JP6389624B2 - Oリングのシール構造およびそれを用いた加圧容器 - Google Patents
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Description
特許文献1には、このようなOリングを用いたシール構造を備えた加圧容器が開示されている。詳しくは、開口部を備えた容器本体と、その開口部を閉じるバルブホルダーと、バルブホルダーのシール溝に装着されるOリングと、バルブホルダーを容器本体に固着するためのカバー部材とを備えた加圧容器が開示されている。
本発明は、生産性の高いOリングのシール構造およびそれを用いた加圧容器を提供することを目的としている。
本発明のシール構造であって、前記シール溝の底面に、シールポイントとなる複数の段部を有しているものが挙げられる。特に、シール溝の底面に中央を残して上下に凸部が設けられたものが好ましい。
本発明のシール構造であって、前記シール溝が形成された一方の筒体または栓体が合成樹脂製であるものが好ましい。また、他方の栓体または筒体が合成樹脂製であってもよい。
本発明の内圧を有する内容物を充填するための加圧容器は、容器本体と、その開口部である前記筒体を閉じ、バルブ機構を備えた前記栓体と、その栓体およびバルブ機構を容器本体に固定するカバーキャップと、本発明のOリングのシール構造とを備えたことを特徴としている。
本発明のシール構造であって、前記シール溝の底面に、シールポイントとなる複数の段部を有している場合、シール構造を調整しやすく、生産性が高い。また段部を有しているため、Oリングを圧縮したとき、Oリングは段部に沿って深い部位に逃げることができ、Oリングがシール溝から設計以上に突出したりすることがなく、筒体と栓体を摺動させてシール構造を構成するとき、Oリングが捩じれにくく、Oリングがずれることがない。特に、シール溝の底面に中央を残して上下に凸部が設けられている場合、向かい合う段部がそれぞれシールポイントになるため、安定したシール性が確保できる。そして、Oリングを圧縮したとき、Oリングは中央部に逃げることができるため、Oリングを安定して収容でき、筒体と栓体を摺動させてシール構造を構成するとき、Oリングが一層捩じれにくく、Oリングが一層ずれることがない。
本発明のシール構造であって、前記シール溝が形成された一方の筒体または栓体が合成樹脂製である場合、合成樹脂の成形によってバリ等が発生するが、それらを取り除くことができなくても安定したシールが得られる。他方の栓体または筒体が合成樹脂製である場合、生産性の高い安定したシール構造が得られる。
本発明の内圧を有する内容物を充填するための加圧容器は、容器本体と、その開口部である前記筒体を閉じ、バルブ機構を備えた前記栓体と、その栓体およびバルブ機構を容器本体に固定するカバーキャップと、本発明のOリングのシール構造とを備えているため、シール性が安定した生産性の高い加圧容器となる。
エアゾール容器10は、合成樹脂製の容器本体11と、その開口部に挿入されるバルブホルダー12と、そのバルブホルダー12に収容される2つのエアゾールバルブ13と、そのバルブホルダー12およびエアゾールバルブ13を容器本体に固定するカバーキャップ14とを備えている。また、エアゾールバルブ13の下端には、容器本体11内に挿入されるパウチ15が設けられている。
図1bに示すように、バルブホルダー12の外周壁に形成された環状のシール溝16に、Oリング17が装着されている。このシール溝16の底部18には、半径方向外側に突出した凸部18bが2つ上下対称に形成されており、上下に2つの段部20を備えている。このように構成されているため、Oリング17は、シール溝16の底部18の2つの段部20をシールポイントとしてシール構造を構成する。
また、蓋部22は、図2aに示すように、平面視の形状が2つのエアゾールバルブのステムを結ぶ線と平行な線によって一部を切り欠いた円となっている。つまり、湾曲側面22aと、平側面22bとからなる柱体となっている。
さらに、蓋部22には、軽量化および内部に入り込んだ流体を排出するための溝22cが形成されている。
一方、凸部18bの高さHは、Oリング17の材質によっても変わるが、Oリング17の径の0.5〜20%、特に1〜15%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、0.01〜0.4mm、特に0.02〜0.3mmとするのが好ましい。
平面部18aからの凸部18bの立ち上がり角度Aは、10〜90度、特に
15〜60度とするのが好ましい。
また、平面部18aの幅L1は、Oリング17の径の40〜70%、特に50〜60%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、0.8〜1.4mm、特に1.0〜1.2mmとするのが好ましい。
シール溝16の幅Lは、Oリング17の径の105〜130%、特に110〜125%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、2.1〜2.6mm、特に2.2〜2.5mmとするのが好ましい。
ール性が維持される。また、平面部18aを有しているため、圧縮されたOリング17が平面部18aに逃げ込むことができる。これにより、Oリング17をシール溝16に装着して、容器本体11の開口部の内面11bを滑らすときに、Oリング17がシール溝16からはみ出したり、Oリング17が捩れたりすることを防止できる。
このエアゾールバルブ13のハウジング26の下端に後述するパウチ15の連結部材15bを連結することにより、パウチ15が密閉される(図1参照)。
なお、エアゾールバルブ13のシール溝26aにも、バルブホルダー12のシール溝16と同じ構造のものを設けてもよい。
また図3のエアゾール容器40のように、ハウジング26を省略し、バルブホルダー内の筒状のバルブ保持部内にステム27、ステムラバー28、バネ29を直接収容し、カバーキャップ44で閉じてもよい。
図2bに戻って、このエアゾールバルブ13は、ステム27をハウジング26に対して下方に押し下げる(操作する)ことにより開放される。
マウント部33は、その天面33aにエアゾールバルブ13のステム27を通す孔が2つ形成されている(図示せず)。マウント部33は、蓋部22と同様に、平面視の形状が2つのエアゾールバルブのステムを結ぶ線と平行な線によって一部を切り欠いた円となっており、バルブホルダーの蓋部22と同様に、湾曲側面と、平側面とからなる筒体となっている(図示せず)。そして、この平面部は、バルブホルダー12の平側面22bに重ねられるように設けられている。カバーキャップ14はこのような外形を備えているため、内容物を充填するときや吐出部材を装着するときに、エアゾール容器10の向きを認識することができる。
この実施形態では、パウチ15を用いているが、二重エアゾール容器に用いられる合成樹脂製で可撓性を有する内袋を用いても良い。その場合、連結部材を用いてもよいが、用いずに直接エアゾールバルブに取り付けてもよい。
このエアゾール容器40は、図3bに示すように、Oリング17を装着するバルブホルダー42の外周壁のシール溝46の底部48には、半径方向外側に突出した凸部48bが1つ中央に形成されており、凸部48bの上下に2つの段部50を備えている。このように構成されているため、Oリング17は、シール溝46の底部48の2つの段部50をシ
ールポイントとしてシール構造を構成する。
このような容器本体41は、たとえば、アルミニウムなどの金属円盤をインパクト加工および絞りしごき加工により有底筒状に成形し、または金属カップを絞りしごき加工により有底筒状に形成し、内面に合成樹脂コートを設け、ついで、その胴部上端にネッキング加工を施して肩部および首部を形成し、首部上端にカーリング加工を施してビード41aを形成して成形される。
一方、凸部48bの高さHは、Oリング17の材質によっても変わるが、Oリング17の径の0.5〜20%、特に1〜15%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、0.01〜0.4mm、特に0.02〜0.3mmとするのが好ましい。
平面部48aからの凸部48bの立ち上がり角度Bは、10〜90度、特に15〜60度とするのが好ましい。
また、凸部48bの幅L2は、Oリング17の径の40〜70%、特に50〜60%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、0.8〜1.4mm、特に1.0〜1.2mmとするのが好ましい。
シール溝46の幅Lは、Oリング17の径の105〜130%、特に110〜125%とするのが好ましい。例えば、太さが2.0mmのOリングを使用する場合は、2.1〜2.6mm、特に2.2〜2.5mmとするのが好ましい。
このエアゾール容器60のバルブハウジング62の外周壁には、図1と同様のシール溝16が形成されている。つまり、シール溝16の底部18には、中央に設けられた平面部18aと、その両端に設けられた凸部18bとを有し、段部20が平面部18aを挟むように形成されている(図1b参照)。そして、Oリング17は、これら2つの段部20をシールポイントとしてシール構造を構成している。
このような容器本体61は、たとえば、アルミニウムなどの金属円盤をインパクト加工および絞りしごき加工により有底筒状に成形し、または金属カップを絞りしごき加工により有底筒状に形成し、内面に合成樹脂コートを設け、ついで、その胴部上端にネッキング加工を施して肩部および首部を形成し、首部61aに凹み部61bを形成して成形される。
栓部71の外周壁71aには、環状のシール溝16が形成されている。外周壁71aの下端は、下方に縮径する段部71bとなっており、容器本体61の凹み部61bに支持される。栓部71の下端中央には、バルブ保持部73と連通するようにディップチューブ45を連結する筒状のチューブ連結部71cが設けられている。上述したように、シール溝16は、図1のシール溝16と実質的に同じものである。
のものである。下端を容器本体61の凹み部61bに向かってカシメることにより、カバーキャップ64は容器本体61に固定される。
11 容器本体
11a 顎部
11b 開口部の内面
11c 縦溝
12 バルブホルダー
13 エアゾールバルブ
14 カバーキャップ
15 パウチ
15a 袋体
15b 連結部材
15c 導出部材
16 バルブホルダーのシール溝
17 Oリング
18 シール溝の底部
18a 平面部
18b 凸部
20 段部
21 栓部
21a 外周壁
22 蓋部
22a 湾曲側面
22b 平側面
22c 溝
23 フランジ部
24 バルブ保持部
24a 円筒状の内面
26 ハウジング
26a ハウジングのシール溝
27 ステム
28 ステムラバー
29 バネ
30 カバー
31 Oリング
33 マウント部
33a 天面
34 固着部
40 エアゾール容器
41 容器本体
41a ビード部
42 バルブホルダー
43 バルブ機構
44 カバーキャップ
45 ディップチューブ
46 バルブホルダーのシール溝
48 シール溝の底部
48a 平面部
48b 凸部
50 段部
51 栓部
51a 外周壁
51b チューブ連結部
52 フランジ部
53 バルブ保持部
53a バルブ保持部の底部
60 エアゾール容器
61 容器本体
61a 首部
61b 凹み部
62 バルブハウジング
64 カバーキャップ
71 栓部
71a 外周壁
71b 段部
71c チューブ連結部
72 フランジ部
73 バルブ保持部
73a 底部
80 エアゾール容器
Claims (5)
- 円筒状の内周壁を有する筒体と、
その筒体に挿入され、円筒状の外周壁を有する栓体と、
前記内周壁または外周壁のいずれか一方に形成された環状のシール溝に保持され、前記内周壁と外周壁との間をシールするOリングとからなるシール構造であって、
前記シール溝の底面は、中央を残して両側に凸部が設けられることで、中央の平面部と、シールポイントとなる複数の段部とを有し、
前記シール溝の底面とOリングとの間に複数のシールポイントが形成されており、
前記段部が、前記平面部に対して立ち上がり角をもって傾斜しており、
前記平面部の幅が、Oリングの径の40〜70%である、
Oリングのシール構造。 - 円筒状の内周壁を有する筒体と、
その筒体に挿入され、円筒状の外周壁を有する栓体と、
前記内周壁または外周壁のいずれか一方に形成された環状のシール溝に保持され、前記内周壁と外周壁との間をシールするOリングとからなるシール構造であって、
前記シール溝の底面は、中央に先端の平坦な凸部が設けられることで、両側の平面部と、シールポイントとなる複数の段部とを有し、
前記シール溝の底面とOリングとの間に複数のシールポイントが形成されており、
前記段部が、前記平面部に対して立ち上がり角をもって傾斜しており、
前記凸部の幅が、Oリングの径の40〜70%である、
Oリングのシール構造。 - 前記シール溝が形成された一方の筒体または栓体が合成樹脂製である、
請求項1記載のOリングのシール構造。 - 前記他方の栓体または筒体が合成樹脂製である、
請求項3記載のOリングのシール構造。 - 容器本体と、その開口部である前記筒体を閉じ、バルブ機構を備えた前記栓体と、その栓体およびバルブ機構を容器本体に固定するカバーキャップと、請求項1〜4いずれか記載のOリングのシール構造とを備えた、
内圧を有する内容物を充填するための加圧容器。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2014-03-11 JP JP2014048146A patent/JP6389624B2/ja active Active
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