本発明は、***症(UTI)および炎症性腸疾患(IBD)などの細菌感染症の処置または防止に有用な化合物に関する。
一実施形態では、本発明の化合物は、以下の式Iの構造
または薬学的に許容されるその塩によって表される[式中、
各MおよびM2は、独立に、
であり、またはMは、環Aと一緒になって、以下に示されるスピロ縮合三環式環を形成し、
またはM2は、環A2と一緒になって、以下に示されるスピロ縮合三環式環を形成し、
Y1は、−O−、−O(C1〜C4脂肪族)−、−O(ハロC1〜C4脂肪族)−、−S−、−S(C1〜C4脂肪族)−、−S(O)p−、−S(O)p(C1〜C4脂肪族)−、または−(C1〜C6)脂肪族であり、
Y2は、−O(C1〜C4脂肪族)−、−S(C1〜C4脂肪族)−、−SO2(C1〜C4脂肪族)−、または−(C1〜C6)脂肪族であり、
Y3は、−O−、−O(C1〜C4脂肪族)−、−O(ハロC1〜C4脂肪族)−、−S−、−S(C1〜C4脂肪族)−、−S(O)p−、−S(O)p(C1〜C4脂肪族)−、または−(C1〜C6)脂肪族であり、
各Z2、Z3、Z4、およびZ6は、独立に、OHまたはFであり、ただし、Z2、Z3、Z4、およびZ6の少なくとも1つは、Fであり、
X1は、−U1−V1であり、X1は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U1は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V1は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
X2は、H、C1〜C10脂肪族、−U2−V2、または−U2−V2−Qであり、
U2は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V2は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
Qは、酸素、窒素または硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子(heteratoms)を有する、3〜8員の飽和環、部分的に不飽和の環、または芳香族環であり、
X2は、1〜4個のハロ、CN、NO2、またはC1〜C10脂肪族により任意選択で置換されており、C1〜C10脂肪族の3つまでのメチレン単位は、−NR−、−O−、−S−、−C(O)−、または−S(O)−、または−S(O)2−により任意選択で置き換えられていてもよく、
各X3、X4、X5、およびX6は、独立に、HまたはC1〜3アルキルであり、
ただし、X2、X3、X4、X5、およびX6のうちの1つだけは、Hではなく、
環Aは、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
環A2は、任意選択で存在しないか、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、
Zは、−CH=CH−、−C≡C−、または環Bであり、
環Bは、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JA、JA2、およびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、オキソ、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、(C3〜8シクロアルキル)−(C1〜C6アルキル)−、(3〜8員ヘテロシクリル)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C12脂肪族の4つまでのメチレン単位またはC1〜C6アルキルの3つまでのメチレン単位は、−NR、−O、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JA、JA2、およびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、NO2、またはC1〜C10脂肪族により任意選択で置換されており、C1〜C10脂肪族の3つまでのメチレン単位は、−NR−、−O−、−S−、−C(O)−、または−S(O)−、または−S(O)2−により任意選択で置き換えられていてもよく、
RおよびR2は、それぞれ独立に、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
各m、n、およびuは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
各tおよびrは、独立に、0または1であり、
各pおよびqは、独立に、1または2である]。
一実施形態では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、以下の式Iaの構造によって表される
[式中、
Mは、
であり、またはMおよび1個のJAは、環Aと一緒になって、式Dに示されている通り、環Bに任意選択で結合しているスピロ縮合三環式環を形成し、
Y1は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−S(O)p(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
Y2は、−O(C1〜C4アルキル)−、−S(C1〜C4アルキル)−、−SO2(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
Y3は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−S(O)p(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
Y1、Y2、およびY3のアルキル基は、それぞれ任意選択で独立に、1〜4個のハロで置換されており、
各Z2、Z3、Z4、およびZ6は、独立に、OHまたはFであり、ただし、Z2、Z3、Z4、およびZ6の少なくとも1つは、Fであり、
各X3、X4、およびX6は、HまたはC1〜3アルキルであり、
X1は、−U1−V1であり、X1は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U1は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V1は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
X2は、Hまたは−U2−V2であり、X2は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U2は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V2は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
X5は、HまたはC1〜3アルキルであり、
ただし、X2、X3、X4、X5、およびX6の少なくとも1つは、Hではなく、X2がH以外である場合、X3、X4、およびX6は、すべてHであり、
環Aは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜10員ヘテロアリールであり、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、存在しないか、またはC3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、もしくは5〜10員ヘテロアリールであり、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C12脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
RおよびR2は、それぞれ独立に、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
R1は、HまたはC1〜3アルキルであり、
各m、nおよびqは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
各pおよびqは、独立に、1または2である]。
環または結合が点線を用いて図示されている場合、環または結合は、任意選択で存在することを意味すると理解されるものとする。また、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールと記載されている環には、単環式、二環式、および三環式環が含まれると理解されるものとする。例えば、C3〜C10シクロアルキルには、飽和または部分的に不飽和の単環式C3〜8シクロアルキルおよび飽和または部分的に不飽和のC8〜12シクロアルキル二環式環が含まれる。3〜12員ヘテロシクリルには、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の飽和または部分的に不飽和の3〜8員ヘテロシクリル環;酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二環式の飽和または部分的に不飽和の8〜12員ヘテロシクリル環;および酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有する三環式の飽和または部分的に不飽和の10〜14員ヘテロシクリル環が含まれる。C6〜10アリールには、フェニルおよびナフチルが含まれる。5〜14員ヘテロアリールには、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式5〜6員ヘテロアリール;酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二環式8〜10員ヘテロアリール;および酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有する三環式10〜14員ヘテロアリールが含まれる。多環式環は、少なくとも1つの環が芳香族である場合、アリールまたはヘテロアリールとみなされる。
いくつかの実施形態では、環A2は存在せず、rおよびqは、0であり、tは、1であり、Zは、式Ia
に示されている環Bである。
いくつかの実施形態では、化合物は以下のうちの1つではない。
いくつかの実施形態では、環Aは、C6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニルまたはナフチルである。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、環Bに結合しており、環Bは、C6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、環Bは、フェニルである。
いくつかの実施形態では、環Aは、式IIで表される通り、環Bに結合しており、
式中、環M、JA、JB、m、およびnは、本明細書で定義の通りである。
いくつかの実施形態では、JAは、ハロ、ハロC1〜4脂肪族、C1〜4脂肪族、−O(C1〜4脂肪族)であり、JBは、NO2、C(O)N(R)2、C(O)OR、またはCONH−(CH2)2−O−(CH2)2−O−(CH2)2−NH2である。
いくつかの実施形態では、Y1、Y2、およびY3は、−O−である。いくつかの実施形態では、Y1、Y2、またはY3は、C1〜6脂肪族であり、Y1、Y2、およびY3の脂肪族基は、それぞれ任意選択で独立に、1〜4個のハロで置換されている。
他の実施形態では、Mは、
である。
さらなる他の実施形態では、Y2は、Oである。いくつかの実施形態では、X1は、C1〜3アルキルである。ある特定の実施形態では、X1は、メチルである。
別の実施形態は、式Aによって表される化合物を提供する
[式中、
Y1は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−SOp(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)脂肪族であり、
X2は、H、C1〜C10脂肪族、−U2−V2、または−U2−V2−Qであり、
U2は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V2は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
Qは、酸素、窒素または硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和環、部分的に不飽和の環、または芳香族環であり、
X2は、1〜4個のハロ、CN、NO2、またはC1〜C10脂肪族により任意選択で置換されており、C1〜C10脂肪族の3つまでのメチレン単位は、−NR−、−O−、−S−、−C(O)−、または−S(O)−、または−S(O)2−により任意選択で置き換えられていてもよく、
R2は、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
各X3、X4、およびX6は、独立に、HまたはC1〜3アルキルであり、
X5は、Hであり、
ただし、X2、X3、X4、X5およびX6のうちの1つだけは、Hではなく、
環Aは、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、存在しないか、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
各pおよびqは、独立に、1または2である]。
いくつかの実施形態では、
Y1は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−S(O)p(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
X2は、Hまたは−U2−V2であり、X2は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U2は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V2は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
R2は、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
各X3、X4、およびX6は、独立に、HまたはC1〜3アルキルであり、
X5は、Hであり、
ただし、X2、X3、X4、X5、およびX6の少なくとも1つは、Hではなく、X2がH以外である場合、X3、X4、およびX6は、すべてHであり、
環Aは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜10員ヘテロアリールであり、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、または5〜10員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各m、nおよびqは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
各pおよびqは、独立に、1または2である。
別の実施形態によると、X2は、H、C1〜C10脂肪族、−U2−V2、または−U2−V2−Qであり、
U2は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V2は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位が、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
Qは、酸素、窒素または硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和環、部分的に不飽和の環、または芳香族環であり、
X2は、1〜4個のハロ、CN、NO2、またはC1〜C10脂肪族により任意選択で置換されており、C1〜C10脂肪族の3つまでのメチレン単位は、−NR−、−O−、−S−、−C(O)−、または−S(O)−、または−S(O)2−により任意選択で置き換えられていてもよく、
各R3およびR5は、独立に、H、C1〜3アルキル、または−(C1〜3アルキル)−(フェニル)である。
いくつかの実施形態では、Y2は、−O−である。
いくつかの実施形態では、
X2は、H、C1〜6アルキルまたは−U1−V1であり、
U2は、−(CH2)q−であり、V2は、−OR3−、−OC(O)N(R2)2−、−N(R2)2、−N(R2)C(O)R3、−NHC(O)OR5、−NHC(O)NHR2、−NHSO2R3、−NHSO2NHR2、−C(O)OR3、C(O)N(R2)2、−SO2R3、−S(O)R3、−SO2NHR3、−SR3、−P(O)(OR3)2、−OP(O)(OR3)2であり、
またはU2は、C(O)であり、V2は、−OR3もしくはN(R2)2であり、
各R3およびR5は、独立に、H、C1〜3アルキル、または−(C1〜3アルキル)−(フェニル)である。
いくつかの実施形態では、U1は、−(CH2)q−である。他の実施形態では、U2は、−(CH2)q−である。いくつかの実施形態では、qは、1である。他の実施形態では、X2は、H、C1〜6アルキルまたは−(CH2)qOR3である。さらなる他の実施形態では、X2は、メチル、CH2OH、CH2N3、CH2NH2、CH2OCH2CH2OCH2Ph、CH2OCH2CH2OH、
CH2NHC(O)CH3、またはCH2OCH2Phである。さらなる他の実施形態では、X2は、メチル、CH2OH、またはCH2OCH2Phである。いくつかの実施形態では、X2は、C1〜4アルキルである。他の実施形態では、X2は、メチルである。
いくつかの実施形態では、X6は、C1〜6アルキルである。他の実施形態では、X6は、メチル、エチル、またはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、X3は、メチルである。いくつかの実施形態では、X2、X3、X4、X5、およびX6の1つは、−U1−V1であり、その他のX2、X3、X4、X5、およびX6の5つは、Hである。
いくつかの実施形態では、JAおよびJBは、それぞれ独立に、ハロ、CN、C1〜10脂肪族、C(O)(C3〜6シクロアルキル)、またはC(O)(O、NH、N(C1〜4アルキル)またはSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員ヘテロシクリル)であり、C1〜10脂肪族基の3つまでのメチレン単位は、O、NH、N(C1〜4アルキル)、S、C(O)、S(O)、またはS(O)2により任意選択で置き換えられており、各JAおよびJBは、独立に、1〜3個のハロにより任意選択で置換されている。
いくつかの実施形態では、JAは、クロロ、フルオロ、CN、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、またはOCF3である。他の実施形態では、JBは、ハロ、CN、OCH3、C(O)NH(CH3)、C(O)N(CH3)2、NO2、C(O)OH、C(O)OCH3、C(O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)2NH2、C(O)NH(CH2)2OCH3、C(O)NH(シクロプロピル)、C(O)NH(CH2)2(4−メチルピペラジニル)、C(O)NHCH(CH2OH)CH(OH)CH3、C(O)NHC(CH2OH)3、C(O)NHC(CH2OH)2CH3、C(O)NHCH(CH2OH)2、C(O)NH(CH2)2(モルホリニル)、C(O)NHCH2(テトラヒドロピラニル)、C(O)NH(テトラヒドロピラニル)、C(O)NHCH2(4−BOCピペリジニル)、C(O)NH(CH2)2N(CH3)2、C(O)(4−メチルピペラジニル)、C(O)NHCH(CH2OH)COOH、C(O)ピロリジニル、N(CH2CH2OH)C(CH2OH)3、C(O)NHCH(CH2OH)CH(OH)CH3、S(O)2NH2、S(O)2NC(CH3)3、O(テトラヒドロピラニル)であり、前記テトラヒドロピラニルは、C1〜4アルキル、フルオロ、OH、またはCH2OHにより任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、テトラヒドロピラニルは、糖分子、例えばグリコシルまたはマンノシル基である。
別の実施形態は、式Bによって表される化合物を提供する
[式中、
Y2は、−O(C1〜C4アルキル)−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)−、−SO2(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
X1は、−U1−V1であり、X1は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U1は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V1は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
環Aは、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、存在しないか、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
各qは、独立に、1または2である]。
いくつかの実施形態では、
Y2は、−O(C1〜C4アルキル)−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)−、−SO2(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
X1は、−U1−V1であり、X1は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されており、
U1は、−(CH2)q−または−C(O)−であり、
V1は、C1〜C10脂肪族であり、4つまでのメチレン単位は、−O−、−NR2−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、
環Aは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜10員ヘテロアリールであり、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、または5〜10員ヘテロアリールであり、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、X1は、C1〜6アルキルまたは−U1−V1であり、
U2は、−(CH2)q−であり、V2は、−OR3−、−OC(O)N(R2)2−、−N(R2)2、−N(R2)C(O)R3、−NHC(O)OR5、−NHC(O)NHR2、−NHSO2R3、−NHSO2NHR2、−C(O)OR3、C(O)N(R2)2、−SO2R3、−S(O)R3、−SO2NHR3、−SR3、−P(O)(OR3)2、−OP(O)(OR3)2であり、または
U2は、C(O)であり、V2は、−OR3もしくはN(R2)2であり、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
R2は、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
R3は、H、C1〜3アルキル、または−(C1〜3アルキル)−(フェニル)である。
他の実施形態では、X1は、C1〜6アルキルまたは−U1−V1であり、
U2は、−(CH2)q−であり、V2は、−OR3−、−OC(O)N(R2)2−、−N(R2)2、−N(R2)C(O)R3、−NHC(O)OR5、−NHC(O)NHR2、−NHSO2R3、−NHSO2NHR2、−C(O)OR3、C(O)N(R2)2、−SO2R3、−S(O)R3、−SO2NHR3、−SR3、−P(O)(OR3)2、−OP(O)(OR3)2であり、または
U2は、C(O)であり、V2は、−OR3もしくはN(R2)2であり、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
R2は、H、C1〜C6脂肪族、またはC3〜6シクロアルキルであり、
R3は、H、C1〜3アルキル、または−(C1〜3アルキル)−(フェニル)である。
いくつかの実施形態では、X1は、C1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、X1は、メチルである。さらなる他の実施形態では、Y2は、−O(C1〜C4アルキル)−である。他の実施形態では、Y2は、−O(ハロC1〜C4アルキル)−である。いくつかの実施形態では、Y2は、−O(C1〜C4アルキル)−であり、環Aは、フェニルであり、環Bは、存在せず、JAは、C(O)NH(C1〜4アルキル)である。
別の実施形態は、式Cによって表される化合物を提供する
[各Z1、Z2、Z3、およびZ4は、独立に、HまたはFであり、ただし、Z1、Z2、Z3、およびZ4のうちの少なくとも1つは、Fであり、
Y3は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−SOp(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
環Aは、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、存在しないか、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4であり、
pは、1または2である]。
別の実施形態では、
各Z1、Z2、Z3、およびZ4は、独立に、HまたはFであり、ただし、Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも1つは、Fであり、
Y3は、−O−、−O(C1〜C4アルキル)−、−S−、−S(C1〜C4アルキル)−、−S(O)p−、−SOp(C1〜C4アルキル)−、または−(C1〜C6)アルキルであり、
環Aは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜10員ヘテロアリールであり、環Aは、任意選択で環Bに結合しており、
環Bは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、または5〜10員ヘテロアリールであり、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、Z1、Z2、Z3、およびZ4の1つだけは、Fであり、その他の3つは、Hである。いくつかの実施形態では、Z1は、Fである。いくつかの実施形態では、Z2は、Fである。いくつかの実施形態では、Z3は、Fである。いくつかの実施形態では、Z4は、Fである。
いくつかの実施形態では、Y3は、−O−である。
別の実施形態によれば、環Aは、フェニルである。いくつかの実施形態では、JAは、ハロ、C1〜4脂肪族、または−O(C1〜4脂肪族)であり、前記C1〜4脂肪族、または−O(C1〜4脂肪族)は、1〜4個のハロにより任意選択で置換されている。
別の実施形態によれば、環Bは、5〜10員ヘテロアリールである。
別の実施形態は、式Dによって表される化合物を提供する
[環Bは、存在しないか、C3〜C10シクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルは、独立に、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有しており、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4である]。
別の実施形態によれば、
環Bは、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、または5〜10員ヘテロアリールであり、
各JAおよびJBは、独立に、ハロゲン、CN、NO2、C3〜8シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C6〜10アリール)−(C1〜C6アルキル)−、(5〜10員ヘテロアリール)−(C1〜C6アルキル)−、またはC1〜C12脂肪族であり、C1〜C10脂肪族の4つまでのメチレン単位は、−NR、−O−、−S−、−C(O)−、−S(O)−、−SO2−、またはP(O)により任意選択で置き換えられていてもよく、各JAおよびJBは、独立に、1〜5個のハロ、CN、またはNO2により任意選択で置換されており、
Rは、H、C1〜C6脂肪族、C3〜6シクロアルキル、C(O)OH、C(O)O(C1〜4アルキル)、またはC(O)(C1〜4アルキル)であり、
各mおよびnは、独立に、0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、環Bは、フェニルであり、JBは、C(O)NHCH3、OCH3、またはNO2である。
別の実施形態は、式IIIによって表される化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、MおよびM2は、同じである。他の実施形態では、MおよびM2は、異なっている。
いくつかの実施形態では、Mは、
である。
他の実施形態では、M2は、
である。
さらなる他の実施形態では、M2は、環A2と一緒になって、
を形成する。
いくつかの実施形態では、Y1は、Oであり、X2は、メチルである。他の実施形態では、tは、1であり、Zは、フェニルまたはピリジルである。さらなる他の実施形態では、tは、0である。
別の実施形態は、式Eによって表される化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、環Aおよび環A2は、フェニルである。他の実施形態では、X2は、C1〜4アルキルである。いくつかの実施形態では、X2は、メチルである。
いくつかの実施形態では、JAおよびJA2は、それぞれ独立に、CN、ハロ、C1〜6アルキルであり、前記C1〜6アルキルの1つまでのメチレン単位は、O、S、NH、N(C1〜6アルキル)、C(O)、S(O)、またはS(O)2により任意選択で置き換えられており、前記C1〜6アルキルは1〜3個のハロで置換されている。他の実施形態では、JAおよびJA2は、それぞれ独立に、CN、メチル、エチル、イソプロピル、フルオロ、クロロ、OCH3、またはOCF3である。
別の実施形態は、式Fによって表される化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、環Aおよび環A2は、フェニルである。いくつかの実施形態では、環Bは、C3〜6シクロアルキル、フェニル、またはピリジルである。いくつかの実施形態では、JAおよびJA2は、それぞれ独立に、CN、ハロ、C1〜6アルキルであり、前記C1〜6アルキルの1つまでのメチレン単位は、O、S、NH、N(C1〜6アルキル)、C(O)、S(O)、またはS(O)2により任意選択で置き換えられており、前記C1〜6アルキルは1〜3個のハロで置換されている。他の実施形態では、JAおよびJA2は、それぞれ独立に、メチルであり、mは、1であり、uは、1である。さらなる他の実施形態では、JBは、メチルおよび
により任意選択で置換されているフェニルである。
別の実施形態は、式Gによって表される化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、X2は、メチルであり、環Aおよび環A2は、フェニルであり、JAおよびJBは、それぞれ独立に、メチルであり、mは、1であり、nは、1である。
別の実施形態は、式Hによって表される化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、tは、1であり、Zは、フェニルまたはピリジルである。他の実施形態では、tは、0である。さらに別の実施形態では、環Aおよび環A2は、フェニルである。
別の実施形態は、以下の表の1つまたは複数から選択される化合物を提供する。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物を作製するプロセスを提供する。これらのプロセスは、一般に、以下のスキームに記載されている。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。
本発明はまた、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物または組成物を投与することを含む、対象の細菌感染症を処置または防止する方法を提供する。
該方法の一実施形態では、細菌感染症は、***症または炎症性腸疾患である。
別の実施形態は、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物を投与することを含む、対象の細菌感染症を処置または防止する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、***症または炎症性腸疾患である。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、潰瘍性大腸炎である。他の実施形態では、細菌感染症は、クローン病である。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、クローン病または潰瘍性大腸炎の原因である。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、AIEC(付着性侵襲性e.coli)株によって引き起こされる。
別の実施形態は、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物を投与することを含む、対象の炎症性腸疾患を処置または防止する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、患者である。他の実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、炎症性腸疾患は、クローン病である。他の実施形態では、炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である。
別の実施形態は、細菌を、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物と接触させることを含む、炎症性腸疾患を有する患者から単離されたe.coli細菌株に由来する細菌のFimHを阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細菌株は、LF−82である。
別の実施形態は、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物を投与することを含む、対象のFimHを阻害する方法を提供する。
別の実施形態は、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物を投与することを含む、対象のe.coliの付着を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、付着の阻害によって、粘膜下感染症の確立を防止する。
別の実施形態は、対象に、有効量の本明細書に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または前記化合物を含む組成物を投与することを含む、対象の1型線毛とCEACAM6の間の相互作用を妨害する方法を提供する。
本明細書に記載の通り、原子の特定数の範囲は、その範囲内の任意の整数を含む。例えば、1〜4個の原子を有する基は、1、2、3、または4個の原子を有することができる。
用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、化合物を、本明細書に開示の目的の1つまたは複数のために生成、検出、回収、保存、精製および使用可能にする条件に付した場合、実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、40℃またはそれ未満の温度において、湿気がない状態または他の化学的反応条件で、少なくとも1週間維持しても実質的に変化しない化合物である。
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書で使用される場合、完全に飽和しているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有しているが、非芳香族である、直鎖(すなわち非分岐)または分岐の炭化水素鎖を意味する。
別段特定されない限り、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有し、さらなる他の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。脂肪族基は、直鎖または分岐の、置換または非置換アルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり得る。具体例として、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、sec−ブチル、ビニル、n−ブテニル、エチニル、およびtert−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。用語「アルケニル」は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の二重結合を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。用語「アルキニル」は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の三重結合を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。
用語「脂環式」(または「炭素環」または「カルボシクリル」または「炭素環式」)は、飽和しているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有することができ、3〜14個の環炭素原子を有する、非芳香族単環式炭素を含有する環を指す。いくつかの実施形態では、環は、3〜10個の環炭素原子を有し、他の実施形態では、環は、3〜6個の炭素原子を有する。この用語には、多環式縮合、スピロまたは架橋炭素環系が含まれる。またこの用語には、炭素環が、1つもしくは複数の非芳香族炭素環もしくは複素環、または1つもしくは複数の芳香族環、またはその組合せに縮合し得る多環式環系が含まれ、ここで、接続ラジカルまたは接続点は、炭素環上にある。縮合二環式環系は、2個の隣接する環原子を共有する2つの環を含み、架橋二環式基は、3個または4個の隣接する環原子を共有する2つの環を含み、スピロ二環式環系は、1個の環原子を共有する。脂環式基の例として、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基が挙げられるが、これらに限定されない。具体例として、シクロヘキシル、シクロプロペニルおよびシクロブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「複素環」(または「ヘテロシクリル」または「複素環式」)は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の環の炭素が、N、SまたはOなどのヘテロ原子によって置き換えられている、飽和しているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有することができ、3〜14個の環原子を有する、非芳香族単環式環を指す。いくつかの実施形態では、環は、3〜10個の環原子を有し、他の実施形態では、環は、3〜6個の環原子を有する。さらなる他の実施形態では、環は、5〜6個の環原子を有する。この用語には、多環式縮合、スピロまたは架橋複素環系が含まれる。またこの用語には、複素環が、1つもしくは複数の非芳香族炭素環もしくは複素環、または1つもしくは複数の芳香族環、またはその組合せに縮合し得る多環式環系が含まれ、ここで、接続ラジカルまたは接続点は、複素環上にある。
複素環の例として、ピペリジニル、ピペラジニル(piperizinyl)、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、トリアゼパニル、アゾカニル、ジアゾカニル、トリアゾカニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾカニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、チアゾカニル、ベンゾイミダゾロニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、モルホリノ、例えば、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、チエノチエニル、チエノチアゾリル、ベンゾチオラニル、ベンゾジチアニル、3−(1−アルキル)−ベンゾイミダゾール−2−オニル、および1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オニルが挙げられるが、これらに限定されない。
環式基(例えば脂環式および複素環)は、直線的に縮合され、架橋されていてもよく、またはスピロ環であってもよい。
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素の1つまたは複数を意味する(窒素、硫黄、リンもしくはケイ素の任意の酸化形態、任意の塩基性窒素の四級化形態、または複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどのような)、NH(ピロリジニルなどのような)もしくはNR+(N置換ピロリジニルなどのような)を含む)。
用語「不飽和」は、本明細書で使用される場合、部分が、1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。当業者に公知であり得る通り、不飽和基は、部分的に不飽和であるか、または完全に不飽和であり得る。部分的に不飽和の基の例として、ブテン、シクロヘキセンおよびテトラヒドロピリジンが挙げられるが、これらに限定されない。完全に不飽和の基は、芳香族、抗芳香族または非芳香族であり得る。完全に不飽和の基の例として、フェニル、シクロオクタテトラエン、ピリジル、チエニル、および1−メチルピリジン−2(1H)−オンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書で使用される場合、酸素(「アルコキシ」、例えば−O−アルキル)または硫黄(「チオアルキル」、例えば−S−アルキル)原子を介して分子に接続している、既に定義されているアルキル基を指す。
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロ脂肪族」および「ハロアルコキシ」は、場合によっては、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されているアルキル、アルケニルまたはアルコキシを意味する。この用語には、−CF3および−CF2CF3などの全フッ素置換アルキル基が含まれる。
用語「ハロゲン」、「ハロ」および「hal」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」などのようなより大きい部分の一部として使用される用語「アリール」は、炭素環式芳香族環系を指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用することができる。
炭素環式芳香族環基は、炭素環原子(典型的に6〜14個)だけを有しており、この基には、フェニルなどの単環式芳香族環、および2つまたはそれ超の炭素環式芳香族環が互いに縮合している縮合多環式芳香族環系が含まれる。例として、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシルおよび2−アントラシルが挙げられる。また、用語「炭素環式芳香族環」の範囲には、本明細書で使用される場合、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどのような、芳香族環が1つまたは複数の非芳香族環(炭素環式または複素環式)に縮合している基が含まれ、ここで、接続ラジカルまたは接続点は、芳香族環上にある。
単独で、または「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」などのようなより大きい部分の一部として使用される用語「ヘテロアリール」、「複素芳香族」、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」および「複素芳香族基」は、単環式芳香族複素環、および単環式芳香族環が1つまたは複数の他の芳香族環に縮合している多環式芳香族環を含む、5〜14員を有する芳香族複素環基を指す。ヘテロアリール基は、1つまたは複数の環ヘテロ原子を有する。また、用語「ヘテロアリール」の範囲には、本明細書で使用される場合、芳香族環が1つまたは複数の非芳香族環(炭素環式または複素環式)に縮合している基が含まれ、ここで、接続ラジカルまたは接続点は、芳香族環上にある。二環式6,5芳香族複素環は、本明細書で使用される場合、例えば第2の5員環に縮合している6員芳香族複素環であり、ここで、接続ラジカルまたは接続点は、6員環上にある。
5〜10員ヘテロアリールには、単環式および二環式環の両方が含まれると理解されるものとする。例えば、5〜10員ヘテロアリールには、酸素、窒素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式環、および酸素、窒素または硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式環が含まれ得る。
ヘテロアリール基の例として、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルまたはチアジアゾリル、例えば、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、テトラゾリル、2−チエニル、3−チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、アクリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、または4−イソキノリニル)が挙げられる。
用語「保護基」および「保護性基」は、本明細書で使用される場合、交換可能であり、複数の反応性部位を有する化合物における1つまたは複数の所望の官能基を一時的に妨害するために使用される薬剤を指す。ある特定の実施形態では、保護基は、以下の特徴、a)保護された基質を得るのに良好な収率で、官能基に選択的に添加されること、b)他の反応性部位の1つまたは複数において生じる反応に対して安定であること、およびc)再生された脱保護官能基を攻撃しない試薬によって、良好な収率で選択的に除去可能であることの1つもしくは複数、または好ましくはすべてを有する。当業者に理解され得る通り、ある場合には、試薬は、化合物における他の反応基を攻撃しない。また他の場合には、試薬は、化合物における他の反応基と反応し得る。保護基の例は、Greene, T.W.、Wuts, P.Gの「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、New York:1999年(および他の出版本)に詳説されており、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。用語「窒素保護基」は、本明細書で使用される場合、多官能性化合物における1つまたは複数の所望の窒素反応性部位を一時的に妨害するために使用される薬剤を指す。また、好ましい窒素保護基は、前述の保護基について例示した特徴を有しており、ある特定の例示的な窒素保護基は、Greene, T.W.、Wuts, P.Gの「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、New York:1999年の第7章にも詳説されており、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、脂肪族鎖のメチレン単位は、示されている場合、任意選択で別の原子または基で置き換えられている。このような原子または基の例として、−NR−、−O−、−C(O)−、−C(=N−CN)−、−C(=NR)−、−C(=NOR)−、−S−、−S(O)−、および−S(O)2−が挙げられるが、これらに限定されない。これらの原子または基は、組み合わさって、より大きい基を形成することができる。このようなより大きい基の例として、−OC(O)−、−C(O)CO−、−CO2−、−C(O)NR−、−C(=N−CN)、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)2NR−、−NRSO2−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、および−NRSO2NR−(Rは、例えば、HもしくはC1〜6脂肪族であり、またはそれ以外では本明細書で定義されている)が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの基は、単結合、二重結合または三重結合を介して、脂肪族鎖のメチレン単位に結合し得ると理解されたい。二重結合を介して脂肪族鎖に結合している任意選択の置換え(この場合は窒素原子)の一例は、−CH2CH=N−CH3であり得る。ある場合には、特に末端上では、任意選択の置換えは、三重結合を介して脂肪族基に結合し得る。この一例は、CH2CH2CH2C≡Nであり得る。この状況では、末端窒素は、別の原子に結合していないと理解されたい。
また、用語「メチレン単位」は、分岐または置換メチレン単位も指すことができると理解されたい。例えば、イソプロピル部分[−CH(CH3)2]では、最初に言及した「メチレン単位」を置き換える窒素原子(例えばNR)は、ジメチルアミン[−N(CH3)2]をもたらし得る。こうした場合、窒素原子は、それに結合している任意の追加の原子を有することはなく、「NR」の「R」は、この場合存在できないことが、当業者に理解され得る。
用語「炭素単位」および「メチレン単位」は、交換可能である。これらの用語は、以下の炭化水素HC=CH−CH2C≡CHに示されている4つの個々の「メチレン単位」などの、様々な結合順の脂肪族基の炭素単位を指すと理解されるものとする。
安定な構造をもたらす基のこれらの置換えおよび組合せだけが、企図される。任意選択の置換えは、鎖中および/または鎖の末端の両方、すなわち接続点および/または末端の両方に存在し得る。また、2つの任意選択の置換えは、それによって化学的に安定な化合物が得られる限り、鎖中で互いに隣接し得る。また、任意選択の置換えは、鎖中の炭素原子のすべてを完全に置き換えることができる。例えば、C3脂肪族を、任意選択で−NR−、−C(O)−および−NR−によって置き換えると、−NRC(O)NR−(尿素)を形成することができる。
別段指定されない限り、置換えが末端で生じる場合、置換え原子は、末端上のHに結合している。例えば、−CH2CH2CH3が任意選択で−O−で置き換えられるならば、得られる化合物は、−OCH2CH3、−CH2OCH3、または−CH2CH2OHになり得る。末端原子が、任意の自由原子価電子を含有していない場合、水素原子は、末端において必要ではない(例えば、−CH2CH2CH=Oまたは−CH2CH2C≡N)と理解されたい。
別段指定されない限り、本明細書に図示されている構造はまた、構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性、ジアステレオマー、幾何、立体構造、および回転)形態を含むことを意味する。例えば、各不斉中心に関するRおよびS構造、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体構造異性体は、本発明に含まれる。当業者に理解され得る通り、置換基は、任意の回転可能な結合の周りで自由に回転することができる。例えば、
として図示される置換基は、
も表す。
したがって、本化合物の単一の立体化学的異性体ならびに鏡像異性、ジアステレオマー、幾何、立体構造および回転混合物は、本発明の範囲に含まれる。
別段指定されない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体形態は、本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物では、特定の同位体として具体的に指定されていない任意の原子は、その原子の任意の安定な同位体を表すことを意味する。別段指定されない限り、位置が「H」または「水素」として具体的に指定されている場合、その位置は、その天然存在度の同位体組成で水素を有すると理解される。また、別段指定されない限り、位置が「D」または「重水素」として具体的に指定されている場合、その位置は、0.015%である天然存在度の重水素を少なくとも3340倍超える存在度で重水素を有する(すなわち、重水素が少なくとも50.1%組み込まれる)と理解される。
「D」および「d」は、両方、重水素を指す。
またさらに、別段指定されない限り、本明細書に図示されている構造は、1つまたは複数の同位体的に濃縮された原子が存在する点だけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによって水素が置き換えられること、または13C−もしくは14C−濃縮炭素によって炭素が置き換えられることを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲に含まれる。このような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
本明細書に記載の通り、示されている本発明の化合物は、一般に本明細書に示されているか、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例示されているものなどの1つまたは複数の置換基で、任意選択で置換されていてもよい。句「任意選択で置換されている」は、句「置換または非置換」と交換可能に使用されることを理解されよう。一般に、用語「置換されている」は、用語「任意選択で」が先行していても先行していなくても、特定の置換基のラジカルで、所与の構造の水素ラジカルが置き換えられることを指す。別段指定されない限り、任意選択で置換されている基は、基のそれぞれ置換可能な位置に置換基を有することができ、任意の所与の構造において、1つ超の位置が特定の基から選択される1つ超の置換基で置換され得る場合、置換基は、あらゆる位置において同じであっても異なっていてもよい。
安定な構造をもたらすこれらの置換基の選択および組合せだけが企図される。このような選択および組合せは、当業者に明らかであり、過度の実験方法を用いずに決定することができる。
用語「環原子」は、芳香族基、シクロアルキル基または非芳香族複素環の環中にある、C、N、OまたはSなどの原子である。
芳香族基における「置換可能な環原子」は、水素原子に結合している環の炭素または窒素原子である。水素は、適切な置換基により任意選択で置き換えられていてもよい。したがって、用語「置換可能な環原子」は、2つの環が縮合している場合に共有される環の窒素または炭素原子を含まない。さらに、「置換可能な環原子」は、環の炭素または窒素原子が水素以外の部分に既に接続していることを構造が示している場合、それらの原子を含まない。
アリール基は、本明細書で定義の通り、適切な置換基に結合し得る、1つまたは複数の置換可能な環原子を含有することができる。アリール基の置換可能な環の炭素原子上の適切な置換基の例として、R’が挙げられる。R’は、−Ra、−Br、−Cl、−I、−F、−ORa、−SRa、−O−CORa、−CORa、−CSRa、−CN、−NO2、−NCS、−SO3H、−N(RaRb)、−COORa、−NRcNRcCORa、−NRcNRcCO2Ra、−CHO、−CON(RaRb)、−OC(O)N(RaRb)、−CSN(RaRb)、−NRcCORa、−NRcCOORa、−NRcCSRa、−NRcCON(RaRb)、−NRcNRcC(O)N(RaRb)、−NRcCSN(RaRb)、−C(=NRc)−N(RaRb)、−C(=S)N(RaRb)、−NRd−C(=NRc)−N(RaRb)、−NRcNRaRb、−S(O)pNRaRb、−NRcSO2N(RaRb)、−NRcS(O)pRa、−S(O)pRa、−OS(O)pNRaRbまたは−OS(O)pRaであり、pは、1または2である。
Ra〜Rdは、それぞれ独立に、−H、脂肪族基、芳香族基、非芳香族炭素環式もしくは複素環式基であり、または−N(RaRb)は、一緒になって、非芳香族複素環式基を形成する。Ra〜Rdによって表される脂肪族、芳香族および非芳香族複素環式基、ならびに−N(RaRb)によって表される非芳香族複素環式基は、それぞれ任意選択で独立に、R#によって表される1つまたは複数の基で置換されている。好ましくは、Ra〜Rdは、非置換である。
R#は、ハロゲン、R+、−OR+、−SR+、−NO2、−CN、−N(R+)2、−COR+、−COOR+、−NHCO2R+、−NHC(O)R+、−NHNHC(O)R+、−NHC(O)N(R+)2、−NHNHC(O)N(R+)2、−NHNHCO2R+、−C(O)N(R+)2、−OC(O)R+、−OC(O)N(R+)2、−S(O)2R+、−SO2N(R+)2、−S(O)R+、−NHSO2N(R+)2、−NHSO2R+、−C(=S)N(R+)2、または−C(=NH)−N(R+)2である。
R+は、−H、C1〜C4アルキル基、単環式アリール基、非芳香族炭素環式または複素環式基であり、これらはそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、−CN、−NO2、アミン、アルキルアミンまたはジアルキルアミンにより任意選択で置換されている。好ましくは、R+は非置換である。
脂肪族または非芳香族複素環式または炭素環式基は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の置換基を含有することができる。脂肪族基、または非芳香族複素環式基の環の炭素に適した置換基の例は、R’’である。R’’には、R’について先に列挙した置換基、および=O、=S、=NNHR**、=NN(R**)2、=NNHC(O)R**、=NNHCO2(アルキル)、=NNHSO2(アルキル)、=NR**、スピロシクロアルキル基または縮合シクロアルキル基が含まれる。各R**は、独立に、水素、非置換アルキル基または置換アルキル基から選択される。R**によって表されるアルキル基上の置換基の例として、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。
ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基が、窒素原子を含有している場合、その基は、置換または非置換であってよい。ヘテロアリール基の芳香族環における窒素原子が、置換基を有している場合、その窒素は、第四級窒素であり得る。
非芳香族の窒素含有複素環式基の置換のための好ましい位置は、窒素環原子である。非芳香族複素環式基またはヘテロアリール基の窒素上の適切な置換基には、−R^、−N(R^)2、C(O)R^、CO2R^、−C(O)C(O)R^、−SO2R^、SO2N(R^)2、C(=S)N(R^)2、C(=NH)−N(R^)2、および−NR^SO2R^(R^は、水素、脂肪族基、置換脂肪族基、アリール、置換アリール、複素環もしくは炭素環、または置換複素環もしくは炭素環である)が含まれる。R^によって表される基上の置換基の例として、アルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、スルホニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アリール、炭素環もしくは複素環、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルが挙げられる。好ましくは、R^は、置換されていない。
環の窒素上で置換されており、環の炭素原子において分子の残りに接続している、非芳香族の窒素含有複素環は、N置換されていると言われる。例えば、Nアルキルピペリジニル基は、ピペリジニル環の2つ、3つまたは4つの位置において分子の残りに接続しており、環の窒素においてアルキル基で置換されている。環の窒素上で置換されており、第2の環の窒素原子において分子の残りに接続している、ピラジニルなどの非芳香族の窒素含有複素環は、N’置換−N−複素環であると言われる。例えば、N’アシルN−ピラジニル基は、1個の環の窒素原子において分子の残りに接続しており、第2の環の窒素原子においてアシル基で置換されている。
本明細書で使用される場合、任意選択で置換されているアラルキルは、アルキルおよびアリール部分の両方の上で置換されていてもよい。別段指定されない限り、本明細書で使用される場合、任意選択で置換されているアラルキルは、アリール部分上で任意選択で置換されている。
用語「結合」および「存在しない」は、基が存在しないことを示すために、交換可能に使用される。
本発明の化合物は、本明細書では、それらの化学構造および/または化学名によって定義される。化合物が、化学構造および化学名の両方によって言及され、化学構造と化学名に矛盾がある場合、化合物の識別は、化学構造によって決定される。
本発明の化合物は、処置に合った自由な形態で、または適切な場合、薬学的に許容される塩で存在し得る。
薬学的に許容される塩
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の副作用、例えば毒性、刺激、アレルギー応答等なしに、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比に見合った化合物の塩を指す。
薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1〜19頁において薬学的に許容される塩を詳説しており、この文書は、参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機および有機酸および塩基に由来する塩が含まれる。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製中に、in situで調製することができる。酸付加塩は、1)遊離塩基形態の精製化合物を、適切な有機または無機酸と反応させ、2)こうして形成された塩を単離することによって調製することができる。
薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用されている他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。
塩基付加塩は、1)酸形態の精製化合物を、適切な有機または無機塩基と反応させ、2)こうして形成された塩を単離することによって調製することができる。適切な塩基から導出された塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、リチウム、およびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウムおよびカルシウム)塩、アンモニウム塩およびN+(C1〜4アルキル)4塩が含まれる。本発明はまた、本明細書に開示の化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定する。このような四級化によって、水溶性または油溶性または分散性生成物を得ることができる。
さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸低級アルキルおよびスルホン酸アリールなどの対イオンを使用して形成されたアミンカチオンが含まれる。他の酸および塩基は、それら自体が薬学的に許容されないものであっても、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸または塩基付加塩を得るのに中間体として有用な塩の調製に用いることができる。
本発明は、異なる薬学的に許容される塩の混合物/組合せ、ならびに遊離形態および薬学的に許容される塩としての化合物の混合物/組合せを含むことを理解されたい。
本発明の化合物に加えて、本発明の化合物の薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグも、本明細書で識別された障害を処置または防止するための組成物において用いることができる。
本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、用語「プロドラッグ」は、加水分解され、酸化し、またはその他の方法により生物学的条件下(in vitroまたはin vivo)で反応して、本発明の化合物を提供することができる、化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でこのような反応を受けると活性になることができ、またはそれらの未反応形態で活性を有することができる。本発明で企図されるプロドラッグの例として、生加水分解性部分、例えば生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性炭酸エステル、生加水分解性ウレイド、および生加水分解性ホスフェート類似体を含む、本発明の化合物の類似体または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例として、−NO、−NO2、−ONO、または−ONO2部分を含む、本発明の化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、典型的に、BURGER'S MEDICINAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY(1995年)、172〜178頁、949〜982頁(Manfred E. Wolff編、第5版)によって記載の方法などの周知の方法を使用して調製することができる。
「薬学的に許容される誘導体」は、それを必要としている患者に投与されると、本明細書の他の部分に記載の化合物またはその代謝産物もしくは残基を、直接的または間接的に提供することができる付加物または誘導体である。薬学的に許容される誘導体の例として、エステルおよびこのようなエステルの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ」には、レシピエントに投与されると、本発明の化合物または阻害活性を有するそれらの代謝産物もしくは残基を直接的または間接的に提供することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容されるエステル、エステルの塩、または他の誘導体もしくはそれらの塩が含まれる。特に有利な誘導体またはプロドラッグは、このような化合物が患者に投与されると、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増大するもの(例えば、経口投与された化合物を、より容易に血中に吸収させることによって)、または親種と比較して、生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を促進するものである。
本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグには、エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩およびスルホン酸エステルが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、句「副作用」は、治療(例えば、予防剤または治療剤)の望ましくない有害作用を包含する。副作用は、常に望ましくないが、望ましくない作用が、必ずしも有害であるとは限らない。治療(例えば、予防剤または治療剤)によって生じた有害作用は、害を及ぼし、または不快であり、または危険を伴うおそれがある。副作用には、発熱、悪寒、嗜眠、胃腸毒性(胃および腸管の潰瘍およびびらんを含む)、悪心、嘔吐、神経毒性、腎毒性、腎毒性(乳頭壊死および慢性間質性腎炎などの状態を含む)、肝毒性(血清肝酵素レベルの上昇を含む)、骨髄毒性(白血球減少症、骨髄抑制、血小板減少症および貧血を含む)、口内乾燥、金気、妊娠期間の延長、脱力感、傾眠、疼痛(筋痛、骨痛および頭痛を含む)、抜け毛、無力症、浮動性めまい、錐体外路症状、アカシジア、心血管障害および性機能障害が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体、希釈剤、アジュバントまたはビヒクルを含む医薬組成物である。一実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物および薬学的に許容される担体、希釈剤、アジュバントまたはビヒクルを含む医薬組成物である。薬学的に許容される担体には、例えば所期の投与形態に関して適切に選択された、従来の薬務に従う医薬品用の希釈剤、賦形剤または担体が含まれる。
薬学的に許容される担体は、化合物の生物活性を過度に阻害しない不活性成分を含有していてもよい。薬学的に許容される担体は、対象に投与すると生体適合性があるもの、例えば非毒性、非炎症性、非免疫原性であり、または他の望ましくない反応もしくは副作用を生じないものであるべきである。標準的な医薬製剤化技術を用いることができる。
薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、本明細書で使用される場合、所望の特定の剤形に適している任意のおよびすべての溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散助剤もしくは懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤等が含まれる。Remington's Pharmaceutical Sciences、第16版、E. W. Martin(Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1980年)は、薬学的に許容される組成物を製剤化するのに使用される様々な担体、および組成物を調製するための公知の技術を開示している。任意の従来の担体媒体が、任意の望ましくない生物学的作用をもたらし、またはその他の方法で薬学的に許容される組成物の任意の他の構成成分(複数可)と害のある方式で相互作用するなどによって、本発明の化合物と適合しない場合を除いて、その使用は、本発明の範囲に含まれることが企図される。
薬学的に許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例として、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末化トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝溶液、ならびに他の非毒性の適合性のある滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびにやはり薬剤師の判断に従って組成物中に存在することができる、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および賦香剤、保存剤、ならびに抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物またはその医薬品用の塩は、本明細書で定義の通り、対象に投与するための医薬組成物に製剤化することができる。細菌感染症、例えばIBDを処置または防止するのに有用な量の化合物、および薬学的に許容される担体を含むこれらの医薬組成物は、本発明の別の実施形態である。
一実施形態では、本発明は、対象に、有効量の本発明の化合物または組成物を投与することを含む、それを必要としている対象の細菌感染症、例えばIBDを処置または防止する方法である。
本明細書で使用される場合、用語「対象」、「患者」および「哺乳動物」は、交換可能に使用される。用語「対象」および「患者」は、動物(例えばトリ、例えばニワトリ、ウズラもしくはシチメンチョウ、または哺乳動物)、好ましくは非霊長類(例えば、雌ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ラット、ネコ、イヌおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を含めた哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。一実施形態では、対象は、非ヒト動物、例えば家畜動物(例えば、ウマ、雌ウシ、ブタまたはヒツジ)、またはペット(例えば、イヌ、ネコ、モルモットまたはウサギ)である。好ましい一実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。本発明では、所望の生物学的応答は、細菌(bateria)感染症の重症度、期間、進行もしくは発症を低減もしくは寛解させ、細菌感染症の進展を防止し、細菌感染症の退行を引き起こし、細菌感染症に関連する症状の再発、発生、発症もしくは進行を防止し、または別の治療の予防的もしくは治療的作用(複数可)を促進もしくは改善することである。対象に投与される化合物の正確な量は、投与機序、疾患または状態のタイプおよび重症度、ならびに対象の特徴、例えば全体的な健康状態、年齢、性別、体重および薬物耐性に応じて決まる。また化合物の量は、細菌感染症の度合い、重症度およびタイプ、ならびに投与機序に応じて決まる。当業者は、これらおよび他の要因に応じて、適切な投与量を決定することができよう。他の薬剤と併用投与される場合、例えば細菌感染症薬剤と併用投与される場合、第2の薬剤の「有効量」は、使用される薬物のタイプに応じて決まる。承認薬剤に適した投与量は、公知であり、対象の状態、処置を受ける状態(複数可)のタイプ、および使用される本発明の化合物の量に従って、当業者によって調節され得る。量が明確に記載されていない場合、有効量は推定されるべきである。
本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置」および「処置を行う」は、細菌感染症の進行、重症度および/もしくは期間の低減もしくは緩和、または1つもしくは複数の治療(例えば、1つまたは複数の治療剤、例えば本発明の化合物)の投与から生じる細菌感染症の1つもしくは複数の症状(好ましくは、1つまたは複数の識別可能な症状)の緩和を指す。具体的な実施形態では、用語「処置する」、「処置」および「処置を行う」は、細菌感染症の少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの緩和を指す。他の実施形態では、用語「処置する」、「処置」および「処置を行う」は、例えば識別可能な症状を安定化することによって身体的に、例えば身体的パラメータを安定化することによって生理的に、またはその両方によって、細菌感染症の進行を阻害することを指す。他の実施形態では、用語「処置する」、「処置」および「処置を行う」は、細菌感染症の低減または安定化を指す。
本明細書で使用される場合、用語「防止する」、「防止」および「防止を行う」は、所与の細菌感染症の獲得もしくは発症の危険性の低減、または再発もしくは細菌感染症の低減もしくは阻害を指す。一実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態、疾患または障害のいずれかに対する遺伝的素因を有する患者、好ましくはヒトに、防止的方策として投与される。
本発明の薬学的に許容される組成物は、ヒトおよび他の動物に、処置を受ける感染症の重症度に応じて、経口、直腸内、非経口、嚢内、腟内、腹腔内、局所(散剤、軟膏または点滴などによって)、頬側により、経口または鼻腔用スプレー等として投与することができる。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルション剤、マイクロエマルション剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、一般に当技術分野で使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有することができる。経口組成物は、不活性希釈剤に加えて、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに賦香剤を含むこともできる。
注射可能な調製物、例えば注射可能な滅菌水性または油性懸濁液は、公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。また、注射可能な滅菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口に許容される希釈剤または溶媒中の注射可能な滅菌溶液、懸濁液またはエマルションであり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに滅菌固定油は、従来、溶媒または懸濁化媒体として用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。さらに、注射剤の調製物には、オレイン酸などの脂肪酸が使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルタを介して濾過することによって、または滅菌剤を、滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態に、使用前に組み込むことによって、滅菌することができる。
本発明の化合物の作用を延長させるために、皮下または筋肉内注射によって化合物の吸収を緩徐させることがしばしば望ましい。このことは、水溶性が低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。次に、化合物の吸収速度は、化合物の溶解速度に応じて決まり、溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶形に応じて決まり得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、化合物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。注射可能なデポー形態は、化合物を生分解性ポリマー、例えばポリラクチド−ポリグリコリドに入れたマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。化合物の放出速度は、化合物とポリマーの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。また、注射可能なデポー製剤は、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションに化合物を封入することによって調製される。
直腸または膣内投与のための組成物は、好ましくは坐剤であり、坐剤は、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが体温で液体になり、したがって直腸または膣腔内で溶融し、活性化合物を放出する適切な非刺激性の賦形剤または担体、例えばカカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することができる。
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/またはa)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)可溶化遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収加速剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
また、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、類似のタイプの固体組成物を、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤技術分野で周知の他のコーティングを用いて調製することができる。また、これらの剤形は、任意選択で乳白剤を含有することができ、腸管のある特定の一部だけでまたは優先的に、任意選択で遅延方式で活性成分(複数可)を放出する組成物であり得る。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。また、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールなどの賦形剤を使用して、類似のタイプの固体組成物を、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることができる。
また、活性化合物は、先に記載の1種または複数の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤化技術分野で周知の他のコーティングを用いて調製することができる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンと混ぜ合わせることができる。また、このような剤形は、通常の慣行通り、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、打錠用滑沢剤および他の打錠用助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースを含むことができる。また、カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むことができる。また、これらの剤形は、任意選択で乳白剤を含有することができ、腸管のある特定の一部だけでまたは優先的に、任意選択で遅延方式で活性成分(複数可)を放出する組成物であり得る。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチ剤が含まれる。活性な構成成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体および必要に応じて任意の必要な保存剤または緩衝液と混ぜ合わされる。眼科用製剤、点耳薬、および点眼薬も、本発明の範囲に含まれることが企図される。さらに本発明は、経皮パッチの使用を企図し、それによって、化合物を身体に制御送達できるという追加の利点を有する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分配させることによって作製され得る。また、吸収促進剤を使用して、皮膚を介する化合物の流動を増大することができる。その速度は、律速膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散させることによって制御することができる。
本発明の組成物は、経口、非経口により、吸入スプレーによって、局所、直腸内、経鼻、頬側、膣内により、または移植片リザーバーを介して投与することができる。用語「非経口」には、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技術が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。
本発明の組成物の注射可能な滅菌形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。また、注射可能な滅菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口に許容される希釈剤または溶媒中の注射可能な滅菌溶液または懸濁液であり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに滅菌固定油は、従来、溶媒または懸濁化媒体として用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。注射剤の調製物には、脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体が有用であり、天然の薬学的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチレン化型も有用である。また、これらの油性溶液または懸濁液は、エマルションおよび懸濁液を含む一般に薬学的に許容される剤形の製剤に使用される、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散化剤を含有することができる。また、薬学的に許容される固体、液体または他の剤形の製造に一般に使用される、他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween類、Span類および他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ促進剤を、製剤化の目的で使用することができる。
本発明の医薬組成物は、限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液剤または溶液剤を含めた任意の経口に許容される剤形で、経口投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれるが、これらに限定されない。また、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムが、典型的に添加される。カプセル形態の経口投与では、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。経口使用のために水性懸濁液が必要な場合、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。また所望に応じて、ある特定の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することができる。
あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。坐剤は、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体になり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する、適切な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物はまた、特に処置の標的が、目、皮膚または下部腸管の疾患を含めた、局所適用によって容易に到達できる領域または器官を含む場合、局所投与することができる。適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれに合わせて容易に調製される。
下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(先を参照)または適切な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチを使用することもできる。
局所適用では、医薬組成物は、1種または複数の担体に懸濁または溶解した活性な構成成分を含有する、適切な軟膏に製剤化することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体には、鉱物油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、医薬組成物は、1種または複数の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性な構成成分を含有する、適切なローション剤またはクリーム剤に製剤化することができる。適切な担体には、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、これらに限定されない。
点眼のための使用では、医薬組成物は、等張のpH調節済み滅菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液として、または好ましくは、等張のpH調節済み滅菌生理食塩水中の溶液として、塩化ベンザルコニウム(benzylalkonium)などの保存剤を用いてまたは用いずに製剤化することができる。あるいは、点眼のための使用では、医薬組成物は、軟膏、例えばワセリンに製剤化することができる。
本発明の医薬組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することができる。このような組成物は、医薬製剤化分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを促進するための吸収助長剤、フッ化炭素、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散化剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
本発明の化合物を利用する投与レジメンは、処置を受ける障害および障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事;用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;対象の腎臓および肝臓の機能;ならびに用いられる特定の化合物またはその塩、処置期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物、ならびに医療分野で周知の類似の因子を含めた様々な因子に従って選択することができる。当業者は、疾患を処置し、例えば防止し、阻害し(完全にまたは部分的に)、または疾患の進歩を停止させるのに必要な本発明の化合物の有効量を容易に決定し、処方することができる。
本発明の化合物の投与量は、約0.01〜約100mg/体重kg/日、約0.01〜約50mg/体重kg/日、約0.1〜約50mg/体重kg/日、または約1〜約25mg/体重kg/日の範囲であり得る。1日当たりの総量は、単回投与で投与することができ、または1日2回、3回もしくは4回などの複数回投与で投与することができると理解される。
本発明の方法で使用するための化合物は、単位剤形に製剤化することができる。用語「単位剤形」は、処置を受ける対象に合わせた単位投与量として適した物質的に別個の単位を指し、各単位は、任意選択で適切な医薬品用の担体と共同して所望の治療作用をもたらすように算出された所定量の活性材料を含有する。単位剤形は、単一の1日用量、または複数の1日用量(例えば、1日当たり約1〜4回またはそれを超える回数)の1つに合うようにすることができる。複数の1日用量が使用される場合、単位剤形は、用量ごとに同じでも異なっていてもよい。
有効量は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を単独で、または追加の適切な治療剤、例えばがん治療剤と組み合わせて用いる本発明の方法または医薬組成物で実現され得る。組合せ治療が用いられる場合、有効量は、第1の量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、および第2の量の追加の適切な治療剤を使用して実現され得る。
一実施形態では、本発明の化合物および追加の治療剤は、有効量(すなわち、それぞれ単独で投与される場合に治療上有効となり得る量)でそれぞれ投与される。別の実施形態では、本発明の化合物および追加の治療剤は、それぞれ、単独では治療作用をもたらさない量(治療用量以下)で投与される。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、有効量で投与することができ、追加の治療剤は、治療用量以下で投与される。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、治療用量以下で投与することができ、追加の治療剤、例えば適切ながん治療剤は、有効量で投与される。
本明細書で使用される場合、用語「組み合わせて」または「併用投与」は、1つ超の治療(例えば、1種または複数の予防剤および/または治療剤)の使用を指すために、交換可能に使用することができる。この用語の使用によって、治療(例えば、予防剤および/または治療剤)が対象に投与される順序は制限されない。
併用投与は、併用投与の第1および第2の量の化合物を、例えば固定された比率の第1および第2の量を有する単一の医薬組成物、例えばカプセル剤もしくは錠剤で、またはそれぞれに別々の複数のカプセル剤もしくは錠剤で、本質的に同時に投与することを包含する。さらに、このような併用投与はまた、各化合物を、いずれかの順序で逐次的に使用することを包含する。
併用投与が、第1の量の本発明の化合物と、第2の量の追加の治療剤を別々に投与する場合、化合物は、所望の治療作用をもたらすのに時間的に十分に近接して投与される。例えば、所望の治療作用をもたらすことができる、各投与間の時間は、数分から数時間の範囲であってもよく、各化合物の特性、例えば効力、可溶性、バイオアベイラビリティ、血漿内半減期および動態プロファイルを考慮に入れて決定することができる。例えば、本発明の化合物および第2の治療剤は、互いに約24時間以内、互いに約16時間以内、互いに約8時間以内、互いに約4時間以内、互いに約1時間以内、または互いに約30分間以内に、任意の順序で投与することができる。
さらに具体的には、第1の治療(例えば、予防剤または治療剤、例えば本発明の化合物)は、対象に第2の治療(例えば、予防剤または治療剤、例えば抗がん剤)を投与する前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、第2の治療と同時、または第2の治療の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に投与することができる。
第1の量の本発明の化合物および第2の量の追加の治療剤を併用投与する方法は、促進されたまたは相乗的な治療作用をもたらすことができ、組み合わされた作用は、第1の量の本発明の化合物および第2の量の追加の治療剤を別々に投与して得られるはずの相加作用を上回ると理解される。
本明細書で使用される場合、用語「相乗的」は、治療の相加作用よりも有効な、本発明の化合物と別の治療(例えば、予防剤または治療剤)の組合せを指す。治療の組合せ(例えば、予防剤または治療剤の組合せ)の相乗作用により、より低い投与量の1種もしくは複数の治療を使用することができ、かつ/または対象への前記治療の投与頻度を低減することができる。より低い投与量の治療(例えば、予防剤または治療剤)を利用し、かつ/または前記治療の投与頻度を低減する能力によって、障害の防止、管理または処置における前記治療の有効性を低減することなく、対象への前記治療の投与に関連する毒性が低減される。さらに、相乗作用は、障害の防止、管理または処置において薬剤の有効性を改善することができる。最後に、治療の組合せ(例えば、予防剤または治療剤の組合せ)の相乗作用は、いずれかの治療を単独で使用することに関連する有害なまたは望ましくない副作用を回避または低減することができる。
相乗作用の存在は、薬物の相互作用を評価するのに適した方法を使用して決定することができる。適切な方法には、例えば、Sigmoid−Emax方程式(Holford, N.H.G.およびScheiner, L.B.、Clin. Pharmacokinet. 6巻:429〜453頁(1981年))、Loewe相加性方程式(Loewe, S.およびMuischnek, H.、Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114巻:313〜326頁(1926年))および半数影響(median-effect)方程式(Chou, T.C.およびTalalay, P.、Adv. Enzyme Regul. 22巻:27〜55頁(1984年))が含まれる。先に言及した各方程式に、実験データを適用して、薬物の組合せの作用を評価する一助にするための対応するグラフを作成することができる。先に言及した方程式に関連する対応するグラフは、それぞれ濃度効果曲線、アイソボログラム曲線および組合せ指数曲線である。
細菌感染症の阻害剤としての化合物の活性は、in vitroまたはin vivoでアッセイすることができる。in vitroアッセイには、FimH活性の阻害を決定するアッセイが含まれる。代替のin vitroアッセイによって、FimHに結合する阻害剤の能力が定量化され、結合の前に阻害剤を放射標識し、阻害剤複合体を単離し、結合した放射標識の量を決定することによって、または新しい阻害剤を、公知の放射性リガンドに結合したFimHと共にインキュベートする競合実験を実施することによって測定することができる。本発明で利用される化合物をアッセイするための詳細な条件を、以下の実施例に記載する。
実験の詳細
以下の実施例では、以下の略語が使用される。
AcOH 酢酸
Ac2O 無水酢酸
aq 水性
BF3.OEt2 ジエチルオキソニオ−トリフルオロ−ホウ素
CH3CN アセトニトリル
CCl3CN トリクロロアセトニトリル
CDCl3 クロロホルム−D
conc 濃縮物
CV カラム体積
Cs2CO3 炭酸セシウム
Cu(OAc)2 ジアセトキシ銅
CH2Cl2 塩化メチレンまたはジクロロメタン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Eq. 当量
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
Hex ヘキサン
LiOH.H2O 水酸化リチウム一水和物
M モル
MeOH メタノール
NaOMe ナトリウムメトキシド
Min 分
MS4Å 分子ふるい4オングストローム
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
Na2SO4 硫酸ナトリウム
NMO N−メチルモルホリン−N−オキシド
OsO4 四酸化オスミウム
PdCl2 塩化パラジウム(II)
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム(II)
PdCl2(dppf).CH2Cl2 (1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド
Pd(OH)2 ジヒドロキシパラジウム
Pd(PPh3)4 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
Pyr ピリジン
RT 室温
Siliacat DPP−Pd シリカ担持ジフェニルホスフィンパラジウム
TBABr テトラブチルアンモニウムブロミド
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSOTf トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
本発明の化合物は、当業者に一般に公知のステップを使用して、本明細書に照らして調製することができる。これらの化合物は、限定されるものではないが、LC−MS(液体クロマトグラフィー質量分析)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)およびNMR(核磁気共鳴)を含めた公知の方法によって分析することができる。以下に示されている具体的な条件は、単なる例であり、本発明の化合物を作製するために使用できる条件の範囲を限定することを意味しないと理解されたい。むしろ本発明は、本明細書に照らして当業者に明らかとなる、本発明の化合物を作製するための条件も含む。別段指定されない限り、以下のスキームにおけるすべての変数は、本明細書で定義の通りである。
質量スペクトルの試料は、Waters UPLC Acquity質量分析計をシングルMSモードで操作して、エレクトロスプレーイオン化により分析される。試料を、クロマトグラフィーを使用して質量分析計に導入する。質量スペクトル分析のための移動相は、0.1%ギ酸およびアセトニトリル−水混合物からなっていた。カラム勾配条件は、6分間の実施時間で5%〜85%アセトニトリル−水である。Acquity HSS T3 1.8um 2.1mm ID×50mm。流速は1.0mL/分である。本明細書で使用される場合、用語「Rt(分)」は、化合物に関連するLC−MS保持時間を分で表したものを指す。別段指定されない限り、保持時間の記録を得るために利用したLC−MS方法は、先に詳説した通りである。
逆相HPLCによる精製は、標準条件下で、Phenomenex Gemini 21.2mm ID×250mmカラム(5μm)、Gemini 21.2mm ID×75mmカラム(5μm)、110Å、またはほとんどの場合にはWaters XSELECT CSH Prep C18(5μm)ODB 19×100mmカラムを使用して行う。溶出は、移動相として直線勾配CH3CN−H2Oを使用して実施する(0.01%TFA緩衝液または0.1%HCOHを伴ってまたは伴わずに)。溶媒系は、化合物の極性に従って調整し、流速は20mL/分とする。化合物は、UVまたはWaters 3100質量検出器のいずれかによって、ESI正モードで収集する。所望の化合物を含有する画分を組み合わせ、濃縮して(ロータリーエバポレーター)、過剰のCH3CNを除去し、得られた水溶液を凍結乾燥させて、ほとんどの場合、所望の材料を白色泡状物質として得る。
HPLC分析方法は、Phenomenex Gemini C18 3um 110Å 4.6mm ID×250mm、Phenomenex Gemini C18 3um 110Å 4.6mm ID×50mmにより、移動相としてCH3CN−H2Oの異なる組合せ(緩衝液として0.01%TFA)を使用して、流速1mL/分、PDA210nmで実施する。方法A:Phenomenex Gemini C18 3um 110A 4.6mm ID×250mm;(40分間で10〜50%アセトニトリル−水、0.01%TFA)。方法B:Phenomenex Gemini C18 3um 110A 4.6mm ID×250mm;(40分間で50〜90%アセトニトリル−水、0.01%TFA)。方法C:Phenomenex Gemini C18 3um 110A 4.6mm ID×50mm;(10分間で20〜60%アセトニトリル−水、0.01%TFA)。方法D:Phenomenex Gemini C18 3um 110A 4.6mm ID×50mm;(10分間で10〜50%アセトニトリル−水、0.01%TFA)。
一般合成法:本明細書に記載の実施例を、以下の一般法に従って調製する
方法1:タイプIIIのビアリール中間体の調製
タイプIIIのビアリール中間体を、タイプIのアリールボロン酸またはアリール−ピナコールボロネート(市販されており、または対応するハロゲン化物から調製される)と、タイプIIのアリール−ハロゲン化物との間のパラジウム触媒クロスカップリングによって調製する(スキーム1)。あるいは、カップリングパートナーは、タイプIVのアリールボロン酸またはアリール−ピナコールボロネート(市販されており、または対応するハロゲン化物から調製される)と、タイプVのアリール−ハロゲン化物である。
方法2:式AおよびCの実施例の合成
式AおよびCの化合物は、2ステップの合成順で調製することができる(スキーム2)。タイプIIIのビアリールのグリコシル化は、3つの別個の合成経路によって実現することができる(スキーム2)。最初に、タイプIIIのビアリールの存在下で、タイプVIのアノマーO−アセチル誘導体をルイス酸(BF3OEt2)によって活性化することにより、タイプVIIの保護された(PGはAcである)マンノシドを得る。あるいは、タイプVIIIのトリクロロイミデートをトリメチルシリルトリフレートで活性化することによって、タイプIIIのビアリールのグリコシル化を実現することができる。3つ目に、タイプIIIのビアリールの存在下で、タイプIXのアノマーフッ化物を臭化第二水銀で活性化することによって、タイプVIIの完全に保護されたマンノシドを得ることができる。最後に、VII上の保護基を除去すると(アセテートのけん化およびベンジルエーテルの水素化分解)、タイプXの所望のマンノシドが作成される。
方法3:式AおよびCの実施例の合成
あるいは、式AおよびCのマンノシドは、3ステップの合成順で調製することができる(スキーム3)。方法2で前述した条件下でIIをグリコシル化することによって、タイプXIの中間体を作成することができ、それを、Iとのパラジウム触媒クロスカップリングに付すと、タイプVIIの完全に保護されたマンノシドを作成することができる。前述の条件下で脱保護することによって、タイプXの所望のマンノシドが作成される。
方法4:式AおよびCの実施例の合成
あるいは、タイプXIのマンノシドを、それらの対応するピナコールボロネートXIIに変換した後、タイプVの臭化アリールとのパラジウム触媒クロスカップリングに付すと、前述のマンノシドVIIを作成することができる(スキーム4)。
方法5:式Dの実施例の合成
式Dのマンノシドは、2ステップの順で調製することができる(スキーム5)。ルイス酸(例えばBF3OEt2)によって(E)−2−((3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イリデン)エチルアセテートへのタイプXIIIのフェノールの付加を助長すると、スピロ−マンノシドXIVが得られる(Tetrahedron、2010年、66巻、5229〜5234頁参照)。最後に、ベンジル保護基の水素化分解によって、タイプXVの所望のマンノシドが作成される。
方法6:式Bの実施例の合成
式Bのマンノシドは、2ステップの合成順で調製することができる(スキーム6)。トリメチルシリルトリフレートによってタイプXVIのマンノシドへのタイプXVIIのアルコールの付加を助長すると、タイプXVIIIのα−O−マンノシドが作成される。それを水素化分解すると、所望のマンノシドXIXが作成される。
方法7:式Eの実施例の合成
式Eのビス−マンノシドは、それぞれ2つのステップを含む3つの並行した合成経路で調製することができる。最初に、ピナコールボロネートXIIとハロゲン化アリールXXとの間でパラジウム触媒カップリングを行うことによって、完全に保護されたビス−マンノシドXXIが得られる。XXIの保護基を除去すると、所望のビス−マンノシドXXIIが作成される。あるいは、ハロゲン化アリールXIおよびXXを、パラジウム触媒作用の下で直接カップリングさせることができる(X=Brである場合は、J. Org. Chem. 2003年、68巻、3938〜3942頁参照、およびX=Iである場合には、J. Org. Chem. 2012年、77巻、2971〜2977頁参照)。最後に、タイプVIのアノマーO−アセチル誘導体をルイス酸(例えばBF3OEt2)によって活性化することによって、タイプXXIIIのビス−フェノールを二重グリコシド化すると、やはり完全に保護された所望のビス−マンノシドXXIを得ることができる。
方法8:式Fの実施例の合成
式Fのビス−マンノシドは、ピナコールボロネートXIIとビス−ハロゲン化アリールまたはヘテロアリールとの間の二重パラジウム触媒クロスカップリングによって、2つのステップで調製することができる。その後、得られたビス−マンノシドXXIVを標準条件下で脱保護すると、所望のビス−マンノシドXXVを得ることができる。
Xは、ハロであり、PGは、適切なヒドロキシル保護基である。
方法9:式Gの実施例の合成
式Gのマンノシドは、XI上の保護基を除去することによって得られた臭化アリールXXVIと、TMS−アセチレンとの二重パラジウム/銅触媒薗頭カップリングを介して、1つのステップで調製することができる。
方法10:式Hの実施例の合成
式Hの化合物は、2つのステップで調製することができる。最初に、臭化アリールXXIXとピナコールボロネートXXVIIIとの間のパラジウム触媒クロスカップリングによって、所望のビアリールXXXを作成することができる。保護基を除去すると、所望のビス−スピロ−マンノシドXXXIを得ることができる。中間体XXIXおよびXXVIIIは、適切に置換されたフェノールを使用して、方法5に記載のカップリングから作成することができる。
図1に図示されている炭水化物中間体M1〜M22を、本明細書に記載の実施例の調製に使用する。
中間体M1の調製
(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−2,4,5−トリイルトリアセテート
Angew. Chem. Int. Ed. 2010年、49巻、8724〜8728頁に記載されている手順に従って、標題化合物を調製する。
中間体M2の調製
(4aR,6R,7S,8S,8aR)−7−(ベンジルオキシ)−8−フルオロ−2−フェニル−6−(フェニルチオ)ヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン
JOC、2007年、72巻、1681〜1690頁に記載されている手順に従って、標題化合物を調製する。
中間体M3の調製
ステップI:(2R,3R,4S,5S,6R)−2−(アセトキシメチル)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
市販されている[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5,6−テトラアセトキシテトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(3.814g、9.771mmol)および4−ヨードフェノール(2.650g、12.05mmol)の1,2−ジクロロエタン(35mL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(1.810mL、14.66mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温に加温し、40℃で12時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ入れ、CH2Cl2で希釈する。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で逆洗浄する。合わせた有機フラクションをNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。所望の化合物を溶離液としてヘキサン/EtOAc(20から60%EA)を使用するBiotage(商標)システム上でのシリカゲルカラム(100g)上で精製して、標題化合物(4.01g、収率75%)を得る。
ステップII:(2R,3S,4S,5S,6R)−2−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(4.014g、7.29mmol)のMeOH(100mL)中溶液に、NaOMe(25重量/容量%、1.58mL、7.29mmol)を加える。反応混合物を室温で終夜撹拌する。反応混合物を酢酸(420μL、7.386mmol)でクエンチし、濃縮する。残留物をTol 500mLに懸濁し、混合物を真空で濃縮する。残留物をDMF(100mL)に部分的に溶解し、0℃に冷却し、tert−ブチル−クロロ−ジフェニル−シラン(4.00mL、15.38mmol)を、次いで4H−イミダゾール(2.023g、29.72mmol)を加える。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで室温に加温し、2日間かけて撹拌する。得られた混合物をH2O/Et2O(1/1)に注ぎ入れる。有機層を分離し、水(2×)、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮する。残留物をHex中10、20、50および100%EtOAcで溶出するシリカゲルの大パッド上で精製して、所望の物質(3.725g、収率82%)を得る。
ステップIII:tert−ブチルジフェニル(((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ)シラン
ステップIIからのtert−ブチルジフェニル(((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ)シラン(3.725g、6.003mmol)および臭化ベンジル(2.90mL、24.4mmol)のDMF(30mL)中溶液に、0℃でNaH(801mg、20.0mmol)を少しずつ加える。反応混合物を室温に加温し、12時間撹拌した。反応混合物をNH4Clの飽和水溶液に注ぎ入れ、Et2Oで抽出する。有機層を水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗製の混合物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(0、2、4%EA)を使用するシリカゲルのパッド上で精製して、標題化合物(4.002g、収率73%)を無色油状物として得る。
ステップIV:((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール
ステップIIIからのtert−ブチルジフェニル(((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ)シラン(4.002g、4.402mmol)のTHF(75mL)中溶液に、酢酸(100μL、1.76mmol)を、次いでテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、10.6mL、10.6mmol)を加える。反応混合物を室温で終夜撹拌する。得られた混合物を真空で濃縮し、残留物を溶離液としてヘキサン/EtOAc(10から30%EA)を使用するBiotage(商標)システム上でのシリカゲルカラム(100g)上で精製して、標題化合物(2.583g、収率85%)を無色油状物として得る。
ステップV:中間体M3
ステップIVからの((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(4−ヨードフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール(444mg、0.646mmol)のCH2Cl2(5.02mL)中溶液に、0℃で2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(193μL、1.293mmol)を、次いでXtalFluor−E(163mg、0.711mmol)を加える。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、NaHCO3の飽和水溶液に注ぎ入れ、CH2Cl2で希釈する。有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。得られた粗製の混合物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(0から20%EA)を使用するBiotage(商標)システム上でのシリカゲルカラム(25g)上で精製して、標題化合物(52mg、収率12%)を得る。
中間体M4の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
ステップI:(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール
(3aS,4S,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(市販品)(25.00g、96.1mmol)およびK2CO3(19.92g、144.1mmol)のMeOH(250.0mL)中懸濁液に、ギ酸(水中37%,178.7mL、2.401mmol)を加える。反応混合物を95℃で64時間撹拌し、0℃に冷却し、H2SO4水溶液(10%)で中和(pH7)する。混合物を0℃で15分間撹拌し、この時点で得られた沈殿物を濾別し、母液を真空で濃縮して、無色油状物を得る。粗製の油状物をCH2Cl2に溶解し、有機相を水およびブラインで洗浄する。溶液をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮し、15CV上で40〜100%EtOAc/ヘキサンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ220g)により最後に精製して、標題化合物(19.3g、66.5mmol、69%)を得る。
ステップII:(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン
機械撹拌および熱電対を装備した3ッ口丸底フラスコ(3L)中に、ステップIからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(38g、130.9mmol)、Cs2CO3(23.58g、235.6mmol)および水(1.33L)を加える。得られた混合物を氷/水浴を使用して3℃に冷却し、次いでBr2(31.37g、10.11mL、196.3mmol)を5分かけて加える。反応混合物を徐々に室温にし、16時間撹拌する。反応混合物をN2(溶液に吹き込み)で30分間フラッシュし、飽和Na2S2O3水溶液300mlで15分間処理し、CH2Cl2(3×200ml)で抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、10CV上で0〜75%EtOAc/ヘキサンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ220g)により精製して、標題化合物(29.0g、101mmol、77%)を得る。
ステップIII:(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヨードメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン
機械撹拌および冷却器を装備した2L丸底フラスコ中に、(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(30.5g、106mmol)、イミダゾール(25.93g、380.9mmol)およびトリフェニルホスファン(72.15g、275.1mmol)、トルエン(915.0mL)を、続いてI2(69.82g、275.1mmol)を装填する。反応混合物を85℃で90分間撹拌し、室温に冷却し、濾過する。固体をトルエン200mlで洗浄し、合わせた濾液に飽和Na2S2O3水溶液150mlおよびNaCl 25mlを加える。得られた溶液を15分間撹拌する。有機層を分離し、飽和NaHCO3およびブライン25mlで洗浄する。有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、シリカ320gならびに100%ヘキサン4CVおよび7CV上で0〜80%ヘキサンを使用して精製して、標題化合物(39.0g、97.9mmol、92.6%)を白色固体として得る。
ステップIV:(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2,3a−トリメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン
ステップIIIからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヨードメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(39g、97.94mmol)をEtOH(195mL)に溶解する。得られた溶液に、Et3N(16.4mL、118mmol)および10%Pd/C含水(1.04g、9.79mmol)を加える。反応混合物をH2雰囲気(40psi)下72時間撹拌した。得られた反応混合物をセライト上で濾過し、後者をEtOH 600mlで洗浄する。合わせた溶液をCH2Cl2 1.6Lで希釈し、飽和Na2S2O3水溶液800mlを加える。この混合物を15分間撹拌する。有機相を分離し、飽和Na2S2O3(Na2S203)水溶液800mlで洗浄する。分離した後、有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。この粗製物をEtOH 40mLおよびヘプタン25mL中83℃で再結晶化する。冷却し、得られた結晶性物を濾取して、標題化合物(24.3g、89.3mmol、91%)を白色固体として得る。
ステップV:(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2,3a−トリメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール
トルエン中のDIBAL(1.5M、24.2mL、36.4mmol)を、ステップIVからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2,3a−トリメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(9.00g、33.1mmol)のCH2Cl2(90mL)中冷却(−78℃)溶液に10分かけて滴下添加する。反応混合物を−78℃で2時間撹拌する。完結した時点で、冷却した反応混合物をMeOH 4mlで2分かけて滴下添加してクエンチし、次いで30分かけて室温に加温する。飽和酒石酸ナトリウム水溶液500mlを加え、得られたスラリー液を室温で1時間激しく撹拌する。有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(22.1g、80.7mmol、98%)を得る。
ステップVI:(3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール
ステップVからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2,3a−トリメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(9.00g、32.8mmol)のH2O(45mL)およびジオキサン(45mL)中溶液に、Dowex 50WX4樹脂(4.5g)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、濾過し、濃縮して、標題化合物(6.25g、32.19mmol、98%)を得る。
ステップVII:中間体M4
ステップVIからの(3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール(7.40g、38.11mmol)のピリジン(148mL)中溶液に、DMAP(931mg、7.62mmol)およびAc2O(71.9mL、762mmol)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、CH2Cl2(300mL)で希釈し、水(300mL)を10分かけて加え、最終の混合物を15分間撹拌する。有機相を分離し、1N HCl 250mlで、続いてブラインで2回洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。溶離液としてEtOAc(10CV中40%から80%)/Hexを使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(220g)上で精製して、標題化合物(11.1g、72%)をアノマー炭素でのαおよびβジアステレオ異性体の1対1混合物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) α/βの混合物(ca. 1:1) δ 6.86 (s, 1H, H1α), 5.62 (s, 1H, H1β), 5.42-5.05 (m, 4H), 4.30-4.05 (m, 4H), 4.04-3.82 (m, 2H), 2.20-2.03 (m, 30H, 10 OAc), 1.62 (s, 3H, CH3 αまたはβ), 1.48 (s, 3H, CH3αまたはβ).
中間体M5の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−((S)−1−アセトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
ステップI:(2R,3R,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]メタノール
Daragics, K.;Fugedi, P. Tet. Lett.、2009年、50巻、2914〜2916頁に記載されている手順を使用して、標題化合物を調製する。
ステップII:(1S)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エタノール
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]メタノール(856mg、1.58mmol)のDMSO(4.66mL)中溶液およびCH2Cl2(4.7mL)中のEt3N(1.103mL、7.915mmol)に、0℃でSO3・ピリジン錯体(1.260g、7.915mmol)を3回に分けて加える。反応物を1時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、10%重硫酸カリウム水溶液、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで順次洗浄する。有機相をMgSO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。残留物をベンゼンで2回共沸させて粗製のアルデヒドを得、これを更には精製せずに次のステップに使用する。MeMgBr(3M、1.90mL、5.68mmol)を、0℃で(2S,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−カルバルデヒド(1.531g、2.842mmol)のTHF(14mL)中溶液に加える。反応混合物を15分間撹拌し、次いで室温で90分間撹拌する。完結した時点で、NH4Clの飽和水溶液を混合物に加え、生成物をCH2Cl2(3回)で水相から抽出する。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。残留物を最初に0〜60%EtOAc:Hexの濃度勾配、次いで2回目として10〜20%EtOAc:Hexを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより2回精製して、標題化合物(989.7mg、収率63%)を得る。
LC−MS:m/z=577.5(M+Na+)。
1H NMRは、Doores, K.J.;Fulton, Z.;Hong, V.;Patel, M.K.;Scanlan, C.N.、Wormald, M.R.;Finn, M.G.;Burton, D.R.;Wilson, I.A.;Davis, B.G. PNAS、2010年、107巻、17107〜17112頁の文献中に報告されている1H NMRに相当する。
ステップIII:中間体M5
Doores, K.J.;Fulton, Z.;Hong, V.;Patel, M.K.;Scanlan, C.N.、Wormald, M.R.;Finn, M.G.;Burton, D.R.;Wilson, I.A.;Davis, B.G. PNAS、2010年、107巻、17107〜17112頁に記載されている手順を使用して、(1S)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エタノールから標題化合物を調製する。
中間体M6の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−((R)−1−アセトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
ステップI:[(1R)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エチル]4−ニトロベンゾエート
中間体M5ステップIIからの(1S)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エタノール(990mg、1.78mmol)、トリフェニルホスフィン(749mg、2.85mmol)、イソプロピル(NE)−N−イソプロポキシカルボニルイミノカルバメートのトルエン40重量/容量%(1.44mL、2.85mmol)およびTHF(17.8mL)中溶液を、0℃に冷却し、4−ニトロ安息香酸(477mg、2.85mmol)を加える。反応混合物を4時間かけて室温に加温する。完結した時点で、反応物を真空で濃縮し、粗製の混合物を0〜100%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.03g、収率82%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.25-8.13 (m, 4H), 7.43-7.13 (m, 20H), 5.52 (qd, J=6.6, 1.9Hz, 1H), 5.05-4.95 (m, 2H), 4.77-4.61 (m, 6H), 4.44 (d, J=11.8Hz, 1H), 4.06-3.88 (m, 3H), 3.83 (dd, J= 3.0, 2.0Hz, 1H), 1.36 (d, J=6.6Hz, 3H).
ステップII:(1R)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エタノール
ステップIからの[(1R)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エチル]4−ニトロベンゾエート(1.03g、1.46mmol)をEtOH(6mL)、THF(6mL)および水(2.6mL)に溶解する。NaOH(293mg、7.32mmol)を混合物に加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌する。完結した時点で、溶液を真空で濃縮し、粗製の残留物を水とCH2Cl2との間で3回分配する。有機層を合わせ、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。粗製の残留物を10〜40%EtOAc/Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、僅かに不純物を含む標題化合物(661mg、収率81%)を得る。LC−MS:m/z=577.7(M+Na+)
ステップIII:(2S,3S,4S,5S,6R)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール
窒素を、ステップIIからの(1R)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]エタノール(661mg、1.192mmol)のMeOH(12mL)中溶液に吹き込む。得られた溶液にPd/C、含水、Degussa(126.9mg、0.1192mmol)を加える。反応物を水素ガスの雰囲気(1atm)下室温で4日間撹拌する。この時点で、反応は更には進行していない。粗製の混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぐ。濾液を真空で濃縮して、数種の生成物の粗製の混合物を得る。水酸化パラジウム(83.7mg、0.119mmol)を、上記した混合物および酢酸(68.0μL、1.19mmol)のMeOH(10mL)中脱気溶液中に仕込む。反応混合物を1atmの水素ガス下2日間撹拌する。溶液をセライト上で濾過し、濾液を真空で濃縮して、再度数種の生成物の混合物を得る。最後に、水酸化パラジウム(280mg、0.399mmol)を、上記した混合物および酢酸(57.0μL、0.996mmol)のMeOH(7mL)中脱気溶液中に仕込む。反応混合物を1atmのH2下2日間撹拌する。反応が完結した時点で、溶液をセライト上で濾過し、MeOHで濯ぐ。液体を真空で濃縮し、粗生成物をベンゼンで3回共沸させて、残ったAcOHを除去する。粗生成物を次のステップに直接使用する。LC−MS:m/z=217.2(M+Na+)
ステップIV:中間体M6
ステップIIIからの粗製の(2S,3S,4S,5S,6R)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール(193.4mg、0.996mmol)を、Ac2O(5.0mL、53mmol)およびピリジン(10mL)中室温で18時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、ベンゼンで共沸させる。残留物を20〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を最初に使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、次いで20〜40%EtOAc:Hexを使用する第2のクロマトグラフィーを行って、標題化合物(290mg、最後の2ステップで収率72%)を得る。
LC−MS:m/z=427.3(M+Na)+。
中間体M7の調製
[(2R,3S,4S,5S)−3,4,5,6−テトラアセトキシ−2−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
Doores, K.J.;Fulton, Z.;Hong, V.;Patel, M.K.;Scanlan, C.N.、Wormald, M.R.;Finn, M.G.;Burton, D.R.;Wilson, I.A.;Davis, B.G. PNAS、2010年、107巻、17107〜17112頁に記載されている手順を使用して、標題化合物を調製する。
中間体M8の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
ステップI:(3aS,6R,6aS)−3a−((ベンジルオキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン
中間体M4ステップIIからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(1.500g、5.203mmol)のDMF(23mL)中冷却(0℃)溶液に、NaH(250mg、6.24mmol)を加える。反応混合物を15分間撹拌し、次いで、臭化ベンジル(743μL、6.24mmol)を加え、最終の反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物をEtOAcと水との間で分配する。有機層をNa2SO4で脱水し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%EtOAC/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1200mg、3.171mmol、61%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.48-7.08 (m, 5H), 4.75 (d, J=3.2Hz, 1H), 4.60 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.53 (d, J=12.0Hz, 1H), 4.50-4.32 (m, 2H), 4.18-4.09 (m, 1H), 4.08 (dd, J=9.1, 3.9Hz, 1H), 3.94 (d, J=9.1Hz, 1H), 3.72 (d, J=9.1Hz, 1H), 1.47 (s, 6H), 1.39 (s, 6H).
ステップII:(3aS,6R,6aS)−3a−((ベンジルオキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール
ステップIからの(3aS,6R,6aS)−3a−((ベンジルオキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オンを使用する以外は、中間体M4ステップVに記載した手順に従って、標題化合物を調製する。LC−MS:m/z=403.4(M+Na)+。
ステップIII:(3S,4S,5S,6R)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール
ステップIIからの(3aS,6R,6aS)−3a−((ベンジルオキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1000mg、2.63mmol)のジオキサン(17mL)および水(8.5mL)中溶液に、TFA(2.05mL、26.6mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。得られた混合物を真空で濃縮し、トルエンで共沸させて、標題化合物(780mg、2.60mmol、98.80%)を得、これを更には何ら精製せずに次のステップに使用する。
ステップIV:中間体M8
ステップIIIからの(3S,4S,5S,6R)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール(750mg、2.50mmol)のピリジン(5.1mL)中冷却(0℃)溶液に、DMAP(61mg、0.499mmol)を加え、次いでAc2O(2.36mL、24.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配する。有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。残留物を溶離液としてEtOAc(10CV中0%から50%)/Hexを使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(300mg、24%)を無色油状物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) α/βの混合物 (ca. 1.2) δ 7.37-7.20 (m, 10H), 6.81 (s, 1H, H1α), 6.06 (s, 1H, H1β), 5.63 (d, J=8.1Hz, 1H), 5.60 (d, J=8.1Hz, 1H), 5.38 (t, J=9.9Hz, 1H), 5.25 (t, J=9.8Hz, 1H), 4.56-3.77 (m, 14H), 2.15-1.90 (m, 30H).LC−MS:m/z=533.8(M+Na)+。
中間体M9の調製
[(2E)−2−[(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イリデン]エチル]アセテート
ステップI:メチル2−(トリブチルホスホラニリデン)アセテート
トリブチルホスファン(5.00mL、20.0mmol)のトルエン(20mL)中冷却(0℃)溶液に、N2雰囲気下メチル2−ブロモアセテート(1.90mL、20.1mmol)を加える。得られたスラリー液を室温に加温し、N2雰囲気下終夜撹拌する。得られた混合物を真空で濃縮し、CH2Cl2(50mL)に再度溶解し、1N NaOH水溶液(2×20mL)、H2O(20mL)で逐次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(5.35g、収率97%)を無色油状物として得る。
ステップII:メチル(2E)−2−[(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イリデン]アセテート
圧力管中に入れたステップIからのメチル2−(トリブチルホスホラニリデン)アセテート(2.01g、7.31mmol)のトルエン(9.0mL)中溶液に、(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−オン(参考文献Org Lett、2011年、13巻(14号)、3628〜3631頁に従って調製した(2.00g、3.71mmol))を加える。圧力管を密栓し、80℃で20時間撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物をHex中EtOAc(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(2.01g、収率91%)を無色油状物として得る。
ステップIII:(2E)−2−[(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イリデン]エタノール
ステップIIからのメチル(2E)−2−[(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イリデン]アセテート(1.98g、3.30mmol)のトルエン(20mL)中冷却(−78℃)溶液に、N2雰囲気下トルエン中のDIBAL溶液(1.5M、5.60mL、8.40mmol)をシリンジポンプにより1時間かけて加える。反応混合物を更に2時間撹拌し、次いで飽和ロッシェル塩溶液40mLを、続いてEtOAc 40mLを加え、混合物を室温で3時間撹拌する。層を分離し、水層をEtOAc(2×40mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。粗生成物をCH2Cl2中EtOAc(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.28g、収率68%)を無色油状物として得、これは固化して白色固体を得る。
ステップIV:中間体M9
ステップIIIからの(2E)−2−[(3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリベンジルオキシ−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イリデン]エタノール(1.28g、2.26mmol)のCH2Cl2(15mL)中溶液に、ピリジン(550μL、6.80mmol)、DMAP(28mg、0.23mmol)を、続いてAc2O(530μL、5.62mmol)を加える。3時間撹拌した後、反応混合物をH2Oおよび1N HCl水溶液(各10mL)でクエンチする。層を分離し、水層をCH2Cl2(2×10mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、ヘプタン(2回)で共沸させて、標題化合物(1.36g、収率99%)を無色油状物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.43-7.23 (m, 18H), 7.22-7.13 (m, 2H), 5.51 (t, J=8.2Hz, 1H), 4.94 (d, J=10.8Hz, 1H), 4.75-4.61 (m, 4H), 4.60-4.49 (m, 3H), 4.45-4.31 (m, 2H), 4.28-4.13 (m, 2H), 3.86-3.72 (m, 2H), 3.66-3.52 (m, 2H), 2.00 (s, 3H).
中間体M10の調製
(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(4−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M4(2.06g、5.094mmol)のCH2Cl2(10mL)中溶液に、4−ブロモ−2−メチル−フェノール(1.9g、10.16mmol)を、続いてBF3・OEt2(3.87mL、30.5mmol)を加える。得られた混合物を40℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、激しく撹拌しながら飽和NaHCO3水溶液(50mL)中にゆっくり注ぎ入れる。混合物をCH2Cl2(10mL)で希釈し、有機層を分離し、水層をCH2Cl2(2×5mL)で逆抽出する。合わせた有機層を濃縮し、残留物をHex/EtOAc(0%から50%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上で精製して、標題化合物(1.82g、67.2%)を白色結晶性固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.30 (d, J=2.0Hz, 1H), 7.28-7.22 (m, 1H), 7.04 (d, J=8.7Hz, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.57 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.39 (t, J=9.9Hz, 1H), 4.17 (dd, J=12.2, 5.4Hz, 1H), 4.10 (dd, J=12.2, 2.4Hz, 1H), 4.00 (ddd, J=10.2, 5.4, 2.3Hz, 1H), 2.26 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.04 (s, 6H), 1.63 (s, 3H).
中間体M11の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
試剤として4−ブロモ−2−クロロ−フェノールを使用する以外は、中間体M10にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。標題化合物をHex/EtOAc(0%から35%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上で精製し、白色固体(40%)として単離する。
ステップII:中間体M11
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェノキシ)−5−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1.317g、2.387mmol)のMeOH中溶液に、MeOH中のNaOMe(0.5M、4.77mL、2.39mmol)を加える。反応物を室温で18時間撹拌する。反応物を酸性Amberlyst樹脂で中和し、濾過し、濃縮して、標題化合物(888mg、86.1%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.54 (s, 1H), 7.38 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.9Hz, 1H), 5.22 (s, 1H), 3.78-3.61 (m, 4H), 3.56 (dd, J=8.7, 4.4Hz, 1H), 1.39 (s, 3H).LCMS(M+H)+384.78
中間体M12の調製
(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(3−ブロモ−2−クロロフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M4(200mg、0.495mmol)および3−ブロモ−2−クロロ−フェノール(154mg、0.742mmol)のジクロロエタン(2.60mL)中混合物に、BF3・OEt2(190μL、1.50mmol)を加える。混合物を密封管中60℃で終夜撹拌する。得られた混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液2mLを、続いてCH2Cl2 2mLを注意深く加える。有機層を分離(相分離器)し、水層をCH2Cl2(2×2mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、残留物をHex/EtOAc(0〜50%、12CV、50%5CV)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(93mg、34%)を白色固体として得る。LCMS(M+Na)+575.18
中間体M13の調製
(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
試剤として5−ブロモ−2−クロロ−フェノールを使用する以外は、中間体M12にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。反応物を48時間撹拌し、標題化合物を白色固体(34%)として単離する。LCMS(M+Na)+573.19
中間体M14の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−(アジドメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
(3S,4S,5S,6R)−3−(アジドメチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール(Tetrahedron: Asymmetry、18巻(2007年)1502〜1510頁に記載されている手順に従って調製)(650mg、2.76mmol)のピリジン(13mL)中溶液に、DMAP(68mg、0.55mmol)およびAc2O(5.2mL、55.3mmol)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、CH2Cl2(13mL)で希釈し、水(13mL)を2分かけて加え、最終の混合物を5分間撹拌する。有機相を分離し、1N HCl 25mlで、続いてブラインで2回洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。溶離液としてHex中のEtOAc(10CV中0%から80%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(40g)上で精製して、標題化合物(850mg、69%)をアノマー炭素でのαおよびβジアステレオ異性体の2対1混合物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) α/βの混合物 (ca. 2:1) δ 6.72 (s, 1H, H1α), 5.91 (s, 1H, H1β), 5.33 (d, J=9.7Hz, 1 H1α), 5.41(d, J=9.3Hz, 1 H1β), 5.38 (t, J=10.0Hz, 1 H1α), 5.38 (t, J=10.0Hz, 1 H1α), 5.24 (t, J=9.4Hz, H1β), 4.33-3.80 (m, 5H), 2.22-2.17 (m, 6H), 2.12-2.07 (m, 6H), 2.05 (s, 3H).
中間体M15の調製
(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライルテトラアセテート
ステップI:(3aS,6R,6aS)−3a−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン
中間体M4ステップIIからの(3aS,6R,6aS)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3a−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(800mg、2.78mmol)のDMF(12.0mL)中冷却(0℃)溶液に、水素化ナトリウム(144mg、3.6mmol)を加える。反応混合物を15分間撹拌し、2−ブロモエトキシメチルベンゼン(571μL、3.61mmol)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、EtOAcと水との間で分配し、有機相をNa2SO4で脱水し、濃縮し、シリカ(0〜50%EtOAC/ヘキサン)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(452mg、39%)を無色油状物として得る。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.41-7.21 (m, 5H), 4.80 (d, J=2.8Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.46-4.36 (m, 2H), 4.13 (dd, J=9.1, 5.4Hz, 1H), 4.09-4.01 (m, 1H), 3.99 (d, J=9.2Hz,1H), 3.82 (d, J=9.2Hz, 1H), 3.77-3.64 (m, 2H), 3.58 (td, J=4.6, 1.5Hz, 2H), 1.46 (s, 3H), 1.45 (s, 3H), 1.40 (s, 3H), 1.39 (s, 3H).
ステップII:(3aS,6R,6aS)−3a−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール
トルエン中のDIBAL(1.5M、1.13mL、1.7mmol)を、(3aS,6R,6aS)−3a−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン(650mg、1.5mmol)のCH2Cl2(6.5mL)中冷却(−78℃)溶液に滴下添加する。反応混合物を−78℃で2時間撹拌する。完結した時点で、冷却した反応混合物をMeOH 0.3mlで2分かけて滴下添加してクエンチし、次いで30分かけて室温に加温する。飽和酒石酸ナトリウム水溶液50mlを加え、得られたスラリー液を室温で1時間激しく撹拌する。有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(625mg、96%)を得る。
ステップIII:(3S,4S,5S,6R)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール
(3aS,6R,6aS)−3a−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(650mg、1.53mmol)のH2O(3.3mL)およびジオキサン(3.3mL)中溶液に、Dowex 50WX4樹脂(300mg)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、濾過し、濃縮して、標題化合物(450mg、85%)を得る。
ステップIV:中間体M15
(3S,4S,5S,6R)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオール(450mg、1.31mmol)のピリジン(9.0mL)中溶液に、DMAP(32mg、0.26mmol)およびAc2O(2.5mL、26.1mmol)を加える。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、CH2Cl2(18mL)で希釈し、水(18mL)を2分かけて加え、最終の混合物を15分間撹拌する。有機相を分離し、1N HCl 10mlで、続いてブラインで2回洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。溶離液としてHex中EtOAc(10CV中20%から80%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(80g)上で精製して、標題化合物(450mg、62%)をアノマー炭素でのαおよびβジアステレオ異性体の45/55混合物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) α/βの混合物 (ca. 45:55) δ 7.43-7.29 (m, 5H), 6.77 (s, 1H, H1α), 6.03 (s, 1H, H1β), 5.58 (dd, J=16.5, 9.7Hz, 1H, H1α), 5.38 (t, J=10.0Hz, 1H, H1β), 5.24 (s, 1H), 4.51(m, 2H), 4.32-3.97 (m, 4H), 3.82 (m, 1H), 3.68-3.39 (m, 4H), 2.19-1.92 (m, 15H).
適切に置換したフェノールを使用し、中間体M10にて記載した手順に従って、中間体M16からM22を調製する。
図2に示したビアリール中間体A1からA12を、ここに記載した実施例の調製に使用する。
中間体A1の調製
3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−ベンズアミド
[3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(3.41g、19.1mmol)、4−ブロモフェノール(3.00g、17.3mmol)、K2CO3(3.60g、26.01mmol)およびSiliaCat DPP−Pd(667mg、0.173mmol)の混合物を、圧力容器中で合わせる。MeOH(30mL)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、セライト上で濾過し、沈殿物を少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮する。残留物を1N HCl水溶液とEtOAc(各50mL)との間で分配する。層を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これを、溶離液としてCH2Cl2中EtOAc(50%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。混合したフラクションを濃縮して結晶化した固体を濾取して、第1のクロップの標題化合物(814mg、収率21%)を白色固体として得る。クロマトグラフィーからの純粋なフラクションを濃縮して、第2のクロップの標題化合物(1.66g、収率42%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.96-7.87 (m, 2H), 7.68-7.58 (m, 2H), 7.50-7.39 (m, 3H), 6.97-6.85 (m, 2H), 6.37 (bs, 1H), 3.02 (d, J=4.8Hz, 3H).
中間体A2の調製
3−(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェニル)−N−メチル−ベンズアミド
出発物として4−ブロモ−2−メチル−フェノール(6.67g、35.7mmol)を使用し、中間体A1にて記載した同様の手順に従って、標題化合物を調製する。粗生成物をEtOAcを使用するシリカプラグに通し、濃縮し、次いでTHF(80mL)とCH2Cl2(25mL)との混合物を使用して再結晶化して、標題化合物(2.63g、収率31%)を灰白色固体として得る。母液を濃縮し、続いてCH2Cl2中EtOAc(0から50%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、第2のクロップの標題化合物(2.53g、収率29%)を灰白色固体として得る。1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 9.48 (s, 1H), 8.50 (d, J=4.6Hz, 1H), 8.00 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.75-7.63 (m, 2H), 7.52-7.40 (m, 2H), 7.35 (dd, J=8.3, 2.3Hz, 1H), 6.86 (d, J=8.3Hz, 1H), 2.79 (d, J=4.5Hz, 3H), 2.19 (s, 3H).
中間体A3からA14の一般的調製(表A)
マイクロ波バイアルに、MeOH中の適切な置換した4−ブロモフェノールおよびフェニルボロン酸(1当量)、K2CO3(1.5当量)ならびにSiliaCat DPP−Pd(0.1当量)を仕込む。バイアルを密栓し、120℃で15分間マイクロ波照射に供する。反応混合物を1N HCl水溶液とCH2Cl2との間で分配する。層を分離し、水層をCH2Cl2で2回逆抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濃縮し、CH2Cl2中EtOAcの濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカゲルカートリッジ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得る。
実施例1の調製:
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
圧力容器中、[(2R,3R,4S,5S)−3,4,6−トリアセトキシ−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(Angew. Chem. Int. Ed. 2010年、49巻、8724〜8728頁に記載されている手順に従って調製)(199mg、0.568mmol)および4−ブロモ−2−メチルフェノール(217mg、1.160mmol)のCH2Cl2(6.0mL)中懸濁液を、BF3・OEt2(215μL、1.697mmol)で滴下添加処理する。反応混合物を室温で5分間撹拌し、密栓し、40℃で16時間撹拌する。室温に冷却した後、飽和NaHCO3水溶液5mLを加える。層を分離し、水層をCH2Cl2(2×2mL)で更に抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、粗生成物をHex中EtOAc(0から30%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なフラクションを蒸発させて、標題化合物を白色固体(179mg、収率66%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.31 (d, J=2.4Hz, 1H), 7.29-7.24 (m, 1H), 7.02 (d, J=8.7Hz, 1H), 5.64 (dd, J=6.4, 2.0Hz, 1H), 5.50-5.36 (m, 2H), 4.98 (dt, J=49.5, 2.1Hz, 1H), 4.26 (dd, J=12.4, 5.1Hz, 1H), 4.09 (dd, J=12.4, 2.3Hz, 1H), 4.06-3.99 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CDCl3) δ -204.49 (ddd, J=49.4, 29.4, 6.4Hz).ESI−MS m/z計算値476.05、実測値499.30(M+Na)+
ステップII:実施例1
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(98mg、0.205mmol)のMeOH(4.0mL)中溶液に、MeOH中のNaOMe(0.5M、205μL、0.103mmol)を加える。終夜撹拌した後、反応混合物を予め洗浄しておいたDowex 50WX4−400樹脂で処理し、濾過し、MeOH(3×1mL)で濯ぐ。合わせた濾液を濃縮して、標題化合物(70mg、89%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.31 (d, J=1.9Hz, 1H), 7.27 (dd, J=8.6, 2.1Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.7Hz, 1H), 5.70 (dd, J=6.7, 1.7Hz, 1H), 4.91-4.72 (m, 1H), 3.96 (ddd, J=30.8, 9.7, 2.6Hz, 1H), 3.78 (dd, J=12.1, 2.5Hz, 1H), 3.75-3.66 (m, 2H), 3.62-3.53 (m, 1H), 2.21 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -206.88 (ddd, J=49.4, 30.9, 6.9Hz).ESI−MS m/z計算値351.17、実測値373.20(M+Na)+
実施例2の調製:
(2R,3S,4S,5S,6R)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−6−((3−メチル−3’−ニトロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール
マイクロ波バイアル中に、(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール(実施例1)(32mg、0.0911mmol)、(3−ニトロフェニル)ボロン酸(18mg、0.107mmol)、Cs2CO3(89mg、0.273mmol)、SiliaCat DPP−Pd(35mg、0.00911mmol)およびCH3CN 2mLを仕込む。バイアルを脱気し、密栓し、100℃で10分間マイクロ波に供する。反応混合物をMeOHおよびCH2Cl2(各1mL)で希釈し、isoluteシリカカートリッジ500mgに通し、CH2Cl2/MeOH混合物(1:1、4×1mL)で濯ぐ。合わせた濾液を濃縮し、粗生成物を、H2O中MeCN(10から90%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAP C18カートリッジ(12g)上での逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製する。純粋なフラクションを合わせ、濃縮して、標題化合物(18mg、収率50%)を淡黄色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.41 (t, J=1.9Hz, 1H), 8.17 (dd, J=8.2, 1.4Hz, 1H), 7.99 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.66 (t, J=8.0Hz, 1H), 7.57-7.47 (m, 2H), 7.37 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.81 (dd, J=6.7, 1.7Hz, 1H), 4.88 (dt, J=49.4, 2.2Hz, 1H), 4.02 (ddd, J=30.8, 9.6, 2.6Hz, 1H), 3.86-3.77 (m, 2H), 3.73 (dd, J=12.1, 5.3Hz, 1H), 3.63 (ddd, J=7.6, 4.9, 2.1Hz, 1H), 2.33 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -206.84 (ddd, J=49.3, 30.8, 6.7Hz).ESI−MS m/z計算値393.12238、実測値394.34(M+1)+
実施例3の調製:
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
実施例1ステップIに記載した手順に従って、[(2R,3R,4S,5S)−3,4,6−トリアセトキシ−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(106mg、0.303mmol)および4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノール(151mg、0.627mmol)から、標題化合物を調製する。Hex中EtOAc(0から30%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(41mg、収率26%)を白色泡状固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, J=2.4Hz, 1H), 7.64 (dd, J=8.9, 2.4Hz, 1H), 7.22 (d, J=9.0Hz, 1H), 5.72 (dd, J=6.3, 2.0Hz, 1H), 5.50-5.34 (m, 2H), 5.00 (dt, J=49.2, 2.2Hz, 1H), 4.27 (dd, J=12.4, 4.8Hz, 1H), 4.09 (dd, J=12.4, 2.3Hz, 1H), 4.03 (ddd, J=9.0, 4.7, 2.3Hz, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.06 (s, 6H). 19F NMR (376MHz, CDCl3) δ -62.52 (s), -205.28 (ddd, J=49.2, 29.4, 6.3Hz).ESI−MS m/z計算値531.25、実測値553.27(M+Na)+
ステップII:実施例3
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(39mg、0.0734mmol)のアセテート保護基を除去して、標題化合物(29mg、収率93%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.77-7.70 (m, 2H), 7.46 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.86 (dd, J=6.5, 1.8Hz, 1H), 4.80 (dt, J=49.1, 2.3Hz, 1H), 3.93 (ddd, J=30.7, 9.6, 2.6Hz, 1H), 3.80 (dd, J=12.1, 2.3Hz, 1H), 3.77-3.65 (m, 2H), 3.61-3.52 (m, 1H).19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -63.91 (s, 3F), -207.57 (ddd, J=49.2, 30.8, 6.7Hz, 1F).ESI−MS m/z計算値403.98825、実測値403.37(M+1)+
実施例4の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール(実施例3)(21.4mg、0.0501mmol)および[3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(13mg、0.07263mmol)を使用する以外は、実施例2にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。逆相HPLCにより精製し、合わせた所望の物質を含有するフラクションを冷凍乾燥して、標題化合物(12mg、収率51%)をフワフワした白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.06 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.95-7.87 (m, 2H), 7.84-7.75 (m, 2H), 7.63 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.56 (t, J=7.8Hz, 1H), 5.92 (dd, J=6.5, 1.8Hz, 1H), 4.93-4.75 (m, 1H), 3.99 (ddd, J=30.7, 9.6, 2.6Hz, 1H), 3.82 (dd, J=12.2, 2.3Hz, 1H), 3.78-3.69 (m, 2H), 3.67-3.58 (m, 1H), 2.95 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -63.47 (s, 3F), -207.47 (ddd, J=49.4, 30.7, 6.6Hz, 1F).ESI−MS m/z計算値459.1305、実測値460.38(M+1)+
実施例5の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェノキシ)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェノキシ)−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
[(2R,3R,4S,5S)−3,4,6−トリアセトキシ−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(102mg、0.291mmol)および4−ブロモ−2−メトキシ−フェノール(116mg、0.571mmol)を使用する以外は、実施例1ステップIにて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。Hex中EtOAc(0から40%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(71mg、収率49%)を無色ゴム状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.07-6.88 (m, 3H), 5.58 (dd, J=6.9, 1.6Hz, 1H), 5.49 (ddd, J=28.0, 10.1, 2.4Hz, 1H), 5.40 (t, J=9.3Hz, 1H), 5.03 (dt, J=49.4, 2.1Hz, 1H), 4.26 (dd, J=14.0, 4.8Hz, 2H), 4.16-4.06 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CDCl3) δ -204.14 (ddd, J=49.5, 28.2, 6.9Hz).ESI−MS m/z計算値493.27、実測値493.28(M+1)+
ステップII:実施例5
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェノキシ)−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(67mg、0.136mmol)のアセテート保護基を除去して、標題化合物(50mg、収率98%)を無色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.18-7.09 (m, 2H), 7.03 (dd, J=8.6, 2.3Hz, 1H), 5.56 (dd, J=7.1, 1.9Hz, 1H), 4.94-4.72 (m, 1H), 3.96 (ddd, J=31.0, 9.3, 2.6Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.82-3.67 (m, 4H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -206.72 (ddd, J=49.8, 30.9, 7.2Hz).ESI−MS m/z計算値366.01144、実測値367.28(M+1)+
実施例6の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メチル−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
マイクロ波バイアルに、実施例1ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−6−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−5−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(75mg、0.157mmol)、N−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(49mg、0.188mmol)、Cs2CO3(178mg、0.546mmol)、SiliaCat DPP−Pd(67mg、0.01742mmol)およびCH3CN 2mLを仕込む。バイアルを脱気し、密栓し、100℃で10分間マイクロ波に供する。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライト上で濾過し、少量のEtOAcで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、粗生成物を、Hex中EtOAc(50から80%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色泡状固体(55mg、収率66%)として得る。ESI−MS m/z計算値531.19、実測値532.62(M+1)+
ステップII:実施例6
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(45mg、0.0847mmol)のアセテート保護基を除去して、標題化合物(34mg、収率98%)をフワフワした白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.78-7.71 (m, 2H), 7.54-7.44 (m, 3H), 7.34 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.78 (dd, J=6.8, 1.9Hz, 1H), 4.87 (dt, J=49.4, 4.9Hz, 1H), 4.02 (ddd, J=30.9, 9.6, 2.6Hz, 1H), 3.84-3.69 (m, 3H), 3.67-3.60 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.32 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -206.77 (ddd, J=49.6, 31.0, 6.8Hz).ESI−MS m/z計算値405.15875、実測値406.52(M+1)+
実施例7の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−[4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
圧力容器中、中間体M1(124mg、0.354mmol)および中間体A1(161mg、0.708mmol)のCH2Cl2(3.7mL)中溶液を、BF3・Et2O(135μL、1.06mmol)で滴下添加処理し、混合物を室温で5分間撹拌し、次いで40℃に加温し、終夜撹拌し、次いで更にBF3・OEt2(135μL、1.06mmol)を加え、反応混合物を40℃で終夜撹拌する。室温に冷却した後、飽和NaHCO3水溶液3mLおよびCHCl3−iPrOH混合物(4:1)1mLを加える。層を分離し、水層をCHCl3−iPrOH混合物(4:1、3×2mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、得られた粗生成物を、CH2Cl2中MeOH(0から5%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(25g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。生成物を含有するフラクションを濃縮し、Hex中EtOAc(50〜100%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーで再度精製する。純粋なフラクションを濃縮乾固して、標題化合物を白色泡状固体(18mg、収率10%)として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.96 (s, 1H), 7.67 (dd, J=8.1, 4.3Hz, 2H), 7.57 (d, J=8.7Hz, 2H), 7.48 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.18 (d, J=8.7Hz, 2H), 6.21 (s, 1H), 5.75 (dd, J=6.6, 1.5Hz, 1H), 5.59-5.34 (m, 2H), 4.99 (d, J=49.5Hz, 1H), 4.29 (dd, J=12.6, 5.1Hz, 1H), 4.16-4.00 (m, 2H), 3.04 (d, J=4.8Hz, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H).
ステップII:実施例7
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−[4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(18mg、0.034mmol)のアセテート保護基を除去して、標題化合物(12mg、収率86%)をフワフワした白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.03 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.80-7.72 (m, 2H), 7.67-7.58 (m, 2H), 7.52 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.29-7.19 (m, 2H), 5.76 (dd, J=6.9, 1.7Hz, 1H), 4.91-4.75 (m, 1H), 3.98 (ddd, J=30.9, 9.5, 2.6Hz, 1H), 3.80 (dd, J=12.0, 2.4Hz, 1H), 3.77-3.70 (m, 2H), 3.69-3.61 (m, 1H), 2.94 (s, 3H).
ESI−MS m/z計算値391.14313、実測値392.31(M+H)+
実施例8の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メトキシ−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェノキシ)−5−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4−ジオール(実施例5)(40mg、0.106mmol)および[3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(28mg、0.156mmol)を使用する以外は、実施例2にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。逆相HPLCにより精製し、合わせた所望の物質を含有するフラクションを冷凍乾燥して、標題化合物(18mg、収率40%)をフワフワした白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.05 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.82-7.70 (m, 2H), 7.52 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.36-7.27 (m, 2H), 7.21 (dd, J=8.3, 2.1Hz, 1H), 5.64 (dd, J=7.1, 1.8Hz, 1H), 4.89 (dt, J=49.6, 2.3Hz, 1H), 4.02 (ddd, J=31.0, 9.5, 2.5Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.88-3.70 (m, 4H), 2.95 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -206.65 (ddd, J=49.6, 30.8, 7.1Hz).ESI−MS m/z計算値421.1537、実測値422.41(M+1)+
実施例9の調製
ジメチル5−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]ベンゼン−1,3−ジカルボキシレート
ステップI:ジメチル5−[4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−4,5−ジアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]ベンゼン−1,3−ジカルボキシレート
中間体M1(207mg、0.591mmol)および中間体A9(364mg、1.18mmol)を使用する以外は、実施例7にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。Hex中EtOAc(0から50%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した後、標題化合物(204mg、収率60%)を白色固体として得、これを次のステップに直接使用した。
ステップII:実施例9
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、ステップIからのジメチル5−[4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−4,5−ジアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−フルオロ−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]ベンゼン−1,3−ジカルボキシレート(204mg、0.354mmol)のアセテート保護基を除去し、H2O中MeCN(10〜70%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAP C18カートリッジ(30g)上での逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(64mg、収率39%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.57 (t, J=1.6Hz, 1H), 8.44 (d, J=1.6Hz, 2H), 7.72-7.56 (m, 2H), 7.39-7.20 (m, 2H), 5.79 (dd, J=6.9, 1.8Hz, 1H), 4.92-4.76 (m, 1H), 3.99 (ddd, J=30.9, 9.6, 2.7Hz, 1H), 3.81 (dd, J=12.0, 2.4Hz, 1H), 3.77-3.70 (m, 2H), 3.69-3.62 (m, 1H).ESI−MS m/z計算値450.1326、実測値451.24(M+1)+
実施例10の調製
7−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−4−メチル−クロメン−2−オン
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−(4−メチル−2−オキソ−クロメン−7−イル)オキシ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M1(201mg、0.574mmol)および4−メチルウンベリフェロン(201mg、1.14mmol)を使用する以外は、実施例7にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。CH2Cl2中EtOAc(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(26mg、収率10%)を白色泡状固体として得、これを次のステップに直接使用する。
ステップII:実施例10
実施例1ステップIIにて記載したプロトコールを使用して、[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4−ジアセトキシ−5−フルオロ−6−(4−メチル−2−オキソ−クロメン−7−イル)オキシ−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(25mg、0.054mmol)のアセテート保護基を除去し、CH2Cl2中MeOH(0から10%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(12g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(13mg、収率68%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.73 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.19 (d, J=2.4Hz, 1H), 7.15 (dd, J=8.8, 2.5Hz, 1H), 6.22 (d, J=1.2Hz, 1H), 5.87 (dd, J=6.9, 1.9Hz, 1H), 4.92-4.76 (m, 1H), 3.96 (ddd, J=30.8, 9.6, 2.7Hz, 1H), 3.84-3.65 (m, 3H), 3.62-3.52 (m, 1H), 2.46 (d, J=1.2Hz, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -207.48 (ddd, J=49.2, 30.8, 6.8Hz).ESI−MS m/z計算値340.09583、実測値341.27(M+1)+
実施例11の調製
4’−(((2R,3R,4S,5R,6R)−4−フルオロ−3,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−N−メチル−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
ステップI:(4aR,7R,8S,8aR)−7−(ベンジルオキシ)−8−フルオロ−6−(4−ヨードフェノキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン
中間体M2(140mg、0.3094mmol)および4−ヨードフェノール(109mg、0.495mmol)のCH2Cl2(4.5mL)中冷却(−40℃)溶液に、1−ヨードピロリジン−2,5−ジオン(111mg、0.495mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(4μL、0.0460mmol)を加える。反応混合物を−40℃で1時間、室温で16時間撹拌する。得られた混合物を飽和NaHCO3(4ml)とCH2Cl2(8ml)との間で分配する。有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発乾固し、溶離液としてHex中EtOAc(10CV中0%から20%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(100mg、0.178mmol、57%)を得る。LC−MS:m/z=563.39(M+H)+。
ステップII:4’−(((4aR,6R,7R,8S,8aR)−7−(ベンジルオキシ)−8−フルオロ−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−6−イル)オキシ)−N−メチル−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
N−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(56mg、0.215mmol)およびステップIからの(4aR,7R,8S,8aR)−7−(ベンジルオキシ)−8−フルオロ−6−(4−ヨードフェノキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン(110mg、0.1960mmol)のMeOH(1.65mL)中溶液に、Cs2CO3(194mg、0.5980mmol)およびSiliaCat DPP−Pd(78mg、0.020mmol)を加える。反応混合物をマイクロ波中100℃で10分間撹拌する。得られた混合物をセライトに通して濾過し、後者をMeOHで洗浄し、合わせた濾液を濃縮する。この物質を水(4ml)とEtOAc(8ml)との間で分配する。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固し、溶離液としてHex中EtOAc(10CV中0%から100%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(12g)上で精製して、標題化合物(45mg、0.079mmol、40%)を得る。LC−MS:m/z=570.53(M+H)+。
ステップIII:実施例11
ステップIIからの4’−(((4aR,7R,8S,8aR)−7−(ベンジルオキシ)−8−フルオロ−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−6−イル)オキシ)−N−メチル−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド(45mg、0.079mmol)および炭素担持20重量%Pd(OH)2(32mg、0.0082mmol)の乾燥MeOH(675μL)中混合物を、80PSIでのH2雰囲気下24時間撹拌する。得られた混合物をセライトに通して濾過し、触媒をMeOHで洗浄し、合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、標題化合物(8.5mg、0.021mmol、27%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.01 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.81-7.67 (m, 2H), 7.65-7.54 (m, 2H), 7.49 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.33-7.16 (m, 2H), 5.57 (dd, J=4.6, 2.0Hz, 1H), 4.77 (ddd, J=49.5, 9.3, 3.4Hz, 1H), 4.26 (ddd, J=6.5, 3.5, 2.0Hz, 1H), 4.03 (dt, J=12.9, 9.6Hz, 1H), 3.84-3.66 (m, 2H), 3.61 (ddd, J=10.0, 5.0, 2.7Hz, 1H), 2.92 (s, 3H).LC−MS:m/z=392.34(M+H)+。
実施例12の調製
4’−(((2R,3S,4S,5S,6S)−6−(フルオロメチル)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−N−メチル−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
ステップI:N−メチル−4’−(((2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(フルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
中間体M3(83mg、0.1243mmol)および[3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(35mg、0.1956mmol)のt−ブタノール(4mL)中溶液に、Na2CO3(2M、300μL、0.6000mmol)を、次いでPdCl2(PPh3)2(6mg、0.03384mmol)を加える。反応混合物を3回脱気し(ハウス真空、次いで窒素)、次いで80℃で5時間撹拌する。得られた暗茶褐色混合物を室温に冷却し、EtOAc 15mLで希釈し、シリカゲルのパッド上で濾過する。後者をEtOAc 15mlで2回洗浄する。合わせたフラクションを濃縮し、残留物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(20CV上で20から80%)を使用するBiotage(商標)システム上でのシリカゲルカラム(Snap 10g)上で精製して、標題化合物(61mg、純度90%、収率67%)を得る。
ステップII:実施例12
ステップIからのN−メチル−4’−(((2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(フルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド(61mg、0.083mmol)のMeOH(8mL)中溶液に、Pd(OH)2(19mg、0.1353mmol)を加える。反応混合物を100psiのH2下終夜撹拌する。得られた混合物をIsoluteセライト545カートリッジ上で濾過し、後者をMeOH(2×4mL)で洗浄し、濃縮する。得られた混合物(29mg)をMeOHに溶解し、HPLCにより精製する。所望の物質を含有するフラクション(4×6mL)を合わせ、濃縮し、最後に凍結乾燥して、標題化合物をフワフワした白色固体(20mg、収率60%)として得る。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.55 (d, J=4.5Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.80-7.72 (m, 2H), 7.68 (d, J=8.8Hz, 2H), 7.52 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.18 (d, J=8.8Hz, 2H), 5.51 (d, J=1.6Hz, 1H), 4.65-4.38 (m, 2H), 3.88 (dd, J=3.1, 1.9Hz, 1H), 3.74 (dd, J=8.7, 3.2Hz, 1H), 3.67-3.52 (m, 2H), 2.81 (d, J=4.5Hz, 3H). 19F NMR (376MHz, DMSO-d6) δ -0.75 (td, J=47.9, 25.9Hz).LC−MS:m/z=392.31(M+H)+
実施例13の調製
N,3’−ジメチル−4’−(((2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M4(10.80g、26.71mmol)および中間体A2(10.31g、42.74mmol)の1,2−ジクロロエタン(162.0mL)中懸濁液に、0℃でBF3・Et2O(10.15mL、80.13mmol)を滴下添加する。得られた混合物を40℃で48時間撹拌し、3℃に冷却し、撹拌しながら飽和NaHCO3水溶液30mlでクエンチする。得られた懸濁液を濾過し、有機相を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。15CVでの40〜100%EtOAc/ヘキサンを用いるBiotage(商標)システム上でのシリカ220g上で精製して、標題化合物(7.8g、12.70mmol、48%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.74 (ddt, J=7.8, 4.7, 1.3Hz, 2H), 7.58-7.34 (m, 3H), 7.21 (d, J=8.5Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 5.63 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.40 (t, J=9.9Hz, 1H), 4.20 (dd, J=12.3, 5.0Hz, 1H), 4.14-3.94 (m, 2H), 2.93 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.64 (s, 3H).
ステップII:実施例13
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(3.70g、6.32mmol)の乾燥MeOH(93mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMe(25重量/重量%、704μL、3.16mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌し、続いて反応混合物のpHが4になるまでAmbilite IR−120樹脂を加える。得られた混合物を濾過し、濃縮乾固して、標題化合物(2.600g、6.141mmol、97%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=8.0, 5.2, 1.2Hz, 2H), 7.52-7.38 (m, 3H), 7.31 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.82-3.62 (m, 4H), 3.58 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).LC−MS:m/z=418.2(M+H)+。
実施例14の調製
N−メチル−3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]ベンズアミド
ステップIにおける中間体A1を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率41%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.03 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.80-7.69 (m, 2H), 7.67-7.57 (m, 2H), 7.51 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.28-7.15 (m, 2H), 5.24 (s, 1H), 3.78-3.62 (m, 6H), 2.94 (s, 3H), 1.39 (s, 3H).ESI−MS m/z計算値403.43、実測値404.14(M+1)+
実施例15の調製
3−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップIにおける中間体A6を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率6.5%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.04 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.83-7.70 (m, 3H), 7.59 (dd, J=8.6, 2.3Hz, 1H), 7.54 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.50 (d, J=8.7Hz, 1H), 5.32 (s, 1H), 3.85-3.59 (m, 5H), 2.95 (s, 3H), 1.45 (s, 3H).ESI−MS m/z計算値437.87、実測値438.09(M+1)+
実施例16の調製
3−[3−フルオロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップIにおける中間体A5を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率27%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.04 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.82-7.73 (m, 2H), 7.57-7.40 (m, 4H), 5.23 (s, 1H), 3.86-3.64 (m, 5H), 2.95 (s, 3H), 1.43 (s, 3H). 19F NMR (376MHz, CD3OD) δ -134.69 (dd, J=12.1, 7.7Hz).ESI−MS m/z計算値421.42、実測値422.37(M+1)+
実施例17の調製
3−[3−メトキシ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップIにおける中間体A4を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率21%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.05 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.81-7.71 (m, 2H), 7.52 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.34-7.25 (m, 2H), 7.20 (dd, J=8.3, 2.2Hz, 1H), 5.17 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.89-3.82 (m, 1H), 3.81-3.66 (m, 4H), 2.95 (s, 3H), 1.45 (s, 3H).ESI−MS m/z計算値433.45、実測値434.17(M+1)+
実施例18の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−(3−ニトロフェニル)フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップIにおける中間体A7を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率46%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.42 (t, J=2.0Hz, 1H), 8.16 (ddd, J=8.2, 2.2, 0.8Hz, 1H), 8.00 (ddd, J=7.8, 1.6, 0.9Hz, 1H), 7.66 (t, J=8.0Hz, 1H), 7.55-7.44 (m, 2H), 7.37 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 3.81-3.67 (m, 4H), 3.64-3.52 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.42 (s, 3H).ESI−MS m/z計算値405.40、実測値428.18(M+Na)+
実施例19の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−2−(2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェノキシ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
ステップII:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
マイクロ波バイアルに、中間体M11ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(60mg、0.109mmol)、5−ニトロインドリン(26.8mg、0.163mmol)、Cs2CO3(110mg、0.337mmol)、X−Phos(5.2mg、0.011mmol)、Pd2(dba)3(1.5mg、0.0016mmol)およびトルエン(880μL)を仕込む。次いで混合物をマイクロ波中100℃に15分間加熱し、セライト上で濾過し、濃縮乾固し、残留物をシリカゲル(Hex中10から80%EtOAc)上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(32mg、収率47%)を得る。
ステップII:実施例19
ステップIIにおける実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (m, 2H), 7.45 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.38 (d, J=2.7Hz, 1H), 7.26 (dd, J=8.9, 2.7Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.8Hz, 1H), 5.22 (s, 1H), 4.09 (t, J=9.0Hz, 2H), 3.72 (m, 5H), 3.21 (t, J=9.0Hz, 2H), 1.43 (s, 3H).LCMS m/z(M+H)+=467.23
実施例20の調製
3−[3−エチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップIにおける中間体A3を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。ステップIIにおいて、反応物を、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに反応混合物を通して処理することによりクエンチし、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、逆相HPLCにより精製して、所望の化合物(2ステップで収率37%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.03 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.80-7.64 (m, 2H), 7.54-7.42 (m, 3H), 7.35 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 3.80-3.68 (m, 4H), 3.66-3.52 (m, 1H), 2.95 (s, 3H), 2.83-2.67 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.27 (t, J=7.5Hz, 3H).ESI−MS m/z計算値431.1944、実測値432.24(M+1)+
実施例21の調製
3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]安息香酸
ステップI:メチル3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾエート
ステップIにおける中間体A8を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。Biotage(商標)SNAPシリカカートリッジ上で精製して、標題化合物(収率21%)を無色油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.23 (s, 1H), 7.99 (d, J=7.6Hz, 1H), 7.74 (d, J=7.6Hz, 1H), 7.53-7.38 (m, 3H), 7.28 (d, J=6.3Hz, 1H), 5.51-5.35 (m, 3H), 4.31 (dd, J=12.5, 5.2Hz, 1H), 4.14-4.06 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.05 (d, J=2.3Hz, 6H), 1.39 (s, 3H).LC−MS:m/z=609.31(M+Na)+。
ステップII:3’−メチル−4’−(((2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸
ステップIからのメチル3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾエート(237mg、0.404mmol)のMeOH(4mL)中溶液に、2M NaOH水溶液(2M、807μL、1.61mmol)を加え、反応物を3時間撹拌した。反応混合物をpHが2になるまで4M HCl水溶液(4M、101μL、0.404mmol)でクエンチし、得られた混合物を終夜凍結乾燥した。残留物をピリジンに溶解し、溶液にAc2O(305μL、3.23mmol)およびDMAP(2.5mg、0.020mmol)を加える。反応物を室温で18時間撹拌し、1N HClに注ぎ入れ、EtOAcで希釈し、15分間撹拌する。有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。残留物をBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(168mg、収率73%)を無色油状物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.28 (t, J=1.6Hz, 1H), 8.08-8.03 (m, 1H), 7.82-7.76 (m, 1H), 7.53 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.48-7.40 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 5.52-5.35 (m, 3H), 4.31 (dd, J=12.7, 5.4Hz, 1H), 4.13-4.06 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.05 (d, J=1.0Hz, 6H), 1.38 (s, 3H).LC−MS:m/z=595.62(M+Na)+。
ステップIII:実施例21
ステップIIからの3’−メチル−4’−(((2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(20mg、0.035mmol)のMeOH(300μL)中溶液に、pH=9になるまでMeOH中NaOMe(0.5M、35μL、0.018mmol)を加えた。反応物を室温で18時間撹拌する。反応物を酸性Amberlyst樹脂で中和し、濾過し、濃縮して、標題化合物(12mg、75%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.19 (s, 1H), 7.93 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.78 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.49 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.42 (d, J=9.3Hz, 2H), 7.31 (d, J=8.3Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.78-3.67 (m, 4H), 3.64-3.55 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).LC−MS:m/z=405.18(M+H)+。
実施例22の調製
N−[2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル]−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:tert−ブチルN−[2−[2−[2−[[3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エチル]カルバメート
実施例21ステップIIからの3’−メチル−4’−(((2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(148mg、0.259mmol)のDMF(5.2mL)中溶液に、tert−ブチルN−[2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル]カルバメート(70.6mg、0.284mmol)を加える。溶液を0℃で冷却し、HATU(118mg、0.310mmol)およびDIPEA(59μL、0.34mmol)を加える。得られた混合物を室温に加温し、3時間撹拌する。反応物をEtOAcで希釈し、飽和NH4Cl水溶液で3回洗浄する。合わせた水相をEtOAcで5回抽出する。合わせた有機相をMgSO4で脱水し、真空で濃縮する。残留物をBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製する。合わせた所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、濃縮し、MeOH(5mL)に溶解する。pH=9になるまでこれにMeOH中NaOMe(0.5M、517μL、0.259mmol)を加えた。得られた混合物を終夜撹拌する。反応物をAmberlyst酸性樹脂で中和し、濃縮して、標題化合物(81mg、45%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (s, 1H), 7.73 (ddd, J=7.8, 3.3, 1.5Hz, 2H), 7.51-7.42 (m, 3H), 7.30 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.75-3.56 (m, 11H), 3.48 (t, J=5.6Hz, 2H), 3.31-3.27 (m, 4H), 3.17 (t, J=5.6Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.39 (2s, 12H).LC−MS:m/z=635.43(M+H)+
ステップII:実施例22
ステップIからのtert−ブチルN−[2−[2−[2−[[3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エチル]カルバメート(70.6mg、0.102mmol)に、CH2Cl2中TFA 1:1(7mL)を加え、混合物を5分間撹拌する。反応物を真空で濃縮して、標題化合物をTFA塩(65mg、91%)として白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (s, 1H), 7.77-7.70 (m, 2H), 7.48 (dd, J=18.4, 10.9Hz, 3H), 7.31 (d, J=8.0Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.78-3.63 (m, 12H), 3.61 (d, J=5.6Hz, 4H), 3.04 (s, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).LC−MS:m/z=535.75(M+H)+
実施例23の調製
4’−(((2R,3S,4S,5S,6R)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−N,3’−ジメチル−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
ステップIにおける中間体M8を使用する以外は、実施例13に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.03 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.73 (ddt, J=9.3, 7.9, 1.3Hz, 2H), 7.55-7.37 (m, 3H), 7.35-7.22 (m, 1H), 7.20-7.04 (m, 5H), 5.64 (s, 1H), 4.61 (d, J=12.2Hz,1H), 4.36 (d, J=12.1Hz, 1H), 3.88-3.67 (m, 5H), 3.67-3.40 (m, 2H), 2.93 (s, 3H), 2.13 (s, 3H).LC−MS:m/z=524.3(M+H)+
実施例24の調製
N,3’−ジメチル−4’−(((2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−3,6−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−(ヒドロキシメチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
実施例23ステップ1からの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−(ベンジルオキシメチル)−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(100mg、0.145mmol)のEtOH(3.3mL)およびAcOH(33μL、0.5784mmol)中溶液に、20%Pd(OH)2(41mg、0.058mmol)を加える。反応混合物を1atmのH2下16時間撹拌する。得られた混合物をセライト上で濾過し、後者をMeOHで濯ぎ、合わせたMeOHフラクションを真空で濃縮する。残留物を溶離液としてHex中EtOAc(0〜75%、10CV)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(65mg、75%)を固体として得る。LC−MS:m/z=602.6(M+H)+。
ステップII:実施例24
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−(ヒドロキシメチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(20mg、0.033mmol)の乾燥MeOH(1.2mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMe(0.5M、66μL、0.039mmol)を加える。得られた混合物を16時間撹拌し、Dowex 50WX4−400イオン交換樹脂(ion-exhange resin)(H+)で中和する。混合物を濾過し、真空で濃縮し、逆相HPLCにより精製して、標題化合物(6.0mg、41%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.71 (ddt, J=7.7, 4.9, 1.2Hz, 2H), 7.55-7.40 (m, 3H), 7.33 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.56 (s, 1H), 3.95 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.87 (d, J=11.4Hz, 1H), 3.82-3.65 (m, 4H), 3.58 (dt, J=6.8, 3.3Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
実施例25の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップ1:(2R,4aR,6S,7S,8R,8aR)−6−(ベンジルオキシ)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−7−オール
市販されている(4aR,6S,7S,8R,8aS)−6−ベンジルオキシ−2−フェニル−4,4a,6,7,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[5,6−d][1,3]ジオキシン−7,8−ジオール(8.00g、22.3mmol)および4H−イミダゾール(2.181g、32.03mmol)のDMF(72mL)中溶液に、tert−ブチル−クロロ−ジメチル−シラン(4.189g、5.17mL、27.79mmol)を加える。反応混合物を120分間撹拌し、次いでEtOAcと水との間で分配する。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固し、溶離液として0〜20%EtOAc:Hexを使用するシリカゲル上で精製して、標題化合物(9.83g、収率88%)を得る。1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 7.54-7.26 (m, 10H), 5.68 (s, 1H), 5.10 (dd, J=11.8, 4.6Hz, 1H), 4.83 (d, J=1.3Hz, 1H), 4.74 (d, J=12.2Hz, 1H), 4.55 (d, J=12.2Hz, 1H), 4.16 (dt, J=12.2, 6.1Hz, 1H), 4.03-3.92 (m, 2H), 3.87-3.76 (m, 1H), 3.75-3.57 (m, 1H), 0.87 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.02 (s, 3H).
ステップ2:(4aR,6S,7S,8R,8aR)−6−(ベンジルオキシ)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−フェニルヘキサヒドロ−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−7−オール
ステップIからの(2R,4aR,6S,7S,8R,8aR)−6−(ベンジルオキシ)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−7−オール(600mg、1.269mmol)のDMF(6.0mL)中溶液に、0℃でNaH(55mg、1.40mmol)を加える。反応混合物を15分間撹拌し、次いでBnBr(181μL、1.52mmol)を加える。反応混合物を室温で2時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物を水とEtOAcとの間で分配する。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固する。粗生成物を溶離液として0〜10%EtOAc:Hexを使用するシリカゲル上で精製して、標題化合物(530mg、収率71%)を得る。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.55-7.22 (m, 15H), 5.75 (s, 1H), 5.03 (d, J=1.1Hz, 1H), 4.73 (m, 3H), 4.56 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.21-3.88 (m, 3H), 3.82-3.52 (m, 3H), 0.82 (s, 9H), 0.05 (s, 3H), 0.01 (s, 3H).
ステップIII:(4aR,6S,7S,8S,8aS)−6,7−ビス(ベンジルオキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール
ステップIIからの(4aR,6S,7S,8R,8aR)−6−(ベンジルオキシ)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−7−オール(7.80g、13.86mmol)のTHF(78mL)中溶液に、封止した反応容器中AcOH(1.18mL、20.8mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、41.6mL、41.6mmol)を加える。反応混合物を60℃で1時間撹拌し、室温に冷却する。次いで反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、水相をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固する。粗生成物を溶離液として0〜25%EtOAc:Hexを使用するシリカゲル上で精製して、標題化合物(4.90g、79%)を得る。1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 7.47-7.11 (m, 15H), 5.69-5.53 (m, 1H), 5.30-5.16 (m, 1H), 4.97 (t, J=9.3Hz, 1H), 4.77-4.56 (m, 3H), 4.54-4.36 (m, 1H), 4.17-4.05 (m, 1H), 3.94-3.78 (m, 2H), 3.78-3.47 (m, 3H).
ステップIV:(4aR,6S,7R,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オン
ステップIIIからの(4aR,6S,7S,8S,8aS)−6,7−ビス(ベンジルオキシ)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール(500mg、1.115mmol)のCH2Cl2(5.0mL)中溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(709mg、1.672mmol)のCH2Cl2(5.0mL)中溶液を5分かけて滴下添加する。混合物を3時間撹拌する。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液とCH2Cl2との間で分配する。水相をCH2Cl2を使用して3回抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固する。粗生成物を溶離液として0〜25%EtOAc:Hexを使用するシリカゲル上で精製して、標題化合物(320mg、収率64%)を得る。1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 7.44-7.21 (m, 15H), 5.79 (s, 1H), 5.32 (d, J=1.2Hz, 1H), 5.00 (d, J=9.5Hz, 1H), 4.70 (d, J=11.7Hz, 1H), 4.59-4.46 (m, 3H), 4.25 (dd, J=9.6, 4.4Hz, 1H), 4.05-3.83 (m, 3H).
ステップV:(4aR,6S,7S,8aS)−6,7−ジベンジルオキシ−8−メチレン−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン
メチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(2.080g、5.823mmol)のTHF(22.40mL)中溶液に、0℃でカリウムtert−ブトキシド(1M、5.38mL、5.38mmol)を加える。混合物を0℃で30分間撹拌する。この混合物に、ステップIVからの(4aR,6S,7R,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オン(2g、4.479mmol)のTHF(22.40mL)中溶液を注射器により加える。得られた混合物を室温に加温し、終夜撹拌する。完結した時点で、NH4Clの飽和水溶液を加え、反応混合物をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。粗生成物を5〜20%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.31g、収率66%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62-7.50 (m, 2H), 7.46-7.23 (m, 13H), 5.68 (s, 1H), 5.46 (dt, J=2.0, 1.2Hz, 1H), 5.18 (d, J=1.9Hz, 1H), 4.96 (d, J=1.2Hz, 1H), 4.74 (d, J=12.0Hz, 1H), 4.67 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.59-4.49 (m, 1H), 4.41 (dd, J=15.1, 10.3Hz, 2H), 4.22 (dd, J=5.6, 2.6Hz, 1H), 3.98 (s, 1H), 3.95-3.83 (m, 2H).LCMS:m/z=467.4(M+Na)+。
ステップVI:(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−2−フェニル−スピロ[4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8,2’−オキシラン]
ステップVからの(4aR,6S,7S,8aS)−6,7−ジベンジルオキシ−8−メチレン−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン(1.23g、2.767mmol)をCH2Cl2(28mL)に溶解し、m−CPBA(1.116g、4.981mmol)を加える。混合物を室温で3時間撹拌する。更にm−CPBA(1.116g、4.981mmol)を加え、得られた溶液を3日間撹拌する。次いでm−CPBA(272mg)を再度加え、溶液を終夜撹拌する。完結した時点で、混合物をセライト上で濾過し、NaHCO3の飽和溶液を加える。得られた混合物をCH2Cl2で3回抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。得られた粗製の残留物を5〜20%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。所望のフラクションを合わせ、真空で濃縮する。次いで5〜15%EtOAc:Hexを使用して第2の精製を行って、標題化合物(396mg、収率31%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.58-7.19 (m, 15H), 5.60 (s, 1H), 5.01-4.88 (m, 2H), 4.75 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.68 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.52 (d, J=12.0Hz, 1H), 4.44 (d, J=9.4Hz, 1H), 4.27 (dd, J=10.0, 4.5Hz, 1H), 4.04 (td, J=9.8, 4.5Hz, 1H), 3.97-3.86 (m, 1H), 3.40-3.34 (m, 1H), 3.21 (d, J=5.1Hz, 1H), 2.74 (d, J=5.1Hz, 1H).LCMS:m/z=483.1(M+Na)+。
ステップVII:(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−8−(ヨードメチル)−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール
I2(393mg、1.55mmol)をPPh3(404mg、1.55mmol)のCH2CL2(5.9mL)中溶液に加え、混合物を室温で5分間撹拌し、この時点でステップVIからの(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−2−フェニル−スピロ[4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8,2’−オキシラン](396mg、0.8599mmol)のCH2Cl2(4.887mL)中溶液を加える。得られた溶液を5時間撹拌する。完結した時点で、反応物をNaHSO3の10%水溶液でクエンチし、混合物を5分間激しく撹拌する。得られた混合物をエーテルで希釈し、層を分離する。有機相を水およびブラインで順次洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。粗生成物を溶離液として0〜20%EtOAc:Hexを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(204mg、収率40%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.53-7.28 (m, 15H), 5.54 (s, 1H), 4.94 (d, J=1.4Hz, 1H), 4.75 (d, J=12.3Hz, 1H), 4.72-4.62 (m, 2H), 4.54 (d, J=12.3Hz, 1H), 4.27-4.17 (m, 1H), 4.05-3.90 (m, 3H), 3.88-3.68 (m, 3H), 3.07 (d, J=2.3Hz, 1H).
ステップVIII:(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−8−メチル−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール
ステップVIIからの(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−8−(ヨードメチル)−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール(204mg、0.3467mmol)のトルエン(6.932mL)中溶液に、水素化トリブチル錫(15mg、140μL、0.520mmol)およびAIBN(3.4mg、0.021mmol)を加える。得られた溶液を90℃で12時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮する。残留物を0〜30%EtOAc:Hexを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(121mg、収率75%)を得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.54-7.45 (m, 2H), 7.43-7.28 (m, 13H), 5.56 (s, 1H), 5.02-4.95 (m, 1H), 4.80-4.55 (m, 3H), 4.49 (d, J=12.1Hz, 1H), 4.28-4.17 (m, 1H), 3.90-3.71 (m, 3H), 3.53-3.44 (m, 1H), 2.93 (s, 1H), 1.51 (s, 3H).LCMS:m/z=463.4(M+H)+
ステップIX:[(2R,3R,4S,5S)−3,4,5,6−テトラアセトキシ−4−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
ステップVIIIからの(4aR,6S,7S,8S,8aR)−6,7−ジベンジルオキシ−8−メチル−2−フェニル−4a,6,7,8a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシン−8−オール(151mg、0.3265mmol)をMeOH(3.265mL)に溶解し、混合物を窒素で脱気する。Pd/C、含水、Degussa(139mg、0.131mmol)を混合物に加え、次いでこれを1atmのH2下室温で6日間撹拌する。反応混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぐ。溶液を真空で濃縮する。
次いで粗生成物の混合物(完全に脱保護化した化合物とモノベンジル化した化合物の混合物)を、室温でピリジン(5mL)中無水酢酸(2.5mL、26.50mmol)と共に18時間撹拌する。DMAP(7.9mg、0.065mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いでピリジン(1mL)ならびに無水酢酸(0.5mL、5.30mmol)およびDMAP(7.9mg、0.065mmol)を加え、反応物を終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、ベンゼンで3回共沸させる。粗生成物を0〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。この際に10〜30%EtOAc:Hexを使用する第2の精製が必要である。
得られた生成物をMeOH(1.658mL)に溶解し、混合物を窒素で数分間脱気し、この時点でPd/C、含水、Degussa(52.93mg、0.04974mmol)を加え、混合物を1atmのH2下週末にかけて撹拌する。混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぐ。濾液を真空で濃縮し、生成物をピリジン(5mL)に溶解し、Ac2O(2.5mL、26.50mmol)を加える。混合物を室温で12時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、ベンゼンで共沸させる。粗生成物を濃度勾配として0〜50%EtOAc:Hexを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(37mg、合計収率13%)を得る。LCMS:m/z=427.3(M+Na)+。
ステップX:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−4−メチル−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
ステップIXからの[(2R,3R,4S,5S)−3,4,5,6−テトラアセトキシ−4−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(37.0mg、0.0915mmol)および中間体A2(44.2mg、0.1830mmol)の1,2−ジクロロエタン(523.2μL)中溶液に、マイクロ波バイアル中0℃でBF3・OEt2(34.8μL、0.275mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加温し、終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、反応混合物を40〜90%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより直接精製して、標題化合物(27mg、収率50%)を得る。LCMS:m/z=586.4(M+H)+
ステップXI:実施例25
ステップXからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−4−メチル−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(27mg、0.0461mmol)の乾燥メタノール(461μL)中撹拌溶液に、室温でNaOMe 25重量/容量%のMeOH中溶液(9.964μL、0.04611mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌する。LCMSは、反応が完結していることを示した。完結した時点で、混合物をSPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して、粗製の所望生成物を得る。最後に、生成物を逆相精製に供して、標題化合物(19mg、収率66%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (d, J=1.9Hz, 1H), 7.74 (ddd, J=8.0, 5.0, 1.6Hz, 2H), 7.54-7.42 (m, 3H), 7.31 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.55 (d, J=1.8Hz, 1H), 3.86-3.63 (m, 5H), 2.94 (s, 3H), 2.32 (s, 4H), 1.50 (s, 3H).LCMS:m/z=418.31(M+H)+
実施例26の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2S,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5−トリアセトキシ−2−メチル−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M7(123mg、0.304mmol)および中間体A2(147mg、0.608mmol)の1,2−ジクロロエタン(1.73mL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(116μL、0.913mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加熱し、終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィーカラム上に直接装填する。20〜80%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用して精製を行う。混合したフラクションを集め、30〜70%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより再度精製する。第1および第2の精製から集めた純粋な生成物を合わせて、所望の標題化合物(150mg、収率84%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.77-7.68 (m, 2H), 7.55-7.40 (m, 3H), 7.19 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.71 (d, J=2.8Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.68-5.66 (m, 1H),5.51 (dd, J=2.8, 2.1Hz, 1H), 4.05-3.94 (m, 2H), 2.94 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.31 (s, 3H).LC−MS:m/z=586.7(M+H)+
ステップII:実施例26
[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5−トリアセトキシ−2−メチル−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(150mg、0.2561mmol)の乾燥メタノール(2.561mL)中撹拌溶液に、室温でナトリウムメトキシドのメタノール中25重量/容量%溶液(55.34μL、0.2561mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌する。完結した時点で、混合物を最少量のMeOHで希釈し、SPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して、標題化合物(89mg、収率71%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.76-7.67 (m, 2H), 7.52-7.41 (m, 3H), 7.27 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.58 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.16 (dd, J=10.1, 3.2Hz, 1H), 4.12-4.02 (m, 2H), 3.52 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.43 (d, J=11.6Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 1.09 (s, 3H).LC−MS:m/z=418.3(M+H)+
実施例27の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップ1:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシエチル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
中間体M5(96.0mg、0.237mmol)および中間体A2(115mg、0.475mmol)の1,2−ジクロロエタン(1.4mL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(90.3μL、0.712mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加熱する。得られた溶液を終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィーカラム上に直接装填する。30〜100%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用して精製を行う。この際に30〜70%EtOAc:Hexを使用する第2のフラッシュクロマトグラフィーを行い、標題化合物(66mg、収率47%)を得る。LC−MS:m/z=586.6(M+H)+
ステップII:実施例27
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシエチル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(66mg、0.113mmol)の乾燥メタノール(1.2mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中25重量/容量%溶液(24.35μL、0.1127mmol)を加える。得られた混合物を1時間撹拌する。完結した時点で、混合物を濃縮し、SPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して生成物を得、これをMeOHと水との混合物中で凍結乾燥する(41mg、収率82%)。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.52 (s, 1H), 8.01 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=7.9, 5.0, 1.3Hz, 2H), 7.47 (td, J=8.5, 8.1, 6.1Hz, 3H), 7.24 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.61 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.12-4.01 (m, 2H), 4.00-3.82 (m, 2H), 2.98-2.86 (m, 3H), 2.29 (s, 3H), 1.08 (d, J=6.6Hz, 3H).LC−MS:m/z=418.5(M+H)+
実施例28の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−2−[2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェノキシ]−6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシエチル]−6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェノキシ)テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
中間体M5(100mg、0.250mmol)および4−ブロモ−2−クロロ−フェノール(101mg、0.490mmol)のCH2Cl2(1.5mL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(97μL、0.76mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加熱する。得られた溶液を終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィーカラム上に直接装填する。0〜40%EtOAc/Hexの濃度勾配を使用して精製を行って、標題生成物(95mg、0.17mmol、69.60%)を得る。LC−MS:m/z=575.43(M+Na)+
ステップII:
マイクロ波バイアルに、ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシエチル]−6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェノキシ)テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(82.0mg、0.150mmol)、5−ニトロインドリン(12.0mg、0.072mmol)、Cs2CO3(48.0mg、0.15mmol)、X−Phos(2.0mg、0.0042mmol)およびPd2(DBA)3(0.55mg、0.00060mmol)を仕込む。トルエン(1.2mL)を加え、バイアルを脱気(ハウス真空、次いでN2)し、密栓し、マイクロ波に100℃で15分間供する。反応混合物をEtOAcで希釈し、シリカカートリッジ500mgに通し、EtOAcで溶出する。残った混合物を減圧下に濃縮し、更には精製せずに次のステップにそのまま使用する。
ステップIII:実施例28
ステップIIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシエチル]−6−[2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(0.15mmol)の乾燥MeOH(2mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMe(0.5M、150μL、0.0740mmol)を加える。得られた混合物を室温で4時間撹拌する。完結した時点で、混合物を濃縮し、陽イオン交換樹脂(SXC、カートリッジ、1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてメタノールで濯ぐ。混合物を逆相HPLCを使用して精製する。合わせた所望の物質を含有するフラクションを凍結乾燥して、標題化合物(47mg、収率82%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.53 (s, 1H), 8.11-7.94 (m, 1H), 7.49-7.18 (m, 3H), 6.84 (d, J=8.7Hz, 1H), 5.60 (s, 1H), 4.18-4.01 (m, 2H), 3.92 (dd, J=20.5, 11.3Hz, 2H), 3.41-3.33 (m, 1H), 3.25-3.16 (m, 1H), 1.07 (d, J=6.6Hz, 3H).LC−MS:m/z=467.35(M+H)+
実施例29の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1R)−1−アセトキシエチル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
中間体M6(145mg、0.359mmol)および中間体A2(173mg、0.717mmol)の1,2−ジクロロエタン(2.050mL)中溶液に、マイクロ波バイアル中0℃でBF3・OEt2(136μL、1.08mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃で終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィーカラム上に直接装填する。30〜100%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用して精製を行う。混合したフラクションを集め、50〜85%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより再度精製する。第1および第2の精製から集めた純粋な生成物を合わせて、所望の化合物(210mg、収率67%)を得る。LC−MS:m/z=586.7(M+H)+
ステップII:実施例29
ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1R)−1−アセトキシエチル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(141mg、0.241mmol)の乾燥MeOH(2.5mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中25重量/容量%溶液(52μL、0.24mmol)を加える。得られた混合物を室温で1時間撹拌する。完結した時点で、混合物を濃縮し、粗生成物を最少量のメタノール中SPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して粗生成物を得、これを逆相HPLCに供する。純粋なフラクションを合わせ、直接凍結乾燥して、標題化合物(38.9mg、収率36%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=7.9, 5.1, 1.3Hz, 2H), 7.51-7.42 (m, 3H), 7.28 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.52 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.05 (dd, J=3.4, 1.8Hz, 1H), 4.00 (qd, J =6.5, 4.6Hz, 1H), 3.94 (dd, J=9.3, 3.4Hz, 1H), 3.76 (t, J=9.6Hz, 1H), 3.49 (dd, J=9.8, 4.5Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 1.18 (d, J=6.4Hz, 3H).LC−MS:m/z=418.2(M+H)+
実施例30の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル]テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:(1S)−2−メチル−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]プロパン−1−オール
(2R,3R,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]メタノール(Daragics, K.;Fugedi, P. Tet. Lett.、2009年、50巻、2914〜2916頁)(1.500g、2.774mmol)、DMSO(8.159mL)およびNEt3(1.93mL、13.9mmol)のCH2Cl2(8.2mL)中溶液に、0℃でSO3・ピリジン錯体(2.208g、13.87mmol)を3回に分けて加える。反応物を1時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、10%重硫酸カリウム水溶液、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄する。有機層をMgSO4で脱水し、真空で濃縮する。残留物をベンゼンで2回共沸させて粗製のアルデヒドを得、これを更には精製せずに使用する。
ブロモ−イソプロピル−マグネシウム(2.9M、957μL、2.77mmol)を、0℃で(2S,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−カルバルデヒド(747mg、1.39mmol)のTHF(7.0mL)中溶液に加える。溶液を15分間撹拌し、氷浴を除去し、混合物を室温で15分かけて撹拌する。完結した時点で、混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチする。水層をEtOAcで3回逆抽出する。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。粗生成物を0〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(407mg、2ステップで収率50%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3Cl) δ 7.26 (s, 20H), 5.00-4.87 (m, 2H), 4.79-4.59 (m, 6H), 4.42 (d, J=12.0Hz, 1H), 4.26-4.14 (m, 1H), 3.97 (dd, J=9.5, 3.1Hz, 1H), 3.89-3.75 (m, 2H), 3.43 (dd, J=10.7, 8.8Hz, 1H), 1.98 (d, J=10.8Hz, 1H), 1.92 (dt, J=8.9, 6.7Hz, 1H), 1.07 (d, J=6.7Hz, 3H), 0.91 (d, J=6.7Hz, 3H).LC−MS:m/z=605.0(M+Na)+。
ステップII:(3S,4S,5S,6R)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール
ステップIからの(1S)−2−メチル−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]プロパン−1−オール(407mg、0.698mmol)をMeOH(7.2mL)に溶解し、混合物を窒素で脱気する。Pd/C、含水、Degussa(446mg、0.419mmol)を混合物に加え、次いでこれを1atmのH2下室温で終夜撹拌する。翌日、H2で再度充填し、AcOH(159μL、2.794mmol)を加える。反応物を週末にかけて撹拌する。反応混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぎ、濾液を真空で濃縮する。残留物をEtOH(6.983mL)およびAcOH(159μL、2.79mmol)に溶解し、混合物を窒素で脱気する。Pd(OH)2(294mg、0.419mmol)を混合物に加え、次いでこれを1atmのH2下室温で2日間撹拌する。反応混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぐ。濾液を真空で濃縮して標題化合物を得、これを次のステップにそのまま使用する。LC−MS:m/z=245.2(M+Na)+。
ステップIII:[(3S,4S,5R,6R)−2,3,5−トリアセトキシ−6−[(1S)−1−アセトキシ−2−メチル−プロピル]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
ステップIIからの(3S,4S,5S,6R)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール(155mg、0.698mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、Ac2O(5.0mL、53mmol)を加える。混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、ベンゼンで3回共沸させる。0〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより、粗生成物の精製を行って、標題化合物(35.7mg、収率11%)を得る。LC−MS:m/z=455.3(M+Na)+。
ステップIV:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシ−2−メチル−プロピル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
ステップIIIからの[(3S,4S,5R,6R)−2,3,5−トリアセトキシ−6−[(1S)−1−アセトキシ−2−メチル−プロピル]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(35.7mg、0.0826mmol)および中間体A2(39.8mg、0.165mmol)の1,2−ジクロロエタン(505μL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(31.4μL、0.248mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加温し、終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、40〜100%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより直接精製して、標題化合物(29.3mg、収率58%)を得る。LC−MS:m/z=614.4(M+H)+
ステップV:実施例30
ステップIVからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシ−2−メチル−プロピル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(29.3mg、0.04775mmol)の乾燥MeOH(500.2μL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中25重量/容量%溶液(10.3μL、0.0478mmol)を加える。得られた混合物を室温で2時間撹拌する。完結した時点で、混合物を最少量のMeOHに希釈し、SPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して粗生成物を得、これを逆相HPLCにより精製して、標題化合物(10.8mg、収率51%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=7.1, 4.0, 1.2Hz, 2H), 7.56-7.37 (m, 3H), 7.20 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.66 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.10-4.01 (m, 1H), 3.96 (dd, J=5.4, 2.1Hz, 2H), 3.58 (dt, J=7.3, 1.4Hz, 1H), 3.38-3.30 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 1.84-1.64 (m, 1H), 0.92 (d, J=6.7Hz, 3H), 0.38 (d, J=6.7Hz, 3H).LC−MS:m/z=446.0(M+H)+。
実施例31の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:(S)−1−((2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラキス(ベンジルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)プロパン−1−オール
(2R,3R,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]メタノール(Daragics, K.;Fugedi, P. Tet. Lett.、2009年、50巻、2914〜2916頁)(1.500g、2.774mmol)、DMSO(8.159mL)およびNEt3(1.93mL、13.9mmol)のCH2Cl2(8.15mL)中溶液に、0℃でSO3・ピリジン錯体(2.208g、13.87mmol)を3回に分けて加える。反応物を1時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、10%重硫酸カリウム水溶液、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄する。有機物をMgSO4で脱水し、真空で濃縮する。残留物をベンゼンで2回共沸させて粗製のアルデヒドを得、これを更には精製せずに使用する。
EtMgBr(Et2O中3M、924.7μL、2.774mmol)を、0℃で(2S,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−カルバルデヒド(747mg、1.39mmol)のTHF(6.9mL)中溶液に加える。反応混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いで氷浴を除去する。混合物を室温で更に15分間撹拌する。完結した時点で、混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチする。水層をEtOAcで3回逆抽出する。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。粗生成物を0〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(633mg、2ステップで収率80%)を得る。LC−MS:m/z=591.5(M+Na)+。
ステップII:(3S,4S,5S,6R)−6−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール
(1S)−1−[(2R,3S,4S,5S,6S)−3,4,5,6−テトラベンジルオキシテトラヒドロピラン−2−イル]プロパン−1−オール(633mg、1.113mmol)をMeOH(11.13mL)に溶解し、混合物を窒素で脱気する。次いでC担持Pd、10重量/重量%、含水、Degussa(710.7mg、0.6678mmol)を混合物に加える。反応混合物を1atmのH2下室温で撹拌する。1日後、H2を再度充填し、AcOH(253μL、4.45mmol)を加え、反応物を週末にかけて撹拌する。混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぎ、濾液を真空で濃縮する。この粗製の混合物をEtOH(11mL)およびAcOH(253μL、4.45mmol)に溶解し、混合物を窒素で脱気する。水酸化パラジウム10重量/重量%(313mg、0.445mmol)を混合物に加える。次いで溶液を1atmのH2下室温で2日間撹拌する。この時点で、反応混合物をセライト上で濾過し、MeOHおよびCH2Cl2で濯ぎ、濾液を真空で濃縮する。粗生成物を次のステップにそのまま使用する。LC−MS:m/z=231.2(M+Na)+。
ステップIII:[(3S,4S,5R,6R)−2,3,5−トリアセトキシ−6−[(1S)−1−アセトキシプロピル]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
ステップIIからの(3S,4S,5S,6R)−6−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]テトラヒドロピラン−2,3,4,5−テトラオール(231mg、1.11mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、Ac2O(5.0mL、53.0mmol)を加える。混合物を室温で12時間撹拌する。次いで反応混合物を真空で濃縮し、ベンゼンで共沸させる。0〜50%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製を行う。標題化合物を得、次のステップにそのまま使用する。LC−MS:m/z=441.2(M+Na)+。
ステップIV:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシプロピル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート
ステップIIIからの[(3S,4S,5R,6R)−2,3,5−トリアセトキシ−6−[(1S)−1−アセトキシプロピル]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(51.4mg、0.123mmol)および中間体A2(59.31mg、0.246mmol)の1,2−ジクロロエタン(730μL)中溶液に、0℃でBF3・OEt2(46.7μL、0.369mmol)を滴下添加する。混合物を室温に加温し、次いで40℃に加熱し、終夜撹拌する。完結した時点で、反応混合物を室温に冷却し、40〜100%EtOAc:Hexの濃度勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより直接精製する。標題化合物を得、次のステップにそのまま使用できる。LC−MS:m/z=622.4(M+Na)+。
ステップV:実施例31
ステップIVからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,5−ジアセトキシ−2−[(1S)−1−アセトキシプロピル]−6−[2−メチル−4−[3−(メチルカルバモイル)フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−4−イル]アセテート(47.7mg、0.07955mmol)の乾燥MeOH(814μL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中25重量/容量%溶液(17.19μL、0.07955mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌する。完結した時点で、反応混合物を最少量のMeOHに希釈し、SPE、SXCカートリッジ(1g)上に装填する。カラムを4CVの当量にてMeOHで濯ぐ。濾液を真空で濃縮して粗生成物を得、これを逆相HPLCにより精製して、標題化合物(15.5mg、4ステップで収率3%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.81-7.68 (m, 2H), 7.56-7.41 (m, 3H), 7.23 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.65 (d, J=1.8Hz, 1H), 4.09-4.03 (m, 1H), 3.97 (dd, J=5.4, 1.8Hz, 2H), 3.77-3.69 (m, 1H), 3.44-3.38 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.56 (dt, J=13.5, 7.5Hz, 1H), 1.35 (tq, J=14.5, 7.3Hz, 1H), 0.66 (t, J=7.4Hz, 3H).
LC−MS:m/z=432.1(M+H)+。
実施例32の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシ−スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
ステップI:(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)−6−メトキシ−スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]
中間体M9(87mg、0.143mmol)および4−メトキシフェノール(53.0mg、0.430mmol)のCH2Cl2(2mL)中冷却(0℃)溶液に、BF3・OEt2(18.0μL、0.142mmol)を加える。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物をH2OおよびCH2Cl2(各3mL)で希釈する。層を分離し、水層をCH2Cl2(1mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、Hex中EtOAc(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(43mg、収率45%)を白色泡状固体として得る。
ステップII:実施例32
Pd(OH)2(16.5mg、0.0024mmol)を、N2でフラッシュした圧力容器中に仕込む。MeOH(1mL)を加え、続いてステップIからの(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)−6−メトキシ−スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン](43mg、0.064mmol)のMeOH(2mL)およびEtOAc(2mL)中溶液を加える。AcOH(15.0μL、0.264mmol)を加え、圧力容器をH2(3×)でパージし、次いで45psiのH2下終夜撹拌する。反応混合物をセライト上で濾過し、触媒を少量のMeOHで濯ぐ。合わせた濾液を濃縮し、ベンゼンで共沸させて粗生成物を得、これをCH2Cl2中MeOH(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(12mg、収率57%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 6.74-6.60 (m, 3H), 4.06 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.79-3.60 (m, 7H), 3.52 (ddd, J=9.9, 4.5, 2.7Hz, 1H), 3.00 (ddd, J=16.6, 12.9, 6.2Hz, 1H), 2.63 (ddd, J=16.4, 5.8, 2.2Hz, 1H), 2.35 (ddd, J=13.6, 6.2, 2.4Hz, 1H), 1.71 (td, J=13.2, 6.0Hz, 1H).
ESI−MS m/z計算値312.32、実測値335.29(M+Na)+
実施例33の調製
N−メチル−3−[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]ベンズアミド
ステップI:N−メチル−3−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]ベンズアミド
THF(2.7mL)中の中間体M9(116mg、0.19mmol)および中間体A1(138mg、0.610mmol)を使用して、実施例32に記載した手順に従って、標題化合物を調製する。0℃で1時間後、更に当量のBF3・OEt2を加え、0℃で1.5時間および室温で2.5時間撹拌を続ける。CH2Cl2中EtOAc(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題(18mg、収率12%)を無色ゴム状物として得た。
ステップII:実施例33
ステップIからのN−メチル−3−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]ベンズアミド(23mg、0.030mmol)を使用する。溶離液としてCH2Cl2中20%MeOHを使用するシリカゲル(10×20cm、厚さ1mm)上での分取薄層クロマトグラフィーにより粗生成物を精製する。最終物をH2O/MeCN混合物(20%MeCN)に溶解し、濾過し、凍結乾燥して、標題化合物(8.9mg、収率69%)をフワフワした白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.01 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.78-7.67 (m, 2H), 7.49 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.45-7.35 (m, 2H), 6.96-6.83 (m, 1H), 4.11 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.81 (d, J=3.4Hz, 1H), 3.74 (t, J=9.7Hz, 1H), 3.70-3.66 (m, 1H), 3.58 (ddd, J=9.9, 4.2, 3.1Hz, 1H), 3.18-3.05 (m, 1H), 2.76 (ddd, J=15.8, 5.6, 2.2Hz, 1H), 2.43 (ddd, J=13.5, 6.0, 2.4Hz, 1H), 1.79 (td, J=13.3, 5.9Hz, 1H).ESI−MS m/z計算値415.44、実測値416.39(M+1)+
実施例34の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−(3−ニトロフェニル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
ステップI:(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)−6−(3−ニトロフェニル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]
出発物として中間体M9(307mg、0.50mmol)および4−(3−ニトロフェニル)フェノール(326mg、1.52mmol)および45分の反応時間を使用し、実施例32に記載した手順に従って、標題化合物をを調製する。Hex中EtOAc(0から30%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(25g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、次いでCH2Cl2中EtOAc(0から10%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で第2の精製を行って、標題化合物(87mg、収率23%)を灰白色泡状固体として得た。
ステップII:実施例34
ステップIからの(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)−6−(3−ニトロフェニル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン](85mg、0.11mmol)および1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン(166mg、1.12mmol)のCH2Cl2(6.8mL)中冷却(−78℃)撹拌溶液に、BCl3のCH2Cl2中溶液(1.0M、1.10mL、1.11mmol)を加える。−78℃で2時間撹拌した後、反応混合物をMeOH(6.8mL)でクエンチし、室温に加温し、濃縮し、CH2Cl2中MeOH(0から20%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(32mg、収率69%)を淡黄色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD+DMSO-D6) δ 8.42 (t, J=2.0Hz, 1H), 8.17 (ddd, J=8.2, 2.2, 0.9Hz, 1H), 8.01 (ddd, J=7.8, 1.6, 1.0Hz, 1H), 7.67 (t, J=8.0Hz, 1H), 7.53-7.40 (m, 2H), 6.96 (d, J=9.1Hz, 1H), 4.10 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.81 (d, J=3.4Hz, 1H), 3.77-3.66 (m, 3H), 3.57 (dt, J=9.9, 3.7Hz, 1H), 3.20-3.05 (m, 1H), 2.79 (ddd, J=16.3, 5.7, 2.3Hz, 1H), 2.44 (ddd, J=13.7, 6.2, 2.6Hz, 1H), 1.80 (td, J=13.1, 5.8Hz, 1H).ESI−MS m/z計算値403.1267、実測値404.23(M+H)+
実施例35の調製
N−メチル−4−(2−(((2S,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)ベンズアミド
ステップI:N−メチル−4−(2−(((2S,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−((ベンジルオキシ)メチル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)ベンズアミド
(2S,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−((ベンジルオキシ)メチル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オール(Tetrahedron、2001年、57巻、4297〜4309頁に記載されている手順に従って調製)(309mg、0.558mmol)および4−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−ベンズアミド(100mg、0.558mmol)のCH2Cl2(4.6mL)中撹拌溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(20.0μL、0.112mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。得られた混合物をNEt3(39.0μL、0.279mmol)でクエンチし、20分間撹拌し、濃縮し、Hex中EtOAc(10CV中0%から100%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(190mg、0.2521mmol、45%)をゴム状物として得る。LC−MS:m/z=716.66(M+H)+。
ステップII:実施例35
ステップIからのN−メチル−4−(2−(((2S,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−((ベンジルオキシ)メチル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)ベンズアミド(190mg、0.265mmol)のMeOH(1.9mL)およびEtOAC(1.9mL)中撹拌溶液に、20%Pd/C含水(40.0mg、0.376mmol)を加える。反応混合物をH2(1atm)の雰囲気下16時間撹拌する。触媒を濾別し、MeOH/CH2Cl2で洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜20%MeOH/CH2Cl2)により精製して、標題化合物(60mg、収率60%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.70 (d, J=8.2Hz, 2H), 7.31 (d, J=8.2Hz, 2H), 3.77 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.75-3.66 (m, 3H), 3.57 (dd, J=11.7, 5.9Hz, 1H), 3.53 (d, J=3.4Hz, 1H), 3.46 (t, J=9.7Hz, 1H), 3.08 (ddd, J=10.0, 6.0, 2.4Hz, 1H), 2.92-2.83 (m, 5H), 1.32 (s, 3H).LC−MS:m/z=356.0(M+H)+。
実施例36の調製
ステップIにおける2−フェニルエタノールを使用する以外は、実施例35にて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.32-7.07 (m, 5H), 3.87-3.54 (m, 5H), 3.54 (d, J=3.3Hz, 1H), 3.47 (d, J=9.7Hz, 1H), 3.19 (dddd, J=9.8, 6.0, 2.4, 0.9Hz, 1H), 2.82 (t, J=6.9Hz, 2H), 1.32 (s, 3H).LC−MS:m/z=299.3(M+H)+。
実施例37の調製
(2S,3S,4S,5S,6R)−2−(ベンジルオキシ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−ヒドロキシ−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M4(505mg、1.25mmol)のTHF(7mL)中冷却(0℃)溶液に、NH3のMeOH中溶液(7M、3.60mL、25.2mmol)を加える。得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、濃縮し、Hex中EtOAc(0から60%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(25g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(273mg、収率60%)を白色泡状固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 5.98 (d, J=4.5Hz, 1H), 5.44 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.33 (d, J=9.8Hz, 1H), 4.23 (dt, J=9.9, 3.7Hz, 1H), 4.15 (d, J=3.7Hz, 2H), 3.12 (d, J=4.5Hz, 1H), 2.10 (s, 6H), 2.09 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.54 (s, 3H).
ステップII:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2,2,2−トリクロロ−1−イミノエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
ステップIからの(3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−ヒドロキシ−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(273mg、0.754mmol)のCH2Cl2(11mL)中冷却(0℃)溶液に、2,2,2−トリクロロアセトニトリル(765μL、7.54mmol)を、続いてDBU(12.0μL、0.0754mmol)を滴下添加する。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌する。得られた混合物を濃縮し、Hex中EtOAc(0から50%)の濃度勾配を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(25g)上で精製して、標題化合物(278mg、収率73%)を無色ゴム状物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.82 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 5.43 (d, J=3.7Hz, 1H), 4.27-4.04 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.59 (s, 3H).
ステップIII:(2S,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(ベンジルオキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
ステップIIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2,2,2−トリクロロ−1−イミノエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(111mg、0.219mmol)のCH2Cl2(2.0mL)中冷却(−20℃)撹拌溶液に、N2雰囲気下粉末化したモレキュラー(moleculear)シーブ4Å(110mg)およびフェニルメタノール(23.7mg、0.219mmol)を加え、混合物を10分間撹拌する。次いでTMSOTf(9.0μL、0.23当量)を加え、得られた混合物を30分間撹拌する。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮する。残留物を、溶離液としてHex中EtOAc(10%から50%)を使用するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(45.0mg、50%)を無色油状物として得る。
ステップIV:実施例37
ステップIIからの(2S,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(ベンジルオキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(45.0mg、0.110mmol)のMeOH(1mL)中冷却(0℃)溶液に、NaOMe(110mL、0.5M、0.055mmol)を加える。反応混合物を室温に加温し、終夜撹拌する。pHが4〜5になるまで反応混合物をDOWEX 50WX4−400樹脂でクエンチし、濾過し、濃縮する。残留物を水中CH3CN(20〜30%)で溶出するBiotage(商標)SNAP C18カートリッジ(10g)により精製して、標題化合物(25mg、収率76%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.39-7.22 (m, 5H), 4.72 (d, J=11.9Hz, 1H), 4.52 (s, 1H), 4.48 (d, J=11.9Hz, 1H), 3.81 (dd, J=11.7, 2.2Hz, 1H), 3.72 (dd, J=11.7, 5.4Hz, 1H), 3.65-3.59 (m, 1H), 3.56 (t, J=9.2Hz, 1H), 3.48 (d, J=8.7Hz, 1H), 1.22 (s, 3H).
実施例38の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−(アジドメチル)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メチル−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−(アジドメチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M14(850mg、1.90mmol)および中間体A2(737mg、3.10mmol)の1,2−ジクロロエタン(13.0mL)中懸濁液に、0℃でBF3・Et2O(725uL、5.70mmol)を滴下添加する。得られた混合物を40℃で16時間撹拌し、3℃に冷却し、撹拌しながら飽和NaHCO3水溶液2mlでクエンチする。得られた懸濁液を濾過し、有機相を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。Hex中EtOAc(40〜100%)(15CV)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)シリカゲルカートリッジ(40g)上で精製して、標題化合物(192mg、16%)を白色固体として得た。LC−MS:m/z=627.5(M+H)+。
ステップII:実施例38
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−(アジドメチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(200mg、0.32mmol)の乾燥MeOH(5.0mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中溶液(0.50M、36μL、0.16mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌し、反応混合物のpHが4になるまでAmbilite IR−120樹脂を加えることにより中和する。得られた混合物を濾過し、濃縮し、CH2Cl2中MeOH(0〜10%)/(15CV)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)シリカゲルカートリッジ(12g)上で精製して、標題化合物(105mg、68%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.01 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=7.7, 6.0, 1.3Hz, 2H), 7.53-7.40 (m, 3H), 7.34 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 3.83 (d, J=12.8Hz, 1H), 3.78-3.70 (m, 4H), 3.62-3.65 (m, 1H), 3.51 (d, J=12.8Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.30 (s, 3H).LC−MS:m/z=459.3(M+H)+。
実施例39から43の調製
それぞれ中間体M4およびA10からA14を使用し、以下の一般的手順に従って、実施例39から43を調製する。バイアルに適切なフェノール(1.2当量のA9〜A14)を仕込む。中間体M4(100mg、0.247mmol)の1,2−ジクロロエタン(1.5mL)中溶液を加え、続いて(100μL、0.789)を各バイアルに加える。バイアルを密栓し、最終混合物を60℃で終夜撹拌する。得られた粗製の混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液2mLを注意深く加えることによりクエンチし、CH2Cl2(2mL)で希釈する。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(2×2mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮する。得られた粗製の残留物をMeOH(2mL)に溶解し、MeOH中NaOMe(0.5M、500μL)で処理する。混合物を室温で2時間撹拌し、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに通す。後者をMeOH(3×1mL)で洗浄し、合わせたフラクションを濃縮する。残留物を逆相HPLCにより最後に精製して、標題化合物を得る。
実施例44から47の調製
以下の一般的手順に従い、中間体M13を使用して実施例44および45を、中間体M12を使用して実施例46および47を調製する。マイクロ波バイアルに、適切なフェニルボロン酸(1.5当量)、Cs2CO3(3.0当量)およびSiliaCat DPP−Pd(0.1当量)を装填する。中間体M12またはM13(45mg、1.0当量)をMeCN(2mL)に溶解し、各バイアルに加える。バイアルを密栓し、100℃で15分マイクロ波処理する。得られた混合物をCH2Cl2:EtOAc(1:1)で希釈し、CH2Cl2−EtOAc(1:1)(合計約5mL)で溶出するbondelutシリカゲルカートリッジ500mgに通す。得られたフラクションを合わせ、濃縮する。残留物をMeOH(1mL)に溶解し、MeOH中NaOMeを加え、最終混合物を室温で2時間撹拌する。得られた混合物を予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに通し、MeOH(3×1mL)で洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、残留物を逆相HPLCにより精製して、所望の物質を得る。
実施例48の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−(アミノメチル)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メチル−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
実施例38(35mg、0.076mmol)のEtOH(700μL)および水(700μL)中撹拌溶液に、10%Pd/C(4mg、0.033mmol)を加える。得られた混合物をH2雰囲気下16時間撹拌し、セライト上で濾過し、濃縮し、水中CH3CN(5から50%)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)C18カートリッジ(12g)上で精製して、標題化合物(8mg、23%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.00 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.72 (ddt, J=7.2, 4.1, 1.2Hz, 2H), 7.43-7.51 (m, 3H), 7.34 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.47 (s, 1H), 3.86 (d, J=9.1Hz, 1H), 3.80-3.69 (m, 3H), 3.59-3.49 (m, 1H), 3.22 (d, J=13.5Hz, 1H), 2.98 d, (J=13.5Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.32 (s, 3H).LC−MS:m/z=433.15(M+H)+。
実施例49の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−(2−ベンジルオキシエトキシメチル)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メチル−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M15(450mg、0.820mmol)および中間体A2(392mg、1.62mmol)のジクロロエタン(6.3mL)中混合物に、BF3・OEt2(309μL、2.43mmol)を加える。混合物を40℃で終夜撹拌する。得られた混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液2mLを加えることによりクエンチする。得られた懸濁液を濾過し、有機相を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。残留物をHex中EtOAc(0〜100%)(15CV)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)シリカゲルカートリッジ(40g)上で精製して、標題化合物(165mg、28%)を白色固体として得る。LC−MS:m/z=758.2(M+Na)+。
ステップII:実施例49
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(20mg、0.027mmol)の乾燥MeOH(1.0mL)中撹拌溶液に、室温でMeONaのMeOH中溶液(25重量/重量%、3μL、0.014mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌し、反応混合物のpHが4になるまでAmbilite IR−120樹脂を加えることにより中和する。得られた混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物(14mg、86%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.98 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.73-7.64 (m, 2H), 7.52-7.40 (m, 2H), 7.38 (dd, J=8.6, 2.4Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.6Hz, 1H), 7.25-7.05 (m,5H), 5.57 (s, 1H), 4.37 (s, 2H), 3.91 (d, J=9.9Hz, 1H), 3.84 (d, J=9.9Hz, 1H), 3.80-3.65 (m, 5H), 3.64-3.49 (m, 4H), 2.93 (s, 3H), 2.31 (s, 3H).LC−MS:m/z=658.11(M+1)+。
実施例50の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシエトキシメチル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
実施例49ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−(ベンジルオキシ)エトキシ)メチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(150mg、0.200mmol)の乾燥EtOH(3.8mL)およびAcOH(47μL、0.82mmol)中撹拌溶液に、Pd(OH)2(20%含水、57mg、0.082mmol)を加える。得られた混合物をH2雰囲気下16時間撹拌し、セライト上で濾過し、濃縮して、標題化合物(125mg、95%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.96 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.66 (dd, J=7.9, 1.8Hz, 2H), 7.54-7.42 (m, 2H), 7.42-7.33 (m, 1H), 7.23 (d, J=8.5Hz, 1H), 6.21 (s, 1H), 5.86 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.43 (t, J=10.0Hz, 1H), 4.29-4.16 (m, 2H), 4.16-4.04 (m, 2H), 3.99 (d, J=10.0Hz, 1H), 3.71 (m, 1H), 3.65-3.55 (m, 1H), 3.56-3.39 (m, 2H), 3.05 (d, J=4.8Hz, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H).
ステップII:実施例50
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−2−((3−メチル−3’−(メチルカルバモイル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(30mg、0.046mmol)の乾燥MeOH(1.5mL)中撹拌溶液に、室温でNaOMeのMeOH中溶液(25重量/重量%、5μL、0.023mmol)を加える。得られた混合物を2時間撹拌し、反応混合物のpHが4になるまでAmbilite IR−120樹脂を加えることにより中和する。得られた混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物(19mg、82%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.92 (t, J=1.8Hz, 1H), 7.64 (ddt, J=8.1, 5.3, 1.3Hz, 2H), 7.45-7.30 (m, 4H), 7.25 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.48 (s, 1H), 3.85-3.73 (m, 2H), 3.73-3.58 (m, 4H), 3.58-3.33 (m, 5H), 2.84 (s, 3H), 2.24 (s, 3H).LC−MS:m/z=478.3(M+H)+。
実施例51の調製
N−メチル−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−[[4−(ヒドロキシメチル)トリアゾール−1−イル]メチル]テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
実施例38(25mg、0.054mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(29mg、0.16mmol)、プロパ−2−イン−1−オール(174μL、0.055mmol)のNMP(235μL)中撹拌溶液に、CuOAc(1.0mg、0.010mmol)を加える。得られた混合物を室温で48時間撹拌し、濾過し、逆相HPLCにより精製して、標題化合物(15mg、54%)を白色固体として得る。
LC−MS:m/z=515.16(M+1)。
実施例52の調製
3−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3−(アセトアミドメチル)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−3−メチル−フェニル]−N−メチル−ベンズアミド
実施例48(70mg、0.16mmol)のTHF(1.6mL)中撹拌溶液に、NaOAc(50重量/容量%、1.6mL、9.8mmol)および塩化アセチル(10.0μL、0.16mmol)を加える。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、濾過し、濃縮し、逆相HPLCを使用して精製して、標題化合物(8mg、10%)を得る。LC−MS:m/z=475.76(M+1)。
実施例53の調製
3−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド
中間体M11(40mg、0.09261mmol)、t−Bu3PH+・BF4 −(5.0mg、0.017mmol)およびPd2(dba)3(17.0mg、0.0186mmol)のTHF(300μL)/水(300μL)中脱気(N2)混合物に、[3−(2−メトキシエチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(21.0mg、0.0942mmol)のNMP(200μL)中溶液を加える。次いでK3PO4(39mg、0.1837mmol)を加え、反応混合物を75℃で18時間撹拌する。得られた混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCにより精製して、標題化合物(8.5mg、18%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.03 (d, J=1.5Hz, 1H), 7.81-7.69 (m, 3H), 7.54 (ddd, J=25.0, 12.9, 5.4Hz, 3H), 5.30 (s, 1H), 3.80-3.61 (m, 6H), 3.57 (s, 4H), 3.38 (s, 3H), 1.44 (s, 3H).LC−MS:m/z=482.25(M+H)+。
実施例54の調製
2−クロロ−4−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−N−シクロプロピル−ベンズアミド
中間体M11(40.0mg、0.104mmol)、Pd(OAc)2(5.0mg、0.022mmol)および[3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−フェニル]スルホニルオキシナトリウム(23.0mg、0.0449mmol)のMeTHF 500uL中混合物に、[3−クロロ−4−(シクロプロピルカルバモイル)フェニル]ボロン酸(0.5M、200μL、0.100mmol)およびK2CO3水溶液(4.5M、100μL、0.450mmol)を加える。反応混合物を65℃で18時間撹拌する。得られた混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCにより精製して、標題化合物(3.0mg、5%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.62-7.57 (m, 2H), 7.47 (dd, J=15.7, 5.1Hz, 2H), 7.39 (t, J=8.3Hz, 2H), 5.22 (s, 1H), 3.70-3.57 (m, 3H), 3.57-3.50 (m, 2H), 2.78 (ddd, J=11.1, 7.5, 4.0Hz, 1H), 1.34 (s, 3H), 0.77-0.68 (m, 2H), 0.58-0.50 (m, 2H).LC−MS:m/z=499.15(M+H)+。
実施例55の調製
5−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−2−フルオロ−N−メチル−ベンズアミド
出発物として4−フルオロ−3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸を使用し、実施例54にて記載した手順に従って、実施例55を調製する。反応混合物を80℃で2時間撹拌する。標題化合物を逆相HPLCにより精製し、白色固体(2.4mg、6%)として単離する。LC−MS:m/z=456.22(M+H)+。
実施例56の調製
3−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−5−フルオロ−N−メチル−ベンズアミド
出発物として3−フルオロ−3−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸を使用し、実施例54にて記載した手順に従って、実施例56を調製する。反応混合物を80℃で2時間撹拌する。標題化合物を逆相HPLCにより精製し、白色固体(0.96mg、2%)として単離する。LC−MS:m/z=455.11(M+H)+。
実施例57の調製
メチル3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾエート
実施例21、ステップIからのメチル3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチルテトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンゾエート(1.62g、2.762mmol)のMeOH(6mL)中懸濁液に、MeOH中NaOMe(0.5M、5.94mL、2.97mmol)を加える。反応混合物を室温で撹拌する。30分後、白色沈殿物が生成し、追加量のMeOH(6mL)を加える。混合物を2時間撹拌し、pHが4になるまでDOWEX酸樹脂でクエンチし、5分間撹拌する。樹脂を濾別し、MeOH(30mL)で洗浄する。合わせた濾液を濃縮して、標題化合物(1.12g、67%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.18 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.96-7.88 (m, 1H), 7.83-7.74 (m, 1H), 7.50 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.46-7.39 (m, 2H), 7.31 (d, J=8.3Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.92 (s, 4H), 3.77-3.65 (m, 3H), 3.63-3.53 (m, 1H), 2.31 (s, 2H), 1.40 (s, 3H).
実施例58の調製
N−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
出発物として実施例21および2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−アミンを使用し、実施例22ステップIにて記載した手順に従って、実施例58を調製する。反応混合物を室温で2時間撹拌する。得られた粗製の混合物を逆相HPLCにより直接精製して、標題化合物を白色固体(収率67%)として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.02 (brs, 1H), 7.73 (brd, J=7.7Hz, 2H), 7.51-7.42 (m, 3H), 7.31 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.77-3.67 (m, 4H), 3.62-3.51 (m, 3H), 2.71-2.39 (m, 10H), 2.31 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).LC−MS:m/z=530.52(M+H)+。
実施例59から72の調製
適切な市販されているアミンを使用し、実施例58にて記載した手順に従って、実施例59から72を調製する。
実施例73の調製
3−フルオロ−N−メチル−5−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ベンズアミド
中間体M10(30.0mg、0.0565mmol)、Pd(OAc)2(4.0mg、0.018mmol)および[3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−フェニル]スルホニルオキシナトリウム(14.0mg、0.0273mmol)の混合物に、脱気した[3−フルオロ−5−(メチルカルバモイル)フェニル]ボロン酸のNMP溶液(0.50M、200μL、0.100mmol)を、続いて脱気したK2CO3の水溶液(2.5M、100μL、0.250mmol)を加える。最終混合物を65℃で18時間撹拌する。得られた反応混合物を室温に冷却し、これにNaOMe(25重量/容量%、50μL、MeOH中0.231mmol)を加える。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、AcOH(50μL)で最後に中和する。得られた混合物を濾過(CHROMSPECシリンジフィルター4mm PTFE、0.45μm)し、揮発物を濃縮し、残ったNMP溶液を逆相HPLCにより精製して、標題化合物を白色固体として得る。LC−MS:m/z=436.28(M+H)+。
実施例74から104の調製。
適切なボロン酸を使用し、化合物73にて記載した手順に従って、実施例74から104を調製する。
実施例105の調製(ルートA)
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M10(11.00g、20.70mmol)、KOAc(1.06g、41.1mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(7.885g、31.1mmol)のDMF(110mL)中脱気(N2)溶液に、PdCl2(dppf)−DCM(845mg、1.04mmol)を加える。反応混合物を脱気(3×)し、80℃で16時間撹拌する。反応物を室温に冷却し、EtOAcおよび飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、セライト上で濾過する。有機相を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、Hex中EtOAc(0〜60%)(13CV)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)シリカゲルカートリッジ(220g)上で精製して、標題化合物(10.6g、89%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.64-7.54 (m, 2H), 7.13 (d, J=8.1Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 5.59 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.38 (t, J=9.9Hz, 1H), 4.17 (dd, J=12.2, 5.2Hz, 1H), 4.07-3.93 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 6H), 1.61 (s, 3H), 1.32 (s, 12H).
ステップII:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]−5−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M10(10.0g、18.8mmol)、ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(10.9g、18.8mmol)およびK2CO3(13.03g、94.3mmol)の2−MeTHF(217mL)中脱気混合物に、水(43.4mL)、Pd(OAc)2(623mg、2.78mmol)および[3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−フェニル]スルホニルオキシナトリウム(2.89g、5.64mmol)を加える。反応混合物を脱気(3回)し、65℃で80分間加熱する。反応混合物を氷浴で冷却し、水相を分離し、EtOAc 200mlで抽出する。合わせた有機相を飽和NH4Cl水溶液300ml、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、セライト上で濾過し、濃縮する。残留物を、Hex中アセトン(0〜35%)(22CV)で溶出するIsco CombiFlash(登録商標)シリカゲルカートリッジ(330g)上で精製して、標題化合物(14.7g、86%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.33 (dd, J=2.4, 0.9Hz, 2H), 7.28 (ddd, J=8.5, 2.4, 0.7Hz, 2H), 7.19 (d, J=8.5Hz, 2H), 6.29 (s, 2H), 5.60 (d, J=9.7Hz, 2H), 5.40 (t, J=9.8Hz, 2H), 4.18 (dd, J=12.2, 5.2Hz, 2H), 4.14-4.00 (m, 4H), 2.33(s, 6H), 2.14 (s, 6H), 2.13 (s, 6H), 2.03 (s, 6H), 2.02 (s, 6H), 1.64 (s, 6H).
ステップIII:実施例105
[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]−5−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(16.0g、17.7mmol)のMeOH(910mL)中懸濁液に、NaOMe(25重量/重量%、1.97mL、8.86mmol)を加える。反応混合物を90分間撹拌し、Dowex 50W4 H+樹脂133gに通すことにより中和し、中和後メタノール250mlを使用してカラムを洗浄する。濾液を白色固体が沈殿するまで濃縮し、懸濁液を0℃で45分間撹拌し、濾過し、冷MeOH 10mLで洗浄する。固体を40℃で16時間真空乾固して、標題化合物(8.50g、85%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.38-7.30 (m, 4H), 7.26 (d, J=8.4Hz, 2H), 5.25 (s, 2H), 3.79-3.69 (m, 8H), 3.66-3.55 (m, 2H), 2.30 (s, 6H), 1.41 (s, 6H).LC−MS:m/z=567.59(M+H)+。
実施例105の代替調製(ルートB)
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(4−ヨード−2−メチルフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M4(5.00g、12.4mmol)のCH2Cl2(25mL)中溶液に、4−ヨード−2−メチル−フェノール(5.79g、24.7mmol)およびBF3・OEt2(9.5mL、74.9mmol)を加える。反応混合物を40℃で90分間撹拌し、室温に冷却し、激しく撹拌しながら飽和NaHCO3水溶液(100mL)中にゆっくり注ぎ入れる。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(2×25mL)で逆抽出する。合わせた有機層を濃縮し、Hex中EtOAc(0〜50%)(14CV)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上で精製して、標題化合物(3.56g、50%)を薄黄色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.47 (dd, J=2.2, 0.9Hz, 1H), 7.41 (ddd, J=8.6, 2.3, 0.7Hz, 1H), 6.91 (d, J=8.6Hz, 1H), 6.22 (s, 1H), 5.54 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.37 (t, J=9.9Hz, 1H), 4.20-4.02 (m, 2H), 4.00-3.94 (m, 1H), 2.22 (d, J=0.7Hz, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 6H), 1.60 (s, 3H).
ステップII:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−2−(4−ヨード−2−メチルフェノキシ)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(1.00g、1.73mmol)、TBABr(557mg、1.73mmol)およびPd(OAc)2(19mg、0.086mmol)のDMF(15mL)中混合物に、トリエチルアミン(602μL、4.32mmol)を加える。反応混合物を110℃で15時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈する。有機層を水(2×25mL)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。残留物を、Hex中EtOAc(10〜60%)濃度勾配(13CV)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上で精製して、標題化合物(303mg、39%)を黄色固体として得る。
ステップIII:実施例105
ルートAステップIIIに前記した通りに、実施例105を得るためにアセテート保護基の除去を行う.
実施例105の代替調製(ルートC)
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M10(50.0mg、0.0940mmol)のDMF(1.25mL)中溶液に、PdCl2・(CH3CN)2(1.8mg、0.0047mmol)およびN1,N1,N1’,N1’,N2,N2,N2’,N2’−オクタメチルエテン−1,1,2,2−テトラアミン(44μL、0.19mmol)を加える。反応混合物を50℃で16時間加熱し、室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(3×15mL)で抽出する。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、Hex中EtOAc(10%から75%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(12mg、28%)を得る。
ステップII:実施例105
ルートAステップIIIに前記した通りに、実施例105を得るためにアセテート保護基の除去を行う。
実施例105の代替調製(ルートD)
ステップI:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M4(100mg、0.25mmol)のCH2Cl2(500μL)中溶液に、4−(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェニル)−2−メチル−フェノール(26mg、0.12mmol)およびBF3・OEt2(188μL、1.48mmol)を加える。反応混合物を40℃で4.5時間加熱し、室温に冷却し、激しく撹拌しながら飽和NaHCO3水溶液(2mL)中にゆっくり注ぎ入れる。有機相を分離し、水相をCH2Cl2で逆抽出する。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、Hex中EtOAc(20%から55%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(12g)上で精製して、標題化合物(25mg、22%)を得る。
ステップII:実施例105
ルートAステップIIIに前記した通りに、実施例105を得るためにアセテート保護基の除去を行う。
実施例106の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[4−[4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシフェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール。
試剤として[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオールを使用する以外は、実施例105ルートDにて記載した手順に従って、実施例106を2ステップで調製する。第1のステップ(グリコシド化)において、反応混合物を40℃で3日間撹拌する。第2のステップ(脱保護化)において、反応混合物を終夜撹拌し、得られた混合物を、溶離液として水中CH3CN(10%から25%)を使用して溶出するBiotage(商標)SNAP C18カートリッジ(12g)により精製して、標題化合物を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.52-7.46 (m, 2H), 7.18-7.11 (m, 2H), 5.18 (s, 1H), 3.78-3.59 (m, 5H), 1.36 (s, 3H).
実施例107の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−2−[2−クロロ−4−[3−クロロ−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェノキシ]−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
中間体M11を使用する以外は、実施例105ルートCにて記載した手順に従って、実施例107を2ステップで調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.60 (m, 2H), 7.51-7.34 (m, 4H), 5.27 (s, 2H), 3.81-3.53 (m, 10H), 1.42 (s, 6H).LC−MS:m/z=608.43(M+H)+。
実施例108の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[[7−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−2−ナフチル]オキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
試剤としてナフタレン−2,7−ジオールを使用する以外は、実施例105ルートDにて記載した手順に従って、実施例108を2ステップで調製する。第1のステップ(グリコシド化)において、反応混合物を40℃で終夜撹拌する。第2のステップにおいて、標題化合物を逆相HPLCにより精製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.70 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.54 (dd, J=49.6, 2.9Hz, 1H), 7.25-6.95 (m, 1H), 5.29 (s, 1H), 3.83-3.54 (m, 5H), 1.37 (d, J=10.4Hz, 3H).
実施例109から115の調製
第1のステップにおいてそれぞれ中間体M16からM22を使用する以外は、実施例105ルートCにて記載した手順に従って、実施例109から115を調製する。全ての実施例を逆相HPLCにより精製し、続いて最終の脱保護化(NaOMe/MeOH)を行う。
実施例116の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−[4−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
4,4,5,5−テトラメチル−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3,2−ジオキサボロラン(30.0mg、0.0909mmol)、中間体M10(96.6mg、0.182mmol)および3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホン酸(ナトリウムイオン(1))(18.67mg、0.0364mmol)の2−Me THF(600.0μL)および水(120.0μL)中脱気混合物に、K2CO3(62.8mg、0.455mmol)およびPd(OAc)2(4.1mg、0.018mmol)を逐次加える。得られた混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(3×8mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を相分離器に通し、濃縮して粗製の混合物を得、これをMeOH(400mL)に溶解した。得られた溶液にMeOH中NaOMe(0.5M、400μL、0.200mmol)を加え、混合物を18時間撹拌する。反応物をpHが4〜5になるまでDOWEX 50WX4水素型樹脂でクエンチし、メタノール(25mL)で希釈し、濾過し、濃縮する。残留物をDMSO約0.75mLに溶解し、溶液を水中CH3CN(10%から63%、11CV)で溶出するBiotage(商標)SNAP C18(30g)上で精製して、標題化合物(10.8mg、18%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.59 (s, 4H), 7.46-7.39 (m, 4H), 7.29 (d, J=8.4Hz, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.78-3.69 (m, 8H), 3.65-3.55 (m, 2H), 2.30 (s, 6H), 1.40 (s, 6H).
実施例117の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−[2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]エチニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(2R,3S,4S,5S,6R)−2−(4−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
中間体M10(320mg、0.602mmol)のMeOH(4.8mL)中溶液に、NaOMe(0.5M、600μL、0.300mmol)を加える。混合物を室温で3時間撹拌し、予め洗浄しておいたSCX−2カートリッジ1gに通して濾過する。後者をMeOHで3回洗浄する。合わせたMeOHフラクションを濃縮乾固して、標題化合物(215mg、92%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.29 (d, J=2.0Hz, 1H), 7.25 (dd, J=8.7, 2.4Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.8Hz, 1H), 5.20 (s, 1H), 3.79-3.64 (m, 4H), 3.62-3.45 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 1.38 (s, 3H).LCMS m/z(M+Na)+=387.53
ステップII:実施例117
ステップIからの(2R,3S,4S,5S,6R)−2−(4−ブロモ−2−メチル−フェノキシ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール(108mg、0.297mmol)、PdCl2(PPh3)2(12.5mg、0.0178mmol)およびヨウ化銅(5.6mg、0.030mmol)のCH3CN(1.5mL)中混合物を、マイクロ波バイアル(10mL)中に置く。DBU(267μL、1.78mmol)および水(10μL、0.55mmol)を加え、混合物を脱気した後、TMS−アセチレン(21μL、0.15mmol)を加える。管を密封し、80℃で20時間激しく撹拌する。混合物を室温に冷却し、濃縮し、残留物をDMSO(0.5mL)に溶解する。得られた溶液を、水中CH3CN(0%から50%、15CV)で溶出するBiotage(商標)SNAP C18(30g)上で精製する。所望の物質を含有するフラクションを合わせ、濃縮する。残留物を逆相HPLCにより更に精製して、標題化合物(12.4mg、14%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.28-7.24 (m, 4H), 7.20 (d, J=9.2Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 3.76-3.64 (m, 8H), 3.59-3.49 (m, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.37 (s, 6H).LCMS m/z(M+H)+=591.47
実施例118の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−2−[4−[3,5−ビス[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]フェニル]−2−メチル−フェノキシ]−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
中間体M10(1.00g、1.88mmol)、KOAc(369mg、3.76mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(717mg、2.82mmol)のDMF(10.0mL)中脱気混合物に、PdCl2(dppf)−DCM(77mg、0.094mmol)を加える。反応物を80℃で21時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAcと飽和NH4Cl水溶液との間で分配する。有機層を分離し、セライト上で濾過し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、残留物を濃度勾配としてHex中EtOAc(10〜60%)で溶出するBiotage(商標)SNAP Ultraシリカカートリッジ(25g)上で精製して、標題化合物(971mg、89%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.65-7.56 (m, 2H), 7.13 (d, J=8.2Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 5.59 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.38 (t, J=9.9Hz, 1H), 4.17 (dd, J=12.2, 5.2Hz, 1H), 4.08-3.94 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 6H), 1.61 (s, 3H), 1.32 (s, 12H).
ステップII:予めアセチル化した実施例118
ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(100mg、0.17mmol)、1,3,5−トリヨードベンゼン(24mg、0.052mmol)の2−Me THF(3.75mL)および水(750μL)中脱気溶液に、K2CO3(36mg、0.26mmol)、Pd(OAc)2(1.0mg、0.0052mmol)および3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホン酸(ナトリウムイオン(1))(5mg、0.010mmol)を加える。反応混合物を脱気し、70℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAcと水との間で分配する。有機層を分離し、セライト上で濾過し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮し、濃度勾配としてHex中EtOAc(20〜80%)で溶出するBiotage(商標)SNAP Ultraシリカカートリッジ(12g)上で精製して、予めアセチル化された実施例118(50mg、61%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.68 (d, J=1.4Hz, 3H), 7.58 (d, J=2.4Hz, 3H), 7.54 (dd, J=8.6, 2.3Hz, 3H), 7.23 (d, J=8.6Hz, 3H), 6.35 (s, 3H), 5.64 (d, J=9.7Hz, 3H), 5.41 (t, J=9.9Hz, 3H), 4.21 (dd, J=12.2, 4.9Hz, 3H), 4.12-3.97 (m, 6H), 2.37 (s, 9H), 2.14 (s, 9H), 2.12 (s, 9H), 2.02 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.64 (s, 9H).
ステップIII:実施例118
ステップIIからの予めアセチル化された実施例118(50mg、0.035mmol)のMeOH(1.0mL)中溶液に、NaOMe(25重量/重量%、4.0μL、0.018mmol)を加える。得られた懸濁液を室温で2時間撹拌し、続いて反応混合物のpHが4になるまでAmbilite IR−120樹脂を加える。懸濁液をMeOH(10mL)で希釈し、濾過し、濃縮して、標題化合物(30mg、88%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.63 (s, 3H), 7.54-7.42 (m, 6H), 7.32 (d, J=8.4Hz, 3H), 5.28 (s, 3H), 3.82-3.66 (m, 12H), 3.61 (dt, J=6.9, 3.6Hz, 3H), 2.33 (s, 9H), 1.41 (s, 9H).LCMS m/z(M+H)+=925.81
実施例119の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−[5−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]−3−ピリジル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
実施例118ステップIからの(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(204mg、0.35mmol)、3−ブロモ−5−ヨード−ピリジン(50.0mg、0.180mmol)の2−MeTHF(1.9mL)および水(375μL)中脱気溶液に、K2CO3(74.0mg、0.530mmol)、Pd(OAc)2(2.0mg、0.011mmol)および3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホン酸(ナトリウムイオン(1))(11mg、0.021mmol)を加える。反応物を再度脱気し、70℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却する。有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、セライト上で濾過し、MeOH(1mL)および2−Me THF(2mL)で希釈し、NaOMe(0.5M、352μL、0.18mmol)で室温にて2時間処理する。反応混合物をAcOH(20μL、0.35mmol)で中和し、濃縮し、逆相HPLCにより精製して、標題化合物(8mg、14%)を得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.66 (s, 2H), 8.16 (d, J=1.8Hz, 1H), 7.62-7.42 (m, 4H), 7.36 (d, J=8.5Hz, 2H), 5.29 (s, 2H), 3.81-3.63 (m, 8H), 3.58 (dt, J=6.8, 3.5Hz, 2H), 2.33 (s, 6H), 1.40 (s, 6H).LCMS m/z(M+H)+=644.38
実施例120、121および122の調製
市販され適切に置換したビス−ハロゲン化フェニルまたはピリジンを使用し、実施例119にて記載した手順に従って、実施例120から122を調製する。
実施例123の調製
(2R,3S,4S,5S,6R)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−2−[2−メチル−4−[2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]シクロプロピル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
ステップI:(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−((E)−2−(6−メチル−4,8−ジオキソ−1,3,6,2−ジオキサザボロカン−2−イル)ビニル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
2−[(E)−2−ブロモビニル]−6−メチル−1,3,6,2−ジオキサザボロカン−4,8−ジオン(95.1mg、0.363mmol)、実施例118ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(175mg、0.303mmol)を含有するバイアルに、窒素雰囲気下CH3CN(1.2mL)中のPdCl2(dppf)・CH2Cl2(22.1mg、0.0303mmol)およびK3PO4(192.7mg、0.908mmol)を加える。バイアルを密封し、室温で3日間撹拌する。混合物をシリカゲルのパット上で濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、濃度勾配としてHex中EtOAcで溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ上で精製して、標題化合物(107.6mg、56%)を得る。
ステップII:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[(E)−2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ビニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
中間体M10(144.4mg、0.272mmol)および(2R,3S,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−2−(2−メチル−4−((E)−2−(6−メチル−4,8−ジオキソ−1,3,6,2−ジオキサザボロカン−2−イル)ビニル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(107.6mg、0.170mmol)を含有するバイアルに、窒素雰囲気下CH3CN(1.4mL)中のPdCl2(dppf)・CH2Cl2(12.4mg、0.0170mmol)およびK3PO4(108.2mg、0.510mmol)を加える。バイアルを密封し、60℃で終夜撹拌する。混合物をシリカゲルのパット上で濾過し、濾液を濃縮する。残留物をHex中EtOAcで溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ上で精製して、標題化合物(40mg、25%)を得る。
ステップIII:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]シクロプロピル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
ステップIIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[(E)−2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]ビニル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(40mg、0.043mmol)およびPd(OAc)2(4.8mg、0.022mmol)のCH2CL2(1.0mL)中溶液に、0℃でジアゾメタンの溶液(0.8M、5.4mL、4.3mmol)を滴下添加し、所望の物質に完全に転化されるまで(LCMSによりモニターする)、溶液を撹拌する。得られた混合物をセライト上で濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、標題化合物の粗製の混合物(40.6mg)を得る。後者を更には精製せずに次のステップに使用する。
ステップIV:実施例123
ステップIIIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[2−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]シクロプロピル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテートの粗製の混合物(40.6mg)をMeOH(323μL)に溶解し、NaOMe(0.5M、86μL、0.043mmol)を加える。得られた混合物を室温で終夜撹拌する。AcOH(0.9μL、0.015mmol)を加え、混合物を濃縮する。残留物を逆相HPLCにより精製して、標題化合物(4.1mg)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.10 (d, J=8.2Hz, 3H), 6.96-6.85 (m, J=9.8Hz, 5H), 5.14 (d, J=6.5Hz, 2H), 3.76-3.66 (m, J=10.2, 4.1Hz, 9H), 3.65-3.55 (m, J=4.7Hz, 3H), 2.19 (s, 6H), 1.96 (t, 2H), 1.37 (s, 6H), 1.27 (t, J=7.1Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=607.7
実施例124の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’,6−テトラオール(VRT−1178998)
ステップI:(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’,6−テトラベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]
中間体M9(1.99g、3.27mmol)および4−ベンジルオキシフェノール(1.97g、9.84mmol)のCH2Cl2(48mL)中冷却(0℃)溶液に、BF3・OEt2(420μL、3.31mmol)を加える。0℃で45分間撹拌した後、反応混合物をH2O(25mL)でクエンチし、15分間撹拌し、層を分離する。水層をCH2Cl2(2×25mL)で逆抽出し、合わせた有機抽出物を約25mLに濃縮する。沈殿した未反応のフェノールを濾過により除去する。濾液を、濃度勾配としてHex中EtOAc(0から20%)で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(100g)上で精製して、標題化合物(1.56g、収率64%)を無色ゴム状物として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.47-7.05 (m, 25H), 6.81-6.55 (m, 3H), 5.04 (d, J=11.6Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.90 (d, J=10.6Hz, 1H), 4.84 (s, 2H), 4.72 (d, J=11.6Hz, 1H), 4.59 (d, J=10.6Hz, 1H), 4.54 (d, J=11.7Hz, 1H), 4.41-4.30 (m, 2H), 4.11 (t, J=9.7Hz, 1H), 3.85 (d, J=2.8Hz, 1H), 3.82 (ddd, J=10.0, 4.6, 1.6Hz, 1H), 3.74 (dd, J=11.6, 4.7Hz, 1H), 3.64 (dd, J=11.5, 1.6Hz, 1H), 2.95 (ddd, J=16.3, 13.2, 6.4Hz, 1H), 2.59-2.48 (m, 1H), 2.42 (ddd, J=12.8, 5.9, 1.6Hz, 1H), 1.50 (dt, J=13.0, 5.8Hz, 1H).
ステップII:実施例124
圧力容器に、EtOAc(5mL)およびMeOH(10mL)中のステップIからの(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’,6−テトラベンジルオキシ−6’−(ベンジルオキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン](646mg、0.863mmol)を仕込む。Pd(OH)2(31mg、0.044mmol)(MeOH中スラリー液)を、続いて酢酸(245μL、4.31mmol)を加える。反応混合物をMeOH(10mL)およびEtOAc(15mL)で更に希釈する。圧力容器をH2で充填し、排気(3×)し、次いでParr振盪器上45psiのH2下終夜撹拌する。反応混合物をN2下に排気し、セライト上で濾過し、触媒を少量のMeOHで注意深く濯ぐ。合わせた濾液を濃縮し、ヘプタンで共沸させる。NMR分析は、反応が完結していないことを示したので、粗製の混合物を的確な反応条件および後処理に再度供し、1,4−ジオキサン(2×)で共沸した後、標題化合物(251mg、収率89%)を灰白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 6.62 (d, J=8.4Hz, 1H), 6.56-6.47 (m, 2H), 4.06 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.76-3.62 (m, 4H), 3.52 (ddd, J=9.9, 4.5, 2.8Hz, 1H), 2.96 (ddd, J=16.7, 12.9, 6.2Hz, 1H), 2.57 (ddd, J=16.4, 6.0, 2.3Hz, 1H), 2.32 (ddd, J=13.4, 6.1, 2.4Hz, 1H), 1.69 (td, J=13.1, 6.0Hz, 1H).LCMS m/z(M+Na)+=321.29
実施例125の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−[3−メチル−4−[(2R,3S,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−フェニル]スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
ステップI:[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]トリフルオロメタンスルホネート
実施例124(730mg、2.24mmol)および1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(962mg、2.69mmol)のDMF(10mL)中溶液に、TEA(625μL、4.48mmol)を加え、反応混合物を24時間撹拌し、次いで濃縮乾固する。粗生成物をCH2Cl2中MeOH(0〜20%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上で精製して、標題化合物(842mg、収率87%)を無色固体として得、これはTEAを不純物として含んでいる。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.14-7.02 (m, 2H), 6.93 (d, J=8.8Hz, 1H), 4.06 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.79 (d, J=3.4Hz, 1H), 3.74-3.60 (m, 3H), 3.52 (ddd, J=9.9, 4.6, 3.1Hz, 1H), 3.15-2.99 (m, 1H), 2.72 (ddd, J=16.6, 5.6, 2.2Hz, 1H), 2.42 (ddd, J=13.7, 6.1, 2.3Hz, 1H), 1.74 (td, J=13.3, 5.8Hz, 1H).LCMS m/z(M+H)+=431.21。
ステップII:[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート
ステップIからの[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]トリフルオロメタンスルホネート(840mg、1.95mmol)およびDMAP(49mg、0.401mmol)を含有するバイアルに、ピリジン(2.8mL、34.6mmol)を、続いてAc2O(3.32mL、35.1mmol)を加える。2.5時間撹拌した後、反応混合物をCH2Cl2(30mL)で希釈し、H2Oおよび1N HCl(各15mL)でクエンチする。層を分離し、水層をCH2Cl2(2×15mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、CH2Cl2/ヘプタン(3×)で共沸させる。粗製の残留物をHex中EtOAc(0〜60%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(907mg、収率78%)を白色結晶性固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.07 (dd, J=8.9, 2.9Hz, 1H), 7.02 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.99 (d, J=8.9Hz, 1H), 5.65 (dd, J=10.1, 3.5Hz, 1H), 5.43 (d, J=3.5Hz, 1H), 5.32 (t, J=10.2Hz, 1H), 4.23 (dd, J=12.3, 5.8Hz, 1H), 4.02-3.92 (m, 2H), 2.98 (ddd, J=16.7, 13.1, 6.4Hz, 1H), 2.69 (ddd, J=6.5, 5.2, 0.8Hz, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.18 (ddd, J=13.5, 6.3, 1.9Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.70 (td, J=13.4, 6.1Hz, 1H). 19F NMR (376MHz, CDCl3) δ -72.88 (s).LCMS m/z(M+H)+=599.34
ステップIII:[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
圧力管に、実施例118ステップIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(71.0mg、0.123mmol)、ステップIIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート(50.0mg、0.0835mmol)、K2CO3(58.0mg、0.420mmol)、Pd(OAc)2(4.9mg、0.022mmol)および[3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−フェニル]スルホニルオキシナトリウム(V−Phos)(13.6mg、0.0265mmol)を仕込む。管を密栓し、脱気(真空、次いでN2、3×)し、2−メチルテトラヒドロフラン(1.0mL)およびH2O(200μL)を加える。管を再度脱気し、予め加熱しておいた(65℃)油浴に移す。2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、セライトの小プラグに通し、EtOAc(5mL)および飽和NH4Cl水溶液(3mL)で濯ぐ。層を分離し、水層をEtOAc(2×3mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。粗製の残留物をHex中EtOAc(20〜80%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(73mg)を無色固体として得、これはピナコールを不純物として含んでいる。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.36-7.33 (m, 1H), 7.31 (dd, J=5.0, 2.2Hz, 1H), 7.28 (d, J=2.3Hz, 1H), 7.24 (d, J=1.9Hz, 1H), 7.20 (d, J=8.5Hz, 1H), 6.98 (d, J=8.4Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 5.71 (dd, J=10.1, 3.5Hz, 1H), 5.62 (d, J=9.7Hz, 1H), 5.44 (d, J=3.3Hz, 1H), 5.40 (d, J=9.8Hz, 1H), 5.35 (t, J=10.1Hz, 1H), 4.26 (dd, J=12.0, 5.1Hz, 1H), 4.20 (dd, J=12.2, 5.2Hz, 1H), 4.16-3.95 (m, 4H), 3.00 (ddd, J=16.4, 13.2, 6.1Hz, 1H), 2.76-2.64 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 2.25-2.11 (m, 10H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 6H), 2.02 (s, 3H), 1.91 (s, 3H), 1.74 (td, J=13.2, 6.0Hz, 1H), 1.66 (s, 3H).LCMS m/z(M+Na)+=923.71
ステップIV:実施例125
ステップIIIからの[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−5−メチル−6−[2−メチル−4−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェノキシ]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(66.5mg、0.0738mmol)のMeOH(1.3mL)中懸濁液に、MeOH中NaOMe(0.5M、300μL、0.150mmol)を加える。3時間撹拌した後、反応混合物をMeOH(2mL)で希釈し、予め洗浄しておいたDowex 50WX4−400樹脂で処理し、濾過し、少量のMeOHで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、H2O中CH3CN(10〜90%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAP C18カートリッジ(12g)上で精製する。所望の物質を含有するフラクションを合わせ、濃縮し、H2O/CH3CN(20%)混合物に再度溶解し、冷凍乾燥して、標題化合物(26.7mg、収率59%)をフワフワした白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.38-7.21 (m, 5H), 6.84 (d, J=9.1Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 4.10 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 1H), 3.80 (d, J=3.4Hz, 1H), 3.77-3.66 (m, 7H), 3.65-3.52 (m, 2H), 3.08 (ddd, J=16.4, 13.0, 6.2Hz, 1H), 2.72 (ddd, J=7.3, 5.2, 1.7Hz, 1H), 2.41 (ddd, J=13.2, 5.8, 2.2Hz, 1H), 2.29 (s, 3H), 1.77 (td, J=13.2, 5.9Hz, 1H), 1.41 (s, 3H).LCMS m/z(M+H)+=565.49
実施例126の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
ステップI:[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート
圧力管に、ステップIIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート(501mg、0.837mmol)、KOAc(170mg、1.73mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(321mg、1.26mmol)およびPdCl2(dppf)・CH2Cl2(35mg、0.0429mmol)を仕込み、密栓し、脱気(真空、次いでN2、3×)する。DMF(5.0mL)を加え、反応混合物を再度脱気し、次いで80℃で4時間加熱する。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液およびEtOAc(各15mL)で希釈する。層を分離し、有機層を飽和NH4Cl水溶液(15mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮する。粗製の残留物をHex中EtOAc(0〜60%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(50g)上で精製して、標題化合物(457mg、収率95%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.61 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 6.95 (d, J=8.1Hz, 1H), 5.68 (dd, J=10.1, 3.4Hz, 1H), 5.42 (d, J=3.4Hz, 1H), 5.34 (t, J=10.1Hz, 1H), 4.24 (dd, J=12.1, 4.9Hz, 1H), 4.01 (ddd, J=9.8, 4.9, 2.3Hz, 1H), 3.94 (dd, J=12.2, 2.4Hz, 1H), 3.03-2.86 (m, 1H), 2.75-2.53 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 2.16 (ddd, J=13.2, 5.8, 1.8Hz, 1H), 2.05 (s, 4H), 2.00 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 1.69 (td, J=13.3, 5.8Hz, 1H), 1.33 (s, 12H).LCMS m/z(M+Na)+=599.48
ステップII:[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート
ステップIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテートおよび実施例125ステップIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテートを使用し、実施例125ステップIIIにて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。標題化合物(収率79%)を白色固体として得る。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.32 (dd, J=8.2, 2.1Hz, 2H), 7.24 (広幅なs, 2H), 6.98 (d, J=8.4Hz, 2H), 5.70 (dd, J=10.1, 3.3Hz, 2H), 5.44 (d, J=3.3Hz, 2H), 5.35 (t, J=10.1Hz, 2H), 4.26 (dd, J=11.9, 4.9Hz, 2H), 4.10-3.91 (m, 4H), 3.07-2.89 (m, 2H), 2.70 (dd, J=16.9, 5.4Hz, 2H), 2.27-2.13 (m, 8H), 2.06 (s, 6H), 2.02 (s, 6H), 1.92 (s, 6H), 1.74 (td, J=13.0, 5.7Hz, 2H).LCMS m/z(M+Na)+=899.72
ステップIII実施例126
ステップIIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテートを出発物とし、実施例125ステップIVにて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。1H NMR (400MHz CD3OD) δ 7.33-7.22 (m, 4H), 6.89-6.78 (m, 2H), 4.10 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 2H), 3.79 (d, J=3.4Hz, 2H), 3.74 (t, J=9.7Hz, 2H), 3.71-3.65 (m, 4H), 3.57 (ddd, J=9.9, 4.2, 3.1Hz, 2H), 3.07 (ddd, J=17.5, 13.0, 6.1Hz, 2H), 2.77-2.67 (m, 2H), 2.40 (ddd, J=13.3, 5.8, 2.2Hz, 2H), 1.76 (td, J=13.2, 5.9Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=563.49
実施例127の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−[4−[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェニル]スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
ステップI:[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−[4−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェニル]スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート
圧力管に、実施例126ステップIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテート(105mg、0.182mmol)、1,4−ジブロモベンゼン(20mg、0.0845mmol)、K2CO3(64mg、0.463mmol)、Pd(OAc)2(2.6mg、0.0116mmol)および[3−(2−ジシクロヘキシルホスファニルフェニル)−2,4−ジメトキシ−フェニル]スルホニルオキシナトリウム(V−Phos)(9mg、0.0176mmol)を仕込む。管を密栓し、脱気(真空、次いでN2、3×)し、2−メチルテトラヒドロフラン(400μL)およびH2O(80μL)を加え、管を再度脱気し、予め加熱しておいた(65℃)油浴に移す。2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、CH2Cl2(3mL)およびH2O(2mL)で希釈する。層を分離し、水層をCH2Cl2(2×1mL)で逆抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮する。粗製の残留物を、Hex中EtOAc(50〜100%)の濃度勾配で溶出するBiotage(商標)SNAPシリカカートリッジ(10g)上で精製して、標題化合物(71mg)を白色固体として得、これはピナコールを不純物として含んでいる。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.59 (s, 4H), 7.43 (dd, J=8.4, 2.2Hz, 2H), 7.35 (d, J=2.1Hz, 2H), 7.02 (d, J=8.4Hz, 2H), 5.72 (dd, J=10.1, 3.5Hz, 2H), 5.46 (d, J=3.5Hz, 2H), 5.35 (t, J=10.1Hz, 2H), 4.27 (dd, J=12.1, 5.1Hz, 2H), 4.05 (ddd, J=10.1, 5.2, 2.5Hz, 2H), 4.00 (dd, J=12.0, 2.5Hz, 2H), 3.03 (ddd, J=15.9, 12.9, 5.8Hz, 2H), 2.79-2.65 (m, 2H), 2.29-2.14 (m, 8H), 2.07 (s, 6H), 2.02 (s, 6H), 1.92 (s, 6H), 1.76 (dt, J=13.2, 5.9Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=975.72。
ステップII:実施例127
ステップIからの[(2R,2’R,3’R,4’S,5’S)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6−[4−[(2R,3’S,4’S,5’R,6’R)−3’,4’,5’−トリアセトキシ−6’−(アセトキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェニル]スピロ[クロマン−2,6’−テトラヒドロピラン]−2’−イル]メチルアセテートを出発物とし、実施例125ステップIVにて記載した手順に従って、標題化合物を調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.60 (s, 4H), 7.44-7.34 (m, 4H), 6.93-6.85 (m, 2H), 4.11 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 2H), 3.81 (d, J=3.4Hz, 2H), 3.79-3.67 (m, 6H), 3.59 (dt, J=9.9, 3.7Hz, 2H), 3.11 (ddd, J=16.7, 12.9, 6.0Hz, 2H), 2.75 (ddd, J=16.2, 5.5, 2.0Hz, 2H), 2.43 (ddd, J=13.4, 6.0, 2.4Hz, 2H), 1.79 (td, J=13.3, 5.8Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=639.49
実施例128の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−[3−[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]フェニル]スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
第1のステップにおいて1,3−ジブロモベンゼンを使用する以外は、実施例127にて記載した手順に従って、標題化合物を2ステップで調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD+DMSO-D6) δ 7.80-7.65 (m, 1H), 7.57-7.37 (m, 7H), 6.97-6.88 (m, 2H), 4.10 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 2H), 3.82 (d, J=3.4Hz, 2H), 3.78-3.67 (m, 6H), 3.58 (dt, J=9.9, 3.7Hz, 2H), 3.11 (ddd, J=16.4, 12.9, 6.1Hz, 2H), 2.79 (ddd, J=7.8, 5.3, 2.1Hz, 2H), 2.43 (ddd, J=13.4, 5.9, 2.4Hz, 2H), 1.80 (td, J=13.2, 5.8Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=639.49
実施例129の調製
(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−6’−(ヒドロキシメチル)−6−[5−[(2R,3’S,4’S,5’S,6’R)−3’,4’,5’−トリヒドロキシ−6’−(ヒドロキシメチル)スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−6−イル]−3−ピリジル]スピロ[クロマン−2,2’−テトラヒドロピラン]−3’,4’,5’−トリオール
第1のステップにおいて3,5−ジブロモピリジンを使用する以外は、実施例127にて記載した手順に従って、標題化合物を2ステップで調製する。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.63 (広幅なs, 2H), 8.13 (s, 1H), 7.51-7.36 (m, 4H), 7.01-6.86 (m, 2H), 4.09 (dd, J=9.5, 3.4Hz, 2H), 3.80 (d, J=3.4Hz, 2H), 3.76-3.63 (m, 6H), 3.56 (ddd, J=9.9, 4.2, 3.2Hz, 2H), 3.18-2.97 (m, 2H), 2.76 (ddd, J=16.5, 5.5, 2.1Hz, 2H), 2.42 (ddd, J=13.4, 5.9, 2.3Hz, 2H), 1.77 (td, J=13.3, 5.8Hz, 2H).LCMS m/z(M+H)+=640.47
熱シフトアッセイ
切断不可能なC末端6−Hisタグを有するタンパク質FimHの炭水化物認識ドメイン(M1−T179)を、pET21bプラスミドにクローニングし、E.coliを発現させ、精製して均一にする。リガンド結合時のタンパク質の熱安定化を、96ウェルフォーマットによりViiA(商標)7(Life Technologies、カリフォルニア州カールスバッド)RT−PCR機器で測定する。アッセイは、タンパク質およびリガンドについて、それぞれ最終濃度5.6μMおよび56μMで、20mMのTris、pH7.4および150mMのNaCl中で二重に実施する。環境に敏感な色素(Applied Biosystems Protein Thermal Shift(商標)色素(P/N4461141))を、最終的な比率が1:1000になるまで、各ウェルに添加する。プレートを、1000×gで1分間スピンさせ、室温で10分間インキュベートする。タンパク質の熱安定性を、リガンドを伴っておよび伴わずに、45℃〜85℃において走査速度0.05℃/秒で測定する。得られたデータを、Protein Thermal Shift(商標)ソフトウェア(バージョン1.1)を使用し、参照としてDMSO対照を使用して分析する。以下の表2に、熱シフトアッセイにおける化合物1〜129のデルタ熱溶融を提示する。
*デルタ熱溶融±平均の標準誤差(反復数)
細菌結合アッセイ
細菌結合アッセイ(BBA)の目的は、糖タンパク質BSA−(マンノース)3に結合する細菌株LF82に対する、選択的FimHアンタゴニストの阻害活性を決定することである。
以下に、BBAを実施するために使用した材料の一覧を記載する。
1.LBブロス:供給者:Gibco、番号10855
2.D−PBS:供給者:Wisent、番号311−425−CL
3.LB寒天プレート
4.96ウェル黒色プレート(高結合):供給者:Costar、番号3925
5.TopSeal(商標)−付着性封止フィルム;供給者PerkinElmer、番号6005185
6.炭酸塩−重炭酸塩緩衝液、pH9.6、錠剤、供給者:Medicago、番号09−8922−24
7.水、供給者:Gibco、番号15230−162
8.ウシ血清アルブミン(BSA):供給者:Sigma、番号A−7888
9.(Man)3−BSA(α1−3、α1−6マンノトリオース−BSA、1mg)、V−Labs、番号NGP1336、ロット番号HGDX37−169−1
10.Tween 20:供給者:Sigma、番号P9416
11.Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系:供給者:Promega、番号E2610
12.LF82/ルシフェラーゼ株:クローン病を有する患者の回腸粘膜から単離されたEscherichia coli株の侵襲能力。Boudeau J、Glasser AL、Masseret E、Joly B、Darfeuille-Michaud A、Infect Immun. 1999年、67巻(9号)、4499〜509頁
BBAを実施するために使用した溶液および緩衝液を、以下に記載する。
1.0.04M炭酸塩−重炭酸塩緩衝液(コーティング緩衝液)
2.40μg/mLのBSA−(Man)3:(Man)3−BSA1mgを水25mLに溶解する。
3.4000μg/mLのBSA
4.40μg/mLのBSA
5.1μg/mLのBSA−(Man)3:40μg/mLのBSA−(Man)3150μL+40μg/mLのBSA5.85mL
6.0.02M炭酸塩−重炭酸塩緩衝液中0.5μg/mLのBSA−(Man)3
7.0.02M炭酸塩−重炭酸塩緩衝液中20μg/mLのBSA
8.ブロッキング緩衝液(2%BSA/DPBS):D−PBS50mL中BSA1g
9.2×結合緩衝液(0.2%BSA/D−PBS):ブロッキング緩衝液5mL+D−PBS45mL
10.洗浄緩衝液(D−PBS/0.01%Tween 20):D−PBS100mL中10μLのTween 20
11.1×Bright−Gloルシフェラーゼ基質:1:1希釈のBright−Gloルシフェラーゼアッセイ系とD−PBS
BBAを実施するための実験プロトコルを、以下に記載する。
LF82/ルシフェラーゼ株の終夜にわたる培養:50mLの2つのFalcon管に、LB20mL+50mg/mLのカナマイシン20μLを添加し、LF82/ルシフェラーゼ株のグリセロール原液からループを用いて接種する。振とうせずに37℃で終夜インキュベートする。
96ウェルプレートの糖タンパク質コーティング:1ウェル当たり0.5〜2μg/mLのBSA−(Man)3100μLを添加する。20μg/mLのBSAを、対照バックグラウンドとして使用する。付着性封止フィルムを使用してプレートを封止し、終夜室温でインキュベートする。96ウェルプレートを1ウェル当たりD−PBS150μLで3回洗浄し、1ウェル当たりブロッキング溶液170μLを添加し、室温で45分間(最短)インキュベートする。
細菌懸濁液の調製:2つの培養管(40mL)を混合し、LBで1:10希釈する(LB900μl+培養物100μl。細菌培養物の光学密度(OD)を測定する。OD1約5×108個の細胞/mL。LF82培養物を、3500rpmにおいて室温で20分間遠心分離処理する。細菌ペレットをD−PBSに再懸濁し、再び3500rpmで20分間、遠心分離処理する。細菌ペレットをD−PBSに再懸濁して、2×109個の細菌/mLの細菌濃度を得る。D−PBSで1/10希釈して、2×108個の細菌/mL(=107個の細菌/50μL)の最終細菌濃度を得る。各細菌懸濁液のLB中1/10連続希釈を実施し、希釈物10μLをLB寒天プレート上に蒔き(最終希釈10−7)、37℃で終夜インキュベートし、CFUを計数して、アッセイにおける実際の細菌密度を決定する。
細菌結合アッセイ:2×結合緩衝液147μLを、化合物プレート(化合物3μLを含有している)に添加する。ブロッキングステップを実施した後(少なくとも45分間)、プレートを1ウェル当たりD−PBS200μLで3回洗浄する。100μLの多チャネル手動ピペッターを用いて、1ウェル当たり2×結合緩衝液で希釈した化合物50μLを添加する。100μLの多チャネル手動ピペッターを用いて、1ウェル当たり細菌懸濁液50μLを添加する。緩慢な速度で1分間かき混ぜ、室温で40〜75分間インキュベートする。1ウェル当たり洗浄緩衝液150μLで5回洗浄し、次にD−PBSで1回洗浄する。1×Bright−Gloルシフェラーゼ基質100μLを添加する。Analyst HTプレートリーダーまたはTrilux 1450 microbetaプレートリーダーを使用してルミネッセンスを読み取る。以下の表3に、細菌結合アッセイにおける化合物1〜129のIC50データを提示する。
競合結合アッセイ
FimHタンパク質の最初の177アミノ酸を、細菌のpET21bプラスミドにおいてトロンビンを用いて、融合タンパク質として発現させることができる。このFimHタンパク質配列は、炭水化物認識ドメイン(CRD)を含有しており、FimH−CRDと呼ばれるものとする。細菌のタンパク質発現の後、FimH−CRDタンパク質を精製して均一にし、トロンビンタグをプロテアーゼ切断によって除去する。蛍光偏光による競合結合アッセイを、5nMのAlexa 647マンノシドプローブおよび60nMのFimH−CRDを使用して実施する。試料を、低容量の384ウェルマイクロタイタープレート中、最終体積20μlでアッセイする。最終的なアッセイ緩衝液の条件は、以下の、50mMのTris−Cl、ph7.0、100mMのNaCl、1mMのEDTA、5mMのβ−メルカプトエタノール、0.05%BSAおよび2.5%DMSOである。FimHについて2つのアッセイを実施し、アッセイ1またはアッセイ2と呼ぶ。アッセイ条件は、以下を除いて両方のアッセイで同じである。アッセイ1は、12点用量応答を用いた連続希釈係数で、手動により希釈することによって調製した化合物を有しており、アッセイ2は、やはり連続希釈係数(12点用量応答)を用いて、ロボット工学系によって調製した化合物を有しており、最初に384ウェルのCorningポリプロピレン丸底プレートで二重に調製する。アッセイ2プレートの化合物は、後に凍結し、使用前に解凍しなければならない。最初に、Alexa 647プローブおよびFimH−CRDをアッセイ緩衝液に添加し、次に最終濃度0.4nM〜75μMの試験化合物0.5μl(アッセイ1または2)を添加する(3倍連続希釈による12点滴定)。Alexa 647プローブの対照ウェルを、FimH−CRDタンパク質を添加することを除き、同じ条件で調製する。次にプレートを、暗室内で、乾燥を防止するために湿気条件下で、室温において5時間インキュベートする。SpectraMaxパラダイム多モードプレートリーダーおよび適切な蛍光偏光検出カートリッジ(Alexa−647)を使用して、プレートを読み取る。
Alexa 647マンノシドプローブを、FAMマンノシドについて記録されている手順と類似の手順を使用して調製し(Han, Zら、2010年、J. Med. Chem.、53巻、4779頁)、以下のスキームに記載する。
青色に着色した、撹拌した(2S,3S,4S,5S,6R)−2−(4−アミノブトキシ)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール(2.21mg、0.009mmol)および(2E)−2−[(2E,4E)−5−[3,3−ジメチル−5−スルホネート−1−(3−スルホネートプロピル)インドール−1−イウム−2−イル]ペンタ−2,4−ジエニリデン]−3−[6−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ−6−オキソ−ヘキシル]−3−メチル−1−(3−スルホネートプロピル)インドリン−5−スルホネート(カリウムイオン(3))(4.9mg、0.0044mmol)のDMF(44μL)溶液に、Et3N(5.4mg、7.0μL、0.053mmol)をRTで添加する。溶液を室温で終夜撹拌し、濃縮し、水に溶解し、12gのC−18シリカゲルカートリッジによりIsolera系で、水中アセトニトリル(0〜40%、10CV)を使用して精製し、その後、凍結乾燥させて、Alexa 647マンノシドプローブ(3.3mg、34%)を濃い青色の固体として得る。
化合物のKd値を、化合物1つ当たり12種類の濃度を二重に使用して、用量応答曲線から決定する。曲線を、蛍光偏光競合置換分析を使用してデータ点にフィットし、Kdを、得られた曲線から、GraphPad Prismソフトウェア、バージョン50.4(GraphPad software Inc.、米国カリフォルニア州、サンディエゴ)を使用して補間する。
マウス糞便安定性アッセイ
マウス糞便安定性アッセイを使用して、腸を模倣する環境におけるFimHアンタゴニストの安定性を測定することができる。数匹の動物(少なくとも4匹)から得た新しいマウス糞便試料を、10体積(w/v)の100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)と共にStomacherデバイスを使用してホモジナイズする。次に、糞便混合物を2000gで5分間遠心分離処理し、上清をインキュベーションのために収集する。試験化合物を、糞便上清中100uMでスパイクし、37℃で6時間までインキュベートする。0.1%ギ酸および内部標準を含有する9体積のアセトニトリルを添加することによって、酵素反応を停止させる。混合物を遠心分離処理し、上清をHPLC−MS/MSによって分析して、対照試料に対して残った親の百分率を評価する。本発明の化合物は、マンノース部分が修飾されていない類似化合物(化合物A参照)と比較して、予想外に驚くほど安定である。
ヒト糞便安定性アッセイ
ヒト糞便安定性アッセイを使用して、腸を模倣する環境におけるFimHアンタゴニストの安定性を測定することができる。3人のドナーから得た新しいヒト糞便試料を、10体積(w/v)の100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)と共にStomacherデバイスを使用してホモジナイズする。次に、糞便混合物を2000gで5分間遠心分離処理し、上清をインキュベーションのために収集する。試験化合物を、糞便上清中100uMでスパイクし、37℃で24時間までインキュベートする。0.1%ギ酸および内部標準を含有する9体積のアセトニトリルを添加することによって、酵素反応を停止させる。混合物を遠心分離処理し、上清をHPLC−MS/MSによって分析して、対照試料に対して残った親の百分率を評価する。本発明の化合物は、マンノース部分が修飾されていない類似化合物(化合物A参照)と比較して、予想外に驚くほど安定である。
FimHアンタゴニストを経口投与した後のマウス***研究
マウスに、10mg/kg(10mL/kg;0.5%メトセル)のFimHアンタゴニストを経口投与し、尿および糞便を、***ケージ内で氷上に72時間まで収集する。収集後、糞便試料を10体積の水で希釈し、Stomacherデバイスを使用してホモジナイズする。次に、糞便混合物および尿試料を、内部標準を含有するアセトニトリルでクエンチし、遠心分離処理し、次に上清を1体積の水で希釈した後、HPLC−MS/MSによってSRMモードで分析する。本発明の化合物は、マンノース部分が修飾されていない類似化合物(化合物A参照)と比較して、予想外に驚くほど安定である。
本発明のいくつかの実施形態を記載してきたが、本発明の化合物、方法およびプロセスを利用する他の実施形態を提供するために、基本的実施例に変更を加え得ることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として本明細書に提示されている具体的な実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることを理解されよう。