JP6387938B2 - 電池用包装材料 - Google Patents
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Description
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体からなり、
ナノインデンターを用いて、積層体の積層方向における断面から絶縁層に対して圧子を5μm押し込んで測定される硬さが、10MPa〜300MPaの範囲にある、電池用包装材料。
項2. 絶縁層が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性された変性ポリオレフィン樹脂を含む樹脂組成物により形成されてなる、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方が、前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されて形成されたものである、項2に記載の電池用包装材料。
項4. 変性ポリオレフィン樹脂が、さらに(メタ)アクリル酸エステルで変性されてなる、項2に記載の電池用包装材料。
項5. 変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性されたものである、項4に記載の電池用包装材料。
項6. 絶縁層の融点が、シーラント層の融点よりも低い、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 絶縁層とシーラント層との間に水分バリア樹脂層をさらに有する、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 金属層がアルミニウム箔により形成されている、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. シーラント層において、ナノインデンターを用いて、前記積層体の積層方向における断面からシーラント層に対して圧子を5μm押し込んで測定される弾性率が、100MPa〜1000MPaの範囲にある、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料。
項10. 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜9のいずれかに記載の電池用包装材料により封止されてなる、電池。
項11. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とをこの順に積層して積層体を得る工程を備え、
前記工程において、ナノインデンターを用いて、積層体の積層方向における断面から絶縁層に対して圧子を5μm押し込んで測定される硬さが、10MPa〜300MPaの範囲にある絶縁層を形成する、電池用包装材料の製造方法。
項12. 前記工程後に、積層体をシーラント層の融点以上の温度で加熱する工程をさらに備える、項11に記載の製造方法。
本発明の電池用包装材料は、例えば図1に示されるように、少なくとも、基材層1、金属層2、絶縁層3、及びシーラント層4がこの順に積層された積層体からなる。電池用包装材料において、基材層1が最外層となり、シーラント層4は最内層になる。すなわち、電池の組み立て時に、電池用包装材料のシーラント層4が電池の内側となるようにして、電池用包装材料で電池素子を包み込み、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、電池を組み立てた時に、最外層を構成する層である。基材層1を形成する素材は、絶縁性を備えるものであれば特に制限されない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物などの樹脂フィルムが挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、金属層2は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層2を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層2は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層2にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
本発明において、絶縁層3は、電池用包装材料の絶縁性を高めるために、金属層2とシーラント層4との間に設けられる層である。絶縁層3は、ナノインデンターを用いて、積層体の積層方向における断面から絶縁層3に対して圧子を5μm押し込んで測定される硬さが、10MPa〜300MPaの範囲にある。絶縁層3の硬さとは、より具体的には、ナノインデンターを用いて、積層体の積層方向における断面から絶縁層3に対して先端形状が三角錐(バーコビッチ型)のダイヤモンドチップからなる圧子を5μm押し込み、圧子が押し込まれた時の硬度(ナノインデンターハードネス)をいう。この硬さは、いわゆるナノインデンテーション法によって測定されるものである。
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
下記一般式(6):
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
及び下記一般式(7):
で表されるポリカルボジイミド化合物が挙げられる。一般式(5)〜(7)において、nは、通常30以下の整数であり、好ましくは3〜20の整数である。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、電池を組み立てた時に、本発明の電池用包装材料の最内層を構成する層である。電池の組み立て時に、シーラント層4の表面同士を互いに接触させ、接触した部分を熱溶着して電池素子を密封することができる。
本発明の電池用包装材料においては、基材層1と金属層2とを強固に接着させることなどを目的として、基材層1と金属層2との間に接着層5をさらに設けてもよい。
本発明の電池用包装材料においては、金属層2と絶縁層3との間及び絶縁層3とシーラント層4との間の少なくとも一方に水分バリア樹脂層6を設けることにより、電池用包装材料の耐湿性をさらに向上させることができる。すなわち、電池用包装材料を水分が透過して、電解質などが劣化することをより効果的に抑制し得る。
1)式:CF2=CFX〔式中、Xはフッ素原子、水素原子、またはトリフルオロメチル
基である〕で表されるフルオロオレフィン単量体、
2)式:CH2=CR(CH2)〔式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である〕で表されるβ−メチル置換α−オレフィン単量体、
3)式:CH2=CHR1〔式中、R1は−OR2又は−CH2OR2(但し、R2は水酸基を
有するアルキル基)である〕で表される水酸基含有単量体、
4)架橋性官能基を有さず、かつ、前記単量体1)、2)、3)と共重合し得る他の単量体から導かれるフッ素含有共重合体などを挙げることができる。
本発明の電池用包装材料の製造方法は、所定の組成の各層を積層させた上記の積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法を例示することができる。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装体として使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料は、電池素子の形状に合わせて変形され、電池素子を収容する包装体とすることができる。
金属層を形成するアルミニウム箔として、軟質アルミニウム((JIS H4160 A8021H−O)からなるアルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を化成処理したものを用いた。アルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をロールコート法により金属層の両面に塗布して皮膜を形成し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。次に、化成処理を行ったアルミニウム箔の一方の表面上に、接着層を形成するため、主剤にポリエステル−ポリオール樹脂を用い、硬化剤にTMPアダクトタイプのTDI系硬化剤を使用した接着剤を、厚みが4μmとなるように塗布し、乾燥させた。次に、この接着剤の上から、基材層となる2軸延伸ナイロンフィルム20μmをドライラミネート法により貼り合わせた。さらに、アルミニウム箔の他方の表面上に、絶縁層を形成するため、変性ポリオレフィン樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量10万、融点100℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.1mol%、無水マレイン酸変性度3.0質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、乾燥させた。なお、硬化剤の含有量は、変性ポリプロピレン系樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、硬化剤中の反応基として、実施例1では1当量、実施例2では5当量、実施例3では10当量、実施例4では20当量、実施例5では30当量、比較例1では0.0当量、比較例2では50当量とした。
金属層上に絶縁層を厚さ0.1μmとなるように塗布し、乾燥させた後、フッ素含有共重合体としてフルオロオレフィン−水酸基含有ビニルエーテル共重合体を用い、硬化剤にはイソシアネート系硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネートの三量体をポリオールの水酸基(−OH基)1当量に対して1.1当量となるように添加したフッ素系樹脂溶液を乾燥後に3.0g/m2となるように塗布・乾燥してフッ素系樹脂層を形成すると共に、無延伸ポリプロピレンフィルム(エチレン-プロピレンランダム共重合タイプ、厚さ30μm、融点140℃)をフッ素系樹脂層面に加熱圧着してシーラント層を形成したこと以外は、実施例4と同様の方法で電池用包装材料を作製した。
金属層上に変性ポリオレフィン樹脂(変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量11万、融点120℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.5mol%、無水マレイン酸変性度8.0質量%、アクリル酸エチル変性度1.0質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、絶縁層を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で電池用包装材料を作製した。
金属層上に変性ポリオレフィン樹脂(変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量13万、融点75℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.3mol%、無水マレイン酸変性度5.0質量%、アクリル酸オクチル変性度5.0質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、絶縁層を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で電池用包装材料材を作製した。
金属層上に変性ポリオレフィン樹脂(変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量11万、融点80℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.1mol%、無水イタコン酸変性度4.0質量%、アクリル酸エチル変性度3.0質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、絶縁層を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で電池用包装材料を作製した。
金属層上に変性ポリオレフィン樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量10万、融点90℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量、1.9mol%、無水マレイン酸変性度18.0質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、絶縁層を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で電池用包装材料を作製した。
金属層上に変性ポリオレフィン樹脂(無水マレイン酸変性ポリエチレン、重量平均分子量9万、融点90℃、無水マレイン酸変性度2.5質量%)と硬化剤(プレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート、NCOの含有量31質量%)とを混合して得られた樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、絶縁層を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で電池用包装材料を作製した。
ナノインデンター(HYSITRON社製のTriboIndenter TI950)を用いて、絶縁層の硬さを測定した。ナノインデンターにおいて、先端がダイヤモンドチップからなる正三角錐(バーコビッチ型)の圧子(HYSITRON社製、TI−0037 Cube Corner90° Total included angle、型番:AA11041012)を用いた。実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた電池用包装材料をそれぞれ積層方向に切断して絶縁層の断面を露出させた。次に、ナノインデンターを用い、絶縁層の断面に対して垂直方向に圧子を5μm押し込んだ際の硬さを測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた実施例1〜11及び比較例1〜2の電池用包装材料をそれぞれ、60mm(MD方向、縦方向)×150mm(TD方向、横方向)に裁断した。次に、裁断した電池用包装材料をTD方向においてシーラント層同士が対向するようにして2つ折りにし、TD方向の対向する1辺とMD方向の1辺を熱溶着し、TD方向の1辺が開口する袋状の電池用包装材料を作製した。なお、熱溶着の条件は、温度190℃、面圧1.0MPa、加熱・加圧時間3秒とした。次に、開口部から3gの電解液を注入し、開口部を7mm幅で、上記と同じ条件で熱溶着した。なお、電解液は、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の容積比で混合した溶液に6フッ化リン酸リチウムを混合して得られたものである。次に、電池用包装材料の開口部が位置していた部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置した。
実施例1〜11及び比較例1〜2で得られた電池用包装材料を幅40mm、長さ100mmのサイズに切り取り試験片を得た。次に、この試験片を短辺同士が対向するように折り返し、試験片のシーラント層の表面が互いに対向するように配置した。次に、互いに対向するシーラント層の表面の間に25μmφのワイヤーを挿入した。次に、この状態で電池用包装材料の長さ方向に直交する方向に上下共に7mm幅の平板状熱板からなるヒートシール機でシーラント層同士をヒートシールした。次に、電池用包装材料のワイヤーが挟まれた部分が中央になるようにして、両側の基材層の表面にテスターの端子をそれぞれ接続した。次に、テスター間に100Vの電圧をかけ、短絡するまでの時間(秒)を測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜11及び比較例1〜2で得られた電池用包装材料を60mm(MD方向)×60mm(TD方向、横方向)のシート片に裁断した。次に、これらのシート片をMD方向(縦方向)に2つ折りし、対向する2辺を7mm巾でヒートシールして1辺が開口を有するパウチタイプの外装体を作製した。次に、得られた外装体を、開口する1辺から金属端子が外部に延出するようにセルを含むリチウムイオン電池本体を封入し、電解液を入れ金属端子を挟持しながら、開口部を3mm巾で密封シールして、リチウムイオン電池を作製した。このとき、ヒートシールは、面圧2.0MPa、シール温度170℃、シール時間5.0秒の条件で行なった。次に、インパルス印加方式(株式会社日本テクナート製、リチウムイオン電池絶縁試験器)を用いて、クラックに対する絶縁性評価試験を実施した。まず、上記リチウムイオン電池を、それぞれ100個用意して、各リチウムイオン電池の負極端子とアルミニウム箔との間に印加電圧100Vのインパルス電圧を印加し、99msec後の電圧降下が20V以内のものを合格とし、合格品の割合が20%以上のものを○とした。合格品の割合が20%未満のものを×とした。結果を表1に示す。
実施例1〜11及び比較例1〜2で得られた電池用包装材料をそれぞれ裁断して、100mm×100mmの短冊片を作製した。得られた短冊片を中央で2つ折りにし、一方の短辺部分を10mm幅でヒートシールし、長辺部分を3mm幅でヒートシールして、他方の短辺部分が開口した袋体を作製した。短辺部分のヒートシール条件は、190℃、2.0MPa、3.0秒とし、長辺部分のヒートシール条件は190℃、1.0MPa、3.0秒とした。次に、ドライルーム(露点温度−50℃)中において、袋体に3gの溶液(エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=1/1/1(容積比))を注入し、開口部を10mm幅でヒートシールして、各サンプルを作製した。得られた各サンプルを60℃、90%RHの恒温恒湿槽に168時間保存した後、各サンプル内の溶液を取り出してサンプル内部の水分増加量(ppm)を測定した。水分増加量は、カールフィッシャー法により測定した。結果を表1に示す。
実施例2と同様にして、基材層、接着層、金属層、及び絶縁層が積層された積層体を作製した。次に、得られた積層体を80℃で24時間エージング処理した後、押し出し法によりシーラント層(エチレン-プロピレンランダム共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点140℃、MFR30、厚さ30μm)を形成した。次に、得られた積層体を190℃で2分間加熱することにより、基材層、接着層、金属層、絶縁層、シーラント層がこの順に積層された実施例12の電池用包装材料を得た。
シーラント層にエチレン‐プロピレンターポリマー共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点137℃、MFR7、厚さ30μmを用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例13の電池包装材料を作製した。
シーラント層にエチレン‐プロピレンブロック共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点163℃、MFR7、厚さ30μmを用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例14の電池包装材料を作製した。
シーラント層にエチレン‐プロピレンランダム共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点140℃、MFR7.5、厚さ30μmを用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例15の電池包装材料を作製した。
シーラント層に共押し出ししたエチレン‐プロピレンランダム共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点160℃、MFR5、厚さ15μmと、エチレン‐プロピレンターポリマー共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点137℃、MFR7、厚さ15μmとを用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例14の電池包装材料を作製した。
シーラント層にエチレン‐プロピレンランダム共重合タイプのポリプロピレン系樹脂、融点148℃、MFR9.5、厚さ30μmを用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較例3の電池包装材料を作製した。
上記のナノインデンター(HYSITRON社製のTriboIndenter TI
950)を用いて、実施例2、12〜16、比較例3で得られた電池用包装材料のシーラ
ント層の弾性率を測定した。ナノインデンターにおいて、先端がダイヤモンドチップからなる正三角錐(バーコビッチ型)の圧子(HYSITRON社製、TI−0037 Cube Corner90° Total included angle、型番:AA11041012)を用いた。電池用包装材料をそれぞれ積層方向に切断して絶縁層の断面
を露出させた。次に、ナノインデンターを用い、シーラント層の断面に対して垂直方向に圧子を5μm押し込んだ際の硬さを測定した。結果を表2に示す。
実施例2、12〜16、比較例3で得られた電池用包装材料を60mm(MD方向)×120mm(TD方向)の短冊片に裁断した。各短冊片をTD方向に二つ折りにし、対向する2辺を7mm巾でヒートシールして一方に開口を有する袋を作製した。次に、得られた袋の開口部を7mm巾、シール温度190℃、面圧1.0MPa、シール時間3.0秒でヒートシールした。次に、開口部におけるヒートシール部を15mm巾の短冊状に切り取り、これを引張り機(島津製作所製、AGS−50D(商品名))で300mm/分の速度で引張り、シール強度を測定した。単位はN/15mm巾である。結果を表2に示す。
エージング処理を行わなかったこと以外は、実施例12と同様にして電池用包装材料を得た。
エージング処理を行う前までは、実施例2と同様にして積層体を得た。次に、得られた積層体を190℃で2分間加熱することにより、電池包装材料を得た。
エージング処理を行う前までは、実施例2と同様にして積層体を得た。次に、得られた積層体を190℃で2分間加熱した後、80℃で24時間エージングすることにより、電池包装材料を得た。
2…金属層
3…絶縁層
4…シーラント層
5…接着層
6…水分バリア樹脂層
Claims (12)
- 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体からなり、
前記絶縁層が、変性ポリオレフィン樹脂と、前記変性ポリオレフィン樹脂を硬化させる硬化剤とを含む樹脂組成物により形成されてなり、
ナノインデンターを用いて、前記積層体の積層方向における断面から前記絶縁層に対して圧子を5μm押し込んで測定される硬さが、15MPa〜240MPaの範囲にあり、
前記シーラント層において、ナノインデンターを用いて、前記積層体の積層方向における断面から前記シーラント層に対して圧子を5μm押し込んで測定される弾性率が、100MPa〜800MPaの範囲にある、電池用包装材料。 - 前記変性ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性された変性ポリオレフィン樹脂である、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方が、前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されて形成されたものである、請求項2に記載の電池用包装材料。
- 前記変性ポリオレフィン樹脂が、さらに(メタ)アクリル酸エステルで変性されてなる、請求項2に記載の電池用包装材料。
- 前記変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方が、前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性されたものである、請求項4に記載の電池用包装材料。
- 前記絶縁層の融点が、前記シーラント層の融点よりも低い、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記絶縁層と前記シーラント層との間に水分バリア樹脂層をさらに有する、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層がアルミニウム箔により形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料により封止されてなる、電池。
- 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とをこの順に積層して積層体を得る工程を備え、
前記工程において、前記絶縁層を、変性ポリオレフィン樹脂と、前記変性ポリオレフィン樹脂を硬化させる硬化剤とを含む樹脂組成物により形成し、
前記工程において、ナノインデンターを用いて、前記積層体の積層方向における断面から前記絶縁層に対して圧子を5μm押し込んで測定される硬さが、15MPa〜240MPaの範囲にある前記絶縁層を形成し、
前記工程において、ナノインデンターを用いて、前記積層体の積層方向における断面から前記シーラント層に対して圧子を5μm押し込んで測定される弾性率が、100MPa〜800MPaの範囲にある前記シーラント層を形成する、電池用包装材料の製造方法。 - 前記工程後に、前記積層体を前記シーラント層の融点以上の温度で加熱する工程をさらに備える、請求項10に記載の製造方法。
- 電池の絶縁性の向上方法であって、
請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料を用意する工程と、
正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を前記電池用包装材料で包み込み、前記電池素子の周縁に位置する前記シーラント層同士を熱溶着して前記電池素子を密封することにより、前記電池素子が封止された電池を形成する工程と、
を備える、電池の絶縁性の向上方法。
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