JP6388808B2 - ギャップ調整機構 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置等に用いられるインクジェットヘッドと印刷媒体の搬送路とのギャップを調整するギャップ調整機構に関するものである。
例えば、印刷媒体に印刷を行う印刷装置として、インクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドを内部に備え、搬送される印刷媒体に対して、インクジェットヘッドからインクを吐出することで、印刷媒体に印刷を行う。
インクジェットヘッドのノズル面と印刷媒体の搬送路の搬送面との間のギャップは適正な距離に設定されている必要がある。当該ギャップが適正に設定されていないと、印刷媒体がインクジェットヘッドに衝突して、インクジェットヘッドを損傷するおそれがある。
コピー用紙のような薄い印刷媒体と封筒のような厚い印刷媒体とでは、印刷媒体の厚みが異なる。従って、印刷媒体に応じた適正なギャップを設定するために、ギャップの調整機構が必要になる。
関連する技術として、サブキャリッジとメインキャリッジを相対移動させて、ギャップを調整する機構が特許文献1で提案されている。この文献では、ギャップを調整するためのカムやバネ、当接板、歯車等の機構を用いて、ギャップの調整を行っている。また、この特許文献1では、搬送される印刷媒体の反りやカールを検知センサが検知したときに、記録ヘッド(インクジェットヘッド)を上昇させて、ギャップを大きめに設定する。
特開2006−224542号公報
ところで、夏季や雨季等の高温の場合、多湿であることが多く印刷媒体に変形が生じやすい。これは、印刷媒体が空気中の水分を吸収することで、印刷媒体に変形が生じることがある。特に、コピー用紙のような薄い印刷媒体で、その傾向が顕著になる。
特許文献1の技術では、検知センサが印刷媒体の反りやカールを検知して、ギャップを調整するための検知センサを設ける必要がある。また、検知センサの検知結果に基づいて、ギャップを調整する処理が必要になる。このため、機構および処理が複雑になる。
そこで、本発明は、温度に応じた適正なギャップを簡単な機構で調整することを目的とする。
以上の課題を解決するため、第1の発明は、印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドのノズル面と前記印刷媒体の搬送路の搬送面とのギャップを周辺温度により少なくとも前記ギャップを調整する方向に伸縮して調整する熱伸縮部材を備えることを特徴とする。
また、第の発明は、さらに、前記熱伸縮部材とは別に、前記ギャップを調整するギャップ調整部材を備え、前記熱伸縮部材は、前記ギャップ調整部材に設けられ、前記ギャップ調整部材よりも線膨張率が高いことを特徴とする。
また、第の発明は、前記熱伸縮部材が最も収縮したときに、前記ギャップ調整部材の下端が前記伸縮部材の下端よりも下方に向けて突出するように構成したことを特徴とする。
第1の発明によれば、装置の周辺温度に応じてギャップを調整する熱伸縮部材を用いることにより、簡単な構成で自律的に温度に応じた適正なギャップが調整される。
また、の発明によれば、ギャップ調整部材によりある程度のギャップに調整し、熱伸縮部材が温度によりギャップを微調整することで、温度等により変形した用紙がヘッドに衝突することを回避できる。
また、の発明によれば、低温状況下のような場合に、熱伸縮部材が収縮する。そして、熱伸縮部材が最も縮んだときであっても、ギャップ調整部材の下端が伸縮部材の下端よりも下方に向けて突出することで、インクジェットヘッドを損傷しないように設定されたギャップに調整される。
プリンタの内部構成図である。 インクジェット機構および搬送機構の構成を示す側面図である。 ギャップ調整部材および熱伸縮部材の斜視図である。 図3のうち、熱伸縮部材を透過した図である。 図3のうち、ギャップ調整部材の一部を透過した図である。 図3のうち、熱伸縮部材およびギャップ調整部材の一部を透過した図である。 材質ごとの線膨張率等の値を示す図である。 熱によるギャップ調整の一例を示す断面図である。 ギャップ調整部材および熱伸縮部材のバリエーションを示す断面図である。 ギャップ調整部材および熱伸縮部材の他のバリエーションを示す断面図である。
<プリンタの全体構成>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、印刷装置としてのプリンタPの内部構成を示している。図1に示したプリンタPは一例であり、他の構成のプリンタPを採用してもよい。また、プリンタPが印刷を行う対象となる印刷媒体は任意の媒体を適用できる。例えば、印刷媒体は、コピー用紙や写真用紙、厚紙、封筒等であってもよい。
プリンタPは印刷媒体に所定の画像や文字、イラスト等を印刷する装置である。図1のプリンタPは、外部給紙台1と内部給紙台2と外部給紙ローラ3と内部給紙ローラ4とレジストローラ5と搬送ベルト6とインクジェット機構7と上昇搬送ローラ8と水平搬送ローラ9と切り替え部10と排紙搬送ローラ11と反転搬送ローラ12と反転ローラ13と再給紙ローラ14と操作表示部15とを備えている。
外部給紙台1は印刷に用いられる印刷媒体を積載している。外部給紙台1は一部がプリンタPから外部に露出して設置されている。内部給紙台2も同様に印刷に用いられる印刷媒体を積載している。内部給紙台2はプリンタPの内部に設置されている。外部給紙台1および内部給紙台2は給紙を行う給紙手段として機能する。
外部給紙ローラ3は外部給紙台1から印刷媒体を1枚ずつ取り出して、レジストローラ5へ向けて搬送する。内部給紙ローラ4も同様に、内部給紙台2から印刷媒体を1枚ずつ取り出して、レジストローラ5へ向けて搬送する。
レジストローラ5は、外部給紙ローラ3、内部給紙ローラ4、再給紙ローラ14、から搬送されてきた印刷媒体を一旦停止させる。その後、印刷媒体の斜行補正を行い、搬送ベルト6およびインクジェット機構7に向けて印刷媒体を搬送する。
搬送ベルト6は、レジストローラ5の下流側に配置され、レジストローラ5により搬送された印刷媒体を、搬送ベルト6の表面に形成された搬送路に吸着させつつ、搬送する。搬送ベルト6は、駆動ローラおよび従動ローラに架け渡される環状の無端状ベルトである。
搬送ベルト6には、印刷媒体を吸着保持するための貫通孔であるベルト孔(図示せず)が多数形成されている。搬送ベルト6は、駆動ローラの駆動により、図1における時計回り方向に回転することで、搬送路上に吸着保持した印刷媒体を図1における右方向に向けて搬送する。
インクジェット機構7は、搬送ベルト6の上部に配置され、印刷媒体の搬送方向と略直交する方向に複数のノズル列が配列されたラインタイプのインクジェットヘッドを有する。インクジェット機構7は、搬送ベルト6により搬送される印刷媒体にインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出することで、印刷媒体に印刷を行う。
上昇搬送ローラ8は、印刷媒体をニップしつつ、搬送ベルト6から受け渡され、インクジェット機構7により印刷された印刷媒体を図1における上昇方向へ、水平搬送ローラ9に向けて搬送する。
水平搬送ローラ9は印刷媒体をニップしつつ、上昇搬送ローラ8から受け渡された印刷媒体を図1における右方向から左方向へ搬送する。水平搬送ローラ9は、印刷媒体が搬送される経路に沿って配置されている。
切り替え部10は、印刷媒体を排紙する経路(排紙経路)と印刷媒体を反転する経路(反転経路)とを切り替える。排紙経路は、例えば排紙台(図示せず)にまで導かれる。反転経路は、例えば排紙台の下部にまで導かれ、排紙台の下部で印刷媒体が反転される。
例えば、印刷媒体に両面印刷される場合、切り替え部10は、片面印刷済みの印刷媒体を反転経路に印刷媒体が搬送されるように切り替えを行う。そして、反転搬送ローラ12は切り替え部10により切り替えられた印刷媒体を反転ローラ13に向けて搬送する。反転ローラ13は、片面印刷済みの印刷媒体を一時的に搬出して、再給紙ローラ14へ向けて搬送する。反転ローラ13は、反転経路に配置されている。
再給紙ローラ14は、反転ローラ13により搬送されてきた印刷媒体をレジストローラ5へ向けて搬送する。再給紙ローラ14は、反転ローラ13とレジストローラ5とで形成される経路上に配置されている。反転ローラ13により表裏が反転された印刷媒体は、未印刷面が上向きとなる状態でレジストローラ5から搬送ベルト6に搬送される。そして、インクジェット機構7により未印刷面が印刷された印刷媒体は、上昇搬送ローラ8および水平搬送ローラ9を搬送される。
また、片面印刷または両面印刷で印刷媒体が排紙される場合、印刷媒体が切り替え部10に到達すると、排紙経路に切り替えられ、切り替え部10から、排紙搬送ローラ11にニップされながら搬送される。
操作表示部15は、ユーザがプリンタPを操作するためにプリンタPに設けられている。実施形態では、操作表示部15はタッチパネルディスプレイであるものとする。ただし、操作表示部15は、タッチパネルディスプレイには限定されない。
操作表示部15は、表示機能と操作機能とを有している。操作表示部15は、表示機能と操作機能とを別個の装置として設けてもよい。例えば、表示機能はディスプレイ、操作機能はプッシュ式のボタンであってもよい。
<インクジェット機構の構成の一例>
次に、インクジェット機構7の構成の一例について、図2を参照して、説明する。インクジェット機構7の下部には印刷媒体を搬送する搬送機構21が設けられている。搬送機構21は、駆動ローラ22と従動ローラ23〜25とベルト駆動モータ26とプラテンプレート27とファン28とを有する。また、搬送機構21は、上述した搬送ベルト6を有する。
搬送ベルト6は、駆動ローラ22および従動ローラ23に架け渡されている。駆動ローラ22は、ベルト駆動モータ26の駆動力によって回転駆動する。これにより、搬送ベルト6が回転駆動する。従動ローラ23〜25は、搬送ベルト6を介して、駆動ローラ22の回転駆動に従動して回転する。
従動ローラ23は、駆動ローラ22と同じ高さまたは略同じ高さで、駆動ローラ22に対して、所定間隔離間して配置されている。駆動ローラ22および従動ローラ23の下方には、相互に所定間隔離間して、従動ローラ24および従動ローラ25が同じ高さまたは略同じ高さで配置されている。
ベルト駆動モータ26は、駆動ローラ22に回転駆動力を与える。プラテンプレート27は、駆動ローラ22と従動ローラ23との間において搬送ベルト6の下側に配置され、搬送ベルト6の下面を摺動可能に支持する。プラテンプレート27は、ベルト孔が通過する箇所において上面から下面に向かって設けられた複数の凹部を有している。また、プラテンプレート27は、凹部の底面の位置からプラテンプレート27の下面に貫通する複数の吸引孔を有している。
ファン28は、下方向への気流を生じさせる。ファン28は、プラテンプレート27の吸引孔、凹部および搬送ベルト6のベルト孔を介して吸引を行うことにより、負圧を発生させる。これにより、搬送ベルト6を搬送される印刷媒体を吸着保持する。ファン28はプラテンプレート27よりも下方に設置される。搬送路29は印刷媒体が搬送される経路である。印刷媒体は、搬送路29を搬送される。搬送路29は、搬送ベルト6のうち、印刷媒体を搬送する部位になる。
インクジェット機構7は、インクジェットヘッド31C、31K、31Mおよび31Yとヘッドホルダ32と昇降モータ33と一対のプーリ34および35とシャフト36とを有している。
インクジェットヘッド31C、31K、31M、31Yは、それぞれ、シアン(C)、ブラック(K)、マゼンダ(M)およびイエロー(Y)のインクを吐出する。これら4つのインクジェットヘッド31C、31K、31M、31Yを総称して、インクジェットヘッド31とする。なお、インクジェットヘッドの個数は4つには限定されない。また、インクの色も上記の4色には限定されない。
ヘッドホルダ32は、各インクジェットヘッド31を固定保持する。昇降モータ33は、プーリ34を回転駆動させる。一対のプーリ34と35との間にはシャフト36が接続されている。従って、昇降モータ33がプーリ34を回転させることにより、シャフト36と共にプーリ35も回転する。
プーリ34および35は、ワイヤWの巻き取りおよび繰り出しを行う。プーリ34と35とは同期して回転するため、ワイヤWが巻き取られるときには、平行な状態を維持して、搬送機構21は上昇する。一方、ワイヤWが繰り出されるときには、平行な状態を維持して、搬送機構21は下降する。
インクジェット機構7のヘッドホルダ32には、ギャップ調整部材41と熱伸縮部材42とが設けられている。図2は、側面図のため、2つのギャップ調整部材41および熱伸縮部材42が示されているが、紙面に直交する方向に、さらに2つのギャップ調整部材41および熱伸縮部材42が設けられている。
従って、ヘッドホルダ32の各角隅部近傍に4つのギャップ調整部材41および熱伸縮部材42が設けられている。ギャップ調整部材41は、各インクジェットヘッド31のノズル面と搬送路29の搬送面とのギャップ(間隙)を調整するための部材である。ギャップ調整部材41には熱伸縮部材42が設けられている。熱伸縮部材42は、熱によって収縮を行う部材である。
ヘッドホルダ32に設けられる4つのギャップ調整部材41および熱伸縮部材42は、それぞれ同じ長さとする。プーリ34および35の回転により、ワイヤWが巻き取られ、搬送機構21が上昇する。そして、搬送路29が各ギャップ調整部材41または熱伸縮部材42の下端に突き当たる。これにより、搬送路29の平行度を確保することができる。
<ギャップ調整機構および熱伸縮部材>
図3は、ギャップ調整部材41および熱伸縮部材42の斜視図の一例を示している。ギャップ調整部材41は、POM(Polyoxymethylene)等の樹脂部材である。熱伸縮部材42は、シリコンゴム等の熱による伸縮が大きい部材である。
図4は、図3のうち熱伸縮部材42の部分を透過した図である。図4に示すように、ギャップ調整部材41は、円筒状の外筒43と円筒状の内筒44とを有している。内筒44は外筒43の内部に挿嵌されている。また、外筒43の径は内筒44の径より大きい。外筒43と内筒44とは同じ素材(POM)である。ただし、外筒43と内筒44とは異なる素材としてもよい。
図5は、図3のうちギャップ調整部材41の一部を透過した図である。内筒44は外筒43の内部に挿嵌されており、外筒43は内筒44に対して相対的に回転することが可能になっている。
外筒43の内側上部には突起部43Aが形成されている。また、内筒44には複数の溝部が形成されており、外筒43を内筒44に対して相対的に回転させることにより、突起部43Aは各溝部を移動する。
また、外筒43の内部にはバネ等の付勢部材45が設けられており、この付勢部材45の付勢力により、外筒43に対して下方に向けて突出しようとする力が作用する。図5の例に示すように、内筒44には第1の溝部44Aと第2の溝部44Bと第3の溝部44Cとが形成されている。
内筒44の底面は、突起部43Aが第1の溝部44A、第2の溝部44Bおよび44Cの何れかに嵌合したときに、それぞれ高さ方向に外筒43の底部と当接する当接位置が異なるように内筒44の底面が形成されている。
例えば、内筒44の円周方向において、それぞれ異なる位置に高さの異なる第1の凸部および第2の凸部が設けられていてもよい。ここでは、第1の凸部より第2の凸部の方が下方向に向けて長いものとする。
外筒43と内筒44とは相対的に回転することが可能である。外筒43と内筒44とを相対的に回転させたときに、外筒43の底部と内筒44の底面とが当接する。このとき、内筒44に対して外筒43が最も突出しない状態となる。従って、この場合、ギャップ調整部材41の長さが最も短くなる。
外筒43と内筒44とは相対的に回転するため、ギャップ調整部材41の長さが最も短い状態で維持されるように、外筒43と内筒44との相対的な回転を規制する。このため、外筒43の底部と内筒44の底面とが当接する位置で、突起部43Aが嵌合するように第1の溝部44Aが形成されている。
第1の溝部44Aに突起部43Aが嵌合されると、外筒43と内筒44とは相対的な回転が規制される。そして、外筒43の底部と内筒44の底面とが当接しているため、ギャップ調整部材41の長さが最も短い状態となる。
外筒43と内筒44とに対して相対的に回転させる力を作用させると、突起部43Aは第1の溝部44Aから第2の溝部44Bに移動する。突起部43Aが第2の溝部44Bに嵌合されると、外筒43と内筒44との相対的な回転は規制される。
突起部43Aが第2の溝部44Bに嵌合される位置で、内筒44の底面における第1の凸部の下端と外筒43の底部とが当接するように、第1の凸部が形成される。この状態では、内筒44の第1の凸部の下端と外筒43の底部とが当接しているため、内筒44に対して外筒43が突出する。これにより、ギャップ調整部材41の長さは、上述した場合より長くなる。
また、外筒43と内筒44とを相対的に回転させる力を作用させると、突起部43Aは第2の溝部44Bから第3の溝部44Cに移動する。突起部43Aが第3の溝部44Cに嵌合されると、外筒43と内筒44との相対的な回転は規制される。
突起部43Aが第2の溝部44Bに嵌合される位置で、内筒44の底面における第1の凸部の下端と外筒43の底部とが当接するように、第2の凸部が形成される。この状態では、内筒44の第2の凸部の下端と外筒43の底面とが当接しているため、内筒44に対して外筒43がさらに突出する。これにより、ギャップ調整部材41の長さは最も長くなる。
以上のようにして、外筒43と内筒44とを相対的に回転させて、突起部43Aを第1の溝部44A、第2の溝部44Bまたは第3の溝部44Cの何れかに嵌合することで、ギャップ調整部材41の長さを調整することができる。
例えば、印刷媒体がコピー用紙のような薄紙の場合には、各インクジェットヘッド31のノズル面と搬送路29の搬送面とのギャップは短く設定されることが好ましい。この場合、外筒43の突起部43Aが第1の溝部44Aに嵌合されるように、外筒43を回転させる。
また、印刷媒体が厚紙の場合には、コピー用紙よりはギャップを長く取ることが好ましい。この場合、突起部43Aが第2の溝部44Bに嵌合されるように外筒43を回転させる。
また、印刷媒体が封筒の場合には、ギャップが最も長く設定されることが好ましい。この場合、第3の突起部43Aが第3の溝部44Cに嵌合されるように外筒43を回転させる。以上により、印刷媒体に応じた適切なギャップ調整を行うことができる。
図6は、熱伸縮部材42の内部に挿通している外筒43を透過した図である。外筒43および内筒44は、円筒状の部材であり、外筒43および内筒44の内部は中空になっている。この外筒43および内筒44の中空になっている部分がワイヤWを挿通するワイヤ挿通路46になっている。
図3乃至図6に示したギャップ調整部材41は一例であり、ギャップ調整部材41の長さを調整することができれば任意の機構を用いてもよい。上述した例では、3段階にギャップ調整を行うことが可能であるが、上述した凸部および対応する溝部の数を増やすことにより、さらに多くの段階のギャップ調整を行うことが可能である。
<ギャップ調整部材および熱伸縮部材の線膨張率>
図7は、材質ごとの線膨張率等の値を示している。材質としては、POM、クロロプレンゴムおよびシリコンゴムを示している。このうち、内筒44および外筒43を含むギャップ調整部材41の素材は、POMとする。また、熱伸縮部材42の素材は、クロロプレンゴムまたはシリコンゴムの何れであってもよいが、実施形態では、熱伸縮部材42の素材は、シリコンゴムであるものとする。
図7には各材質のそれぞれの項目を示している。線膨張率については、2つの項目を示している。1つの項目は、線膨張率を「10−4/K」で示している。もう1つの項目は、線膨張率を「10−6/K」で示している。高さは、各素材を適用した部材の高さを示している。変化温度は変化した温度を示している。高さ変化量は、線膨張率および高さで規定される素材が変化温度で示す温度変化を生じた場合の高さの変化量を示す。
なお、高さ変化量は、以下の式(1)で表される。
「高さ変化量(mm)=高さ(mm)/1000×線膨張率(10−6/K)×変化温度(℃)/1000」・・・(式1)
例えば、線膨張率が「1×10−4/K」、高さ「30mm」のPOM素材のギャップ調整部材41が「20℃」の温度変化を生じたとき、高さ変化量は「0.06mm」となる。
つまり、この条件下で「20℃」高温になると、POM素材は「0.06mm」の分だけ熱膨張する。一方、「20℃」高温になったPOM素材が「20℃」低温になると、「0.06mm」の分だけ熱収縮する。つまり、「20℃」の温度変化量によって、「0.06mm」の上方向または下方向の高さ変化が生じる。
線膨張率が「4×10−4/K」、高さ「30mm」のシリコンゴム素材の熱伸縮部材42が「20℃」の温度変化を生じたとき、高さ変化量は「0.24mm」となる。つまり、この条件下で「20℃」高温になると、シリコンゴム素材は「0.24mm」の分だけ熱膨張する。一方「20℃」高温になったシリコンゴム素材が「20℃」低温になると、「0.24mm」の分だけ熱収縮する。「20℃」の温度変化量によって、「0.24mm」の上方向または下方向の高さ変化が生じる。
従って、同じ高さであり、且つ同じ変化温度が生じた場合、シリコンゴム素材は、POM素材よりも4倍の熱膨張および熱収縮を行い、高さ変化量も4倍大きくなる。なお、熱伸縮部材42の線膨張率がギャップ調整部材41の線膨張率よりも高ければ、それぞれ任意の素材を適用してもよい。
<熱によるギャップ調整>
次に、熱によるギャップ調整について説明する。図2に示したように、昇降モータ33がプーリ34を回転させることにより、シャフト36を介して、プーリ35も回転する。昇降モータ33がワイヤWを巻き上げるような回転駆動力をプーリ34に与えることにより、搬送機構21は上昇する。
搬送機構21が上昇すると、搬送機構21の上面がギャップ調整部材41または熱伸縮部材42に突き当たる。これにより、搬送路29と各インクジェットヘッド31との間のギャップが設定される。
図8(A)に示した例は、プリンタPが高温になっていない状態を示している。例えば、高温多湿状態でない場合を示している。この場合、外筒43の下端が搬送路29の上面に突き当たっている。
上述したように、ギャップ調整部材41はギャップ調整が可能である。各インクジェットヘッド31のインクノズル面と搬送路29の搬送面との間のギャップは、印刷媒体に応じた適正なギャップに設定されている。
ここで、プリンタPが低温環境の場合、インクジェットヘッド31に充填されているインクの温度が低くなり、その結果、インクの粘度が低くなる。インクの粘度が低くなると、インクジェットヘッド31がインクを吐出したときに、糸引きが大きくなり、インクミストが増大する。
このため、プリンタPが低温環境であり、インクの粘度が低い場合でも、インクジェットヘッド31から吐出されたインクの糸引きが切れる前に、インクが印刷媒体に着弾するようなギャップであることが好ましい。
糸引きが切れる前にインクが印刷媒体に着弾すると、インクミスト量が減少する。または、糸引きが切れたとしても、ギャップが上記のように設定されていれば、糸引きが切れたインクも主滴からずれにくくなる。
このため、プリンタPが低温環境下でも、印刷媒体に対するインク汚れが発生し、またはインクジェットヘッド31の機内へのインクミストの汚れを減少させることができる。なお、搬送される印刷媒体がインクジェットヘッド31に干渉しない程度のギャップを確保する必要はある。
次に、図8(B)の例を用いて、高温多湿状況下でのギャップ調整について説明する。上述したように、ギャップ調整部材41は、インクの糸引きの影響を抑制する程度に上記のギャップを調整している。
一方、高温多湿状況下では、印刷媒体にも変形が生じやすい。従って、図8(A)の例により設定したギャップでは、変形した印刷媒体がインクジェットヘッド31と干渉することがある。
ここで、高温多湿状況下では、熱伸縮部材42が熱膨張する。図8(B)は、熱伸縮部材42が熱膨張し、熱伸縮部材42の下端がギャップ調整部材41の外筒43の下端よりも突出している例を示している。
この場合、ワイヤWで巻き上げられる搬送機構21の搬送路29は熱伸縮部材42の下端に突き当たる。これにより、搬送機構21の上昇は規制され、ギャップが調整される。図8(B)の例の場合、図8(A)の例の場合よりも、高さHの分だけギャップが大きくなる。
従って、高温多湿状況下で印刷媒体に変形が生じたとしても、同じ高温多湿状況下でギャップが高さHの分だけ大きくなることから、搬送路29を搬送される変形した印刷媒体がインクジェットヘッド31と干渉することを抑制することができる。
これにより、低温環境下では、印刷媒体やインクジェットヘッド31の機内にインクミスト汚れが生じることを抑制することができ、高温多湿状況下で印刷媒体に変形が生じたとしても、印刷媒体がインクジェットヘッド31に干渉することを抑制することができる。
なお、高温多湿状況下では、インク温度が高くなる。インク温度が高くなると、インクの粘度が低くなる。よって、インクジェットヘッド31が吐出したインクに糸引きやインクミストが発生することが少なくなり、印刷媒体やインクジェットヘッド31の機内にインクミストの汚れが生じることが少なくなる。
ところで、温度によって、インクジェットヘッド31のノズル面と搬送路29の搬送面との間のギャップが変化した場合、インクジェットヘッド31が吐出したインクが印刷媒体に着弾するタイミングにずれを生じる可能性がある。
しかし、低温状況下では、インクの粘度が高くなり、インクの吐出速度は低くなる。一方、高温多湿状況下では、インクの粘度が低くなり、インクの吐出速度は速くなる。従って、温度によってギャップが変化したとしても、温度に応じてインクの吐出速度が変化することから、インクジェットヘッド31が吐出したインクが印刷媒体に着弾するタイミングは一定に保たれる。これにより、温度変動が生じたとしても、インクの着弾位置のずれが少なくなる。
以上説明したように、ギャップ調整部材41により、印刷媒体に応じてある程度まで適正に設定されたギャップは、周辺温度に応じて熱伸縮部材42により自律的に微調整される。このため、センサ等の別途の装置や機構を設けなくても、また特別な処理を必要とすることなく、簡単な機構で自律的に適正なギャップが設定される。
<その他>
上述した実施形態では、ギャップ調整部材41は、円筒状の外筒43の内側に外筒43よりも径の小さい円筒状の内筒44を挿嵌している例を示した。そして、外筒43の外側に熱伸縮部材42が挿嵌され、熱伸縮部材42の上端は外筒43の段差に突き当たっている。
例えば、図9(A)に示すように、熱伸縮部材42は、ギャップ調整部材41の上部に設けてもよい。熱伸縮部材42がギャップ調整部材41の上部に設けられている場合でも、温度によって、熱伸縮部材42は熱伸縮を行う。このため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、例えば、図9(B)に示すように、ギャップ調整部材41の外筒43の下端に熱伸縮部材42を設けてもよい。この場合でも、温度が高くなると、熱伸縮部材42が熱膨張を行うため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、例えば、図10に示すように、ギャップ調整部材41(外筒43および内筒44を含む)を熱伸縮部材42で構成してもよい。図10の例の場合、周辺温度が高くなると、熱伸縮部材42は熱膨張を行い、周辺温度が低くなると、熱伸縮部材42は熱伸縮を行う。
このため、ギャップ調整部材41と熱伸縮部材42とを別個の部材として設けなくても、1つの部材だけで周辺温度に基づく適正なギャップ調整を自律的に行うことができる。従って、1つの部材だけでギャップ調整が可能なため、極めて簡単な構成で周辺温度に応じた適正なギャップ調整を行うことができる。
また、熱伸縮部材42としては、図7の例に示したシリコンゴムでなく、クロロプレンゴムであってもよい。高さ「50mm」のクロロプレンゴムを熱伸縮部材42に適用した場合、「20℃」の温度変化で「0.24mm」の高さ変化量が得られるため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
熱伸縮部材42の線膨張率としては、「2×10−4/K」以上であることが好ましい。これにより、高い線膨張率の熱伸縮部材42によって高さ変化量を大きくすることができ、温度変動による適正なギャップ調整を行うことができる。例えば、図10の例のように、ギャップ調整部材41を熱伸縮部材42で構成する場合、当該熱伸縮部材42の線膨張率は「2×10−4/K」以上であることが好ましい。
ただし、ギャップ調整部材41の熱膨張係数よりも熱伸縮部材42の熱膨張係数が高ければ、線膨張率は上記の値以下であっても、実施形態の効果を得ることはできる。例えば、低温状態のときに、内筒44の下端と熱伸縮部材42の下端とがほぼ同一平面となるように構成する。この場合、熱膨張率差が小さいとしても、高温になると、熱伸縮部材42の方が外筒43の下端よりも突出する。
従って、ギャップ調整部材41で設定されたギャップから、温度によって、さらにギャップが大きく調整されるため、変形した印刷媒体とインクジェットヘッド31との干渉を抑制することはできる。
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
6 搬送ベルト
7 インクジェット機構
21 搬送機構
29 搬送路
31 インクジェットヘッド
32 ヘッドホルダ
41 ギャップ調整部材
42 熱伸縮部材
43 外筒
44 内筒
P プリンタ
W ワイヤ

Claims (2)

  1. 印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドのノズル面と前記印刷媒体の搬送路の搬送面とのギャップを周辺温度により少なくとも前記ギャップを調整する方向に伸縮して調整する熱伸縮部材と、
    前記熱伸縮部材とは別に、前記ギャップを調整するギャップ調整部材とを備え、
    前記熱伸縮部材は、前記ギャップ調整部材に設けられ、前記ギャップ調整部材よりも線膨張率が高く、
    前記熱伸縮部材が最も収縮したときに、前記ギャップ調整部材の下端が前記熱伸縮部材の下端よりも下方に向けて突出するように構成した
    ことを特徴とするギャップ調整機構。
  2. 前記熱伸縮部材は、前記ギャップ調整部材の下端が前記熱伸縮部材の下端よりも下方に向けて突出する状態から、前記熱伸縮部材の下端が前記ギャップ調整部材の下端よりも下方に向けて突出するように熱膨張する
    ことを特徴とする請求項1に記載のギャップ調整機構。
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