JP6387505B1 - 割岩工具および当該工具を用いた破砕方法 - Google Patents

割岩工具および当該工具を用いた破砕方法 Download PDF

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Abstract

【課題】岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物の割岩効率を確実に向上させることができる割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を破砕する効率を確実に向上させる。
【解決手段】第1羽根部材および第2羽根部材を連結する連結機構は、第1羽根部材および第2羽根部材を径方向において相互に離間させるように第1付勢力で付勢しながら径方向における第1羽根部材および第2羽根部材の位置を調整する第1位置調整部と、第1位置調整部に対する第1羽根部材および第2羽根部材の先端側で、第1羽根部材および第2羽根部材を径方向において相互に離間させるように第1付勢力よりも小さな第2付勢力で付勢しながら径方向における第1羽根部材および第2羽根部材の位置を調整する第2位置調整部とを有している。
【選択図】図3

Description

この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの処理対象物を割岩する割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を破砕する破砕技術に関するものである。
岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を割岩するための割岩工具として、削孔内に挿入された2つの羽根部材の間に楔部材の先端部を挿入することで羽根部材を削孔の径方向に移動させて処理対象物を割岩するものが数多く提案されている。そのうちの一つして、本願出願人は、2つの羽根部材を連結機構によって相互に連結することで割岩処理前に2つの羽根部材を一括して削孔に挿入することができ、また割岩処理後においても2つの羽根部材を一括して回収することができる割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を破砕する破砕技術を提案している(特許文献1参照)。
特許第5838435号
上記割岩工具を用いて破砕処理を実行する際に、確かに2つの羽根部材を一括して削孔に挿入して割岩し、また割岩処理後においても2つの羽根部材を一括して回収することが可能となっている。しかしながら、2つの羽根部材を一括して削孔から引き抜くと、例えば図4に示すように2つの羽根部材の先端部が大きく広がってしまうことが多くあった。そこで、現場では次の割岩処理を行うために、オペレータがこれらの羽根部材の先端部をロープで縛って削孔に挿入可能な状態、つまり2つの羽根部材の先端部同士を近接または接触させた状態に整え、その上で次の削孔にセットした後でロープを解除している。このように2つの羽根部材を連結機構によって相互に連結することで人手作業の削減を図ったものの、依然として人手作業を割岩毎に行う必要があり、これが割岩工具を用いた破砕処理の効率を低位に留めている主要因の一つとなっていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物の割岩効率を確実に向上させることができる割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を破砕する効率を確実に向上させることができる破砕方法を提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、割岩工具であって、先細り形状を有し、処理対象物に形成された削孔に対して先端部を挿脱可能な楔部材と、楔部材を挟んで互いに対向配置された状態で削孔への楔部材の挿入に伴い楔部材の先端部に形成される傾斜面上を相対的に摺動しながら削孔の径方向外側に移動して削孔の内壁を押圧する、第1羽根部材および第2羽根部材と、第1羽根部材および第2羽根部材を互いに対向させながら削孔の径方向に移動可能に相互に連結した状態で楔部材から独立して削孔に一括して挿入するとともに削孔から一括して抜脱することを可能とする連結機構とを備え、連結機構は、第1羽根部材および第2羽根部材を径方向において相互に離間させるように第1付勢力で付勢しながら径方向における第1羽根部材および第2羽根部材の位置を調整する第1位置調整部と、第1位置調整部に対する第1羽根部材および第2羽根部材の先端側で、第1羽根部材および第2羽根部材を径方向において相互に離間させるように第1付勢力よりも小さな第2付勢力で付勢しながら径方向における第1羽根部材および第2羽根部材の位置を調整する第2位置調整部とを有することを特徴としている。
また、この発明の他の態様は、破砕方法であって、上記割岩工具を準備する工程と、連結機構により互いに連結された第1羽根部材および第2羽根部材を削孔に挿入する工程と、削孔に挿入された第1羽根部材および第2羽根部材の間に楔部材の先端部を挿入して楔部材の傾斜面を第1羽根部材および第2羽根部材に摺接させながら楔部材を削孔に圧入して削孔の周囲を破砕する工程と、削孔の周囲を破砕した後で、連結機構により互いに連結された第1羽根部材および第2羽根部材の間から楔部材を引き抜くとともに、第1羽根部材および第2羽根部材を削孔から回収する工程とを備えることを特徴している。
以上のように、本発明によれば、第1羽根部材および第2羽根部材が、第1位置調整部および第2位置調整部を有する連結機構によって相互に連結されている。この連結機構では、第2位置調整部が第1位置調整部よりも第1羽根部材および第2羽根部材の先端側、つまり削孔に挿入される先端部に近い位置に設けられる。しかも、第1羽根部材および第2羽根部材を径方向において相互に離間させるように付勢する付勢力を第1位置調整部と第2位置調整部とで比較すると、第1位置調整部による第1付勢力よりも第2位置調整部による第2付勢力が小さくなっている。このため、第1羽根部材および第2羽根部材の間から楔部材を引き抜かれると、第1付勢力と第2付勢力との大小関係から第1羽根部材および第2羽根部材の先端部は強制的に閉じられた状態となっており、そのまま次の削孔に挿入可能となっている。したがって、羽根部材の先端部をロープで縛るなどの作業が不要となり、処理対象物の割岩効率および破砕効率を確実に向上させることができる。
本発明にかかる破砕方法の一実施形態を実行する際に用いられる割岩工具およびブレーカを示す図である。 本発明にかかる破砕方法の一実施形態を実行する際に用いられる割岩工具の構成を示す図である。 図1に示す割岩装置を用いた処理対象物の破砕処理後に割岩装置を削孔から回収した際の第1羽根部材および第2羽根部材の状態を示す図である。 従来の割岩装置を用いた処理対象物の破砕処理後に割岩装置を削孔から回収した際の第1羽根部材および第2羽根部材の状態を示す写真である。
本発明にかかる割岩工具が特許文献1に記載の割岩装置と大きく相違する点は、第1羽根部材および第2羽根部材を互いに対向させながら削孔の径方向に移動可能に相互に連結した状態で楔部材から独立して削孔に一括して挿入するとともに削孔から一括して抜脱することを可能とする連結機構の具体的構成であり、以下、図1ないし図3を参照しつつ本発明にかかる割岩工具の構成について詳述する。一方、割岩工具を用いた処理対象物(岩盤、岩石、コンクリート構造物など)の破砕方法については基本的に同じであるため、破砕方法については簡単に説明する。
本発明にかかる破砕方法は、以下の工程(1)〜(6)、
工程(1):岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物に削孔を形成する、
工程(2):楔部材と、2枚の羽根部材と、2枚の羽根部材を相互に連結する連結機構とで構成される割岩工具を準備する、
工程(3):上記削孔に2枚の羽根部材を挿入する、
工程(4):上記2枚の羽根部材の間に楔部材の先端部を挿入する、
工程(5):上記楔部材の後端部を複数の把持部材により把持し、把持状態を維持したままブレーカのピストンで打撃して楔部材の先端部を圧入する、
工程(6):ブレーカを取り外した後で上記楔部材の後端部に引抜工具をセットし、引抜工具を用いて楔部材を引き抜いた後で連結機構により相互に連結された2枚の羽根部材を回収する、
を実行することで処理対象物を割岩し、削孔の周囲を破砕するものであり、特に破砕効率を高めるために、次の説明する割岩工具、ブレーカおよび特許文献1に記載の引抜工具を用いている。
図1は本発明にかかる破砕方法の一実施形態を実行する際に用いられる割岩工具およびブレーカを示す図である。割岩工具1は、2枚の羽根部材11、12と、羽根部材11、12の後端部を相互に連結する連結機構13と、羽根部材11、12の間に対して先端部を挿脱可能に形成された楔部材14と有している。そして、2枚の羽根部材11、12は連結機構13により相互に連結される。この明細書では、処理対象物2に対して削孔21が形成される方向Xを「削孔形成方向」と称し、X方向に進む側を「先端側」と称するとともに反対側を「後端側」と称する。また、削孔形成方向Xに直交する方向のうち羽根部材11、12が配列される方向Yを「配列方向」と称する。
図2は本発明にかかる破砕方法の一実施形態を実行する際に用いられる割岩工具の構成を示す図である。同図において(c)は割岩工具1の側面図であり、(d)は割岩工具1の断面図である。また、(a)は図2(c)のA−A線矢視図であり、(b)は図2(d)のB−B線断面図である。この割岩工具1では、羽根部材11、12は同形状及び同寸法である。そこで、羽根部材11の構成を以下に説明する一方で、羽根部材12の各部については相当符号を付して説明を省略する。
羽根部材11は、フランジ部11aと、フランジ部11aの下面から削孔形成方向Xと平行な方向に延びる押圧部11bとを有している。図2(a)の平面図に示すように、フランジ部11aは押圧部11bよりも十分に大きな平面サイズを有している。より具体的には、フランジ部11aは削孔21よりも大きな平面サイズを有するのに対し、押圧部11bは削孔21よりも小さな平面サイズを有している。
フランジ部11aには、第1位置調整用として2本の貫通孔11c、11cが互いに一定距離だけXY平面と直交する方向に離間してY方向に穿設されるとともに貫通孔11c、11cに対して先端側に第2位置調整用として2本の貫通孔11d、11dが互いに一定距離だけXY平面と直交する方向に離間してY方向に穿設されている。また、もう一方のフランジ部12aにも、フランジ部11a採同様に、第1位置調整用として2本の貫通孔12c、12cが互いに一定距離だけXY平面と直交する方向に離間してY方向に穿設されるとともに貫通孔12c、12cに対して先端側に第2位置調整用として2本の貫通孔12d、12dが互いに一定距離だけXY平面と直交する方向に離間してY方向に穿設されている。そして、上記のように傾斜面同士を対向させて配置することで、貫通孔11c、12cがY方向に一直線上に並ぶとともに貫通孔11d、12dがY方向に一直線上に並ぶ。
押圧部11bのうち削孔21の内壁と対向する面は、削孔形成方向Xに沿った円弧面を基本形状として構成されており、後述するように削孔21の内壁を押圧する押圧面として機能する。なお、ここでの円弧面とはその断面が厳密に円の一部である必要はなく、断面が楕円の一部であるような場合も含むものとする。また、押圧部11bでは円弧面(押圧面)と反対側に傾斜面が形成されている。そして、2つの羽根部材11、12は、傾斜面同士が向かい合うように配置された状態で、次に詳述する連結機構13によりフランジ部11a、12aを相互に連結することで一体化される。
連結機構13は、フランジ部11a、12aを付勢しながら羽根部材11、12の位置を調整する位置調整部13a、13bを有している。位置調整部13a、13bはX方向に隣接して設けられており、位置調整部13bは位置調整部13aに対して(+X)方向側、つまり先端側に設けられている。
位置調整部13aは、コイルばね131a〜133a、ボルト134aおよびナット135aにより形成されている。フランジ部11a、12aにそれぞれ形成される貫通孔11c、12cに挟まれるようにコイルばね132aが配置されている。また、貫通孔11cの(−Y)方向側にコイルばね131aが配置されるとともに、貫通孔12cの(+Y)方向側にコイルばね133aが配置されている。そして、コイルばね131a、貫通孔11c、コイルばね132a、貫通孔12cおよびコイルばね133aを貫通してボルト134aが挿通され、ボルト134aの先端の雄ネジ部にナット135aが螺合されている。なお、貫通孔11d、12d側についても、上記と同様に、コイルばね131a〜133a、ボルト134aおよびナット135aが設けられている。
コイルばね132aは羽根部材11、12をY方向において相互に離間させるように付勢しており、本発明の「第1付勢部材」として機能している。また、ボルト134aの頭部が羽根部材11の(−Y)方向の移動を規制し、ナット135aが羽根部材112の(+Y)方向の移動を規制する。このように、本実施形態では、Y方向が本発明の「径方向」の一例に相当している。また、コイルばね131aは羽根部材11とボルト134aの頭部(第1規制部材)との間に配置されて羽根部材11をボルト134aの頭部に対して(+Y)方向に付勢するとともに、コイルばね133aは羽根部材13とナット135aとの間に配置されて羽根部材12をナット135aに対して(−Y)方向に付勢している。
また、位置調整部13bも基本的に位置調整部13aと同様に構成されている。つまり、位置調整部13bは、コイルばね131b〜133b、ボルト134bおよびナット135bにより形成されている。フランジ部11a、12aにそれぞれ形成される貫通孔11d、12dに挟まれるようにコイルばね132bが配置されている。また、貫通孔11dの(−Y)方向側にコイルばね131bが配置されるとともに、貫通孔12dの(+Y)方向側にコイルばね133bが配置されている。そして、コイルばね131b、貫通孔11d、コイルばね132b、貫通孔12dおよびコイルばね133bを貫通してボルト134bが挿通され、ボルト134bの先端の雄ネジ部にナット135bが螺合されている。なお、貫通孔11d、12d側についても、上記と同様に、コイルばね131b〜133b、ボルト134bおよびナット135bが設けられている。
コイルばね132bは羽根部材11、12をY方向において相互に離間させるように付勢しており、図3に示すように、コイルばね132bの付勢力はコイルばね(第1付勢部材)132aの付勢力よりも小さく設定されており、本発明の「第2付勢部材」として機能している。また、ボルト134bの頭部が羽根部材11の(−Y)方向の移動を規制し、ナット135bが羽根部材112の(+Y)方向の移動を規制する。このように、本実施形態では、Y方向が本発明の「径方向」の一例に相当している。また、コイルばね131bは羽根部材11とボルト134bの頭部(第1規制部材)との間に配置されて羽根部材11をボルト134bの頭部に対して(+Y)方向に付勢するとともに、コイルばね133bは羽根部材13とナット135bとの間に配置されて羽根部材12をナット135bに対して(−Y)方向に付勢している。
このように2つの位置調整部13a、13bを有する連結部13を設けたことによって、羽根部材11、12はボルト134bの円筒部にガイドされながらY方向に移動可能な状態で相互に連結されており、羽根部材11、12の位置関係をナット135bによって調整可能となっている。また、羽根部材11、12の先端部、つまり押圧部11b、12bを削孔21に挿入していくと、フランジ部11a、12aが削孔21の周辺表面に係止され、それ以上の挿入が規制されて割岩工具1が削孔21に対してセット可能となっている。さらに、羽根部材11、12の一体化によって両傾斜面によって挟まれる空間SP1は羽根部材11、12の先端側ほど細くなる先細り形状となる。この先細り形状の空間SP1に、この空間SP1と同様に先細り形状に構成された楔部材14が挿入される。
この楔部材14の先端部は、X方向に直交する断面において矩形形状を有し、先端に向かうにしたがってY方向の厚みが減少する先細り形状を有しており、(−Y)側面および(+Y)側面は傾斜面となっている。また、楔部材14の後端部には、特許文献1に記載の割岩工具と同様に、第1被把持部14bおよび第2被把持部14cとが設けられている。また、楔部材14の各傾斜面には、先端側に向けて2本の溝部(図示省略)が形成されている。各溝部はフランジ部11a、12aの上面に形成されるオイル溜り部11e、12eと連通するように設けられている。このため、オイル溜り部11e、12eに潤滑オイルを割岩処理前に貯留しておくことで当該潤滑オイルは溝部14eを経由して楔部材14と羽根部材11、12との摺動面に供給される。また、本実施形態では、上記オイル供給をさらに円滑なものとするために、図2(b)に示すように、羽根部材11、12の傾斜面にも溝部14eに対向するようにオイル供給用の溝部11f、12fをそれぞれ設けている。なお、本実施形態では、各傾斜面に2本のオイル供給用の溝部を設けているが、溝部の本数はこれに限定されるものではなく、任意である。また、図2中の符号136、137は連結機構13により羽根部材11、12を連結してなる連結体を吊持するためのフックであり、フック136、137はそれぞれフランジ部11a、12aの上面から立設され、ワイヤー138を装着可能となっている。
上記楔部材14の圧入を行うためのブレーカ3は、図1に示すように油圧パワーショベル等の建設車両5のアーム51にブラケット52を介して取り付けられている。このため、オペレータが建設車両5の操作レバーなどを操作してアーム51の位置や角度などを制御することでブレーカ3の位置および姿勢に制御可能となっている。
次に、上記のように構成された割岩工具1を用いて処理対象物2を破砕する方法について説明する。この実施形態では、処理対象物2に内径d(図1)の削孔21を(+X)方向に形成する(削孔形成工程)。これに並行して、上記削孔21に挿入すべき連結体(=羽根部材11、12+連結機構13)を準備しておく(準備工程)。この準備工程では、羽根部材11、12は、傾斜面同士が向かい合うように羽根部材11、12を対向配置するとともに、位置調整部13a、13bによって押圧部11b、12bの幅が削孔21の内径dよりも狭くなるように調整する。
このように押圧部11b、12bの幅が内径未満に調整された連結体をクレーン車などによって吊り下げ、押圧部11b、12bを削孔21内に挿入する。そして、フランジ部11a、12aおよび連結機構13が処理対象物2の表面に到達すると、クレーン車による連結体の吊り下げを解除した後、ナット135a、135bを緩めてボルト134a、134bとナット135a、135bの離間距離を調整する。この調整中に、コイルばね132a、132bの付勢力によって押圧部11b、12bがそれぞれ(−Y)方向および(+Y)方向に移動して押圧部11b、12bの円弧面(押圧面)を削孔21の内壁に当接させる。このため、押圧部11b、12bの円弧面がぴったりと削孔21の内壁に当接させることができる。
こうして羽根部材11、12の削孔21への挿入が完了すると、押圧部11b、12bの間に形成される略逆三角柱形状(楔形状)の空間SP1(図3)に楔部材14の先端部を挿入する。これによって、押圧部11b、12bの傾斜面が楔部材14の傾斜面上に位置し、押圧部11b、12bは楔部材14に対して相対的に摺動可能となっている。ここで、傾斜面14a上での押圧部11b、12bの摺動を円滑なものとするために、空間への楔部材14の挿入後あるいは挿入中にオイル溜り部11e、12eに潤滑オイルを注入して貯留させておくのが望ましい。つまり、オイル溜り部11e、12eに貯留している潤滑オイルが溝部11f、12f、14eを介して先端側に供給されて摺動面全体に潤滑オイルが行き渡り、次の楔部材14の圧入を円滑に行うことができ、また後で説明するように、押圧部11b、12bの間、つまり空間からの抜き取りも容易となる。
現在割岩対象となっている削孔21への連結体(=羽根部材11、12+連結機構13)の挿入および押圧部11b、12bの間への楔部材14の先端部の挿入が完了すると、オペレータは、ブレーカ3のピストンが上記楔部材14の後端部の直上位置に位置するようにブレーカ3を位置決めした後で、ブレーカ3を作動させる。これにより、ピストンによる打撃を受けた楔部材14が削孔形成方向Xに圧入される。一方、羽根部材11、12は楔部材14の傾斜面に対して相対的に摺動しながらそれぞれ(−Y)方向および(+Y)方向に移動して削孔21の内壁を押圧する。これによって、処理対象物2が割岩されて削孔21の周囲が破砕される。その後で、ピストンの前後移動を停止させるとともにブレーカ3を楔部材14から離す。
次に、クレーン車(図示省略)により楔部材14をその先端を割岩時の楔先端位置から羽根部材11、12の先端と同じ位置(引抜・回収時の楔先端位置)まで引き抜く。これによって、羽根部材11、12が削孔21の内壁に与える押圧力がなくなる。一方、連結機構13では、図3に示すように、位置調整部13a、13bの付勢力F1、F2が次に関係式
(位置調整部13aの付勢力F1)>(位置調整部13bの付勢力F2)
となっていることから、羽根部材11、12の先端部は強制的に閉じられた状態となる。
このように閉じた状態のまま連結体(=羽根部材11、12+連結機構13)はクレーン車により楔部材14とともに引き上げられて一体的に処理対象物2から回収される。したがって、次の削孔21の周囲を破砕する際には、割岩工具1をそのまま削孔21に挿入可能となっている。よって、本実施形態では、次の破砕処理に際して、羽根部材11、12の先端部をロープで縛るなどの作業が不要となり、処理対象物2の割岩効率および破砕効率を確実に向上させることができる。
このように本実施形態では、羽根部材11、12がそれぞれ本発明の「第1羽根部材」および「第2羽根部材」の一例に相当している。また、位置調整部13aの付勢力F1および位置調整部13bの付勢力F2がそれぞれ本発明の「第1付勢力」および「第2付勢力」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、1つの削孔21に対して上記工程(2)〜(6)を連続的に実行しているが、それらの工程の全部あるいは一部を並行して行ってもよい。
また、列状に設けられた複数の削孔21の各々に羽根部材11、12を挿入するとともに羽根部材11、12の間に楔部材14の先端部を挿入した後で、列状に並ぶ楔部材14のうち一方端の楔部材14から順番に他方端側に向けてブレーカ3を移動させながら当該移動毎に楔部材14の打撃を行って広範囲にわたる破砕作業を行ってもよい。
また、上記実施形態では、2枚の羽根部材11、12を含む割岩工具1を用いて岩盤、岩石、コンクリート構造物などの処理対象物2を割岩して破砕する技術に本発明を適用しているが、羽根部材の枚数は「2」に限定されるものではなく、3以上の場合も同様である。また、羽根部材の構成についても任意であり、複数の羽根部材の間に楔部材の先端部を圧入することにより各羽根部材を削孔の内壁に押し付けて割岩する技術、例えば特許文献1に記載の発明、特許第4961574号、特許第5034001号などにも適用することができる。また、上記実施形態では、位置調整部13a、13bをX方向に2個設けているが、3個以上の位置調整部をX方向に設けてもよい。
また、上記実施形態では、付勢部材としてコイルばねを用いているが、その他の付勢手段、例えば弾性ゴムを用いてもよい。
この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの処理対象物に形成される削孔に対して複数の羽根部材を挿入するとともにそれらの羽根部材の間に先細り形状を有する楔部材の先端部を圧入することで羽根部材を削孔の内壁に押圧させて割岩する技術全般に適用することができる。
1…割岩工具
2…処理対象物
11…(第1)羽根部材
12…(第2)羽根部材
13…連結機構
13a…第1位置調整部
13b…第2位置調整部
14…楔部材
21…削孔

Claims (2)

  1. 先細り形状を有し、処理対象物に形成された削孔に対して先端部を挿脱可能な楔部材と、
    前記楔部材を挟んで互いに対向配置された状態で前記削孔への前記楔部材の挿入に伴い前記楔部材の先端部に形成される傾斜面上を相対的に摺動しながら前記削孔の径方向外側に移動して前記削孔の内壁を押圧する、第1羽根部材および第2羽根部材と、
    前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を互いに対向させながら前記削孔の径方向に移動可能に相互に連結した状態で前記楔部材から独立して前記削孔に一括して挿入するとともに前記削孔から一括して抜脱することを可能とする連結機構とを備え、
    前記連結機構は、
    前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記径方向において相互に離間させるように第1付勢力で付勢しながら前記径方向における前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の位置を調整する第1位置調整部と、
    前記第1位置調整部に対する前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の先端側で、前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記径方向において相互に離間させるように前記第1付勢力よりも小さな第2付勢力で付勢しながら前記径方向における前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の位置を調整する第2位置調整部と
    を有することを特徴とする割岩工具。
  2. 請求項1に記載の割岩工具を準備する工程と、
    前記連結機構により互いに連結された前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔に挿入する工程と、
    前記削孔に挿入された前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の間に前記楔部材の先端部を挿入して前記楔部材の傾斜面を前記第1羽根部材および前記第2羽根部材に摺接させながら前記楔部材を前記削孔に圧入して前記削孔の周囲を破砕する工程と、
    前記削孔の周囲を破砕した後で、前記連結機構により互いに連結された前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の間から前記楔部材を引き抜くとともに、前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔から回収する工程と
    を備えることを特徴とする破砕方法。
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