JP6388308B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、焼付け時のヒューム発生量を低減でき、かつ屋外暴露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、さらに塗膜硬度、加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物に関する。
従来、屋外の基材(例えば建造物、表示物、ガードフェンス、器具、機械等)には、装飾又は保護を目的として耐候性に優れた屋外用塗料が塗装されている。屋外用塗料は、例えば、ポリウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル系塗料が挙げられる。
上記した塗料の塗膜を焼付け乾燥する際に発生するヒュームが、乾燥炉内に付着し、蓄積して塗装板に落下して仕上り性を低下させることがあった。また、得られた塗装板は屋外に曝されることにより、煤煙、砂塵、鉄粉、雨(酸性雨)及び太陽光線等の影響によって塗装物表面が汚れる問題が生じることがあった。
例えば、特許文献1には、アクリルポリオール樹脂などの種々の塗料用樹脂、特定のフッ素化合物、フルオロアルキル基を有するジメチルシリコーンオイルを含む塗料組成物が開示されている。しかしながら特許文献1を塗装して得られた塗膜は、屋外暴露による汚染が著しかった。また、本願で使用するポリエステル樹脂に関する記載はなく、その効果も示されていない。
また、特許文献2には、特定のポリエステル樹脂(A)、ブチルエーテル化メラミン樹脂(B)、オルガノシリケート及び/又はその縮合物(C)を含有する耐汚染塗料組成物が開示されている。しかし、特許文献2に記載の塗料組成物は、耐汚染性の向上は見られるが、塗膜の焼付け時におけるヒューム発生量が多かった。
特開平11−217540号公報 国際公開2012/002095号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、焼付け時のヒューム発生量を低減でき、かつ屋外暴
露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、さらに塗膜硬度、加工性が良好な塗
膜を形成できる塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、水酸基価10〜200mgKOH/gでかつ酸価30
mgKOH/g以下の水酸基含有ポリエステル樹脂(a)、架橋剤(b)及び特定の含フ
ッ素ポリシロキサン(c)を含む塗料組成物によって、焼付け時のヒューム発生量を大幅
に低減できることを見出した。
即ち、本発明は、1.水酸基価10〜200mgKOH/gでかつ酸価30mgKOH/g以下の水酸基
含有樹脂(a)、架橋剤(b)及び下記式(1)で表される含フッ素ポリシロキサン(c)
を含む塗料組成物であって、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形
分合計100質量部に対して、含フッ素ポリシロキサン(c)を0.1〜10質量部含有
する塗料組成物、
含フッ素ポリシロキサン(c):
Figure 0006388308
式(1)
(式(1)中、nは1〜20の整数、Rは、同一又は相異なってもよく、フッ素原子
を含むアルキル基、メチル基及びエチル基から選ばれる有機基を表わし、かつR1の少なくとも1つはフッ素原子を含むアルキル基である)
2.水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に
対して、アニオン性界面活性剤(d)を0.1〜20質量部含有する1項に記載の塗料組成物、
アニオン性界面活性剤(d):
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d1)、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)、アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)及びスルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤
3.アニオン性界面活性剤(d)が、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系の
アニオン性界面活性剤(d1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系
のアニオン性界面活性剤(d2)及びアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面
活性剤(d3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤と、スルホコハク
酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)から選ばれる少なくも1種類の界面活性剤とから
なる少なくとも2種類のアニオン性界面活性剤を含むものである2項に記載の塗料組成
物、
4.水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に
対して、カチオン性界面活性剤(e)を0.1〜20質量部含有する1〜3項のいずれか
一項に記載の塗料組成物、
5.水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に
対して、イオン液体(f)を0.1〜20質量部含有する1〜4項のいずれか一項に記載の塗料組成物、
6.金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜の少なくとも片面上に1〜5項のいずれか一項に記載の塗料組成物による塗膜を形成してなることを特徴とする塗膜形成方法、
7.6項に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装金属板、に関する。
本発明の塗料組成物は、焼付け時のヒューム発生量を低減できる為、乾燥炉のメンテナ
ンスを軽減できる。乾燥炉の天井からヒュームの落下が少ない為、仕上り性が良好な塗装物品を得ることができる。本発明の塗料組成物を塗装して得られた塗装物品は、屋外暴露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、かつ塗膜硬度、加工性に優れる。
焼付け時のヒューム発生量を試験する装置のモデル図を示す。
本発明の塗料組成物は、水酸基価10〜200mgKOH/gでかつ酸価30mgKOH/g以下の水酸基含有ポリエステル樹脂(a)、架橋剤(b)及び含フッ素ポリシロキサン(c)を含む塗料組成物である。本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて、アニオン性界面活性剤(d)、カチオン性界面活性剤(e)、イオン液体(f)及びその他の成分を添加することができる。
以下、詳細に説明する。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a)
水酸基含有ポリエステル樹脂(a)は、通常、多塩基酸成分(a1)及びアルコール成
分(a2)とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記多塩基酸成分(a1)としては、例えば、脂環族多塩基酸成分、脂肪族多塩基酸成分、芳香族多塩基酸成分等を使用することができる。
上記脂環族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸成分としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂環族多塩基酸成分としては、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂肪族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分としては、炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもアジピン酸を好適に使用することができる。
上記芳香族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物の低級アルキルエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。芳香族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
前記アルコール成分(a2)としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール及び3価以上の多価アルコール等を挙げることができる。
上記脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,3−ヘプタンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
本発明に使用する水酸基含有ポリエステル樹脂(a)の製造は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記多塩基酸成分(a1)を必須成分とする酸成分とアルコール成分(a2)とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。
上記エステル化反応又はエステル交換反応では、上記酸成分及びアルコール成分を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめに水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、水酸基含有ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)は、該樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。
油脂としては、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記変性に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a)の数平均分子量は、得られる塗膜の塗膜硬度、加工性、仕上り性の観点から、2,000〜30,000が好ましく、特に3,000〜25,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量及び重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(a)の水酸基価は、得られる塗膜の塗膜硬度、耐汚染性の点から10〜200mgKOH/g、特に60〜185mgKOH/gの範囲である。水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価は、加工性等の観点から30mgKOH/g以下、好ましくは1〜20mgKOH/g以下の範囲内である。
架橋剤(b) 本発明の塗料組成物における架橋剤(b)は、加熱により水酸基含有ポリエステル樹脂(a)の水酸基と反応して、硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができ、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂及びポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
上記メラミン樹脂としては、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂が挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えばサイメル202、サイメル232、サイメル235、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル272、サイメル285、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル701、サイメル703、サイメル1141(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20SE60(三井サイテック株式会社製)等が挙げられる。
ベンゾグアナミン樹脂は、ベンゾグアナミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化ベンゾグアナミン樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化ベンゾグアナミン樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル化したものも上記ベンゾグアナミン樹脂に包含される。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。これらのうち、なかでもメチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化してなるベンゾグアナミン樹脂が好適である。
上記ベンゾグアナミン樹脂の具体例としては、例えば、マイコート102、マイコート105、マイコート106(以上、いずれも三井サイテック社製)、ニカラックSB−201、ニカラックSB−203、ニカラックSB−301、ニカラックSB−303、ニカラックSB−401(以上、いずれも三和ケミカル社製)などのメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂;サイメル1123(以上、三井サイテック社製)などのメチルエーテルとエチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート136(以上、三井サイテック社製)、ニカラックSB−255、ニカラックSB−355、ニカラックBX−37、ニカラックBX−4000(以上、いずれも三和ケミカル社製)などのメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート1128(以上、三井サイテック社製)などのブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などを挙げることができる。
尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの縮合反応で得られ、溶剤又は水に溶解又は分散できる。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びシクロペンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシアネートと低分子量もしくは高分子量のポリオール化合物(例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなど)とをイソシアネート基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート基含有プレポリマーなどが挙げられる。
さらに、ポリイソシアネート化合物としては、遊離イソシアネート基をフェノール化合物、オキシム化合物、活性メチレン化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、メルカプタン化合物、酸アミド系化合物、イミド系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミン系化合物などのブロック剤で封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物も使用することができる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との混合割合としては、両者の固形分合計100質量部に基づき、固形分量で水酸基含有ポリエステル樹脂(a)60〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、架橋剤(b)5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部であることが、塗膜硬度、加工性の点から好適である。
含フッ素ポリシロキサン(c)
本発明の塗料組成物は、下記式(1)で表される含フッ素ポリシロキサン(c)を含有する。
Figure 0006388308
式(1)
(式(1)中、nは1〜20の整数、Rは、同一又は相異なってもよく、フッ素原子
を含むアルキル基、メチル基及びエチル基から選ばれる有機基を表わし、かつRの少なくとも1つはフッ素原子を含むアルキル基である)
上記フッ素原子を含むアルキル基は、C2p+1−C2q−、H−C2p−C2q−(pは1〜20の整数、qは1〜20の整数)で示される基を示す。
式(1)で表される含フッ素ポリシロキサン(c)の具体例としては、例えば、下記
の化合物が挙げられる。
Figure 0006388308
Figure 0006388308
(式中、mは0または1〜6の整数、nは1〜10の整数を表す)
式(1)で表される含フッ素ポリシロキサン(c)の中でも下記の化合物が、耐汚染性の面から好ましい。
Figure 0006388308
上記の含フッ素ポリシロキサン(c)の数平均分子量は、1,000〜100,000、好ましくは1,500〜30,000である。また、含フッ素ポリシロキサン(c)の水酸基価は、塗料安定性の点から0〜200mgKOH/g、好ましくは10〜150mgKOH/gである。
このような含フッ素ポリシロキサン(c)の市販品としては、例えば、ゼッフルGH−
701(以上、ダイキン工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
含フッ素ポリシロキサン(c)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部含有することが、焼付け時のヒューム発生量を低減でき、かつ耐汚染性、塗膜硬度、加工性の面から好ましい。
アニオン性界面活性剤(d)
本発明の塗料組成物中にアニオン性界面活性剤(d)を含有することによって、得られた塗膜中に含フッ素ポリシロキサン(c)が保持される効果が得られ、雨水等によって、含フッ素ポリシロキサン(c)が塗膜中から流出するのを抑制することができる為、長期間にわたって耐汚染性を維持できる。
このようなアニオン性界面活性剤(d)は、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)、アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)及びスルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤である。
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d1)
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d1)(以下、アニオン性界面活性剤(d1)と略することがある)としては、下記一般式(2)で表される構造式のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性向上の点からアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
Figure 0006388308
式(2)
(式(2)中のRは炭素数1〜15のアルキル基を表し、MはH、Na、K、Li、NH4+又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤の市販品としては、ペレックスSS−L、ペレックスSS−H(花王株式会社)、ニューコール261−A、ニューコール271−A(日本乳化剤株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)(以下、アニオン性界面活性剤(d2)と略することがある)としては、下記一般式(3)で表される構造式のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性の向上の点からポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩が好ましい。
Figure 0006388308
式(3)
(式(3)中のRは炭素数1〜50の炭化水素基、nは1〜30を表し、MはH、Na、K、Li、NH 又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記アニオン性界面活性剤(d2)の市販品としては、例えば、ニューコール707SN、ニューコール714SF、ニューコール2308SF、ニューコール2360SN(日本乳化剤株式会社)、 ラテムルE−118B、ラテルムE−150、ラテムルWX、ラテムルPD−140(花王株式会社)等が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)
アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)(以下、アニオン性界面活性剤(d3)と略することがある)としては、下記一般式(4)で表される構造式のアルキルベンゼンスルホン酸又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性の向上の点からアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
Figure 0006388308
式(4)
(式(4)中のRは、炭素数1〜15の炭化水素基を表し、MはH、Na、K、 Li、NH 又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記アニオン性界面活性剤(d3)の市販品としては、ニューコール210、ニューコール220−L(日本乳化剤株式会社)、ネオペレックスG−15、ネオペレックスG−25(花王株式会社)等が挙げられる。
スルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)
上記スルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)(以下、アニオン性界面活性剤(d4)と略することがある)としては、下記一般式(5)で表される構造式のジアルキルスルホコハク酸又はその金属塩を挙げることができる。
Figure 0006388308
式(5) (式(5)中のR、Rは、それぞれ同一又は異なって炭素数1〜15のアルキル基を表し、MはH、Na、K、Li、NH 又は有機アンモニウムイオンを表す)
具体的には、例えば、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルアミンオキサイドビストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、N−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミドテトラナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐汚染性の向上の点からジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩が好ましい。
上記スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤(d4)の市販品としては、ペレックスOT−P、ペレックスTR、ペレックスCS、ペレックスTA(花王株式会社)、ニューコール290−A、ニューコール290−M、ニューコール291−M、ニューコール291−PG、ニューコール291−GL、ニューコール292−PG、ニューコール293(日本乳化剤株式会社)、ネオコールSW−C、ネオコールYSK、ネオコールP(第一工業製薬株式会社)が挙げられる。
また、上記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)及びアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤と、スルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)から選ばれる少なくも1種類の界面活性剤は、固形分合計質量部を基準にして、[アニオン性界面活性剤(d1)+アニオン性界面活性剤(d2)+アニオン性界面活性剤(d3)]/アニオン性界面活性剤(d4)=20/80〜75/25(質量比)、好ましくは44/56〜70/30(質量比)の範囲が、耐汚染性、塗膜硬度、加工性に優れた塗膜を得るために望ましい。
なお、アニオン性界面活性剤(d)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(d)を0.1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部であることが、耐汚染性、塗膜硬度、加工性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
カチオン性界面活性剤(e)
本発明の塗料組成物中に、必要に応じて、カチオン性界面活性剤(e)を含有することによって、耐汚染性を向上できる。カチオン性界面活性剤(e)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルアミン系カチオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
具体的には、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン系カチオン性界面活性剤;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤;が挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤(e)の市販品には、アセタミン24、アセタミン86(以上、花王株式会社製、アルキルアミン系カチオン性界面活性剤)、DISPER BYK−108、DISPER BYK−109、DISPER BYK−116、DISPER BYK−161(以上、ビックケミージャパン社製、アルキルアミン系カチオン性界面活性剤)、コータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50(以上、花王株式会社製、第4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤)、カチオーゲンTML、カチオーゲンTMP、カチオーゲンTMS、カチオーゲンES−O、カチオーゲンES−L、カチオーゲンES−P、カチオーゲンDDM−PG、カチオーゲンS、カチオーゲンBC−50、カチオーゲンD2、カチオーゲンTBB(以上、第一工業製薬株式会社製、第4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤)等が挙げられる。
このようなカチオン性界面活性剤(e)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜6質量部であることが、耐汚染性、塗膜硬度、加工性に優れた塗膜を得るためにも望ましい。
イオン液体(f)
本発明の塗料組成物は、耐汚染性の向上を目的として、必要に応じて、イオン液体(f)を含有できる。なおイオン液体(f)は、イオン(アニオン、カチオン)のみから構成される液体化合物塩をイオン液体という。このようなイオン液体(f)のアニオン成分としては、例えば、ハロゲン化物イオン、SCN、BF4−、ClO4−、PF6−、(CFSO、(CFCFSO、CFSO 、CFCOO、Ph、(CFSO、PF(C などが挙げられる。カチオン成分としては、アミン、ピリジンイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。具体的には、イオン液体(f)としては、例えば、特開2012−72130号公報に挙げられるイオン液体が使用できる。
イオン液体(f)の市販品としては、アミノイオンAS100、アミノイオンAS200、アミノイオンAS300、アミノイオンAS400(以上、日本乳化剤、商品名)が挙がられる。Elexcel IL−110、Elexcel IL−120、Elexcel IL−220、Elexcel IL−230(以上、第一工業製薬製、商品名)が挙げられる。
イオン液体(f)を使用する場合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部が、好ましくは0.5〜6質量部の範囲内であることが、塗料安定性、長期間にわたる耐汚染性の維持の為に適している。
また、本発明の塗料組成物は、必要に応じて、その他の成分として、潤滑性付与剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料、硬化触媒、顔料分散剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、消泡剤、表面調整剤、界面活性剤、樹脂粒子、シリカ微粉末等の艶消し剤、有機溶剤など、従来から塗料に使用されている公知の材料を含有することができる。
上記潤滑性付与剤としては、塗面外観を劣化させず、塗膜表面に滑り性を付与することができるものであれば、従来、塗料分野で既知の潤滑剤を使用することができ、代表例として、例えば、ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス;ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル;マイクロクリスタリンワックスなどパラフィンワックス;モンタンワックス、ラノリンワックス、カルナウバワックス、蜜ロウ、鯨ロウなどの脂肪酸エステルワックス、四フッ化エチレンなどのフッ素系ワックスを挙げることができる。
上記顔料としては、具体的には、チタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラ、ベンガラなどの赤色顔料;ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄などの黄色顔料;カーボンブラック、黒鉛、松煙などの黒色顔料等の着色顔料;クレー、タルク、バリタ、炭酸カルシウム等の体質顔料;トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、五酸化バナジウムなどの防錆顔料;を挙げることができる。
上記硬化触媒は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との反応を促進するために必要に応じて配合されるものであり、架橋剤(b)がアミノ樹脂である場合には、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。
上記スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料安定性、反応促進効果、得られる塗膜物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
架橋剤(b)が、ブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、硬化触媒としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物を挙げることできる。
硬化触媒は、塗膜硬度の面から、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計量100質量部に対して、0.1〜5.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部が適している。
上記樹脂粒子は、例えば、尿素とアルデヒド成分との縮合反応により得られた樹脂を粉砕処理した粉末状のものが挙げられ、平均粒子径1〜10μm、好ましくは2〜8μmの粒子径が適している。上記平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(商品名「MT3300」、日機装社製)を使用し、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)の値である。アルデヒド成分としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が使用可能である。この中でもホルムアルデヒドを用いた場合、縮合反応が進み易く好都合である。
樹脂粒子の市販品としては、パーゴパックM3、パーゴパックM4、パーゴパックM5(以上、ロンザジャパン社製、商品名)、SOOFINE JJ POWDER(杭州精彩化工社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の塗料組成物に配合される樹脂粒子は、艶消し塗膜とする場合に、所望の艶消塗膜の度合に応じて配合することができ、配合する場合には、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して通常、樹脂粒子が1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは3〜15質量部の範囲内であることが、塗料安定性、艶消塗膜を得る面から望ましい。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)、架橋剤(b)、含フッ素ポリシロキサン(c)、必要に応じて、アニオン性界面活性剤(d)、カチオン性界面活性剤(e)、イオン液体(f)、樹脂粒子、前記その他の成分を均一に混合して得ることができる。
本発明の塗料組成物を塗装するに際しては、フォードカップNo.4(20℃)で10〜100秒間の範囲の粘度が得られるよう、固形分濃度を20〜60質量%の範囲内に調整することが好ましい。
塗膜形成方法
本発明の塗膜形成方法は、金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、プライマー塗膜の少なくとも片面上に、前記した本発明の塗料組成物による上塗塗膜を形成することを特徴とする。
被塗物である上記金属板としては、例えば、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金亜鉛メッキ鋼板(鉄−亜鉛、アルミニウム−亜鉛、ニッケル−亜鉛などの合金亜鉛メッキ鋼板)、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等が挙げられる。
被塗物である金属板表面が油等汚染物質で汚染されていなければそのままプライマー塗装してもかまわないが、塗膜との付着性、耐食性を改善するために公知の金属表面処理を施すのが望ましい。公知の表面処理方法としては、リン酸塩系表面処理、クロム酸塩系表面処理、ジルコニウム系表面処理などが挙げられる。
金属板上にプライマー塗膜を形成するプライマーとしては、着色カラー鋼板塗装分野、産業用機械塗装分野、金属部品塗装分野等で用いられる公知のプライマーを適用することができる。環境保護の観点から、クロム系防錆成分を含有しないクロムフリープライマー塗料を使用することが好ましい。
クロムフリープライマー塗料は、金属板や表面処理の種類によって適宜選択されるが、特にエポキシ系プライマー塗料、ポリエステル系プライマー塗料及びそれらの変性プライマー塗料が好適であり、加工性が特に要求される場合はポリエステル系プライマー塗料が好適である。プライマー塗料は、プライマー塗膜厚が、1〜30μm、好ましくは2〜20μmとなるようにロール塗装、スプレー塗装等公知の塗装方法により塗装され、通常、雰囲気温度80〜300℃の温度で5秒間〜1時間程度、コイルコート塗装する場合には、好ましくは、素材到達最高温度が140〜250℃となる条件で15秒間〜120秒間加熱して硬化させる。
プライマー塗膜は一層であってもよいし、第1のプライマー塗膜の上に第2のプライマー塗膜(中塗塗膜)が形成された二層であってもよい。プライマー塗膜を二層とする場合、第1のプライマー塗膜に防食機能を持たせ、第2のプライマー塗膜(中塗塗膜)に、加工性、耐チッピング性能を持たせるなど、二層のプライマー塗膜に異なる機能を持たせることもできる。
本発明の塗膜形成方法における上塗塗料である本発明の塗料組成物は、上記プライマー塗膜の少なくとも片面上に塗装される。塗装方法としては、カーテン塗装、ロールコータ塗装、浸漬塗装及びスプレー塗装等を挙げることができ、通常、乾燥後の塗膜厚が5〜50μm、好ましくは8〜25μmの範囲内となるように塗装される。
本発明の塗料組成物をコイルコート塗装する場合、その塗装方法に制限はないがコイルコート塗装の経済性からカーテン塗装、ロールコーター塗装が推奨される。ロールコーター塗装を適用する場合には、実用的には通常の2本ロールによるボトムフィード方式(いわゆる、リバース塗装、ナチュラル塗装)が好適に行われるが、塗面の均一性を最良のものにするため3本ロールによるトップフィードもしくはボトムフィード方式を行うこともできる。
本発明に係る塗膜の形成方法は、上記工程で得られた本発明の塗料組成物の塗膜を硬化する工程を含んでいてもよい。本発明の塗料組成物による塗膜の硬化条件は、通常、素材到達最高温度120〜260℃で15秒間〜30分間程度である。コイルコーティングなどによって塗装するプレコート塗装分野においては、通常、素材到達最高温度160〜260℃で焼付時間15〜90秒間の範囲で行なわれる。
本発明組成物から形成される塗膜は、特定の水酸基価20〜200mgKOH/gでかつ酸価30mgKOH/g以下の水酸基含有ポリエステル樹脂(a)、架橋剤(b)及び
含フッ素ポリシロキサン(c)を含有する。このことによって耐汚染性の向上とヒューム抑制の両立が可能となった。
さらにアニオン性界面活性剤(d)、カチオン性界面活性剤(e)及びイオン液体(f)を含有することによって雨水等によって塗膜に親水性が付与され、かつ含フッ素ポリシロキサン(c)の流出することを抑制できる為、耐汚染性の持続を図ることができる。
また、本発明組成物中に、樹脂粒子を添加した塗料組成物による艶消し塗膜は、汚染物質が固着し難くなり、艶消し塗膜においても耐汚染性を向上することができた。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
ポリエステル樹脂の製造 製造例1 ポリエステル樹脂No.1溶液の製造 温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、下記「混合物(1)」を仕込み、160℃まで昇温し、さらに160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。 次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容物にキシレンを加え水分離機にもキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去し、酸価が10mgKOH/gになるまで反応させた後、冷却し、反応物にシクロヘキサノンを加えて、固形分55%のポリエステル樹脂No.1溶液を得た。得られた樹脂は、酸価10mgKOH/g、水酸基価184mgKOH/g、数平均分子量3,400を有していた。
「混合物(1)」
イソフタル酸 0.8モル
アジピン酸 0.3モル
ネオペンチルグリコール 0.5モル
トリメチロールプロパン 0.7モル。
製造例2〜4 ポリエステル樹脂No.2溶液〜No.4溶液の製造
表1の配合内容とする以外は製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂No.2溶液〜
No.4溶液を得た。
製造例5 ポリエステル樹脂No.5溶液の製造
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、「混合物(2)」を仕込み、160℃まで昇温し、さらに160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。 次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容部にキシレンを加え水分離機にもキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去し、酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させ、冷却し、140℃にてヘキサヒドロ無水フタル酸0.8モル添加して、140℃で2時間保持した後冷却した。その後、反応物にシクロヘキサノンを加えて、固形分55%のポリエステル樹脂No.5溶液を得た。得られた樹脂は、酸価30mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、数平均分子量2,500を有していた。
「混合物(2)」
ヘキサヒドロ無水フタル酸 0.4モル
イソフタル酸 0.4モル
3,3−ペンタンジメタノール 0.2モル
ネオペンチルグリコール 0.2モル
トリメチロールプロパン 0.6モル。
製造例6〜8 ポリエステル樹脂No.6溶液〜No.8溶液の製造
表1の配合内容とする以外は製造例5と同様にして、ポリエステル樹脂No.6溶液〜
No.8溶液を得た。
Figure 0006388308
製造例9 含フッ素ポリシロキサンAの製造例
温度計、攪拌機、還流管、加熱装置及び滴下ロートを具備した反応装置に、メチルシリケートを0.106モル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール1.6をモルを仕込み120℃に昇温させた。次いで、120℃で4時間加熱しながら蒸留成分を除き、含フッ素ポリシロキサンAを得た。
実施例1 塗料組成物No.1の製造 製造例1で得たポリエステル樹脂No.1溶液 80部(固形分)、サイメル303(注2)20部(固形分)、ゼッフルGH−701(注4)0.2部(固形分)、及びタイペークCR−95(注21)120部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5部に、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール1500=40/60(質量比)の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜40 塗料組成物No.2〜No.40の製造 表2〜表4に示す配合内容する以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物No.2〜No.40を得た。
Figure 0006388308
Figure 0006388308
Figure 0006388308
比較例1 塗料組成物No.41の製造
製造例1で得たポリエステル樹脂No.1溶液80部(固形分)、サイメル303(注2)20部(固形分)、及びタイペークCR−95(注21)120部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5部、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール1500、40/60の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の塗料組成物No.41を得た。
比較例2〜14 塗料組成物No.42〜No.54の製造
表5に示す配合内容する以外は、比較例1と同様にして、塗料組成物No.42〜No.54を得た。
Figure 0006388308
(注1)バイロンKS−1430V:東洋紡績株式会社製、ポリエステル樹脂、数平均
分子量12,000、水酸基価11mgKOH/g、酸価0.2mgKOH/g、ガラス転移点1℃
(注2)サイメル303:日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂(注3)ブロックポリイソシアネート化合物A:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体のオキシムブロック化物、固形分37質量%、NCO含有率3.6%(注4)ゼッフルGH−701:ダイキン株式会社製、商品名、含フッ素ポリシロキサン
(注5)含フッ素ポリシロキサンB:
以下の化合物を用いた。
Figure 0006388308
(注6)ゼッフルGK−500:ダイキン株式会社製、商品名、四フッ化エチレン共重合体
(注7)ニューコール271−A:日本乳化剤株式会社製、商品名、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤(d1)
(注8)ペレックスSS−L:花王株式会社製、商品名、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤(d1)
(注9)ニューコール707SN:日本乳化剤株式会社製、商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)
(注10)ラテムルE−118B:花王株式会社製、商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)
(注11)ニューコール210:日本乳化剤株式会社製、商品名、アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)
(注12)ネオペレックスG−15:花王株式会社製、商品名、アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤(d3)
(注13)ニューコール290−A:日本乳化剤株式会社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤(d4)
(注14)ネオコールSW−C:第一工業製薬株式会社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤(d4)
(注15)カチオーゲンES−L:第一工業製薬株式会社製、商品名、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤
(注16)アセタミン86:花王株式会社製、商品名、アルキルアミン系カチオン性界面活性剤
(注17)サニゾールC:花王株式会社製、商品名、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤
(注18)DISPER BYK−161:ビックケミージャパン株式会社製、アルキルアミン系カチオン性界面活性剤
(注19)アミノイオンAS100:日本乳化剤株式会社製、商品名、イオン液体(f)
(注20)SOOFINE JJ POWDER:杭州精彩化工株式会社製、商品名、樹脂粒子、平均粒子径2.5μm(注21)タイペークCR−95:石原産業株式会社製、商品名、チタン白
(注22)MS56S:三菱化学株式会社製、商品名「MKCシリケートMS56S」、テトラメトキシシランの縮合物であるメチルエステル化シリケート
(注23)MS58B30:三菱化学株式会社製、商品名「MKCシリケートMS58B30」、テトラアルコキシシランの縮合物であるメチル/ブチル混合エステル化シリケート
(注24)X−41−1805:信越化学工業株式会社製、商品名、メルカプトアルキル基含有トリアルコキシシランの縮合物。
試験板の作成
乾燥膜厚3μmのプライマー塗膜を形成した亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板(GL材、板厚0.35mm)上に、ロールコーターにて、上記実施例及び比較例で得た塗料組成物No.1〜No.54を各々乾燥膜厚18μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となる条件で40秒間焼き付けて各試験板を得た。各試験板を用いて、後記の試験条件に従って、試験した結果を前記表1〜表5に示す。
(注25)ヒューム発生性: 図1に示すモデル図の試験セットを用い、下記工程により塗装板から発生するヒュームを評価した。
工程1:試験板(1)を140℃で3分間にて、予備加熱をする。
工程2:次いで、試験板(1)を230℃にしたホットプレート(3)上に置いて、塗装板から出るヒュームを逃がさないためのワク(2)で試験板(1)を囲む。
工程3:塗装板から出るヒュームを捕集するために、ワク(2)の上に鋼板(4)を置いて放置する。さらに、鋼板(4)の上に、氷水を入れた4リットル丸缶(5)を載せて、発生したヒュームを直ぐに冷却する。
工程4:試験板(1)を新しくして、上記工程1〜工程3の作業を10回繰り返し、その後、鋼板(4)を取り出して、下記基準に従って外観を評価した。
◎は、鋼板(4)にヒュームがわずかに付着しているが、干渉感はない
○は、鋼板(4)にヒュームが付着して、干渉感がみられるがヤニの付着はない。
△は、鋼板(4)にヒュームが付着して、干渉感がみられ、かつヤニの付着がみられる。
×は、鋼板(4)にヒュームが付着し、白濁しているか又はヤニの付着が著しくみられる。
(注26)初期の塗面外観: ○は、塗面に、ハジキ、凹み、ブツなどの塗面異常が認められない。 △は、ハジキ、凹み、ブツなどの塗面異常が認められないが、塗面に曇りが認められる。 ×は、塗面にハジキ、凹み、ブツなどの塗面異常が認められる。
(注27)鉛筆硬度:試験板の塗膜について、JIS K 5600−5−4(1999)に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破れによる評価を行った。硬度が高いほうが好ましい。
(注28)屋外曝露試験:屋外曝露試験試験片(100×300mmの大きさに切断した試験板)を、軒先をモデル化した設置台に、塗膜が北側に面するように、垂直から4度の角度を付けて取り付け、東京都大田区の関西ペイント(株)屋上にて曝露試験を行い、「暴露開始から2ヶ月後」及び「暴露開始から12ヶ月後」において、初期塗板との色差(△E)をJIS Z8370に基づいて、スガ試験機(株)製の多光源分光測色計MSC−5Nを用いて測定し、以下の基準により評価した。 ◎は、△Eが1未満 ○は、△Eが1以上かつ2未満 △は、△Eが2以上かつ5未満、 ×は、△Eが5以上。
(注29)加工性:20℃の室内において、塗面を外側にして万力にて試験板を180度折曲げて、折曲げ部分にワレが発生しなくなるT数を表示した。T数とは、折曲げ部分の内側に何もはさまずに180度折曲げを行なった場合を0T、試験板と同じ厚さの板を1枚はさんで折曲げた場合、1T、2枚の場合2T、・・・(以下同様)・・・、6枚の場合6Tとした。結果を以下により判定した。 ◎は、2T折曲げ加工において、ワレが認められない ○は、2T折曲げ加工ではワレが認められるが、4T折曲げ加工においてワレが認められない △は、4T折曲げ加工ではワレが認められるが、6T折曲げ加工においてワレが認められない ×は、6T折曲げ加工において、ワレが認められる。
(注30)60度鏡面光沢度: JIS Z 8741(1997)に規定の60度鏡面光沢度に従い、60度鏡面反射率を測定した。
貯蔵安定性が良好で、かつ屋外暴露時において耐汚染性を維持でき、さらに加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を提供できる。
1.塗装板
2.塗装板から出るヒュームを逃がさないためのワク
3.ホットプレート
4.塗装板から出るヒュームを捕集するための鋼板
5.発生したヒュームを直ぐに冷却する為に氷水を入れた4リットル丸缶

Claims (7)

  1. 水酸基価10〜200mgKOH/gでかつ酸価30mgKOH/g以下の水酸基含有ポリエステル樹脂(a)、架橋剤(b)下記式(1)で表される含フッ素ポリシロキサン(c)及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)を含む塗料組成物であって、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、含フッ素ポリシロキサン(c)を0.1〜10質量部含有する塗料組成物。
    含フッ素ポリシロキサン(c):
    Figure 0006388308
    式(1)
    (式(1)中、nは1〜20の整数、Rは、同一又は相異なってもよく、フッ素原子
    を含むアルキル基、メチル基及びエチル基から選ばれる有機基を表わし、かつRの少なくとも1つはフッ素原子を含むアルキル基である)
  2. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)を0.1〜20質量部含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. アニオン性界面活性剤(d)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤(d2)及びスルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(d4)からなる2種類のアニオン性界面活性剤を含むものである請求項1及び2に記載の塗料組成物。
  4. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、カチオン性界面活性剤(e)を0.1〜20質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、イオン液体(f)を0.1〜20質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. 金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜の少なくとも片面上に請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料組成物による塗膜を形成してなることを特徴とする塗膜形成方法。
  7. 請求項6に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装金属板。
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