。次に図15(b)で顎型突起10gをパンチ等で切断した後、図15(c)では溶接等の手段によりコア端部接合20eを形成することで、鉄心装置1を得ることが可能である。
先に説明した図12、図13の鉄心装置1の製造工程では、分割積層鉄心10を連結後、環状配列前の段階で巻線を巻き回していた。
図16(a)、(b)では、分割積層鉄心10毎に巻線2を巻き回している。図16(c)、(d)に示すように、2台の巻線後の分割積層鉄心10の凸部10aと溝部10bを突合せた後に連結治具40で顎型突起10gを押しこんで連結している。さらに図16(e)に示すように、図16(c)、(d)で連結した2台の分割積層鉄心10をさらに連結して、環状配列前の鉄心装置1bを構成している。
図16で説明した巻線方法は、図12、図13で説明した連結後に巻線を巻き回す場合に比較して生産速度は遅いが、安価な巻線機を使用できる利点がある。
図16は分割積層鉄心10を1台毎に巻線、連結した例であるが、分割積層鉄心10を2台や4台等、複数分割積層鉄心10を同時に巻線することも可能であり、生産ラインに応じて最適な工程とすることができる。
図16では分割積層鉄心10を1台ずつ連結治具40で連結作業を行っていた。しかし、図17(a)、(b)のように巻線前の複数の分割積層鉄心10を同時に連結することが可能である。ここで、図17(a)は、分割積層鉄心10の略円形の凸部10aと溝部10bを突合せた後に同時連結治具41で顎型突起10gを押し込む前の状態を示している。図17(b)は、同時連結治具41で顎型突起10gを押し込んで連結した状態を示している。
図18(a)、(b)のように巻線後の複数の分割積層鉄心10を同時に連結することも可能である。ここで、図18(a)は、分割積層鉄心10の凸部10aと溝部10bを突合せた後に同時連結治具41で顎型突起10gを押し込む前の状態を示している。図18(b)は、同時連結治具41で顎型突起10gを押し込んで連結した状態を示している。
なお、本実施の形態1の鉄心装置の製造方法は、複数の分割積層鉄心10を連結して環状と成す鉄心装置1の製造方法であって、片端に溝部10bと顎型突起10gを有する第1コア部材11と、片端に凸部10aを有する第2コア部材12とから構成された分割積層鉄心10を用い、以下のステップ1(S01)からステップ4(S04)の工程から成るものである。
鉄心装置5は、4台の分割積層鉄心10を矩形状に連結した構成である。分割積層鉄心10は、第1コア部材11と第2コア部材12とを鉄心装置5の軸方向に積層固定した構成であり、分割積層鉄心10には巻線2が巻き回されている(図示なし)。
このため、実施の形態1の鉄心装置およびその製造方法は、分割積層鉄心同士を回転可能としながら連結部の脱落を防ぐことができ、丸ピン等の別部品を必要としない鉄心装置とすることができる。このため、鉄心装置の取り扱いや管理が容易となり、生産工程の改善を図ることができる。
実施の形態2の鉄心装置は、実施の形態1の分割積層鉄心に比較して、第1コア部材の積層枚数を第2コア部材の積層枚数より減らすことで、分割積層鉄心の連結を容易にしたものである。
なお、図21、図22では、図4の分割積層鉄心を上下逆にした構成となっている。
図21において、左端に凸円弧状端面10c、溝部10b、および顎型突起10gを有する第1コア部材11を、右端に凸部10aと凸円弧状端面10eを有する第2コア部材12の間に挿入する。なお、図21では、図を分かりやすくするために、凸円弧状端面10cと凸円弧状端面10eとのみを記載している。
積層鋼板の板厚バラつき等により第1コア部材11の凸円弧状端面10c、溝部10b、および顎型突起10gの厚みが、凸部10aと凸円弧状端面10eを有する第2コア部材12の間隔より大きい場合、第2コア部材12の凸円弧状端面10e部を押し広げながら挿入することになり、挿入に大きな力が必要となる。さらに、分割積層鉄心10を破壊する懸念がある。
図21では第1コア部材11と、第2コア部材12を交互に同じ枚数を積層している。これに対し、図22では、第1コア部材11を第2コア部材12より1枚減らし、その代わりに両側が凹円弧状端面である第3コア部材14を1枚積層している。こうすることで、左側端部のコア部材の積層枚数と右側端部のコア部材に積層枚数が異なる非対称分割積層鉄心15を形成する。なお、第3コア部材14は第3コア片18を積層固定したものである。
非対称分割積層鉄心15は、図22(c)に示すようにコア部材2枚分の隙間があるため、スムーズに挿入することができる。図22では第1コア部材を1枚減らしているが、複数枚減らすことも可能である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
実施の形態3は、実施の形態1の鉄心装置の分割積層鉄心を第1分割積層鉄心とし、さらに片端に凸部を有する第4コア部材と片端に凹部を有する第5コア部材とを交互に積み重ねた構造の分割積層鉄心を第2分割積層鉄心とし、これら第1分割積層鉄心および第2分割積層鉄心を組み合わせて、鉄心装置を構成し、分割積層鉄心の連結は、第1コア部材の穴部または第5コア部材の凹部と、第2コア部材の凸部または第4コア部材の凸部で行う構造の鉄心装置、および打ち抜き工程と、位置合わせ工程と、連結工程と、巻線工程と、コア閉じ工程と、を備える鉄心装置の製造方法に関するものである。
図23〜図27において、実施の形態1の図1〜図14と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
また、実施の形態1の鉄心装置1と区別するために、鉄心装置4としている。
分割積層鉄心10と従来の分割積層鉄心20の連結、および分割積層鉄心20間の連結は分割積層鉄心10、20の凹部20b、凸部10a、20aを用い、コア部材の打ち抜きの際に行う。打ち抜き工程後の環状配列時の連結は、後工程において実施の形態1で説明した分割積層鉄心10の溝部10b、顎型突起10gを用いて、顎型突起10gを変形させて行う。
分割積層鉄心20同士は、実施の形態1の図14で説明した凸部20aと凹部20bとが嵌合することにより回転可能ができる状態で連結されている。
配列の片端部には分割積層鉄心10が配置され、分割積層鉄心10と分割積層鉄心20との連結は、分割積層鉄心10の凸部10aと分割積層鉄心20の凹部20bとが嵌合することにより回転可動ができる状態で連結されている。
さらに、巻線前の鉄心装置4bに巻線2を巻き回して、環状を形成し、最後に実施の形態1の顎型突起10gを変形させる連結方法で連結固定を行い、鉄心装置4の製造が完了する。
図24は図23を構成する分割積層鉄心10、20を製造する金型の打ち抜きレイアウトの平面図であり、図25は製造された分割鉄心装置4aの斜視図である。図26(a)、(b)および図27(a)、(b)は分割積層鉄心10、20を連結、巻線、環状配列を行い、鉄心装置4を製造する工程を説明する平面図である。
分割積層鉄心10と従来の分割積層鉄心20の配列は、鉄心材料50から図示しないパンチにより打ち抜かれ、カシメ13により積層固定される。鉄心材料50はパイロット穴51により送られることで、プレス等で打ち抜き、積層固定を連続して行うことが可能となる。
図24では、2列対の配列とすることで、材料歩留まりを向上させているが、1列のみとすることで、金型を小型化することも可能である。また、図24は鉄心装置4をコア片6個ずつの2分割で製造することを想定した例であるが、コアの分割数や分割されたコア片の数は設計者が自由に決めることができる。例えば、コア片3個ずつの4分割にしても良いし、コア片5個とコア片7個に2分割することも可能である。
また、図15(a)〜図15(c)に示したように、顎型突起10gを切断後に、溶接等でコア端部接合20eを形成してもよい。
なお、本実施の形態3の鉄心装置の製造方法は、複数の分割積層鉄心10と分割積層鉄心20とを連結して環状と成す鉄心装置4の製造方法であって、分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心10と第2分割積層鉄心20から成り、第1分割積層鉄心10は、第1コア部材11と第2コア部材12とを交互に積み重ねた構造を成し、第1コア部材11の片端は溝部と顎型突起10gを有し、第2コア部材12の片端は略円形の凸部10aを有し、第2分割積層鉄心20は、第4コア部材21と第5コア部材22とを交互に積み重ねた構造を成し、第4コア部材21の片端は略円形の凸部20aを有し、第5コア部材22の片端は凹部20bを有し、この凹部20bは第2コア部材12の凸部10aおよび第4コア部材21の凸部20aと嵌合して回転し、複数の分割積層鉄心10、20の配列の片端部の分割積層鉄心に第1分割積層鉄心10を用い、その他の分割積層鉄心には、第2分割積層鉄心20を使用し、以下のステップ31(S31)からステップ35(S35)の工程から成るものである。
また、分割積層鉄心10と分割積層鉄心20との嵌合、分割積層鉄心20間の嵌合を金型内で行う例を説明したが、各コア部材の積層のみを金型内で行い、分割積層鉄心10と分割積層鉄心20との嵌合、分割積層鉄心20間の嵌合を別工程で行うこともできる。
また、実施の形態3の発明を零相変流器の鉄心装置などの矩形あるいは多角形状の鉄心装置に適用できる。
このため、実施の形態3の鉄心装置およびその製造方法は、分割積層鉄心同士を回転可能としながら連結部の脱落を防ぐことができ、丸ピン等の別部品を必要としない鉄心装置とすることができる。
Claims (16)
- 複数の分割積層鉄心を連結して環状または多角形状と成す鉄心装置であって、
前記分割積層鉄心は、第1コア部材と第2コア部材とを積み重ねた構造を成し、
前記第1コア部材の片端は溝部と顎型突起とを有し、
前記第2コア部材の片端は円形の凸部を有し、
前記第1コア部材の前記顎型突起は前記溝部の開口部を縮小させ、前記溝部を囲み、前記溝部と前記顎型突起の内周で穴部を形成するように変形可能な構造であり、
前記分割積層鉄心の連結は、前記第1コア部材の前記穴部と前記第2コア部材の前記凸部で行う構造の鉄心装置。 - 前記顎型突起は、薄肉部を介して前記第1コア部材と繋がっている請求項1に記載の鉄心装置。
- 前記顎型突起は、変形逃し溝を介して前記第1コア部材と繋がっている請求項1または請求項2に記載の鉄心装置。
- 前記第1コア部材の前記溝部はさらに鉤状突起を有し、前記鉤状突起は前記分割積層鉄心の連結状態において前記顎型突起を押さえる形状を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鉄心装置。
- 前記第1コア部材の前記溝部にさらに位置決め溝を有し、前記位置決め溝は前記分割積層鉄心の連結状態において前記顎型突起の先端部と噛み合う形状を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鉄心装置。
- 前記第1コア部材の前記穴部と前記第2コア部材の前記凸部は同軸である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鉄心装置。
- 前記顎型突起は、薄肉部および変形逃がし溝を介して前記第1コア部材と繋がり、前記顎型突起、前記薄肉部、および前記変形逃がし溝は前記分割積層鉄心の内周側に配置した請求項1に記載の鉄心装置。
- 前記顎型突起は、薄肉部および変形逃がし溝を介して前記第1コア部材と繋がり、前記顎型突起、前記薄肉部、および前記変形逃し溝は前記分割積層鉄心の内周と外周の両側に配置した請求項1に記載の鉄心装置。
- 前記第1コア部材の前記溝部を有する端部に対向する端部の凹円弧状端面の一部に突出部を設け、前記突出部は前記第1コア部材の前記溝部を前記第2コア部材の前記凸部に挿入して回転させた時、前記第1コア部材の前記顎型突起と干渉し、前記顎型突起を変形させることができる形状を有する請求項6に記載の鉄心装置。
- 前記第1コア部材の枚数を前記第2コア部材の枚数より減らし、その減らした枚数分の前記第2コア部材の代わりに両側が凹円弧状端面を有する第3コア部材を積層した請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の鉄心装置。
- 複数の分割積層鉄心を連結して環状または多角形状と成す鉄心装置であって、
前記分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心および第2分割積層鉄心から成り、
前記第1分割積層鉄心は第1コア部材と第2コア部材とを積み重ねた構造を成し、
前記第1コア部材の片端は溝部と顎型突起とを有し、
前記第2コア部材の片端は円形の第1凸部を有し、
前記第1コア部材の前記顎型突起は前記溝部の開口部を縮小させ、前記溝部を囲み、前記溝部と前記顎型突起の内周で穴部を形成するように変形可能な構造であり、
前記第2分割積層鉄心は、第4コア部材と第5コア部材とを積み重ねた構造を成し、
前記第4コア部材の片端は円形の第2凸部を有し、
前記第5コア部材の片端は凹部を有し、
前記分割積層鉄心の連結は、前記第1コア部材の前記穴部と前記第2コア部材の前記第1凸部または前記第4コア部材の前記第2凸部で行うか、
あるいは前記第5コア部材の前記凹部と前記第2コア部材の前記第1凸部または前記第4コア部材の前記第2凸部で行う構造の鉄心装置。 - 複数の分割積層鉄心を連結して環状または多角形状と成す鉄心装置の製造方法であって、
片端に溝部と顎型突起を有する第1コア部材と、片端に凸部を有する第2コア部材とから構成された前記分割積層鉄心を用い、
前記第1コア部材の前記溝部に前記第2コア部材の前記凸部を挿入して第1の前記分割積層鉄心と第2の前記分割積層鉄心との位置合わせを行う位置合わせ工程と、
前記第1コア部材の前記顎型突起を変形させ、前記溝部の開口部を縮小させ、前記溝部を囲み、前記溝部と前記顎型突起の内周で穴部を形成して、前記穴部と前記第2コア部材の前記凸部とを嵌合する連結工程と、
複数の前記分割積層鉄心に巻線を巻き回す巻線工程と、
前記連結され、巻線が巻き回された複数の前記分割積層鉄心を環状に配列し、両端部の第1コア部材の前記顎型突起を変形させ、前記第2コア部材の前記凸部と嵌合させ連結固定するコア閉じ工程と、
からなる鉄心装置の製造方法。 - 前記位置合わせ工程の前に、前記分割積層鉄心に巻線を巻き回しを実施し、
前記連結工程の次に前記コア閉じ工程を実施する請求項12に記載の鉄心装置の製造方法。 - 前記連結工程において、複数箇所の前記第1コア部材の前記顎型突起を同時に押し込む治具を用い、複数の前記分割積層鉄心を同時に連結する請求項12に記載の鉄心装置の製造方法。
- 前記連結工程と前記コア閉じ工程において、
前記第1コア部材の前記顎型突起を切断し、連結した端部を溶接または接着で連結する
請求項12に記載の鉄心装置の製造方法。 - 複数の分割積層鉄心を連結して環状または多角形状と成す鉄心装置の製造方法であって、
前記分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心および第2分割積層鉄心から成り、
前記第1分割積層鉄心は、第1コア部材と第2コア部材とを積み重ねた構造を成し、
前記第1コア部材の片端は溝部と顎型突起を有し、
前記第2コア部材の片端は円形の第1凸部を有し、
前記第2分割積層鉄心は、第4コア部材と第5コア部材とを積み重ねた構造を成し、
前記第4コア部材の片端は円形の第2凸部を有し、
前記第5コア部材の片端は凹部を有し、
複数の前記分割積層鉄心の配列の片端部に第1分割積層鉄心を用い、その他の前記分割積層鉄心には、前記第2分割積層鉄心を使用し、
前記第1コア部材、前記第2コア部材、前記第4コア部材、および前記第5コア部材を鉄心材料から打ち抜き、この打ち抜きと共に前記第1コア部材と前記第2コア部材は積層されて、第1分割積層鉄心が形成され、第4コア部材および第5コア部材は積層されて第2分割積層鉄心が形成されると共に、前記分割積層鉄心同士は、前記第1凸部および前記第2凸部と前記凹部とが金型内で嵌合された状態で積層される打ち抜き工程と、
前記第1分割積層鉄心の前記第1コア部材の前記溝部に前記第2分割積層鉄心の前記第4コア部材の前記凸部を挿入して第1の前記分割積層鉄心と第2の前記分割積層鉄心との位置合わせを行う位置合わせ工程と、
前記第1分割積層鉄心の前記第1コア部材の前記顎型突起を変形させ、前記溝部の開口部を縮小させ、前記溝部を囲み、前記溝部と前記顎型突起の内周で穴部を形成して、前記穴部と前記第4コア部材の前記第2凸部とを嵌合する連結工程と、
複数の前記分割積層鉄心に巻線を巻き回す巻線工程と、
前記連結され、巻線が巻き回された複数の前記分割積層鉄心を環状に配列し、両端部の第1コア部材の前記顎型突起を変形させ、前記第4コア部材の前記第2凸部と嵌合させ連結固定するコア閉じ工程と、
から成る鉄心装置の製造方法。
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