JP6387286B2 - 歯磨剤用顆粒の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、平均粒径が150〜800μmで平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトと、改質ミント油等とを含有する歯磨組成物が開示されており、顆粒ゼオライトとして、無水ケイ酸、酸化チタンを含有し、焼結により顆粒状に調製されたものが開示されている。
特許文献3には、有機及び/又は無機の結合剤を実質的に含まず、互いに化学的及び/又は物理的に異なる2種類の水不溶性微粒子材料の凝集体を乾燥した顆粒からなる練歯磨等の経口組成物が開示されている。
一方、特許文献1のように、水不溶性無機結合剤を用いて調製された顆粒は、比較的容易に粒子強度を高めることができるが、水不溶性無機結合剤は高価である。
特許文献2のように、焼結法により顆粒ゼオライトを製造する場合は、顆粒の崩壊強度の調整が困難である。
特許文献3には、結合剤を実質的に含まず、水で凝集した凝集物をオーブン又はロータリーキルンで乾燥することによる顆粒の製造例が記載されているが、顆粒の崩壊強度の調整が困難であると共に、好適な崩壊強度を発現させるための乾燥操作(処理温度及び/又は処理時間)の負荷が大きく、処方の自由度や、コスト、及び生産性の点で改善が求められていた。
本発明は、優れた湿式崩壊強度を有する歯磨剤用顆粒の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、
水不溶性粉末材料と珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを容器回転型造粒機又は撹拌転動造粒機を用いて混合し、造粒する歯磨剤用顆粒の製造方法であって、前記水不溶性粉末材料に対して前記珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを含む混合液を供給し、造粒することにより顆粒を得る工程を含む歯磨剤用顆粒の製造方法、
に関する。
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法は、水不溶性粉末材料と珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを容器回転型造粒機又は撹拌転動造粒機を用いて混合し、造粒する歯磨剤用顆粒(以下、単に「顆粒」ともいう。)の製造方法であって、前記水不溶性粉末材料に対して前記珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液を供給し、造粒することにより顆粒を得る工程を含むことを特徴とする。
しかし、本発明で得られる歯磨剤用顆粒は、優れた湿式崩壊強度を有し、水中でも強度を保持することができる。これは本発明の製造方法で得られる歯磨剤用顆粒が、非圧密な製造方法で得られた造粒物であり多孔質であるため、顆粒内部に存在する珪酸ナトリウムを含む水溶液が乾燥し易く、顆粒内部で珪酸ナトリウムの脱水物がネットワーク構造をとることで、顆粒が強固になったためであると考えられる。
更に、本発明において用いるフュームドシリカは、フュームドシリカ同士又は前記珪酸ナトリウムとネットワーク構造を形成し、水不溶性粉末材料の結合剤として作用することから、珪酸ナトリウムの使用量が少量であっても優れた湿式崩壊強度を得ることができ、更に、珪酸ナトリウムの使用量を低減することができるため、歯磨剤用顆粒として最適なpH12.0以下程度に調整することができる。
以下、本発明の方法に用いられる各成分、製造方法について順次説明する。
本発明の方法に用いられる水不溶性粉末材料としては、歯の研磨剤に通常用いられるものが好ましく、具体的には無機材料が好ましい。ここで、「水不溶性」とは、20℃の水100gに対する溶解量が1g以下であることを意味する。
水不溶性粉末材料の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、フュームドシリカ以外のシリカ、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でも、顆粒化した際の顆粒のpHを低減する等の物性の観点やコストの観点から、水不溶性粉末材料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びフュームドシリカ以外のシリカから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、重質炭酸カルシウム及びフュームドシリカ以外のシリカから選ばれる1種又は2種がより好ましく、フュームドシリカ以外のシリカが更に好ましい。なお、フュームドシリカ以外のシリカとしては、例えば、珪酸ナトリウムと鉱酸(硫酸等)を用いた湿式沈降法又は湿式ゲル法により得られるシリカ等が挙げられる。
水不溶性粉末材料のかさ密度は、顆粒のpHを低減する観点から、好ましくは250g/L以上、より好ましくは300g/L以上、更に好ましくは350g/L以上であり、更により好ましくは370g/L以上であり、崩壊強度を高める観点から、好ましくは600g/L以下、より好ましくは500g/L以下、更に好ましくは450g/L以下、更により好ましくは420g/L以下である。なお、水不溶性粉末材料のかさ密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明において、混合液は珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを含有するものである。
混合液中の珪酸ナトリウムの濃度(固形分)は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、噴霧性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
前記混合液を構成する溶媒としては、前記混合液の噴霧性の観点から、水が好ましく、本発明の効果を阻害しない範囲で、水溶性溶媒を用いてもよい。
なお、フュームドシリカ同士のネットワーク構造はチキソトロピー性を有し、噴霧する際のせん断力により可逆的に分断されるため、増粘に起因する噴霧性への影響は小さくなると考えられる。
更に、前記混合液が、水不溶性材料の表面に付着した際には、珪酸ナトリウムの脱水物のネットワークが形成されることに加えて、フュームドシリカ同士又はフュームドシリカと珪酸ナトリウムとの脱水物が連結してネットワーク構造を形成し、水不溶性粉末材料の結合剤として働くことで、更に湿式崩壊強度の向上に寄与するものと考えられる。
水溶性無機結合剤である珪酸ナトリウムは、顆粒に適度な湿式崩壊強度を付与するために用いられる。この珪酸ナトリウムは、珪酸ナトリウムの脱水物がネットワーク構造をとり顆粒の湿式崩壊強度を適度に高める機能も有する。珪酸ナトリウムの量を調整することにより、顆粒の湿式崩壊強度を適宜調整することができる。
なお、水溶性無機結合剤である珪酸ナトリウムの20℃の水100gに対する溶解量は、好ましくは30g以上、より好ましくは50g以上である。
珪酸ナトリウムは、一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数n(Na2Oに対するSiO2の分子比)はモル比と呼ばれ、下記式(1)で表すことができる。
モル比=(SiO2質量%/Na2O質量%)×(Na2Oの分子量/SiO2の分子量)・・・(1)
珪酸ナトリウムとしては、通常、JIS K1408に記載の珪酸ソーダ1号、2号、3号の他、種々のモル比の水ガラスを使用することができる。
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、医薬部外品原料規格への適合性、及び得られる顆粒のpHの観点から、前記モル比nは、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.4以上、更に好ましくは2.8以上、より更に好ましくは3.0以上であり、そして、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下である。
なお、珪酸ナトリウム水溶液中の珪酸ナトリウム(固形分)の量は、実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明に用いられるフュームドシリカのBET比表面積は、湿式崩壊強度を向上させる観点及び珪酸ナトリウムにチキソトロピー性を付与する観点から、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上であり、そして、好ましくは400m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、更に好ましくは250m2/g以下である。
本発明に用いられるフュームドシリカの1次粒子の平均粒子径は、湿式崩壊強度を向上させる観点及び珪酸ナトリウムにチキソトロピー性を付与する観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは5nm以上であり、そして、好ましくは100nm以下、より好ましくは60nm以下、更に好ましくは30nm以下、更により好ましくは20nm以下である。
なお、フュームドシリカの1次粒子の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
フュームドシリカとしては、例えば日本アエロジル株式会社製「アエロジル」(登録商標)類が挙げられ、親水性アエロジルとしては「アエロジル90」、「アエロジル130」、「アエロジル150」、「アエロジル200」、疎水性アエロジルとしては「アエロジルR972」、「アエロジルR974」、「アエロジルR104」、及び「アエロジルR106」が挙げられる。
本発明においては、前記混合液のみを供給して造粒を行ってもよいが、珪酸ナトリウムの使用量を低減し、pHをより低く調整する観点から、前記混合液を供給する前に水不溶性粉末材料に対して水を供給することが好ましい。このように前記混合液を供給する前に水を供給した場合、水不溶性粉末材料の内部に水が浸入し、前記混合液の浸入を抑制するため、前記混合液が水不溶性粉末材料の表面に留まり、結果として珪酸ナトリウム等の結合剤のバインダー効率が向上すると考えられる。
水不溶性粉末材料100質量部に対する水の供給量は、顆粒のpHを低減させる観点及び造粒性の観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、得られた顆粒から水を乾燥させる時間を短縮する観点、湿式崩壊強度を高める観点、及び造粒性の観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて、本発明の方法で用いられる水不溶性粉末材料(研磨剤)、珪酸ナトリウム(結合剤)、及びフュームドシリカ(結合剤)以外に水不溶性無機結合剤、水不溶性有機結合剤、有機繊維、薬用成分、及び着色剤から選ばれる1種又は2種以上を配合することができる。
本発明の方法で用いることができる水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有する、ケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、及びマグネシウム系化合物を用いることができる。具体的には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸カルシウムの高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、有機繊維としては、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグニン、及びキチン等が挙げられ、これらの中では、顆粒の歯垢除去性の点からセルロースが特に好ましい。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
本発明においては、顆粒製造時に、顆粒に強い剪断を与えて圧密することのないようにするために、容器回転型造粒機又は撹拌転動造粒機を用いる。また、乾燥性の観点及び湿式崩壊強度向上の観点から、非圧密な顆粒を造粒することが好ましく、容器回転型造粒機を用いることが好ましい。
容器回転型造粒機としては、ドラム型造粒機及びパン型造粒機が好ましい。ドラム型造粒機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されない。水平又はわずかに傾斜させたドラム型造粒機も使用可能である。これらの装置は、バッチ式、連続式いずれの方式でもよい。
なお、水不溶性粉末材料を含む粉体と容器回転型造粒機の内壁との間の壁面摩擦係数が小さく、粉体に十分な上昇運動力を加えることが困難な場合は、容器内壁に混合を補助するための複数個の邪魔板(バッフル)を設けることが好ましい。邪魔板を設けることにより、粉体に上昇運動を付与することが可能となり、粉末混合性及び固液混合性が向上する。
フルード数:Fr=V2/(R×g)・・・(2)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2]
なお、本体胴部の回転によって顆粒化が進行するドラム型造粒機又はパン型造粒機においては、V及びRは本体胴部の値を用い、解砕翼を備えたパン型造粒機においては、V及びRは解砕翼の値を用いることとする。
撹拌転動造粒機としては、撹拌羽根を備えた主撹拌軸を内部の中心に有し、更に混合を補助し粗大粒子の発生を抑制するための補助撹拌軸を一般的には主撹拌軸と直角方向に壁面より突出させた構造を有するものが挙げられる。転動造粒の場合も水分除去の必要がある場合、ジャケット温水からの伝熱により、水分除去する方法、水分蒸発を容易にするために撹拌転動造粒機内を減圧にして水分除去する方法、撹拌転動造粒機に乾燥空気を通風させて水分除去する方法等が有効である。
かかる撹拌転動造粒機としては、主撹拌軸が垂直に設置されているものとしてヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック株式会社製)、真空ユニットを付帯したハイスピードミキサー(深江パウテック株式会社製)、バーチカルグラニュレーター(富士産業株式会社製)等が挙げられる。主撹拌軸が水平に設置されているものとしてはレディゲミキサー(松坂技研株式会社製)、プローシェアミキサー(太平洋機工株式会社製)等が挙げられる。
これら撹拌転動造粒機を用いる場合には、顆粒内部に存在する混合液の乾燥性の観点、及び顆粒内部で珪酸ナトリウムの脱水物がネットワーク構造をとり、顆粒の湿式崩壊強度を向上させる観点から、顆粒の圧密化を抑制することが好ましく、主撹拌軸及び補助撹拌軸の回転数を以下に記載するフルード数が100以下になるように設定することが好適であり、前記フルード数は、好ましくは80以下、より好ましくは70以下であり、生産性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは50以上である。
フルード数:Fr=V2/(R×g)・・・(2)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2]
なお、主撹拌翼や解砕撹拌翼を備えた横型又は竪型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用いる。
本発明においては、前記珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液を多流体ノズルを用いて供給することが好ましい。多流体ノズルを用いることにより、その液滴を微細化して分散させることができ、粗大粒子を形成する大きな液塊が発生しにくくなるため、収率が向上する。また、顆粒内部に前記珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液を、均一に分散させ湿式崩壊強度を向上させることができる。
多流体ノズルとは、液体と微粒化用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合、微粒化するノズルであり、二流体ノズル、三流体ノズル、四流体ノズル等を挙げることができる。また、珪酸ナトリウム水溶液と微粒化用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、又はノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであってもよい。
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社いけうち製等の内部混合型二流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社アトマックス製等の外部混合型二流体ノズル、藤崎電機株式会社製の外部混合型四流体ノズル等が挙げられる。
例えば、二流体ノズルを用いる場合、微粒化用気体の流量の調整は、微粒化用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易である。微粒化用気体噴霧圧としては、液分散の観点から0.1MPa以上が好ましく、設備負荷の観点から1.0MPa以下が好ましい。また、珪酸ナトリウムの噴霧圧としては特に制限はないが、設備負荷の観点から、例えば1.0MPa以下が好ましい。
容器回転型混合機を用いる場合、フルード数が一般に低いことから、平均湿式崩壊強度を高めると共に、歯磨剤用顆粒として好適な粒度の顆粒を収率よく得る観点から、混合液の噴霧液滴の平均粒径は、好ましくは210μm以下、より好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下であり、生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、より更に好ましくは20μm以上である。
撹拌転動造粒機を用いる場合、平均湿式崩壊強度を高めると共に、歯磨剤用顆粒として好適な粒度の顆粒を収率よく得る観点から、混合液の噴霧液滴の平均粒径は、好ましくは2,000μm以下、より好ましくは1,500μm以下、更に好ましくは1,300μm以下であり、生産性の観点から、好ましくは500μm以上、より好ましくは800μm以上である。
滴径を小さくするほど前記混合液の流量が低下し生産性が低下するが、例えば多流体ノズルを複数個使用しノズル一本当たりの流量を低下させることで、液滴の微細化を維持しつつ添加速度を上げることができる。多流体ノズルは1本以上であればよいが、2本以上20本以下用いることもできる。
なお、当該混合液の液滴の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定される値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
容器回転型混合機を用いる場合、珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液の添加速度は、粗大粒子の形成を抑制し、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、水不溶性粉末材料100質量部に対して、好ましくは20質量部/分以下、より好ましくは10質量部/分以下、更に好ましくは5質量部/分以下、より更に好ましくは3質量部/分以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量部/分以上、より好ましくは0.3質量部/分以上、更に好ましくは0.5質量部/分以上、より更に好ましくは1質量部/分以上である。
撹拌転動造粒機を用いる場合、珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液の添加速度は、粗大粒子の形成を抑制し、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、水不溶性粉末材料100質量部に対して、好ましくは30質量部/分以下、より好ましくは20質量部/分以下、更に好ましくは15質量部/分以下、生産性の観点から、好ましくは1質量部/分以上、より好ましくは3質量部/分以上、より好ましくは5質量部/分以上、更に好ましくは7質量部/分以上である。
水の噴霧液滴の平均粒径は、湿式崩壊強度を高めると共に、粗大粒子の形成を抑制し収率を向上させる観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは80μm以下、より更に好ましくは60μm以下、より更に好ましくは40μm以下であり、生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。
水の添加速度は、粗大粒子の形成を抑制し、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、水不溶性粉末材料100質量部に対して、好ましくは20質量部/分以下、より好ましくは10質量部/分以下、更に好ましくは5質量部/分以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量部/分以上、より好ましくは0.5質量部/分以上、より好ましくは1質量部/分以上である。
本発明においては、湿式崩壊強度を向上させる観点から、得られた顆粒を更に乾燥することが好ましい。乾燥操作を行うことにより、水溶性結合剤である珪酸ナトリウムを用いていながら、顆粒の湿式崩壊強度の向上が確認され歯磨製剤中での安定性を向上さることができる。この理由は定かではないが、乾燥に伴い珪酸ナトリウムの脱水縮合が進行し珪酸ナトリウムのネットワーク構造が発達して強度が向上したと考えられる。
乾燥中の顆粒の崩壊を抑制する観点から、強いせん断力をできるだけ与えない乾燥方式が好ましい。例えば、バッチ式では、電気式棚乾燥機や熱風乾燥機で乾燥させる方法、バッチ式流動層で乾燥させる方法等が挙げられ、連続式では、流動層やロータリー乾燥機、スチームチューブドライヤー等が挙げられる。
乾燥時間は、製造に用いた前記混合液の有効分や量により異なるが、湿式崩壊強度が本発明の好ましい範囲となるように適宜調整を行う。乾燥時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上、更に好ましくは30分以上であり、そして、好ましくは24時間以下、より好ましくは20時間以下、更に好ましくは2時間以下である。乾燥手段としては、電気乾燥であっても、流動層乾燥であってもよい。
得られる顆粒中の水分量は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下であり、より更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上である。顆粒中の水分量は、実施例に記載の方法により求めることができる。湿式崩壊強度は、水不溶性粉末材料の種類に依存するが、同じ種類では、水分量が少ない方が、湿式崩壊強度は高くなる。
本発明の製造方法により製造された歯磨剤用顆粒(水分を除く)中の水不溶性粉末材料の含有量は、崩壊強度等と研磨力を高める観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、歯に対する損傷を抑制する観点から、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明において、歯磨剤用顆粒中の各成分の含有量や質量比は、顆粒製造時の配合量から求めた計算値を用いることができる。また、珪酸ナトリウム量は、実施例に記載の方法により求めた固形分量である。
また、顆粒中の珪酸ナトリウム100質量部(固形分)に対するフュームドシリカの質量部の好ましい割合も前述のとおりである。
歯磨剤用顆粒の平均湿式崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、より更に好ましくは31%以上、より更に好ましくは35%以上であり、また異物感をほとんど感じさせない観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。平均湿式崩壊強度は、珪酸ナトリウム(固形分)の含有量を増加させたり、顆粒中の水分量を減らしたり、水不溶性粉末材料の種類を適宜選択することにより、高めることができる。なお、平均湿式崩壊強度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記したような平均粒子径、湿式崩壊強度等を有する顆粒は、珪酸ナトリウムの種類、配合量、及び製造条件を適宜変化させることによって製造することができる。
(1)珪酸ナトリウム水溶液の固形分
スポイトを用いてアルミ製の直径11.5cmの容器上に1滴が直径5〜10mm程度の液滴となるよう(液滴同士が極力重ならないよう)に試料2.5gを滴下散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、湿量基準水分測定モードにて温度105℃、Autoの条件(測定値の変化量が、30秒間で0.05%以内になったときを最終測定値とみなして測定を終了)で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。
混合液の平均液滴径(体積平均粒径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定した。具体的には、レーザーから30cm離れた場所にスプレーノズル先端を設置し、レーザーに対して垂直且つ噴霧液滴群の中心をレーザーが貫通するように混合液を30秒間継続して噴霧して平均液滴径の測定を行った。
水不溶性粉末の平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−920)にて、溶媒をイオン交換水、屈折率を1.2、循環速度を4とし、循環3minの条件で測定した。
JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下質量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒子径とする。具体的には、JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該顆粒の質量を測定し、各篩上の当該顆粒の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さな篩上の当該顆粒の質量割合を積算していき合計が50%となる粒子径を平均粒子径とする。
予め質量を測定しておいた容積100mLの円筒容器(直径4cm)に、JIS K3362:2008により規定された、かさ密度測定用のホッパーを用いて顆粒を流入させて容器上部で顆粒をすりきり、その質量を測定することによりかさ密度(g/L)を求めた。
試料2gをアルミ製の直径11.5cmの容器上に均一に散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、(1)と同じ条件で測定した。
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、150〜180μm粒度の顆粒をサンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/分で2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を平均湿式崩壊強度とした。
平均湿式崩壊強度(%)=(150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量)×100
スクリュー管(株式会社マルエム製、No.7)に顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1時間静置した後pHメーター(株式会社堀場製作所製、「F−52」)を用いて測定(25℃)した。
Physuca製レオメータMCR300(CP50−1 コーンプレート使用)を用い、測定温度を25[℃]、せん断速度を1[1/s]として混合液の粘度測定を行った。
水不溶性粉末材料の吸水量は、以下の方法で測定した。吸収量測定器(株式会社あさひ総研製S410)に水不溶性粉末を20g投入し、駆動羽根を200rpmで回転させた。ここにイオン交換水を、液供給速度4ml/minで滴下し、25℃における最大トルクとなる点を見極めた。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点における液添加量を粉末投入量で除算し、吸水量とした。
フュームドシリカの平均粒子径は、フュームドシリカの5質量%水分散液を、光路長1cmの石英ガラスセル(東ソー・クォーツ株式会社製、T-1-UV-10)に入れ、動的光散乱式粒度分布測定装置(大塚電子株式会社製、ELS-Z2)を用いて測定し、光子相関法で求めた自己相関関数をキュムラント法により解析し算出した。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液(粘度:24Pa・s)を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。
該混合液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び60μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
該混合液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながらイオン交換水を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。水の添加速度及び噴霧平均液滴径は、86g/分及び28μmであった。
続いて、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。
該混合液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び60μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
該混合液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
電気乾燥機を用いて80℃で960分間乾燥したことを除いて、実施例4と同様に行い、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、重質炭酸カルシウム粉末(カルファイン社製、クリストンSS、平均粒子径5μm、吸水量24cc/100g、かさ密度450g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液を外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。
該混合液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び60μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
該混合液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を2L高速ミキサー(深江パウテック株式会社製、ハイスピードミキサー)に投入し、アジテーター回転数850r.p.m/チョッパー回転数1350rpmの条件(フルード数69)で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液を配管を用いて滴下添加し転動造粒した。なお、バッチサイズは0.5kgである。
珪酸ナトリウム水溶液とフュームドシリカ混合液の滴下液滴径は、およそ1000μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
その後、2L高速ミキサーから得られた顆粒を排出し、電気式棚乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末2(PQ Corporation製、ソルボシルAC33、平均粒子径6μm、吸水量42cc/100g、かさ密度400g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液(粘度:24Pa・s)を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。
該混合液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び60μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
該混合液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末2(PQ Corporation製、ソルボシルAC33、平均粒子径6μm、吸水量42cc/100g、かさ密度400g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながらイオン交換水を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。水の添加速度及び噴霧平均液滴径は、86g/分及び28μmであった。
続いて、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%)とフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm、BET比表面積200±25m2/g、固形分:100%)の混合液を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。
該混合液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び60μmであった。なお、造粒操作は20℃で行った。
該混合液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、3号珪酸ソーダ:Na2O・3SiO2水溶液、固形分:55.1%、粘度0.16Pa・s)を外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。珪酸ナトリウム水溶液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、68g/分及び55μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(直径40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、予めフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200、1次粒子の平均粒子径12nm)とイオン交換水とを混合した水溶液を、外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。該水溶液の添加速度及び噴霧平均液滴径は、110g/分及び55μmであった。
該水溶液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて、比較例2は80℃で90分間、比較例3は80℃で960分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す配合割合で、シリカ粉末1(PQ Corporation製、ソルボシルAC77、平均粒子径9μm、吸水量85cc/100g、かさ密度300g/L)を2L高速ミキサー(深江パウテック株式会社製、ハイスピードミキサー)に投入し、アジテーター回転数850r.p.m/チョッパー回転数1350rpmの条件でイオン交換水を配管を用いて滴下添加し転動造粒した。なお、バッチサイズは0.5kgである。イオン交換水の滴下液滴径のメジアン径はおよそ500μmであった。
その後、2L高速ミキサーから得られた顆粒を排出し、電気式棚乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥した後、顆粒の物性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例4と比較例1との比較から、珪酸ナトリウムとフュームドシリカとの混合液を供給し、造粒する前に水を供給して造粒した場合、平均湿式崩壊強度を維持したまま結合剤の量の低減が可能であることがわかる。また、珪酸ナトリウムの量を大幅に減らすことができるため、顆粒のpHをより更に低くすることができる。
なお、実施例4と5との比較から、水を供給する場合、乾燥時間を長くすることで、顆粒中の水分量を減らすことができ、平均湿式崩壊強度が高くなることがわかる。
実施例1と7との比較から、容器回転型混合機を用いた場合、平均湿式崩壊強度が向上することがわかる。
なお、珪酸ナトリウムを用いない比較例2〜4では、平均湿式崩壊強度が不十分であった。
実施例1と実施例8との比較、及び実施例3と実施例9との比較から、吸水量の低い水不溶性粉末材料を用いた場合、少ない量の結合剤で好適な粒度、及び好適な平均湿式崩壊強度の顆粒を得られ、更に顆粒pHを低減できることがわかる。
Claims (9)
- 水不溶性粉末材料(ただし、フュームドシリカを除く)と珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを容器回転型造粒機又は撹拌転動造粒機を用いて混合し、造粒する歯磨剤用顆粒の製造方法であって、前記水不溶性粉末材料に対して前記珪酸ナトリウムとフュームドシリカとを含む混合液を供給し、造粒することにより顆粒を得る工程を含む歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 多流体ノズルを用いて前記混合液を供給する、請求項1に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記混合液中、前記珪酸ナトリウム100質量部に対する前記フュームドシリカの量が0.5質量部以上、20質量部以下である、請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記水不溶性粉末材料が、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びフュームドシリカ以外のシリカから選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記容器回転型造粒機がドラム型造粒機又はパン型造粒機である、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記水不溶性粉末材料100質量部に対する前記珪酸ナトリウムの供給量が2質量部以上、150質量部以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記混合液を供給する前に前記水不溶性粉末材料に対して水を供給する、請求項1〜6のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 得られた前記顆粒を更に乾燥させる、請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 前記歯磨剤用顆粒のpHが12.0以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
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