JP6376878B2 - 繊維強化プラスチック成形材料および繊維強化プラスチック成形品 - Google Patents

繊維強化プラスチック成形材料および繊維強化プラスチック成形品 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形材料および繊維強化プラスチック成形品に関する。
繊維強化プラスチックは軽量、高強度、長寿命であることから、様々な分野で使用されている。特に近年は省エネルギー化を目的に航空機や自動車部材において軽量化の要望が高まり、特に炭素繊維強化プラスチックの部材に対する使用比率が年々増加している。
炭素繊維強化プラスチックは、繊維強化プラスチックの中でも優れた軽量性、機械物性を有しているが、炭素繊維が高価であるため、炭素繊維とその他の強化繊維とを併用、またはその他の強化繊維を単独で使用することがある。その場合強化繊維プラスチックにおいて、炭素繊維強化プラスチックを代替し得る高い機械物性が求められている。
例えば、炭素繊維強化プラスチックが衝撃を受けた時に細かい破砕片が飛散する事が一部の分野で問題となっており、炭素繊維とアラミド繊維を併用した繊維強化プラスチックを使用している例がある。
また、炭素繊維強化プラスチックで発現し得ない特性等を供する強化繊維については、炭素繊維強化プラスチックの代替ではなく、それ自身の特性を活かして様々な分野で使用されている。
ウレタン(メタ)アクリレートは炭素繊維との接着性に優れることは従来より知られており、炭素繊維のサイジング剤として用いられている(例えば特許文献1)。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは強化繊維との接着性が良好であるため強化繊維との接着性の劣る樹脂と混合して用いることが提案されている(例えば特許文献2)
特開平11−200252 特開昭62−292839
本発明が解決しようとする課題は、強化繊維との接着性が良く、機械物性に優れた繊維強化プラスチック成形材料を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、イソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、各種強化繊維との接着性に優れ、機械物性に優れる繊維強化プラスチック成形材料を与えることを見出した。
即ち、本発明の繊維強化プラスチック成形材料は、一般式[化1]:
Figure 0006376878
(但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Mは、式[化2]:
Figure 0006376878
を少なくとも含み、上記[化2]以外は、式[3]:
Figure 0006376878
であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。nは2〜7である。)に示すことを特徴とするウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、一般式[化4]:
Figure 0006376878
(但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Yは、2個以上の水酸基を有するアルコール化合物残基、Mは、式[化5]:
Figure 0006376878
を少なくとも含み、上記[化5]以外は、式[6]:
Figure 0006376878
であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。nは、1〜5000である。)に示すウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させるか、又は2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートにあって、イソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)中のイソシアネート基は、0.1〜12重量%であるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる事を特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物はジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とグリコールの重縮合により得られるポリエステルポリオールであるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物は、テレフタル酸、イソフタル酸、そのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上と1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる1種以上との重縮合により得られるポリエステルポリオールであるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、前記2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、及びこれらの多量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートから選ばれる1種以上であるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と重合性単量体から成るウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、 請求項9記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)中のイソシアネート基は0.1〜8重量%であるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、エチレン性不飽和基を有する熱硬化性樹脂に、本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)が配合された0.1〜8重量%のイソシアネート基を有する熱硬化性樹脂組成物と、強化繊維とからなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、強化繊維の種類が、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料の好ましい実施態様において、前記強化繊維は、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上と、炭素繊維と、からなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形品は、上述の本発明の繊維強化プラスチック成形材料を硬化して得られることを特徴とする。また、本発明の繊維強化プラスチック成形品は、上述したいずれかのウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)と、強化繊維であって、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上の強化繊維とを硬化して得られる事を特徴とする。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料を使用することにより、機械物性(曲げ強さ、圧縮強さ、層間せん断強さ)に優れる繊維強化プラスチック成形品を得ることができるため、現在既に使用されている分野および軽量、高強度を求める分野に展開ができるという有利な効果を奏する。
図1は、本発明の一実施態様におけるイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のIRスペクトルである(後述する実施例における合成例1のもの)。2270cm-1付近にイソシアネート基の吸収を確認できる。 図2は、本発明の一実施態様におけるイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のIRスペクトルである(後述する実施例における合成例2のもの)。2270cm-1付近にイソシアネート基の吸収を確認できる。 図3は、本発明の一実施態様におけるイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のIRスペクトルである(後述する実施例における合成例3のもの)。2270cm-1付近にイソシアネート基の吸収を確認できる。
本発明においてウレタン(メタ)アクリレートとは、ウレタンメタクリレート及びウレタンアクリレートのことを示し、同様に(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルを示す。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、一般式[化7]:
Figure 0006376878
(但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Mは、式[化8]:
Figure 0006376878
を少なくとも含み、上記[化8]以外は、式[化9]:
Figure 0006376878
であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。nは2〜7である。)に示される。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、一般式[化10]:
Figure 0006376878
(但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Yは、2個以上の水酸基を有するアルコール化合物残基、Mは、式[化11]:
Figure 0006376878
を少なくとも含み、上記[化11]以外は、式[化12]:
Figure 0006376878
であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。nは、1〜5000である。)に示される。
本発明において、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させると上記[化1]に記載の化合物を得ることができる。
また、本発明において、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させると上記[化4]に記載の化合物を得ることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用される、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物、あるいは2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得られるイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と重合性単量体から成るウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)について説明する。
イソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物、あるいは2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得ることができる。この時、イソシアネート化合物のイソシアネート基モル数が、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多くなるように反応させる。反応は残存するイソシアネート基の量が一定となるまで、言い換えれば水酸基がほぼ消費されるまで継続するのが好ましい。
その結果得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、好ましくはイソシアネート基を0.1重量%から12重量%を有する。イソシアネート基が0.1重量%未満では強化繊維との密着性に劣り、十分な圧縮強さ、層間せん断強さが得られず、12重量%を超えると曲げ強さや引張り強さが低下し、機械物性のバランスが崩れる虞がある。
本発明に用いる2個以上イソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物、水添キシリレンジイソシアネート(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添メチレンビスフェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、等の脂環族イソシアネート化合物、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物、2官能イソシアネート化合物が3量化されたイソシアヌレート環を有する3官能イソシアネート、市販されているポリオールで変性されたイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、これらのイソシアネート化合物のうち、耐熱性、耐光性の観点から、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、及びこれらの多量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが特に好ましい。
2個以上の水酸基を有するアルコール化合物としては、脂肪族アルコール及びエーテル化ジフェノール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが挙げられる。脂環族アルコールとしては、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール等が挙げられる。脂肪族アルコール化合物のうち、樹脂粘度や硬化物の機械物性の点から1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
エーテル化ジフェノールとしては、例えばビスフェノールAとアルキレンンオキサイドを付加反応させて得られるジオール、ビスフェノールAとアルキレンンオキサイドの付加物を臭素化させて得られるジオール等が挙げられる。該アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであり、該アルキレンオキサイドの平均付加モル数がビスフェノールAの1モルに対して2〜16モルであるものが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、不飽和酸及び又は飽和酸と前述脂肪族アルコール及びエーテル化ジフェノールを重縮合させたものが挙げられる。不飽和酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられ、飽和酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物等のようなエステル形成性誘導体が挙げられる。特に好ましいジカルボン酸としてテレフタル酸及びイソフタル酸が挙げられる。テレフタル酸及びイソフタル酸はそれらの低級アルキルエステルを用いても良く、例えば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等があるが、コスト及び取り扱い(ハンドリング)の点で、テレフタル酸ジメチルやイソフタル酸ジメチルが好ましい。これら不飽和酸、飽和酸は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)の好ましい実施態様において、前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物は、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とグリコールの重縮合により得られるポリエステルポリオールである。ポリエステルポリオールとしては、樹脂粘度と硬化物の機械物性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸、それらのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上と1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる1種以上の重縮合により得られるポリエステルポリオールが特に好ましい。これらアルコール化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。更に、本発明の効果を損なわない範囲で、3価以上のポリオールも用いることができる。3価以上のポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物とは、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルのことであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレートなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。また、これらエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物のうち、樹脂粘度や硬化物の機械物性の点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上イソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基を有するアルコール化合物、または2個以上イソシアネート基を有する化合物と2個以上の水酸基を有するアルコール化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させて得ることができるが、これらの反応温度は40〜140℃で反応させるのが好ましく、70〜110℃で反応させるのがより好ましい。反応の終点は、滴定によるイソシアネート基の定量、または赤外線吸収スペクトル(以下IRと略す)におけるイソシアネート基の吸収(2270cm-1付近)の追跡により、確認することができる。
上記反応には、公知の触媒、重合禁止剤を用いることができる。触媒には酸性触媒、塩基性触媒が使用できるが、ジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ジアセテートなどの錫化合物が好ましい。触媒の添加量は仕込み重量に対して100〜2000ppm加えるのが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、パラベンゾキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン等の多価フェノール系重合禁止剤が使用できる。重合禁止剤の添加量は仕込み重量に対して100〜2000ppm、加えるのが好ましい。また、イソシアネート基と反応しない重合性単量体を加えた系で合成することも必要に応じて可能である。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は、特に限定はしないが、1500g/eq以上となると、機械物性(曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さ、層間せん断強さ)のバランスが悪くなり、成形品の耐熱性が低くなる虞がある。ただし、後述する他ラジカル重合型樹脂とブレンドし、且つブレンド樹脂中のイソシアネート基が0.1〜8重量%になるように配合される場合は、この限りではない。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と重合性単量体から成る。まず、イソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と重合性単量体から成るウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)について説明する。
本発明において用いられる重合性単量体としては、イソシアネート基と常温で反応しない化合物が好ましい。イソシアネート基と反応する重合性単量体を配合すると保管時に反応して増粘が上昇し作業性が悪くなる虞や十分な機械物性を得ることができない虞がある。ビニルモノマーや単官能アクリル酸エステル、多官能アクリル酸エステルが挙げられる。例えば、ビニルモノマーとして、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、単官能アクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等、多官能アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレンジ(メタ)アクリレート、ノルボルネンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。重合性単量体としては、樹脂粘度と機械物性の点からスチレン、メタクリル酸メチルの適用が好ましい。
好ましい実施態様において、本発明においては、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)中のイソシアネート基重量%が、0を超えて8重量%、好ましくは0.1〜8重量%になるように重合性単量体を配合する。更に好ましくはウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)中のイソシアネート基重量%が0.2〜8重量%になるように重合性単量体を配合する。イソシアネート基が少量でも存在することにより、繊維等への接着性が向上し、より良好な機械物性を得ることができるためである。例えば、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部を重合性単量体20〜200重量部に溶解することができる。好ましくは、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部を重合性単量体40〜150重量部に溶解する。ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対する重合性単量体の量が40部未満の場合、極めて高い粘度になり成形性に劣る虞がある。ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対する重合性単量体の量が150部を超えると、得られる硬化成形物の性能が劣る虞がある。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)中のイソシアネート基が0.1重量%未満では強化繊維との密着性に劣り、十分な圧縮強さ、層間せん断強さが得られず、8重量%を超えると曲げ強さや引張り強さが低下し、機械物性のバランスが崩れるため好ましくない。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料は、ハンドレイアップ成形、RTM(Resin Transfer Molding)成形、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)成形、引抜成形やフィラメントワインディング成形に適用するため、繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)の粘度は、30〜700mPa・s(25℃)であることが好ましい。30mPa・s未満の場合、強化繊維への含浸時に樹脂抜けの虞があり、700mPa・s以上の場合、未含浸部位が残る虞がある。ただし、温調設備を使用して意図的に樹脂粘度を低く又は高くする場合はこの限りではない。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)の硬化は、従来のラジカル重合型樹脂と同様の公知の方法が適用できる。有機過酸化物による硬化、紫外線開始剤による硬化、電子線による硬化が挙げられる。また、硬化速度の調整のための促進剤、重合禁止剤、空気乾燥性を付与するためのワックス類も従来のラジカル硬化型樹脂と同様に添加することができる。
有機過酸化物系の硬化剤として、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド系、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド系、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル系、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド系、ジクミルパーオキサイドなどジアルキルパーオキサイド系等が挙げられる。硬化剤の添加量は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部である。
紫外線開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系等が挙げられる。紫外線開始剤の添加量は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン,4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン類等が挙げられる。硬化促進剤の添加量は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)100重量部に対して、0.05〜5重量部である。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に使用されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)には、他のエチレン性不飽和基を有する熱硬化性樹脂をブレンドし使用することができる。熱硬化性樹脂とは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂のことであり、いずれもブレンド樹脂中のイソシアネート基が0.1〜8重量%になるように配合することが、強化繊維との密着性という観点から好ましい。また、水酸基やカルボキシル基を有する不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ(メタ)アクリレート樹脂とブレンドする場合は、成形直前混合が望ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形材料に用いられる強化繊維として、カーボン繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ザイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維、ボロン繊維等を挙げることができるが、繊維の種類はこれらには限定されない。これらの強化繊維は、成形方法や用途に応じて、撚糸、紡糸、紡績加工、不織加工したものが用いられる。具体的には、フィラメント、ヤーン、ロービング、ストランド、チョップドストランド、フェルト、ニードルパンチ、クロス、ロービングクロス、ミルドファイバー等の形状のものを用いることができる。
特に好ましい強化繊維は、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上である。本発明において、強化繊維として、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上と、炭素繊維とを使用することにより、衝撃時に破砕片が飛散する等の炭素繊維強化プラスチックの問題点を解決することができる。
種類の異なる強化繊維を2種類以上使用した繊維強化プラスチック材料を作成するには、それぞれの繊維を任意の順位で積み重ねて使用するか、あるいはそれぞれの混紡繊維を使用してもよい。また、強化繊維プラスチック材料の強化繊維含有率は、10〜90重量%、機械特性と成形性の面から、好ましくは30〜80重量%が望ましい。また、強化繊維の表面処理剤については限定がない。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。本実施例において「部」は特に断らない限り重量部である。
合成例におけるイソシアネート基含有量は、各樹脂を乾燥トルエンに溶解した後、過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残ったジ−n−ブチルアミンを塩酸で逆滴定し測定した。
合成例1
ガス導入管、撹拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にイソホロンジイソシアネート(エボニック社製)349部、ジブチル錫ジウラレート0.01部、1,3−プロパンジオール(デュポン社製)67部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱ガス化学社製)144部、トルハイドロキノン0.1部、4−メチルー2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.2部、およびスチレンモノマー187部を仕込み、撹拌下、空気を吹き込みつつ加熱しながら温度を95〜105℃に保持し、反応させた。反応はIRにて追跡し、イソシアネート基の吸収(2270cm −1 付近)が一定になったところを終点とした。反応には3時間を要した。得られたウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のイソシアネート基含有量は2.1重量%、エチレン性不飽和基当量505g/eqであった。その後、スチレンモノマー253部で希釈し、イソシアネート基を1.2重量%含有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)を得た(a−1)。
合成例2
合成例1と同様の装置にイソホロンジイソシアネート(VESTANAT T 1890エボニック社製)396部とスチレンモノマー307部を仕込み、撹拌下、空気を吹き込みつつ60℃まで加熱した。その後、ジブチル錫ジウラレート0.02部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱ガス化学社製)174部、トルハイドロキノン0.2部、4−メチルー2,6−ジターシャルブチルフェノール0.06部を分割して仕込み、温度を95〜105℃に保持し反応させた。反応はIRにて追跡し、イソシアネート基の吸収(2270cm −1 付近)が一定になったところを終点とした。反応には3時間を要した。得られたウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のイソシアネート基含有量は2.0重量%、エチレン性不飽和基当量423g/eqであった。その後、メタクリル酸メチル123部で希釈し、イソシアネート基を1.1重量%含有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)を得た(a−2)
合成例3
合成例1と同様の装置にテトラブロモビスフェノール A ビス(2−ヒドロキシエチル) エーテル(明成化学工業社製)342部、無水マレイン酸26部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で5時間反応させ、水酸基価92.86mgKOH/gの反応物を得た。その後スチレンモノマー158部で希釈し、ポリエステルポリオール(P−1)を得た。次いで、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製)123部、ジブチル錫ジウラレート0.01部、ポリエステルポリオール(P−1)526部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱ガス化学社製)49部、トルハイドロキノン0.06部、4−メチルー2,6−ジターシャリーブチルフェノール0.22部、およびスチレンモノマー22部を仕込み、撹拌下、空気を吹き込みつつ加熱しながら温度を95〜105℃に保持し反応させた。反応はIRにて追跡し、イソシアネート基の吸収(2270cm −1 付近)が一定になったところを終点とした。反応には5時間を要した。得られたウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)のイソシアネート基含有量は1.0重量%、エチレン性不飽和基当量950g/eqであった。その後、スチレンモノマー280部で希釈し、イソシアネート基を0.6重量%含有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)を得た(a−3)。
比較例には、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(日本ユピカ社製ネオポール8250)(b−1)、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂(日本ユピカ社製ネオポール8411)(b−2)、オルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製ユピカ4007(b−3))、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製XNR6815)(b−4)を用いた。
強化繊維は、ガラス繊維のロービングクロス(日東紡社製 商品名『WR570C−100』、f−1)、バサルト繊維のチョップドストランドマット(GBF石金有限公司製 商品名『GCSM−350』、f−2)、アラミド繊維の一方向クロス(ファイベックス社製 『AK−120−30』、f−3)、ポリアリレート繊維の平織クロス(KBセーレン社製 『ZX−2401−1』、f−4)、バサルト繊維の平織クロス(GBF石金有限公司製 商品名『GWP−350』、f−5)、バサルト繊維の一方向クロス(GBF石金有限公司製 商品名『GWUD−250』、f−6)を用いた。
積層板の作製
実施例 1〜12
a−1〜a−3の各樹脂100部に促進剤として6%ナフテン酸コバルト0.46部とジブチル錫ジラウレート0.04部の混合物を加え攪拌した後に、硬化剤メチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を配合し、後述の表1〜4に記載の強化繊維f−1〜f−4にそれぞれ含浸させ、ハンドレイアップにて成形・硬化した。
実施例 13〜18
a−1〜a−3の各樹脂100部に促進剤として6%ナフテン酸コバルト0.46部とジブチル錫ジラウレート0.04部の混合物を加え攪拌した後に、硬化剤メチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を配合し、f−5、f−6にそれぞれ含浸させ、Vacuum assisted Resin Transfer Molding(VaRTM)にて成形・硬化した。
比較例1〜3,5〜7,9〜11,13〜15
b−1〜b−3の各樹脂100部に促進剤として6%ナフテン酸コバルト0.5部を加え攪拌した後に、硬化剤メチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を配合し、f−1〜f−4にそれぞれ含浸させ、ハンドレイアップにて成形・硬化した。
比較例17〜19,21〜23
b−1〜b−3の各樹脂100部に促進剤として6%ナフテン酸コバルト0.5部の混合物を加え攪拌した後に、硬化剤メチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を配合し、f−5、f−6にそれぞれ含浸させ、VaRTMにて成形・硬化した。
比較例4,8,12,16
b−4の樹脂100部に脂肪族ポリアミン(ナガセケムテックス社製XNH6815)27部を加えたものをf−1〜f−4にそれぞれ含浸させ、ハンドレイアップにて成形・硬化した。
比較例20,24
b−4の樹脂100部に脂肪族ポリアミン(ナガセケムテックス社製XNH6815)27部を加えたものをf−5、f−6にそれぞれ含浸させ、VaRTMにて成形・硬化した。
積層構成:25cm×25cm×8枚、厚さ2mm。
硬化条件:常温硬化(23℃)×8時間、60℃×2時間、80℃×2時間、120℃×2時間。ここで比較例4,8,12,16,20,24については更に150℃×3時間硬化した。
(機械物性評価)
各積層板について、引張強さ(JIS K 7161)、曲げ強さ(JIS K 7074)、圧縮強さ(JIS K 7018)、層間せん断強さ(JIS K 7078)、シャルピー衝撃強さ(JIS K 7077)を各JISに準拠し測定した。f−3、f−6を使用した繊維強化プラスチック成形材料については、引張試験および圧縮試験方向は繊維方向に平行、曲げ試験と層間せん断とシャルピー衝撃試験方向は繊維方向に垂直で行った。
表1〜6から、本発明のイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)が配合された合成例1〜3の樹脂を使用した繊維強化プラスチック成形材料は、機械物性に優れる結果を示した。特に曲げ強さ、圧縮強さ、層間せん断強さ、シャルピー衝撃強さにおいては良好な結果であった。一方比較例としたb−1〜b−4の樹脂を使用した繊維強化プラスチック成形材料は、十分な曲げ強さ、圧縮強さ、層間せん断強さ、シャルピー衝撃強さを示さなかった。
Figure 0006376878
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Claims (14)

  1. 一般式[化1]:
    Figure 0006376878
    (但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Mは、式[化2]:
    Figure 0006376878
    を少なくとも含み、上記[化2]以外は、式[化3]:
    Figure 0006376878
    であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。)に示すウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする繊維強化プラスチック成形材料。
  2. 一般式[化4]:
    Figure 0006376878
    (但し、式中、Xは、2個以上のイソシアネート基を有する化合物残基、Yは、2個以上の水酸基を有するアルコール化合物残基、Mは、式[化5]:
    Figure 0006376878
    を少なくとも含み、上記[化5]以外は、式[化6]:
    Figure 0006376878
    であり、Qは、エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物残基を示す。)に示すウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする繊維強化プラスチック成形材料。
  3. 2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物を反応させるか、又は2個以上のイソシアネート基を有する化合物とエチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートにあって、イソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有することを特徴とするウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料であって、前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基モル数は、前記エチレン性不飽和基含有モノアルコール化合物及び2個以上の水酸基を有するアルコール化合物の全水酸基モル数よりも多いことを特徴とする繊維強化プラスチック成形材料。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)中のイソシアネート基は、0.1〜12重量%である請求項1〜3項のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  5. 前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる1種以上である請求項2又は3に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  6. 前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物は、ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体とグリコールの重縮合により得られるポリエステルポリオールである請求項2又は3に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  7. 前記2個以上の水酸基を有するアルコール化合物は、テレフタル酸、イソフタル酸、そのエステル形成誘導体から選ばれる1種以上と1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる1種以上との重縮合により得られるポリエステルポリオールである請求項2又は3に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  8. 前記2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、及びこれらの多量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートである請求項1〜7項のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  9. 請求項1〜8項のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)と重合性単量体とから成るウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  10. 請求項9記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)中のイソシアネート基は0.1〜8重量%であるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B)と、強化繊維とからなる繊維強化ラスチック成形材料。
  11. エチレン性不飽和基を有する熱硬化性樹脂に、請求項1〜8項のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)が配合された0.1〜8重量%のイソシアネート基を有する熱硬化性樹脂組成物と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック成形材料。
  12. 前記強化繊維は、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜11項のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形材料。
  13. 前記強化繊維は、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維から選ばれる1種以上と、炭素繊維と、からなることを特徴とする請求項1〜12項のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形材料。
  14. 請求項1〜13項のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形材料を硬化して得られる繊維強化プラスチック成形品。
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