JP6383979B2 - 湾曲ガラス板の製造方法及びその湾曲ガラス板を用いて製造された合わせガラス - Google Patents

湾曲ガラス板の製造方法及びその湾曲ガラス板を用いて製造された合わせガラス Download PDF

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Description

本発明は、湾曲ガラス板の製造方法及びその湾曲ガラス板を用いて製造された合わせガラスに係り、特に加熱されたガラス板を成形型を用いて所望の湾曲形状に曲げ成形するガラス板の製造方法及びその湾曲ガラス板を用いて製造された合わせガラスに関する。
従来、ガラス板の曲げ成形方法としては、所望の湾曲面に対応する曲げ成形面を有する成形型に、平面状のガラス板を載置し、この状態で成形型を加熱炉内に搬入し、加熱炉内でガラス板をガラス軟化温度付近まで加熱する方法がある。この成形方法によれば、ガラス板は、軟化に伴い自重によって成形型の曲げ成形面に沿って湾曲するため、所望の湾曲面を有するガラス板に製造される。
一方、近年では、自動車用窓ガラスは、デザインの変化に伴って様々な形状、曲率を持つものが求められている。特に、より深い曲率を有する深曲げ形状のものなどが挙げられる。
これを受けて、特許文献1ではリング状の成形型に、あおり機構と呼ばれる可動フレームを設け、ガラス板が軟化した成形後半であおることで、ガラス板の周部を確実に曲げる方法が提案されている。
特表2011−506249号公報
しかしながら、引用文献1のようなあおり機構を備える焼き型の場合、可動フレームと固定フレームの継ぎ目との局所的な接触により、疵や歪が生じやすいという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ガラス板に局所的な疵や歪を発生させることなく、深曲げ形状を成形できる湾曲ガラス板の製造方法その湾曲ガラスを用いて製造された合わせガラスを提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明は、
加熱源によって軟化点付近に加熱されたガラス板を、成形型上に載置して曲げ成形する
湾曲ガラス板の製造方法において、
前記ガラス板は、第1のガラス板と、第2のガラス板と、を備え、
前記第1のガラス板を自重で所望の形状に曲げ成形する第1のガラス板の本成形工程と、
前記第2のガラス板を自重で予備成形する第2のガラス板の予備成形工程と、
前記予備成形された第2のガラス板を自重で所望の形状に曲げ成形する第2のガラス板の本成形工程と、
を有し、
前記第1のガラス板の本成形工程と前記第2のガラス板の予備成形工程は、同一の前記加熱源からの熱で同時に行われ
前記第2のガラス板の予備成形工程は、前記第1のガラス板の本成形工程よりも前記加熱源に近い位置で行われる
ことを特徴とする湾曲ガラス板の製造方法を提供するものである。

本発明によれば、ガラス板に局所的な疵や歪を発生させることなく、深曲げ形状を成形できる湾曲ガラス板の製造方法その湾曲ガラスを用いて製造された合わせガラスを提供することができる。
本発明の一態様における湾曲ガラス板の製造装置の概略図。 本発明の一態様における成形型の概略図。 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第1実施形態のフロー図 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第1実施形態のフローの概略図 本発明の一態様におけるヒータから放射された熱の様子を示した図。 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第2実施形態のフロー図 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第2実施形態のフローの概略図 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第3実施形態のフロー図 第2のガラス板を所望の形状まで曲げ成形する第3実施形態のフローの概略図
以下、図面を用いて、本発明に係る湾曲ガラス板の製造装置及及び製造方法の具体的な実施の形態について説明する。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載のない場合には図面上での方向をいうものとし、各図面の基準の方向は、記号、数字の方向に対応する。
<湾曲ガラス板の製造装置>
図1は、本発明の実施形態による湾曲ガラス板の製造装置の概略図であって、加熱炉101の縦断面図である。
加熱炉101は、予熱ゾーン102、成形ゾーン103及び徐冷ゾーン104に区分され、台車105と台車105上に載置されたリング状の成形型106を備える。
台車105は不図示の任意の搬送装置によって加熱炉101内を移動し、予熱ゾーン102、成形ゾーン103及び徐冷ゾーン104をこの順で通過する。
なお、本実施形態では徐冷ゾーン104は加熱炉101内に備えられているが、加熱炉101外に設けられた壁面に囲われた空間や、開放された空間であってもよい。また、予熱ゾーン102は備えていなくても良い。
加熱炉101の成形ゾーン103の内部は加熱源であるヒータ109によって、ガラス板を所望の湾曲面に成形できる軟化点付近の温度(例えば550℃〜700℃)に加熱される。
なお、本実施形態ではヒータ109は加熱炉101の天井に設けられている例を示すが、これに限定されず、天井だけでなく炉床にも設けれ、ガラス板の上下両側から加熱してもよい。また、壁面に設けられ、ガラス板の側方から加熱してもよい。
また、ヒータ109は一つ一つ独立して温度制御可能な加熱素子を備え、任意の温度分布を意図的に形成できる構成でもよい。
成形型105は、本成形型107と予備成形型108とを備える。
本成形型107は、所望の湾曲形状を有するリング状に形成され、ガラス板を下方から支持する支持型である。
予備成形型108は、リング状に形成され、ガラス板を下方から支持する支持型である。予備成形型108は、本成形型107とヒータ109との間に配置されており、本実施例では、ヒータ109が天井に配置された例を示すため、予備成形型108は本成形型107の上方に配置される。
また、予備成形型108は、台車105を介して本成形型107と連結されており、本成形型107と連動する。しかし本実施形態に限定されず、予備成形型108と本成形型107が台車105を介して接続されてもよく、直接連結されていてもよい。また、「連動する」とは予備成形型108が本成形型107の動きに追従して移動することを指す。
予備成形型108と本成形型107は、互いの連動を解除できるように、分離可能な構成であってもよい。例えば、本実施形態では図2に示すように、予備成形型108は連結部201を備え、台車105に形成された孔に予備成形型108の連結部201を嵌合させることで、本成形型107と連結する。したがって、連結部201を孔から抜くことで予備成形型108と本成形型107を分離させ、連動を解除することが可能である。
なお、本実施形態において、「分離」とは分離した結果、予備成形型108と本成形型107の連動を解除した状態を指し、「連結」とは連結した結果、予備成形型108と本成形型107を連動できる状態を指す。
なお、連結部201の構成は本実施形態に限られず、例えば、台車105または本成形型107を挟持する構成であってもよい。
また、図2では台車105と本成形型107が一つの構造体として形成され、その構造体に予備成形型108が連結、分離可能な例を示すが、本実施形態に限定されない。例えば、台車105と予備成形型108が一つの構造体であって、本成形型107が連結部201を備えてその構造体に連結、分離可能な構成でもよい。また、本成形型107と予備成形型108の両者が連結部201を備え、台車105及びお互いに連結、分離可能な構成であってもよい。
なお、本実施形態では、本成形型107及び予備成形型108は、1枚のガラス板を支持する例を示すが、これに限定されない。例えば、合わせガラス用の内板と外板の2枚のガラス板を、セラミックス粉体などの離型剤を介して積層させて支持するなど、2枚以上のガラス板を支持可能である。
<湾曲ガラス板の製造方法>
(第1実施形態)
本実施形態におけるガラス板は、第1のガラス板G1と第2のガラス板G2とを備える。第1のガラス板G1と第2のガラス板G2とは、加熱炉前において、任意の載置手段によって、それぞれ本成形型107及び予備成形型108に載置される。
その後、台車105によって、第1のガラス板G1が載置された本成形型107と、第2のガラス板G2が載置された予備成形型108とは連動して加熱炉101内に搬送され、第2のガラス板G2は、第1のガラス板G1とヒータ109との間に配置された状態となる。第2のガラス板G2は、第1のガラス板G1よりもヒータ109に近い位置に設けられる。
ここで、第1のガラス板G1の本成形工程と、第2のガラス板G2の予備成形工程が同時に行われる。
第1のガラス板G1の本成形工程は、以下のような工程を指す。第1のガラス板G1が載置された本成形型107と、第2のガラス板G2が載置された予備成形型108とは、第2のガラス板G2の方が第1のガラス板G1よりもヒータ109に近いという位置関係を保ったまま予熱ゾーン102、成形ゾーン103に搬送される。そして、第1のガラス板G1が、自重により本成形型107のリングの湾曲形状(所望の湾曲形状)に沿った形状に変形する。以上が第1のガラス板G1の本成形工程である。
一方、第2のガラス板G2の予備成形工程は、第1のガラス板G1の本成形工程中に、第1のガラス板G1の成形に寄与する加熱源と同一の加熱源によって、第2のガラス板G2が予備加熱される工程である。ここで、第2のガラス板G2は自重によって撓み、例えば、第2のガラス板G2の所望の形状の10〜90%、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは50〜90%成形されることが望ましい。
なお、第1のガラス板G1の成形に寄与する加熱源は複数あってもよく、例えば、第1のガラス板G1に対して最も近くに位置する加熱源であってもよい。
このように、第1のガラス板G1の本成形工程と同時に、第2のガラス板G2に予備成形工程を行っておくことで、後述する第2のガラス板G2の本成形工程において、ガラス板に局所的な疵や歪を発生させることなく、深曲げ成形をすることが可能となる。
第2のガラス板G2の予備成形工程を経た第2のガラス板G2は、予備加熱及び予備成形されたガラス板として、本成形型107に載せて、再び加熱炉101を通過させることで、第2のガラス板G2の本成形工程を経て、所望の湾曲形状に曲げ成形することができる。
以下に、図3のフロー図、及びそのフローの概念図である図4を用いて、第2のガラス板G2を所望の湾曲形状に成形するまでの流れについての一例を具体的に説明する。
なお、図3のフロー図において、矢印に沿った流れは、第2のガラス板G2が予備成形型108及び本成形型107とともに辿る工程を示し、横方向に同じ位置にある工程は、同じ時間軸上で行われるものとする。すなわち、点線で囲われた二つの工程は、同じ工程内で同時に行われる。
また、成形型107及び予備成形型108は、加熱炉101に搬入され、加熱炉101を通過し、通過後、加熱炉101の炉前まで搬送されることを一周期として、連続生産の場合にはそれが繰り返し行われるが、本実施形態では説明のため、第2のガラス板G2が製造される一部分のみを抜き出して説明するものとする(後述の第2、第3実施形態の説明も同様とする)。
まず、前述の通り、第2のガラス板G2は、予備成形型108に載置された状態で本成形型107とヒータ109との間に配置され、加熱炉101を通過する工程S31(以後、第2のガラス板の予備成形工程S31という)を経る。このとき、同一の工程内で第1のガラス板G1は、本成形型107に載置され、加熱炉101を通過する工程S32(以後、第1のガラス板の本成形工程S32という)を経る。このとき、第2のガラス板G2は、第1のガラス板の成形に寄与する加熱源と同一の加熱源によって、予備加熱及び自重により撓むことで予備成形される。
その後、第1のガラス板G1が自重により所望の湾曲形状に曲げ成形され、ガラス板G1及びガラス板G2共に歪点以下まで徐冷された後、取り出し手段によって本成形型107から取り出される工程S33(以後、取り出し工程S33という)を経る。すなわち、本成形型107が何も載置していない空の状態となる。このとき、取り出し手段は任意の構成でよく、例えば第1のガラス板G1を棒で突き上げた後に支持アームによって第1のガラス板G1を支持して取り出す構成などでもよい。
次に、第2のガラス板G2は、載せ替え手段によって予備成形型108から本成形型107に載せ替えられる工程S34(以後、載せ替え工程S34という)を経る。すなわち、本成形型107は、第2のガラス板G2を載置した状態となり、予備成形型108は空の状態となる。この時、載せ替え手段は任意の構成であり、前述の取り出し手段と同一の装置でもよく、別の装置を設けてもよい。
次に、第2のガラス板G2は、本成形型107に載置された状態で、空の予備成形型108とともに、加熱炉101の手前に搬送される工程S35(以後、搬送工程S35という)を経る。
次に、空の予備成形型108に第3のガラス板G3を載置手段によって載置する工程S36(以後、載置工程S36という)を経る。載置手段は任意の構成であり、前述の取り出し手段及び載せ替え手段と同一の装置でも良く、別の装置を設けてもよい。
次に、第2のガラス板G2は本成形型107に載置された状態で加熱炉101を通過する工程S37(以後、第2のガラス板の本成形工程S37という)を経る。この時、第3のガラス板G3は、予備成形型108に載置された状態で、本成形型107とヒータ109との間に配置され、加熱炉101を通過する工程S38(以後、第3のガラス板の予備成形工程S38という)を経る。第2のガラス板の本成形工程S37によって、第2のガラス板G2は自重により所望の湾曲形状に曲げ成形される。
その後、第2のガラス板G2は、歪点以下まで徐冷され、取り出し手段によって本成形型から取り出される工程S39(以後、取り出し工程S39という)を経る。
このように、第2のガラス板の立場から見れば、第2のガラス板の予備成形工程S31後、第2のガラス板の本成形工程S37が行われ、第2のガラス板G2は所望の形状に曲げ成形される。すなわち、第2のガラス板G2は載置される成形型を変えて加熱炉101を二周することで、所望の湾曲形状に曲げ成形される。
このように、第2のガラス板の予備成形工程S31で第2のガラス板G2を予備加熱することで、加熱炉101内でガラス板を予熱する予熱ゾーン102を短くできる。もしくは、予熱ゾーン102を設けなくともよくなる。またさらに加熱炉101全体の温度も下げられ、省エネルギーで生産が可能となるため、設備稼働時の製造コストを削減できる効果がある。
さらに、一周目で第2のガラス板G2を予備成形することで、二周目の第2の本成形工程S47において、より複雑な形状や深曲げ形状に成形し易くなる。このとき、第2のガラス板の予備成形工程S31では第2ガラス板G2を、第2のガラス板の本成形工程S37において曲げ成形する所望の形状のうち10〜90%、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは50〜90%変形するように予備成形することが望ましい。
なお、第1のガラス板G1の取り出し工程S33を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第1のガラス板の本成形工程S32後、かつ第2のガラス板の本成形工程S37前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
第2のガラス板G2の載せ替え工程S34を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第1のガラス板G1の取り出し工程S33後、かつ第2のガラス板の本成形工程S37前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
第2のガラス板G2の搬送工程S35を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第2のガラス板の予備成形工程S31及び第1のガラス板の本成形工程S32後、かつ第2のガラス板の本成形工程S37前であれば、どのタイミングで行ってもよい。また、搬送工程S35の途中で取り出し工程S33、載せ替え工程S34が行われても良い。
第3のガラス板G3の載置工程S36を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第2のガラス板G2の載せ替え工程S34後、かつ第2のガラス板の本成形工程S37前であれば、どのタイミングで行ってもよい。また、第2のガラス板の本成形工程S37を行う際に、予備成形型108に第3のガラス板G3を載せる必要がない場合には、載置工程S36は省略してもよい。
ところで、第2のガラス板G2を第1のガラス板G1とヒータ109との間に配置して成形することで、次のような効果がさらに得られる。
第1のガラス板G1とヒータ109との間に第2のガラス板G2が設けられると、ヒータ109から第1のガラス板G1に向けて直接放射される熱の一部が第2のガラス板G2によって吸収される。そして第2のガラス板G2を通過して第1のガラス板G1に放射された熱は、ヒータ109に形成された過度な温度分布を有していないものとなる。言い換えれば、ヒータ109が備える一つ一つの加熱素子の温度差が緩やかなものになる。
すなわち、第2のガラス板G2が均熱板及び遮熱板の役割を果たし、本成形型107上の第1のガラス板G1にヒータパターンが転写されることを抑制する。したがって、第1のガラス板G1に生じる歪みを低減し、見栄えの悪化を抑制できる。
さらに第2のガラス板G2が、第1のガラス板G1と同一の形状もしくは大きい形状の場合、第1のガラス板G1の全体にわたって過度な温度分布がつきにくくなるため、望ましい。
また、第1のガラス板G1が薄いガラス板である場合は、温度分布によって意図しない変形や光学的な歪が生じやすいため、特に効果がある。
なお、従来、深曲げやS字状曲げ等の複雑形状を成形するために、ヒータ109が備える加熱素子の温度を一つ一つ制御して意図的に温度分布を付けること、又は局所加熱を備えることが知られているが、本実施形態はそれらを妨げるものではない。
それらを備えた構成でも、本実施形態のような構成とすることで、急峻な温度勾配による、第1のガラス板G1の意図しない変形や光学的な歪の発生を抑制できる。
また、第1のガラス板G1及び第2のガラス板G2が、車体フランジとの接合部分を隠すために、周縁から所定の幅にかけて黒色遮蔽膜110を備えた構成である場合、さらに望ましい効果がある。
具体的に、第1のガラス板G1及び第2のガラス板G2が周縁部に黒色遮蔽膜110を備えた場合のヒータ109からの熱の伝達の模式図を図5に示し説明する。なお、図5では簡便のため、ヒータ109から直接放射される熱のうち、ヒータ109の直下に向けて放射される熱のみ矢印で図示する。また、黒色遮蔽膜110は、第1のガラス板G1に形成される第1の黒色遮蔽膜501と、第2のガラス板G2に形成された第2の黒色遮蔽膜502とを備える(以後、両者を区別しない場合は、黒色遮蔽膜110という)。
なお、図5では黒色遮蔽膜110の厚みは説明のために厚く記載しているが、実際にはガラス板の板厚に対して充分薄く、正確な縮尺ではない。
第2のガラス板G2が設けられていない場合、ヒータ109から第1の黒色遮蔽膜501が設けられた第1のガラス板G1に向けて熱が放射されると、第1の黒色遮蔽膜501が設けられた周辺領域Aと、それ以外の面中央領域Bの熱の吸収率の違いから、第1の黒色遮蔽膜501が設けられた周辺領域Aとガラス面内部の面中央領域Bとの境界で大きな歪が生じやすい。
しかし、図5のように第2の黒色遮蔽膜502が設けられた第2のガラス板G2が、第1のガラス板G1とヒータ109との間に配置された場合には、以下のようになる。
周辺領域Aにおいては、ヒータ109から直接放射された熱のほとんどは、第2の黒色遮蔽膜502によって吸収され、第1のガラス板G1の第1の黒色遮蔽膜501には届かない。
一方、面中央領域Bにおいては、ヒータ109から直接放射された熱の約80%は第2のガラス板G2で吸収されるが、約20%の熱は透過して第1のガラス板G1に届く。
その結果、第1のガラス板G1に対してヒータ109から直接放射される熱は、面中央領域Bのみ加熱することになる。したがって、ヒータ109以外の物質からの熱の再放射が周辺領域Aと面中央領域Bとで一様とすれば、面中央領域Bは周辺領域Aよりも加熱されることになる。そのため、面中央領域Bと第1の黒色遮蔽膜301が設けられた周辺領域Aの吸収率の差が、面中央領域Bと周辺領域Aが受ける熱の差によって相殺され、両者の境界での歪が生じにくくなる。
以上より、黒色遮蔽膜110を備えたガラス板を成形する場合でも、ガラス板に生じる歪みを低減し、見栄えの悪化を抑制できる。
なお、本実施形態では、第2のガラス板G2は第1のガラス板G1よりも板厚が厚くなっている。このようにすることで、第1のガラス板G1よりも熱を受けやすい位置にある第2のガラス板G2の変形量を、第1のガラス板G1と同等もしくは少なくすることができる。第2のガラス板G2が第1のガラス板G1よりも変形して撓むことで、平面視で第1のガラス板G1の端部が、第2のガラス板G2の端部よりも外側になると、その端部において、図5で示すような均熱板及び遮熱板としての効果が得られなくなる。
したがって、第2のガラス板G2は第1のガラス板G1よりも、板厚が0.5mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上、1.0mm以上厚いことが望ましい。第1のガラス板G1の板厚は、1.6mmより薄いことが好ましく、さらに好ましくは1.3mm以下、さらに好ましくは1.1mm以下であることが望ましい。
また、第2のガラス板G2と第1のガラス板G1とは組成が異なり、第2のガラス板G2は、第1のガラス板G1よりも歪点などの耐熱温度が高いこと、または粘度が高いことが好ましい。
また、第1のガラス板G1と第2のガラス板G2とは、相似形でかつ同等の大きさもしくはやや大きいことが好ましい。第1のガラス板G1の全面積にわたって、ヒータ109との間に第2のガラス板G2が存在することで、第1のガラス板G1の表面に温度分布を付きにくくすることができる。
このような効果も考慮すると、図3の一周目(第2のガラス板の予備成形工程S31)では、第2のガラス板G2は、予備成形型108に載置され、第1のガラス板G1の均熱板及び遮熱板として働くとともに、予備加熱と予備成形される。そしてその後の二周目(第2のガラス板の本成形工程S37)では本成形型107に載置され、第3のガラス板G3の均熱板としての効果により、光学的な歪の発生をさらに抑制されながら、所望の湾曲形状に曲げ成形される。
さらに、図5に示すように第2の黒色遮蔽膜502を備えたガラス板である場合、第2のガラス板の予備成形工程S31において、第2の黒色遮蔽膜502を焼成することができ、第2のガラス板の本成形工程S37において、第2のガラス板G2の上に合わせガラス用に異なるガラス板を積層させた状態で曲げ成形することが可能となる。
<第2の実施形態>
図6及び図7は、第2のガラス板G2を予備加熱及び予備成形されたガラス板として本成形する場合の第2実施形態を示した図である。以下、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第1実施形態と同様に、図6は製造方法のフロー図を示し、図7はそのフローの概念図であり、第2のガラス板G2を所望の湾曲形状に成形するまでの流れについての一例を説明する。
また、本実施形態において、成形型106は、予備成形型108、第1の本成形型701及び第2の本成形型702とを備えている。予備成形型108は連結部201において、第1の本成形型701及び第2の本成形型702の両者と、互いに連結、分離可能な構成であるものとする。
なお、図6のフロー図において、矢印に沿った流れは、第2のガラス板G2が予備成形型108及び第2の本成形型702とともに辿る工程を示し、横方向に同じ位置にあり、かつ点線で囲われた二つの工程は、同じ工程内で行われる。
なお、フロー図の当初においては、予備成形型108と第1本成形型601とが連結している。
まず、第2のガラス板G2は、予備成形型108に載置された状態で第1の本成形型701とヒータ109との間に配置され、加熱炉101の成形ゾーン102を通過する工程S601(以後、第2のガラス板の予備成形工程S601という)を経る。このとき、同時に第1のガラス板G1は、第1の本成形型701に載置され、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S602(以後、第1のガラス板の本成形工程S602という)を経る。ここで第2のガラス板G2は、第1のガラス板G1に対して均熱板及び遮熱板として働き、かつ第2のガラス板G2自身が予備加熱、予備成形される。
次に、予備成形型108と第1本成形型601は、分離手段によって互いに分離される工程S603(以後、分離工程S603という)を経る。このようにすることで、予備成形型108と第1本成形型601とが連動を解除され、別々の工程に進むことができる。
すなわち、第2のガラス板G2は、予備成形型108に載置された状態で、加熱炉前に搬送される工程S604(以後、搬送工程S604という)へと進み、一方、第1のガラス板G1は、第1本成形型601に載置された状態で、徐冷ゾーン104による徐冷後、第1本成形型601から取り出される工程S605(以後、取り出し工程S605という)へと進む。
このように、第2のガラス板G2は、成形ゾーン103を通過後、徐冷ゾーン104を通らずに、直ちに次の工程に進むことができる。したがって予備加熱によって上昇した温度をなるべく低下させずに、後述する第2の本成形工程S609へ進むことが可能となる。また、第1のガラス板G1は、第2のガラス板G2の温度低下を考慮することなく、充分な徐冷時間を確保できる。
なお、分離手段は任意の構成でよく、例えば予備成形型108を支持アームによって持ち上げて第1本成形型601から分離する構成などでもよい。
次に、予備成形型108は、第2の本成形型702と連結手段によって連結される工程S606(以後、連結工程S606ともいう)を経る。第2の本成形型702も第1本成形型601と同様に、予備成形型108の連結部201によって連結される部分を備え、予備成形型108と連結、分離可能である。予備成形型108は、成形ゾーン103におけるヒータ109と第2の本成形型702との間に配置されるように連結される。
すなわち、予備成形型108は、第1の本成形型701と第2の本成形型702のいずれと連結していても、ヒータ109と、第1の本成形型701または第2の本成形型702のいずれか連結している一方との間に配置される。
なお、連結手段は任意の構成でよく、例えば予備成形型108を支持アームによって持ち上げ、連結部201を第2の本成形型702に差し込んで連結させる工程であってもよい。また前述の分離手段と同一の装置でもよく、別の装置を設けてもよい。
次に、第2のガラス板G2は、載せ替え手段によって予備成形型108から第2の本成形型702に載せ替えられる工程S607(以後、載せ替え工程S607という)を経る。
なお、載せ替え手段は任意の構成でよく、例えば第2のガラス板G2を棒で突き上げた後に支持アームによって第2のガラス板G2を支持して載せ替える構成などでもよい。
次に、第3のガラス板G3が載置手段によって予備成形型108に載置される工程S608(以後、載置工程S608という)を経る。
なお、載置手段は任意の構成でよく、前述の載せ替え手段と同一の装置でもよく、別の装置を設けてもよい。
次に、第2のガラス板G2は第2の本成形型702に載置された状態で、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S609(以後、第2のガラス板の本成形工程S609という)を経る。この時、第3のガラス板G3は、予備成形型108に載置された状態で、第2の本成形型702とヒータ109との間に配置され、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S610(以後、第3のガラス板の予備成形工程S610という)を経る。このようにすることで第3のガラス板G3が均熱板及び遮熱板として働き、第2のガラス板G2は、意図しない変形による光学的な歪が発生することをさらに抑制され、所望の湾曲形状に曲げ成形される。
その後、予備成形型108と第2の本成形型702は互いに分離され連動を解除される工程S611(以後、分離工程S611という)を経て、第2のガラス板G2は、第2の本成形型702に載置された状態で、徐冷ゾーン104による徐冷後、第2の本成形型702から取り出される工程S612(以後、取り出し工程S612という)を経る。
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態で得られる効果に加え、さらに、第2のガラス板G2が予備加熱によって加熱された状態をなるべく高い温度で保ったまま本成形工程へ進むことが可能となり、さらに省エネルギーで生産が可能となるため、設備稼働時の製造コストを削減できる効果がある。
なお、第2のガラス板の搬送工程S604を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、分離工程S603後、かつ第2のガラス板の本成形工程S609前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
予備成形型108と第2の本成形型702の連結工程S606を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、分離工程S603より後、かつ第2のガラス板の本成形工程S609前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
第2のガラス板の載せ替え工程S607を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第2のガラス板の予備成形工程S601後、かつ第2のガラス板の本成形工程S609前であれば、どのタイミングで行ってもよい。すなわち、分離工程S603を行う前に、第2のガラス板G2をまだ連結させていない第2の本成形型702に載せ替えてもよい。
第3のガラス板G3の載置工程S608を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、第2のガラス板G2の載せ替え工程S607後、かつ第2のガラス板の本成形工程609前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
<第3の実施形態>
図8及び図9は、第2のガラス板G2を予備加熱及び予備成形されたガラス板として本成形する場合の第3実施形態を示した図である。以下、第1、第2実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第1、第2実施形態と同様に、図8は製造方法のフロー図を示し、図9はそのフローの概念図であり、第2のガラス板G2を所望の湾曲形状に成形するまでの流れについての一例を説明する。
また、本実施形態において、成形型106は、第1の予備成形型901、第2の予備成形型902及び本成形型107とを備えている。第1の予備成形型901は、予備成形本成形兼用型であり(以後、第1の予備成形型901を、予備成形本成形兼用型901という)、本成形型107と同一の形状を有していることが好ましい。また、本実施形態では、第2の予備成形型902も予備成形本成形兼用型であり、成形型106全てが同じ形状である場合を示す。
また、予備成形本成形兼用型901は、本成形型107と連結する第1の結合部を備え、連結、分離可能である。
また、第2の予備成形型902は、予備成形本成形兼用型901と連結する第2の結合部を備え、連結、分離可能である。
なお、図8のフロー図において、矢印に沿った流れは、第2のガラス板G2が予備成形本成形兼用型901とともに辿る工程を示し、横方向に同じ位置にあり、かつ点線で囲われた二つの工程は、同じ工程内で行われるものとする。
なお、フロー図の当初においては、予備成形本成形兼用型901と本成形型107とが連結している。
まず、第2のガラス板G2は、予備成形本成形兼用型901に載置された状態で本成形型107とヒータ109との間に配置され、加熱炉101の成形ゾーン102を通過する工程S801(以後、第2のガラス板の予備成形工程S801という)を経る。このとき、同時に第1のガラス板G1は、本成形型107に載置され、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S802(以後、第1のガラス板の本成形工程S802という)を経る。ここで第2のガラス板G2は、第1のガラス板G1に対して均熱板及び遮熱板として働き、かつ第2のガラス板G2自身が予備加熱、予備成形される。
しかし、予備成形工程S801では、第2のガラス板G2は予備成形にとどまり、完全に予備成形本成形兼用型901のリングの形状に沿うように、所望の形状まで変形はされない。
次に、予備成形本成形兼用型901と本成形型107は、分離手段によって互いに分離される工程S803(以後、分離工程S803という)を経る。このようにすることで、予備成形本成形兼用型901と本成形型107とが連動を解除され、別々の工程に進むことができる。この効果は、第2実施形態で述べた通りである。
次に、第2のガラス板G2は、予備成形本成形兼用型901に載置された状態で、加熱炉前に搬送される工程S804(以後、搬送工程S804という)を経る。一方、第1のガラス板G1は、本成形型107に載置された状態で、徐冷ゾーン104による徐冷後、本成形型107から取り出される工程S805(以後、取り出し工程S805という)を経る。
次に、予備成形本成形兼用型901は、第2の予備成形型902と連結手段によって連結される工程S806(以後、連結工程S806ともいう)を経る。第2の予備成形型902は、成形ゾーン103におけるヒータ109と予備成形本成形兼用型901との間に配置されるように連結される。
次に、第5のガラス板G5が載置手段によって第2の予備成形型902に載置される工程S807(以後、載置工程S807という)を経る。
ここで、予備成形本成形兼用型901は、本成形型と同一の形状、即ち所望の形状の曲率を有しているため、第2のガラス板G2はそのまま載置された状態でよい。したがって、載せ替え工程を省略することができる。
さらに、載せ替え工程が省略されたことで、載せ替え工程に制約されずに載置工程S807を行うことができるため、例えば、搬送工程S804の間に、第2の予備成形型901の上に第3のガラス板G3を載置させるなど、載置工程S807は何かの工程と同時に行うことができる。その結果、連結工程S806で連結する第2の予備成形型902には、予め第3のガラス板G3を載せられた状態で連結工程S806を行うことが可能となり、その結果二つの工程を省略できる。
その後、第2のガラス板G2は予備成形本成形兼用型901に載置された状態で、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S808(以後、第2のガラス板の本成形工程S808という)を経る。この時、第3のガラス板G3は、第2の予備成形型902に載置された状態で、予備成形本成形兼用型901とヒータ109との間に配置され、加熱炉101の成形ゾーン103を通過する工程S809(以後、第3のガラス板の予備成形工程S809という)を経る。このようにすることで第3のガラス板G3が均熱板及び遮熱板として働き、第2のガラス板G2は、意図しない変形による光学的な歪が発生することがさらに抑制され、所望の湾曲形状に曲げ成形される。
その後、予備成形本成形兼用型901と第2の予備成形型902は互いに分離され連動を解除される工程S810(以後、分離工程S810という)を経て、第2のガラス板G2は、予備成形本成形兼用型901に載置された状態で、徐冷ゾーン104による徐冷後、予備成形本成形兼用型901から取り出される工程S811(以後、取り出し工程S811という)を経る。
以上のように本実施形態では、第2実施形態の効果に加え、さらに載せ替え工程を省略でき、かつ載置工程S807をいずれかの工程と平行して行うことができるため、二つの工程を省略することができる。
なお、第2のガラス板の搬送工程S804を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、分離工程S803後、かつ第2のガラス板の本成形工程S808前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
また、予備成形本成形兼用型901と第2の予備成形型902の連結工程S806を行うタイミングは、本実施形態に限定されず、分離工程S803より後、かつ第2のガラス板の本成形工程S808前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
<第1、第2、第3実施形態の変更例>
また、本実施形態では、第1、第2、第3実施形態において、加熱炉101を二周する構成を示したが、これに限定されない。すなわち、加熱炉101の炉後に別の加熱炉を設置し、その間において、分離工程S603、S803、取り出し工程S43、S605、S805、連結工程S606、S806、載せ替え工程S44、S607、載置工程S46、S608、S807が行われる構成であっても良い。この場合、搬送工程S45、S604、S804は省略することが可能となる。
また分離工程S603、S803、取り出し工程S43、S605、S805、連結工程S606、S806、載せ替え工程S44、S607、載置工程S46、S608、S807は、加熱炉の内外のいずれの場所で行われても良い。
さらに、第1のガラス板の予備成形工程S41、S601、S801から第2のガラス板の本成形工程S47、S609、S808の間に第2のガラス板G2の温度を保持ために、温度保持手段による温度保持工程を備えていても良い。例えば、搬送工程S45、S604、S804の通路を壁面で囲い、温度保持炉を設けても良い。
また、第1、第2実施形態では、予備成形型108の形状として、平坦なものを図示したが、これに限定されない。予備成形型108を曲率を有した形状、特に本成形型107と同一の形状とすれば、予備成形工程S41、S601において、最終的な所望の形状に近い形状まで予備成形できるため好ましい。
また、第2、第3実施形態では、分離工程S603、S803は、徐冷前に行う例を示したが、これに限定されない。例えば、徐冷ゾーン内で分離工程S603、S803を行うなど、徐冷と平行して行ってもよい。
また、第2のガラス板の予備成形工程S41、S601、S801において、第1のガラス板G1の代わりに、第1のガラス板G1を合わせガラス用外板とし、その上にさらにもう一枚、合わせガラス用内板として第4のガラス板を積層させたガラス積層体としても良い。
同様に、第3のガラス板G3の載置工程S46、S608、S807と同時に、第2のガラス板G2の上に、合わせガラス用内板として第5のガラス板を積層させ、第2のガラス板を合わせガラス用外板とし、第5のガラス板を合わせガラス用内板として同時に曲げ成形してもよい。
このとき、第4のガラス板と第2のガラス板G2、第5のガラス板と第3のガラス板G3は、互いに組成が異なり、第2のガラス板G2及び第3のガラス板G3の方がそれぞれ歪点などの熱特性が高い、または粘度が高いことが好ましい。
また、第2のガラス板G2の板厚は、第4のガラス板の板厚よりも厚いことが好ましい。同様に第3のガラス板G3の板厚は、第5のガラス板の板厚よりも厚いことが好ましい。好ましくは、第4、第5のガラス板の板厚よりもそれぞれ0.5mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上、1.0mm以上厚いことが望ましい。
このような第2のガラス板G2、第3のガラス板G3を用いることで、第4、第5のガラス板と同一の加熱炉内を通過させても、第4、第5のガラス板は一周目で所望の形状に成形され、第3のガラス板G3は一周目は予備加熱、予備成形にとどまり、二周目で所望の形状に成形される。
すなわち、この周期を繰り返して連続生産した場合、合わせガラス用外板(第2のガラス板G2、第3のガラス板G3)は予備成形工程、本成形工程と二段階で成形され、合わせガラス用内板(第4、第5のガラス板)は本成形工程のみで成形される。
また、第2のガラス板の本成形工程S47、S609、S808の後に、プレス型を使ってプレス成形し、所望の形状にしてもよい。
本発明は、加熱されたガラス板を成形型を用いて所望の湾曲形状に曲げ成形するガラス板の製造方法及びその湾曲ガラスを用いて製造された合わせガラスに関する。特に自動車用合わせガラスに好適に用いられるガラス板を提供する。
101 加熱炉
102 予熱ゾーン
103 成形ゾーン
104 徐冷ゾーン
105 台車
106 成形型
107 本成形型
108 予備成形型
109 ヒータ
110 黒色遮蔽膜
201 連結部
501 第1の黒色遮蔽膜
502 第2の黒色遮蔽膜
S31、S38、S601、S610、S801、S809 第2のガラス板の予備成形工程
S32、S602、S802 第1のガラス板の本成形工程
S37.S609、S808 第2のガラス板の本成形工程
S603、S611、S803、S810 分離工程
S35、S604、S804 搬送工程
S33、S39、S605、S612、S805、S811 取り出し工程
S606、S806 連結工程
S34、S607 載せ替え工程
S36、S608、S807 載置工程
701 第1の本成形型
702 第2の本成形型
901 第1の予備成形型(予備成形本成形兼用型)
902 第2の予備成形型
A 周辺領域
B 面中央領域
G1 第1のガラス板
G2 第2のガラス板
G3 第3のガラス板

Claims (14)

  1. 加熱源によって軟化点付近に加熱されたガラス板を、成形型上に載置して曲げ成形する湾曲ガラス板の製造方法において、
    前記ガラス板は、第1のガラス板と、第2のガラス板と、を備え、
    前記第1のガラス板を自重で所望の形状に曲げ成形する第1のガラス板の本成形工程と、
    前記第2のガラス板を自重で予備成形する第2のガラス板の予備成形工程と、
    前記予備成形された第2のガラス板を自重で所望の形状に曲げ成形する第2のガラス板の本成形工程と、
    を有し、
    前記第1のガラス板の本成形工程と前記第2のガラス板の予備成形工程は、同一の前記加熱源からの熱で同時に行われ
    前記第2のガラス板の予備成形工程は、前記第1のガラス板の本成形工程よりも前記加熱源に近い位置で行われる
    ことを特徴とする湾曲ガラス板の製造方法。
  2. 前記成形型は、本成形型と、予備成形型と、を備え、
    前記第1のガラス板の本成形工程は、前記本成形型上で行われ、
    前記第2のガラス板の予備成形工程は、前記予備成形型上で行われ、
    前記第1のガラス板の本成形工程及び前記第2のガラス板の予備成形工程後、かつ前記第2のガラス板の本成形工程前に、
    前記第1のガラス板を、前記本成形型から取り出す取り出し工程と、
    前記取り出し工程後に、前記第2のガラス板を前記予備成形型から前記本成形型に載せ替える載せ替え工程と、
    を有し、
    前記第2のガラス板の本成形工程は、前記本成形型上で行われる請求項に記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  3. 前記本成形型と前記予備成形型は同一形状である請求項に記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  4. 前記成形型は、第1の本成形型と、第2の本成形型と、予備成形型と、を備え、
    前記第1のガラス板の本成形工程は、前記第1の本成形型上で行われ、
    前記第2のガラス板の予備成形工程は、前記予備成形型上で行われ、
    前記第1のガラス板の本成形工程及び前記第2のガラス板の予備成形工程後、かつ前記第2のガラス板の本成形工程前に、
    前記予備成形型と前記第1の本成形型とを分離させる分離工程と、
    前記分離工程後、前記予備成形型と前記第2の本成形型とを連結させる連結工程と、
    前記連結工程後、前記第2のガラス板を前記予備成形型から前記第2の本成形型に載せ替える載せ替え工程と、
    を有し、
    前記第2のガラス板の本成形工程は、前記第2の本成形型上で行われる請求項1に記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  5. 前記分離工程後、第1のガラス板を徐冷する徐冷工程を備える請求項に記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  6. 前記第1の本成形型と前記第2の本成形型と前記予備成形型は同一形状である請求項4又は5に記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  7. 前記載せ替え工程後、前記予備成形型上に第3のガラス板を載置する載置工程を備える請求項2から6のいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  8. 前記第1のガラス板の本成形工程及び前記第2のガラス板の予備成形工程後、かつ前記第2のガラス板の本成形工程前に、前記第2のガラス板の温度を保持する温度保持工程を備える請求項2から7のいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  9. 前記第2のガラス板の予備成形工程は、前記第2のガラス板を、前記第2のガラス板の本成形工程における所望の形状のうち、10〜90%変形するように予備成形する請求項1からのいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  10. 前記第2のガラス板は、外周端から所定の幅にかけて黒色遮蔽膜を備え、
    前記予備成形工程は、前記黒色遮蔽膜の焼成工程を含む請求項1からのいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  11. 前記第1のガラス板と前記第2のガラス板は、互いに組成が異なる請求項1から10のいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  12. 前記第1のガラス板と前記第2のガラス板は、互いに板厚が異なる請求項1から11のいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  13. 前記第2のガラス板は、前記第1のガラス板よりも板厚が厚い請求項1から12のいずれかに記載の湾曲ガラス板の製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の湾曲ガラス板を用いて製造された合わせガラス。
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