JP6390609B2 - シクロペンテン開環共重合体、その製造方法およびゴム組成物 - Google Patents

シクロペンテン開環共重合体、その製造方法およびゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、シクロペンテン開環共重合体、その製造方法およびゴム組成物に関し、さらに詳しくは、ウェットグリップ性、さらには低発熱性に優れるゴム組成物を与えるために好適に用いられるシクロペンテン開環共重合体およびその製造方法と、その共重合体を用いて得られるゴム組成物に関する。
一般に、シクロペンテンは、WClやMoClなどの周期表第6族遷移金属化合物と、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、テトラブチルスズなどの有機金属活性化剤とからなる、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒存在下でメタセシス開環重合し、不飽和の直鎖状重合体を与え、優れたゴム特性を示し、タイヤ用ゴムとしての特性を有することが知られている(非特許文献1など)。しかしながら、直鎖状の重合体であるがゆえに、タイヤ用ゴムとして使用するに当たって、タイヤを構成するゴム部材によっては、必須の要求特性であるウェットグリップ性、ドライグリップ性などの操縦安定性能が劣るという問題点があったが、その改良方法はこれまで知られていなかった。
一方、特許文献1には、シクロペンテンとノルボルネン化合物をルテニウムカルベン錯体を用いて開環共重合し、弾性回復率の高い共重合体が得られることが記載されている。しかしながら、重合触媒としてルテニウムカルベン錯体を用いると分子量が上がらないため、得られる共重合体の重量平均分子量(Mw)は100,000未満であり、タイヤ用ゴムとして使用するには分子量が低いものであった。
また、近年の自動車の燃費向上の要求に対して、タイヤ用ゴムにおいては低発熱性が要求されており、充填剤であるカーボンブラックやシリカの分散性が求められている。その方策として、充填剤であるカーボンブラックやシリカとの親和性が高いアミノ基やアルコキシシリル基などの官能基をポリマー末端に導入する方法が考えられる。シクロペンテン開環共重合体においても、ポリマー末端に官能基を導入する方策が考えられるが、従来のチーグラー・ナッタ触媒系では、ポリマー末端に官能基を導入することができないため、充填剤との親和性が低く、分散性が悪かった。この課題に対し、近年、重合触媒としてルテニウムカルベン錯体が開発され、該重合触媒を用いると、シクロペンテン開環共重合体のポリマー末端に官能基の導入が容易に行えるようになった。そこで、さまざまな目的で、ポリマー末端にアルコキシシリル基、アミノ基、エポキシ基、エステル基、水酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたシクロペンテン開環共重合体が合成されている(特許文献2、3)。しかしながら、得られるシクロペンテン開環共重合体の重量平均分子量(Mw)は100,000未満であり、タイヤ用ゴム組成物に使用するには分子量が低いものであった。
したがって、タイヤ用ゴム組成物の成分としてシクロペンテン開環共重合体を用いるに当たって、ウェットグリップ性やドライグリップ性を発揮するシクロペンテン開環共重合体が求められていた。
特開2002−220440号公報 WO2007/100891公報 WO2008/048536公報 Rubber Chemistry and Technology 47巻、pp511−596、1974年
本発明はウェットグリップ性、さらに低発熱性に優れるタイヤ用ゴム組成物に好適に用いられるシクロペンテン開環共重合体およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該シクロペンテン開環共重合体を用いて得られるゴム組成物を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、シクロペンテンと 芳香環を含有する環状オレフィンからなる開環共重合体を、共重合体の全重量に対して芳香環の含有量が10〜40重量%であり、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であるものとすること、さらに好ましくは共重合体鎖末端に、オキシシリル基を導入することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明の第1の発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、シクロペンテン開環共重合体の全重量に対する芳香環の含有量が10〜40重量%であり、かつ、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であるシクロペンテン開環共重合体が提供される。
また、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、シクロペンテンとノルボルネン化合物の開環共重合体を、全繰返し構造単位に対してシクロペンテン由来の構造単位が重量比で40〜90重量%、ノルボルネン化合物由来の構造単位が重量比で10〜60重量%とし、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であるものとすること、さらに好ましくは共重合体鎖末端に、オキシシリル基を導入することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明の第2の発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第2の発明によれば、全繰返し構造単位に対して、シクロペンテン由来の構造単位が40〜90重量%であり、ノルボルネン化合物由来の構造単位が10〜60重量%であり、かつ、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であるシクロペンテン開環共重合体が提供される。
さらに、本発明の第1及び第2の発明によれば、共重合体鎖末端にオキシシリル基を有することを特徴とするシクロペンテン開環共重合体が提供される。
また、本発明の第1の発明によれば、上記シクロペンテン開環共重合体を製造する方法であって、周期表第6族遷移金属化合物(A)と、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)の存在下で、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンを開環共重合するシクロペンテン開環共重合体の製造方法が提供される。
(R3−a―bAl(OR (1)
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。aは1または2、bは0または1、かつa+b<3を満たす。)
また、本発明の第2の発明によれば、上記シクロペンテン開環共重合体を製造する方法であって、周期表第6族遷移金属化合物(A)と、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)の存在下で、シクロペンテンとノルボルネン化合物を開環共重合するシクロペンテン開環共重合体の製造方法が提供される。
(R3−a―bAl(OR (1)
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。aは1または2、bは0または1、かつa+b<3を満たす。)
さらに、上記製造方法の(A)、(B)に加えてオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の存在下で開環共重合するシクロペンテン開環共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記シクロペンテン開環共重合体を含有するゴム成分と、シリカおよび/またはカーボンブラックを配合してなるゴム組成物が提供される。
本発明によれば、操縦安定性の優れたタイヤ用ゴム組成物、さらに加えて低燃費性に優れたタイヤ用ゴム組成物に好ましく使用できるシクロペンテン開環共重合体が提供される。
特に、本発明の第1の発明によれば、シクロペンテン開環共重合体を、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンとからなる開環共重合体とし、共重合体の全重量に対する芳香環の含有量および重量平均分子量(Mw)を上記範囲にあるものにとすることにより、該開環共重合体を用いて製造されるゴム組成物はウェットグリップ性及び低発熱性に優れる。さらに加えて、共重合体鎖末端にオキシシリル基を有するものとすることにより、該ゴム組成物の低発熱性をさらに優れたものとすることができる。
また、本発明の第2の発明によれば、シクロペンテン開環共重合体を、シクロペンテン単位含有量とノルボルネン化合物単位含有量および重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるものとすることにより、該開環共重合体を用いて製造されるゴム組成物はウェットグリップ性及び低発熱性に優れる。さらに加えて、共重合体鎖末端にオキシシリル基を有するものとすることにより、該ゴム組成物の低発熱性をさらに優れたものとすることができる。
(シクロペンテン開環共重合体)
本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、共重合体の全重量に対する芳香環の含有量が10〜40重量%であり、かつ、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000である。
ここで、芳香環の含有量とは、重合体中に含まれる芳香環を重量割合で示したもので、10〜40重量%であり、好ましくは12〜38重量%、より好ましくは15〜35重量%である。共重合体中の芳香環の含有量を上記範囲とすると、該開環共重合体のガラス転移温度(Tg)が−45℃以上0℃以下、好ましくは−40℃以上−5℃以下、より好ましくは−35℃以上−10℃以下となり、これを用いて得られるゴム組成物はウェットグリップ性に優れたものとなる。また、本発明の第1の発明に係るゴム組成物の優れたウェットグリップ性は、共重合体中の芳香環同士の相互作用による安定化も起因していると考えられる。
共重合に用いる芳香環を含有する環状オレフィンは、芳香環を置換基として有する環状オレフィンである。このような環状オレフィンとしては、一般式(2)の化学式で示されるノルボルネン化合物と、一般式(3)で示される単環の環状オレフィン類が挙げられる。なお、ここでいう「単環の」とは、環状オレフィンとしての構造が単環であることを意図するものであり、置換基として含む環状構造基(芳香環など)は考慮しない概念である。
Figure 0006390609
(式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、RとRが結合して環を形成してもよいが、少なくとも1つは芳香環を有する。mは0または1である。)
Figure 0006390609
(式中、R,Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、複数個のRとRが結合して環を形成してもよいが、少なくとも1つは芳香環を有する。nは2〜10の整数であり、複数個の―C―は、単結合、二重結合で結合してもよい。二重結合のとき、Rは存在しない。)
本発明に用いられる一般式(2)で示される芳香環を含有するノルボルネン化合物の具体例としては、
5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、N−フェニル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−トルイル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドなどの芳香環を置換基に有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ナフチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの芳香環を置換基に有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類などが挙げられる。
なかでも、芳香環を置換基に有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類が本発明の目的であるゴム特性に優れるので好ましく、5−フェニル−2−ノルボルネンがより好ましい。
本発明に用いられる一般式(3)で示される芳香環を含有する単環の環状オレフィンの具体例としては、
フェニルシクロオクテン、5−フェニル−1,5−シクロオクタジエン、フェニルシクロペンテンなどが挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。
シクロペンテンおよび上記の芳香環を含有する環状オレフィンからなる開環共重合体は、シクロペンテン単位および芳香環を含有する環状オレフィン単位を含有する。シクロペンテン単位とは、シクロペンテンを重合して形成される構造単位(シクロペンテン由来の構造単位)のことをいい、芳香環を含有する環状オレフィン単位とは、芳香環を含有する環状オレフィンを重合して形成される構造単位(芳香環を含有する環状オレフィン由来の構造単位)のことをいう。ここで、本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体における各構造単位の割合は、通常、開環共重合体の重合に用いる全単量体における、各構造単位を形成しうる上記単量体の比率(仕込み比)に一致する。
シクロペンテン開環共重合体におけるシクロペンテン由来の構造単位の割合(以下において「シクロペンテン単位含有量」と記載することがある。)は好ましくは15〜85重量%、より好ましくは20〜80重量%であり、芳香環を含有する環状オレフィン由来の構造単位の割合(以下において「芳香環を含有する環状オレフィン単位含有量」と記載することがある。)は好ましくは15〜85重量%、より好ましくは20〜80重量%である。各構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の全重量に対する芳香環の含有量の制御が容易となる。
本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、全繰返し構造単位に対して、シクロペンテン由来の構造単位が重量比で40〜90重量%であり、ノルボルネン化合物由来の構造単位が重量比で10〜60重量%であり、かつ、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000である。
シクロペンテン由来の構造単位とは、シクロペンテンを重合して形成される構造単位のことをいい、ノルボルネン化合物由来の構造単位とは、ノルボルネン化合物を重合して形成される構造単位のことをいう。通常、開環共重合体における各構造単位の割合は、開環共重合体の重合に用いる全単量体における、各構造単位を形成しうる単量体の比率(仕込み比)に一致するが、本発明の第2の発明においては、実施例に記載の方法により各構造単位の割合を測定する。
全繰返し構造単位に対するシクロペンテン由来の構造単位は40〜90重量%であり、好ましくは45〜88重量%、より好ましくは50〜85重量%である。また、全繰返し構造単位に対するノルボルネン化合物由来の構造単位は10〜60重量%であり、好ましくは12〜55重量%、より好ましくは15〜50重量%である。共重合体中のシクロペンテン由来の構造単位とノルボルネン化合物由来の構造単位の比率を上記範囲とすると、該開環共重合体のガラス転移温度(Tg)が−45℃以上0℃以下、好ましくは−40℃以上−5℃以下、より好ましくは−37℃以上−10℃以下となり、これを用いて得られるゴム組成物はウェットグリップ性に優れたものとなる。
共重合に用いるノルボルネン化合物は、ノルボルネン環構造を持つものであればいずれのものも使用できるが、一般式(11)の化学式で示される化合物が好ましい。
Figure 0006390609
(式中、R59〜R62は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、R60とR61が結合して環を形成してもよい。yは0または1である。)

本発明の第2の発明に用いられるノルボルネン化合物の具体例を以下に挙げることができる。
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、およびジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン)などの無置換または炭化水素置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、および9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの無置換または炭化水素置換基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルなどのアルコキシカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、および4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチルなどのアルコキシカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、および5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などのヒドロキシカルボニル基または酸無水物基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸、およびテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物などのヒドロキシカルボニル基または酸無水物基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−ヒドロキシ−2−ノルボルネン、5−ヒドロキシメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ノルボルネン、5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−2−ノルボルネン、および5−メチル−5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−2−ノルボルネンなどのヒドロキシル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、およびテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−オールなどのヒドロキシル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルバルデヒドなどのヒドロカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルバルデヒドなどのヒドロカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
3−メトキシカルボニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸などのアルコキシルカルボニル基とヒドロキシカルボニル基とを有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
酢酸5−ノルボルネン−2−イル、酢酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、およびメタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルなどのカルボニルオキシ基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
酢酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、酢酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、アクリル酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、およびメタクリル酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニルなどのカルボニルオキシ基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、および5−ノルボルネン−2−カルボキサミド、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボニトリル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボキサミド、およびテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−クロロ−2−ノルボルネンなどのハロゲン原子を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
9−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどのハロゲン原子を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
5−トリメトキシ−2−ノルボルネン、5−トリエトキシ−2−ノルボルネンなどのケイ素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;
4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エンなどのケイ素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類が挙げられる。
なかでも、無置換または炭化水素置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類と無置換または炭化水素置換基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類が、本発明の目的であるシクロペンテン/ノルボルネン化合物の組成比にしたときにゴムとしての特性に優れるので好ましく、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンなどがより好ましい。
本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であり、好ましくは250,000〜900,000、より好ましくは280,000〜880,000、特に好ましくは300,000〜850,000である。分子量が低すぎると、ゴム特性に劣ってしまうため、好ましくない。一方、分子量が高すぎると、製造および取り扱いが困難となる。なお、本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の重合平均分子量(Mw)は、上述の範囲以内で使用目的に応じて適宜調整すればよい。
本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、好ましくは共重合体鎖末端にオキシシリル基を有する。オキシシリル基はケイ素−酸素結合を有する基であり、−Si−O−で示される化学構造を有するものである。本発明の第1の発明においては、シクロペンテン単位含有量、芳香環を含有する環状オレフィン単位含有量および重量平均分子量(Mw)を上記範囲としながら、共重合体鎖末端にオキシシリル基を導入することにより、本発明の第2の発明においては、シクロペンテン単位含有量、ノルボルネン化合物単位含有量および重量平均分子量(Mw)を上記範囲としながら、共重合体鎖末端にオキシシリル基を導入することにより、該共重合体を用いて得られるゴム組成物に配合されるシリカやカーボンブラック等の充填剤との親和性が向上し、充填剤の分散性に優れるため、ウェットグリップ性に加えて、低発熱性にも優れるゴム組成物を得ることができる。なお、ノルボルネン化合物単位含有量とは、シクロペンテン開環共重合体における(該共重合体中の全繰返し単位に対する)ノルボルネン化合物由来の構造単位の割合をいう。
オキシシリル基のなかでも、たとえば、タイヤ用のゴム材料とする際に用いられる充填剤としてのシリカやカーボンブラックとの親和性が高く、低発熱性の向上効果が高いという点より、アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基、アシロキシシリル基、アルキルシロキシシリル基、アリールシロキシシリル基が好ましい。また、アルコキシシリル基またはアリーロキシシリル基、アシロキシシリル基を加水分解してなるヒドロキシシリル基も好ましい。
アルコキシシリル基は、1つ以上のアルコキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリメトキシシリル基、(ジメトキシ)(メチル)シリル基、(メトキシ)(ジメチル)シリル基、(メトキシ)(ジクロロ)シリル基、トリエトキシシリル基、(ジエトキシ)(メチル)シリル基、(エトキシ)(ジメチル)シリル基、(ジメトキシ)(エトキシ)シリル基、(メトキシ)(ジエトキシ)シリル基、トリプロポキシシリル基などが挙げられる。
アリーロキシシリル基は、1つ以上のアリーロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリフェノキシシリル基、(ジフェノキシ)(メチル)シリル基、(フェノキシ)(ジメチル)シリル基、(フェノキシ)(ジクロロ)シリル基、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基などが挙げられる。なお、これらのうち、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基は、アリーロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
アシロキシシリル基は、1つ以上のアシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリアシロキシシリル基、(ジアシロキシ)(メチル)シリル基、(アシロキシ)(ジメチル)シリル基、(アシロキシ)(ジクロロ)シリル基などが挙げられる。
アルキルシロキシシリル基は、1つ以上のアルキルシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、トリメチルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリエチルシロキシ(ジエチル)シリル基、トリス(ジメチルシロキシ)シリル基などが挙げられる。
アリールシロキシシリル基は、1つ以上のアリールシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリフェニルシロキシ)シリル基、トリフェニルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリス(ジフェニルシロキシ)シリル基などが挙げられる。
ヒドロキシシリル基は、1つ以上のヒドロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、具体例としては、トリヒドロキシシリル基、(ジヒドロキシ)(メチル)シリル基、(ヒドロキシ)(ジメチル)シリル基、(ヒドロキシ)(ジクロロ)シリル基、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基などが挙げられる。なお、これらのうち、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基は、ヒドロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
また、オキシシリル基としては、上記以外にも、下記一般式(4)で示される直鎖状のポリシロキサン基や、下記一般式(5)で示される環状のポリシロキサン基も好適である。
Figure 0006390609
(上記一般式(4)中、R〜R13は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、pは、1〜10の整数である。)
Figure 0006390609
(上記一般式(5)中、R14〜R18は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、qは、1〜10の整数である。)
なお、上記一般式(4)、(5)中において、シクロペンテン開環共重合体を得る際における重合活性がより高くなるという点より、R〜R13、R14〜R18は、水素原子、またはメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の共重合体鎖末端における、オキシシリル基の導入割合は、特に限定されないが、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上である。オキシシリル基の導入割合が高いほど、タイヤ用のゴム材料とする際に用いられる充填剤としてのシリカやカーボンブラックとの親和性が高く、これにより、低発熱性の向上効果が高くなるため、好ましい。なお、共重合体鎖末端へのオキシシリル基の導入割合を測定する方法としては、特に限定されないが、たとえば、H−NMRスペクトル測定により求められるオキシシリル基に対応するピーク面積比と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィから求められる数平均分子量とから求めることができる。
また、本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、本発明のタイヤ用ゴムとしての性能を維持している限りにおいて、シクロペンテンおよび芳香環を含有する環状オレフィン以外に、メタセシス反応性のある環状オレフィン由来の構造単位を含有していてもよい。このような環状オレフィンとしては、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエンなどの単環の環状オレフィンや2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのノルボルネン化合物が挙げられる。シクロペンテンおよび芳香環を含有する環状オレフィン以外に、メタセシス反応性のある環状オレフィン由来の構造単位の含有量は、10重量%未満とすることが好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下とする。
また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、本発明のタイヤ用ゴムとしての性能を維持している限りにおいて、シクロペンテンおよびノルボルネン化合物以外に、メタセシス反応性のある環状オレフィン由来の構造単位を含有していてもよい。このような環状オレフィンとしては、上記の単環の環状オレフィンと同様のものが挙げられる。シクロペンテンおよびノルボルネン化合物以外に、メタセシス反応性のある環状オレフィン由来の構造単位の含有量は、10重量%未満とすることが好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下とする。
本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは20〜150であり、より好ましくは22〜120、さらに好ましくは25〜100である。
本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、芳香環の含有量および重量平均分子量(Mw)が上記範囲であり、場合によっては共重合体鎖末端にオキシシリル基を含有するため、ムーニー粘度が上記範囲に制御され、これにより、優れた加工性を有するものである。また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、シクロペンテン単位含有量、ノルボルネン化合物単位含有量および重量平均分子量(Mw)が上記範囲であり、場合によっては共重合体鎖末端にオキシシリル基を含有するため、ムーニー粘度が上記範囲に制御され、これにより、優れた加工性を有するものである。ムーニー粘度が低すぎると、高温での混練が困難になり、加工性に劣ることがある。一方、ムーニー粘度が高すぎると、混練が困難となり、同様に、加工性に劣ることがある。
(シクロペンテン開環共重合体の製造方法)
本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、周期表第6族遷移金属化合物(A)、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)の存在下で、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンを開環共重合することにより、製造される。
(R3−a―bAl(OR (1)
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。aは1または2、bは0または1、かつa+b<3を満たす。)
また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体は、周期表第6族遷移金属化合物(A)、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)の存在下で、シクロペンテンとノルボルネン化合物を開環重合することにより、製造される。
(R3−a―bAl(OR (1)
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。aは1または2、bは0または1、かつa+b<3を満たす。)
(周期表第6族遷移金属化合物(A))
本発明で用いる周期表第6族遷移金属化合物(A)は、周期表(長周期型周期表、以下同じ)第6族遷移金属原子を有する化合物、具体的には、クロム原子、モリブデン原子、またはタングステン原子を有する化合物であり、モリブデン原子を有する化合物、またはタングステン原子を有する化合物が重合活性が高いので好ましい。周期表第6族遷移金属化合物(A)は、後述する有機アルミニウム化合物(B)とともに重合触媒として作用する。周期表第6族遷移金属化合物(A)としては、周期表第6族遷移金属原子を有する化合物であればよく、特に限定されないが、周期表第6族遷移金属原子のハロゲン化物、アルコラート、アリレート、オキシ化物、イミド化物などが挙げられ、これらのなかでも、重合活性が高いという観点より、ハロゲン化物、オキシ化物、イミド化物が好ましい。
このような周期表第6族遷移金属化合物(A)の具体例としては、モリブデンペンタクロリド、モリブデンオキソテトラクロリド、モリブデン(フェニルイミド)テトラクロリド、トリドデシルアンモニウムモリブデート、メチルトリオクチルアンモニウムモリブデート、トリデシルアンモニウムモリブデート、トリオクチルアンモニウムモリブデート、テトラフェニルアンモニウムモリブデートなどのモリブデン化合物;タングステンヘキサクロリド、タングステンオキソテトラクロリド、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド、モノカテコラートタングステンテトラクロリド、ビス(3,5−ジターシャリブチル)カテコラートタングステンジクロリド、ビス(2−クロロエテレート)テトラクロリド、タングステンオキソテトラフェノレートなどのタングステン化合物;などが挙げられる。
本発明の第1の発明において、周期表第6族遷移金属化合物(A)の使用量は、「重合触媒中の第6族遷移金属原子:(シクロペンテン+芳香環を含有する環状オレフィン)」のモル比で、通常1:100〜1:200,000、好ましくは1:200〜1:150,000、より好ましくは1:500〜1:100,000の範囲である。
また、本発明の第2の発明において、周期表第6族遷移金属化合物(A)の使用量は、「重合触媒中の第6族遷移金属原子:(シクロペンテン+ノルボルネン化合物)」のモル比で、通常1:100〜1:200,000、好ましくは1:200〜1:150,000、より好ましくは1:500〜1:100,000の範囲である。
周期表第6族遷移金属化合物(A)の使用量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、得られるシクロペンテン開環共重合体からの触媒残渣の除去が困難となり、得られるシクロペンテン開環共重合体の耐熱性および耐寒性が低下する場合がある。
(有機アルミニウム化合物(B))
本発明で用いる有機アルミニウム化合物(B)は、下記一般式(1)で表される化合物である。有機アルミニウム化合物(B)は、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)とともに重合触媒として作用する。
(R3−a―bAl(OR (1)
上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基である。
の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などのアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基などのアリール基;などが挙げられる。
上記一般式(1)において、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、触媒活性の観点から、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を含有する炭素数1〜10の炭化水素基がより好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記Rで例示したのと同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子を含有する炭素数1〜10のアルキル基としては、1,3−ジクロロ−2−プロピル基、1,3−ジブロモ−2−プロピル基、1−クロロ−2−ブチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−トリクロロメチル−2−プロピル基、トリブロモメチル−1−エチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基等が挙げられる。
また、Xはハロゲン原子であり、前記Rで例示したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(1)において、aは1または2であり、好ましくは1である。bは0または1、かつa+b<3を満たすものである。なお、a、bの値が異なる化合物の混合物である場合に、その混合物を化学式で示そうとすれば、a及びbは整数ではなく、小数となる場合がある。
有機アルミニウム化合物(B)の具体的な例としては、a=1又は2、b=0の例としては、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムイソプロポキシド、ジイソブチルアルミニウムブトキシド、ジエチルアルミニウム(2−トリクロロエトキシド)、ジエチルアルミニウム(2−トリブロモエトキシド)、ジエチルアルミニウム(1,3−ジクロロ−2−プロポキシド)、ジエチルアルミニウム(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシド)、ジエチルアルミニウム(1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロポキシド)、ジエチルアルミニウム(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)、エチルアルミニウムジ(2−トリクロロエトキシド)、エチルアルミニウムジ(2−トリブロモエトキシド)、エチルアルミニウムジ(1,3−ジクロロ−2−プロポキシド)、エチルアルミニウムジ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシド)、エチルアルミニウムジ(1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロポキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)などが挙げられる。
a=1、b=1の例としては、エチル(クロロ)アルミニウムエトキシド、エチル(クロロ)アルミニウムイソプロポキシド、エチル(クロロ)アルミニウムブトキシド、エチル(クロロ)アルミニウム(2−トリクロロエトキシド)、エチル(クロロ)アルミニウム(2−トリブロモエトキシド)、エチル(ブロモ)アルミニウム(1,3−ジクロロ−2−プロポキシド)、エチル(クロロ)アルミニウム(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシド)、エチル(クロロ)アルミニウム(1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロポキシド)、エチル(クロロ)アルミニウム(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)などが挙げられる。
このような上記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(B)は、たとえば、下記一般式(6)に示すように、トリアルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハライドと、アルコールとの反応によって合成することができる。

(R3―bAlX + aROH
→ (R3−a―bAl(OR + aRH (6)

なお、上記一般式(1)中、aとbは、上記一般式(6)に示すように、対応するトリアルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハライドとアルコールの反応比を規定することによって、任意に制御することが可能である。
有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、用いる有機アルミニウム化合物(B)の種類によっても異なるが、周期表第6族遷移金属化合物(A)を構成する周期表第6族遷移金属原子に対して、好ましくは0.1〜100倍モル、より好ましくは0.2〜50倍モル、さらに好ましくは0.5〜20倍モルの割合である。有機アルミニウム化合物(B)の使用量が少なすぎると、重合活性が不十分となる場合があり、多すぎると、開環重合時において、副反応が起こりやすくなる傾向にある。
(オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C))
本発明で場合によっては用いられるオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)は、オキシシリル基を有し、かつ、メタセシス反応性を有するオレフィン性炭素−炭素二重結合を1つ以上有する化合物である。オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)を用いることにより、シクロペンテン開環共重合体の共重合体鎖末端にオキシシリル基を導入することができる。
このようなオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)としては、たとえば、下記一般式(7)〜(10)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006390609
(上記一般式(7)中、R19〜R21は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基であり、R22〜R26は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とを結ぶ基であり、rは、0〜10の整数である。但し、r=0のとき、R24〜R26のうち、少なくとも1つは、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、およびアリールシロキシ基から選択される基である。)
Figure 0006390609
(上記一般式(8)中、R27〜R29は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基であり、R30〜R34は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とを結ぶ基であり、sは、1〜10の整数である。)
Figure 0006390609
(上記一般式(9)中、R40、R41は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基であり、R35〜R39、R42〜R46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、L、Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とを結ぶ基であり、t、uは、0〜10の整数である。但し、t=0のとき、R35〜R37のうち、少なくとも1つは、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、およびアリールシロキシ基から選択される基であり、u=0のとき、R44〜R46のうち、少なくとも1つは、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、およびアリールシロキシ基から選択される基である。)
Figure 0006390609
(上記一般式(10)中、R52、R53は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基であり、R47〜R51、R54〜R58は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、アルキルシロキシ基、アリールシロキシ基から選択される基である。また、L、Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とを結ぶ基であり、v、wは、1〜10の整数である。)
一般式(7)〜(10)において、R19〜R21、R27〜R29、R40、R41、R52、R53は水素原子であることが好ましく、これらを水素原子とすることにより、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)をメタセシス反応性により優れたものとすることができる。
また、一般式(7)〜(10)において、L〜Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とを結合可能な基であればよく特に限定されないが、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)をメタセシス反応性により優れたものとすることができるという点より、炭化水素基、エーテル基、または三級アミノ基が好ましく、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基がより好ましい。また、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合とは、これらの基を介さずに、直接結合するような構成であってもよい。
なお、上記一般式(7)〜(10)で示される化合物のうち、一般式(7)、(8)で示される化合物を用いた場合には、これらがメタセシス反応することにより、シクロペンテン開環共重合体の少なくとも片末端にはオキシシリル基を導入することができ、また、一般式(9)、(10)で示される化合物を用いた場合には、これらがメタセシス反応することにより、シクロペンテン開環共重合体の両末端にオキシシリル基を導入することができる。
一般式(7)、(8)で示される化合物の好ましい具体例としては、ビニル(トリメトキシ)シラン、ビニル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリメトキシ)シラン、アリル(メトキシ)(ジメチル)シラン、アリル(トリエトキシ)シラン、アリル(エトキシ)(ジメチル)シラン、スチリル(トリメトキシ)シラン、スチリル(トリエトキシ)シラン、スチリルエチル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリエトキシシリルメチル)エーテル、アリル(トリエトキシシリルメチル)(エチル)アミンなどのアルコキシシラン化合物;ビニル(トリフェノキシ)シラン、アリル(トリフェノキシ)シラン、アリル(フェノキシ)(ジメチル)シランなどのアリーロキシシラン化合物;ビニル(トリアセトキシ)シラン、アリル(トリアセトキシ)シラン、アリル(ジアセトキシ)メチルシラン、アリル(アセトキシ)(ジメチル)シランなどのアシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどのアルキルシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリフェニルシロキシ)シランなどのアリールシロキシシラン化合物;1−アリルヘプタメチルトリシロキサン、1−アリルノナメチルテトラシロキサン、1−アリルノナメチルシクロペンタシロキサン、1−アリルウンデカメチルシクロヘキサシロキサンなどのポリシロキサン化合物;などが挙げられる。
一般式(9)、(10)で示される化合物の好ましい具体例としては、2−ブテン−1,4−ジ(トリメトキシシラン)、2−ブテン−1,4−ジ(トリエトキシシラン)、1,4−ジ(トリメトキシシリルメトキシ)−2−ブテンなどのアルコキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(トリフェノキシシラン)などのアリーロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(トリアセトキシシラン)などのアシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]などのアルキルシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ[トリス(トリフェニルシロキシ)シラン]などのアリールシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(ヘプタメチルトリシロキサン)、2−ブテン−1,4−ジ(ウンデカメチルシクロヘキサシロキサン)などのポリシロキサン化合物;などが挙げられる。
オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の使用量は、製造するシクロペンテン開環共重合体の分子量に応じて適宜選択すればよい。本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体におけるオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の使用量は、シクロペンテン+芳香環を含有する環状オレフィンに対して、モル比で、通常1/100〜1/100,000、好ましくは1/200〜1/50,000、より好ましくは1/500〜1/10,000の範囲である。また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体におけるオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の使用量は、シクロペンテン+ノルボルネン化合物に対して、モル比で、通常1/100〜1/100,000、好ましくは1/200〜1/50,000、より好ましくは1/500〜1/10,000の範囲である。なお、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)は、シクロペンテン開環共重合体の共重合体鎖末端へのオキシシリル基の導入作用に加え、分子量調整剤としても作用する。オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の使用量が少なすぎると、シクロペンテン開環共重合体におけるオキシシリル基の導入率が低くなることがあり、多すぎると得られるシクロペンテン開環共重合体の重量平均分子量が低くなってしまうことがある。
また、本発明においては、重合触媒として、酸素原子含有炭化水素化合物をさらに使用してもよい。酸素原子含有炭化水素化合物をさらに使用することにより、重合活性を向上させることができるとともに、得られるシクロペンテン開環共重合体の分子量を向上させることができる。酸素原子含有炭化水素化合物としては、酸素原子を有する炭化水素化合物であればよく、特に限定されないが、ハロゲン原子を置換基として有してもよい炭素数2〜30のエステル、ケトンまたはエーテル化合物が好ましく、室温以上における重合活性の向上効果、および高分子量化の効果が高いという点より、炭素数4〜10のエステル、ケトンまたはエーテル化合物が好ましい。なお、このようなエステル、ケトンまたはエーテル化合物としては、環状のエステル、ケトンやエーテルであってもよいし、さらには、1分子中に複数個のエステル結合、ケトン結合やエーテル結合を含有する化合物であってもよい。
エステル化合物の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸オクチル、酢酸2−クロロエチル、アセチルアクリル酸メチル、ε−カプロラクトン、グルタル酸ジメチル、σ−ヘキサノラクトン、ジアセトキシエタンなどが挙げられる。
ケトン化合物の具体例としては、アセトン、エチルメチルケトン、アセチルアセトン、アセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、1’−アセトナフトン、2−アセチル安息香酸メチル、4’−クロロアセトフェノン、クロロアセトン、1,3−ジクロロ−2−プロパノンなどが挙げられる。
エーテル化合物の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
酸素原子含有炭化水素化合物を使用する場合における、その使用量は、用いる酸素原子含有炭化水素化合物の種類によっても異なるが、周期表第6族遷移金属化合物(A)を構成する周期表第6族遷移金属原子に対して、好ましくは0.1〜10倍モル、より好ましくは0.2〜8倍モル、さらに好ましくは0.5〜5倍モルの割合である。酸素原子含有炭化水素化合物の使用量が少なすぎると、酸素原子含有炭化水素化合物の添加効果が得難くなる傾向にあり、多すぎると、重合活性が不十分となるおそれがある。
(開環共重合)
本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンを、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)と有機アルミニウム化合物(B)に接触させることにより、シクロペンテン/芳香環を含有する環状オレフィンの開環共重合を行なう。
また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、シクロペンテンとノルボルネン化合物を、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)と有機アルミニウム化合物(B)に接触させることにより、シクロペンテン/ノルボルネン化合物の開環共重合を行なう。
これらを接触させ、開環重合を開始させる方法としては特に限定されない。
第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、たとえば、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンおよび有機アルミニウム化合物(B)の存在下に、周期表第6族遷移金属化合物(A)を添加することにより、シクロペンテン/芳香環を含有する環状オレフィンの開環共重合を開始させる方法が挙げられる。あるいは、周期表第6族遷移金属化合物(A)、および有機アルミニウム化合物(B)を予め混合しておき、これにシクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンを添加することにより、シクロペンテン/芳香環を含有する環状オレフィンの開環重合を行なってもよい。
また、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)は、シクロペンテンおよび芳香環を含有する環状オレフィンと予め混合しておいてもよいし、あるいは、開環共重合を行なう際に、シクロペンテン/芳香環を含有する環状オレフィンと混合させてもよいし、さらには、シクロペンテン/芳香環を含有する環状オレフィンの開環共重合を行なった後に、得られた開環共重合体に、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)を添加して、得られた開環共重合体とメタセシス反応させてもよい。
第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、たとえば、シクロペンテンとノルボルネン化合物および有機アルミニウム化合物(B)の存在下に、周期表第6族遷移金属化合物(A)を添加することにより、シクロペンテン/ノルボルネン化合物の開環共重合を開始させる方法が挙げられる。あるいは、周期表第6族遷移金属化合物(A)、および有機アルミニウム化合物(B)を予め混合しておき、これにシクロペンテンとノルボルネン化合物を添加することにより、シクロペンテン/ノルボルネン化合物の開環重合を行なってもよい。
また、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)は、シクロペンテンおよびノルボルネン化合物と予め混合しておいてもよいし、あるいは、開環共重合を行なう際に、シクロペンテン/ノルボルネン化合物と混合させてもよいし、さらには、シクロペンテン/ノルボルネン化合物の開環共重合を行なった後に、得られた開環共重合体に、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)を添加して、得られた開環共重合体とメタセシス反応させてもよい。
本発明のシクロペンテン開環共重合体の製造方法において、開環共重合反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶媒中で行なってもよい。開環共重合反応を溶媒中で行う際に用いる溶媒としては、重合反応において不活性であり、開環共重合に用いるシクロペンテン、芳香環を含有する環状オレフィンもしくはノルボルネン化合物、共重合可能なその他の環状オレフィン、周期表第6族遷移金属化合物(A)、有機アルミニウム化合物(B)、およびオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)を溶解可能な溶媒であればよく、特に限定されないが、炭化水素系溶媒が好ましく用いられる。炭化水素系溶媒の具体例としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などが挙げられる。
本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法において、重合温度は、好ましくは−100℃以上であり、より好ましくは−50℃以上、さらに好ましくは−20℃以上、特に好ましくは0℃以上である。また、重合温度の上限は特に限定されないが、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは90℃未満、さらに好ましくは80℃未満、特に好ましくは70℃未満である。重合温度が高すぎると、得られるシクロペンテン開環共重合体の分子量が低くなりすぎるおそれがあり、重合温度が低すぎると、重合速度が遅くなり、結果として、生産性に劣る場合がある。
また、重合反応時間は、好ましくは1分間〜72時間、より好ましくは10分間〜20時間である。
本発明の第1の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、周期表第6族遷移金属化合物(A)、有機アルミニウム化合物(B)、場合によってはオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)と、シクロペンテン及び芳香環を含有する環状オレフィンとを接触させて開環重合を開始し、重合転化率が所定の値に達した後、公知の重合停止剤を重合系に加えて停止させることにより、シクロペンテン開環共重合体を製造することができる。
また、本発明の第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体の製造方法においては、周期表第6族遷移金属化合物(A)、有機アルミニウム化合物(B)、場合によってはオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)と、シクロペンテン及びノルボルネン化合物とを接触させて開環重合を開始し、重合転化率が所定の値に達した後、公知の重合停止剤を重合系に加えて停止させることにより、シクロペンテン開環共重合体を製造することができる。
なお、シクロペンテン開環共重合体を、共重合体鎖末端にヒドロキシシリル基を有するものとする場合には、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)として、アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基、またはアシロキシシリル基を有するものを用いるとともに、重合反応停止後、得られた開環共重合体を加水分解すればよい。加水分解は、通常、開環共重合体の有機溶剤溶液に所定量の水を添加して、内容物を攪拌することにより行うことができる。水の添加量は、特に制限されないが、オキシシリル基の酸素原子に対して当モル以上とすることが好ましい。また、加水分解を行なう際における、水の添加方法については、有機溶媒中に適量添加する方法、あるいは、空気雰囲気中の水分により徐々に吸湿させる方法のいずれでもよい。さらに、後述するスチームストリッピングによる重合体の回収時に同時に加水分解してもよい。
また、加水分解を行なう際には、酸または塩基触媒を用いて加水分解反応速度を制御することが好ましい。用いる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、蓚酸等の有機酸;等が挙げられる。また、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基;等が挙げられる。
加水分解の反応温度は0℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃である。また、加水分解の反応時間は、通常1分間から100時間である。
加水分解に用いる有機溶剤としては、シクロペンテン開環共重合体が溶解するものであれば、特に制限されないが、たとえば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;等が挙げられる。また、重合後の未反応シクロペンテンを溶剤として用いても構わない。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、所望により、得られた開環共重合体に、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤の添加量は、その種類などに応じて適宜決定すればよい。さらに、本発明においては、所望により、伸展油を配合してもよい。
さらに、重合反応を行う際に、溶媒を用い、重合反応を溶媒中で行なった場合において、重合体溶液から重合体を取得する方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に限定されないが、例えば、スチームストリッピングなどで溶媒を分離した後、固体をろ別し、さらにそれを乾燥して固形状ゴムを取得する方法などが採用できる。
また、本発明の製造方法により得られるシクロペンテン開環共重合体は、その主鎖中に存在する二重結合のシス/トランス組成比が、「シス/トランス」の比率で、好ましくは 40/60〜100/0であり、より好ましくは45/55〜100/0、さらに好ましくは50/50〜100/0である。シス比率が40%以上であれば、得られるシクロペンテン開環共重合体は非晶性となり、低温でのゴム特性に優れるため好ましい。特に、本発明の製造方法においては、重合触媒として、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)および有機アルミニウム化合物(B)を含有するものを用いるため、比較的高温条件である20℃以上の条件で重合反応を行った場合でも、得られるシクロペンテン開環共重合体のシス比率を40%以上とすることができ、これにより、シクロペンテン開環共重合体を非晶性であり、低温でのゴム特性に優れるものとすることができる。加えて、本発明の製造方法は、比較的高温条件である20℃以上の条件で重合反応を行った場合でも、重合バッチおよび重合スケールによらず、得られるシクロペンテン開環共重合体のシス比率を安定したものとすることができ、重合安定性に優れるものである。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体に、充填剤を含有させてなる。
充填剤としては、特に限定されないが、シリカおよび/またはカーボンブラックが挙げられる。
充填剤としてのシリカの具体例としては、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。これらのなかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤としてのシリカは、窒素吸着比表面積が、好ましくは50〜300m/g、より好ましくは80〜220m/g、特に好ましくは100〜170m/gである。比表面積がこの範囲であると、ゴム組成物をより低発熱性に優れたものとすることができる。また、シリカのpHは、7未満であることが好ましく、より好ましくは5〜6.9である。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠して、BET法にて測定することができる。
充填剤として、シリカを用いる場合における配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは15〜100重量部、特に好ましくは20〜80重量部である。シリカの配合量を上記範囲とすることにより、ゴム組成物の低発熱性を特に良好なものとすることができる。シリカの配合量が少なすぎても、また、多すぎても、ゴム組成物の低発熱性が低下するおそれがある。
なお、充填剤として、シリカを配合する際には、ゴム組成物の低発熱性をさらに改善するという観点より、シランカップリング剤をさらに配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどが挙げられる。これらのなかでも、混練時のスコーチを避ける観点より、1分子中に含有される硫黄が4個以下のものが好ましい。これらのシランカップリング剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部である。
また、充填剤としてのカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらのなかでも、ファーネスブラックを用いることが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEFなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤としてのカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは20〜130m/g、さらに好ましくは40〜80m/gである。また、充填剤としてのカーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜200ml/100g、より好ましくは50〜160ml/100g、さらに好ましくは70〜130ml/100gである。カーボンブラックの比表面積およびジブチルフタレート吸着量が上記範囲にあると、ゴム組成物を、成形性が良好で、低発熱性に優れるものとすることができる。
充填剤として、カーボンブラックを用いる場合における配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは2〜120重量部、さらに好ましくは15〜100重量部、特に好ましくは30〜80重量部である。カーボンブラックの配合量を上記範囲とすることにより、ゴム組成物の低発熱性を特に良好なものとすることができる。カーボンブラックの配合量が少なすぎても、また、多すぎても、ゴム組成物の低発熱性が低下するおそれがある。
また、本発明のゴム組成物に、シリカとカーボンブラックとの両方を配合する場合には、シリカとカーボンブラックとの合計量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは25〜120重量部であり、より好ましくは30〜100重量部である。
さらに、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、上述した本発明の第1及び第2の発明に係るシクロペンテン開環共重合体以外のその他のゴムを含有していることが好ましい。その他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム(1,2−ポリブタジエン重合体からなる結晶繊維を含むポリブタジエンゴムであってもよい)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどが挙げられる。これらのなかでも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましく用いられる。これらは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物に、シクロペンテン開環共重合体以外のその他のゴムを配合する場合における、シクロペンテン開環共重合体の含有割合は、ゴム成分中において、好ましくは5〜90重量%であり、より好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。シクロペンテン開環共重合体の含有割合を上記範囲とすることにより、ゴム組成物を、成形性が良好で、ウェットグリップ性に優れるものとすることができる。
また、本発明のゴム組成物は、上記成分以外に、常法に従って、架橋剤、架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤、充填剤、粘着付与剤、水酸化アルミニウムなどの配合剤をそれぞれ必要量配合できる。
架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これらのなかでも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜5.0重量部、より好ましくは0.8〜4.0重量部、特に好ましくは1.0〜3.0重量部である。
架橋促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系架橋促進剤;チオウレア系架橋促進剤;チアゾール系架橋促進剤;チウラム系架橋促進剤;ジチオカルバミン酸系架橋促進剤;キサントゲン酸系架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが特に好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋促進剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1.0〜4.0重量部である。
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛などが挙げられる。架橋活性化剤の配合量は、特に限定されないが、架橋活性化剤として高級脂肪酸を用いる場合の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部であり、架橋活性化剤として酸化亜鉛を用いる場合の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
プロセス油としては、例えば、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤;植物系軟化剤;脂肪酸;などが挙げられる。
その他の配合剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどの活性剤;炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填剤;石油樹脂、クマロン樹脂などの粘着付与剤;ワックス;などが挙げられる。
本発明のゴム組成物を得るためには、常法に従って各成分を混練すればよく、例えば、架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤と、充填剤と、ゴム成分とを混練後、その混練物に架橋剤および架橋促進剤を混合して目的の組成物を得ることができる。架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分の混練温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは120〜180℃である。また、混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。混練物と架橋剤および架橋促進剤との混合は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下まで冷却後に行われる。なお、本発明のゴム組成物を得る際には、固形ゴムに、配合剤と、充填剤とを添加して混練する方法(乾式混練法)、あるいは、ゴムの溶液に、配合剤と、充填剤とを添加して、凝固・乾燥させる方法(湿式混練法)のいずれでもよい。
本発明のシクロペンテン開環共重合体、およびゴム組成物は、上記特性を活かし、各種用途、例えばトレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位への利用、あるいはホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品などのゴム製品への利用、さらには耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂などの樹脂強化ゴムとして利用することができる。特に、本発明のシクロペンテン開環共重合体、およびゴム組成物は、ウェットグリップ性および低発熱性に優れることから、タイヤのキャップトレッドやベーストレッド用または靴底として好適に用いられ、タイヤのキャップトレッドやベーストレッド用に最も好適に用いられる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験、評価は下記によった。
<分子量>
テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、シクロペンテン開環共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレン換算値として測定した。
<シクロペンテン開環共重合体中の芳香環の含有量>
シクロペンテン開環共重合体中の芳香環の全重合体に占める割合を、H−NMRスペクトル測定から求めた。
<シクロペンテン構造単位およびノルボルネン化合物構造単位の割合>
シクロペンテン開環共重合体中の単量体組成比を、H−NMRスペクトル測定から求めた。
<主鎖二重結合のシス/トランス比>
シクロペンテン開環共重合体の主鎖二重結合のシス/トランス比を、13C−NMRスペクトル測定から求めた。
<オキシシリル基導入率>
シクロペンテン開環共重合体について、H−NMRスペクトル測定により、オキシシリル基特有のピーク積分値およびオレフィン由来のピーク積分値の比率の測定を行なった。そして、測定したピーク積分値の比率、および上記したGPCによる数平均分子量(Mn)の測定結果に基づいて、オキシシリル基導入率を算出した。オキシシリル基導入率は、シクロペンテン開環共重合体鎖数に対するオキシシリル基の個数の割合とした。すなわち、オキシシリル基導入率=100%は、1つの共重合体鎖に対し、1個の割合でオキシシリル基が導入されている状態を示す。
<ムーニー粘度(ML1+4,100℃)>
シクロペンテン開環共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)を、JIS K6300に準じて測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
シクロペンテン開環共重合体のガラス転移温度(Tg)を、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温で測定した。
<ウェットグリップ性>
ゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋することにより、試験片を作製し、得られた試験片について、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み0.5%、10Hzの条件で0℃におけるtanδを測定した。そして、実施例1〜4については、得られた測定結果を、後述する比較例1のサンプルの測定値を100とする指数で算出した。また、実施例5〜10については、得られた測定結果を、後述する比較例3のサンプルの測定値を100とする指数で算出した。この指数が大きいほど、ウェットグリップ性に優れる。
<低発熱性>
ゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋することにより、試験片を作製し、得られた試験片について、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み2.0%、10Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。そして、実施例1〜4については、得られた測定結果を、後述する比較例1のサンプルの測定値を100とする指数で算出した。また、実施例5〜10については、得られた測定結果を、後述する比較例3のサンプルの測定値を100とする指数で算出した。この指数が小さいほど、低発熱性に優れる。
《参考例1》
ジイソブチルアルミニウムモノ(n−ブトキシド)/トルエン溶液(2.5重量%)の調製
n−ヘキサノール1.02部(トリイソブチルアルミニウムに対して当モル量)の代わりに、n−ブタノール0.74部(トリイソブチルアルミニウムに対して当モル量)を使用した以外は、参考例2と同様にして、ジイソブチルアルミニウムモノ(n−ブトキシド)/トルエン溶液(2.5重量%濃度)を調製した。
《参考例2》
ジイソブチルアルミニウムモノ(n−へキソキシド)/トルエン溶液(2.5重量%)の調製
窒素雰囲気下、攪拌子の入ったガラス容器に、トルエン88部、および25.4重量%のトリイソブチルアルミニウム/n−ヘキサン溶液(東ソー・ファインケム社製)7.8部を加えた。−45℃に冷却し、激しく攪拌しながら、n−ヘキサノール1.02部(トリイソブチルアルミニウムに対して当モル量)をゆっくりと滴下した。その後、攪拌しながら室温になるまで放置し、ジイソブチルアルミニウムモノ(n−へキソキシド)/トルエン溶液(2.5重量%)を調製した。
《実施例1》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部、および参考例1で調製した2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ブトキシド)/トルエン溶液4.3部を加え、10分間攪拌し、次いで酢酸エチル0.039部を加えて10分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン100部、5−フェニル−2−ノルボルネン(PhNB)50部およびビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン0.35部を加え、ここに、上記にて調製した触媒溶液13部を加えて、25℃で6時間重合反応を行った。6時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、99部のシクロペンテン開環共重合体を得た。得られた開環共重合体について、上記方法に従い、分子量、主鎖二重結合のシス/トランス比、芳香環の含有量、オキシシリル基導入率、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、ガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表1にまとめた。
上記にて得られたシクロペンテン開環共重合体100部を容積250mlのバンバリーミキサーで素練りし、それに、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET法):163m/g)50部、およびプロセスオイル(商品名「アロマックス T−DAE」)10部、新日本石油社製)、シランカップリング剤(ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、商品名「Si69」、デグッサ社製)6.0部を添加して、110℃を開始温度として1.5分間混練した。その混練物に、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製)25部、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3部、ステアリン酸(商品名「SA−300」、旭電化工業社製)2.0部、および老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2.0部を添加し、2.5分間混練して、バンバリーミキサーからゴム組成物を排出させた。混錬終了時のゴム組成物の温度は150℃であった。このゴム組成物を、室温まで冷却した後、再度バンバリーミキサー中で、3分間混練した後、バンバリーミキサーからゴム組成物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム組成物と、硫黄1.5部および架橋促進剤(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS」、大内新興化学工業社製)1.8部とジフェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)1.5部との混合物)とを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。このゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋して試験片を作製し、この試験片について、ウェットグリップ性、低発熱性を評価した。表1にその結果を示す。なお、これらの評価は、比較例1の試験片を基準サンプル(指数100)とする指数で示す。
《実施例2》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン120部、5−フェニル−2−シクロオクテン(PhCOE)30部を加え、続いて1mol/Lのトリエチルアルミニウム/n−ヘキサン溶液1.3部と、1mol/Lの2,2,2−トリクロロエタノール/シクロヘキサン溶液2.8部を添加して攪拌した。ついで、2−ブテン−1,4−ジ(トリエトキシシラン)0.15部と37重量%トリドデシルアンモニウムモリブデート/シクロヘキサン溶液0.5部を添加して、25℃で2時間重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、42部のシクロペンテン開環共重合体を得た。続いて、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。そして、得られたシクロペンテン開環共重合体およびゴム組成物について、実施例1と同様に、評価を行った。結果を表1にまとめた。
《実施例3》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部、および参考例2で調製した2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液4.3部を加え、10分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン100部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン(MTHF)50部を加え、ここに、上記にて調製した触媒溶液13部を加えて、25℃で6時間重合反応を行った。6時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、77部のシクロペンテン開環共重合体を得た。得られた開環共重合体について、上記方法に従い、分子量、主鎖二重結合のシス/トランス比、芳香環の含有量、オキシシリル基導入率、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、ガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表1にまとめた。さらに、実施例1と同様にゴム組成物を作製し、評価した。これらの結果を表1にまとめた。
《実施例4》
シクロペンテン100部、5−フェニル−2−シクロオクテン(PhCOE)50部とし、0℃で24時間重合反応したこと以外は実施例2と同様にして、65部のシクロペンテン開環共重合体を得た。さらに、実施例1と同様にゴム組成物を作製し、評価した。これらの結果を表1にまとめた。
《比較例1》
シクロペンテン100部および5−フェニル−2−ノルボルネン(PhNB)50部に代えて、シクロペンテン150部とし、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シランを加えなかったこと以外は実施例1と同様に重合を行い、シクロペンテン単独開環重合体を得た。続いて、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。そして、得られたシクロペンテン重合体およびゴム組成物について、実施例1と同様に、評価を行った。結果を表1にまとめた。
《比較例2》
1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部および2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ブトキシド)/トルエン溶液4.3部に代えて、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.19部をトルエン10部に溶解した重合触媒溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、115部のシクロペンテン開環共重合体を得た。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてゴム組成物を作製しようと、分子量が低く、適正な混錬物が得られなかった。
Figure 0006390609
《実施例5》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部、および参考例2で調製した2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液4.3部を加え、15分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン100部およびジシクロペンタジエン(DCPD)50部を加え、ここに、上記にて調製した触媒溶液13部を加えて、25℃で6時間重合反応を行った。6時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、85部のシクロペンテン開環共重合体を得た。得られた開環共重合体について、上記方法に従い、分子量、シクロペンテン/ジシクロペンタジエン比率、主鎖二重結合のシス/トランス比、オキシシリル基導入率、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、ガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表2にまとめた。
上記にて得られたシクロペンテン開環共重合体100部を容積250mlのバンバリーミキサーで素練りし、それに、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET法):163m/g)50部、およびプロセスオイル(商品名「アロマックス T−DAE」)10部、新日本石油社製)、シランカップリング剤(ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、商品名「Si69」、デグッサ社製)6.0部を添加して、110℃を開始温度として1.5分間混練した。その混練物に、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製)25部、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3部、ステアリン酸(商品名「SA−300」、旭電化工業社製)2.0部、および老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2.0部を添加し、2.5分間混練して、バンバリーミキサーからゴム組成物を排出させた。混錬終了時のゴム組成物の温度は150℃であった。このゴム組成物を、室温まで冷却した後、再度バンバリーミキサー中で、3分間混練した後、バンバリーミキサーからゴム組成物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム組成物と、硫黄1.5部および架橋促進剤(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS」、大内新興化学工業社製)1.8部とジフェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)1.5部との混合物)とを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。このゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋して試験片を作製し、この試験片について、ウェットグリップ性、低発熱性を評価した。表2にその結果を示す。なお、これらの評価は、比較例3の試験片を基準サンプル(指数100)とする指数で示す。
《実施例6》
シクロペンテン100部およびジシクロペンタジエン(DCPD)50部を加える際に、ビニル(トリエトキシ)シラン0.20部を同時に加えた以外は、実施例5と同様にシクロペンテン開環共重合体を得た。さらに、実施例5と同様にゴム組成物を作製し、評価した。これらの結果を表2にまとめた。
《実施例7》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部、および参考例1で調製した2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ブトキシド)/トルエン溶液4.3部を加え、10分間攪拌し、次いで酢酸エチル0.039部を加えて10分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン75部、5−フェニル−2−ノルボルネン(PhNB)75部およびビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン0.35部を加え、ここに、上記にて調製した触媒溶液13部を加えて、25℃で6時間重合反応を行った。6時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、99部のシクロペンテン開環共重合体を得た。続いて、実施例5と同様にしてゴム組成物を得た。そして、得られたシクロペンテン開環共重合体およびゴム組成物について、実施例5と同様に、評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例8》
窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン110部、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(TCD)30部を加え、続いて1mol/Lのトリエチルアルミニウム/n−ヘキサン溶液1.3部と、1mol/Lの2,2,2−トリクロロエタノール/シクロヘキサン溶液2.8部を添加して攪拌した。ついで、2−ブテン−1,4−ジ(トリエトキシシラン)0.15部と37重量%トリドデシルアンモニウムモリブデート/シクロヘキサン溶液0.5部を添加して、25℃で2時間重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のイソプロパノールを加えて重合を停止した後、耐圧ガラス反応容器内の溶液を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を含む大過剰のイソプロパノールに注いだ。次いで、沈殿したポリマーを回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、42部のシクロペンテン開環共重合体を得た。続いて、実施例5と同様にしてゴム組成物を得た。そして、得られたシクロペンテン開環共重合体およびゴム組成物について、実施例5と同様に、評価を行った。結果を表2にまとめた。
《実施例9》
ジシクロペンタジエン(DCPD)50部を1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン(MTHF)50部に代えた以外は、実施例5と同様にして、シクロペンテン開環共重合体77部を得た。さらに、実施例5と同様にゴム組成物を作製し、評価した。これらの結果を表2にまとめた。
《実施例10》
ジシクロペンタジエン(DCPD)を2−ノルボルネン(NB)に代え、酸素原子含有炭化水素化合物として、1,4−ジオキサン0.035部を加えた以外は、実施例5と同様にして、シクロペンテン開環共重合体95部を得た。さらに、実施例5と同様にゴム組成物を作製し、評価した。これらの結果を表2にまとめた。
《比較例3》
シクロペンテン100部およびジシクロペンタジエン(DCPD)50部に代えて、シクロペンテン150部とした以外は実施例5と同様に重合を行い、シクロペンテン単独開環重合体を得た。続いて、実施例5と同様にしてゴム組成物を得た。そして、得られたシクロペンテン重合体およびゴム組成物について、実施例5と同様に、評価を行った。結果を表2にまとめた。
《比較例4》
1.0重量%のWCl/トルエン溶液8.7部および2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液4.3部に代えて、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.19部をトルエン10部に溶解した重合触媒溶液を用いた以外は、実施例6と同様にして、116部のシクロペンテン開環共重合体を得た。結果を表2に示す。また、実施例5と同様にしてゴム組成物を作製しようとしたが、分子量が低く、適正な混錬物が得られなかった。
Figure 0006390609

Claims (5)

  1. シクロペンテン単位および芳香環を含有する環状オレフィン単位を含有するシクロペンテン開環共重合体であって、前記共重合体の全重量に対する芳香環の含有量が10〜40重量%であって、重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000であるシクロペンテン開環共重合体。
  2. 共重合体鎖末端にオキシシリル基を有するものである請求項1に記載のシクロペンテン開環共重合体。
  3. 請求項1に記載のシクロペンテン開環共重合体を製造する方法であって、周期表第6族遷移金属化合物(A)と、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)の存在下で、シクロペンテンと芳香環を含有する環状オレフィンを開環共重合するシクロペンテン開環共重合体の製造方法。
    (R3−a―bAl(OR (1)
    (上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、ハロゲン原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。aは1または2、bは0または1、かつa+b<3を満たす。)
  4. 請求項に記載のシクロペンテン開環共重合体を製造する方法であって、請求項の製造方法において、(A)、(B)に加えてオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の存在下で開環共重合するシクロペンテン開環共重合体の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のシクロペンテン開環共重合体を含有するゴム成分と、シリカおよび/またはカーボンブラックを配合してなるゴム組成物。
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