JP6387564B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両用ブレーキ装置に負圧ブースタとして用いられる気圧式倍力装置に関する。
一般に、車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に気圧式倍力装置が設けられている。この種の気圧式倍力装置は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに区画している。そして、パワーピストンに連結されたバルブボディ内には、プランジャが配置され、このプランジャを入力ロッドにより移動させて変圧室に作動気体を導入する。これにより、定圧室と変圧室との間に差圧を発生させて、ブレーキペダルの踏力よりも大きな力を出力ロッドからマスタシリンダ側に出力する構成としている(特許文献1参照)。
特開2010−105593号公報
ところで、従来技術による気圧式倍力装置は、軽量化を図るためにバルブボディを熱可塑性樹脂により形成している。ここで、気圧式倍力装置においては、ハウジング内をフロントシェルとリヤシェルとの間に設けられたセンタシェルにより2室に画成し、この2室にそれぞれ定圧室と変圧室とを設けた、所謂タンデム型の気圧式倍力装置が知られている。
そこで、このタンデム型の気圧式倍力装置においても、軽量化を図るべくバルブボディを熱可塑性樹脂により形成することが考えられる。しかし、タンデム型の気圧式倍力装置のバルブボディは、出力ロッド側の長さ寸法が長くなるので、当該バルブボディを熱可塑性樹脂により形成すると、強度が不足する可能性がある。そこで、バルブボディの各部を肉厚に形成することにより、強度不足を解消することが考えられる。しかし、この場合には、バルブボディの重量が増加してしまい、ひいては気圧式倍力装置の重量が増加するという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、軽量化した気圧式倍力装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明による気圧式倍力装置は、ハウジング内をセンタシェルによって2室に区画すると共に、該2室をそれぞれパワーピストンによって定圧室と変圧室とに区画し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドにより移動させて制御バルブによって変圧室に作動気体を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間の差圧によって生じる前記パワーピストンの推力を前記バルブボディからリアクション部材を介して出力ロッドに作用させると共に、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、前記バルブボディは、熱可塑性樹脂によって形成され、前記リアクション部材に推力を伝達する筒状の推力伝達部と、前記パワーピストンが固定される外周筒部と、該外周筒部と前記推力伝達部とを接続する複数の接続壁と、を有し、該接続壁の軸方向端部における前記外周筒部と前記推力伝達部との接続部には、軸方向に凹んで形成される切欠部が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、気圧式倍力装置の軽量化を図ることができる。
本発明の実施の形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。 図1中のバルブボディを示す拡大断面図である。 図2中のバルブボディを矢示III−III方向からみた断面図である。 バルブボディを単体で示す断面斜視図である。
以下、本発明の実施の形態による気圧式倍力装置として、車両用ブレーキ装置に適用されるマスタシリンダが取付けられた状態で車体に取付けられるタンデム型の気圧式倍力装置を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。なお、本実施形態においては、マスタシリンダ側を前側とし、車体取付側を後側として説明する。
図1ないし図4は、本発明の実施の形態を示している。図1において、気圧式倍力装置1は、その外殻を構成するハウジング2を有し、該ハウジング2は、車両(図示せず)の前側寄りに位置するフロントシェル3と、その後側に位置するリヤシェル4とにより構成されている。また、フロントシェル3とリヤシェル4との間には、ハウジング2内を前室Aと後室Bとの2室に区画するセンタシェル5が設けられている。これらシェル3,4,5は、その外周側で互いに気密状態に固着されている。
フロントシェル3には、前壁3Aの中央部にマスタシリンダ(図示せず)の一部を収納するための筒状凹部3Bが形成されている。ここで、フロントシェル3の筒状凹部3Bには、マスタシリンダとの間を気密にシールする環状のシール部材(図示せず)が設けられている。このシール部材は、ハウジング2内の定圧室A1を外部の大気に対して気密状態にシールするものである。また、前壁3Aには、筒状凹部3Bよりも径方向外側に位置し、後述の取付部材9が挿通されるフロント側挿通孔3Cと、後述の負圧導入管8に連通する負圧導入孔3Dとが形成されている。
リヤシェル4には、車体(図示せず)への取付面となる後壁4Aの中央部から軸方向外向きに後方筒部4Bが突設されている。また、リヤシェル4には、後方筒部4Bの軸方向(長さ方向)途中部位に環状の段差部4Cが設けられている。この段差部4Cには、後述する入力ロッド24の押動操作解除時に後述のストップキー32が当接することにより、後述のバルブボディ14およびプランジャ30の戻り位置が規制される(図1参照)。また、後壁4Aには、後方筒部4Bよりも径方向外側に位置し、後述の取付部材9が挿通されるリヤ側挿通孔4Dが形成されている。
一方、センタシェル5は、フロントシェル3とリヤシェル4との間に位置して、ハウジング2内をフロントシェル3とセンタシェル5との間に形成された前室Aと、リヤシェル4とセンタシェル5との間に形成された後室Bとに区画している。そして、センタシェル5には、その中央部に後述のバルブボディ14が挿通されるバルブボディ挿通孔5Aが形成され、バルブボディ挿通孔5Aの径方向外側となる位置には、後述の筒状部材13の前端側を保持する筒状部材取付孔5Bが形成されている。
ハウジング2内の前室Aには、ダイヤフラム等からなるパワーピストン6が設けられている。このパワーピストン6は、外周側がフロントシェル3とセンタシェル5との間に固着され、内周側が後述するバルブボディ14の前側係合段部15Aに固着されている。また、パワーピストン6は、後述の取付部材9の軸部9Aに対して摺動可能に挿嵌されている。そして、前室Aは、フロントシェル3とパワーピストン6との間が定圧室A1となり、パワーピストン6とセンタシェル5との間が変圧室A2となっている。
一方、ハウジング2内の後室Bには、ダイヤフラム等からなるパワーピストン7が設けられている。このパワーピストン7は、外周側がリヤシェル4とセンタシェル5との間に固着され、内周側が後述するバルブボディ14の後側係合段部15Bに固着されている。また、パワーピストン7は、後述の筒状部材13に対して摺動可能に挿嵌されている。そして、後室Bは、センタシェル5とパワーピストン7との間が定圧室B1となり、パワーピストン7とリヤシェル4との間が変圧室B2となっている。
負圧導入管8は、フロントシェル3の前壁3Aに設けられている。図1に示すように、負圧導入管8は、フロントシェル3の前壁3Aに設けられた負圧導入孔3Dに連通するパイプ等からなり、エンジンの吸気マニホールドに逆止弁(いずれも図示せず)等を介して接続されている。そして、負圧導入管8は、エンジンの作動時に吸気マニホールド内で発生した負圧を定圧室A1,B1内へと導くことにより、定圧室A1,B1内を大気圧よりも低い圧力に保持するものである。
取付部材9は、フロントシェル3からセンタシェル5を介してリヤシェル4に貫通して設けられている。この取付部材9は、気圧式倍力装置1を車体(車両)およびマスタシリンダに取付けるものである。そして、取付部材9は、例えばバルブボディ14の外周側で周方向に離間して2個(1個のみ図示)設けられている。
取付部材9の軸部9Aは、ハウジング2内の前室Aと後室Bとの間を軸方向に延びる中実な円柱体として形成されている。具体的には、軸部9Aは、フロントシェル3のフロント側挿通孔3Cからパワーピストン6、センタシェル5、パワーピストン7を貫通してリヤシェル4のリヤ側挿通孔4Dまで延びている。軸部9Aのうち前室A側に位置する部分には、パワーピストン6が摺動可能に取付けられている。また、軸部9Aの中央部は、後述の筒状部材13を介してセンタシェル5の筒状部材取付孔5B内に挿通されている。そして、軸部9Aのうち後室B側に位置する部分は、後述の筒状部材13の貫通孔13A内に挿通されている。
車体取付ボルト9Bは、軸部9Aの車体取付側の端部に接続され、リヤシェル4のリヤ側挿通孔4Dから車体取付側に向けて突出している。一方、マスタシリンダ取付ボルト9Cは、軸部9Aのマスタシリンダ側の端部に接続され、フロントシェル3のフロント側挿通孔3Cからマスタシリンダ側に向けて突出している。即ち、車体取付ボルト9Bとマスタシリンダ取付ボルト9Cとは、軸部9Aを介して一体に形成されている。
なお、後述するバルブボディ14の小径筒部16の外周側には、車体取付ボルト9Bとは別に他の車体取付ボルト10(1個のみ図示)が設けられている。そして、気圧式倍力装置1は、車体取付ボルト9B,10(各1個のみ図示)により、図示しない車体に取付けられ、マスタシリンダ取付ボルト9C(1個のみ図示)により、図示しないマスタシリンダに取付けられる構成となっている。
支持プレート11は、取付部材9の軸部9Aに挿通された状態で前室A内に設けられている。支持プレート11は、円板状の板材からなり、中央部に軸部9Aが挿通している。支持プレート11とフロントシェル3との間には、シール部材12が密着して設けられている。これにより、フロントシェル3と取付部材9の軸部9Aとの間が密閉されて、定圧室A1内の気密を確保している。
筒状部材13は、取付部材9の軸部9Aに挿通された状態で、後室B内に配設されている。この筒状部材13は、一端側(マスタシリンダ側)がセンタシェル5に保持され、他端側(車体側)がパワーピストン7に保持されている。また、筒状部材13には、取付部材9の軸部9Aが挿通される貫通孔13Aが軸方向に貫通して設けられている。貫通孔13Aは、一端側が変圧室A2に開口し、他端側が変圧室B2に開口している。また、貫通孔13Aの孔径寸法は、取付部材9の軸部9Aの外径寸法よりも大きく形成されている。これにより、貫通孔13Aは、変圧室A2と変圧室B2との間を常時連通している。
次に、本実施の形態によるバルブボディ14について説明する。
バルブボディ14は、リヤシェル4の後方筒部4B内に挿通されたものである。バルブボディ14は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂によって形成され、ハウジング2内で軸方向(図1の左,右方向)に変位可能に設けられている。そして、バルブボディ14は、外周筒部15、小径筒部16、推力伝達部17、接続壁18により構成されている。
外周筒部15は、バルブボディ14の外殻を構成するもので、マスタシリンダ側に位置してパワーピストン6,7の内周側に固定されている。具体的には、外周筒部15の前端側には、パワーピストン6が固定される前側係合段部15Aが形成されている。一方、外周筒部15の後端側には、パワーピストン7が固定される後側係合段部15Bが形成されている。また、外周筒部15は、前側係合段部15Aと後側係合段部15Bとの間でセンタシェル5のバルブボディ挿通孔5Aにシール部材を介して摺動可能に挿嵌されている。即ち、バルブボディ14は、パワーピストン6,7の変位に連動してハウジング2内を軸方向に変位する。
小径筒部16は、外周筒部15の外径寸法よりも小さい寸法に形成され、外周筒部15の後端側から車体取付側(図1の右側)に向けて延びている。小径筒部16は、外周筒部15と共にバルブボディ14の外殻を構成している。また、小径筒部16の後端側は、リヤシェル4の後方筒部4Bからハウジング2の外部に向けて延出している。
推力伝達部17は、外周筒部15の内周側に位置するものである。推力伝達部17は、筒状に形成され、後述の出力ロッド33側(前側)へと軸方向に突出している。推力伝達部17の前端側は、後述のリアクション部材36が当接するリアクション部材当接部17Aとなっている。即ち、推力伝達部17は、パワーピストン6,7からの推力を後述のリアクション部材36に伝達する。
接続壁18は、外周筒部15と推力伝達部17とを接続するものである。図3、図4に示すように、接続壁18は、放射状に延びる平板状の補強リブとして形成され、外周筒部15と推力伝達部17との間で周方向に離間して複数個(例えば8個)設けられている。各接続壁18は、外周筒部15が径方向に変形するのを抑え、耐変形能を高めるものである。
接続壁18には、軸方向端部(前端部)における外周筒部15との接続部18Aに、軸方向に凹湾曲状に凹んで形成される切欠部としての外側切欠部18A1が設けられている。また、接続壁18には、軸方向端部(前端部)における推力伝達部17との接続部18Bに、軸方向に凹湾曲状に凹んで形成される切欠部としての内側切欠部18B1が設けられている。また、外側切欠部18A1と内側切欠部18B1との間は、後述のばね受34が当接可能な平坦部18Cとなっている。
接続壁18に形成された外側切欠部18A1と内側切欠部18B1とは、バルブボディ14の接続壁18に発生する応力集中を緩和するものである。具体的には、パワーピストン6,7が受ける差圧力により、外周筒部15の前側係合段部15Aや後側係合段部15Bには、前方に向けて強い力が発生する。また、後述のリアクション部材36からの反力により、推力伝達部17のリアクション部材当接部17Aには、後方に向けて強い力が発生する。その結果、接続壁18は、外径側で前方に向けて力が加えられ、内径側で後方に向けて力が加えられることになる。即ち、接続壁18には、前,後方向にせん断力が発生するので、接続壁18の一部に応力が集中することになる。
そこで、本実施の形態では、接続壁18と外周筒部15との接続部18Aに外側切欠部18A1を形成し、接続壁18と推力伝達部17との接続部18Bに内側切欠部18B1を形成している。これにより、バルブボディ14の外周筒部15を積極的に撓ませて、接続壁18の接続部18A,18Bへの応力集中を低減することができる。従って、タンデム型の気圧式倍力装置1において、バルブボディ14は、必要な強度、剛性を得ながら軽量化を図ることができる。
軸方向通路19は、定圧室A1と常時連通して外周筒部15から小径筒部16に向けて軸方向に延びている。図3、図4に示すように、8個の接続壁18によりそれぞれ画成された空間のうち4本が軸方向通路19となっている。なお、これらの空間は、4本の軸方向通路19以外の箇所で小径筒部16内に対して隔壁等により遮断されている。また、外周筒部15の後端側には、軸方向通路19と定圧室B1とを常時連通する径方向通路20が形成されている。即ち、前室Aの定圧室A1と後室Bの定圧室B1とは、バルブボディ14の軸方向通路19と径方向通路20とにより常時連通している。
また、バルブボディ14の小径筒部16には、軸方向通路19と径方向通路20とは異なる位置で、小径筒部16の径方向内側と外側とを連通させる他の径方向通路21が形成されている。この径方向通路21は、小径筒部16内の大気室側を変圧室A2と変圧室B2とに連通させるための通路である。そして、軸方向通路19、径方向通路20、および径方向通路21は、バルブボディ14の軸方向の変位に伴って、後述の弁座部23、ポペット弁体25、プランジャ30と共に定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とを連通,遮断する。
さらに、バルブボディ14には、リヤシェル4の段差部4Cに対応する位置にキー挿入孔22が形成されている。このキー挿入孔22には、後述のストップキー32が挿入されている。また、バルブボディ14には、軸方向通路19の車体取付側の開口端に環状の弁座部23が形成されている。該弁座部23には、後述のポペット弁体25が離着座する構成となっている。
入力ロッド24は、バルブボディ14内を軸方向に延びている。入力ロッド24は、車体取付側がリヤシェル4の後方筒部4Bから外部に突出し、マスタシリンダ側(図1の左側)がバルブボディ14の小径筒部16内に挿入されている。この入力ロッド24は、突出端側が車両のブレーキペダル(図示せず)に連結され、ブレーキ操作時には図1中の矢示C方向に押動される。また、入力ロッド24の先端側には、球形部24Aが一体形成され、この球形部24Aは、後述のプランジャ30にカシメ等の手段を用いて連結されている。
ポペット弁体25は、入力ロッド24の外周側に位置してバルブボディ14の小径筒部16内に設けられている。このポペット弁体25は、弾性材料によって略筒状に形成されている。ポペット弁体25の車体取付側は、後述の戻しばね27によりバルブボディ14の内周側に押付けられて固定されている。そして、ポペット弁体25のマスタシリンダ側は、弱ばね26によりバルブボディ14の弁座部23に向けて常時付勢されている。これにより、ポペット弁体25は、バルブボディ14の弁座部23と、後述するプランジャ30の当接部30Aとに離着座するものである。
戻しばね27は、バルブボディ14の小径筒部16と入力ロッド24との間に配設されている。戻しばね27は、バルブボディ14に対して入力ロッド24を車体取付側に向けて常時付勢している。これにより、入力ロッド24に対する押動操作(ブレーキ操作)の解除時には、バルブボディ14がハウジング2内を矢示D方向に移動し、図1に示す初期位置(後述のストップキー32により規制された位置)に戻るまで、入力ロッド24が戻しばね27により押圧される。
フィルタ28は、小径筒部16の車体取付側開口に装着されている。このフィルタ28は、ハウジング2の外部からバルブボディ14の小径筒部16内に導入される作動気体としての空気を清浄化し、ハウジング2内にダスト等が侵入するのを抑制するものである。また、バルブボディ14の小径筒部16の外周側に装着された保護ブーツ29は、弾性材料により蛇腹状の筒体として形成され、バルブボディ14の突出端側を外部のダスト等から保護するものである。
プランジャ30は、入力ロッド24の球形部24Aに固着されたものである。プランジャ30は、バルブボディ14の内周側で軸方向に変位可能に挿嵌されている。即ち、プランジャ30は、入力ロッド24と一体に軸方向に変位する構成となっている。プランジャ30の車体取付側は、バルブボディ14の弁座部23よりも小径に形成された当接部30Aとなっている。この当接部30Aは、ポペット弁体25と共に制御バルブを構成するもので、ポペット弁体25に離着座することによりフィルタ28を介してバルブボディ14の小径筒部16内に導入された空気(大気圧)を径方向通路21側に導入したり、大気導入を遮断したりするものである。
即ち、プランジャ30の当接部30Aは、ポペット弁体25に離着座することによりバルブボディ14の小径筒部16内の大気圧に対する変圧室A2,B2の連通,遮断を行う。また、ポペット弁体25がバルブボディ14の弁座部23に離着座することにより、定圧室A1,B1に対する変圧室A2,B2の連通,遮断を行うものである。また、プランジャ30の外周側には、バルブボディ14のキー挿入孔22と対応する位置に環状溝30Bが形成され、該環状溝30Bには、後述のストップキー32が係合状態で取付けられている。また、プランジャ30の一部を構成する移動体31は、バルブボディ14の推力伝達部17内で軸方向に移動(変位)する。移動体31の前端側(マスタシリンダ側)は、後述のリアクション部材36に当接する。
ストップキー32は、プランジャ30の戻り位置を規制するものである。このストップキー32は、略長方形の平板を用いて形成され、バルブボディ14のキー挿入孔22を介してプランジャ30の環状溝30Bに遊嵌されている。そして、ストップキー32の端部は、バルブボディ14から径方向に一定寸法だけ突出し、リヤシェル4の段差部4Cに当接可能となっている。即ち、入力ロッド24に対する押動操作の解除時に、ストップキー32は、リヤシェル4の段差部4Cに当接することにより、バルブボディ14とプランジャ30の戻り位置を図1に示すように規制するものである。
出力ロッド33は、入力ロッド24の押動操作力を倍力した状態でマスタシリンダに出力するものである。この出力ロッド33は、後端側(車体取付側)に大径のフランジ部33Aが設けられ、該フランジ部33Aは、後述のリアクション部材36を介してバルブボディ14の推力伝達部17を施蓋するように、推力伝達部17の外周側に嵌合されている。
そして、出力ロッド33は、入力ロッド24の押動操作時にバルブボディ14と一緒に図1中の矢示C方向(マスタシリンダ側)に大きな出力をもって押動される。即ち、出力ロッド33のマスタシリンダ側は、フロントシェル3の筒状凹部3Bに向けて軸方向に突出し、入力ロッド24の押動操作力を倍力した力(出力)で前記マスタシリンダのピストン(図示せず)を軸方向に押圧する構成となっている。
ばね受34は、バルブボディ14の外周筒部15の内周側に設けられたものである。このばね受34は、出力ロッド33のフランジ部33Aを介して推力伝達部17の外周側に取付けられ、後部側が接続壁18の平坦部18Cに当接している。これにより、ばね受34は、推力伝達部17に対するフランジ部33Aの抜止めを戻しばね35と共に行う構成となっている。ここで、戻しばね35は、ばね受34とフロントシェル3の筒状凹部3Bとの間に配設され、バルブボディ14を車体取付側に常時付勢するものである。
リアクション部材36は、バルブボディ14の推力伝達部17と出力ロッド33のフランジ部33Aとの間に配設されたものである。このリアクション部材36は、例えば弾性変形可能なゴム材料等を用いて円板状に形成され、推力伝達部17のリアクション部材当接部17Aと受圧部材37の前端側とに当接した状態で、出力ロッド33のフランジ部33A内に抜止め状態で配設されている。そして、リアクション部材36は、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2との間に発生した圧力差によりバルブボディ14に生じた推力を、出力ロッド33に伝達する。
このとき、リアクション部材36は、バルブボディ14からの推力に従って弾性変形し、その一部が移動体31(マスタシリンダ側の端面)に当接する位置まで後述の受圧部材37内に向けて隙間(図1参照)の寸法分だけ膨出する。この状態で、リアクション部材36は、出力ロッド33からの反力をフランジ部33Aを介して受承すると共に、反力の一部を移動体31(即ち、プランジャ30)を介して入力ロッド24側に伝達し、前記ブレーキペダル側の運転者に踏み応えを与えるものである。
受圧部材37は、推力伝達部17の前側開口に嵌合して設けられ、バルブボディ14の一部をなしている。この受圧部材37は、例えば剛体からなる環状部材として形成され、中央部には移動体31の前端側が挿通する貫通孔が設けられている。受圧部材37は、常にリアクション部材36に当接するように推力伝達部17内に配設され、リアクション部材36からの反力の一部を受圧している。
本実施の形態による気圧式倍力装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、気圧式倍力装置1は、ハウジング2内をセンタシェル5により前室Aと後室Bとに画成し、前室A内をパワーピストン6により定圧室A1と変圧室A2とに画成すると共に、後室B内をパワーピストン7により定圧室B1と変圧室B2とに画成した、所謂タンデム型の気圧式倍力装置となっている。
そして、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、これにより入力ロッド24が矢示C方向に押動され、プランジャ30が移動体31と一緒に軸方向に変位する。この場合、ポペット弁体25は、バルブボディ14の弁座部23により移動が規制されているので、プランジャ30の当接部30Aは、ポペット弁体25から離座する。これにより、バルブボディ14の小径筒部16内から大気圧が径方向通路21を介して変圧室B2内に導入されると共に、変圧室B2内に導入された大気圧が筒状部材13の貫通孔13Aを介して変圧室A2に導入される。その結果、定圧室A1と変圧室A2との間、および定圧室B1と変圧室B2との間に圧力差が発生する。
このため、バルブボディ14は、定圧室A1と変圧室A2との間の圧力差によってパワーピストン6に生じた推力と、定圧室B1と変圧室B2との間の圧力差によってパワーピストン7に生じた推力とでマスタシリンダ側(図1中の左側)に前進する。このときの推力は、バルブボディ14からリアクション部材36を介して出力ロッド33に伝達され、出力ロッド33に接続されたマスタシリンダのピストンがシリンダ本体内で気圧式倍力装置1の出力ロッド33によって軸方向に押動される。
これにより、マスタシリンダのシリンダ本体内には、出力ロッド33のストロークに対応したブレーキ液圧が発生し、このブレーキ液圧が車両のブレーキ配管等を介して各車輪側のホイールシリンダ(いすれも図示せず)に分配、供給される。これにより、車両の車輪毎に互いに独立した制動力が付与される。
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力ロッド24が戻しばね35により矢示D方向に押戻され、これに伴ってプランジャ30が移動体31と一緒に同方向に引っ張られる。このとき、プランジャ30の当接部30Aは、ポペット弁体25に着座し、変圧室A2,B2を外部の大気に対して遮断している。しかし、プランジャ30は、当接部30Aを介してポペット弁体25を弱ばね26に抗して矢示D方向に押圧しているため、バルブボディ14の弁座部23からポペット弁体25を離座させる。
その結果、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とが軸方向通路19、径方向通路20,21等を介して互いに連通することになり、定圧室A1,B1内の負圧が変圧室A2,B2側に導入される。これにより、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。従って、出力ロッド33は、バルブボディ14と共に戻しばね35により矢示D方向に押戻され、最終的には図1に示す如く、ストップキー32の突出端側がリヤシェル4の段差部4Cに当接する。
そして、ストップキー32が段差部4Cに当接した状態で、プランジャ30の最終戻り位置が規制され、パワーピストン6,7、バルブボディ14、入力ロッド24、および出力ロッド33等が図1に示す初期位置に復帰する。また、ポペット弁体25は、バルブボディ14の弁座部23とプランジャ30の当接部30Aとに着座し、変圧室A2,B2を定圧室A1,B1と同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
ところで、従来技術によるシングル型の気圧式倍力装置では、バルブボディを熱可塑性樹脂で形成することにより、軽量化を図っている。そこで、タンデム型の気圧式倍力装置でも軽量化を図るために、バルブボディを熱可塑性樹脂で形成することが考えられる。しかし、タンデム型の気圧式倍力装置のバルブボディは、出力ロッド側の長さ寸法が長くなるので、当該バルブボディの強度が不足する可能性がある。
具体的には、パワーピストン6,7が受ける差圧力により、バルブボディ14の外周筒部15の前側係合段部15Aや後側係合段部15Bには、前方に向けて強い力が発生する。また、リアクション部材36からの反力により、推力伝達部17のリアクション部材当接部17Aには、後方に向けて強い力が発生する。その結果、接続壁18は、外径側で前方に向けて力が加えられ、内径側で後方に向けて力が加えられることになる。即ち、接続壁18には、前,後方向にせん断力が発生するので、接続壁18の一部に応力が集中する。
特に、接続壁18と外周筒部15とが接続される接続部18Aと、接続壁18と推力伝達部17とが接続される接続部18Bとには、応力が集中することになり、接続部18A,18Bの強度が不足する虞がある。そこで、バルブボディの各部を肉厚に形成することにより、強度不足を解消することが考えられる。しかし、この場合には、バルブボディの重量が増加してしまい、ひいては気圧式倍力装置の重量が増加するという問題がある。
そこで、本実施の形態による気圧式倍力装置1は、接続壁18の接続部18A,18Bに軸方向に凹む切欠部(外側切欠部18A1,内側切欠部18B1)を形成している。これにより、バルブボディ14の外周筒部15を弾性的に撓ませることができるので、バルブボディ14の接続部18A,18Bに作用する応力集中を緩和することができる。
また、外側切欠部18A1と内側切欠部18B1とは、底部が円弧状に湾曲した凹湾曲状に形成されている。これにより、接続部18A,18Bに作用する応力を逃し易くすることができるので、接続部18A,18Bへの応力集中を緩和させることができる。
かくして、本実施の形態によれば、バルブボディ14を構成する接続壁18の接続部18Aに外側切欠部18A1を形成し、接続部18Bに内側切欠部18B1を形成したことにより、バルブボディ14の外周筒部15が弾性的に撓み変形するようにしている。これにより、接続壁18の接続部18A,18Bに作用する応力集中を緩和することができる。従って、バルブボディ14は、十分な強度、剛性を得ながら軽量化を図ることができ、ひいては気圧式倍力装置1の軽量化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態では、接続壁18を外周筒部15と推力伝達部17との間で、周方向に離間して8個設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば接続壁を周方向に離間して3〜7個設けてもよいし、9個以上設けてもよい。
また、上述した実施の形態では、軸方向通路19をバルブボディ14の周方向に4本設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば軸方向通路を1〜3本設けてもよいし、5本以上設けてもよい。
1 気圧式倍力装置
2 ハウジング
5 センタシェル
6,7 パワーピストン
14 バルブボディ
15 外周筒部
17 推力伝達部
18 接続壁
18A,18B 接続部
18A1 外側切欠部(切欠部)
18B1 内側切欠部(切欠部)
24 入力ロッド
30 プランジャ
33 出力ロッド
36 リアクション部材
A 前室
B 後室
A1,B1 定圧室
A2,B2 変圧室

Claims (1)

  1. ハウジング内をセンタシェルによって2室に区画すると共に、該2室をそれぞれパワーピストンによって定圧室と変圧室とに区画し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドにより移動させて制御バルブによって変圧室に作動気体を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間の差圧によって生じる前記パワーピストンの推力を前記バルブボディからリアクション部材を介して出力ロッドに作用させると共に、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
    前記バルブボディは、熱可塑性樹脂によって形成され、
    前記リアクション部材に推力を伝達する筒状の推力伝達部と、
    前記パワーピストンが固定される外周筒部と、
    該外周筒部と前記推力伝達部とを接続する複数の接続壁と、を有し、
    該接続壁の軸方向端部における前記外周筒部と前記推力伝達部との接続部には、軸方向に凹んで形成される切欠部が設けられていることを特徴とする気圧式倍力装置。
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