JP6381295B2 - 撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影装置に関する。
従来から、対象物にX線を照射し、対象物を透過したX線の強度分布を検出して対象物のX線画像を得る装置が、工業用の非破壊検査や医療診断の分野で広く利用されている。このようなデジタルX線画像撮影装置は、半導体プロセス技術を利用したX線撮影装置である。具体的には、デジタルX線画像撮影装置の受光手段には、光電変換素子とスイッチング素子等から成る微小な画素が二次元状に配列され、該受光手段はシンチレータによりX線から変換された光を電気信号として検出する。このようなデジタルX線撮影装置の受光手段は、銀塩フィルムを使用した撮影システムに対して広いダイナミックレンジを有しており、より低線量でX線撮影画像を得ることができる。また、このようなデジタルX線撮影装置は、銀塩フィルムを使用した撮影システムとは異なり、化学的な処理を不要とし、即時的に撮影画像の出力をモニタ等で確認することが利点となる。
ところで、このようなデジタルX線撮影装置のX線検出器は、微弱なアナログ信号を検出するため、次のような問題が生じている。病院等の撮影室には、デジタルX線撮影装置と共にX線を発生する装置や他の診断検査装置が併設されている。すなわち、大電力系機器と極めて微弱な信号を扱う医療診断機器が共存する環境である。これらの大電力機器から不必要に発生したり漏れたりする不要電磁エネルギーが他の機器の作動妨害や誤作動という、いわゆる電磁波妨害(EMI)に関するトラブルを引き起こすことが、近年問題となっている。
デジタルX線撮影装置に対して影響を及ぼす外来性ノイズとしては、他の機器からの放射ノイズや伝導性ノイズが挙げられる。伝導性ノイズに関しては、電源系のフィルタ強化等により比較的容易に対策することが可能である。しかし、放射性ノイズは、空間に放射される電磁界ノイズであり、デジタルX線撮影装置の設置・使用状況により様々な方向から入射してくるため、対策が容易ではない。なかでも、大電力機器やインバータ式X線発生装置などは、比較的低い周波数帯域である1kHz〜100kHzの磁界ノイズを発生し、このような周波数帯域の交流磁界ノイズに対するシールド対策は、一般的にも難しい。
こうした交流磁界ノイズが、デジタルX線撮影装置のX線検出器に重畳された場合、撮影した画像に横縞上のノイズが周期的に現れる。この現象は、ラインノイズ又はラインアーチファクトと呼ばれている。これは、信号ラインをサンプルホールドする際に、外来の交流磁界による誘導ノイズが信号上に重畳し、このノイズと読み取り周期との位相関係が、ラインごとに順次ずれていくために、所定の周波数のビートとして撮影画像に現れるためである。ラインノイズは、撮影画像に重畳されるため、画像の品質を劣化させると共に医療用画像の場合には医師の誤診に繋がる恐れがあり、大きな問題となる。
このような状況の中、デジタルX線撮影装置において、微弱電流を扱う上で、内部電気部品や検出信号が外部からの電磁波ノイズの影響を受け難い構造とする必要性が高まっている。特に、デジタルX線撮影装置において、大電力機器等からの交流磁界ノイズである、比較的周波数帯域が低い1kHz〜100kHzの交流磁界ノイズの影響を受け難い構造とする必要性が高まっている。
従来、デジタルX線画像撮影装置の筺体においては、導電性、又は磁性を持つ外装筺体で完全に囲う6面の遮蔽構造とし、筺体内部には外来の磁界が侵入しないような遮蔽構造が提案されている。特許文献1では、散乱X線除去用のグリッド、グリッド保持部、及び筺体を導電性部材とし、全ての導通を得て電気的に密閉された構造を形成した筺体が提案されている。また、特許文献2では、外装筺体全体を高透磁率材料で囲う密閉構造の筺体が提案されている。
特開2004−177250号公報 特開2005−249658号公報
しかしながら、特許文献1で開示されるような、挿抜する散乱X線除去用グリット部にバネ性の部材等で導電を得る構造は、バネ性の経年劣化等により接触抵抗に変化が生じ完全な導通を得る事が難しく、接続信頼性に欠けている。また、経年変化等により導通を得られない場合には、隙間や開口がある事に等しくなってしまい、外来の磁界は筺体内部に侵入してしまうため、撮影画像にはノイズが現れてしまう。
また、特許文献2で開示されている構成では、製造上の組立性や市場でのメンテナンス性から、密閉構造にすることは困難である。また1kHz〜100kHz帯域の比較的低い周波数帯域の交流磁界に対しては、密閉構造とする高透磁率材料が1〜3mm以上の厚さを必要とするため、製品全体のコストが著しく高くなってしまい、さらに、重量も大幅に増加してしまう等の問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮影装置の筺体に隙間や開口が形成されている構造であっても、筺体の内部に収納された画像検出器が外部ノイズの影響を受け難い撮影装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の撮影装置は以下の構成を有する。すなわち、放射線を検出する画像検出器と、前記画像検出器を内部に収納する筐体とからなる撮影装置であって、前記筐体は、非磁性の金属からなり、前記筺体の側面には、電気的又は物理的な開口が形成され、前記筐体の内部であって、前記放射線の入射方向から見て、前記画像検出器の背面側に、平面状の磁性材が配置されていることを特徴とする。
本発明よれば、撮影装置の筺体に隙間や開口が形成されている構造であっても、筺体の内部に収納された画像検出器が外部ノイズの影響を受け難い撮影装置を提供することが可能となる。
第1実施形態による撮影装置の構造を示す図。 第1実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図。 第1実施形態による筺体構造の作用を説明する図。 応用例1−1による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−1の効果を説明する図。 応用例1−2による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−2による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−3による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−3による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−4による撮影装置の構造を示す図。 応用例1−4による撮影装置の構造を示す図。 第2実施形態による画像撮影装置の構造を示す図。 第2実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図。 第2実施形態による筺体構造の作用を説明する図。 第3実施形態による撮影装置の構造を示す図。 第3実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図。 第3の実施形態による筺体構造の作用を説明する図。 応用例3−1による撮影装置の構造を示す図。 応用例3−1による効果を説明する図。 応用例3−2による撮影装置の構造を示す図。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態による撮影装置の構造を示す。画像検出器1は、対面する位置に撮影面5を有する導電性の筺体2に収納され、筺体2は側面に開口3を形成し、開口3に対向する側面にも開口3’が形成されている。なお、本実施形態において筺体の周縁部に形成される電気的または物理的な開口は、他の領域に比べて磁気遮蔽能力が低い部分の一例である。したがって、他の領域に比べて磁気遮蔽能力が低い部分であれば、開口以外の他の構成としてもよい。画像検出器1はデジタル放射線画像データを得る装置であり、例えばX線検出器である。画像検出器1の背面には、画像検出器1の投影面積よりも広い面状の磁性材4が配置されている。本実施形態において、筺体2は、アルミやステンレス、鋼鈑等の一般的に製品の外装筺体で用いられる導電性金属で構成されている。また、磁性材4は、周波数1kHz〜100kHzの帯域で比透磁率1000以上〜20万までの比透磁率を有する磁性材であるパーマロイやアモルファス合金、ファインメット(登録商標)、フェライト等を用いて構成される。
次に、図2(a)〜(c)を用いて、外部から筺体内部に入射した磁界のベクトル成分について説明する。図2(a)〜(c)は、本実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図である。以下、外部からの磁界が入射された場合に、筺体内部に侵入してくる磁界を説明するため、図2(a)〜(c)では、図1と比較して筺体2の内部に収納される画像検出器1及び磁性材4が省略されている。
画像撮影装置には、周辺に設置されている機器や大電力機器から磁界が放射されていたり磁界が漏れている影響のため、設置位置や使用状況によって、様々な方向からの磁界が入射する。実際に筐体内部に入射する磁界は交流成分であるが、図中では、説明を判り易くするため、一方向の矢印で磁界ベクトルを表現し、X、Y、Zによる三軸の空間ベクトルで外部からの磁界を説明する。なお、以下の説明では、撮影面5に垂直に入射する垂直成分の磁界をZ成分とし、Z成分に直交し、筺体2の側面に垂直に入射する磁界成分をX、Y成分とする。
図2(a)は、実線矢印のように、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界が筺体2に照射された場合を示している。図2(a)において、実線矢印のように、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界が照射された場合、該磁界は、撮影面5及び撮影面5の裏面において、画像検出器1よりも広くプレート状になる。このため、撮影面5及び撮影面5の裏面の筺体2に、レンツの法則により渦電流が発生する。この渦電流は、照射された磁界を打ち消す方向に、破線矢印に示す磁界を発生し、撮影面5に入射しようとするZ成分の磁界を打ち消す。このため、筺体2の内部の磁界強度は高くならない。すなわち、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界は、筺体2の内部には侵入しづらい構造であり、筺体2の内部に収納された画像検出器1へ到達する磁界成分は抑制される。
図2(b)は、実線矢印のように、筺体2の側面にある開口3、及び開口3’に垂直に入射するX成分の磁界が筺体2に照射された場合を示している。開口3’に垂直に入射するX成分の磁界が照射されると、開口3’には対向面に開口3があるため、開口3’からは磁界が筺体内部に侵入し、図中の破線矢印のように筺体内部の空間を通過し開口3から筺体の外部へ磁界は通り抜けていく。このように、筺体2において対向する側面に開口3’及び開口3が形成される場合には、開口3’及び開口3を出入口として、外来性の磁界は筺体2の内部へ侵入し、筺体内を通過する事になる。よって、筺体2の内部の画像検出器1には外部からの磁界が到達し、撮影画像にノイズが現れてしまう。
図2(c)は、実線矢印のように、筺体2の側面にある開口3及び開口3’の長手方向に、図の手前側から水平に入射するY成分の磁界が照射された場合を示している。Y成分の磁界は、側面にある開口3及び開口3’の長手方向に水平のベクトル成分であるが、開口3及び開口3’の図中手前側となる長手方向の端部から、破線矢印で示すように筺体内部にY成分の磁界が侵入してくる。詳細の説明は省略するが、外部磁界の照射により、筺体2の開口3及び開口3’の周囲に集中する渦電流の影響で、該開口に水平の磁界成分が、図中破線矢印で示すように筺体内部へ侵入してしまう。筺体2の内部へ侵入した磁界は、開口3及び開口3’の図中奥から筺体2の外部へ通り抜けていく。
以上説明したように、対向する側面に開口3及び開口3’が形成される筺体2では、水平磁界であるX、Y成分の磁界が、開口3及び開口3’から筺体2の内部に侵入する磁界成分となる。このX,Y成分の磁界が筺体2の内部の画像検出器1に到達してしまうと、背景技術で説明したように、撮影した画像に横縞上のノイズが周期的に現れてしまうという問題が起こる。これに対し、本実施形態では、図1に示したように、筺体2の内部に、画像検出器1の投影面積よりも広い面積を有する磁性材4が配置されることを特徴とする。
次に、本実施形態における作用を、図3(a)〜(b)を用いて説明する。図3(a)〜(b)は、本実施形態における筺体構造の作用を説明する図であり、X成分の磁界が照射された場合の磁界ベクトルを破線矢印を用いて概略的に示している。図3(a)は、図1に示した筐体構造において、画像検出器1の背面に磁性材4が配置されない構造を示している。図3(b)は、図1に示した筐体の構造と同様に、画像検出器1の背面に画像検出器1の投影面積よりも広い面積を有する磁性材4が配置された構造を示している。
図3の(a)では、開口3’から侵入した磁界は、開口3’を通過した後、筺体2の内部の空間で広がり、筺体2の内部を通過して、開口3で集中し、筺体2の外部へ通り抜けていく。その際に、筺体2内に収納された画像検出器1に磁界が重畳してしまうと、撮影画像にノイズが現れてしまう。
一方、図3(b)でも、図3(a)と同様に開口3’からは磁界は侵入してくるが、画像検出器1の背面には、画像検出器1の投影面積よりも広い面積を有する磁性材4が配置されている。よって、図3(b)の破線矢印のように、開口部3’から画像検出器1の端部までの空間で筺体2の内部に侵入してきた磁界を磁性材4に吸い寄せる作用が発生する。すなわち、開口3’から侵入してきた磁界は、画像検出器1の背面に配置した磁性材4へ吸い寄せられる。磁性材4に吸い寄せられた磁界は、画像検出器1の背面に配置された磁性材4を磁路として開口3’の側面に対向する開口3側まで磁性材4を迂回していく。磁性材4を磁路として迂回してきた磁界は、画像検出器1の端部と開口3の空間で磁路である磁性材4を離れ、開口3から筺体2の外部へ出ていく。
このように、本実施形態では、画像検出器1の背面に画像検出器1の投影面積よりも広い面積を有する磁性材4が配置される。これにより、開口3’から筺体内に侵入した磁界は、磁性材4により画像検出器1の手前で引き寄せられ、画像検出器1の背面の磁性材4を迂回していくため、画像検出器1に到達する磁界は低減される。なお、ここでは説明を省略するが、図2(c)で説明したような、Y成分の磁界が照射された場合でも、磁性材4は、開口3’から侵入した磁界を引き寄せる作用と、画像検出器1の背面を迂回させる作用があるため、画像検出器1に到達する磁界は低減される。
次に、上記の第1実施形態の応用例を以下に説明する。以下では、応用例として、側面開口から侵入する水平成分の磁界に対して、磁性材4へ引き寄せ、迂回させる効果をより高めるたの構成を説明する。なお、図4、図6〜11に示す撮影装置は、据置型デジタルX線撮影装置である。
[応用例1−1]
図4に、応用例1−1による撮影装置の構造を示す。図4に示す撮影装置は、以下に述べるように、実際に効果を検証済である。図4において、撮影装置は、画像検出器1を収納する下箱筺体2−1と上箱筺体2−2を有する。下箱筺体2−1と上箱筺体2−2は、導電性材料で構成されている。また、上箱筺体2−2は、撮影面5を有する。上箱筺体2−2の撮影面5の開口部には、以下に述べるようにX線透過材料で作られたプラスチック材が勘合されている。
画像検出器1の背面には、画像検出器1の投影面積よりも広い磁性材4が配置されている。開口3、開口3’は、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2の重なり合う隙間である。ネジ13は、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2が重なり合う側面の対向する二面を勘合(結合)する。この状態により、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2の導通が得られる。勘合するネジ13が外されると、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2は容易に取り外すことが可能である。また、下箱筺体2−1の内側と上箱筺体2−2の外側の各四辺は、ネジ13による勘合部分以外は、1mm〜3mm程度の幅の隙間が設けられており、筺体内部は外部との通気性が確保され内部には熱がこもり難い構造となっている。
上箱筺体2−2の撮影面5の開口部の外側には、X線透過率の優れるCFRP6(Carbon Fiber Reindorced Plastic)が勘合されている。開口部の内側は、X線透過率が優れ、電気抵抗値の低いアルミシート7で覆われ、開口部の四辺で上箱筺体2−2と導通を得る構成となっている。
ここで、CFRP6とアルミシート7が使用される理由を説明する。X線入射面は、撮影時に患者が直接接触し加重が加わる可能性もあり、加重に対して塑性変形が生じないように、強度及び弾性に優れた特性を持つCFRPが適している。CFRPは、カーボンを含有するため、電気抵抗値は低いが金属に比較しては明らかに電気抵抗値は高くシールド構造とならない。そして、筺体の内側からはX線透過率が優れ、電気抵抗値の低いアルミシート7で覆い、開口部の四辺で上箱筺体と導通を得る構成となっている。なお、撮影面5の開口部を上箱筺体2−2の内側から覆うアルミシートに7に関しては、X線の減衰率を抑えるため、一般に30μm程度の厚みのものが使われている。
補足として記載するが、上箱筺体2−2のX線入射面の開口部に関しては、開口部を内側から覆うアルミシートが開口部の四辺で非磁性の金属筺体(上箱筺体2−2)と導通を得られているため、水平成分の磁界(X、Y成分の磁界)は遮蔽されている。この開口部にアルミシートが無い場合は、水平成分の磁界が照射されると、非磁性金属の筺体に発生する渦電流が開口周囲に集中し、渦電流により発生する磁界により筺体内部に磁界が侵入してきてしまう。
本応用例においては、上箱筺体2−2のX線入射面の開口部には、アルミシートが筺体と導通されているため、上箱筺体2−2の開口部からの水平成分の磁界侵入は無く、上箱筺体2−2と下箱筺体2−1の重なり合う側面の四辺の開口からの水平磁界の侵入に限定される。よって、図4に示す撮影装置の構造図では、外来性の磁界が侵入する開口は、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2の重なり合う隙間である開口3、開口3’である。なお、図4は、断面図のため、開口部分は開口3、開口3’の記載のみであるが、実際に水平磁界が侵入する開口は、側面の四辺全てに形成される。
本応用例の効果を検証するため、外来性の磁界として、株式会社テセック製の1m四方のループコイルに26kHzの正弦波電流を印加して、水平成分の磁界を本応用例による撮影装置に照射した。そして、撮影画像に現れる画像ノイズ量を比較した。また、磁性材4として、日立金属株式会社製の高透磁率材料であるファインメット(登録商標)を配置した。実際には、画像検出器1の背面に、画像検出器1の投影面積よりも広く厚さ18μmのファインメットシートを、磁性材4として1枚配置した。画像ノイズ量比較の結果、ファインメットシートを配置しない場合の画像ノイズ量を100%とすると、ファインメットシートを配置した場合の画像ノイズ量は37%まで低減し、63%の画像ノイズ低減効果が確認された。
次に、磁性材4の比透磁率による筺体内部に到達する外来磁界ノイズの低減効果を検証するため、三次元電磁界による数値解析を行った。解析に用いたソフトウエアは、ANSYS社が市販しているMaxwell 3Dであり、該ソフトウェアを使用して筺体内部に侵入する磁界強度を算出した。解析に当たり、実測と同様に、図4に示す撮影装置の筺体のモデル及び外来性の水平成分の磁界を照射する1m四方のループコイルをモデル化し、筺体内部に到達する磁束密度を周波数26kHzと設定した。
解析結果を図5に示す。図5は、筺体内に磁性材を配置しない場合の筺体内部の磁束密度を100%として、比透磁率をパラメータに筺体内部の磁束密度の低減率を示すグラフである。図5から、比透磁率が高くなるにつれて、筺体内部の到達磁界は低減する事がわかる。磁性材が無い場合に対し、比透磁率が3000で筺体内部に到達する磁束密度が50%以下となる結果が得られた。なお、図5の解析結果は、筺体内部に到達する磁束密度が周波数26kHzの場合の結果であるが、この磁束密度の周波数が1kHz〜100kHzの帯域の場合であっても、同様の結果が得られる。よって少なくとも、筺体内部に到達する磁束密度の周波数が1kHz〜100kHzの帯域において、磁性材4の比透磁率が1000〜20万の場合に効果が得られることが確認されている。
[応用例1−2]
図6及び図7に、応用例1−2による撮影装置の構造を示す。以下、応用例1−1を説明した図4と異なる点を主に説明する。図6及び図7では、画像検出器1の背面に配置された磁性材4の端部が、下箱筺体2−1の内側の側面の開口に向かって立ち上がった構造で配置されている。
図6では、画像検出器1の背面に配置された磁性材4が、下箱筺体2−1の開口が形成されている側面に対して下箱筺体2−1の側面内壁に沿って垂直に折り曲げられて側面の開口に向けて立ち上がった構造で配置されている。また、図7は、画像検出器1の背面に配置された磁性材4が、下箱筺体2−1の開口が形成されている側面に対して画像検出器1の端部で折り曲げられて、開口に向けて立ち上がった構造で配置されている。
画像ノイズ量を検証するため、本応用例では、磁性材4として、応用例1−1で述べた材料と同じ材料である18μmの厚みのシート状ファインメットを折り曲げて側面の開口に向かって立ち上げて配置した。このような配置において、応用例1−1と同様に、撮影装置に水平成分の磁界を照射して撮影画像の画像ノイズ量を比較した。画像ノイズ量比較の結果、ファインメットシートを配置しない場合の画像ノイズ量を100%として、図6及び図7の構成に配置した場合の画像ノイズ量はどちらも30%まで低減し、70%の低減効果が確認された。
磁性材4は、下箱筺体2−1の内側の側面の開口に向かって立ち上がった構造で配置されることで磁界を吸い寄せる効果が向上する。これにより、画像検出器1に到達する磁界が減少するため撮影画像の画像ノイズ量も低減した。なお、下箱筺体2−1の側面の開口に向かって配置される磁性材4は、画像検出器1の背面の磁性材4を折り曲げて1枚で構成した場合と、背面の磁性材4とは分割して背面と側面に分割して配置する場合においても、ノイズ低減量は同等であったため、分割にする構成でも構わない。ただし、分割構成する場合には、磁性材4磁界を迂回させるための磁路を形成しているため、磁気インピーダンスが高くならないように近づけて配置する事が望ましい。
[応用例1−3]
図8及び図9に、応用例1−3による撮影装置の構造を示す。以下、応用例1−2を説明した図6と異なる点を主に説明する。図6で画像検出器1の背面に配置された磁性材4は、折り曲げられて、端部が下箱筺体2−1の側面の開口に向かうように立ち上げられて配置されていたのに対し、図8では、磁性材4が下箱筺体2−1の側面の開口の内側端部となる図中A点まで配置されている。
検証を行ったデジタルX線撮影装置では、下箱筺体2−1の側面の内壁の高さは3cmであり、磁性材4は、下箱筺体2−1の側面の内壁に沿って垂直に折り曲げられて、側面の開口に向けて配置されている。図8に示した構成において、磁性材4の高さを変えて、応用例1−1及び応用例1−2と同様に、画像ノイズ量を検討した。画像ノイズ量比較の結果、応用例1−1である磁性材4を背面に配置しただけの場合に対して、本応用例において、磁性材4を背面から1cmの高さにした場合には−2%、2cmとした場合には−7%、3cmとした場合には−17%の低減効果が確認された。
以上の効果から、側面の開口へ向けた磁性材4は、画像検出器1の背面に配置した磁性材4の平坦部よりも高くすることで筺体側面の開口から筺体内に侵入した磁界をより引き寄せる効果が高まることが分かった。なお、最大の効果が得られるのは、図8に示したように、磁性材4を、下箱筺体2−1の側面の開口部の内側端部となるA点の高さにすることである。しかし、組立性を考慮し、下箱筺体2−1の側面の内壁の高さである3cmに対して磁性材4の加工精度±1mmの高さであれば、画像検出器へ到達する外来性ノイズが低減される事が確認された。
図9は、図8とは画像検出器1を収納する筺体の構造が異なる。具体的には、図9では、図8と比較して、画像検出器1を収納する下箱筺体2−1が上箱筺体2−2よりもサイズが大きい構造が示されている。図9に示す筺体の構造では、画像検出器1の背面に配置された磁性材4は、下箱筺体2−1の側面の開口へ向かって配置され、下箱筺体2−1及び上箱筺体2−2の重なりあう開口3及び開口3’の中に配置されている。
図9に示す筺体の構造において、下箱筺体2−1の内側の側面における磁性材4の高さをパラメータとして、三次元電磁界による数値解析を行った。解析に用いたソフトウェアは、応用例1−1と同様、Maxwell 3Dであり、該ソフトウェアを使用して筺体内部に侵入する磁界強度を算出し比較した。なお、配置された磁性材4の比透磁率は、15000に設定されている。検証に当たり、側面における磁性材4の高さとして、図9に示すように開口の内側の端部Aの高さ、開口の外側の端部Bの高さ、内側の端部Aと外側の端部Bの中間の高さ、の3つのモデルを作成した。
検証の結果、側面の磁性材4の高さを内側の端部Aまで配置した場合の筺体内部の磁界強度を100%とした場合、内側の端部Aと外側の端部Bの中間の高さでは150%まで高くなり、外側の端部Bの高さまで配置すると225%まで増加する結果となった。これは、磁性材4が開口の内側の端部よりも高く開口の内部にまで配置してしまうと、磁性材4を配置しない場合に開口から筺体に侵入する以上の余分な外来性磁界まで磁性材4が引き寄せてしまい、筺体内部の磁界強度は悪化する結果である。よって、側面の磁性材4は、開口の内側の端部まで配置する事が筺体内部に侵入した磁界を引き寄せる効果が最大となり、画像検出器1に到達する磁界を低減する事が可能となることが確認された。
[応用例1−4]
図10に、応用例1−4による撮影装置の構造を示す。以下、応用例1−1を説明した図4と異なる点を主に説明する。図10では、図4の画像検出器1の背面に配置され、折り曲げて側面の開口に向かって配置された磁性材4の枚数を増やし重ね合わせて配置されている。すなわち、本応用例の構成は、磁性材4が、下箱筺体2−1の側面の開口に向かって配置され、かつ、磁性材4の枚数を増やす構成である。
このような構成において、応用例1−1と同様に、撮影装置に水平成分の磁界を照射して撮影画像の画像ノイズ量を比較した。側面に配置された磁性材4が0枚の場合、即ち画像検出器1の背面にのみ磁性材4がある場合を100%として、側面に磁性材4が1枚、3枚、5枚配置して場合の低減効果を検証した。画像ノイズ量比較の結果、開口の内側端部まで配置した磁性材4が1枚配置の場合は、83%にノイズ量は低減し、3枚配置の場合は73%まで低減し、5枚の場合は70%まで低減する事が確認された。以上のことから、筺体の側面開口に向かって配置された磁性材4は、少なくとも一部分において重ね合わせて厚みを増すに従って、開口から侵入する磁界を引き寄せる効果が増し、画像検出器1に到達する磁界を低減する事が可能となる。
また、筺体側面の開口に向かって配置する磁性材4が無く、画像検出器背面にのみ配置した磁性材4の枚数を増やしても同様の効果がある。応用例1−1で説明した画像検出器1の背面に配置した18μmのファインメットが1枚の場合の画像ノイズ量を100%とすると背面に2枚配置した場合には64%まで低減した。以上のことから、画像検出器1の背面に配置する磁性材4、及び筺体側面の開口に向けて配置する磁性材4は、重ね合わせて枚数を増やす程開口から侵入する磁界を引き寄せる効果が増して、画像検出器1に到達する磁界を低減する事が可能となる。また、背面に配置する磁性材4及び側面の磁性材4は、どちらも枚数を増やしても低減効果は増し、どちらか一方の枚数を増やすことでも画像検出器1に到達する磁界を低減する効果が増す。また、磁性材4の厚みを増すことでも同様の効果が期待できるが、導電性の高い磁性材では同じ厚みであれば、薄い材料で枚数を増やした方が磁界を引き寄せる効果が高い。
[応用例1−5]
図11に、応用例1−5による撮影装置の構造を示す。以下、応用例1−1を説明した図4と異なる点を主に説明する。なお、図11は、図4の画像検出器1を詳細に記載した図である。画像検出器1は、シンチレータ8、図示しない光電変換素子を基板9を積層して形成されている。基板9は半導体素子との化学作用のないこと、半導体プロセスの温度に耐えること、寸法安定性等の必要性からガラス板が多く用いられる。このような基板上に、光電変換素子が半導体プロセスにより二次元配列的に形成されている。シンチレータ8は例えば金属化合物の蛍光体を樹脂板に塗布したものが用いられ基台に一体化され固定されている。ここで、シンチレータ8と基板9の積層順は問わない。
そして、支持基台10の裏面には、光電変換された電気信号を処理する電子部品で構成される駆動回路部となる信号処理部や電源回路部を実装した回路基板11が配置され、フレキシブルプリント回路基板12によって基板9と接続されて支持基台10に固定されている。このフレキシブルプリント回路基板12上には、TCP(Tape carrier package)と称し、二次元配列された光電変換素子の図示しない読み取り駆動用のドライバIC、光電変換された微弱な電気信号を増幅するアンプICの半導体素子が実装されている。
画像検出器1において、特に基板9、回路基板11及びフレキシブルプリント回路基板12では微弱なアナログ信号を扱っているため、外来性の磁界が重畳した場合には撮影した画像にはノイズ現れてしまう。よって、画像検出器1の、特に基板9、回路基板11l及びフレキシブルプリント回路基板12に導電性筺体側面の開口から侵入する磁界が到達し画像信号に重畳しないように、以下のような構成としている。
画像検出器1の背面に、画像検出器1の投影面積よりも面積が広く、周波数1kHz〜100kHzで比透磁率が1000〜20万の磁性材を配置する。以上の構成とすることで、側面の開口から侵入する磁界は、磁性材に引き寄せられ、画像検出器1の背面を迂回させることが可能となる。これにより、画像検出器に到達する磁界を低減させ、撮影画像のノイズも低減するという効果が生じる。
[第2実施形態]
図12に、第2実施形態による画像撮影装置の構造を示す。第1実施形態で説明した図1に示す構造と異なる点は、導電性の筺体2の有する側面が開口3のみの点である。また、磁性材4は、筺体の側面の開口から画像検出器1の半分まで画像検出器1の背面に配置されている。なお、磁性材4は図12のような配置に限られず、筺体の側面の開口から画像検出器1の略半分まで画像検出器1の背面に配置されるようにしてもよい。
据置型のX線撮影装置では、撮影する被写体や部位によって、筺体内部に散乱X線除去用のグリッドを挿抜するために筺体側面に開口が設けられている。第1実施形態では、応用例1−1から応用例1−5において説明したように、上箱筺体と下箱筺体が重ね合わさる側面四辺の開口から水平成分の磁界が筺体内へ侵入する例で説明した。第2の実施形態では、上箱筺体と下箱筺体が重ね合わさる側面四辺の開口は、水平成分の磁界が侵入しないように溶接等で導通を得て開口を遮蔽してしまい、散乱X線除去用グリッドを挿抜するための開口が側面の一辺にある筺体の構造について説明する。なお、この構成は、防水性・防塵性を高めた製品等を想定している。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、まず外部から磁界が入射された場合において筺体内部に侵入してくる外部磁界を図13(a)〜(c)を用いて説明する。図13(a)〜(c)は、本実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図である。
図13(a)は、実線矢印のように、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界が照射された場合を示している。図13(a)では、第1実施形態における図2(a)の説明と同様に、Z成分の磁界が筺体2に入射すると、撮影面及び撮影面裏面に流れる渦電流が発生する反磁界でZ成分の磁界を打ち消すため、筺体2の内部の磁界強度は高くならない。
図13(b)は、筺体2の側面にある開口3に垂直に入射するX成分の磁界が入射された場合を示している。図13(b)では、開口3の対向面に開口3’が無いため、開口3に対向する側面に流れる渦電流が発生する反磁界によりX成分の磁界を打ち消し、筺体2の内部の磁界強度は高くならない。X成分の外来性磁界は、筺体2の対向する側面に開口が形成されている場合(図2の例)には、開口3、及び開口3’を出入口として外来性の磁界は筺体2の内部へ侵入してしまった。しかし、図13(b)のように側面に開口が1つ形成されている場合には、開口3に垂直に入射するX成分は筺体2の内部には侵入しない。
図13(c)は、筺体2の側面に形成されている開口3の長手方向に水平に入射するY成分の磁界が照射された場合について説明する図である。第1実施形態の説明と同様となるが、図13(c)で示すように開口3の図中手前側から筺体2の内部にY成分の磁界は侵入し、破線矢印で記したように開口3の図中奥から筺体2の外部へ通り抜けていく。
以上の事から、図12のように筺体2に形成されている側面開口が側面の一辺のみの場合には、開口3から侵入する磁界成分は、開口3の長手方向に水平に入射するY成分の磁界に限定される。さらに、側面開口が側面の一辺のみにある場合には、筺体2へ侵入する磁界と筺体2から外部へ磁界が出ていく開口が開口3と同じため、開口3付近の磁界強度が高くなり、開口3から奥へ行くほど磁界強度は高くならない。これは、第1の実施形態とは異なり、対向する側面には開口が無いため、第1の実施形態で説明したX成分の様に開口から別の開口へ筺体の内部を通過する成分が無いためである。
次に、第2実施形態における作用を図14を用いて説明する。図14は、筺体構造の作用を説明する図である。図14は、図12のような開口3が形成されている筺体構造の側面からの面視図であり、説明を判り易くするため、画像検出器1及び磁性材4は透視した図とした。画像検出器1の背面には、側面の開口部3から画像検出器1の半分の面積となる半面まで磁性材4が配置されている。なお、図示されているように、図14はY−Z平面で描かれている。
図14では、開口3の長手方向に水平に入射するY成分の磁界ベクトルが実線で記載され、開口部から侵入した磁界のベクトルが破線矢印で記載されている。図14では、開口3の長手方向に水平に入射するY成分の磁界が、破線矢印で示すように開口3の図中左側から筺体2の内部にY成分の磁界は侵入し、開口3の図中右から筺体外部へ通り抜けていく。
図14では、開口3の図中左側から筺体2の内部にY成分の磁界が侵入してくるが、開口3が形成されている側面から画像検出器1の半面まで磁性材4が配置されているため、開口3を通り抜けた磁界は、開口3から画像検出器までの間に画像磁性材4によって吸い寄せられる。磁性材4に吸い寄せられた磁界は、画像検出器1の背面の磁性材4を磁路として迂回し開口3の図中奥から筺体2の外部へ通り抜けていく。このため、画像検出器1に到達する磁界は低減される。磁性材4を配置していない場合には、開口3から侵入した磁界は画像検出器1にも到達してしまい、撮影画像にはノイズが現れてしまう。
図14の筺体構造によるノイズ低減効果を、数値解析により側面の開口から画像検出器1の半分まで画像検出器1の背面に磁性材4を配置した場合による筺体内部の磁界強度により確認した。解析に用いたソフトウェアとして、前述の応用例1−1において記載したMaxwell 3Dを使用して筺体内部の磁界強度を算出し比較した。解析に当たり、磁性材4は、比透磁率を15000と設定し、厚みを18μm、516mm×273mmとした。また、側面の開口3は、長手方向のサイズ440mm、高さ19mmの開口とした。解析の結果、側面の開口から画像検出器1の半分まで画像検出器1の背面に磁性材4を配置しない場合の筺体内部の磁界強度を100%とした場合、磁性材4を配置した場合には50%にまで磁界強度は低減する事が確認された。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、側面の開口から筺体内部に侵入する磁界に対して、画像検出器1の背面に配置された磁性材4によって外部からの磁界が画像検出器に到達する前に引き寄せ、迂回する作用は同様である。よって、第1実施形態で述べた応用例は、第2実施形態においても同様に適用でき、開口から侵入する磁界を磁性材へ引き寄せる効果をより高め、画像検出器に到達する磁界を低減する事が可能である。
すなわち、第2実施形態においても、磁性材4は、開口3を有する側面に対して筺体2の内側で開口に向かって配置することで磁界を吸い寄せる効果が向上し、画像検出器1に到達する磁界が減少するため撮影画像のノイズ量も低減する。また、画像検出器1の背面に配置した磁性材4を折り曲げて側面の開口に向かって配置した磁性材4を側面の開口の内側端部まで配置する事で、筺体2に侵入した磁界をより引き寄せる効果が高まる。さらに、画像検出器1の背面の磁性材4及び側面の磁性材4は、どちらも枚数を増やしても効果があり、どちらか一方の枚数を増やしても画像検出器に到達する磁界を低減する事が可能である。
[第3実施形態]
図15(a)〜(b)に、第3実施形態による撮影装置の構造を示す。図15(a)は、本実施形態による撮影装置の筺体側面から見た断面図であり、図15(b)は、本実施形態による本撮影装置の撮影面からの透視図である。本実施形態による撮影装置の筺体構造は、面状の画像検出器1を収納する導電性の筺体2と、撮影面5を有する導電性の筺体2’で構成されている。
筺体2は、面状の画像検出器を収納するため、底面と側面4辺を有する下箱構成である。また、筺体2’は、X線を受光する撮影面5と側面4辺を有する上箱構成である。筺体2’は、筺体2を覆う構造で構成されている。筺体2と筺体2’は、側面4辺で重なりあう構造となっており、側面4辺には、筺体2と筺体2’を物理的に固定し電気的に導通を得るネジ13以外は側面の4辺に開口が形成されている構造となっている。磁性材4は、上記の筐体2及び筐体2’で構成される筐体内に収納される画像検出器1の外周よりも外側の側面4辺に配置されている。磁性材4は、筺体2の側面の内側において、磁性材4の端部が筺体2の内側の側面の開口端部から筺体2の底面に向かうように配置されている。
なお、筺体2及び導電性筐体2’は、アルミ、ステンレス、鋼鈑等、一般的に製品の外装筺体で用いられる導電性金属で構成されている。また、磁性材4は、周波数1kHz〜100kHzの帯域で比透磁率1000以上〜20万までの比透磁率を有する磁性材であるパーマロイやアモルファス合金、ファインメット(登録商標)、フェライト等を用いて構成されている。
次に、図15で説明した筺体構造を有する撮影装置において、外部から磁界が入射された場合において筺体内部に侵入していくる磁界を、図16を用いて説明する。図16は、本実施形態における外来性の磁界ノイズの影響を説明する図である。図16では、外部からの磁界が入射された場合の筺体内部に侵入してくる磁界を説明するため、図15と比較して筺体2の内部に収納される画像検出器1及び磁性材4は省略されている。また、外来性の磁界ノイズの影響として、撮影装置に入射する外来磁界のベクトル成分について説明する
撮影装置には、周辺に設置されている機器や大電力機器から磁界が放射されていたり、磁界が漏れている影響のため、設置位置や使用状況によって、様々な方向からの磁界が入射する。ここでは、説明を判り易くするため、X、Y、Zによる三軸の空間ベクトルを用いて、外部からの磁界を説明する。本実施形態では、撮影面5に垂直に入射する垂直成分の磁界をZ成分とし、Z成分に直交し、筺体側面に垂直に入射する磁界成分をX、Y成分とする。また、本実施形態による筐体は、撮影面から見た左右及び上下の構造が対象構造であるため、筐体側面から入射した場合の筐体内部に侵入する磁界のX成分とY成分は同等である。そのため、筺体側面に垂直に入射する磁界成分は、便宜上X成分のみを説明する。
図16(a)は、撮影面5から垂直に入射するZ成分の磁界(実線矢印)が照射された場合について説明する図であり、筺体側面から見た断面図を示している。なお、入射する磁界は交流成分であるが、図中では、便宜上1方向の矢印で磁界ベクトルを表現し、筺体内にどのような成分の磁界が侵入してくるかを説明する。図16(a)に示すように、実線矢印のように撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界が照射した場合、その磁界は、撮影面5及び撮影面裏面となる導電性筐体2の底面に、筺体内部に収納された画像検出器の投影面積よりも広くプレート状に存在する。このため、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界が筺体2へ照射された場合には、撮影面5及び筐体底面となる筺体2に、レンツの法則により渦電流が発生する。この渦電流は、照射された磁界を打ち消す方向に破線矢印に示す磁界を発生し、撮影面に入射しようとするZ成分の磁界を打ち消すように作用する。そのため、筺体内部の磁界強度は高くならない。すなわち、撮影面5に垂直に入射するZ成分の磁界は筺体内部には侵入しづらく、筺体内部に収納された画像検出器1へ到達する磁界成分は抑制される。
次に、Z成分に直交し筺体側面に垂直に入射する磁界成分をX成分で説明する。図16(b)、図16(c)は、筺体2及び導電性筐体2’の側面に垂直に入射するX成分の磁界(実線矢印)が照射された場合について説明する図である。図16(b)は、筺体側面から見た断面図であり、実線矢印で記載のように、図の左側の側面から垂直に磁界が照射された場合を示している。筺体側面に垂直に入射するX成分の磁界が図中左側の開口3のある側面に照射されると、左側の開口3からは実線矢印のように磁界が筺体内部に侵入する。また、照射された側面の対向面となる右側の側面には、同様に開口3がある。よって、左側の側面開口3から侵入した磁界は、破線矢印のように開口を通過した後、筐体内に拡散して筺体内部空間を図中左側から右側へ通過し、右側開口3に磁界は集中して筺体の外部へ磁界は通り抜けていく。
図16(c)は、画像撮影装置の撮影面からの透視図であり、図16(b)と同様に図の左側の筺体側面から垂直に磁界が照射された場合を示している。図16(c)の左側の開口3が形成されている側面に磁界が照射されると、左側の開口3の隙間から筺体内に磁界は侵入する。また、対向面となる右側の側面には、同様に開口3が形成されている。よって、図16(b)で説明したように、破線矢印で記載するように筺体内部の空間を通過し右側の開口3から筺体の外部へ、磁界は通り抜けていく。また、図16(c)の上側と下側の側面にある開口3からは、図16(c)の実線矢印で記載するように、磁界が照射されている図中左側から筺体内部に実線矢印で示すように磁界が侵入してくる。
詳細の説明は割愛するが、外部磁界の照射により筺体の開口周囲に集中する渦電流の影響で、図中の上下にある開口3からは図中実線矢印で示すようには筺体内部へ侵入してしまう。上下開口3から筺体内部へ侵入した磁界は、図16(c)の右側の開口3から筺体外部へ通り抜けていく。実際の筐体内部の磁界強度としては、図17(c)で示した図中左側の開口3から侵入し右側開口3へ抜けていく破線矢印で示した磁界と、図中上下の開口3の左側から侵入し上下開口右側へ抜けていく実線矢印の磁界の合成された強度分布となる。このように、筺体の側面4辺に開口が形成されている場合には、4辺全ての開口3を出入口として水平成分の外来性磁界は筺体内部へ侵入し筺体内を通過する事になる。よって、筺体内部の画像検出器1には外部からの磁界が到達し、撮影画像にノイズが現れてしまう。
以上説明したように、側面4辺に開口が形成されている導電性の筺体では、水平成分の磁界が開口3から筺体内部に侵入する磁界成分となる。この水平成分の磁界が筺体内部の画像検出器1に到達してしまうと背景技術で説明したように撮影した画像には横縞上のノイズが周期的に現れてしまう。
次に、本実施形態における作用を図17用いて説明する。図17(a)、図17(b)は、それぞれ図16(a)、図16(b)に対応した図であり、画像検出器1の外周よりも外側の側面4辺に磁性材4を配置している。側面4辺に配置した磁性材は、図17(a)の筐体側面から見た断面図に示すように、筺体側面の内側において磁性材は筺体内側の側面の開口端部から筺体の底面まで配置している。
図17(a)の筺体側面から見た断面図に示すように、図中左側の側面の開口3から侵入してきた磁界は、開口3を通過した後に筐体内に拡散しようとするが、実線矢印で示すように筐体内側側面の開口端部から配置された磁性材4によって磁界は磁性材4に吸い寄せる作用が発生する。また、図17(b)の撮影面からみた透視図に示すように、図中左側の開口3から侵入し磁性材4に吸い寄せ立てた磁界は、破線矢印で示すように図中の上側もしくは下側へ向かって磁性材4を磁路として進む。さらに、図17(b)の上側、もしくは下側の磁性材4を磁路として図中右側の磁性材4まで吸い寄せられた磁界は、図17(b)の右側側面の磁性材4へ迂回していく。図17(b)の上と下の開口3から侵入する磁界は、磁性材4に吸い寄せられ磁性材4を磁路として図中右側の磁性材4まで磁界は迂回していく。筐体側面の開口3から侵入した磁界は、筐体内側側面の開口端部で磁性材4に吸い寄せられ、磁性材4を磁路として迂回してきた磁界は図17(a)、図17(b)の右側となる磁性材4を離れ図中右側の開口3から筺体外部へ出ていく。
以上のように、磁性材4は、側面4辺に開口が形成されている導電性の筺体内の画像検出器1の外周よりも外側に配置し、磁性材4の端部は筐体側面の筐体内側の開口端部に配置するため側面の開口から侵入してきた磁界が画像検出器1に到達する前に吸い寄せる。さらに磁界は、磁性材4を磁路として侵入した磁界が筐体外部へ出る方向まで磁性材4を迂回していくため画像検出器1に到達する磁界は低減される。
[応用例3−1]
図18に応用例3−1を説明する図を示す。図18は、実際に効果を検証した現行の据置型デジタルX線撮影装置の側面から見た断面図を模式的に示した図である。筐体2−1は、画像検出器1を収納する下箱筺体である。筐体2−2は、X線を受光する撮影面5を有しており、下箱筺体2−1を覆う構造の上箱筺体である。下箱筐体2−1及び上箱筐体2−2は、導電性材料の鋼鈑で構成されている。下箱筺体2−1及び上箱筺体2−2は、側面の4辺で重なりあう構造となっており、重なり合う側面4辺の対向する面はネジ13で勘合することで上下の筐体の導通を得ている。よって、下箱筺体2−1及び上箱筺体2−2を物理的に固定し電気的に導通を得るネジ13以外は、側面の4辺に開口が形成されている構造となっている。勘合するネジ13を外すことで、下箱筺体2−1と上箱筺体2−2は容易に取り外すことが可能な筺体構造となっている。また、下箱と上箱の側面の四辺は、ネジによる勘合部以外は1mm〜3mm程度の幅の隙間が設けられており、筺体内部は外部との通気性が確保され内部には熱がこもり難い構造となっている。
撮影面5の開口部には、筺体外側の開口部にはX線透過率の優れるCFRP6(Carbon Fiber Reindorced Plastic)が勘合される。筺体の内側からはX線透過率が優れ、電気抵抗値の低いアルミシート7で覆われ、開口部の4辺で上箱筺体と導通を得る構成となっている。X線入射部は、撮影時に患者が直接接触し加重が加わる可能性もあり、加重に対して塑性変形が生じないように強度及び弾性に優れた特性を持ちCFRPが適している。CFRPは、カーボンを含有するため電気抵抗値は低いが金属に比較しては明らかに電気抵抗値は高くシールド構造とならないため、筺体の内側からはX線透過率が優れ、電気抵抗値の低いアルミシート7で覆い、開口部の4辺で上箱筺体と導通を得る構成となっている。撮影面の開口部を筺体の内側から覆うアルミシートに7関しては、X線の減衰率を抑えるため一般に30μm程度の厚みのものが使われている。
補足として記載すると、上箱のX線入射面の開口部に関しては、開口部を覆うアルミシートが開口部の4辺で非磁性の金属筺体と導通を得られているため、水平成分の磁界は遮蔽されている。この開口部に筺体とアルミシートが無い場合は、水平成分の磁界が照射されると、非磁性金属の筺体に発生する渦電流が開口周囲に集中し、渦電流により発生する磁界により筺体内部に磁界が侵入してきてしまう。本実施形態においては、上箱のX線入射面の開口部には、30μmアルミシートが筺体と導通されているため上箱の開口部からの水平成分の磁界侵入は大幅に低く、上箱と下箱の重なり合う側面4辺の開口からの水平磁界の侵入に限定される構成である。
外来性の磁界は、株式会社テセック製の1m四方のループコイルに26kHzの正弦波電流を印加して、水平成分の磁界を照射し、撮影画像に現れるノイズ量を比較した。なお、磁性材4として、日立金属株式会社製の高透磁率材料であるファインメット(登録商標)を配置して効果を検証した。実際には、画像検出器1の外周よりも外側となる下箱筐体2−1の側面の内側の側面開口の端部A(図17)から導電性筐体2の底面(図17における底面B)まで、側面高さ32.5mm、厚さ18μmのファインメットシートが1枚づつ各側面4辺468mmに配置されている。検証の結果、ファインメットシートを配置しない場合の画像ノイズ量を100%とすると、配置した場合のノイズ量は65%まで低減し35%の画像ノイズ低減効果を確認した。
また、磁性材4の比透磁率、および高さ、長さ、厚みに関しての筺体内部に到達する外来磁界ノイズの低減効果の検証を三次元電磁界による数値解析により行った。解析に用いたソフトウェアは、ANSYS社が市販しているMaxwell 3Dであり、筺体内部に侵入する磁界強度を算出した。また、実測と同様に据置型デジタルX線撮影装置の筺体のモデル、及び外来性の水平成分の磁界を照射する1m四方のループコイルをモデル化し、筺体内部に到達する磁束密度を、周波数26kHzで算出した。磁性材4として、32.5mm、厚さ18μmの磁性材を各側面4辺468mm配置して、比透磁率をパラメータとして筺体内部に侵入する磁界強度を算出し、画像検出器1に到達する磁界を確認した。
算出結果を図19に示す。図19は、筺体内に磁性材4が配置されない場合の筺体内部の磁束密度を100%として、比透磁率をパラメータに、筺体内部の磁束密度の低減率を示すグラフである。比透磁率が高い程に筺体内部の到達磁界は低減する事が確認され、磁性材4が配置されない場合に対して比透磁率が1000で筺体内部に到達する磁束密度が85%以下となる結果が得られた。
次に、側面4辺に配置する磁性材の高さ(Z方向)を10mm、20mmとして、筺体の開口端部から磁性材4を配置した場合と、筐体の底面から配置した場合の、画像検出器1に到達する外来磁界ノイズの低減効果の検証を、三次元電磁界による数値解析で行った。また、磁性材4の長さ(X方向またはY方向)は各側面468mmとした。画像検出器1の外周よりも外側の側面4辺に配置される磁性材4が0枚の場合、即ち画像磁性材4を配置しない場合を100%として、低減効果を確認した。磁性材4の高さが10mmの場合、開口端部から配置した場合は、77%へ低減したが、筐体底面から10mmの磁性材4を配置した場合は、90%までしか低減しなかった。また、磁性材4の高さが20mmの場合、開口端部から配置した場合は、64%へ低減したが、筐体底面から磁性材4を配置した場合は73%までしか低減しなかった。
以上の検証結果から、画像検出器の外周よりも外側の側面4辺に配置される磁性材4は、筺体内側面の開口端部から配置する方が開口3から侵入する磁界を磁性材4へ引き寄せる効果は高いことが確認された。また、磁性材4の高さは、高いほど画像検出器に到達する磁界をより低減することが確認された。
次に、磁性材4の長さによる筺体内部の画像検出器に到達する外来磁界ノイズの低減効果の検証を、三次元電磁界による数値解析で行った。磁性材4の高さは32.5mmとし、厚みは18μmで長さをパラメータとした。側面4辺に配置する磁性材の長さは、各辺の中央を中心に100mm、300mm、400mmと長さを変えて検証を実施したが、画像検出器1へ到達する磁界は部分的に高い磁界が到達してしまい効果が確認されなかった。しかしながら、磁性材4の長さを画像検出器の側面の長さ以上とすることで画像検出器に到達する磁界分布に低減効果が確認された。
以上の検証結果から、画像検出器の外周よりも外側の側面4辺に配置される磁性材4の長さは、画像検出器の側面の長さ以下であると、効果が発揮されないことが確認された。
次に、側面に配置する磁性材4の厚み(重なり)の効果を三次元電磁界による数値解析を行って確認した。画像検出器の外周よりも外側の側面4辺に配置される磁性材4が0枚の場合、即ち磁性材4を配置しない場合を100%として、側面に磁性材4が1枚、2枚の場合の低減効果を検証した。磁性材4の長さは、各側面468mm、厚み18μで枚数をパラメータとしている。開口の内側端部まで配置した磁性材4を1枚配置した場合は、54%にノイズ量は低減し、2枚配置した場合は36%まで低減する事が確認された。
以上の検証結果から、画像検出器1の外周よりも外側の側面4辺に配置される磁性材4は、重ね合わせて厚みを増す程に開口から侵入する磁界を引き寄せる効果が増し、画像検出器1に到達する磁界を低減する事が可能となることが確認された。
[応用例3−2]
図20に応用例3−2を説明する図を示す。応用例3−1で説明した図19と異なる点を主に説明する。画像検出器1は、シンチレータ8、図示しない光電変換素子を基板9を積層して形成されている。基板9は半導体素子との化学作用のないこと、半導体プロセスの温度に耐えること、寸法安定性等の必要性からガラス板が多く用いられる。このような基板9上に、光電変換素子が半導体プロセスにより二次元配列的に形成されている。シンチレータ8は例えば金属化合物の蛍光体を樹脂板に塗布したものが用いられ基台に一体化され固定されている。ここで、シンチレータ8と基板9の積層順は問わない。
そして、支持基台10の裏面には、光電変換された電気信号を処理する電子部品で構成される駆動回路部となる信号処理部や電源回路部を実装した回路基板11が配置され、フレキシブルプリント回路基板12によって基板9と接続されて支持基台10に固定されている。このフレキシブルプリント回路基板12上には、T C P ( T a p e c a r r i e r p a c k a g e ) と称し、二次元配列された光電変換素子の図示しない読み取り駆動用のドライバIC、光電変換された微弱な電気信号を増幅するアンプICの半導体素子が実装されている。
画像検出器1において、特に基板9、回路基板11及びフレキシブルプリント回路基板12では微弱なアナログ信号を扱っているため、外来性の磁界が重畳した場合には撮影した画像にはノイズ現れてしまう。よって、画像検出器1の、特に基板9、回路基板11及びフレキシブルプリント回路基板12に筺体の側面の開口から侵入する磁界が到達し画像信号に重畳しないように以下のような構成としている。すなわち、画像検出器1の外周よりも外側の側面4辺に磁性材が配置され、ここで、筺体側面の内側において磁性材4の端部が筺体内側の側面の開口端部から筺体の底面へ向かって配置される。
以上の構成とすることで側面の開口から侵入する磁界は、磁性材4に引き寄せられ、また、画像検出器1の外周よりも外側に配置した磁性材に迂回される。これにより、画像検出器1に到達する磁界を低減させ、撮影画像のノイズも低減するという効果が生じる。なお、本実施形態による筺体の構成として、上箱と下箱に分離していない図1、図12のような構成としても良い。
このように、以上の実施形態によれば、撮影装置の筺体が隙間や開口が形成されている構造であっても、撮影装置の背面に磁性材を配置し、さらに磁性材の大きさや配置位置を適切に設定することで、外部ノイズの影響を受け難い構造を実現できる。なお、以上の実施形態による撮影装置は、デジタルX線撮影装置として説明したが、他の放射線を利用したデジタル放射線撮影装置であってもよい。また、磁性材は面状以外の形状であってもよい。
[符号の説明]
1 画像検出器、2 筐体、3 開口、4 磁性材、5 撮影面

Claims (4)

  1. 放射線を検出する画像検出器と、前記画像検出器を内部に収納する筺体とからなる撮影装置であって、
    前記筺体は、非磁性の金属からなり、
    前記筺体の側面には、電気的又は物理的な開口が形成され、
    前記筺体の内部であって、前記放射線の入射方向から見て、前記画像検出器の背面側に、平面状の磁性材が配置されていることを特徴とする撮影装置。
  2. 前記筺体は、上箱筺体と下箱筺体とからなり、
    前記磁性材は、前記下箱筺体の内面側であって、前記画像検出器に重ねられて配置され、
    前記上箱筺体は、前記画像検出器に対応する位置に撮影面を有し、前記撮影面の外側はCFRPが配置され、前記撮影面の内側はアルミシートで覆われ、
    前記アルミシートは、前記上箱筺体と導通していることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  3. 前記磁性材の端部が、前記下箱筺体の側面端部の高さ以下の位置になるように配置されることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
  4. 前記磁性材は、比透磁率が1000〜20万であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮影装置。
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