JP6372795B2 - 強化ガラスの表面特性の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波材料特性解析装置により測定される漏洩弾性波およびバルク波の伝搬特性、特に位相速度を用いた強化ガラスの表面特性の測定方法に関する。
強化ガラスは、基板表面に圧縮応力を加え、破壊に対する耐性を高めたガラスであり、従来、自動車、高速鉄道、建築物などの窓ガラス、時計、食器、家具などに利用されてきた。強化ガラスは、軟化点付近まで加熱した後、エアブローなどで急冷し作製される風冷強化ガラス(物理強化ガラス)と溶融塩(代表的には、KNO3)中でNa+イオンからK+イオンへイオン交換を行うことにより作製される化学強化ガラスに大別される。
最近では、スマートフォンやタブレット端末用として、カバーガラスの薄型化が要求され、強化ガラスには薄型かつ高信頼性なものが要求されている。強化処理の不備は大事故を招く可能性があることから、信頼性が高く高精度な評価技術が要求されている。
強化ガラスに対して評価すべきパラメータは、表面応力(CS)ならびに応力層深さ(DOL)である。化学強化ガラスに対するこれらのパラメータは、基板の化学組成比、強化塩の濃度、および強化処理条件(温度および時間)に依存する。物理強化ガラスの場合には、応力層深さは基板の厚さの約1/6となることから、評価すべきパラメータはCSのみとなる。このCSは、基板の化学組成比および強化処理条件(処理温度および風圧)に依存する。
強化ガラスの表面応力の評価は、インデンテーション法、曲げ強度試験法などの機械的な方法、光ウェーブガイド効果を利用した方法「特許文献1」、バイアスコープ法、散乱光光弾性法などの光学法により行われてきた。しかしながら、インデンテーション法や曲げ強度試験法は破壊的であり、品質管理に使用できない。一方、光学法は非破壊であるが、屈折率や光弾性定数を別途求めておかなければならない。さらに、光ウェーブガイド効果を利用した方法は、表面の屈折率が高い場合(化学強化ガラスならびにフロートガラスの錫面)にしか適用できない、バイアスコープ法や散乱光光弾性法は、化学強化ガラスには適用できないという問題点がある。
特開昭53−136886号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、超音波材料特性解析装置により測定される漏洩弾性波特性により強化ガラスの表面応力及び応力層深さを含む表面特性を非破壊的に測定する方法を提供することを課題とする。
この発明による強化ガラスの表面特性を測定する方法は、
(1-A) 強化ガラスからなる被測定用試料の漏洩弾性表面波(LSAW)速度又は漏洩擬似縦波(LSSCW)速度を測定する工程と、
(1-B) 測定したLSAW速度又はLSSCW速度から、被測定用試料と同一工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成したLSAW速度またはLSSCW速度と、表面応力(CS)および応力層深さ(DOL)との間の関係を表す検量線を用いて、CS及びDOLを含む表面特性を求める工程と、
を含む。
本発明によれば、非破壊・非接触、かつ従来法よりも一桁以上高い精度で表面応力ならびに応力層深さの測定が可能であり、生産ラインの中で、製品となる素材の表面応力ならびに応力層深さの測定が可能であり、被測定試料の表面応力ならびに応力層深さの面内分布を測定することが可能な強化ガラスの表面応力ならびに応力層深さの測定方法を提供することができる。
アルミノ珪酸ガラスに対して、Aは処理時間と光学法により求めた表面応力および応力層深さとの関係を示す図、Bは処理時間とLSAW速度およびLSSCW速度との関係を示す図、CはLSAW速度変化およびLSSCW速度変化と光学法により求めた応力層深さとの間の関係を示す図。 強化ガラス試料の断面図。 アルミノ珪酸ガラスに対して、AはLSAW速度の周波数特性を示す図、BはLSSCW速度の周波数特性を示す図。 アルミノ珪酸ガラスに対する縦波音速、横波音速、密度、および弾性定数c11、c44を表す表1。 ソーダライムガラスに対して、Aは風圧と光学法により求めた表面応力との関係を示す図、Bは風圧とLSAW速度の関係を示す図、Cは風圧とLSSCW速度の関係を示す図、DはLSAW速度変化およびLSSCW速度変化と光学法により求めた表面応力との関係を示す図。 硼珪酸ガラスに対して、Aは風圧と光学法により求めた表面応力との関係を示す図、Bは風圧とLSAW速度の関係を示す図、Cは風圧とLSSCW速度の関係を示す図、DはLSAW速度変化およびLSSCW速度変化と光学法により求めた表面応力との関係を示す図。 物理強化ガラスに対する漏洩弾性波速度の表面応力に対する感度と分解能を示す表2。 本発明による強化ガラスの表面特性を求める手順を示すフローチャートである。
[化学強化ガラス]
化学強化ガラス試料として、アルミノ珪酸ガラスを5枚用意した。試料の大きさは50mm×50mmであり、試料の厚さは0.7mmである。4枚の試料に対して、425℃のKNO3中で、それぞれ0.5h、1h、3h、8hの強化処理を行った。また、1枚の試料に対しては強化処理を行わなかった(未強化試料)。また、通常の強化処理を行った市販のアルミノ珪酸ガラス(試料H)、およびその未強化試料(試料N)も用意した。試料の大きさは100mm×50mmであり、試料の厚さは0.7mmである。試料Nと同じロットの別の試料(40mm×30mm、試料の厚さは0.7mm)に対して、蛍光X線分析法により化学組成比を分析した結果、SiO2が68.7wt%、Al2O3が15.5wt%、Na2O3が11.8wt%、MgOが3.3wt%、SnOが0.4wt%となった。
強化処理を行った試料に対して、表面応力計(FSM-6000LE、折原製作所)により表面応力と応力層深さを測定した。測定結果を図1Aに示す。処理時間が長くなるに従い、応力層は深くなった。一方、3時間よりも処理時間が長くなると、表面応力は小さくなった。これは、処理時間が長くなると応力緩和が生じるためである。
次に、直線集束ビーム超音波材料解析(LFB-UMC)システムにより、超音波周波数を225MHzとして、LSAW速度、LSSCW速度の測定を行った。LSAW速度、LSSCW速度の測定原理・方法は、「参考文献1」と「参考文献2」に詳しい。LSAWやLSSCWは弾性表面波であり、深さ方向の分解能は1波長程度である。超音波周波数が225MHzのとき、LSAW、LSSCWの波長は、それぞれ14μm、26μmである。LSAWやLSSCWの波長は、図1Aに示した応力層深さと同じオーダーであることから、強化ガラス基板は図2のように深さxの圧縮応力層を有する層状構造試料として取り扱うことができる。
図1Bに、処理時間とLSAW速度およびLSSCW速度との間の関係を示す。強化処理を行うことにより、LSAW速度、LSSCW速度は、未処理基板のそれらよりも大きくなった。強化層の弾性定数が未強化層のそれよりも大きいためである。
各試料に対して強化ガラス試料に対するLSAW速度やLSSCW速度の測定値と未処理基板に対する測定値との差分を求め、それらと応力層深さとの間の関係を求めた結果を図1Cに示す。約1波長以内に相当するデータとして、LSAW速度に対しては未処理基板と0.5h、LSSCW速度に対しては未処理基板、0.5h,1h,3hの試料を用いて、近似直線を引いた。近似直線の傾きより、LSAW速度、LSSCW速度の応力層深さに対する感度は、それぞれ0.46μm/(m/s)、0.18μm/(m/s)である。LSAW速度、LSSCW速度の測定再現性は、±2σ(σ:標準偏差)でそれぞれ±0.25m/s以内、±2.9m/s以内である。このため、LSAW速度、LSSCW速度の応力層深さに対する分解能は、それぞれ±0.11μm、±0.52μmとなる。
図1Cでは、ほぼ1波長の領域までは、速度変化と応力層深さの関係は線形であるが、応力層がそれよりも深くなると近似直線から離れた。これは、LSAWやLSSCWの波長よりも応力層が深くなると、LSAWやLSSCWの存在領域が応力層部のみとなり、速度変化が飽和するためである。より深い圧縮応力層の深さを評価するためには、測定の超音波周波数を225MHzよりも低くし、波長を長くすればよい。
次に、LSAW速度とLSSCW速度を100MHzから300MHzまで5MHzおきに周波数を変えながら測定を行った。LSAW速度およびLSSCW速度に対して、それぞれ未処理基板に対する測定値との差分を、それぞれ図3A、図3Bに示す。
LSAW速度の結果を見ると、0.5h,1h処理した試料は周波数が高くなるに従い、速度は大きくなり、3h,8h処理した試料は速度が小さくなった。100MHz、300MHzのLSAWの波長は、それぞれ32μm、11μmである。周波数が高くなるに従い、波長が短くなることから、より表面の特性を反映する。すなわち、表面応力層の深さ方向の弾性率分布が均一ではなく、0.5h、1h処理した試料は、表面から深くなるほど弾性率が低くなり、3h,8h処理した試料は、表面応力層内において表面から深くなるほど弾性率が高くなっていると考えられる。
LSSCW速度の結果を見ると、すべての試料で、周波数が高くなるに従い、速度が大きくなった。100MHz、300MHzのLSSCWの波長は、それぞれ58μm、19μmである。LSSCWは、LSAWと比べて波長が長く、水中と基板の両方にエネルギーを放射しながら伝搬するため、LSAWよりも表面集中率が低い。また、LSAWの粒子変位は基板に垂直な成分、LSSCWの粒子変位は伝搬方向に平行な成分が主であり、それぞれ横波、縦波に近い。これらの原因により、LSSCW速度の周波数特性の傾向は、LSAW速度のそれとは異なった。
音速の変化は、弾性定数と密度の変化に起因する。その要因について検討するために、試料Hと試料Nに対して、バルク音響特性の測定により評価を行った。図2に示すような試料モデルにおいては、バルク波(縦波・横波)音速測定は試料の厚さ方向、密度は試料全体に対して行うことから、強化ガラス試料に対しては、厚さ2xの圧縮応力層と厚さh-2xの未強化層を合わせた測定値が得られる。光ウェーブガイド効果を用いた表面応力計(FSM-6000LE、折原製作所)により評価した結果、試料Hに対する圧縮応力は762MPa、応力層深さは49μmとなった。
LFB-UMCシステムの超音波デバイスを、LFBデバイスから平面デバイスに交換し、基板厚さ方向に縦波音速Vlと横波音速Vsの測定を行った。測定方法は「参考文献3」に詳しい。また、およびアルキメデスの原理に基づき密度ρの測定を行った「参考文献4」。弾性定数c11、c44は、それぞれ以下の式(1)、式(2)より求めた。
c11=ρVl 2 (1)
c44=ρVs 2 (2)
測定結果を図4の表1に示す。未強化試料、強化試料ともこの周波数帯で速度分散を示すため、225MHzの値を示した。強化試料のVl、Vs、ρ、c11、c44は、未強化試料のそれらよりも、それぞれ0.55%、0.40%、0.16%、1.3%、1.0%大きくなった。
図2のモデルに基づき、圧縮応力層を単一層、応力層深さを光学法による測定値、試料Hと試料Nの音響特性の差が強化層のみによるものと仮定する。試料の厚さをh、応力層深さをxとし、未強化試料の密度をρN、強化試料の密度をρH、圧縮応力層の密度をρCとする。強化試料は、厚さ2xの強化層と厚さ(h-2x)の未強化層を足し合わせたものとして表せることから、式(3)が得られる。
式(3)を変形することにより式(4)が得られ、未強化試料と強化試料に対する測定から圧縮応力層の密度ρCを抽出することができる。
縦波音速、横波音速に対しても、未強化試料の音速をVN、強化試料の音速をVH、強化層の音速をVCとすると、同様に以下の式(5)から、強化層の音速VCを抽出できる。
さらに、強化層の弾性定数をcCとすると、以下の式(6)から、強化層の弾性定数cCを求めることができる。
cCCVC 2 (6)
強化層の圧縮応力層のVl、Vs、ρ、c11、c44を見積もった結果を図4の表1に併せて示す。Vl、Vs、ρ、c11、c44の変化は、それぞれ+3.9%、+2.8%、+1.2%、+9.1%、+6.9%となった。c11、c44の変化はρの変化に比べ、それぞれ7.8倍、5.9倍大きい。このため、強化処理による表面応力層の音速変化は、主に弾性定数の変化によるものであることがわかる。
[物理強化ガラス]
物理強化ガラス試料として、ソーダライムガラスと硼珪酸ガラスをそれぞれ4枚、3枚用意した。ソーダライムガラスは、試料の大きさが150mm×150mm、厚さが3.7mmであり、硼珪酸ガラスは、試料の大きさが200mm×200mm、厚さが3.7mmである。3枚のソーダライムガラスに対して、650℃で4分間保持したあと、それぞれ150mmAq、300mmAq, 450mmAqの風圧で急冷した。2枚の硼珪酸ガラスに対して、670℃で4分間保持したあと、それぞれ0.7kg/cm2、1.4kg/cm2の風圧で急冷した。ソーダライムガラスと硼珪酸ガラス、それぞれ1枚の試料に対しては、強化処理を行わなかった(未強化試料)。また、別の未強化試料に対して、蛍光X線分析法により化学組成比を分析した結果、ソーダライムガラスに対しては、SiO2が75.5wt%、Al2O3が1.7wt%、Na2O3が9.1wt%、MgOが3.2wt%、CaOが8.9wt%、K2Oが1.3wt%、BaOが0.1wt%となり、硼珪酸ガラスに対しては、SiO2が83.9wt%、B2O3が10.6wt%、Al2O3が2.4wt%、Na2O3が2.4wt%、K2Oが0.6wt%となった。
物理強化ガラスの表面応力層の深さは、基板の約1/6となることから、これらの試料の表面応力層深さは約0.6mmである。この値は、これらのガラスに対する225MHzのときのLSAWやLSSCWの波長よりも十分に大きいことから、強化層をバルク基板とみなして計測を行うことが可能である。
ソーダライムガラスに対しては、錫面である裏面に対して表面応力計(FSM-6000LE)により表面応力を測定した。硼珪酸ガラスに対しては、表面応力計による測定ができなかったため、ガラス断面応力計(SCALP-04、Glasstress, Ltd.)により、試料両面に対して表面応力の測定を行った。測定結果を図5A、図6Aに示す。どちらのガラスも風圧が高いほど、表面応力が高くなった。
各試料に対して、超音波周波数を225MHzとして、LSAW速度とLSSCW速度の測定を行った。ソーダライムガラスに対する測定結果を図5B、図5Cに、硼珪酸ガラスに対する測定結果を図6B、図6Cに示す。どちらの試料とも両方のモードに対して、風圧が高いほど速度は低下した。
ソーダライムガラスは、フロート法により作製されており、フロートバス内で溶かした原料を溶融金属であるSn上に浮かべ成型が行われる。このため、試料表面近傍において、表面(空気に接する面)はNaやCaの濃度が低下し、裏面(溶融金属に接する面)はSnの濃度が高くなる「参考文献5」。このため、両ガラスとも、表面よりも裏面のほうが、LSAW速度およびLSSCW速度が小さくなった。
LSAW速度、LSSCW速度の未処理基板に対する値との差と表面応力との間の関係を図5D、図6Dに示す。速度差が小さくなるほど、表面応力が高くなった。
LSAW速度とLSSCW速度の表面応力に対する感度と分解能を図7の表2に示す。LSAW速度を用いた場合、本手法の分解能はソーダライムガラスに対して±0.8MPa以内、硼珪酸ガラスに対して±0.5MPa以内となった。光学法による表面応力の分解能は±20MPaである。このため、本手法の分解能は光学法に比べ25倍以上高い。
[表面特性を求めるフローチャート]
以上のように説明した第1および第2実施例に基づいて、この発明による強化ガラスの表面特性を求めるための基本的な処理手順を図8に示すフローチャートを参照にして以下に説明する。
ステップS1:被測定用試料と同一工程で作製された複数の検量線作成用ガラス試料に対し、それぞれ異なる条件で強化処理を行う。
ステップS2:ステップS1で得られた試料に対して、CSおよびDOLと、LSAW速度又はLSSCW速度を測定する。
ステップS3:ステップS2の測定結果より、LSAW速度又はLSSCW速度と、CSおよびDOLとの間の関係、すなわち検量線を求める。
ステップS4:被測定用試料に対して、LSAW速度またはLSSCW速度を測定する。
ステップS5:ステップS4で得られたLSAW速度またはLSSCW速度を、ステップS3で求めた検量線に代入してCSおよびDOLを求める。
被測定用試料と同一工程で作製された検量線作成用試料に対して、近似直線式が予め得られている場合には、ステップS4、S5からCSおよびDOLを求めることが可能である。
本発明を用いることにより、強化ガラスの表面応力、応力層深さ、およびそれらの分布を非破壊・非接触、かつ従来法よりも高精度に求めることが可能である。ガラス製造業者が利用することにより、作製したガラスの表面応力、応力層深さ、およびそれらの分布の評価、ならびにガラス作製プロセスの評価を行うことが可能である。化学強化処理を行うと、強化塩のK+イオン濃度は低下し、Na+イオン濃度が増加するため、同じ処理温度、処理時間としても、強化後のガラスの特性は異なる。強化処理前のガラスの全数検査やサンプリング検査、強化処理後のガラスの全数検査およびサンプリング検査に用いることが可能である。この評価結果を用いることにより、所望の特性を有するように、強化処理条件を制御したガラス作製プロセス条件の改善に用いることができる。また、本評価法により品質管理を行いながら、強化ガラスの製造を行うことも可能である。また、ガラスユーザーが用いることにより、受け入れ試料の品質管理、選別に用いることが可能である。
1 強化ガラス基板
2 圧縮応力層
[参考文献1]
J. Kushibiki and N. Chubachi, "Material characterization by line-focus-beam acoustic microscope," IEEE Trans. Sonics Ultrason., Vol. SU-32, pp. 189-212 (1985).
[参考文献2]
J. Kushibiki, Y. Ono, Y. Ohashi, and M. Arakawa, "Development of the line-focus-beam ultrasonic material characterization system," IEEE Trans. Ultrason., Ferroelect., Freq. Contr., Vol. 49, pp. 99-113 (2002).
[参考文献3]
J. Kushibiki, and M. Arakawa, "Diffraction effects on bulk-wave ultrasonic velocity and attenuation measurements," J. Acoust. Soc. Am., Vol. 108, pp. 564-573 (2000).
[参考文献4]
H. A. Bowman, R. M. Schoonover, and M. W. Jones, “Procedure for high precision density determinations by hydrostatic weighing,” J. Res. Natl. Bur. Stand., Vol. 71C, pp. 179-198 (1967).
[参考文献5]
大和田, 角田, "ガラスの洗浄技術," NEW GLASS, Vol. 23, pp. 7-20 (2008).

Claims (4)

  1. 強化ガラスの表面特性の測定方法であり、
    化ガラスからなる被測定用試料の漏洩弾性表面波速(以下、LSAW速度と呼称する)又は漏洩擬似縦波速(以下、LSSCW速度と呼称する)前記被測定用試料の表面上の2点以上で測定する第1工程と、
    (1)前記強化ガラスが化学強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSAW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSAW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSAW速度の測定値との差と、応力層深さとの間の関係を表す第1の検量線と、前記第1工程で測定した2点以上の前記LSAW速度とから、応力層深さを含む表面特性の前記被測定用試料における面内分布を求める、又は、(2)前記強化ガラスが化学強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSSCW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSSCW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSSCW速度の測定値との差と、応力層深さとの間の関係を表す第2の検量線と、前記第1工程で測定した2点以上の前記LSSCW速度とから、応力層深さを含む表面特性の前記被測定用試料における面内分布を求める、又は、(3)前記強化ガラスが物理強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSAW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSAW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSAW速度の測定値との差と、表面応力との間の関係を表す第3の検量線と、前記第1工程で測定した2点以上の前記LSAW速度とから、表面応力を含む表面特性の前記被測定用試料における面内分布を求める、又は、(4)前記強化ガラスが物理強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSSCW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSSCW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSSCW速度の測定値との差と、表面応力との間の関係を表す第4の検量線と、前記第1工程で測定した2点以上の前記LSSCW速度とから、表面応力を含む表面特性の前記被測定用試料における面内分布を求める第2工程と、
    を含む強化ガラスの表面特性の測定方法。
  2. 強化ガラスの表面特性の測定方法であり、
    化ガラスからなる被測定用試料の漏洩弾性表面波速(以下、LSAW速度と呼称する)および当該LSAW速度の周波数特性、又は漏洩擬似縦波速(以下、LSSCW速度と呼称する)および当該LSSCW速度の周波数特性、を測定する第1工程と、
    (1)前記強化ガラスが化学強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSAW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSAW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSAW速度の測定値との差と、応力層深さとの間の関係を表す第1の検量線と、前記第1工程で測定した前記LSAW速度とから、応力層深さを含む表面特性を求め、さらに、前記第1工程で測定した前記LSAW速度の周波数特性から、応力層の表面特性の深さ方向分布を求める、又は、(2)前記強化ガラスが化学強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSSCW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSSCW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSSCW速度の測定値との差と、応力層深さとの間の関係を表す第2の検量線と、前記第1工程で測定した前記LSSCW速度とから、応力層深さを含む表面特性を求め、さらに、前記第1工程で測定した前記LSSCW速度の周波数特性から、応力層の表面特性の深さ方向分布を求める、又は、(3)前記強化ガラスが物理強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSAW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSAW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSAW速度の測定値との差と、表面応力との間の関係を表す第3の検量線と、前記第1工程で測定した前記LSAW速度とから、表面応力を含む表面特性を求め、さらに、前記第1工程で測定した前記LSAW速度の周波数特性から、応力層の表面特性の深さ方向分布を求める、又は、(4)前記強化ガラスが物理強化ガラスであり且つ前記第1工程で前記LSSCW速度を測定した場合には、前記被測定用試料の作製工程と同一の工程で作製された検量線作成用ガラス試料に対して予め作成した、前記検量線作成用ガラス試料におけるLSSCW速度の測定値と未強化ガラス基板試料におけるLSSCW速度の測定値との差と、表面応力との間の関係を表す第4の検量線と、前記第1工程で測定した前記LSSCW速度とから、表面応力を含む表面特性を求め、さらに、前記第1工程で測定した前記LSSCW速度の周波数特性から、応力層の表面特性の深さ方向分布を求め、第2工程と、
    を含む強化ガラスの表面特性の測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の強化ガラスの表面特性の測定方法において、更に、
    前記被測定用試料の作製工程と同一工程で作製された複数の検量線作成用ガラス試料に対し、それぞれ異なる条件で強化処理を行う強化処理工程と、
    強化処理程で得られた試料に対して、表面応力応力層深さ、LSAW速、およびLSSCW速度を測定する測定工程と、
    測定程で得られた結果より、前記第1の検量線、前記第2の検量線、前記第3の検量線、および前記第4の検量線を求める検量線作成工程と、
    を含む強化ガラスの表面特性の測定方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか記載の強化ガラスの表面特性の測定方法において、前記強化ガラスが化学強化ガラスである場合には、更に、未強化ガラス基板試料と強化ガラス基板試料を用意し、両方のガラス基板試料に対して、基板に垂直な方向に伝搬するバルク波の音速、試料の密度を測定する工程と、測定したバルク波の音速と、密度と、前記被測定用試料の前記応層深さから前記応力層の弾性定数を計算で求める工程とを含む強化ガラスの表面特性の測定方法。
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