JP6391437B2 - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
小型かつ軽量で高減速比が得られる歯車装置として、撓み噛合い式歯車装置が知られている。この装置は、剛性の内歯歯車と、その内側に配置された可撓性の外歯歯車と、外歯歯車を半径方向に撓めて内歯歯車に対して2箇所で部分的に噛み合わせると共に噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動発生器と、で構成される。また、波動発生器は、起振体と、起振体に外嵌される起振体軸受とを含み、外歯歯車は、起振体軸受に外嵌する。従来では、例えば特許文献1に記載の撓み噛合い式歯車装置が提案されている。
特開2009−299780号公報
従来の撓み噛合い式歯車装置では、外歯歯車と起振体軸受の外輪との間で滑りが生じる場合がある。滑りが生じると、摩擦熱により外歯歯車や波動発生器の温度が上昇し、この温度上昇によって潤滑剤の温度も上昇する。潤滑剤の温度が上昇すると潤滑剤の性能が劣化し、撓み噛合い式歯車装置の寿命を縮める原因となる。
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、撓み噛合い式歯車装置の長寿命化を図ることができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の撓み噛合い式歯車装置は、起振体と、起振体に外嵌する起振体軸受と、起振体軸受に外嵌する、可撓性を有する外歯歯車と、を備える撓み噛合い式歯車装置であって、起振体軸受の外輪は、起振体に外嵌する前の状態において円筒形状の外周面を有する筒部と筒部から外側に突出する凸部とを含む。外歯歯車の内周には、凸部に対応する凹部が設けられ、凸部の頂点は、起振体の中心と外歯歯車の歯底とを結ぶ直線上に存在しない。
本発明の別の態様もまた、撓み噛合い式歯車装置である。この装置は、起振体と、起振体に外嵌する起振体軸受と、起振体軸受に外嵌する、可撓性を有する外歯歯車と、を備える撓み噛合い式歯車装置であって、起振体軸受の外輪は、起振体に外嵌する前の状態において円筒形状の外周面を有する筒部と筒部から内側に窪む第1凹部とを含む。外歯歯車の内周には、第1凹部に対応する第2凹部が設けられ、第1凹部および第2凹部の両方に嵌合する嵌合部材をさらに有する。第2凹部の頂点は、起振体の中心と外歯歯車の歯底とを結ぶ直線上に存在しない。
これらの態様によると、外歯歯車と起振体軸受の外輪との間で滑りが生じるのが抑止される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、撓み噛合い式歯車装置の長寿命化を図ることができる。
第1の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 図1のA−A線断面図である。 外輪部材と外歯歯車を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置の外輪部材と外歯歯車の周辺を示す断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係る撓み噛合い式歯車装置の外輪部材と外歯歯車を示す断面図である。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置は、モータの高速回転出力を低速回転出力として取り出す減速機構として好適に用いられる。例えばロボットの関節部分に用いられるアクチュエータの減速機として好適に用いられる。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100を示す断面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、起振体軸受22が起振体20に外嵌する前の外歯歯車12と外輪部材34とを示す断面図である。撓み噛合い式歯車装置100は、固定壁4(例えば、ロボットの第1部材)に固定される。撓み噛合い式歯車装置100は、入力された回転を減速し、それを出力装置6(例えば、ロボットの第2部材)に出力する。撓み噛合い式歯車装置100は、波動発生器10と、外歯歯車12と、内歯歯車14と、入力軸16と、を備える。
以下、固定壁4に対して出力装置6が設けられる側を左側として説明する。また、波動発生器10の回転軸Rから放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸Rを中心とする円の円周に沿った方向を周方向として説明する。これらの表記は、撓み噛合い式歯車装置100が使用される姿勢を制限するものではなく、撓み噛合い式歯車装置100は任意の姿勢で使用され得る。
波動発生器10は、起振体20と、起振体軸受22と、を含む。起振体20は、回転軸Rに沿って延在する略楕円柱状の(軸直角断面が略楕円形状の)部材である。起振体20には回転軸Rを中心とする入力軸孔24が形成されている。入力軸16は、軸受26を介して、固定壁4に回転自在に支持される。入力軸16の一端は入力軸孔24に挿入され、例えば接着または圧入もしくはキー連結等により起振体20と回転方向に連結される。入力軸16の他端は、例えばモータ等の回転駆動源に接続される。入力軸16の回転に伴って起振体20が回転する。
起振体軸受22は、外歯歯車12を支持する軸受であり、第1起振体軸受22aと、第1起振体軸受22aの左側に位置する第2起振体軸受22bと、を含む。第1起振体軸受22aは、内輪部材30の右側部分30aと、複数の第1転動体32aと、第1外輪部材34aと、を含む。第2起振体軸受22bは、内輪部材30の左側部分30bと、複数の第2転動体32bと、第2外輪部材34bと、を含む。
内輪部材30は、環状の部材であり、起振体20に外嵌する。内輪部材30は特に、接着または圧入により起振体20に固定され、起振体20と一体に回転する。内輪部材30の外周面30cは、第1転動体32aおよび第2転動体32bが転走する転走面として機能する。内輪部材30は、第1起振体軸受22aおよび第2起振体軸受22bの両方の内輪部材として一体的に形成されている。なお、内輪部材30は、起振体20と一体に形成されてもよい。
複数の第1転動体32aのそれぞれは略円柱形状を有し、その軸方向が回転軸R方向と略平行な状態で、周方向に所定の間隔で設けられる。第1転動体32aは、不図示の保持器により、転動自在に保持される。第2転動体32bは、第1転動体32aと同様に構成される。
第1外輪部材34aは、筒部36aと、第1凸部38aおよび第2凸部40aと、を有する。筒部36aは、複数の第1転動体32aを環囲する。筒部36aの外周面37aは、筒部36aを含む起振体軸受22が起振体20に外嵌する前の状態では、図3のごとく円筒形状(略真円の断面形状)を有する。筒部36aは、可撓性を有し、起振体20が嵌ると第1転動体32aを介して楕円状に撓められる。筒部36aは、起振体20が回転すると、起振体20の形状に合わせて連続的に変形する。
第1凸部38aは、筒部36aから径方向外側に向けて突出する。第1凸部38aは、回転軸R方向に延在し、その軸直角断面は略三角形状を有する。第1凸部38aは、起振体20の中心Cから最も遠い部分である頂点Pが、起振体20の中心Cと外歯歯車12の歯底とを結ぶ直線L1上に存在しないよう形成される。つまり、第1凸部38aは、その頂点Pが、隣接する2つの直線L1の間に存在するよう形成される。別の言い方をすると、第1凸部38aは、外歯歯車12の径方向の厚みが最も薄い部分に頂点Pが存在しないよう形成される。第1凸部38aは、好ましくは、その頂点Pが、起振体20の中心Cと外歯歯車12の歯先とを結ぶ直線L2上に存在するよう形成される。別の言い方をすると、第1凸部38aは、外歯歯車12の径方向の厚みが最も厚い部分に頂点Pが存在するよう形成される。第1凸部38aは、さらに好ましくは、第1凸部38a全体が直線L1上に存在しないように形成される。また、第1凸部38aは、周方向一方側(図2、3では時計周りに見て周方向手前側)の側面39aが筒部36aの法線方向と略平行または法線方向よりも一方側に傾斜するよう形成される。
第2凸部40aは、回転軸Rに対して第1凸部38aとは反対側に(180度位相をずらして)設けられる。第2凸部40aは、第1凸部38aと同様に構成される。なお、第2凸部40aは、周方向他方側(図2、3では時計周りに見て周方向奥側)の側面41aが筒部36aの法線方向と略平行または法線方向よりも他方側に傾斜するよう形成される。
第2外輪部材34bは、第1外輪部材34aと同様に構成される。第2外輪部材34bは、第1外輪部材34aとは別体として形成される。なお、第2外輪部材34bは、第1外輪部材34aと一体に形成されてもよい。以降では、第1外輪部材34aと第2外輪部材34bとをまとめて「外輪部材34」とも呼ぶ。
外歯歯車12は、可撓性を有する環状の部材であり、波動発生器10(の外輪部材34)に外嵌する。外歯歯車12は、波動発生器10が嵌ることによって楕円状に撓められる。外歯歯車12は、起振体20が回転すると、起振体20の形状に合わせて連続的に変形する。外歯歯車12は、第1外歯歯車列12aと、第1外歯歯車列12aよりも左側に位置する第2外歯歯車列12bとを有する。第1外歯歯車列12aと第2外歯歯車列12bとは単一の基部材に形成されており、同歯数である。
外歯歯車12の内周面には、径方向外側に凹む第1凹部42および第2凹部44が形成されている。第1凹部42は、第1凸部38aに対応した形状を有する。すなわち、第1凹部42は、回転軸R方向に延在し、その断面は略三角形状を有する。第1凹部42には第1凸部38aが嵌まる。第1凹部42は、外歯歯車12の右側端面12cおよび左側端面12dから、回転軸R方向に延在するよう形成される。第2凹部44は、回転軸Rに対して第1凹部42とは反対側に設けられる。第2凹部44は、第2凸部40a対応した形状を有する。すなわち、第2凹部44は、回転軸R方向に延在し、その断面は略三角形状を有する。第2凹部44には第2凸部40aが嵌まる。第2凹部44は、外歯歯車12の右側端面12cおよび左側端面12dから、回転軸R方向に延在するよう形成される。本実施形態では、第1凹部42および第2凹部44は両方とも、外歯歯車12を軸方向に貫通して設けられる。そのため、外歯歯車12を回転軸R方向にスライドさせることにより、外歯歯車12を波動発生器10に嵌めることができる。
内歯歯車14は、第1内歯歯車14aと、第2内歯歯車14bと、を含む。第1内歯歯車14aと第2内歯歯車14bは別体として形成される。第1内歯歯車14aは、剛性を有する環状の部材である。第1内歯歯車14aは楕円状に撓められた第1外歯歯車列12aを環囲し、起振体20の長軸方向の2領域で第1外歯歯車列12aと噛み合う。第1内歯歯車14aは、第1外歯歯車列12aよりも多くの歯を有する。第1内歯歯車14aには、回転軸R方向に貫通する複数のボルト挿通孔46aが形成される。このボルト挿通孔46aにボルト48を挿入して固定壁4に形成されたねじ穴4aに螺合することにより、撓み噛合い式歯車装置100が固定壁4に固定される。
第2内歯歯車14bは、剛性を有する環状の部材である。第2内歯歯車14bは楕円状に撓められた第2外歯歯車列12bを環囲し、起振体20の長軸方向の2領域で第2外歯歯車列12bと噛み合う。第2内歯歯車14bは、第2外歯歯車列12bと同数の歯を有する。第2内歯歯車14bには、回転軸R方向に貫通する複数のボルト挿通孔50bが形成される。このボルト挿通孔50bにボルト52を挿入して出力装置6に形成されたねじ穴6aに螺合することにより、撓み噛合い式歯車装置100と出力装置6とが接続される。これにより、撓み噛合い式歯車装置100の出力が出力装置6に伝達される。
外歯歯車12と内歯歯車14との間、波動発生器10内には、撓み噛合い式歯車装置100の円滑な動作を確保するために、グリースなどの潤滑剤が塗布されている。
以上のように構成された撓み噛合い式歯車装置100の動作を説明する。ここでは、外歯歯車12の第1外歯歯車列12aの歯数が100、第2外歯歯車列12bの歯数が100、第1内歯歯車14aの歯数が102、第2内歯歯車14bの歯数が100の場合を例に説明する。
第1外歯歯車列12aが楕円形状の長軸方向の2箇所で第1内歯歯車14aと噛み合っている状態で、入力軸16の回転により起振体20が回転すると、これに伴って第1外歯歯車列12aと第1内歯歯車14aとの噛み合い位置も周方向に移動する。第1外歯歯車列12aと第1内歯歯車14aとは歯数が異なるため、この際、第1内歯歯車14aに対して第1外歯歯車列12aが相対的に回転する。本実施の形態では、第1内歯歯車14aが固定状態にあるため、第1外歯歯車列12aは、歯数差に相当する分だけ自転することになる。つまり、起振体20の回転が大幅に減速されて第1外歯歯車列12aに出力される。その減速比は以下のようになる。
減速比=(第1外歯歯車列12aの歯数−第1内歯歯車14aの歯数)/第1外歯歯車列12aの歯数
=(100−102)/100
=−1/50
第2外歯歯車列12bは、第1外歯歯車列12aと一体的に形成されているため、第1外歯歯車列12aと一体に回転する。第2外歯歯車列12bと第2内歯歯車14bは歯数が同一であるため、相対回転は発生せず、第2外歯歯車列12bと第2内歯歯車14bとは一体に回転する。このため、第1外歯歯車列12aの自転と同一の回転が第2内歯歯車14bに出力される。結果として、第2内歯歯車14bからは起振体20(入力軸16)の回転を−1/50に減速した出力を取り出すことができる。
本実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100によると、第1外輪部材34aの第1凸部38aおよび第2凸部40aが、外歯歯車12の第1凹部42および第2凹部44にそれぞれ嵌る。したがって、第1外輪部材34aの一部である凸部が外歯歯車12と周方向で対向する。そのため、第1外輪部材34aが外歯歯車12に対して相対回転しようとすると、第1外輪部材34aは外歯歯車12から反力を受け、第1外輪部材34aが外歯歯車12に対して相対回転するのが抑止される。つまり、第1外輪部材34aと外歯歯車12との間で滑りが生じるのが抑止される。第2外輪部材34bと外歯歯車12にも同様のことがいえる。これにより、外輪部材34や外歯歯車12の温度上昇ひいては潤滑剤の温度上昇が抑止され、潤滑剤の潤滑性能が維持される。その結果、撓み噛合い式歯車装置の長寿命化が図られる。
また、外輪部材34の凸部は、その頂点が、直線L1上に存在しないよう形成される。特に、本実施の形態では、凸部は、その頂点が、直線L2上に存在するよう形成される。つまり、凸部は、外歯歯車12の径方向の厚みが最も厚いところに凸部の頂点が存在するよう形成される。これにより、外歯歯車12の径方向の厚みを所定の厚み以上に維持でき、外歯歯車12の強度を確保できる。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置のうちの外歯歯車12および外輪部材134の周辺を示す断面図である。図4は図3に対応する。本実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置は、外歯歯車12と、外輪部材134と、第1嵌合部材146と、第2嵌合部材148と、を備える。本実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置のうち図4で表示されない部分は、第1の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100と同様の構成を有する。
外歯歯車12の内周面には、第1の実施の形態と同様、径方向外側に凹む第1凹部42および第2凹部44が形成されている。第1凹部42および第2凹部44は、回転軸R方向に延在し、その断面は略半円形状を有する。第1凹部42は、起振体20の中心Cから最も遠い部分である頂点Qが、起振体20の中心Cと外歯歯車12の歯底とを結ぶ直線L1上に存在しないよう形成される。つまり、第1凹部42は、その頂点Qが、隣接する2つの直線L1の間に存在するよう形成される。別の言い方をすると、第1凹部42は、外歯歯車12の径方向の厚みが最も薄い部分に頂点Qが存在しないよう形成される。第1凹部42は、好ましくは、その頂点Qが、起振体20の中心Cと外歯歯車12の歯先とを結ぶ直線L2上に存在するよう形成される。別の言い方をすると、第1凹部42は、外歯歯車12の径方向の厚みが最も厚い部分に頂点Qが存在するよう形成される。第1凹部42は、さらに好ましくは、第1凹部42全体が直線L1上に存在しないように形成される。
第2凹部44は、回転軸Rに対して第1凹部42とは反対側に(180度位相をずらして)設けられる。第2凹部44は、第1凹部42と同様に構成される。
外輪部材134は、第1外輪部材134aと第2外輪部材(不図示)とを含む。第1外輪部材134aと第2外輪部材は同様の構成を有するため、以下では、第1外輪部材134aだけを説明し、第2外輪部材の説明は省略する。
第1外輪部材134aは、筒部36aと、筒部36aの外周面から径方向内側に凹む第1外輪凹部150および第2外輪凹部152と、を含む。第1外輪凹部150および第2外輪凹部152は、回転軸R方向に延在し、その断面は略半円形状を有する。第1外輪凹部150、第2外輪凹部152はそれぞれ、第1凹部42、第2凹部44と径方向で対向する。
第1凹部42および第2凹部44は、外歯歯車12の右側端面12cおよび左側端面12dから、回転軸R方向に延在するよう形成される。同様に、第1外輪凹部150および第2外輪凹部152は、外輪部材34の軸方向端面から、回転軸R方向に延在するよう形成される。第1凹部42および第2凹部44は両方とも、外歯歯車12を軸方向に貫通して設けられる。また、第1外輪凹部150および第2外輪凹部152は、外輪部材34を軸方向に貫通して設けられる。
第1嵌合部材146は棒状の部材であり、その軸直角断面は、第1凹部42および第1外輪凹部150に対応した形状を有する。したがって、本実施の形態では、第1嵌合部材146は、軸直角断面が略円形状である略円柱状の部材である。第1嵌合部材146は、第1凹部42と第1外輪凹部150の両方に嵌合する。第1嵌合部材146の軸方向長さは、外歯歯車12の軸方向長さと同一であってもよいし、外歯歯車12の軸方向長さよりも短くてもよい。
第2嵌合部材148は、第1嵌合部材146と同様に略円柱状の部材であり、第2凹部44と第2外輪凹部152の両方に嵌合する。
本実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置によると、第1嵌合部材146が第1凹部42と第1外輪凹部150の両方に嵌合する。したがって、第1凹部42および第1外輪凹部150はそれぞれ、第1嵌合部材146と周方向で対向する。また、第2嵌合部材148は第2凹部44と第2外輪凹部152の両方に嵌合する。したがって、第2凹部44および第2外輪凹部152はそれぞれ、第2嵌合部材148と周方向で対向する。そのため、第1外輪部材34aが外歯歯車12に対して相対回転しようとすると、第1外輪部材34aは第1嵌合部材146や第2嵌合部材148を介して外歯歯車12から反力を受け、第1外輪部材34aが外歯歯車12に対して相対回転するのが抑止される。つまり、第1外輪部材34aと外歯歯車12との間で滑りが生じるのが抑止される。第2外輪部材34bと外歯歯車12にも同様のことがいえる。これにより、外輪部材34や外歯歯車12の温度上昇ひいては潤滑剤の温度上昇が抑止され、潤滑剤の潤滑性能が維持される。その結果、撓み噛合い式歯車装置の長寿命化が図られる。
また、外歯歯車12の凹部は、その頂点が、直線L1上に存在しないよう形成される。特に、本実施の形態では、凹部は、その頂点が、直線L2上に存在するよう形成される。つまり、凹部は、外歯歯車12の径方向の厚みが最も厚いところに凹部の頂点が存在するよう形成される。これにより、外歯歯車12の径方向の厚みを所定の厚み以上に維持でき、外歯歯車12の強度を確保できる。
以上、実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置の構成と動作ついて説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
第1の実施の形態では、第1凸部38aおよび第2凸部40aの断面が、略三角形状を有する場合について説明したが、これに限られない。第1凸部38aおよび第2凸部40aは、例えば、四角形状、円形状、その他の形状であってもよい。また、第1凸部38aや第2凸部40aは、外輪部材34の軸方向全長に渡って形成されてもよいし、軸方向の一部のみに形成されてもよい。また、第1の実施の形態では、2つの凸部が形成さていたが、凸部の数は特に限定されるものではなく、1つでもよいし、3つ以上形成されてもよい。
また、第1の実施の形態では、第1凹部42および第2凹部44が外歯歯車12の軸方向端面から形成され、さらに外歯歯車12を軸方向に貫通して形成されていた。しかし、これに限定されるものではなく、凹部は、外歯歯車12の軸方向端面から形成されなくてもよいし、外歯歯車12を軸方向に貫通していなくてもよい。
図5は、第1の実施の形態の変形例に係る撓み噛合い式歯車装置の波動発生器10および外輪部材34を示す断面図である。図5は図3に対応する。本変形例では、第1凸部38aおよび第2凸部40aは、略三日月状の断面形状を有する。同様に、第1凹部42および第2凹部44も、略三日月状の断面形状を有する。第1外輪部材34aの外周面は楕円形状を有し、楕円の長軸部分(楕円と長軸Aとの交点と、その近傍部分)が、第1凸部38aおよび第2凸部40aを構成する。別の言い方をすると、第1凸部38aおよび第2凸部40aは、楕円の長軸Aに沿って突出し、その頂点Pは楕円の長軸A上に存在する。
第1凸部38aおよび第2凸部40aは、この頂点Pが直線L1上に存在しないよう形成される。つまり、第1凸部38aおよび第2凸部40aは、頂点Pが、隣接する2つの直線L1の間に存在するよう形成される。別の言い方をすると、第1凸部38aおよび第2凸部40aは、外歯歯車12の径方向の厚みが最も薄い部分に頂点Pが存在しないよう形成される。第1凸部38aおよび第2凸部40aは、好ましくは、その頂点Pが、起振体20の中心Cと外歯歯車12の歯先とを結ぶ直線L2上に存在するよう形成される。つまり、第1凸部38aおよび第2凸部40aは、好ましくは、長軸Aと直線L2とが重なるよう形成される。
図5の本変形例に係る撓み噛合い式歯車装置によると、第1の実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100と同様の作用効果が奏される。加えて、本変形例に係る撓み噛合い式歯車装置によると、外輪部材34は比較的単純な形状となる。したがって、例えば外輪部材34を切削により形成する場合、加工コストを低減できる。
(変形例2)
第2の実施の形態では、第1凹部42、第2凹部44、第1外輪凹部150および第2外輪凹部152の断面が、略半円形状を有する場合について説明したが、これに限られない。これらは、三角形状、四角形状、その他の形状であってもよい。
また、第2の実施の形態では、外歯歯車12と外輪部材34にそれぞれ2つの凹部が形成されていたが、凹部の数は特に限定されるものではなく、外歯歯車12と外輪部材34にそれぞれ1つの凹部が形成されても、3つ以上の凹部が形成されてもよい。
また、第2の実施の形態では、第1凹部42および第2凹部44が外歯歯車12の軸方向端面から形成され、さらに外歯歯車12を軸方向に貫通して形成されていた。また、第1外輪凹部150および第2外輪凹部152も外輪部材34の軸方向端面から形成され、さらに外輪部材34を軸方向に貫通して形成されていた。しかし、これに限定されるものではなく、凹部は、外歯歯車12、外輪部材34の軸方向端面から形成されなくてもよいし、外歯歯車12、外輪部材34を軸方向に貫通していなくてもよい。
(変形例3)
第1、2の実施の形態では、2つの内歯歯車(第1内歯歯車14a、第2内歯歯車14b)を有し、外歯歯車12が筒型であるフラット型の撓み噛合い式歯車装置について説明したが、これに限られない。第1、2の実施の形態の技術思想は、内歯歯車が1つのカップ型、シルクハット型、その他のタイプの撓み噛合い式歯車装置にも適用できる。
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
10 波動発生器、 12 外歯歯車、 14 内歯歯車、 20 起振体、22 起振体軸受、 30 内輪部材、 32 転動体、 34 外輪部材、 36a 筒部、 38a 第1凸部、 40a 第2凸部、 42 第1凹部、 44 第2凹部、 100 撓み噛合い式歯車装置。

Claims (4)

  1. 起振体と、前記起振体に外嵌する起振体軸受と、前記起振体軸受に外嵌する、可撓性を有する外歯歯車と、を備える撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体軸受の外輪は、前記起振体に外嵌する前の状態において円筒形状の外周面を有する筒部と前記筒部から外側に突出する凸部とを含み、
    前記外歯歯車の内周には、前記凸部に対応する凹部が設けられ、
    前記凸部の頂点は、前記起振体の中心と前記外歯歯車の歯底とを結ぶ直線上に存在せず、
    前記凹部は、前記外歯歯車を軸方向に貫通していることを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
  2. 前記凸部の頂点は、前記起振体の中心と前記外歯歯車の歯先とを結ぶ直線上に存在することを特徴とする請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  3. 前記起振体軸受の外輪の外周は楕円形状とされ、前記凸部の頂点は楕円の長軸上に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  4. 起振体と、前記起振体に外嵌する起振体軸受と、前記起振体軸受に外嵌する、可撓性を有する外歯歯車と、を備える撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体軸受の外輪は、前記起振体に外嵌する前の状態において円筒形状の外周面を有する筒部と前記筒部から内側に窪む第1凹部とを含み、
    前記外歯歯車の内周には、前記第1凹部に対応する第2凹部が設けられ、
    前記第1凹部および前記第2凹部の両方に嵌合する嵌合部材をさらに有し、
    前記第2凹部の頂点は、前記起振体の中心と前記外歯歯車の歯底とを結ぶ直線上に存在せず、
    前記第1凹部は前記外輪を軸方向に貫通し、前記第2凹部は前記外歯歯車を軸方向に貫通していることを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
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