JP6390334B2 - ケミカルループ燃焼装置、及びケミカルループ燃焼方法 - Google Patents

ケミカルループ燃焼装置、及びケミカルループ燃焼方法 Download PDF

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Description

本発明は、ケミカルループ燃焼装置、及びケミカルループ燃焼方法に関する。
地球の温暖化を抑制するためには、化石燃料の燃焼に伴って生成する二酸化炭素を回収することが必要である。化石燃料の燃焼によって発生する排ガスは、二酸化炭素のみならず、空気に由来する酸素、窒素又は窒素酸化物等も含有する。したがって、二酸化炭素を回収するためには、二酸化炭素を排ガスから分離する工程が必要となる。しかし、分離工程では多大なエネルギーが消費されてしまう。例えば、二酸化炭素の吸脱着工程では、吸着剤の温度、又は吸着剤を取り巻く雰囲気の圧力を制御するために、多大なエネルギーが必要となる。
近年、排ガス中の二酸化炭素を容易に回収する方法として、ケミカルループ燃焼(化学燃焼)と呼ばれる方法が注目されている(下記特許文献1参照)。ケミカルループ燃焼を実施するための装置(ケミカルループ燃焼装置)は、空気反応器及び燃料反応器を備える。ケミカルループ燃焼方法では、空気反応器において金属を含む酸素キャリア粒子(粉体)を空気中の酸素で酸化する。空気反応器内では、燃料が存在しないので、二酸化炭素及び窒素酸化物が生成し難い。空気反応器内で酸化された酸素キャリア粒子を空気から分離した後、燃料反応器へ供給する。燃料反応器内では、酸素キャリア粒子を燃料で還元する。つまり、燃料を酸素キャリア粒子で酸化する。酸素キャリア粒子の還元(燃料の酸化)によって、燃料反応器内で二酸化炭素等の燃焼ガスが生成する。燃料反応器で還元された酸素キャリア粒子を空気反応器に戻して再び酸化して、再利用する。
以上のように、ケミカルループ燃焼方法では、空気反応器及び燃料反応器の間を循環する酸素キャリア粒子が、空気から燃料へ酸素を媒介する。つまり、空気が燃料と直接反応しない。したがって、ケミカルループ燃焼方法では、燃料の酸化(燃焼)によって発生する排ガスが空気に由来する窒素を含まず、二酸化炭素等の燃焼ガスを容易に回収することができる。
特表2012−529614号公報
従来のケミカルループ燃焼装置は、空気反応器として、ライザーを備える。ライザーとは、鉛直方向に延びる管又は塔である。酸素キャリア粒子は、ライザーの下部からライザー内へ導入される。ライザー内の酸素キャリア粒子は、ライザーの下部から導入された空気によって吹き上げられ、ライザーの上部へ移動する。酸素キャリア粒子がライザーの上部へ移動する過程において、酸素キャリア粒子は空気中の酸素によって酸化される。酸化された酸素キャリア粒子は、残りの空気と共に、ライザーの上部から排出される。酸素キャリア粒子は、ライザーによって与えられた位置エネルギー及び運動エネルギーに駆動されて、ライザーの上部から燃料反応器へ移動し、燃料反応器から空気反応器へ戻ってくる。
酸素キャリア粒子をライザーの下部からライザーの上部へ移動させるためには、高圧又は高速の空気流をライザー内へ導入する必要がある。その結果、ライザー内での酸素キャリア粒子の移動速度は速くなり、ライザー内での酸素キャリア粒子の滞留時間は短くなる。滞留時間は、例えば数秒程度である。したがって、ライザー内での酸素キャリア粒子の酸化反応に許される時間は短く、酸素キャリア粒子が十分に酸化されないことがある。十分に酸化されていない酸素キャリア粒子が燃料反応器へ供給されると、酸素キャリア粒子が燃料反応器内で過度に還元されてしまう。過度に還元された酸素キャリア粒子は崩壊したり、互いに凝着したりする。崩壊した酸素キャリア粒子、又は凝着した酸素キャリア粒子を、空気反応器における酸化によって再生することは困難である。
以上のように、空気反応器としてライザーを備える従来のケミカルループ燃焼装置では、酸素キャリア粒子の過還元によって酸素キャリア粒子が消耗してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素キャリア粒子の消耗を抑制することができるケミカルループ燃焼装置、及び当該ケミカルループ燃焼装置を用いたケミカルループ燃焼方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るケミカルループ燃焼装置は、酸素キャリア粒子及び空気を含む第一気泡流動層を形成し、第一気泡流動層において酸素キャリア粒子を空気中の酸素によって酸化する空気反応器と、酸化された酸素キャリア粒子が空気反応器から供給され、酸素キャリア粒子を搬送ガスによって鉛直上方へ移動させるライザーと、酸素キャリア粒子がライザーから供給され、酸素キャリア粒子及び燃料を含む第二気泡流動層を形成し、第二気泡流動層において酸素キャリア粒子を燃料によって還元し、還元された酸素キャリア粒子を空気反応器へ供給する燃料反応器と、空気反応器内の空気を、搬送ガスとしてライザーの下部へ供給する空気移送ラインと、を備える。
本発明の一側面においては、ライザーにおいて酸素キャリア粒子を酸化するだけではなく、ライザーとは異なる空気反応器においても酸素キャリア粒子を酸化する。また、空気反応器内で第一気泡流動層を形成するので、空気反応器内での酸素キャリア粒子の滞留時間は、従来の空気反応器(ライザー)内での酸素キャリア粒子の滞留時間に比べて、制御し易い。したがって、空気反応器内での酸素キャリア粒子の滞留時間を、酸素キャリア粒子の酸化に十分な時間に制御することができる。換言すれば、本発明の一側面によれば、十分に酸化されずに短時間で空気反応器から排出される酸素キャリア粒子の量を、従来よりも低減することができる。さらに、燃料反応器内で第二気泡流動層を形成するので、燃料反応器内での酸素キャリア粒子の滞留時間は、従来の燃料反応器(例えば、移動層式燃料反応器)内での酸素キャリア粒子の滞留時間に比べて、制御し易い。したがって、燃料反応器内での酸素キャリア粒子の滞留時間を、酸素キャリア粒子の還元に必要であって且つ酸素キャリア粒子の過還元が抑制される時間に制御することができる。換言すれば、本発明の一側面によれば、燃料反応器内に長時間滞留して過度に還元される酸素キャリア粒子の量を、従来よりも低減することができる。以上の理由から、本発明の一側面においては、酸素キャリア粒子の過還元が抑制され、過還元に因る酸素キャリア粒子の消耗も抑制される。換言すれば、本発明の一側面においては、空気反応器及びライザーにおける酸素キャリア粒子の滞留時間と、燃料反応器における酸素キャリア粒子の滞留時間とをバランスさせることが容易であり、その結果、酸素キャリア粒子の過還元が抑制される。
本発明の一側面に係るケミカルループ燃焼装置は、酸素キャリア粒子及び搬送ガスがライザーから供給され、酸素キャリア粒子を搬送ガスから分離し、分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器へ供給するサイクロン(粉体分離器)を更に備えてよい。
酸素キャリア粒子と共にライザーから排出される搬送ガスは、少なくとも空気に由来する窒素を含む。サイクロンを用いて酸素キャリア粒子を搬送ガスから分離することにより、搬送ガス中の窒素が酸素キャリア粒子と共に燃料反応器へ供給されることが抑制される。したがって、燃料反応器内で生成する燃焼ガス(例えば、二酸化炭素)が窒素と混合することも抑制される。
本発明の一側面に係るケミカルループ燃焼装置は、酸素キャリア粒子及び搬送ガスがライザーから供給され、酸素キャリア粒子の一部を搬送ガスから分離し、分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器へ供給するドラムと、酸素キャリア粒子の残部及び搬送ガスがドラムから供給され、酸素キャリア粒子の残部を搬送ガスから分離し、分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器へ供給するサイクロンと、を更に備えてよい。
ケミカルループ燃焼装置内を循環する酸素キャリア粒子が多いほど、サイクロンへの負荷が大きくなる。サイクロンへの負荷が大き過ぎる場合、一部の酸素キャリア粒子が、搬送ガスから分離されず、搬送ガスと共にサイクロン外へ飛散して、燃料反応器へ供給されない。つまり、サイクロンへの負荷が大き過ぎる場合、サイクロンにおいて酸素キャリア粒子が消耗する。しかし、酸素キャリア粒子の一部をドラムにおいて搬送ガスから分離した後、酸素キャリア粒子の残部をサイクロンにおいて搬送ガスから分離することにより、サイクロンへの負荷が低減し、サイクロンにおける酸素キャリア粒子の飛散及び消耗が抑制される。つまりドラムとは、サイクロンへの負荷を低減するための粉体分離器といえる。
本発明の一側面に係るケミカルループ燃焼方法は、上記空気移送ラインを備えるケミカルループ燃焼装置を用いたケミカルループ燃焼方法であってよく、空気反応器において、酸素キャリア粒子及び空気を含む第一気泡流動層を形成し、第一気泡流動層において酸素キャリア粒子を空気中の酸素によって酸化する工程と、酸化された酸素キャリア粒子を、空気反応器からライザーの下部へ供給する工程と、空気反応器内の空気を、搬送ガスとして空気移送ラインを通じてライザーの下部へ供給する工程と、酸素キャリア粒子を空気によってライザーの下部からライザーの上部へ移動させると共に、酸素キャリア粒子を空気中の酸素によって更に酸化する工程と、更に酸化された酸素キャリア粒子を、ライザーの上部から燃料反応器へ供給する工程と、燃料反応器において、酸素キャリア粒子及び燃料を含む第二気泡流動層を形成し、第二気泡流動層において酸素キャリア粒子を燃料によって還元する工程と、還元された酸素キャリア粒子を、燃料反応器から空気反応器へ供給する工程と、を備えてよい。
空気反応器内で加熱された空気をライザー用の搬送ガスとして再利用することにより、搬送ガスの予熱に要するエネルギー及び搬送ガスに掛かるコストが節約される。
本発明によれば、酸素キャリア粒子の消耗を抑制することができるケミカルループ燃焼装置、及び当該ケミカルループ燃焼装置を用いたケミカルループ燃焼方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係るケミカルループ燃焼装置の模式図である。 図2aは、図1に示す空気反応器及び空気反応器内で形成される矩形の第一気泡流動層の模式的斜視図であり、図2bは、図1に示す燃料反応器及び燃料反応器内で形成される矩形の第二気泡流動層の模式的斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。各図に示すX,Y及びZは、互いに直交する3つの座標軸を意味する。Y軸は鉛直上方を向く。X軸及びZ軸は水平である。
図1に示すように、本実施形態に係るケミカルループ燃焼装置100は、空気反応器10、第一ライン1、空気移送ライン7、ライザー12、第二ライン2、ドラム16、第三ライン3、第四ライン4、サイクロン18、第五ライン5、燃料反応器14、第六ライン6、第一シールポット20a、第二シールポット20b、及び第三シールポット20cを備える。「ライン」とは、物質を移送する管を意味する。ケミカルループ燃焼装置100が備える上記の構成要素の位置関係は、図1に示す通りである。つまり、空気反応器10は、ライザー12の下部12bよりも上方に位置する。ライザー12の上部12aは、燃料反応器14よりも上方に位置する。燃料反応器14は、空気反応器10よりも上方に位置する。ドラム16及びサイクロン18は、燃料反応器14よりも上方に位置する。第一シールポット20aは、第一ライン1の中途に設置されている。第二シールポット20bは、第六ライン6の中途に設置されている。第三シールポット20cは、第三ライン3の中途に設置されている。
第一ライン1は、空気反応器10の下部とライザー12の下部12bとを接続する。空気移送ライン7は、空気反応器10の上部とライザー12の下部12bとを接続する。第二ライン2は、ライザー12の上部12aとドラム16の側面とを接続する。第三ライン3は、ドラム16の下部と燃料反応器14の側面とを接続する。第四ライン4は、ドラム16の上部とサイクロン18の側面とを接続する。第五ライン5は、サイクロン18の下部と、ドラム16及び第三シールポット20cの間に位置する第三ライン3とを接続する。第六ライン6は、燃料反応器14の側面と空気反応器10の側面とを接続する。第一シールポット20aは、ライザー12から空気反応器10への気体の逆流を抑制する。第二シールポット20bは、空気反応器10から燃料反応器14への気体の逆流を抑制する。第三シールポット20cは、燃料反応器14からドラム16及びサイクロン18への気体の逆流を抑制する。
本実施形態に係るケミカルループ燃焼方法は、以下に説明するように、ケミカルループ燃焼装置100を用いて実施される。
酸素キャリア粒子は、空気反応器10からライザー12の下部12bへ供給され、ライザー12の下部12bからライザー12の上部12aへ移動し、ライザー12の上部12aからドラム16及びサイクロン18を経て燃料反応器14へ供給され、燃料反応器14から空気反応器10へ供給される。燃料反応器14から空気反応器10へ供給された酸素キャリア粒子は、上記の順序で、ケミカルループ燃焼装置100内を循環する。
酸素キャリア粒子は、金属単体又は金属の酸化物を含む粉体である。還元された状態にある酸素キャリア粒子の組成は、例えば、一般式MOで表される。一般式中、Mは金属であり、xは0以上の実数である。酸化された状態にある酸素キャリア粒子の組成は、例えば、一般式MOx+yで表される。一般式中、yは正の実数である。金属Mは、特に限定されないが、例えば、Fe、Ni、Cu、Co及びMnからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。酸素キャリア粒子は、複数の金属単体を含んでよい。酸素キャリア粒子は、複数の金属酸化物を含んでもよい。酸素キャリア粒子は、複数の金属を含有する複合酸化物(例えば、ペロブスカイト型酸化物)を含んでもよい。酸素キャリア粒子は、金属又は金属酸化物と、金属又は金属酸化物が担持された担体と、を備えてもよい。担体は、特に限定されないが、例えば、Al、ZrO、TiO、SiO、MgO、NiAl、CoAl、YSZ(Yttria−Stabilized Zirconia)、CuAl及びAlPOからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。酸素キャリア粒子は、複数種の担体を備えてもよい。酸素キャリア粒子の粒径は、特に限定されないが、例えば、50μm以上1000μm以下、又は100μm以上500μm以下であってよい。
空気反応器10では、酸素キャリア粒子及び空気を含む第一気泡流動層を形成し、第一気泡流動層において酸素キャリア粒子を空気中の酸素によって酸化する。酸素キャリア粒子の酸化は、発熱反応であるので、酸素キャリア粒子の酸化によって空気反応器10内の温度は高温に維持される。したがって、空気反応器10内の酸素キャリア粒子及び空気は、高温で加熱される。空気反応器10内の温度は、特に限定されないが、例えば、500℃以上1200℃以下であってよい。
一般的に、「気泡流動層」とは、気体中に浮遊する粉体(多数の粒子)の全体が均一な流体として挙動する状態である。粒子の重力が、鉛直上方に流れる気体が粒子に及ぼす力と釣り合う場合、粉体が流動化して、気泡流動層が形成される。以下では、図2aに基づき、空気反応器10内で矩形の第一気泡流動層22を形成する方法を説明する。
図2aに示すように、空気反応器10は、直方体状であり、空気反応器10内の空間も直方体状である。空気反応器10において互いに直交する第一辺10a、第二辺10b及び第三辺10cのうち、第一辺10aは、X軸に平行である。第二辺10bは、Y軸(鉛直方向)に平行である。第三辺10cは、Z軸に平行である。
燃料反応器14から延びる第六ライン6は、空気反応器10において第二辺10b及び第三辺10cが属する側面に接続されている。第六ライン6が接続された側面に対向する側面には、第一ライン1が接続されている。燃料反応器14において還元された酸素キャリア粒子を、第六ライン6を通じて空気反応器10内へ導入し、第一ライン1を通じて空気反応器10外へ排出する。したがって、酸素キャリア粒子は、X軸又は第一辺10aに沿って流れる。つまり、酸素キャリア粒子は、水平方向に沿って流れる。一方、空気(Air)を、空気反応器10の底面から空気反応器10内へ導入し、空気反応器10の上面に接続された空気移送ライン7を通じて空気反応器10外へ排出する。したがって、空気(Air)は、鉛直方向(Y軸)に沿って流れる。このように、空気反応器10内において、酸素キャリア粒子の流れを空気の流れと交差又は直交させることにより、矩形の第一気泡流動層22を形成する。「矩形」とは、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における第一気泡流動層22の断面22aが矩形(四角形)であることを意味する。換言すれば、鉛直方向(Y軸方向)に平行である第一気泡流動層22の断面22aは矩形である。鉛直方向(Y軸方向)における第一気泡流動層22の高さは略一定である。
矩形の第一気泡流動層22の全体は、乱流ではなく層流として挙動する。したがって、矩形の第一気泡流動層22に含まれる個々の酸素キャリア粒子は揃って空気反応器10内を移動し易い。換言すれば、矩形の第一気泡流動層22に含まれる個々の酸素キャリア粒子は略同じ速度で略同じ方向へ移動し易い。したがって、空気反応器10内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御し易く、酸素キャリア粒子の滞留時間のばらつきが小さくなり易い。その結果、滞留時間を酸素キャリア粒子の酸化反応に十分な時間に制御し易い。つまり、十分に酸化されることなく短時間で空気反応器10から排出される酸素キャリア粒子の量を低減し易い。また、第一気泡流動層22の内部は空気の気泡により攪乱されるので、第一気泡流動層22の温度は均一に維持され易い。したがって、第一気泡流動層22内の酸素キャリア粒子は斑なく酸化され易い。
仮に、酸素キャリア粒子を空気反応器10の上部から降下させ、空気を空気反応器10の下部から鉛直上方へ流し、且つ、酸素キャリア粒子の重力が、空気が酸素キャリア粒子に及ぼす力より大きい場合、空気反応器10内では、気泡流動層ではなく、移動層が形成され易い。また仮に、酸素キャリア粒子及び空気を空気反応器10の下部から鉛直上方へ流し、且つ、酸素キャリア粒子の重力が、空気が酸素キャリア粒子に及ぼす力より小さい場合、空気反応器10内では、矩形の気泡流動層(層流)ではなく、乱流が形成され易い。移動層又は乱流においては、酸素キャリア粒子が均一な流体として挙動し難い。したがって、移動層又は乱流に含まれる個々の酸素キャリア粒子は略同じ速度で略同じ方向へ移動し難い。換言すれば、移動層又は乱流に含まれる個々の酸素キャリア粒子は揃って空気反応器10内を移動し難い。したがって、空気反応器10内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御し難く、酸素キャリア粒子の滞留時間のばらつきが大きくなり易い。その結果、滞留時間を酸素キャリア粒子の酸化反応に十分な時間に制御し難い。つまり、十分に酸化されることなく短時間で空気反応器10から排出される酸素キャリア粒子の量を低減し難い。
空気反応器10における空気(Air)の空塔速度は、気泡流動化開始速度(気泡開始速度)より大きければよく、酸素キャリア粒子の終末速度未満であればよい。気泡流動化開始速度及び終末速度は、酸素キャリア粒子の形状、平均粒径及び粒径分布、並びに空気反応器10の形状により異なるものであり、実験的に求められる。ケミカルループ燃焼装置100に要求される運転条件において空気反応器10内の最適な流動状態が得られるように、空気反応器10及び酸素キャリア粒子を設計すればよい。
空気反応器10内における酸素キャリア粒子の滞留時間の平均値は、例えば、空気反応器10の容積を粒子循環量で除することにより、概算される。または、空気反応器10内における酸素キャリア粒子の流路の容積を粒子循環量で除することにより、酸素キャリア粒子の滞留時間の平均値を算出してもよい。粒子循環量の調整により、空気反応器10内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御してよい。なお、粒子循環量とは、ケミカルループ燃焼装置100における酸素キャリア粒子の循環速度である。粒子循環量とは、単位時間当りに空気反応器10内へ供給される酸素キャリア粒子の量(例えば、体積)、又は単位時間当りに空気反応器10から排出される酸素キャリア粒子の量と言い換えられてよい。
空気反応器10内における第一気泡流動層22(酸素キャリア粒子)の移動速度は、例えば、粒子循環量を空気反応器10内における酸素キャリア粒子の流路の断面積で除することによって算出される。流路の断面積とは、例えば、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における第一気泡流動層22の断面22aの面積と言い換えられる。流路の断面積は、空気反応器10の寸法に依る。例えば、流路の幅は、空気反応器10の第三辺10cの長さに依る。流路の高さは、空気反応器10の第二辺10bの長さ以下である。以上のことから、空気反応器10内における第一気泡流動層22の移動速度は、粒子循環量の調整、又は設計段階での空気反応器10の寸法の設定によって、所望の値に設定される。酸素キャリア粒子の種類に応じて、空気反応器10内における第一気泡流動層22の移動速度を適宜設定することにより、層流として挙動する矩形の第一気泡流動層22が形成され易い。
空気反応器10内で酸化された酸素キャリア粒子を、第一ライン1を通じて空気反応器10からライザー12の下部12bへ供給する。空気反応器10内の空気を、搬送ガスとして、空気移送ライン7を通じてライザー12の下部12bへ供給する。空気反応器10内の酸素キャリア粒子を、空気移送ライン7から供給される空気によって吹き飛ばして、ライザー12の下部12bからライザー12の上部12aへ移動させる。つまり、酸素キャリア粒子を空気の上昇流によって鉛直上方へ移動させる。その結果、酸素キャリア粒子に位置エネルギー及び運動エネルギーが付与される。酸素キャリア粒子は、ライザー12において与えられたエネルギーに駆動されて、ケミカルループ燃焼装置100内を循環する。ライザー12内へ供給する空気の体積流量(ライザー12内における搬送ガスの空塔速度)を調整することにより、粒子循環量を制御することができる。また、ケミカルループ燃焼装置100内を循環する酸素キャリア粒子の総量を調整することにより、粒子循環量を制御することもできる。ケミカルループ燃焼装置100内における粒子循環量は略一定であってよい。
酸素キャリア粒子がライザー12の上部12aへ移動する過程において、酸素キャリア粒子を空気中の酸素によって更に酸化する。酸素キャリア粒子を、空気反応器10及びライザー12の両方において酸化することにより、燃料反応器14における酸素キャリア粒子の過還元が抑制される。空気反応器10内で加熱された空気をライザー12用の搬送ガスとして再利用することにより、搬送ガスの予熱に要するエネルギー及び搬送ガスに掛かるコストが節約される。
ライザー12内で酸化された酸素キャリア粒子を、空気(搬送ガス)と共に、第二ライン2を通じてライザー12の上部12aからドラム16へ供給する。ドラム16は、酸素キャリア粒子及び空気が一時的に滞留する容器である。ドラム16の下部は、例えば、サイクロン18と同様に、逆円錐状であってよい。ドラム16の下部は、鏡板であってもよい。ドラム16は、サイクロン18と同様の原理(遠心分離)により、粉体を気体から分離する機能を備える。ドラム16では、酸素キャリア粒子の一部を空気から分離し、分離された酸素キャリア粒子を、第三ライン3を通じて燃料反応器14へ供給する。酸素キャリア粒子の残部及び空気を、ドラム16から排出し、第四ライン4を通じてサイクロン18へ供給する。サイクロン18では、酸素キャリア粒子の残部を空気から分離し、分離された酸素キャリア粒子を第五ライン5及び第三ライン3を通じて燃料反応器14へ供給する。サイクロン18において酸素キャリア粒子から分離された空気(窒素及び酸素)は、サイクロン18の上部から排出される。
ドラム16及びサイクロン18を用いて酸素キャリア粒子を空気から分離することにより、空気(搬送ガス)中の窒素が酸素キャリア粒子と共に燃料反応器14へ供給されることが抑制される。したがって、燃料反応器14内で生成するガスが窒素と混合することも抑制される。
酸素キャリア粒子の一部をドラム16において空気から分離した後、酸素キャリア粒子の残部をサイクロン18において空気から分離することにより、サイクロン18への負荷が低減し、サイクロン18における酸素キャリア粒子の飛散及び消耗が抑制される。
燃料反応器14では、酸素キャリア粒子、燃料及び流動化ガスGから第二気泡流動層を形成する。第二気泡流動層において、酸素キャリア粒子を燃料によって還元する。つまり、燃料を、酸素キャリア粒子に含まれる酸素で酸化する。燃料反応器14内の温度は、空気反応器10及びライザー12における酸化反応によって加熱された酸素キャリア粒子の温度に依存する。また、燃料反応器14内の温度は、燃料反応器14内での酸素キャリア粒子の還元反応(燃料の酸化反応)の反応熱にも依存する。燃料反応器14内の温度は、特に限定されないが、例えば、500℃以上1200℃以下であってよい。
燃料は炭素を含む。燃料は、例えば、気体燃料又は固体燃料Sであってよい。気体燃料は、例えば、メタン、プロパン、ブタン、天然ガス、及び石炭のガス化ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。固体燃料Sは、例えば、石炭、コークス(骸炭)、プラスチック及びバイオマス燃料からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。固体燃料Sは粉体であってよい。複数種の燃料を用いてもよい。流動化ガスGは、窒素を含まない気体である。流動化ガスGは、例えば、水蒸気、二酸化炭素及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。複数種の流動化ガスGを用いてよい。気体燃料を流動化ガスGとして用いてよい。メタン等の炭化水素ガス及び水蒸気を含む流動化ガスGを、燃料反応器14へ供給し、炭化水素ガスの部分酸化反応、水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応を進行させ、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスを生成させてよい。燃料反応器14内において燃料を完全に酸化して、二酸化炭素及び水を含むガスを生成させてもよい。
以下では、図2bに基づき、燃料反応器14内で矩形の第二気泡流動層24を形成する方法を説明する。説明の便宜のため、以下では、気体燃料を流動化ガスGとして用いる場合について説明する。
図2bに示すように、燃料反応器14は、直方体状であり、燃料反応器14内の空間も直方体状である。燃料反応器14において互いに直交する第一辺14a、第二辺14b及び第三辺14cのうち、第一辺14aは、X軸に平行である。第二辺14bは、Y軸(鉛直方向)に平行である。第三辺14cは、Z軸に平行である。
ドラム16から延びる第三ライン3は、燃料反応器14において第二辺14b及び第三辺14cが属する側面に接続されている。第三ライン3が接続された側面に対向する側面には、第六ライン6が接続されている。空気反応器10及びライザー12において酸化された酸素キャリア粒子を、第三ライン3を通じて燃料反応器14内へ導入し、第六ライン6を通じて燃料反応器14外へ排出する。したがって、酸素キャリア粒子は、X軸又は第一辺14aに沿って流れる。つまり、酸素キャリア粒子は、水平方向に沿って流れる。一方、流動化ガスGを、燃料反応器14の底面から燃料反応器14内へ導入し、燃料反応器14の上面から燃料反応器14外へ排出する。したがって、流動化ガスGは、鉛直方向(Y軸)に沿って流れる。このように、燃料反応器14内において、酸素キャリア粒子の流れを流動化ガスGの流れと交差又は直交させることにより、矩形の第二気泡流動層24を形成する。「矩形」とは、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における第二気泡流動層24の断面24aが矩形(四角形)であることを意味する。換言すれば、鉛直方向(Y軸方向)に平行である第二気泡流動層24の断面24aは矩形である。鉛直方向(Y軸方向)における第二気泡流動層24の高さは略一定である。
矩形の第二気泡流動層24の全体は、乱流ではなく層流として挙動する。したがって、矩形の第二気泡流動層24に含まれる個々の酸素キャリア粒子は揃って燃料反応器14内を移動し易い。換言すれば、矩形の第二気泡流動層24に含まれる個々の酸素キャリア粒子は略同じ速度で略同じ方向へ移動し易い。したがって、燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御し易く、酸素キャリア粒子の滞留時間のばらつきが小さくなり易い。その結果、燃料反応器14内での酸素キャリア粒子の滞留時間を、酸素キャリア粒子の還元に必要であって且つ酸素キャリア粒子の過還元が抑制される時間に制御し易い。つまり、燃料反応器14内に長時間滞留して過度に還元される酸素キャリア粒子の量を低減し易い。また、第二気泡流動層24の内部は流動化ガスGの気泡により攪乱されるので、第二気泡流動層24内の温度は均一に維持され易い。したがって、第二気泡流動層24の温度は局所的に高くなり難く、高温の局所における酸素キャリア粒子の過還元が抑制され易い。
仮に、酸素キャリア粒子を燃料反応器14の上部から降下させ、流動化ガスGを燃料反応器14の下部から鉛直上方へ流し、且つ、酸素キャリア粒子の重力が、流動化ガスGが酸素キャリア粒子に及ぼす力より大きい場合、燃料反応器14内では、気泡流動層ではなく、移動層が形成され易い。また仮に、酸素キャリア粒子及び流動化ガスGを燃料反応器14の下部から鉛直上方へ流し、且つ、酸素キャリア粒子の重力が、流動化ガスGが酸素キャリア粒子に及ぼす力より小さい場合、燃料反応器14内では、矩形の気泡流動層(層流)ではなく、乱流が形成され易い。移動層又は乱流においては、酸素キャリア粒子が均一な流体として挙動し難い。したがって、移動層又は乱流に含まれる個々の酸素キャリア粒子は略同じ速度で略同じ方向へ移動し難い。換言すれば、移動層又は乱流に含まれる個々の酸素キャリア粒子は揃って燃料反応器14内を移動し難い。したがって、燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御し難く、酸素キャリア粒子の滞留時間のばらつきが大きくなり易い。その結果、燃料反応器14内での酸素キャリア粒子の滞留時間を、酸素キャリア粒子の還元に必要であって且つ酸素キャリア粒子の過還元が抑制される時間に制御し難い。つまり、燃料反応器14内に長時間滞留して過度に還元される酸素キャリア粒子の量を低減し難い。
燃料反応器14における流動化ガスGの空塔速度は、気泡流動化開始速度(気泡開始速度)より大きければよく、酸素キャリア粒子の終末速度未満であればよい。気泡流動化開始速度及び終末速度は、酸素キャリア粒子の形状、平均粒径及び粒径分布、並びに燃料反応器14の形状により異なるものであり、実験的に求められる。ケミカルループ燃焼装置100に要求される運転条件において燃料反応器14内の最適な流動状態が得られるように、燃料反応器14及び酸素キャリア粒子を設計すればよい。
燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の滞留時間の平均値は、例えば、燃料反応器14の容積を粒子循環量で除することにより、概算される。または、燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の流路の容積を粒子循環量で除することにより、酸素キャリア粒子の滞留時間の平均値を算出してもよい。粒子循環量の調整により、燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の滞留時間を制御してよい。なお、粒子循環量とは、単位時間当りに燃料反応器14内へ供給される酸素キャリア粒子の量(例えば、体積)、又は単位時間当りに燃料反応器14から排出される酸素キャリア粒子の量と言い換えられてよい。
燃料反応器14内における第二気泡流動層24(酸素キャリア粒子)の移動速度は、例えば、粒子循環量を燃料反応器14内における酸素キャリア粒子の流路の断面積で除することによって算出される。流路の断面積とは、例えば、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における第二気泡流動層24の断面24aの面積と言い換えられる。流路の断面積は、燃料反応器14の寸法に依る。例えば、流路の幅は、燃料反応器14の第三辺14cの長さに依る。流路の高さは、燃料反応器14の第二辺14bの長さ以下である。以上のことから、燃料反応器14内における第二気泡流動層24の移動速度は、粒子循環量の調整、又は設計段階での燃料反応器14の寸法の設定によって、所望の値に設定される。酸素キャリア粒子の種類に応じて、燃料反応器14内における第二気泡流動層24の移動速度を適宜設定することにより、層流として挙動する矩形の第二気泡流動層24が形成され易い。
固体燃料Sを用いる場合、第三ライン3から供給される酸素キャリア粒子と同様に、固体燃料Sを、第二辺14b及び第三辺14cが属する側面から燃料反応器14内へ供給してよい。固体燃料Sを用いる場合、粒子循環量及び流動化ガスGの空塔速度のみならず、燃料反応器14への固体燃料Sの供給速度に基づいて、第二気泡流動層24を制御すればよい。
燃料反応器14内で還元された酸素キャリア粒子を、第六ライン6を通じて燃料反応器14から空気反応器10へ供給する。空気反応器10において再び酸素キャリア粒子を空気中の酸素で酸化する。
サイクロン18において酸素キャリア粒子から分離された高温・高圧の空気を、ガスタービンへ供給し、空気でガスタービンを駆動し、ガスタービンで発電機を駆動することにより、電力を発生させてよい。サイクロン18において分離された空気を熱交換器へ供給し、熱交換器において水を空気で加熱して、高温・高圧の水蒸気を発生させてもよい。この水蒸気を水蒸気タービンへ供給し、水蒸気で水蒸気タービンを駆動し、水蒸気タービンで発電機を駆動することにより、電力を発生させてもよい。サイクロン18において分離された空気を熱交換器へ供給し、熱交換器において、空気反応器10へ供給する前の空気、又は燃料反応器14へ供給する前の流動化ガスGを予熱してもよい。
サイクロン18において分離された空気から窒素以外の成分を分離・除去することにより、高純度の窒素を精製してよい。高純度の窒素は、例えば、化学産業、電気機械産業、又は鉄鋼業において利用される。
燃料反応器14内の生成ガスを熱交換器へ供給し、熱交換器において水を生成ガスで加熱して、高温・高圧の水蒸気を発生させてもよい。この水蒸気を水蒸気タービンへ供給し、水蒸気で水蒸気タービンを駆動し、水蒸気タービンで発電機を駆動することにより、電力を発生させてよい。燃料反応器14内の生成ガスを熱交換器へ供給し、熱交換器において、空気反応器10へ供給する前の空気、又は燃料反応器14へ供給する前の流動化ガスGを予熱してもよい。
燃料反応器14内で合成ガスを生成させた場合、合成ガスは、例えば、化学プラント用の原料として利用される。燃料反応器14内の生成ガスが主成分として二酸化炭素を含む場合、生成ガスから二酸化炭素以外の成分(例えば、水)を分離・除去することにより、高純度の二酸化炭素を精製してよい。高純度の二酸化炭素は、例えば、アーク溶接用ガス、炭酸飲料の原料、冷却剤、工業プロセス用の超臨界流体、又は化学品の原料として利用される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。
例えば、ケミカルループ燃焼装置100は、空気移送ライン7を備えなくてもよい。空気移送ライン7がない場合、酸素を含む搬送ガスを、ライザー12の下部12bからライザー12内へ供給する。酸素を含む搬送ガスは、例えば、空気反応器10へ供給する空気とは別の空気であってよい。酸素を含む搬送ガスは、酸素及び不活性ガスの混合物であってもよい。サイクロン18から排出される空気を、搬送ガスとして、ライザー12へ供給してもよい。空気移送ライン7がない場合、空気反応器10内の空気を空気反応器10の上部から排出してよい。
ケミカルループ燃焼装置100は、ドラム16を備えなくてもよい。この場合、ライザー12内の酸素キャリア粒子及び空気(搬送ガス)をサイクロン18へ直接供給する。サイクロン18で空気(搬送ガス)から分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器14へ直接供給する。
ケミカルループ燃焼装置100がドラム16を備えない場合、ケミカルループ燃焼装置100は、複数のサイクロンを備えてもよい。この場合、酸素キャリア粒子及び空気(搬送ガス)をライザー12の上部12aからサイクロン18へ直接供給する。サイクロン18において、酸素キャリア粒子の一部を空気(搬送ガス)から分離し、分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器14へ供給する。酸素キャリア粒子の残部及び空気(搬送ガス)をサイクロン18から別のサイクロンへ供給する。別のサイクロンにおいて酸素キャリア粒子の残部を空気(搬送ガス)から分離し、分離された酸素キャリア粒子を燃料反応器14へ供給する。
空気反応器10の形状は直方体に限定されない。矩形の第一気泡流動層22を形成するためには、空気反応器10が、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における断面が矩形である流路(空間)を内包していればよい。燃料反応器14の形状は直方体に限定されない。矩形の第二気泡流動層24を形成するためには、燃料反応器14が、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における断面が矩形である流路(空間)を内包していればよい。空気反応器10又は燃料反応器14における酸素キャリア粒子の流路は、直線状でなくてもよく、折れたり、曲がったりしていてよい。例えば、鉛直上方から見た流路の形状が、C字型、J字型、L字型、M字型、N字型、S字型、T字型、U字型、V字型、W字型、又はZ字型であってよい。
第一気泡流動層は矩形でなくてもよい。例えば、空気反応器10が鉛直方向に延びる管状又は塔状であり、空気反応器10において円形の第一気泡流動層を形成してもよい。第二気泡流動層は矩形でなくてもよい。例えば、燃料反応器14が鉛直方向に延びる管状又は塔状であり、燃料反応器14において円形の第二気泡流動層を形成してもよい。「円形」とは、酸素キャリア粒子の流れに垂直な方向における気泡流動層の断面が円形であることを意味する。ただし、円形の気泡流動層の流動状態は、矩形の気泡流動層に比べて複雑である。したがって、矩形の気泡流動層を形成する反応器内における酸素キャリア粒子の滞留時間は、円形の気泡流動層を形成する反応器内における酸素キャリア粒子の滞留時間よりも制御し易い。
本発明に係るケミカルループ燃焼装置及びケミカルループ燃焼方法は、例えば、化石燃料を用いた合成ガスの製造、又は化石燃料を用いた発電に適用される。
1 第一ライン
2 第二ライン
3 第三ライン
4 第四ライン
5 第五ライン
6 第六ライン
7 空気移送ライン
10 空気反応器
10a 空気反応器の第一辺
10b 空気反応器の第二辺
10c 空気反応器の第三辺
12 ライザー
12a ライザーの上部
12b ライザーの下部
14 燃料反応器
14a 燃料反応器の第一辺
14b 燃料反応器の第二辺
14c 燃料反応器の第三辺
16 ドラム
18 サイクロン
20a 第一シールポット
20b 第二シールポット
20c 第三シールポット
22 第一気泡流動層
22a 第一気泡流動層の断面
24 第二気泡流動層
24a 第二気泡流動層の断面
100 ケミカルループ燃焼装置
Air 空気
G 流動化ガス
S 固体燃料

Claims (4)

  1. 酸素キャリア粒子及び空気を含む第一気泡流動層を形成し、前記第一気泡流動層において前記酸素キャリア粒子を前記空気中の酸素によって酸化する空気反応器と、
    酸化された前記酸素キャリア粒子が前記空気反応器から供給され、前記酸素キャリア粒子を搬送ガスによって鉛直上方へ移動させるライザーと、
    前記酸素キャリア粒子が前記ライザーから供給され、前記酸素キャリア粒子及び燃料を含む第二気泡流動層を形成し、前記第二気泡流動層において前記酸素キャリア粒子を前記燃料によって還元し、還元された前記酸素キャリア粒子を前記空気反応器へ供給する燃料反応器と、
    前記空気反応器内の前記空気を、前記搬送ガスとして前記ライザーの下部へ供給する空気移送ラインと、
    を備える、
    ケミカルループ燃焼装置。
  2. 前記酸素キャリア粒子及び前記搬送ガスが前記ライザーから供給され、前記酸素キャリア粒子を前記搬送ガスから分離し、分離された前記酸素キャリア粒子を前記燃料反応器へ供給するサイクロンを更に備える、
    請求項1に記載のケミカルループ燃焼装置。
  3. 前記酸素キャリア粒子及び前記搬送ガスが前記ライザーから供給され、前記酸素キャリア粒子の一部を前記搬送ガスから分離し、分離された前記酸素キャリア粒子を前記燃料反応器へ供給するドラムと、
    前記酸素キャリア粒子の残部及び前記搬送ガスが前記ドラムから供給され、前記酸素キャリア粒子の残部を前記搬送ガスから分離し、分離された前記酸素キャリア粒子を前記燃料反応器へ供給するサイクロンと、
    を更に備える、
    請求項1に記載のケミカルループ燃焼装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のケミカルループ燃焼装置を用いたケミカルループ燃焼方法であって、
    前記空気反応器において、前記酸素キャリア粒子及び前記空気を含む前記第一気泡流動層を形成し、前記第一気泡流動層において前記酸素キャリア粒子を前記空気中の前記酸素によって酸化する工程と、
    酸化された前記酸素キャリア粒子を、前記空気反応器から前記ライザーの下部へ供給する工程と、
    前記空気反応器内の前記空気を、前記搬送ガスとして前記空気移送ラインを通じて前記ライザーの下部へ供給する工程と、
    前記酸素キャリア粒子を前記空気によって前記ライザーの下部から前記ライザーの上部へ移動させると共に、前記酸素キャリア粒子を前記空気中の酸素によって更に酸化する工程と、
    更に酸化された前記酸素キャリア粒子を、前記ライザーの上部から前記燃料反応器へ供給する工程と、
    前記燃料反応器において、前記酸素キャリア粒子及び前記燃料を含む前記第二気泡流動層を形成し、前記第二気泡流動層において前記酸素キャリア粒子を前記燃料によって還元する工程と、
    還元された前記酸素キャリア粒子を、前記燃料反応器から前記空気反応器へ供給する工程と、
    を備える、
    ケミカルループ燃焼方法。
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