JP6390494B2 - 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物および射出成形体 - Google Patents
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Description
しかし、耐衝撃性及び剛性に劣るため、その改良を目的として、エチレン−プロピレン共重合体等のゴム成分とタルク等の無機フィラーを併用する種々のポリプロピレン系樹脂組成物が多数提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、タルクを併用すると、比重が高くなり、ポリプロピレンの軽量感が損なわれる。また、ゴム成分とタルクの併用は、製造コストを上げる要因となり、好ましくない。
そのため、上記の提案されたポリプロピレン系樹脂組成物では、未だ性能が十分でなく、更なる性能向上が要望され、特に、剛性、耐衝撃性、透明性及び成形性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物やそれを用いた射出成形体が求められている。
特性(i):MFRが5〜50g/10分である。
特性(ii):DSC法による融解ピーク温度(Tm)が155〜165℃の範囲である。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)がチーグラー・ナッタ触媒によって製造されることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、エチレン系エラストマー(Y)は、メタロセン触媒を用いて重合され、MFRが1〜50g/10分であることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、肉厚が0.3〜1.0mmtであることを特徴とする射出成形体が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第6〜8のいずれかの発明において、8〜16個取りの多数個取り金型で射出成形することにより得られることを特徴とする射出成形体が提供される。
特性(i):MFRが5〜50g/10分である。
特性(ii):DSC法による融解ピーク温度(Tm)が155〜165℃の範囲である。
本発明で使用するプロピレン−エチレン共重合体(a)は、以下の特性を満足する。
(1)特性1:MFR
本発明に用いるプロピレン−エチレン共重合体(a)のMFRは、10〜300g/10分の範囲であることが必要であり、好ましくは30〜200g/10分、より好ましくは50〜150g/10分である。
このMFRの範囲の下限値(10g/10分)以上であると、流動性の向上により、成形加工性が良好となり、一方、上限値(300g/10分)以下のものは、樹脂組成物の生産性が良好となり、経済上好ましい。
MFR値の制御の方法は、周知であり、重合条件である温度や圧力を調節したり、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加する水素添加量の制御により、容易に調整を行なうことができる。
なお、本発明において、プロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定され、単位はg/10分である。
本発明に用いるプロピレン−エチレン共重合体(a)のエチレン含量は、0.1〜3重量%の範囲であることが必要であり、好ましくは1.0〜2.8重量%、より好ましくは1.5〜2.6重量%である。
この範囲の下限値(0.1重量%)以上であると、成形品の透明性が良好となる。また上限値(3重量%)以下であると、結晶化温度の上昇により、成形時の固化が速くなり、成形加工性が良好となる。
エチレン含量は、重合時におけるプロピレンとエチレンのモノマー組成の制御によって調整することができる。
本発明で使用するプロピレン−エチレン共重合体(b)は、以下の特性を満足する。
(1)特性1:MFR
本発明に用いるプロピレン−エチレン共重合体(b)のMFRは、1〜50g/10分の範囲であることが必要であり、好ましくは5〜30g/10分、より好ましくは8〜15g/10分である。
この範囲の下限値(1g/10分)以上であると、プロピレン−エチレン共重合体(a)への分散性が向上し、成形品にフィッシュアイが発生することを抑制することが可能となる。また、上限値(50g/10分)以下であると、低結晶成分が表面にブリードしにくくなることにより、加熱後の透明性が良好となる。
本発明に用いるプロピレン−エチレン共重合体(b)のエチレン含量は、5〜20重量%の範囲であることが必要であり、好ましくは7〜15重量%、より好ましくは8〜13重量%である。
この範囲の下限値(5重量%)以上であると、成形品の耐衝撃性が向上する。また、上限値(20重量%)以下であると、プロピレン−エチレン共重合体(a)との相溶性が向上することにより、成形品の透明性が良好となる。
本発明に用いるプロピレン−エチレン共重合体(a)とプロピレン−エチレン共重合体(b)の重量比は、90:10〜60:40の範囲であることが必要であり、好ましくは87:13〜65:35、より好ましくは84:16〜70:30である。
プロピレン−エチレン共重合体(a)の重量比の上限値(90)以下であると、成形品の耐衝撃性が向上し、一方、下限値(60)以上であると、成形時の固化が速くなり、成形加工性が向上する。
(1)特性1:MFR
本発明に係るプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)のMFRは、20〜100g/10分の範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜50g/10分である。
MFRが20g/10分以上であると、流動性向上により、成形加工性が良好となり、一方、MFRが100g/10分以下であると、耐衝撃性が良好となる。
また、プロピレン−エチレン共重合体(a)とプロピレン−エチレン共重合体(b)のMFR比(a/b)は、1〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜7である。
このMFR比(a/b)の範囲の下限値(1)以上であると、耐衝撃性が向上し、一方、上限値(10)以下であると、プロピレン−エチレン共重合体(a)に対するプロピレン−エチレン共重合体(b)の分散性が良好となり、透明性が向上する。
本発明に係るプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)のエチレン含量は、2〜8重量%の範囲であることが必要であり、好ましくは3〜6重量%、より好ましくは3〜5重量%である。
この範囲の下限値(2重量%)以上であると、成形品の透明性及び耐衝撃性が向上する。一方、上限値(8重量%)以下であると、低結晶性成分の減少により、加熱後の透明性が向上する。
(ア)クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100(CFCと略す。)
(イ)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR、パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して、代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。
CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃の温度に保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは、光路長1mm、光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃の温度に保持する。
(ウ)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFC後段部分のGPCカラムは、昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用する。
(ア)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(イ)サンプル濃度:4mg/ml
(ウ)注入量:0.4ml
(エ)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(オ)分別方法:
昇温溶出分別時の分別温度は40℃、100℃、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。
なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:重量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(カ)溶出時溶媒流速:1ml/分
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(ア)検出器:MCT
(イ)分解能:8cm−1
(ウ)測定間隔:0.2分(12秒)
(エ)一測定当たりの積算回数:15回
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mlとなるようにODCB(0.5mg/mlのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4ml注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
分子量への換算は、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には、以下の数値を用いる。
(ア)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(イ)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
上記溶出分別された各溶出部分の分子量は、Mw(40)、Mw(100)、Mw(140)と定義される。全体の分子量分布は、3分別で得られたデータを合計し、計算で求めた。これより、後述の重量平均分子量が3,000以下の成分の含量(重量%)は、積算して求められる。
また、各溶出成分のエチレン含量分布(分子量軸に沿ったエチレン含量の分布)は、FT−IRによって得られる2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレンや13C−NMR測定等によりエチレン含量が既知となっているエチレン・プロピレン・ラバー(EPR)及びそれらの混合物を使用して、予め作成しておいた検量線により、エチレン含量(重量%)に換算して求める。
Wc(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/B100・・・(I)
式(I)の意味は、以下の通りである。すなわち、式(I)右辺の第一項は、フラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるEP1の量を算出する項である。フラクション1がEP2のみを含み、EP1を含まない場合には、W40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のEP2含有量に寄与するが、フラクション1には、EP2由来の成分のほかに少量のEP1由来の成分(極端に分子量の低い成分)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこで、W40にA40/B40を乗ずることにより、フラクション1のうち、EP2成分由来の量を算出する。例えば、フラクション1の平均エチレン含量(A40)が15重量%であり、フラクション1に含まれるEPのエチレン含量(B40)が20重量%である場合、フラクション1の15/20=3/4(即ち75重量%)はEP2由来、1/4はEP1由来ということになる。このように右辺第一項でA40/B40を乗ずる操作は、フラクション1の重量%(W40)からEP2の寄与を算出することを意味する。
(ア)上述したように、CFC測定により得られるフラクション1〜2に対応する平均エチレン含量をそれぞれA40、A100とする(単位は、いずれも重量%である)。平均エチレン含量の求め方は後述する。
(イ)フラクション1の微分分子量分布曲線におけるピーク位置に相当するエチレン含量をB40とする(単位は重量%である)。
フラクション2については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本明では、実質的にB100=100と定義する。
B40、B100は、各フラクションに含まれるプロピレン−エチレンランダム共重合体のエチレン含量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由は、フラクションに混在するEP1とEP2を完全に分離・分取する手段がないからである。種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B40は、フラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明することができる。すなわち、B40は、フラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含量である。また、B100は、エチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、及び、これらのフラクションに含まれるEP1の量がフラクション1に含まれるEP1の量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が、実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。そこで、B100=100として解析を行う。
Wc(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/100・・・(II)
つまり、式(II)右辺の第一項であるW40×A40/B40は、結晶性を持たないEP2含有量(重量%)を示し、第二項であるW100×A100/100は、結晶性を持つEP1含有量(重量%)を示す。
ここで、B40及びCFC測定により得られる各フラクション1及び2の平均エチレン含量A40、A100は、次のようにして求める。
微分分子量分布曲線のピーク位置に対応するエチレン含量をB40とする。また、測定時にデータポイントとして取り込まれる、各データポイント毎の重量割合と各データポイント毎のエチレン含量の積の総和をフラクション1の平均エチレン含量A40とする。フラクション2の平均エチレン含量A100も同様に求める。
本発明のCFC分析においては、40℃とは、結晶性を持たないポリマー(例えば、EP2の大部分、もしくはEP1の中でも極端に分子量の低い成分)のみを分別するのに必要十分な温度条件である意義を有する。100℃とは、40℃では不溶であるが100℃では可溶となる成分(例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体中、エチレン及び/またはプロピレンの連鎖に起因して結晶性を有する成分、及び結晶性の低いEP1)のみを溶出させるのに必要十分な温度である。140℃とは、100℃では不溶であるが140℃では可溶となる成分(例えば、EP1の中でも特に結晶性の高い成分、及びEP2中の極端に分子量が高くかつ極めて高いエチレン結晶性を有する成分)のみを溶出させ、かつ分析に使用するプロピレン系ブロック共重合体の全量を回収するのに必要十分な温度である。
なお、W140には、EP2成分は全く含まれないか、存在しても極めて少量であり実質的には無視できることから、EP2の比率やEP2のエチレン含量の計算からは排除する。
本発明におけるプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)中のプロピレン−エチレン共重合体(a)部(EP1)とプロピレン−エチレン共重合体(b)部(EP2)のエチレン含量は、上記の方法で測定した結果を用い、下記式(III)で求められる。
EPのエチレン含量(重量%)=(W40×A40+W100×A100)/Wc・・・(III)
例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、又は、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。
本発明では、剛性、耐衝撃性のバランスが良いプロピレン系ブロック共重合体が特に好ましいため、一般的に立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒がより好ましい。
また、プロピレン−エチレン共重合体(a)、及びプロピレン−エチレン共重合体(b)の混合についても、前述の諸特性を満足すれば、いかなる方法で製造してもよいが、2段連続重合法を採用することにより、プロピレン−エチレン共重合体(a)に対するプロピレン−エチレン共重合体(b)の分散が良好となり、より透明性が向上する。
本発明で使用するポリプロピレン樹脂(X)は、上記したように(i)〜(ii)の特性を満足する。
本発明に用いるポリプロピレン樹脂(X)のメルトフローレート(MFR)は、5〜50g/10分の範囲であることが必要であり、好ましくは5〜40g/10分である。
この範囲を下回ると、プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)と混練不足となり、造粒時に押出不良となる問題が生じ、一方、上回るものは、高透明性が発現しない。
MFR値の制御の方法は、周知であり、ポリプロピレン樹脂(X)の重合条件である温度や圧力を調節したり、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加する水素添加量の制御により、容易に調整を行なうことができる。
なお、本発明において、プロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)およびメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定され、単位はg/10分である。
本発明で使用されるポリプロピレン樹脂(X)の示差走査熱量計(DSC)により測定された融解ピーク温度(Tm)は、155〜165℃の範囲である必要があり、157〜164℃であるのが好ましく、さらに好ましくは、160〜163℃の範囲である。
Tmが155℃未満のものは、溶融されたポリプロピレン樹脂の冷却固化速度を向上させることができず、成形性は、改善されなく、一方、Tmが165℃を超えると、プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)との相溶性が悪化し、透明性を悪化する。
Tmを調整するには、重合反応系へ供給するエチレンの量を制御することにより、容易に調整することができる。
ここで、Tmの具体的測定は、示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル量5mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、組成物全量基準で、前記プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)60〜99重量%、好ましくは70〜95重量%、より好ましくは80〜95重量%と、前記ポリプロピレン樹脂(X)1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%とからなる。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)とポリプロピレン樹脂(X)の配合割合が上記の範囲であると、本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、耐衝撃性、剛性、透明性および成形性のバランスに優れたものとなる。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、前記プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)とポリプロピレン樹脂(X)の合計量100重量部に対して、さらに、エチレン系エラストマー(Y)を1〜30重量部加えることで、より耐衝撃性を付与することができる。
このようなエチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、密度が0.875〜0.920g/cm3、好ましくは0.880〜0.910g/cm3であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が望ましく、好ましくはエチレン−α−オレフィンランダム共重合体の30重量%以下、より好ましくは15〜25重量%の範囲で、α−オレフィンを共重合させたものを用いると、耐衝撃性が良好となる。
α−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。
具体的なエチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン−3−メチル−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン−1−ヘプテンランダム共重合体、エチレン−1−オクテンランダム共重合体、エチレン−1−デセンランダム共重合体等を挙げることができる。
具体的には、エチレン系エラストマーは、オレフィンの立体規則性重合触媒として、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の触媒を使用して、気相法、溶液法、高圧法、スラリー法等のプロセスで、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンとを共重合させて、製造することができるが、特に、密度を低くするには、オレフィンの立体規則性重合触媒として、メタロセン触媒を用いて、高圧法、又は溶液法で製造されることが望ましい。
エチレン系エラストマー(Y)の好ましい態様であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、市販品として、日本ポリエチレン(株)製のノバテックLLシリーズやハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、三井化学(株)製のタフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、(株)プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のスミカセンE、EPシリーズ、エクセレンGMHシリーズなどが例示できる。
また、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、日本ポリエチレン(株)製のハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のエクセレンFXシリーズなどが例示できる。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物に、造核剤を含有することで、より透明性が良好な成形品を得ることができる。
造核剤としては、有機燐酸エステル金属塩、有機モノカルボン酸金属塩、有機ジカルボン酸金属塩、ポリマー核剤、ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体、ジテルペン酸類の金属塩等が使用される。
造核剤の含有量は、射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜0.7重量部であり、好ましくは0.1〜0.5重量部である。造核剤の含有量が0.01重量部以上であると、透明性の改良効果が十分であり、一方、0.7重量部以下であると、費用対前記効果(コスト・パフォーマンス)の点から有利である。
なお、これら造核剤は、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物には、性能を損なわない範疇で、また、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、帯電防止剤、難燃剤、親水化剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、ポリエチレン、エラストマー、石油樹脂、抗菌剤などを含有することができる。また、MFR調整が必要な場合は、有機過酸化物を配合することもできる。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物は、前述のプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)、ポリプロピレン樹脂(X)、エチレン系エラストマー(Y)、造核剤及びその他添加剤等の各種配合成分の所定量を、例えば、ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、等の通常の混合装置を用いて、混合することによって得ることができる。得られた混合物を、単軸もしくは2軸の押出機、又はロールなどを用いて、溶融混練温度150〜300℃、好ましくは180〜250℃でペレタイズすることによって、ペレット状の組成物とすることもできる。
本発明の射出成形品(射出成形体)は、上記の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を通常の射出成形法、射出圧縮成形法、射出発泡成形法等に付すことにより得られる。
この射出成形品としては、具体的には、食品容器(プリン容器、ゼリー容器、ヨーグルト容器、その他のデザート容器、惣菜容器、茶碗蒸し容器、インスタントラーメン等のインスタント麺類に代表されるインスタント食品用の容器、米飯容器、レトルト容器、弁当容器等)、飲料容器(飲料ボトル、チルドコーヒー容器、ワンハンドカップ容器、その他の飲料容器等)、キャップ(ペットボトルキャップ、1ピースキャップ、2ピースキャップ、インスタントコーヒーのキャップ、調味料キャップ、化粧品容器キャップ等)、その他各種容器(インク容器、化粧品容器、シャンプー容器、洗剤容器等)、日用品(衣装ケース、バケツ、洗面器、筆記用具、コンテナ、玩具、調理器具、その他各種ケース等)などが挙げられる。
また、肉厚が0.3〜1.0mmtの射出成形体においては、成形サイクルを短縮できる材料が非常に好適であり、本発明で用いられる射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を用いることにより、生産性の高い射出成形体を得ることができる。
(1)MFR
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、JIS K−7210−1999(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定される。
(2)曲げ弾性率
射出成形法により試験片を成形し、成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室に24時間放置した後、JIS K7171(ISO178)に準拠して求めた。
(3)シャルピー衝撃強度
射出成形法により試験片を成形し、成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室に24時間放置した後、JIS K7111に準拠して求めた。
(4)透明性(Haze、ヘーズ)
射出成形法により厚さ2mmの平板を成形し、成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室に24時間放置した後、JIS K7136(ISO14782)、JIS K7361−1に準拠して求めた。これを加熱前Hazeとした。
また、加熱後Hazeは、試験片を100℃のオーブンに5時間放置した後、測定して求めた。
(5)成形サイクル
住友重機械製射出成形機SG125M−Hを用い、側面肉厚0.7mmt、内容量180mlのデザートカップ金型を、シリンダー温度200℃、マニホールド温度200℃、金型温度20℃にて射出成形し、製品が20ショット連続で固定型に残らない、最短の冷却時間を評価した。
(1)プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)
下記の製造例1〜5で得られた各プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)、すなわちプロピレン系重合体(それぞれ、PP−1〜PP−5と称す)を用いた。
(i)固体触媒成分(A)の製造
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、Mg(OEt)2を200g、TiCl4を1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiCl4を1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiCl4を1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体成分のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングし分析したところ、固体成分のTi含量は2.7重量%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体成分のスラリーを固体成分として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が25g/Lとなる様に調整した。SiCl4を50ml加え、90℃で1hr反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
その後、精製したn−ヘプタンを導入して液レベルを4Lに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、(i−Pr)2Si(OMe)2を30ml、Et3Alのn−ヘプタン希釈液をEt3Alとして80g添加し、40℃で2hr反応を行った。
反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄し、得られたスラリーの一部をサンプリングして乾燥、分析したところ、固体成分にはTiが1.2重量%、(i−Pr)2Si(OMe)2が8.8重量%含まれていた。
更に、上記で得られた固体成分を用いて、以下の手順により予備重合を行った。上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が20g/Lとなる様に調整した。
次に、スラリーを10℃に冷却した後、Et3Alのn−ヘプタン希釈液をEt3Alとして10g添加し、280gのプロピレンを4hrかけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30min反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分は、固体成分1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。また、この固体触媒成分(A)のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.0重量%、(i−Pr)2Si(OMe)2が8.2重量%含まれていた。
2つの気相流動床よりなる重合反応器を用い2段重合によりプロピレン系重合体を製造した。
第1反応器(内容積2.19m3)に上記予備活性化処理した固体触媒成分(A)を0.26g/hr、有機アルミニウム化合物としてEt3Alを5.2g/hrで連続的に供給した。反応温度75℃、反応圧力3.0MPa、空塔速度0.35m/s、ベッド重量40kgの条件を維持しながら、重合器内に水素及びエチレンをそれぞれ水素/プロピレン=0.057モル比、エチレン/プロピレン=0.013モル比で連続供給し、PP成分(A)を得た。
PP成分(A)のMFRは88.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。
尚、プロピレン−エチレン共重合体の反応量を調節するため、重合活性抑制剤としてエタノールをエタノール/Al=0.62モル比で供給した。
プロピレン系重合体のMFRは44.0g/10分、エチレン含量は4.0重量%であった。ここで、2段目で製造したPP成分(B)についてのインデックスを計算したところ、生産量は、全体の重量に対し33%であり、MFRは10.7g/10分、エチレン含量は7.5重量%であった。
(i)プロピレン系重合体の製造
第1反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.056モル比、エチレン/プロピレン=0.013モル比、第2反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.032モル比、エチレン/プロピレン=0.071モル比、また2段目のプロピレン−エチレン共重合体の反応量を調節するため、重合活性抑制剤としてエタノールをエタノール/Al=0.72モル比供給で製造した以外は、製造例1と同条件で行った。
PP成分(A)のMFRは79.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。プロピレン系重合体のMFRは46.0g/10分、エチレン含量は4.6重量%であった。ここで、2段目で製造したPP成分(B)についてのインデックスを計算したところ、生産量は全体の重量に対し30%であり、MFRは13.0g/10分、エチレン含量は10.0重量%であった。
(i)プロピレン系重合体の製造
第1反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.039モル比、エチレン/プロピレン=0.013モル比、第2反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.056モル比、エチレン/プロピレン=0.052モル比、また2段目のプロピレン−エチレン共重合体の反応量を調節するため重合活性抑制剤としてエタノールをエタノール/Al=0.74モル比供給で製造した以外は、製造例1と同条件で行った。
PP成分(A)のMFRは45.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。プロピレン系重合体のMFRは46.0g/10分、エチレン含量は3.8重量%であった。ここで、2段目で製造したPP成分(B)についてのインデックスを計算したところ、生産量は全体の重量に対し32%であり、MFRは49.0g/10分、エチレン含量は7.5重量%であった。
(i)プロピレン系重合体の製造
第1反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.030モル比、エチレン/プロピレン=0.013モル比、第2反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.030モル比、エチレン/プロピレン=0.013モル比で、また2段目のプロピレン−エチレン共重合体の反応量を調節するため重合活性抑制剤としてエタノールをエタノール/Al=0.40モル比供給で製造した以外は、実施例1と同条件で行った。
PP成分(A)のMFRは30.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。プロピレン系重合体のMFRは30.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。ここで、2段目で製造したPP成分(B)についてのインデックスを計算したところ、生産量は全体の重量に対し30%であり、MFRは30.0g/10分、エチレン含量は2.2重量%であった。
(i)プロピレン系重合体の製造
第1反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.036モル比、エチレン/プロピレン=0.012モル比、第2反応器の水素及びエチレンがそれぞれ水素/プロピレン=0.010モル比、エチレン/プロピレン=0.210モル比で、また、2段目のプロピレン−エチレン共重合体の反応量を調節するため、重合活性抑制剤としてエタノールをエタノール/Al=1.30モル比供給で製造した以外は、実施例1と同条件で行った。
PP成分(A)のMFRは40.0g/10分、エチレン含量は2.1重量%であった。プロピレン系重合体のMFRは13.0g/10分、エチレン含量は9.1重量%であった。ここで、2段目で製造したPP成分(B)についてのインデックスを計算したところ、生産量は全体の重量に対し31%であり、MFRは1.0g/10分、エチレン含量は25.0重量%であった。
ポリプロピレン樹脂(X)としては、下記のポリプロピレン樹脂(X−1〜6)を使用した。
(X−1)プロピレン単独重合体:ノバテックPP FA3KM(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:10g/10分、融解ピーク温度:163℃
(X−2)プロピレン単独重合体:ノバテックPP SA04M(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:40g/10分、融解ピーク温度:160℃
(X−3)プロピレン単独重合体:ノバテックPP SA06GA(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:60g/10分、融解ピーク温度:163℃
(X−4)プロピレン単独重合体:ノバテックPP MA04A(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:40g/10分、融解ピーク温度:167℃
(X−5)プロピレン単独重合体:ノバテックPP FY6H(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:2g/10分、融解ピーク温度:164℃
(X−6)プロピレンエチレンブロック共重合体:ノバテックPP BC02NC(日本ポリプロ(株)製)、触媒:チーグラー触媒、MFR:20g/10分、融解ピーク温度:164℃
エチレン系エラストマー(Y)として、下記のエラストマー(Y−1)を使用した。
(Y−1)エチレン系エラストマー:カーネルKS571(日本ポリエチレン(株)製)、MFR:24g/10分、密度:0.907g/cm3
(i)造核剤(B−1):ADEKA社製、NA21、有機燐酸エステル金属塩系核剤
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として、製造例1で得られた(PP−1)パウダー99重量部に対して、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)1重量部、造核剤(B−1)0.2重量部、中和剤のステアリン酸カルシウム0.05重量部、フェノール系酸化防止剤のペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製;以下RA1010と略す。)0.05重量部、リン系酸化防止剤のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファィト(BASF社製;以下RA168と略す。)0.05重量部、スリップ剤としてオレイン酸アミド0.05重量部を添加し、スーパーミキサーで窒素シール後、3分間混合した。
その後、パウダーは、東芝機械社製2軸押出機TEM35を用いホッパーを窒素シールしながら、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpm、押出量15kg/hで造粒し、ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを得た。
上記製造例1で得られたプロピレン系重合体(PP−1)パウダーであるプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)、並びに樹脂組成物(A)中のプロピレン−エチレン共重合体(a)及びプロピレン−エチレン共重合体(b)の各組成、物性等を表1に示す。
上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを用いて、東芝射出成形機EC100に供給し、射出1次圧力50MPa、成形温度200℃、金型冷却水温度40℃、成形サイクル15秒で試験片、試験用平板を成形した。
得られた試験片、試験用平板について、前記の項目(曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、Haze、加熱後Haze、成形サイクル)の物性評価を行った。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)を95重量部、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)を90重量部、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)10重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)を80重量部、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)20重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例2(PP−2)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例3(PP−3)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(X)としてペレット(X−2)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表1に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例1(PP−1)を100重量部用い、ポリプロピレン樹脂(X)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表2に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例2(PP−2)を100重量部用い、ポリプロピレン樹脂(X)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表2に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例3(PP−3)を100重量部用い、ポリプロピレン樹脂(X)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表2に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例4(PP−4)を100重量部用い、ポリプロピレン樹脂(X)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表2に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例5(PP−5)を100重量部用い、ポリプロピレン樹脂(X)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表2に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)を50重量部、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)50重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(X)としてペレット(X−3)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(X)としてペレット(X−4)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
ポリプロピレン樹脂(X)としてペレット(X−5)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例4(PP−4)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例5(PP−5)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表3に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例1で得られた(PP−1)95重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)5重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y)としてエラストマー(Y−1)5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)90重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)10重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y−1)5重量部を用いた以外は、実施例8と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)80重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)20重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y−1)5重量部を用いた以外は、実施例8と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)80重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)のペレット(X−1)20重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y−1)10重量部を用いた以外は、実施例10と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例1で得られた(PP−1)90重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)として(X−6)10重量%を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)として製造例1で得られた(PP−1)90重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)として(X−6)10重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y)としてエラストマー(Y−1)5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)85重量%と、ポリプロピレン樹脂(X)15重量%との合計100重量部に対して、エチレン系エラストマー(Y)としてエラストマー(Y−1)5重量部を用いた以外は、実施例13と同様にして、ポリプロピレン系樹脂組成物、射出成形品を得た。その結果を表4に示す。
一方、本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物の構成要件を満たさない比較例1〜11では、透明性、剛性、耐衝撃性と成形性のいずれかが良好でないか、押出状態が不安定でペレットを得ることができなかった。
Claims (9)
- エチレン含量が0.1〜3重量%、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレイト(MFR)が10〜300g/10分であるプロピレン−エチレン共重合体(a)と、エチレン含量が5〜20重量%、MFRが1〜50g/10分であるプロピレン−エチレン共重合体(b)とを含有し、プロピレン−エチレン共重合体(a)とプロピレン−エチレン共重合体(b)の重量比が90:10〜60:40であり、かつプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)全体のエチレン含量が2〜8重量%であるプロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)60〜99重量%、及び下記の(i)〜(ii)の特性を有するポリプロピレン樹脂(X)1〜40重量%からなる射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
特性(i):MFRが5〜50g/10分である。
特性(ii):DSC法による融解ピーク温度(Tm)が155〜165℃の範囲である。 - プロピレン−エチレン共重合体(a)とプロピレン−エチレン共重合体(b)のMFR比(a/b)が1〜10で、かつ、プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)のMFRが20〜100g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)がチーグラー・ナッタ触媒によって製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレン−エチレン系樹脂組成物(A)とポリプロピレン樹脂(X)の合計100重量部に対して、さらに、密度が0.875〜0.920g/cm3のエチレン系エラストマー(Y)を1.0〜30重量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- エチレン系エラストマー(Y)は、メタロセン触媒を用いて重合され、MFRが1〜50g/10分であることを特徴とする請求項4に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて成形してなる射出成形体。
- 肉厚が0.3〜1.0mmtであることを特徴とする請求項6に記載の射出成形体。
- 食品向け包装容器であることを特徴とする請求項6又は7に記載の射出成形体。
- 8〜16個取りの多数個取り金型で射出成形することにより得られることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の射出成形体。
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