JP6372848B2 - Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器 - Google Patents

Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6372848B2
JP6372848B2 JP2014068159A JP2014068159A JP6372848B2 JP 6372848 B2 JP6372848 B2 JP 6372848B2 JP 2014068159 A JP2014068159 A JP 2014068159A JP 2014068159 A JP2014068159 A JP 2014068159A JP 6372848 B2 JP6372848 B2 JP 6372848B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
ion
electrode
tft
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014068159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015190848A (ja
Inventor
和重 竹知
和重 竹知
芳賀 浩史
浩史 芳賀
新之輔 岩松
新之輔 岩松
誠也 小林
誠也 小林
阿部 泰
泰 阿部
矢作 徹
徹 矢作
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tianma Japan Ltd
Original Assignee
Tianma Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tianma Japan Ltd filed Critical Tianma Japan Ltd
Priority to JP2014068159A priority Critical patent/JP6372848B2/ja
Priority to US14/671,582 priority patent/US9664642B2/en
Priority to CN201510144865.XA priority patent/CN104950023B/zh
Publication of JP2015190848A publication Critical patent/JP2015190848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6372848B2 publication Critical patent/JP6372848B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/414Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/772Field effect transistors
    • H01L29/78Field effect transistors with field effect produced by an insulated gate
    • H01L29/786Thin film transistors, i.e. transistors with a channel being at least partly a thin film
    • H01L29/7869Thin film transistors, i.e. transistors with a channel being at least partly a thin film having a semiconductor body comprising an oxide semiconductor material, e.g. zinc oxide, copper aluminium oxide, cadmium stannate
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/414Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS
    • G01N27/4145Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS specially adapted for biomolecules, e.g. gate electrode with immobilised receptors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/414Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS
    • G01N27/4148Integrated circuits therefor, e.g. fabricated by CMOS processing

Description

本発明は、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)によって構成したTFTイオンセンサ、このTFTイオンセンサを用いた測定方法、及び、このTFTイオンセンサを用いたTFTイオンセンサ機器に関する。
近年、例えばバイオセンシング用途のイオン濃度センサが、医療などの分野で利用されている。このイオン濃度センサは、無機酸化物表面での水素イオン濃度検出機能や無機酸化物表面での酵素の分子識別機能と、電気化学装置とを組み合わせたものである。
シリコン基板MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いたイオンセンシティブFET(FETイオンセンサ)は、既に製品化されており、主に溶液のpH(Potential of Hydrogen)センサとして活用されている。溶液と絶縁膜との界面には必然的に電気二重層が形成されることが、電気化学により知られている。この電気二重層に発生する電位差は溶液のpHによって変化し、この変化量をFETのVth(閾値電圧)シフトとして読み取ることでpHの値をセンシングする、というのがその測定原理である。
電気化学のネルンスト理論によれば、25℃において溶液のpHが「1」変化する(水素イオン濃度が1桁変化する)ことにより、pH溶液/酸化膜界面において約59mVの電気二重層電位変化が生じる。すなわち、59mV/pHが測定感度の理論限界であり、実際のイオンセンシティブFET製品でも45〜50mV/pH程度の感度となっており、この感度を理論限界に近付ける検討が進められている。
バイオ・メディカル関連において、今後、様々な溶液中の物質の精密なセンシング技術が重要になってくる。バイオセンシングにおいては、酵素反応等を介して最終的には水素イオン濃度の変化を検出する手法が多く用いられる。したがって、pHに関しても、より小さなpH変化をセンシングできるような技術が必要になってきており、そのためには何らかの手段で測定感度を向上させる(59mV/pHよりも高くする)必要性が高まってきている。
次に、本発明に関連する先行技術文献(以下「関連技術」という。)について説明する。
TFTのVthシフトを利用したTFTイオンセンサに関しては、例えば、F.Yan等の多結晶シリコンTFTを用いた報告例がある(非特許文献1)。イオン感応絶縁膜として窒化シリコン膜を用いpHセンシングを行い、54mV/pHの感度が得られている。
J.-C.Chou等はアモルファスシリコンTFTを用いてpHセンシングを行っており、58mV/pHの感度を得ている(非特許文献2)。
K.Koike等は酸化物半導体である酸化亜鉛を半導体活性層に用いたトランジスタを用いてpHセンシングを行っており、−20μA/pHの感度を得ている(非特許文献3)。
酸化物半導体を用いたボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体膜上にイオン感応絶縁膜を形成し、ボトムゲート電極に定電圧を印加した状態でセンシング溶液中の参照電極の電圧を変化させ、参照電極電圧-ドレイン電流特性の閾値電圧シフトからセンシングを行う方法が開示されている(特許文献1)。
カーボンナノチューブを活性層としたボトムゲート型TFTにおいて、ポリシラザン溶液を用いてイオン感応絶縁膜を形成し、イオン感応絶縁膜上にトップゲート電極を形成することで特性を改善する手法が開示されている(特許文献2)。
酸化物半導体を用いたデュアルゲート型TFTのデュアルゲート電極で紫外線をカットし、かつ、このデュアルゲート電極上にイオン感応絶縁膜を形成することで、紫外線雰囲気下でもセンシングが可能なTFTセンサが開示されている(特許文献3)。
以上、シリコン半導体や酸化物半導体を用いたTFTイオンセンサが報告されてきたが、いずれも「センシング対象の溶液中に浸漬させた参照電極に印加した電圧」対「ドレイン電流」特性のシフトからpHセンシングを行うものである。
Applied Physics Letters, vol. 86, 053901 (2005) Sensors and Actuators, B62, 92-96 (2000) Japanese Journal of Applied Physics, vol. 46, L865-L867 (2007)
特開2012−73101号公報 特開2010−192599号公報 特開2013−76656号公報
上記のように、TFTを用いたイオンセンサに関して様々な技術が開示されている。しかしながら、いずれの文献においても、センシング対象の溶液に浸漬させた参照電極の電圧を変化させ、参照電極電圧-ドレイン電流特性のシフトからイオン濃度を検知する手法である。このような手法においては、ネルンスト理論により、例えばpHセンシングにおいては59mV/pHが感度の理論限界である。この理論限界は、半導体材料やイオン感応絶縁膜に依存することなく一定である。
MOSFETを用いたpHセンサは既に実用化されており、上記の理論限界に近い55mV/pH程度の感度のものが製品化されている。実際に製品化が進んでいることから、溶液中の水素イオン濃度そのものをセンシングする場合には、55mV/pH程度の感度でも十分であると考えられる。
また、TFTイオンセンサのイオン感応絶縁膜上にある特定の物質のみを固定化するような酵素を備えることにより、バイオセンシング機能を持たせた場合には、更なる高感度を必要とする。例えば、中性溶液(水素イオン濃度:10-7mol/L)に10-9〜10-8mol/L程度の濃度で存在するホルモン物質を、水素イオン濃度の変化を通して検出する際、0.01〜0.1程度のpHの変化を精度良く検出する必要がある。しかし、ネルンスト理論限界に従えば、0.59mV〜5.9mV程度の微量な特性シフトを検出しなければならないので、測定精度揺らぎ等の影響で正確な検出が難しくなる。例えば、熱による測定精度の揺らぎ等の影響を考えると、理論限界よりも更に感度は下がってしまう。このようないわゆる元々の信号対ノイズ比(S/N比)が下がってしまうと、これをたとえ外部回路などで増幅してもノイズレベルも含めて増幅されるために、実質的に感度を上げることができないという課題があった。
このようにネルンスト理論による感度限界に縛られる関連技術では、ホルモン等の微量濃度物質を精度良く検出することが困難であるという課題があった。
そこで、本発明の目的は、微小なイオン濃度変化を感度良くセンシングできるTFTイオンセンサを提供することにある。
本発明に係るTFTイオンセンサは、
ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極と、を備え、
前記半導体活性層が酸化物半導体であり、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、
前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る電圧検出部、及び、前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を読み取る電流検出部の、どちら一方を更に備えている。
本発明によれば、イオン感応絶縁膜表面に発生した電気二重層電位差(ネルンスト理論に従って発生した電位差)を増幅して検知できるので、微小なイオン濃度変化を感度良くセンシングできるTFTイオンセンサを実現できる。この効果を活用して、酵素反応や抗原抗体反応を電気信号に変換して検出するバイオセンシングにおいても高感度化を実現できる。
実施形態1及び実施例1のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施例1のpHセンシング測定結果であるゲート-ソース間電圧対ソース-ドレイン間電流を示すグラフである。 実施形態2及び実施例2のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施例3のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施例4のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態3及び実施例5のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態4及び実施例6のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態5のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態6のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態7のTFTイオンセンサを示す断面図である。 実施形態9及び実施例7のTFTイオンセンサ機器を示す回路図である。 実施形態9のTFTイオンセンサ機器の測定原理を示すグラフである。
本発明の第一のTFTイオンセンサは、ソース電極及びドレイン電極が接続された島状半導体活性層を有し、前記半導体活性層の一方の面にゲート絶縁膜及びゲート電極が形成され、前記半導体活性層のもう一方の面にイオン感応絶縁膜が形成され、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に参照電極を有するTFTイオンセンサにおいて、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る機構を有することを特徴とする。
また、本発明の第二のTFTイオンセンサは、ソース電極及びドレイン電極が接続された島状半導体活性層を有し、前記半導体活性層の一方の面にゲート絶縁膜及びゲート電極が形成され、前記半導体活性層のもう一方の面にイオン感応絶縁膜が形成され、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に参照電極を有するTFTイオンセンサにおいて、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流れる電流値を読み取る機構を有することを特徴とする。
更に、本発明の第三のTFTイオンセンサは、ソース電極及びドレイン電極が接続された島状半導体活性層を有し、前記半導体活性層の一方の面にゲート絶縁膜及びゲート電極が形成され、前記半導体活性層のもう一方の面にイオン感応絶縁膜が形成され、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に参照電極を有するTFTイオンセンサにおいて、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、前記イオン感応絶縁膜上にセンシング対象物質を配置した際に、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差と前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に流れる電流との関係を示すカーブのシフト量から前記センシング対象物質中のイオン濃度を検出する機構を有することを特徴とする。
すなわち、本発明では、参照電極電圧-ドレイン電流特性のシフトからイオン濃度を検知する関連技術と異なり、ゲート電極電圧-ドレイン電流特性のシフトからイオン濃度を検知する。
このようなTFTイオンセンサは、前記イオン感応絶縁膜上にセンシング対象物質を配置した際に、前記イオン感応絶縁膜と前記センシング対象物質との間に発生した電位差(界面に発生した電気二重層電圧に対応)に、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量を前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量で除した比の値を乗じた電位差を読み取る機構を有する。
上記の通り、水素イオン濃度の変化に対する電気二重層電圧の変化の最大値は59mV/pHであるが、本発明では、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量を前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量で除した比の値が1よりも大きいため、59mV/pHよりも高い感度を実現することができる。
このような高感度のTFTイオンセンサは、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差を制御できる機構を有することを特徴とするTFTイオンセンサであり、又は、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差が一定になるように前記ドレイン電極と前記ソース電極間に流れる電流を制御できる機構を有することを特徴とするTFTイオンセンサである。
本発明では、関連技術とは異なり、参照電極ではなくゲート電極に印加した電圧対ドレイン電流特性のシフトからイオン濃度センシングを行う。このような検出法を用いる場合、イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量より大きくすることで、ネルンスト限界よりも高い感度での検出が理論的に可能になる。本発明の効果は、決してネルンスト理論を否定するものではなく、ネルンスト理論に従ってイオン感応絶縁膜表面に発生した電気二重層電位差が、ボトムゲート電界とトップゲート電界との相互作用を通じて“増幅”される結果である。この増幅効果は、イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量より大きくすることで実現される。この効果は、外部回路による増幅に依存せず、各種の揺らぎに影響されることなくセンサ自身の本来的な高感度化を実現するので、関連技術の課題を解決することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のTFTイオンセンサ101を示す断面図である。
TFTイオンセンサ101は、ソース電極13s及びドレイン電極13dが接続された半導体活性層12と、半導体活性層12の一方の面に設けられたゲート絶縁膜としての熱酸化膜10及びゲート電極としてのシリコン基板11と、半導体活性層12の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜14と、イオン感応絶縁膜14から空間的に離れた位置に設けられた参照電極17とを備え、イオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量がゲート絶縁膜(熱酸化膜10)の単位面積当たりの静電容量よりも大きくなっている。そして、TFTイオンセンサ101は、ソース電極13sとゲート電極(シリコン基板11)との間の電位差を読み取る電圧検出部41、及び、ソース電極13s又はドレイン電極13dに流れる電流を読み取る電流検出部42の、どちらか一方を更に備えている。
電圧検出部41を備えた場合は、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間に定電流が流れるようにソース電極13sとゲート電極(シリコン基板11)との間の電位差を制御する電圧制御部43を更に備えてもよい。この場合の測定方法の一例を述べれば、イオン感応絶縁膜14から参照電極17までの空間をセンシング対象物質16で満たし、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間に定電流が流れるようにソース電極13sとゲート電極(シリコン基板11)との間の電位差を制御し、ソース電極13sとゲート電極(シリコン基板11)との間の電位差を読み取る、となる。
電流検出部42を備えた場合は、ゲート電極(シリコン基板11)とソース電極13sとの間の電位差が一定になるようにソース電極13sとドレイン電極13dとの間に流れる電流を制御する電流制御部44を更に備えてもよい。この場合の測定方法の一例を述べれば、イオン感応絶縁膜14から参照電極17までの空間をセンシング対象物質16で満たし、ゲート電極(シリコン基板11)とソース電極13sとの間の電位差が一定になるようにソース電極13sとドレイン電極13dとの間に流れる電流を制御し、ソース電極13s又はドレイン電極13dに流れる電流を読み取る、となる。
ソース電極13sとゲート電極(シリコン基板11)との間の電位差は、イオン感応絶縁膜14上にセンシング対象物質16が配置され、イオン感応絶縁膜14とセンシング対象物質16との間に発生した電位差に、イオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜(熱酸化膜10)の単位面積当たりの静電容量で除した比の値を乗じた電位差である。
ゲート電極(シリコン基板11)にはゲート電圧Vgが印加され、ドレイン電極13dにはドレイン電圧Vdが印加される。例えば、電圧検出部41は電圧計、電流検出部42は電流計、電圧制御部43は定電流源、電流制御部44は定電圧源である。
TFTイオンセンサ101について、更に詳しく説明する。熱酸化膜10が形成されたシリコン基板11上に島状の半導体活性層12が形成されており、半導体活性層12の上面の一部に接するようにソース電極13s及びドレイン電極13dが形成されている。半導体活性層12とソース電極13s及びドレイン電極13dとの上にイオン感応絶縁膜14が形成されている。本実施形態1では、シリコン基板11がゲート電極として、熱酸化膜10がゲート絶縁膜としてそれぞれ作用する。TFTのチャネル部に相当する領域のイオン感応絶縁膜14のみを露出させ、それ以外を保護絶縁膜15で覆う構造となっている。このような構造のTFTをセンシング対象物質16内に配置し、センシング対象物質16中に参照電極17を設ける。
以上のような構成のTFTイオンセンサ101において、イオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜(熱酸化膜10)の単位面積当たりの静電容量よりも大きくし、ゲート-ソース間電圧対ソース-ドレイン間電流特性(以下「Vg−Id特性」と略す。)の閾値電圧の変化からセンシング対象物質16中のイオン濃度変化を検知することが、本実施形態1のポイントである。
(実施例1)
次に、本実施形態1を更に具体化した実施例1を、図1に基づき説明する。
まず、200nmの熱酸化膜10が形成されたシリコン基板11を用意した。熱酸化膜10の代わりに、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法により成膜された酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などを用いても良い。
そして、熱酸化膜10が形成されたシリコン基板11上に、In−Ga−Zn−Oからなる50nmの酸化物半導体膜を、メタルマスクを用いてスパッタ法により成膜した。このとき、In−Ga−Zn−Oからなる焼結体ターゲットを用い、基板は加熱せず、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中でのDC(Direct Current)スパッタ法を採用した。成膜後に大気中で400℃かつ1時間のアニールを行った。この酸化物半導体膜をパターニングすることにより、島状の半導体活性層12を形成した。
引き続いて、モリブデン金属をメタルマスクを用いてDCスパッタすることにより、ソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。ソース電極13s及びドレイン電極13dの膜厚は30nmである。
更に、酸化タンタルからなる200nmのイオン感応絶縁膜14を、メタルマスクを用いてスパッタ法により成膜した。このとき、Ta−Oからなる焼結体ターゲットを用い、基板は加熱せず、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中でのRF(Radio Frequency)スパッタ法を採用した。その後、大気中で300℃かつ1時間のアニールを行った。熱酸化膜の比誘電率は4程度であり、スパッタ成膜した酸化タンタルの比誘電率は20程度であった。いずれの膜厚も200nmであるため、これらの比誘電率値の違いが反映されて、酸化タンタルから成るイオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量は、熱酸化膜10から成るゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも5倍程度大きい。
その後、エポキシ樹脂を保護絶縁膜15として用い、半導体活性層12のチャネル領域上のイオン感応絶縁膜14の表面を露出させ、それ以外をエポキシ樹脂で覆う構造を形成した。
以上のような構造のTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中にプラチナから成る参照電極17を設置した。MacIlvaine緩衝液は、0.025mol/Lのクエン酸と0.05mol/Lのリン酸水素ナトリウムとの混合液から成る。センシング対象である水素イオン濃度(pH)は、混合比により3〜8の範囲で変化させた。
以上のような構成のTFTイオンセンサ101のドレイン電極13dに一定電位0.5Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。このようなバイアス状態でゲート電圧Vgを−2V〜+7Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定した。図2は、pH=3,5,7,8のそれぞれの緩衝液中で測定したVg−Id特性を示している。
図2からわかるように、pHの値が高くなるにつれてVg−Id特性は正方向へシフトした。ソース-ドレイン間電流として1×10-7(A)の定電流値を与えるゲート-ソース間電圧を各pHごとに読み取ると(右向き破線矢印51)、単位pH当たりのシフト量、すなわち感度は約130mV/pHであった。これは、関連技術におけるネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHの2倍以上の感度であり、本実施形態1の効果を確認できた。
ここで注意すべき点は、本実施形態1の結果は、決してネルンスト理論と矛盾しているわけではないということである。ネルンスト理論に従って酸化タンタル表面に発生した電気二重層電位差(この電位差は理論に従って59mV/pH以下のはずである。)が、ボトムゲート電界とトップゲート電界との相互作用及び容量差を通じて増幅された結果であると言える。
逆に言えば、このような増幅作用を発現させる仕組みが、本実施形態1のポイントに起因するということである。本実施形態1のポイントとは、ゲート絶縁膜(熱酸化膜10)の静電容量よりもイオン感応絶縁膜14の静電容量の方が大きいこと、及び、センシング対象物質16中のイオン濃度変化をVg−Id特性の閾値電圧の変化から検知することである。
本実施例1では一定のソース-ドレイン間電流値として1×10-7(A)の場合を説明したが、この定電流の値に関してはこれに限ることなく、TFTのサイズや検知しやすい電流値に応じて任意に設定することができる。また、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間に0.5Vの一定電位差を与えた場合を説明したが、この値に限ることなく、TFTのサイズや検知しやすい電流値が得られる電位差として任意に設定することができる。
上記では、Vg−Id特性の閾値電圧の変化からセンシング対象物質16中のイオン濃度変化を検知する測定手法を説明したが、ある一定のゲート-ソース間電圧時におけるソース-ドレイン間電流値を電流計により読み取り、その変化からイオン濃度変化を検知することもできる。このようなセンシング概念の一例を、図2の上向き破線矢印52で示した。図2に示すように、本実施形態1ではpH値の変化によるVg−Id特性のシフト量が関連技術よりも大きいので、上向き破線矢印52方向の電流値の変化も大きくなる。これはpHセンシングの感度が高くなることを示している。したがって、本実施形態1を用いて電流値からpH値を読み取ることにより、関連技術よりも高感度のTFTイオンセンサを実現できる。
ここでは、半導体活性層12として酸化物半導体の場合を説明した。In−Ga−Zn−Oのような酸化物半導体は、半導体中にホール(正孔)をほとんど蓄積しないため、容易に空乏状態(半導体中にキャリアがほとんど存在しない状態)を実現できる。このような空乏状態では、ボトムゲート電界とトップゲート電界との相互作用がより顕著になり、上記の増幅作用、すなわち高感度化がより効果的に見られるようになる。したがって、本実施形態1においては、ホールをほとんど蓄積しない半導体活性層12を用いることが重要であり、その一例として酸化物半導体を採り上げた。
ここで、イオン感応絶縁膜14は、酸化タンタルに限られるわけではないが、比誘電率の高い材料を用いることが望ましい。例えば、酸化タンタル以外では、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、窒化シリコン膜等でも良いし、これらの任意の積層膜でも良い。また、ゲート絶縁膜は、酸化シリコンに限られるわけではなく、窒化シリコンや酸化アルミニウム等でも良いし、これらの任意の積層膜でも良い。
また、測定時の参照電極17の電位は、グランド電位に限られるわけではなく、元々のトランジスタ特性(センシング対象物質16中に入れる前の大気中での特性)に合わせて任意に設定できる。例えば、元々のトランジスタ特性が正方向にシフトしており十分な検出ドレイン電流値が得られない場合には、ソース電極13sに対して参照電極17に適当な正電位を与えてトランジスタ特性を負方向へシフトさせることにより、十分な電流値が得られるような状態で検出することもできる。逆に元々のトランジスタ特性が負方向にシフトして電流値が高過ぎる場合には、参照電極17に適当な負電位を与えながら検出することにより、電流値を適当な値にまで制限することができる。また、参照電極17としては、Ag/AgClを用いることもできる。
更には、ソース電極13s及びドレイン電極13dにタングステンのような高耐熱金属を用い、イオン感応絶縁膜14を形成後に500℃以上の高温でアニールすることも可能である。このような高温アニールは、イオン感応絶縁膜14の膜質を向上させ、更なるセンシング感度向上を実現できるとともに、イオン感応絶縁膜14がより緻密化されるため、例えばセンシング対象物質(溶液)16がイオン感応絶縁膜14を浸透して半導体活性層12にまで達するような短絡を抑制できる。
(実施形態2)
図3は、実施形態2のTFTイオンセンサ102を示す断面図である。
ガラス基板18上にゲート電極19が形成され、更にゲート絶縁膜20が形成されている。ゲート絶縁膜20上に島状の半導体活性層12が形成されており、半導体活性層12の上面の一部に接するようにソース電極13s及びドレイン電極13dが形成されている。半導体活性層12とソース電極13s及びドレイン電極13dとの上にイオン感応絶縁膜14が形成されている。半導体活性層12のチャネル部に相当する領域上のイオン感応絶縁膜14のみを露出させ、それ以外を保護絶縁膜15で覆う構造となっている。このような構造のTFTをセンシング対象物質16内に配置し、センシング対象物質16中に参照電極17を設ける。
以上のような構成のTFTイオンセンサ102において、イオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜20の単位面積当たりの静電容量よりも大きくし、センシング対象物質16中のイオン濃度変化をVg−Id特性の閾値電圧の変化から検知することが、本実施形態2のポイントである。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
(実施例2)
次に、本実施形態2を更に具体化した実施例2について、図3に基づき説明する。
ガラス基板18上にアルミニウムを主成分とする合金材料をスパッタ成膜し、レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト剥離からなるフォトリソプロセスを用いてゲート電極19を形成した。
その上にプラズマCVD法を用いて基板温度350℃で酸化シリコン膜を300nm成膜し、これをゲート絶縁膜20とした。
引き続き、スパッタ法によりIn−Ga−Zn−Oからなる酸化物半導体膜を30nm成膜し、フォトリソプロセスにより所望の島状にパターニングして半導体活性層12を形成した。パターニング後、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施した。
続いて、チタン金属をスパッタ成膜し、フォトレジストをパターニング後にフッ素ガス系のプラズマ(例えばCF4やSF6)を用いてチタン金属をエッチングすることにより、所望の形状のソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。このとき、In−Ga−Zn−O膜は、フッ素系プラズマではエッチングされないため、チタン金属エッチング時にオーバーエッチングされることはない。
その後、メタルマスクを用いたスパッタ法により、イオン感応絶縁膜14として酸化アルミニウム膜を200nm成膜し、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施した。酸化シリコン膜の比誘電率4に対して、酸化アルミニウム膜の比誘電率は8程度である。したがって、酸化アルミニウムから成るイオン感応絶縁膜14の単位面積当たりの静電容量は、酸化シリコン膜から成るゲート絶縁膜20の単位面積当たりの静電容量よりも大きい。
その後、エポキシ樹脂を保護絶縁膜15として用い、半導体活性層12のチャネル領域上のイオン感応絶縁膜14の表面を露出させ、それ以外をエポキシ樹脂で覆う構造を形成した。
以上のような構造のTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中にプラチナから成る参照電極17を設置した。
以上のような構成のTFTイオンセンサ102のドレイン電極13dに1Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。また、大気中でのTFTのVg−Id特性が正側にシフトしていたため、適切なドレイン電流値を得るために参照電極17に2Vを与えた。このようなバイアス状態でゲート電圧を−5V〜+10Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定したところ、ネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHよりも高いセンシング感度が得られた。
以上実施例1、2では、半導体活性層12、ソース電極13s及びドレイン電極13dの形成後に半導体活性層12の上面に接するようにイオン感応絶縁膜14を成膜した。半導体材料の中には、その上に誘電率の高いイオン感応絶縁膜14を直接成膜すると、界面に欠陥が形成されやすいものもある。このような場合には、半導体活性層12、ソース電極13s及びドレイン電極13dの形成後に、欠陥密度を小さくするような絶縁膜を成膜してから、その上にイオン感応絶縁膜14を成膜することも可能であり、このようにすることで更に感度を高めることができる。
例えば、In−Ga−Zn−O膜やシリコン半導体膜の上面に接するように、酸化シリコン膜を成膜してから、その上にイオン感応絶縁膜14として酸化タンタルを成膜しても良い。この場合、酸化シリコン膜と酸化タンタル膜との積層膜から成る静電容量が、ゲート絶縁膜の静電容量よりも大きくなるようにする必要がある。
(実施例3)エッチストップ型IGZO−TFT
図4は、実施例3のTFTイオンセンサ103を示す断面図である。本実施形態2の変形例である実施例3について、図4に基づき説明する。
ガラス基板18上にモリブデンを主成分とする合金材料をスパッタ成膜し、レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト剥離からなるフォトリソプロセスを用いてゲート電極19を形成した。
その上にプラズマCVD法を用いて基板温度350℃で、窒化シリコン膜21を200nm、連続して酸化シリコン膜22を100nm成膜し、これらの積層膜の300nmをゲート絶縁膜とした。
引き続き、スパッタ法により半導体活性層としてIn−Sn−Zn−Oからなる酸化物半導体膜23を50nm成膜し、フォトリソプロセスにより所望の島状にパターニングした。パターニング後、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施した。
続いて、プラズマCVD法により酸化シリコン膜を50nm成膜し、フォトリソプロセスにより所望の形状のエッチストップ膜24を形成した。
更に、モリブデン金属をスパッタ成膜し、レジストパターニング後にリン酸系溶液を用いてモリブデン金属をエッチングすることにより、所望の形状のソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。
その後、メタルマスクを用いたスパッタ法により、チタン酸ストロンチウム膜を200nm成膜し、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施してイオン感応絶縁膜14を形成した。窒化シリコン膜や酸化シリコン膜の比誘電率7〜4に対して、チタン酸ストロンチウム膜の比誘電率は50程度である。したがって、イオン感応絶縁膜14であるチタン酸ストロンチウム膜とエッチストップ膜24である酸化シリコン膜との積層膜の単位面積当たりの静電容量は、酸化シリコン膜22と窒化シリコン膜21との積層膜から成るゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい。
その後、アクリル樹脂を保護絶縁膜15として用い、酸化物半導体膜23のチャネル領域上のイオン感応絶縁膜14の表面を露出させ、それ以外をアクリル樹脂で覆う構造を形成した。
以上のような構造のTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中に銀/塩化銀から成る参照電極17を設置した。
以上のような構成のTFTイオンセンサ103のドレイン電極13dに1.5Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。また、大気中でのこのTFTのVg−Id特性が負側にシフトしていたため、適切なドレイン電流値を得るために参照電極17に−3Vを与えた。このようなバイアス状態でゲート電圧を−7V〜+8Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定したところ、ネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHよりも高いセンシング感度が得られた。
上記の実施例2、3では島状の半導体活性層として酸化物半導体の場合を説明したが、このように酸化物半導体を用いるとき、ゲート絶縁膜として酸化アルミニウムを用いることもできる。ゲート絶縁膜として酸化アルミニウムを用いる場合は、酸化シリコンや窒化シリコンを用いる場合に比べて、ゲート絶縁膜と酸化物半導体との界面における酸素欠損等の欠陥密度が小さくなるので、より高性能なTFTイオンセンサを実現することができる。
また、島状の半導体活性層として水素化アモルファスシリコンを用いることもできる。この場合、水素化アモルファスシリコン膜とソース・ドレイン電極との間に、不純物としてリンをドーピングしてn型化した水素化アモルファスシリコン膜を挿入することにより、オーミックコンタクト特性を向上させ、検出用ドレイン電流値を高くしても良い。また、酸化物半導体や水素化アモルファスシリコンのような無機物に限らず、ペンタセンなどの有機物からなる半導体活性層を用いても良い。
(実施例4)ポリシリコン−TFT
図5は、実施例4のTFTイオンセンサ104を示す断面図である。本実施形態2の変形例である実施例4について、図5に基づき説明する。
ガラス基板18上にタングステンを主成分とする合金材料をスパッタ成膜し、レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト剥離からなるフォトリソプロセスを用いてゲート電極19を形成した。
その上にプラズマCVD法を用いて基板温度350℃で酸化シリコン膜を200nm成膜することにより、これをゲート絶縁膜20とした。
引き続き、プラズマCVD法により水素化アモルファスシリコン膜を50nm成膜した。400℃のアニールで水素化アモルファスシリコン膜中の水素を抜く脱水素処理を行った後、この脱水素処理されたアモルファスシリコン膜にエキシマレーザを照射することにより多結晶シリコン膜を形成した。この多結晶シリコン膜をフォトリソプロセスにより所望の島状にパターニングすることにより、多結晶シリコン膜25を形成した。続いて、多結晶シリコン膜25のソース・ドレイン領域となる部分にボロンを導入して、その部分をp型化した。もちろん、その部分にリンを導入してn型化したソース・ドレイン領域を形成してもよい。
その後、メタルマスクを用いたスパッタ法により、酸化タンタル膜を200nm成膜し、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施しイオン感応絶縁膜14を形成した。酸化シリコン膜の比誘電率4に対して、酸化タンタル膜の比誘電率は20程度である。したがって、イオン感応絶縁膜14である酸化タンタル膜の単位面積当たりの静電容量は、酸化シリコン膜から成るゲート絶縁膜20の単位面積当たりの静電容量よりも大きい。
ソース・ドレイン領域に相当する酸化タンタル膜にコンタクトホールを形成して、その後、モリブデンをスパッタ成膜した。モリブデン膜を所望の形状にパターニングすることにより、上記ソース・ドレイン領域にそれぞれ接続するソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。
その後、エポキシ樹脂を保護絶縁膜15として用い、多結晶シリコン膜25のチャネル領域上のイオン感応絶縁膜14の表面を露出させ、それ以外をエポキシ樹脂で覆う構造を形成した。
以上のような構造の多結晶シリコンTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中にプラチナから成る参照電極17を設置した。
以上のような構成のTFTイオンセンサ104のドレイン電極13dに0.5Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。このようなバイアス状態でゲート電圧を−2V〜+7Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定したところ、ネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHよりも高いセンシング感度が得られた。
(実施形態3)
図6は、実施形態3のTFTイオンセンサ105を示す断面図である。
図6[A]に示すように、熱酸化膜10が形成されたシリコン基板11上に、ソース電極13s及びドレイン電極13d、島状の半導体活性層12、ゲート絶縁膜20、ゲート電極19がこの順で形成されている。
そして、図6[B]に示すように、半導体活性層12の下部に位置する熱酸化膜26が暴露されるように、シリコン基板11に開口部61を設ける。すなわち、シリコン基板11のうち半導体活性層12の下部に位置する部分を除去することにより、半導体活性層12の下部に位置する熱酸化膜26を暴露させる。この暴露された熱酸化膜26がイオン感応絶縁膜として作用する。そして、熱酸化膜10のうち熱酸化膜26の部分を露出させ、それ以外の部分を保護絶縁膜15で覆う。このような構造のTFTをセンシング対象物質16内に配置し、センシング対象物質16中に参照電極17を設ける。
以上のような構成のTFTイオンセンサ105において、イオン感応絶縁膜(熱酸化膜26)の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜20の単位面積当たりの静電容量よりも大きくし、センシング対象物質16中のイオン濃度変化をVg−Ig特性の閾値電圧の変化から検知する。
本実施形態3では、イオン感応絶縁膜が熱酸化膜26であるため、センシング溶液の浸み込みの原因となるイオン感応絶縁膜のピンホールなどの欠陥が極めて少ないので、製造歩留まりを高くすることができる。本実施形態3のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1、2のそれらと同様である。
(実施例5)
次に、本実施形態3を更に具体化した実施例5を、図6に基づき説明する。
図6[A]に示すように、100nmの熱酸化膜10が形成されたシリコン基板11上にモリブデンを主成分とする合金材料をスパッタ成膜し、レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト剥離からなるフォトリソプロセスを用いてソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。
引き続き、スパッタ法により半導体活性層12としてIn−Ga−Zn−Oからなる酸化物半導体膜を50nm成膜し、フォトリソプロセスにより所望の島状にパターニングした。パターニング後、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施した。
続いて、プラズマCVD法により、酸化シリコン膜を350℃で300nm成膜し、パターニングしてゲート絶縁膜20を形成した。
更に、モリブデン金属をスパッタ成膜し、レジストパターニング後にリン酸系溶液を用いてモリブデン金属をエッチングすることにより、所望の形状のゲート電極19を形成した。
図6[B]に示すように、シリコン基板11の裏面にレジストをパターニングし、シリコン基板11のうち半導体活性層12の下部に位置する部分をエッチングによって除去することにより、半導体活性層12の下部に位置する熱酸化膜26を暴露させた。
その後、半導体活性層12の下部に位置する熱酸化膜10の表面のみを露出させ、それ以外の部分をエポキシ樹脂から成る保護絶縁膜15で覆う構造を形成した。このような構成では、暴露させた熱酸化膜26がイオン感応絶縁膜として作用する。
ここでは、イオン感応絶縁膜(熱酸化膜26)及びゲート絶縁膜20はいずれも同じ材料の酸化シリコン膜であるので、イオン感応絶縁膜(熱酸化膜26)の静電容量をゲート絶縁膜20の静電容量よりも大きくするために、イオン感応絶縁膜(熱酸化膜26)の膜厚をゲート絶縁膜(プラズマCVD膜)20の膜厚よりも薄くした。このような膜厚の差による容量値の制御は、上述の実施例1〜3でも同じように可能である。
以上のような構造のTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中にプラチナから成る参照電極17を設置した。
以上のような構成のTFTイオンセンサ105のドレイン電極13dに0.5Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。このようなバイアス状態でゲート電圧を−2V〜+7Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定したところ、ネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHよりも高いセンシング感度が得られた。また、熱酸化膜26は極めて緻密でピンホール欠陥もほとんど無いため、歩留まり良く製造することができる。
(実施形態4)
図7は、実施形態4のTFTイオンセンサ106を示す断面図である。
図7[A]に示すように、酸化シリコンよりも比誘電率の高い材料から成る絶縁性基板27上に、島状の半導体活性層12、ソース電極13s及びドレイン電極13d、ゲート絶縁膜20、ゲート電極19がこの順で形成されている。
そして、図7[B]に示すように、絶縁性基板27の半導体活性層12とは反対側に、絶縁性基板27の薄くなった部分(絶縁性基板28)が暴露されるように凹部62を設ける。すなわち、島状の半導体活性層12の下部に位置する絶縁性基板27の一部を除去することにより、半導体活性層12の下部に位置する残存した絶縁性基板28が暴露される。この暴露された絶縁性基板28がイオン感応絶縁膜として作用する。そして、絶縁性基板27のうち絶縁性基板28の部分を露出させ、絶縁性基板28以外の部分を保護絶縁膜15で覆う。このような構造のTFTをセンシング対象物質16内に配置し、センシング対象物質中に参照電極17を設ける。
以上のような構成のTFTイオンセンサ106において、イオン感応絶縁膜(絶縁性基板28)の単位面積当たりの静電容量をゲート絶縁膜20の単位面積当たりの静電容量よりも大きくし、センシング対象物質16中のイオン濃度変化をVg−Id特性の閾値電圧の変化から検知する。
また、本実施形態4では、単結晶からなる絶縁性基板27を用い、これをイオン感応絶縁膜として活用するため、センシング溶液の浸み込みの原因となるピンホールなどの欠陥が極めて少なく製造の歩留まりを高くすることができる。
(実施例6)
次に、本実施形態4を更に具体化した実施例6を、図7に基づき説明する。
図7[A]に示すように、チタン酸ストロンチウムからなる厚さ0.3mmの単結晶基板である絶縁性基板27上に、スパッタ法によりIn−Ga−Zn−Oからなる酸化物半導体膜を半導体活性層12として50nm成膜し、これをフォトリソプロセスにより所望の島状にパターニングした。
引き続き、チタン金属をスパッタ成膜し、レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト剥離からなるフォトリソプロセスを用いてソース電極13s及びドレイン電極13dを形成した。ソース電極13s及びドレイン電極13dを形成後、大気中で400℃かつ1時間のアニール処理を施した。
続いて、プラズマCVD法により、ゲート絶縁膜20として300nmの酸化シリコン膜を350℃の基板温度で成膜した。
更に、モリブデン金属をスパッタ成膜し、レジストパターニング後にリン酸系溶液を用いてモリブデン金属をエッチングすることにより、所望の形状のゲート電極19を形成した。
図7[B]に示すように、チタン酸ストロンチウム単結晶からなる絶縁性基板27の裏面にレジストをパターニングし、島状の半導体活性層12の下部に位置する絶縁性基板27の一部をエッチングにより除去することにより、厚さ1μmの絶縁性基板28を残した。
その後、残存した絶縁性基板28の表面のみを露出させ、それ以外の部分をエポキシ樹脂から成る保護絶縁膜15で覆う構造を形成した。このような構成では、暴露された絶縁性基板28がイオン感応絶縁膜として作用する。ここで、単結晶チタン酸ストロンチウムの比誘電率は300と非常に大きいため、上記のように1μmの厚さの場合でも、チタン酸ストロンチウムからなるイオン感応絶縁膜(絶縁性基板28)の静電容量は、ゲート絶縁膜20の静電容量よりも極めて大きくなる。
以上のような構造のTFTをセンシング対象物質16であるMacIlvaine緩衝液内に浸漬させ、MacIlvaine緩衝液中にプラチナから成る参照電極17を設置した。
以上のような構成のTFTイオンセンサのドレイン電極13dに0.5Vを与え、ソース電極13s及び参照電極17をグランド電位(0V)とした。このようなバイアス状態でゲート電圧を−2V〜+7Vの範囲で変化させて、Vg−Id特性を各pHの緩衝液中で室温にて測定したところ、ネルンスト式から決まる理論限界59mV/pHよりもかなり高いセンシング感度が得られた。
このような高感度はチタン酸ストロンチウムの極めて高い比誘電率に起因し、また、単結晶チタン酸ストロンチウムは極めて緻密でピンホール欠陥もほとんど無いため、歩留まり良く製造することができる。本実施形態4のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1〜3のそれらと同様である。
(実施形態5)
図8は、実施形態5のTFTイオンセンサ107を示す断面図である。
本実施形態5では、逆スタガ型酸化物半導体TFTを基本構造として持ち、特定イオンへの感受性が付与されたTFTイオンセンサ107について説明する。TFTイオンセンサ107は、イオン感応絶縁膜14の上層にイオン選択感応膜29が形成されることにより、特定イオンに対する感受性が付与されている。イオン選択感応膜29は、大きくは陽イオン選択感応膜と陰イオン選択感応膜とに分類することができる。
陽イオン選択感応膜としては、リガンドとなるバリノマイシン等のポリペプチドやクラウンエーテルを基本骨格として持つ化合物を、樹脂材料で固定化した薄膜を適用することができるが、これらには限定されない。リガンドとは、特定の受容体に特異的に結合する物質のことである。
陽イオン選択感応膜の作製方法について説明する。まず、リガンドと陽イオン選択感応膜のベースマテリアルとなる樹脂材料とを適当な有機溶剤に溶解させる。ベースマテリアルとしては、例えばポリ塩化ビニルを用いることができ、有機溶剤としては、例えばテトラヒドロフランを用いることができるが、これらに限定されない。
前記リガンド及びベースマテリアルを溶解させた有機溶媒を、イオン感応絶縁膜14の上層に滴下し、適宜加熱を行いながら有機溶媒を揮発させ、乾固させる。この操作によりリガンドを固定化した薄膜を得ることができる。薄膜の膜厚は、10nm〜1000nmの範囲に制御されることが好ましい。
このような陽イオン選択感応膜をイオン選択感応膜29として用いることにより、Naイオン、Kイオン、Caイオンに対しての特異的感受性が付与されたTFTイオンセンサ107を提供することができる。
陰イオン選択感応膜としては、難溶性金属塩薄膜を用いることができる。金属塩薄膜としては、LaF3、AgCl、AgBr、AgI、Ag2S、又はこれらに類似した難溶性金属塩を用いることができるが、これらに限定はされない。前記陰イオン選択感応膜の形成には、粉末を加圧成形して薄膜化する方法、又は、適切な溶剤に溶解した後にスピン塗布する方法を用いることができる。薄膜の膜厚は、10nm〜1000nmの範囲に制御されることが好ましい。
このような陰イオン選択感応膜をイオン選択感応膜29として用いることにより、Agイオン、Clイオン、Brイオン、Sイオンに対しての特異的感受性が付与されたTFTイオンセンサ107を提供することができる。本実施形態5のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1〜4のそれらと同様である。
(実施形態6)
図9は、実施形態6のTFTイオンセンサ108を示す断面図である。
本実施形態6では、逆スタガ型酸化物半導体TFTを基本構造として持ち、イオン感応絶縁膜14に酵素30を固定化することにより、酵素30の基質となる物質に対する感受性が付与されたTFTイオンセンサ108について説明する。
TFTイオンセンサ108は、イオン感応絶縁膜14の上層に特定の生体物質への基質特異性を有する酵素30が形成されることにより、特定の生体物質に対する感度を有しているので、バイオセンシングの機能を有する。一例として、イオン感応絶縁膜14上に酵素30を固定化し、このイオン感応絶縁膜14の近傍において基質との酵素反応を進行させる。これにより、TFTイオンセンサ108は、イオン感応絶縁膜14の近傍の水素イオン濃度を変化させ、この水素イオン濃度の変化を検出することにより、基質濃度を検知する。
この酵素30は、基質となる特定の生体物質に対しての親和性を付与するためのものであり、イオン感応絶縁膜14の近傍において基質と反応して水素イオンを副生成物として生成することにより、イオン感応絶縁膜14の近傍の水素イオン濃度すなわちpHを変化させる機能を持つ。実施形態1で示したとおり、イオン感応絶縁膜14に絶縁性酸化膜を用いることにより、水素イオンに対して感受性を付与できる。本実施形態6によれば、酵素反応により生成した水素イオンを定量することで、基質の濃度を間接的に測定することができる。
イオン感応絶縁膜14に固定化する酵素30としては、グルコースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素を用いることができ、測定対象に応じて適切な酵素を選択することで、多種多様な測定対象に対応させることができる。
酵素30の固定化には、自己集積化単分子膜(以下「SAM(Self- Assembled Monolayer)膜」という。)を用いることができる。SAM膜は、イオン感応絶縁膜14の水酸基を起点に結合し、酵素30とのリンカーとしての役割を担う。SAM膜の成膜方法はとして、スピンコーティング、ディップコーティング、真空蒸着を挙げることができるが、これらには限定されない。SAM膜の材質としては、チオール基を介して金属表面を修飾するものや、シランカップリング剤を用いることができるが、これらに限定はされず、適度な結合強度が得られれば良い。
本実施形態6の一例として、基質としてグルコース、酵素30としてグルコース脱水素酵素を選択した場合、酵素30を固定化したイオン感応絶縁膜14の近傍で、以下の反応が進行する。
β-D-グルコース+NAD+→D-グルコノ-1,5-ラクトン+NADH+H+
つまり、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)が補酵素として機能し、β-D-グルコースが酸化され、D-グルコノ-1,5-ラクトンと水素イオンが生成する。このとき、生成した水素イオンは、β-D-グルコースと等量になるため、水素イオンの変化を検出することにより被検体のβ-D-グルコース度を測定することができる。本実施形態6のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1〜5のそれらと同様である。
(実施形態7)
図10は、実施形態7のTFTイオンセンサ109を示す断面図である。
本実施形態7では、逆スタガ型酸化物半導体TFTを基本構造として持ち、イオン感応絶縁膜14に生体物質を固定化することにより、特定の物質に対する感受性が付与されたTFTイオンセンサ109について説明する。TFTイオンセンサ109は、イオン感応絶縁膜14の上層に特定の生体物質に対する親和性を有するリガンド31が形成されているので、特定の生体物質に対する感度を有しており、バイオセンシングの機能を有する。
リガンド31は、特定の生体物質に対しての親和性を付与ためのものであり、イオン感応絶縁膜14の近傍において、親和性を有する生体物質と結合することにより、イオン感応絶縁膜14の界面電位の変化をもたらす。この界面電位の変化を下部に形成した逆スタガ型酸化物半導体TFTにより検出することで、リガンド31に結合した生体物質の量を把握することができる。すなわち、被検体に含まれる対象物質の濃度を測定することが可能となる。
リガンド31としては、糖、タンパク質、DNA(DeoxyriboNucleic Acid)、RNA(RiboNucleic Acid)等を用いることができ、例えば糖としてはグルコース、ガラクトース、フラクトース、リボース等の単糖、これらが連結したオリゴ糖、多糖を用いることができ、タンパク質としては酵素、抗体、生理活性ペプチド等を用いることができるが、これらには限定されない。また、生理活性を有する糖−タンパク質複合体や糖−脂質複合体等も同様に用いることができる。DNA又はRNAをリガンド31として用いれば、相補的な配列を有するDNA又はRNAを検出する手段としても用いることができる。
本実施形態7の一例として、リガンド31として生理活性を有する糖鎖を用いれば、その糖鎖に親和性を持つレクチンを検出する手段として用いることができる。逆に、レクチンをリガンド31として用いれば、多種多様な糖鎖への親和性を網羅的に評価することでレクチンの基質特異性の評価へも応用できる。
本実施形態7の一例として、リガンド31に抗体を用いれば、抗原となるタンパク質を検出する手段として応用できる。逆に、抗原をリガンド31として用いれば、有効な抗体を探索する手段としても応用することができる。
タンパク質等の巨大分子をリガンド31として用いる場合、検出感度の向上ためリガンド31と対象物質との結合が進行する領域を、デバイ長内に収めることが有効である。例えば、抗体をリガンド31として用いる場合、抗体との結合部位のみを有する分子サイズを小さくした変異体を用いることが有効である。本実施形態7のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1〜6のそれらと同様である。
(実施形態8)
イオン感応絶縁膜表面に発生した電気二重層電位差をVg−Id特性の変化を介して効果的に検出するためには、イオン感応絶縁膜と接する半導体活性層表面、すなわちトップチャネルの欠陥を低減することが有効である。TFTイオンセンサの特性として、電気二重層電位に対応したVg−Id特性の平行シフトが得られることが理想的であるが、トップチャネルに高密度な欠陥が存在する場合、理想的な平行シフトが得られず、電気二重層電位とVg−Id特性シフト量との相関が崩れる場合がある。トップチャネルの欠陥を抑制するためには、作製工程において薬剤やプラズマへの露出を極力抑制することが重要であり、例えばステンシルマスクを用いることが効果的である。
トップチャンネルの欠陥密度が異なるデュアルゲート構造TFTを用いて、トップゲート電圧印加に対する感受性の違いを説明する。ここで、デュアルゲート構造とは、例えば図1で説明すると、シリコン基板11からなるゲート電極に加えて、イオン感応絶縁膜14上に第二のゲート電極(トップゲート電極)を有する構造である。デュアルゲート構造TFTにおけるトップゲート電圧の印加は、TFTイオンセンサおけるイオン感応絶縁膜14表面での電気二重層電位発生と等価の行為である。
例えば、図1の島状の半導体活性層12とイオン感応絶縁膜14との界面(トップチャネル)をプラズマや薬液などに曝すことなく形成することにより、欠陥密度を低くすることが可能である。これを実現するためには、例えば、島状の半導体活性層12やソース電極13s及びドレイン電極13dをステンシルマスクやメタルマスクを使用して所望形状にパターン成膜する方法等が挙げられる。このような方法は、図3〜図5に示したようなTFTイオンセンサの場合でも可能である。このようにトップチャネルの欠陥密度を低くすることで、より歩留まり良く高感度なTFTイオンセンサを製造することができる。
一方、島状半導体活性層の表面が、薬液で汚染されたりプロセス中にプラズマダメージを受けたりすると欠陥密度が高くなってしまう。例えば、図1に示す構造でソース電極13s及びドレイン電極13dをエッチング加工する際に、酸溶液やプラズマによって島状の半導体活性層12の表面に欠陥が生成される場合がある。
欠陥密度が異なるデュアルゲート構造TFTのトップゲート電圧への感受性を評価した結果について説明する。前記トップチャネルの欠陥密度が低いデュアルゲート構造TFTでは、正負両極のトップゲート電圧印加に対して、Vg−Id特性の平行シフトが観察される。一方、トップチャネルの欠陥密度が高いデュアルゲート構造TFTでは、負のトップゲート電圧印加に対しは、Vg−Id特性の平行シフトが観察されるが、正のトップゲート電圧印加に対しは、スレッショルド特性の低下が見られ、Vg−Id特性が平行シフトしない。Vg−Id特性が平行シフトしない場合でも、もちろん本発明の高感度化の効果は実現できる。Vg−Id特性のシフトから印加したトップゲート電圧を評価するためには、正負の電圧印加でVg−Id特性の平行シフトが得られる欠陥密度が低いデュアルゲート構造TFTの方がより好ましい。このトップゲート効果発現の傾向はTFTを基本構造として用いた前記各実施形態で示したTFTイオンセンサへも反映されるため、トップチャネルの欠陥密度を低減することが、本発明のTFTイオンセンサの高感度化において、より有効であることは言うまでも無い。
トップチャネル欠陥の定量的な指標としては、例えば、島状半導体活性層として酸化物半導体を用いた場合、酸化物半導体表面の結合状態を挙げることができる。酸化物半導体上のソース・ドレイン電極のパターニングにSF6、CF4等のフッ素系ガスを用いたドライエッチングを採用した場合、酸化物半導体表面にはフッ素との結合が生成する。この現象は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により定量的に評価することが可能であり、In3d5、Ga2p3、Zn2p3の結合を示すピークの高エネルギー側へのシフトとして観察することができる。酸化物半導体表面がArプラズマ等に長時間曝された場合は、In−O、Ga−O、Zn−Oの結合が開裂し、酸化物半導体表面に酸素欠損が発生する。この現象は、XPSにより評価することが可能あり、In3d5、Ga2p3、Zn2p3の結合を示すピークの低エネルギー側へのシフトとして捉えることができる。これらのシフトしたピーク強度から欠陥密度を見積もることができ、1×1021cm-3以下の欠陥密度が望ましい。
このように、XPSにより定量的に評価できるトップチャネル上の欠陥を抑制することで、電気二重層電位への応答性が高い、より高感度なTFTイオンセンサを実現することができる。
(実施形態9)
図11は、実施形態9のTFTイオンセンサ機器110を示す回路図である。本実施形態9では、ソース電位に対して所定の電位を参照電極17に与え(図11ではソース電位と同じ電位を参照電極17に与えている)、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間に所定の電流が流れるようにゲート電極13gとソース電極13sとの間の電位差を制御し(図11ではゲート電極13gの電位は一定とされソース電極13sの電位が変動する)、センシング対象物質中のイオン濃度に起因したゲート電極13gとソース電極13sとの間の電位差を読み取ることにより、センシング対象物質中のイオン濃度を検知する。
TFTイオンセンサ72は、実施形態1〜8で述べたTFTイオンセンサから電圧検出部、電流検出部、電圧制御部及び電流制御部を除いた構成に相当する。TFTイオンセンサ機器110からTFTイオンセンサ72を除いた構成は、特許請求の範囲における「検出回路」の一例に相当する。電位差計37及び定電流回路73は、図1等における電圧検出部41及び電圧制御部43のそれぞれ一例に相当する。
(実施例7)
本実施形態9を更に具体化した実施例7を、図11に基づき説明する。
定電圧回路71は、第一のオペアンプ32と定電圧源としての第一のツェナーダイオード33とを有し、TFTイオンセンサ72のソース電極13sとドレイン電極13dとの間の電位差を一定にする。ここでは、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間の電位差は、第一のツェナーダイオード33の逆降伏電圧V1に固定される。
定電流回路73は、ソース電極13sに接続され、TFTイオンセンサ72のソース電極13sとドレイン電極13dとの間を流れる電流を一定にする。定電流回路73の主要構成要素は、第二のオペアンプ34、第二のツェナーダイオード35、トランジスタ36及び第一の抵抗器81である。ここでは、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間を流れる電流値は、第二のツェナーダイオード35の逆降伏電圧V2を第一の抵抗器81の抵抗値R1で割った値の電流値I1に固定される。
具体的な回路構成は次のとおり記述される。TFTイオンセンサ72のゲート電極13gは、直流電圧源74(ゲート電圧Vg)の一方のノードに接続され、直流電圧源74の他方のノードはグランドに接続される。TFTイオンセンサ72のソース電極13sは参照電極17と接続される。TFTイオンセンサ72のドレイン電極13dは第二の抵抗器82(抵抗値R2)を介して直流電圧源75(供給電圧Vdd)に接続される。TFTイオンセンサ72のソース電極13sは第一のオペアンプ32の非反転入力ノードに接続され、第一のオペアンプ32の反転入力ノードは第一のオペアンプ32の出力ノードと接続される。これにより、第一のオペアンプ32はボルテージフォロワ回路として動作する。第一のオペアンプ32の出力ノードは、TFTイオンセンサ機器110の出力端子として用いられる。この出力電圧Voutを読み取るために電位差計37が接続される。第一のオペアンプ32の反転入力ノードは第一のツェナーダイオード33のアノードに接続され、第一のツェナーダイオード33のカソードはTFTイオンセンサ72のドレイン電極13dに接続される。
TFTイオンセンサ72のソース電極13sはトランジスタ36のドレインノードに接続され、トランジスタ36のソースノードは第一の抵抗器81(抵抗値R1)を介してグランドに接続される。トランジスタ36のゲート電極は第二のオペアンプ34の出力ノードに接続され、第二のオペアンプ34の反転入力ノードはトランジスタ36のソースノードと接続される。第二のオペアンプの非反転入力ノードは、第二のツェナーダイオード35のカソードノードと接続され、第二のツェナーダイオード35のアノードノードはグランドと接続され、第二のツェナーダイオード35のカソードノードは第三の抵抗器83(抵抗値R3)を介して直流電圧源75と接続される。
TFTイオンセンサ72のソース電極13sの電位を基準にして、TFTイオンセンサ機器110による測定法を述べる。図12の横軸は、ソース電極13sの電位を基準にしたゲート電極13gの電位であるゲート-ソース間電圧Vgsを示している。また、縦軸は、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間を流れるソース-ドレイン間電流Idを示している。つまり、ここではVgs−Id特性を模式的に示している。
ここで、ソース電極13sとドレイン電極13dとの間の電位差は上述の通りV1に固定されている。センシング対象物質中のイオン濃度が変化し、センシング対象物質とイオン感応絶縁膜との界面すなわちイオン感応絶縁膜表面14aでの電気二重層電位差Vedlが+0.1V、0V、−0.1Vと変化すると、定電流回路73で固定された電流値I1を流すためにゲート-ソース間電圧Vgsは1.5V、1V、0.5Vと変化する。TFTイオンセンサ機器110の出力電圧Voutはソース電圧Vsに等しく、また、ゲート-ソース間電圧Vgsはゲート電圧Vgとソース電圧Vsの差に等しいので、出力電圧Voutはゲート電圧Vgとゲート-ソース間電圧Vgsとの差に等しくなる。
したがって、様々なイオン濃度において、一定電流I1を流すために出力電圧Voutがどのように変化するかを電位差計37で読み取ることは、一定電流I1を流すためにゲート-ソース間電圧Vgsがどのように変化するかを読み取ることと同じである。これは、様々なイオン濃度におけるVg−Id特性のシフト量(図2で例示したような)を検知することに他ならない。
本実施例7では、はソース電極13sとドレイン電極13dとの間の電圧が固定されるので、TFTの出力特性が飽和領域でも線形領域でも精度よく測定できるという効果もある。
なお、TFTの飽和領域の特性を用いて測定を行う際は、図11に示した回路を更に簡素化することができる。例えば図11に示した第一のツェナーダイオード33を削除し、ドレイン電極13dに第二の抵抗器82を介して定電圧電源75を接続する構成とすることができる。あるいは図11に示した第一のツェナーダイオード33及び第二の抵抗器82を削除し、ドレイン電極13dに定電圧電源75を直接接続する構成としてもよい。
このように、上記の実施形態1〜8で説明したTFTイオンセンサを、本実施形態9の図11中のTFTイオンセンサ72に用いることで、関連技術よりも感度の高いTFTイオンセンサ機器110を実現することができる。
次に、本実施形態9のTFTイオンセンサにおいて、ボトムゲート電界とトップゲート電界との相互作用及び容量差を通じて電気二重層電位差が増幅される現象について説明する。
ソース-ドレイン間電流をId、ボトムゲート電界由来のソース-ドレイン間電流をId1、トップゲート電界由来のソース-ドレイン間電流をId2、ドレイン電圧をVd、ゲート-ソース間電圧をVgs、キャリア誘起の閾値電圧をVt、電気二重層電位差をVedl、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をC、イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をnC(ただしn>1)、キャリアの移動度をμ、チャネル幅をW、チャネル長をLとすると、各ソース-ドレイン間電流Id,Id1,Id2は次式で近似される。
Id=Id1+Id2 ・・・(1)
Id1=(WμC/L){(Vgs−Vt)Vd−Vd2/2} ・・・(2)
Id2=n(WμC/L){(Vedl−Vt)Vd−Vd2/2} ・・・(3)
式(1)に式(2),(3)を代入して整理すると、次式が得られる。
Id=(WμC/L){(Vgs−Vt)Vd−Vd2/2}
+n(WμC/L){(Vedl−Vt)Vd−Vd2/2}
∴Id/(WμC/L)=Vd(Vgs+nVedl)−Vt・Vd(n+1)−Vd2(n+1)/2
∴Vgs+nVedl=Id/(VdWμC/L)+Vt(n+1)+Vd(n+1)/2 ・・・(4)
本実施形態9では上式(4)の右辺は定数であるから、次式が成り立つ。
Vgs+nVedl=一定 ・・・(5)
ここで、電気二重層電位差VedlがΔV変化すると、上式(5)から明らかなように、ゲート-ソース間電圧Vgsは−ΔVのn倍変化することになる。
図12に示す例では、Vedl=0のときVgs=1であるから、上式(5)の右辺は常に「1」となる。この場合、上式(5)においてn=5とすると、図12に示すように、Vedl=0.1のときVgs=0.5となり、Vedl=−0.1のときVgs=1.5となる。
また、ゲート-ソース間電圧Vgsを一定、ソース-ドレイン間電流Idを可変とする場合は、次式が得られる。
Id=Id1+Id2
=Id1(一定)+n(WμC/L){(Vedl−Vt)Vd−Vd2/2}
・・・(6)
上式(6)から明らかなように、イオン感応絶縁膜の静電容量をゲート絶縁膜の静電容量のn倍とすることにより、イオン感応絶縁膜の静電容量をゲート絶縁膜の静電容量と等しくする場合に比べて、電気二重層電位差Vedlの変化に対するソース-ドレイン間電流Idの変化(すなわち感度)をn倍に高めることができる。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るが、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
[付記1]ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、
前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、
前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、
前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極と、
を備えたTFTイオンセンサにおいて、
前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、
前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る電圧検出部を更に備えた、
ことを特徴とするTFTイオンセンサ。
[付記2]ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、
前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、
前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、
前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極と、
を備えたTFTイオンセンサにおいて、
前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、
前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を読み取る電流検出部を更に備えた、
ことを特徴とするTFTイオンセンサ。
[付記3]前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差は、前記イオン感応絶縁膜上にセンシング対象物質が配置され、前記イオン感応絶縁膜と前記センシング対象物質との間に発生した電位差に、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量を前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量で除した比の値を乗じた電位差である、
付記1記載のTFTイオンセンサ。
[付記4]前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を制御する電圧制御部を更に備えた、
付記1又は3記載のTFTイオンセンサ。
[付記5]前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差が一定になるように前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流れる電流を制御する電流制御部を更に備えた、
付記2記載のTFTイオンセンサ。
[付記6]基板上に、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁膜、前記半導体活性層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記イオン感応絶縁膜がこの順で設けられた、
付記1乃至5のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記7]シリコン基板上に、熱酸化膜、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記半導体活性層、前記ゲート絶縁膜、前記ゲート電極がこの順で設けられ、
前記シリコン基板に、前記半導体活性層の下部に位置する前記熱酸化膜が暴露されるように開口部が設けられた、
付記1乃至5のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記8]絶縁性基板上に、前記半導体活性層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート絶縁膜、前記ゲート電極がこの順で設けられ、
前記絶縁性基板の前記半導体活性層とは反対側に、前記絶縁性基板の薄くなった部分が暴露されるように凹部が設けられた、
付記1乃至5のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記9]前記イオン感応絶縁膜が、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム及び窒化シリコンのいずれか一つからなる単層膜又は二つ以上からなる積層膜である、
付記1乃至8のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記10]前記イオン感応絶縁膜の上に、特定のイオンに対する感受性を有するイオン選択感応膜が積層された、
付記1乃至9のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記11]前記イオン感応絶縁膜の上に、基質と反応することでイオン感応絶縁膜近傍の水素イオン濃度を変化させる酵素を固定化した、
付記1乃至9のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記12]前記イオン感応絶縁膜の上に、特定の生体物質に対する感受性を有し生体物質との相互作用により電位変化を発生するタンパク質、糖、DNA又はRNAを配置した、
付記1乃至9のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記13]前記ゲート絶縁膜と前記イオン感応絶縁膜とが実質的に同一の材料で構成され、
前記ゲート絶縁膜の膜厚が前記イオン感応絶縁膜の膜厚よりも厚い、
付記1乃至12のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記14]前記イオン感応絶縁膜の実質構成材料の比誘電率が前記ゲート絶縁膜の実質構成材料の比誘電率よりも大きい、
付記1乃至12のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記15]前記半導体活性層中にホール蓄積が生じない、
付記1乃至14のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記16]前記半導体活性層が酸化物半導体で構成される、
付記1乃至15のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記17]前記ゲート絶縁膜の実質構成材料が酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化アルミニウムのいずれか一つからなる単層膜又は二つ以上からなる積層膜である、
付記1乃至16のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記18]前記半導体活性層と前記イオン感応絶縁膜との界面における欠陥密度が1×1021cm-3以下に抑制された、
付記1乃至17のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
[付記19]ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサと、
前記ソース電極の電位を基準として前記参照電極に定電位を与え、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に一定の電位差を与え、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差を制御し、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差又は当該電位差に対応する電圧を出力する検出回路と、
を備えたTFTイオンセンサ機器。
[付記20]前記検出回路は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の電位差を一定にする定電圧回路と、前記ソース電極に接続された定電流回路とを有し、
前記定電圧回路は、入力ノードが前記ソース電極に接続されたボルテージフォロワ回路と、一端が前記ボルテージフォロワ回路の出力ノードに接続され、他端が前記ドレイン電極に接続された定電圧源とを含み、
前記ボルテージフォロワ回路の出力電圧を、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差に対応する電圧として出力とする、
付記19記載のTFTイオンセンサ機器。
[付記21]ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサを用い、
前記イオン感応絶縁膜から前記参照電極までの空間をセンシング対象物質で満たし、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を制御し、
前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る、
TFTイオンセンサを用いた測定方法。
[付記22]ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサを用い、
前記イオン感応絶縁膜から前記参照電極までの空間をセンシング対象物質で満たし、
前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差が一定になるように前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流れる電流を制御し、
前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を読み取る、
TFTイオンセンサを用いた測定方法。
本発明の産業上の利用可能性としては、バイオ・メディカル・環境関連の高感度イオンセンサ素子が挙げられる。特に、ホール蓄積が生じず完全空欠乏型特性を発現しやすい酸化物半導体TFTを用いることにより、本発明を生かした高感度センシング特性を得ることができる。また、酸化物半導体は可視光に対して透明であるので、可視光照射状態においても酸化物半導体TFTの特性は暗状態での特性と差が無い。これは可視光照射状態と暗状態とで電気特性が大きく異なるシリコン系TFTと大きく異なる点である。このような酸化物半導体の特徴を生かして、暗状態・可視光照射状態のいずれにおいても高感度にセンシングできるイオンセンサに利用できる。
101,102,103,104,105,106,107,108,109 TFTイオンセンサ
110 TFTイオンセンサ機器
10 熱酸化膜
11 シリコン基板
12 半導体活性層
13s ソース電極
13d ドレイン電極
13g ゲート電極
14 イオン感応絶縁膜
14a イオン感応絶縁膜表面
15 保護絶縁膜
16 センシング対象物質
17 参照電極
18 ガラス基板
19 ゲート電極
20 ゲート絶縁膜
21 窒化シリコン膜
22 酸化シリコン膜
23 酸化物半導体膜
24 エッチストップ膜
25 多結晶シリコン膜
26 暴露された熱酸化膜
27 酸化シリコンよりも比誘電率の高い材料から成る絶縁性基板
28 暴露された絶縁性基板
29 イオン選択感応膜
30 生体物質への基質特異性を有する酵素
31 生体物質への親和性を有するリガンド
32 第一のオペアンプ
33 第一のツェナーダイオード
34 第二のオペアンプ
35 第二のツェナーダイオード
36 トランジスタ
37 電位差計
41 電圧検出部
42 電流検出部
43 電圧制御部
44 電流制御部
51 右向き破線矢印
52 上向き破線矢印
61 開口部
62 凹部
71 定電圧回路
72 TFTイオンセンサ
73 定電流回路
74 直流電圧源
75 直流電圧源
81 第一の抵抗器
82 第二の抵抗器
83 第三の抵抗器

Claims (23)

  1. ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、
    前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、
    前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、
    前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極と、
    を備えたTFTイオンセンサにおいて、
    前記半導体活性層が酸化物半導体であり、
    前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、
    前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る電圧検出部を更に備えた、
    ことを特徴とするTFTイオンセンサ。
  2. ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、
    前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、
    前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、
    前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極と、
    を備えたTFTイオンセンサにおいて、
    前記半導体活性層が酸化物半導体であり、
    前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きく、かつ、
    前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を読み取る電流検出部を更に備えた、
    ことを特徴とするTFTイオンセンサ。
  3. 前記酸化物半導体中にはホール(正孔)がほとんど蓄積されない、
    請求項1又は2記載のTFTイオンセンサ。
  4. 前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差は、前記イオン感応絶縁膜上にセンシング対象物質が配置され、前記イオン感応絶縁膜と前記センシング対象物質との間に発生した電位差に、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量を前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量で除した比の値を乗じた電位差である、
    請求項1記載のTFTイオンセンサ。
  5. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を制御する電圧制御部を更に備えた、
    請求項1又は記載のTFTイオンセンサ。
  6. 前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差が一定になるように前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流れる電流を制御する電流制御部を更に備えた、
    請求項2記載のTFTイオンセンサ。
  7. 基板上に、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁膜、前記半導体活性層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記イオン感応絶縁膜がこの順で設けられた、
    請求項1乃至のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  8. シリコン基板上に、熱酸化膜、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記半導体活性層、前記ゲート絶縁膜、前記ゲート電極がこの順で設けられ、
    前記シリコン基板に、前記半導体活性層の下部に位置する前記熱酸化膜が暴露されるように開口部が設けられた、
    請求項1乃至のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  9. 絶縁性基板上に、前記半導体活性層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート絶縁膜、前記ゲート電極がこの順で設けられ、
    前記絶縁性基板の前記半導体活性層とは反対側に、前記絶縁性基板の薄くなった部分が暴露されるように凹部が設けられた、
    請求項1乃至のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  10. 前記イオン感応絶縁膜が、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム及び窒化シリコンのいずれか一つからなる単層膜又は二つ以上からなる積層膜である、
    請求項1乃至のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  11. 前記イオン感応絶縁膜の上に、特定のイオンに対する感受性を有するイオン選択感応膜が積層された、
    請求項1乃至10のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  12. 前記イオン感応絶縁膜の上に、基質と反応することでイオン感応絶縁膜近傍の水素イオン濃度を変化させる酵素を固定化した、
    請求項1乃至10のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  13. 前記イオン感応絶縁膜の上に、特定の生体物質に対する感受性を有し生体物質との相互作用により電位変化を発生するタンパク質、糖、DNA又はRNAを配置した、
    請求項1乃至10のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  14. 前記ゲート絶縁膜と前記イオン感応絶縁膜とが実質的に同一の材料で構成され、
    前記ゲート絶縁膜の膜厚が前記イオン感応絶縁膜の膜厚よりも厚い、
    請求項1乃至13のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  15. 前記イオン感応絶縁膜の実質構成材料の比誘電率が前記ゲート絶縁膜の実質構成材料の比誘電率よりも大きい、
    請求項1乃至13のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  16. 前記ゲート絶縁膜の実質構成材料が酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化アルミニウムのいずれか一つからなる単層膜又は二つ以上からなる積層膜である、
    請求項1乃至15のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  17. 前記半導体活性層と前記イオン感応絶縁膜との界面における欠陥密度が1×1021cm-3以下に抑制された、
    請求項1乃至16のいずれか一つに記載のTFTイオンセンサ。
  18. ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記半導体活性層が酸化物半導体であり、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサと、
    前記ソース電極の電位を基準として前記参照電極に定電位を与え、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に一定の電位差を与え、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差を制御し、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差又は当該電位差に対応する電圧を出力する検出回路と、
    を備えたTFTイオンセンサ機器。
  19. 前記検出回路は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の電位差を一定にする定電圧回路と、前記ソース電極に接続された定電流回路とを有し、
    前記定電圧回路は、入力ノードが前記ソース電極に接続されたボルテージフォロワ回路と、一端が前記ボルテージフォロワ回路の出力ノードに接続され、他端が前記ドレイン電極に接続された定電圧源とを含み、
    前記ボルテージフォロワ回路の出力電圧を、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差に対応する電圧として出力とする、
    請求項18記載のTFTイオンセンサ機器。
  20. ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記半導体活性層が酸化物半導体であり、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサを用い、
    前記イオン感応絶縁膜から前記参照電極までの空間をセンシング対象物質で満たし、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に定電流が流れるように前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を制御し、
    前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を読み取る、
    TFTイオンセンサを用いた測定方法。
  21. ソース電極及びドレイン電極が接続された半導体活性層と、前記半導体活性層の一方の面に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電極と、前記半導体活性層の他方の面に設けられたイオン感応絶縁膜と、前記イオン感応絶縁膜から空間的に離れた位置に設けられた参照電極とを有し、前記半導体活性層が酸化物半導体であり、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりも大きい、TFTイオンセンサを用い、
    前記イオン感応絶縁膜から前記参照電極までの空間をセンシング対象物質で満たし、
    前記ゲート電極と前記ソース電極との間の電位差が一定になるように前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流れる電流を制御し、
    前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を読み取る、
    TFTイオンセンサを用いた測定方法。
  22. 前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量は、前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりもn(n>1)倍大きく、 前記電圧検出部は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電位差を、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量に等しい場合に比べてn倍大きく読み取る、 請求項1記載のTFTイオンセンサ。
  23. 前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量は、前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量よりもn(n>1)倍大きく、 前記電流検出部は、前記ソース電極又は前記ドレイン電極に流れる電流を、前記イオン感応絶縁膜の単位面積当たりの静電容量が前記ゲート絶縁膜の単位面積当たりの静電容量に等しい場合に比べてn倍大きく読み取る、 請求項2記載のTFTイオンセンサ。
JP2014068159A 2014-03-28 2014-03-28 Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器 Active JP6372848B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068159A JP6372848B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器
US14/671,582 US9664642B2 (en) 2014-03-28 2015-03-27 TFT ion sensor and TFT ion sensor apparatus using the same
CN201510144865.XA CN104950023B (zh) 2014-03-28 2015-03-30 Tft离子传感器、使用该tft离子传感器的tft离子传感器装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068159A JP6372848B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190848A JP2015190848A (ja) 2015-11-02
JP6372848B2 true JP6372848B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=54164837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014068159A Active JP6372848B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9664642B2 (ja)
JP (1) JP6372848B2 (ja)
CN (1) CN104950023B (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104752231B (zh) * 2015-03-27 2016-02-24 京东方科技集团股份有限公司 薄膜晶体管及制备方法、阵列基板及制备方法、显示装置
US9470652B1 (en) * 2015-09-15 2016-10-18 Freescale Semiconductor, Inc. Sensing field effect transistor devices and method of their manufacture
JP6656507B2 (ja) * 2015-09-18 2020-03-04 Tianma Japan株式会社 バイオセンサ及び検出装置
JP6865929B2 (ja) * 2016-03-02 2021-04-28 学校法人早稲田大学 イオンセンサおよびイオン濃度測定方法
WO2017150669A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 学校法人早稲田大学 イオンセンサ、イオン濃度測定方法、および電子部品
JP6661080B2 (ja) * 2016-04-18 2020-03-11 株式会社東海理化電機製作所 バイオセンサ
WO2018025647A1 (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 株式会社ニコン 半導体装置、pHセンサ、バイオセンサ、及び半導体装置の製造方法
KR20180057915A (ko) * 2016-11-23 2018-05-31 주식회사 엘지화학 바이오센서
CN106770587B (zh) * 2016-11-25 2019-03-26 深圳大学 一种光电化学生物传感器及其制备方法
CN106770542A (zh) * 2016-11-25 2017-05-31 深圳大学 一种无创血糖检测试纸及其制备方法
CN107238648A (zh) * 2017-06-13 2017-10-10 复旦大学 低温制备二维柔性离子敏场效应晶体管的方法
CN107634102B (zh) * 2017-09-12 2020-04-24 京东方科技集团股份有限公司 薄膜晶体管及其制造方法及驱动方法、显示装置
JP7020644B2 (ja) * 2017-12-21 2022-02-16 Tianma Japan株式会社 静電センサ装置
CN108847424B (zh) * 2018-04-24 2021-09-03 京东方科技集团股份有限公司 薄膜晶体管、传感器、生物检测装置和方法
JP7257201B2 (ja) * 2018-06-08 2023-04-13 Tianma Japan株式会社 センサ装置
CN110579525B (zh) 2018-06-08 2023-08-18 天马日本株式会社 传感器装置
GB2575804A (en) * 2018-07-23 2020-01-29 Sumitomo Chemical Co Top gate gas sensor
CN109728098B (zh) * 2019-01-03 2022-05-17 合肥鑫晟光电科技有限公司 薄膜晶体管、传感器、检测方法、检测装置及检测***
WO2020174540A1 (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 株式会社ニコン 半導体装置、pHセンサ及びバイオセンサ並びに半導体装置の製造方法
KR102182898B1 (ko) * 2019-02-28 2020-11-25 광운대학교 산학협력단 전자빔 증착(e-beam evaporation)을 이용한 산화알루미늄 pH센서 제조방법 및 이로부터 제조된 pH 센서
JP7268411B2 (ja) * 2019-03-11 2023-05-08 学校法人早稲田大学 レクチン固定化半導体センシングデバイス及び糖化合物の検出方法
CN112086519B (zh) * 2019-06-13 2021-10-26 山东大学 一种氢离子浓度传感器芯片及其制备方法与应用
CN110335820B (zh) * 2019-07-11 2021-04-16 吉林建筑大学 蛋白质基底上p型薄膜晶体管制备方法
CN110702743B (zh) * 2019-10-16 2021-09-28 南京大学 一种纳米机电氢气传感器及其制备方法
JP7336983B2 (ja) 2019-12-26 2023-09-01 Tianma Japan株式会社 イオンセンサ装置
US11373947B2 (en) * 2020-02-26 2022-06-28 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Methods of forming interconnect structures of semiconductor device
JP7334862B2 (ja) 2020-07-03 2023-08-29 株式会社村田製作所 半導体センサ
JPWO2023042657A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2672158B1 (fr) * 1991-01-24 1993-04-09 Commissariat Energie Atomique Capteur pour la detection d'especes chimiques ou de photons utilisant un transistor a effet de champ.
JP4775262B2 (ja) * 2004-09-03 2011-09-21 三菱化学株式会社 センサユニット及び反応場セルユニット並びに分析装置
CN101454659A (zh) * 2006-05-29 2009-06-10 皇家飞利浦电子股份有限公司 用于感测应用的有机场效应晶体管
JP4389031B2 (ja) * 2006-12-06 2009-12-24 国立大学法人 岡山大学 ガスセンサ
JP2010192599A (ja) 2009-02-17 2010-09-02 Olympus Corp カーボンナノ材料を用いた電界効果トランジスタにおける絶縁膜成膜方法及びカーボンナノ材料を用いた電界効果トランジスタ
US20110291673A1 (en) * 2009-04-27 2011-12-01 Sharp Kabushiki Kaisha Chemical sensor
JP2011185818A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Seiko Epson Corp 化学センサ及び検出方法
JP5737647B2 (ja) 2010-06-30 2015-06-17 Nltテクノロジー株式会社 光学シートの貼り合せ方法
JP5488372B2 (ja) * 2010-09-28 2014-05-14 大日本印刷株式会社 バイオセンサ
JP6023994B2 (ja) * 2011-08-15 2016-11-09 Nltテクノロジー株式会社 薄膜デバイス及びその製造方法
JP2013076656A (ja) 2011-09-30 2013-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 透明バイオセンサ
US9689835B2 (en) * 2011-10-31 2017-06-27 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Amplified dual-gate bio field effect transistor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015190848A (ja) 2015-11-02
US20150276663A1 (en) 2015-10-01
CN104950023A (zh) 2015-09-30
US9664642B2 (en) 2017-05-30
CN104950023B (zh) 2019-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372848B2 (ja) Tftイオンセンサ並びにこれを用いた測定方法及びtftイオンセンサ機器
US10538800B2 (en) Biosensor and detection device
Jang et al. Performance enhancement of capacitive-coupling dual-gate ion-sensitive field-effect transistor in ultra-thin-body
Jang et al. Sensitivity enhancement of amorphous InGaZnO thin film transistor based extended gate field-effect transistors with dual-gate operation
Das et al. Highly sensitive palladium oxide thin film extended gate FETs as pH sensor
CN107449812B (zh) 一种在cmos标准工艺下的生物化学传感器
Lu et al. High-performance double-gate $\alpha $-InGaZnO ISFET pH sensor using a HfO2 gate dielectric
US10845323B2 (en) Ion sensor, ion concentration measurement method, and electronic component
Nguyen et al. Organic field-effect transistor with extended indium tin oxide gate structure for selective pH sensing
Bae et al. High performance of silicon nanowire-based biosensors using a high-k stacked sensing thin film
Wang et al. High-stability pH sensing with a few-layer MoS2 field-effect transistor
Sun et al. Effect of subthreshold slope on the sensitivity of nanoribbon sensors
Mishra et al. Detection of heavy metal ions using meander gated GaN HEMT sensor
Pyo et al. High-performance SEGISFET pH Sensor using the structure of double-gate a-IGZO TFTs with engineered gate oxides
Jeon et al. Ultrasensitive coplanar dual-gate ISFETs for point-of-care biomedical applications
Liu et al. Wearable Multiparameter Platform Based on AlGaN/GaN High‐electron‐mobility Transistors for Real‐time Monitoring of pH and Potassium Ions in Sweat
Liao et al. pH sensing and low-frequency noise characteristics of low temperature (400 C) p-channel SOI schottky ISFETs
Bhatt et al. High sensitivity of dual gate ISFETs using HfO2 and HfO2/Y2O3 gate dielectrics
Hashima et al. Development of high-reliability and-stability chemical sensors based on an extended-gate type amorphous oxide semiconductor thin-film transistor
Khanna et al. Design and development of a novel high-transconductance pH-ISFET (ion-sensitive field-effect transistor)-based glucose biosensor
Takechi et al. Sensor applications of InGaZnO thin-film transistors
Dwivedi et al. Influence of transistor architecture on the performance of dielectric modulated biosensor
Pavlidis et al. ALD TiOx as a top-gate dielectric and passivation layer for InGaZnO115 ISFETs
Duarte et al. Fabrication and Electrical Characterization of ISFET for H 2 O 2 sensing
Pregl et al. Channel length dependent sensor response of Schottky-barrier FET pH sensors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6372848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250