JP6372129B2 - 分散液、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

分散液、電気泳動表示装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、分散液、電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
従来、帯電特性が異なる複数の白色粒子および複数の黒色粒子が分散した分散液を一対の基板間に挟持した電気泳動表示装置の構成が知られている。このような電気泳動表示装置では、帯電した白色粒子および黒色粒子(帯電粒子)を基板間に印加した電界によって移動させ、モノクロ画像を表示する(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−210812号公報
ところで、電気泳動表示装置においては、分散液に含まれる帯電粒子の分散状態が表示品質に強く影響することが知られている。分散液中で帯電粒子が分散しにくい状態であると、帯電粒子が意図せず凝集し、表示品質が低下するおそれがあるためである。
一方で、帯電粒子の移動のしやすさも表示品質に強く影響することが知られている。帯電粒子が移動しにくい場合、表示切替えの応答速度が低くなるためである。
このような品質要求は、帯電粒子が白色粒子、黒色粒子である場合に限らず、帯電粒子が赤色、青色、緑色などカラー表示を目的とした電気泳動表示装置に用いられるカラー粒子であっても同様に求められるものである。
そのため、電気泳動表示装置においては、帯電粒子の凝集を抑制し、かつ帯電粒子の移動速度の低下を抑制した分散液が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、帯電粒子の凝集を抑制し、かつ移動速度の低下を抑制した分散液を提供することを目的とする。また、このような分散液を有し、高品質な画像表示が可能な電気泳動表示装置および電子機器を提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、前記第1粒子は、第1の色粒子を有し正に帯電しており、前記第2粒子は、第2の色粒子を有し負に帯電しており、前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、前記第1の色粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2の色粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、前記第1粒子の総表面積と前記第2粒子の総表面積とを比較して、相対的に総表面積が小さい色粒子を修飾する前記高分子鎖は、相対的に総表面積が大きい色粒子を修飾する前記高分子鎖よりも数平均分子量が小さい分散液を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、前記第1粒子は、正に帯電しており、前記第2粒子は、負に帯電しており、前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、前記第1粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、前記高分子鎖の付着量は、前記色粒子の質量に対して3%以上10%以下である分散液を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、前記第1粒子は、正に帯電しており、前記第2粒子は、負に帯電しており、前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、前記第1粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、前記高分子鎖は直鎖型である分散液を提供する。
この構成によれば、粒子の凝集を抑制することで白表示時の光反射率を向上させることができ、かつ応答速度の低下を抑制することができる。そのため、高いコントラストの画像表示が可能であり、高い表示性能を有する分散液を提供することができる。
本発明の一態様においては、前記第1の色粒子の総表面積と前記第2の色粒子の総表面積とを比較して、相対的に総表面積が小さい色粒子を修飾する前記高分子鎖は、相対的に総表面積が大きい色粒子を修飾する前記高分子鎖よりも数平均分子量が小さい構成としてもよい。
この構成によれば、良好な応答速度を実現することができる。
本発明の一態様においては、前記高分子鎖の付着量は、前記色粒子の質量に対して3%以上10%以下である構成としてもよい。
この構成によれば、粒子の凝集が抑制され、白反射率の向上につながる。また、良好な応答速度を実現することができる。
本発明の一態様は、一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された電気泳動層と、を備え、前記電気泳動層が上記の分散液を含む電気泳動表示装置を提供する。
この構成によれば、上述の分散液を含むので、表示画像のコントラストが高く、高品質な画像表示が可能な電気泳動表示装置を提供することができる。
本発明の一態様は、上記の電気泳動表示装置を備えた電子機器を提供する。
この構成によれば、上述の電気泳動表示装置を含むので、表示画像のコントラストが高く、高品質な画像表示が可能な電子機器を提供することができる。
実施形態に係る電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。 セルマトリクスの構成例を示す平面図である。 実施形態の電気泳動粒子を示す模式図である。 電気泳動表示装置の製造工程を示す工程図である。 電気泳動表示装置の製造工程を示す工程図である。 本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[電気泳動表示装置]
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。図に示すように、電気泳動表示装置100は、素子基板1と、対向基板2と、素子基板1に設けられ、複数のセル15を有するセルマトリクス4と、セル15に収容される電気泳動層(分散液)11と、電気泳動層11およびセルマトリクス4を覆って設けられた封止膜5と、封止膜5上に配置され封止膜5と対向基板2とに挟持された対向電極6と、を備えている。素子基板1および対向基板2は、本発明の電気泳動表示装置における「一対の基板」に対応する。
素子基板1は、基材1Aと、基材1Aの電気泳動層11側に設けられた複数の画素電極12と、を含む。基材1Aは、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。透明基板としては、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、光透過性を備えるならば、前記材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。
画素電極12は、セルマトリクス4が有する複数のセル15に対応して、マトリクス状に複数設けられている。画素電極12は、Cu箔上にニッケルめっきと金めっきとをこの順で積層したものや、Al、ITO(インジウム錫酸化物)などにより形成された電極である。図示は省略しているが、画素電極12と基材1Aとの間には、走査線やデータ線などの配線、及び選択トランジスタなどが層構造を形成している。各配線やトランジスタは、適宜絶縁層で絶縁されている。これらの構成により、画素電極12には、それぞれ独立して電位を印加可能である。
対向基板2は、上述の透明基材から構成されている。対向基板2の電気泳動層11側には複数の画素電極12と対向する平面形状の対向電極6が形成されている。対向電極6は、MgAg、ITO、IZO(インジウム・亜鉛酸化物、登録商標)などから形成された透明電極である。
セルマトリクス4は、基部13と、基部13上に配置された隔壁14と、を有する。セルマトリクス4は、複数の画素電極12の間の領域に配置された接着層20を介して、素子基板1と貼り付けられている。
基部13は、セルマトリクス4の底面を成すものであり、シート状(即ち、平板状)の部材で構成されている。基部13の厚さに制限はなく、例えば数μm〜数十μm程度の薄膜であってもよい。
また、隔壁14は、セルマトリクス4の側壁を成すものであり、電気泳動層11を複数に分割するものである。この隔壁14によって、素子基板1上は、画素電極12に対応した複数のセル15に区画され、これら複数のセル15の各々に電気泳動層11がそれぞれ配置されている。本実施形態において、隔壁14は、断面構造が基部13側と反対の先端側に向かうにつれて先細るテーパー形状を呈している。
隔壁14の平面視による形状(以下、平面形状ともいう。)は、例えば、正方格子状、六角格子状、又は、三角格子状である。図2は、セルマトリクス4の構成例を示す平面図である。図2(a)に示すように、隔壁14の平面形状が正方格子状の場合は、セル15の平面形状は正方形である。また、図2(b)に示すように、隔壁14の平面形状が六角格子状の場合は、セル15の平面形状は六角形となる。
セルマトリクス4は、基部13と隔壁14とを一体として形成することとしてもよく、隔壁14と平板状の基部13とを別々に形成しておき、平板状の基部13の一方の面上に隔壁14を固定するようにしてもよい。また、セルマトリクス4は、基部13を省略して、隔壁14のみで構成するようにしてもよい。その場合は、隔壁14を素子基板1に直接取り付けるようにしてもよい。
セルマトリクス4において、基部13と隔壁14とが一体に形成されている場合は、基部13と隔壁14とが同一の材料で構成されている。また、基部13と隔壁14とが別々に形成されている場合は、基部13と隔壁14とが同一の材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
基部13を構成する材料としては、可撓性を有するもの、硬質なものの何れであってもよく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料が挙げられる。電気泳動表示装置100に可塑性を付与する場合には、基部13には可塑性を有する樹脂材料のものを選択することが好ましい。また、隔壁14を構成する材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料が挙げられる。
電気泳動層11は、分散媒30と、この分散媒30中に分散された複数の電気泳動粒子31とを含んだ分散液から構成される。電気泳動層11は、本発明の分散液の一実施形態に係るものである。
分散媒30は、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、パラフィン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ナフテン等の脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類(アルキルベンゼン誘導体)等の芳香族炭化水素類;
ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族復素環類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;
カルボン酸塩;
又は
シリコーンオイル
などを用いることができる。これらは単独で用いることとしてもよく、混合物として用いることとしてもよい。
また、分散媒30として用いることができる脂肪族炭化水素類としては、イソパラフィン系溶剤として市販されているものを用いることができ、このような市販品としてはアイソパー(登録商標)を挙げることができる。分散媒30は、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーMからなる群から選ばれる1種類もしくは2種類以上を混合した液体、またはこれらと上述した他の炭化水素類とを混合した液体を用いることができる。
本実施形態において、電気泳動粒子31は、例えば白色粒子31a及び黒色粒子31bを含む帯電粒子である。白色粒子31aは、例えば、酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子であり、例えば負に帯電されて用いられる。黒色粒子31bは、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、亜クロム酸銅等の黒色顔料からなる粒子であり、例えば正に帯電されて用いられる。
封止膜5は、セル15内に電気泳動層11を封止するための膜である。電気泳動層11の表面には、当該表面に沿って一定の膜厚で封止膜5が形成されており、電気泳動層11の表面の凹状は封止膜5の表面に現れている。封止膜5を構成する材料としては、例えば水溶性高分子が挙げられ、具体的には、ポリビニルアルコール(PVAともいう)、ゼラチン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、カオチン化セルロースの何れか1種類、或いは、これらのうちの2種類以上を含むものである。本実施形態では、PVAを用いて封止膜5を形成した。
なお、分散媒30として炭化水素系の分散媒(例えば、アイソパー)が選択され、封止膜5として水溶性高分子の膜(例えば、PVA)が選択されている場合は、下記のような利点がある。すなわち、炭化水素系の分散媒(例えば、アイソパー)、及び、PVAは何れも安価である。
このため、電気泳動表示装置100の製造コストの低減が可能である。また、封止膜5を無色透明に形成することができ、おおよそ90%程度の光透過率を確保することができる。封止膜5による光の減衰が少ないため、封止膜5で覆われた画面(すなわち、複数のセル15の集合体)に表示される文字、画像等の視認性を高めることができる。また、封止膜5と電気泳動層11との相溶性が極めて低いため、電気泳動層11をセル15内に密閉性高く封止することができる。
このような構成に基づき、電気泳動表示装置100では、例えば、画素電極12と対向電極6との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、電気泳動粒子31(白色粒子31a及び黒色粒子31b)はいずれかの電極(画素電極12、対向電極6)に向かって電気泳動する。例えば、白色粒子31aが負荷電を有する場合、画素電極12を正電位とすると、白色粒子31aは画素電極12側(下側)に移動して集まり、黒表示となる。これにより、電気泳動表示装置100は、所望の画像を表示することが可能となっている。
[分散液]
次いで、本実施形態の分散液について説明する。本実施形態の分散液は、上述したように電気泳動粒子31と、電気泳動粒子31を分散させる分散媒30と、を備えている。また、本実施形態の分散液に含まれる電気泳動粒子31は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有する。例えば、上記説明において、正に帯電する黒色粒子31bが第1粒子に該当し、負に帯電する白色粒子31aが本発明における第2粒子に該当する。
図3は、本実施形態の電気泳動粒子31を示す模式図である。図に示すように、電気泳動粒子31は、色粒子32と、色粒子32の表面を修飾する高分子鎖33と、を有する。
(色粒子)
色粒子32としては、顔料そのものを形成材料とした粒子、核となる粒子(以下、核粒子と称することがある)を顔料や染料などの色材で着色した粒子、重合性の染料を重合した高分子を形成材料とした粒子を例示することができる。「着色」としては、核粒子の表面を顔料で被覆する方法や、核粒子の形成材料に色材を混合する方法を採用することができる。
核粒子の形成材料としては、樹脂材料や無機材料を用いることができる。核粒子の形成材料である樹脂材料としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィンなどを挙げることができる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、核粒子の形成材料である無機材料としては、酸化チタンを挙げることができる。
顔料や染料などの色材としては、目的に応じて種々のものを用いることができる。例えば、黒色色材としては、アニリンブラックやカーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料や黒色染料を挙げることができる。白色色材としては、酸化チタンや酸化アンチモン等の白色顔料を挙げることができる。黄色色材としては、モノアゾ等のアゾ系顔料やイソインドリノン、黄鉛等の黄色顔料や黄色染料を挙げることができる。赤色色材としては、キナクリドンレッドやクロムバーミリオン等の赤色顔料や赤色染料を挙げることができる。青色色材としては、フタロシアニンブルーやインダスレンブルー等の青色顔料や青色染料を挙げることができる。緑色色材としては、フタロシアニングリーン等の緑色顔料や緑色染料を挙げることができる。
(高分子鎖)
高分子鎖33は、色粒子32の表面を修飾し、色粒子32の分散性の改質を行う。高分子鎖33としては、分散液に用いる分散媒と親和性の高いものを選択する。親和性が高いとは、高分子鎖と分散媒が相分離することなく、相溶性に優れていることを意味している。このような高分子鎖は、分散媒中で広がりを持つことによって、粒子間の凝集を防止する立体排除効果を発現する。図3において、破線で示す円は、分散媒中の高分子鎖33の広がりを示している。
用いる分散媒が炭化水素系溶媒である場合、高分子鎖33はポリオレフィン鎖のような炭化水素鎖を含むものが好ましい。ポリオレフィン鎖は、直鎖型であってもよく分岐していてもよいが、直鎖型であることが好ましい。直鎖型のものの方が、上記立体排除効果を発現する際に有利となる。
ポリオレフィン鎖に対応するモノマーとしては、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等が挙げられる。ポリオレフィン鎖は、これらのモノマーのホモポリマーであってもよく、これらのモノマーが2種以上重合して得られる共重合体であってもよい。
また、用いる分散媒がシリコーンオイルである場合、高分子鎖33はポリシロキサン鎖を含むものが好ましい。ポリシロキサン鎖は、側鎖にメチル基、エチル基、プロピル基など炭素数1〜3のアルキル基を有していてもよい。また、高分子鎖33は、ポリシロキサン鎖を主鎖に含んでいてもよく、側鎖に含んでいてもよいが、ポリシロキサン鎖が主鎖に含まれる直鎖型であることが好ましい。直鎖型のものの方が、上記立体排除効果を発現する際に有利となる。
高分子鎖33は、適宜分散媒30における電気泳動粒子31の帯電を制御する帯電制御基を有することとしてもよい。帯電制御基としては、電子が偏在した主骨格を有する分極基や、イオン対を形成する主骨格を有する帯電基が挙げられる。これらの基を有することで、高分子鎖33は電気的な偏りや電荷が変化することとなるため、帯電制御基の種類や量を制御することで、電気泳動粒子31全体の帯電性を制御することができる。
本実施形態の分散液は、以下の2つの要件を備えている。
(要件1)高分子鎖33の数平均分子量(Mn)は、5000以上100000以下
(要件2)第1の色粒子の表面に付着した高分子鎖33の数平均分子量と、第2の色粒子の表面に付着した高分子鎖33の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下
(要件1)
上記要件1で規定する高分子鎖33の数平均分子量は、分散液中の電気泳動粒子31における高分子鎖33の広がり範囲に対応しており、立体排除効果に影響する値である。すなわち、要件1は、上述した「立体排除効果」の範囲を規定している。高分子鎖33の数平均分子量が5000以上だと、十分な立体排除効果が期待でき、数平均分子量が100000以下だと、分散媒中で電気泳動粒子の移動が阻害されない。
(要件2)
上記要件2で規定する値は、分散液中の第1の色粒子と第2の色粒子との間に介在する高分子鎖33の長さに対応する。それぞれ異なる極性で帯電する第1の色粒子および第2の色粒子は、分散媒中で凝集しやすいが、表面を修飾する高分子鎖33の合計が25000以上であると、凝集を抑制することができる。また高分子鎖33の上限は、第1粒子と第2粒子とのそれぞれに含まれる高分子鎖33が、要件1の規定における最大値を示す場合の値である。
なお、本明細書において「数平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された、ポリスチレン換算の数平均分子量のことを指す。
本実施形態の分散液に含まれる電気泳動粒子においては、高分子鎖33の分子量の制御は、例えば以下のようにして行うことができる。ここでは、高分子鎖がポリシロキサン鎖を含むものを例にあげて説明する。
まず、高分子鎖33に対応する分子量を有するシリコーンオイルを用意する。シリコーンオイルの末端のケイ素原子には、ビニル基、アリル基などの炭素−炭素二重結合を有する官能基を結合させておく。このようなシリコーンオイルとしては、例えば下記式(1)の化合物が挙げられる。
Figure 0006372129
上記式(1)は、ポリシロキサン鎖を有し、末端ケイ素原子にビニル基が結合し、側鎖の有機基がメチル基である化合物(シリコーンオイル)である。式中nは重合度を示す自然数である。
次いで、上記式(1)のシリコーンオイルと、下記式(2)で示す化合物とを、有機溶媒中、白金触媒と混合し加熱して反応させ(ヒドロシリル化反応)、反応生成物を得る。下記式(3)で示す反応式においては、上記式(1)で示す化合物と、下記式(2)で示す化合物の一例としてのトリメトキシヒドロシランと、の反応を示している。
Figure 0006372129
(式中、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子、ヒドロキシ基およびアルコキシ基から選ばれる基であり、aは1から3の自然数である。Xを複数有する場合、複数のXは互いに同じであってもよく異なっていてもよい)
Figure 0006372129
次いで、上記式(3)で得られた反応生成物と、色粒子とを有機溶媒中で混合して加熱し、色粒子の表面に高分子鎖を付着させた粒子(第1粒子または第2粒子)を得る。
上記反応では、出発物質であるシリコーンオイルの数平均分子量を制御することにより、容易に高分子鎖33の数平均分子量を制御することができる。また、上記反応により、第1粒子と第2粒子とをそれぞれ用意し、適宜混合することで、本実施形態の分散液に含まれる電気泳動粒子を調整することができる。
なお、高分子鎖33の調整方法は上記方法には限らない。まず、上記式(2)の化合物のような高分子鎖を色粒子の表面に付着または結合させるための化合物(化合物Bと称する)を色粒子の表面に付着または結合させる。その後、上記式(1)の化合物のような「高分子鎖」の数平均分子量を規定する化合物(化合物Aと称する)と、色粒子の表面に付着または結合した化合物Bとを反応させて化学結合を生じさせる、という方法で調整してもよい。この場合も、化合物Aとして所望の数平均分子量を有する化合物を用いることで、容易に高分子鎖33の数平均分子量を制御することができる。
このような電気泳動粒子は、分散液中で凝集が抑制され、異符号の帯電粒子の粒子間距離が広がるため、電圧印加時の分離が容易となる。その結果、このような電気泳動粒子を有する分散液を電気泳動表示装置に用いた場合に、白反射率の向上につながる。また、応答速度の低下を抑制することができる。
なお、電気泳動粒子31においては、第1の色粒子の総表面積と第2の色粒子の総表面積とを比較したとき、相対的に総表面積が小さい色粒子の表面を修飾する高分子鎖33は、相対的に総表面積が大きい色粒子の表面を修飾する高分子鎖33よりも、数平均分子量が小さいことが好ましい。また、相対的に総表面積が小さい色粒子とは、他方の色粒子と比較して相対的に反射率が低い粒子であることが好ましい。粒子の総表面積とは、分散液に含まれる第1または第2の色粒子の、表面積の総和を意味する。
本実施形態の分散液においては、第1粒子として黒色粒子31b、第2粒子として白色粒子31aを用いている。黒色粒子31bは光を吸収して発色するため、少量で明瞭な黒色を発色する。これに対し、白色粒子31aは光を散乱して発色するため、共存する黒色粒子の色を遮蔽するために黒色粒子よりも相対的に多い体積の粒子が必要である。そのため、電気泳動粒子31には、黒色粒子31bよりも白色粒子31aが多く含まれていることが好ましい。そのような場合、分散液に含まれる2種の帯電粒子のうち、相対的に量が少ない黒色粒子31bを積極的に泳動させて表示を行う方が、応答速度の面では有利となる。
その場合、黒色粒子31bに含まれる色粒子(第1の色粒子)の総表面積と、白色粒子31aに含まれる色粒子(第2の色粒子)の総表面積と、を比較した場合に、第1の色粒子の方が、第2の色粒子よりも総表面積が小さくなるように配合し、さらに黒色粒子31bに含まれる色粒子の表面を、白色粒子31aの高分子鎖よりも数平均分子量が小さい高分子鎖で修飾するとよい。このような高分子鎖を有する黒色粒子は、高分子鎖が隣接する粒子の高分子鎖と絡み合いにくくなり、高分子鎖33により泳動が阻害されにくく、良好な応答速度を実現することができる。
また、電気泳動粒子31においては、高分子鎖33の付着量は、色粒子32の質量に対して3%以上10%以下であることが好ましい。高分子鎖33の付着量が3%以上であると、立体排除効果を発現するために十分な量の高分子鎖33で色粒子の表面を修飾することとなる。そのため、粒子の凝集が抑制され、白反射率の向上につながる。また、高分子鎖33の付着量が10%以下であると、高分子鎖が隣接する粒子の高分子鎖と絡み合いにくくなり、高分子鎖33により泳動が阻害されにくく、良好な応答速度を実現することができる。
本実施形態の分散液は、以上のような構成となっている。
[電気泳動表示装置の製造方法]
続いて、上述のように形成した電気泳動粒子31を用いて電気泳動表示装置100を製造する方法について図4、5を参照して説明する。図5、6は、電気泳動表示装置100の製造工程を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、まず、セルマトリクス4を用意する。本実施形態では、予めセルマトリクス4の基部13側の面に接着層20を介して素子基板1が貼り付けられたものを用いる。
次に、図4(b)に示すように、セルマトリクス4の各セル15内に電気泳動層11を供給する。本実施形態では、複数の電気泳動粒子31と分散媒30とを有する分散液を各セル15内に配置する。
なお、各セル15内への電気泳動層11の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種塗布法が挙げられるが、これらの中でも、滴下法、又はインクジェット法を用いるのが好ましい。滴下法、又はインクジェット法によれば、電気泳動層11を目的とする収容部に対して選択的に供給することができることから、セル15内に無駄なく、且つより確実に供給することができる。
次に、図4(c)に示すように、電気泳動層11が供給されたセルマトリクス4の開口部側を封止膜5の形成材料であるPVAで覆って、セルマトリクス4の各セル15内に電気泳動層11を封じ込める。本実施形態では、セル15内に電気泳動層11を供給した後で、一定の待機時間を設けた後、上記封止工程を行うようにしている。これにより、セル15の中心部において電気泳動層11の表面(即ち、液面)を低下させることができ、その断面視による形状を凹状にすることができる。
封止膜5の成膜方法は、例えば下記の通りである。すなわち、PVAを例えば水、又は親水性の液体(一例として、メタノール又はエタノール)に溶かして液状にし、封止液を作成する。例えば、PVAを水に溶かして3質量%〜40質量%の封止液を作成する。次に、この封止液5Aをセルマトリクス4の開口部側に塗布する。電気泳動層11は親油性であり、封止液5Aは親水性であり、電気泳動層11と封止液5Aは混和しない。
なお、封止液5Aの塗布工程では、例えば、スキージ17を用いてセルマトリクス4の開口部側の全面に封止液5Aを一様に塗布する。また、封止液5Aの塗布方法は、これ以外の方法でもよく、例えば、ダイコーターやコンマコーターを用いた塗布方法が挙げられる。
なお、封止液5Aに架橋剤を添加するようにしてもよい。架橋剤としては、例えば、ホウ酸水溶液を添加する。ホウ酸水溶液にはホウ酸イオンが含まれている。封止液5Aにおいて、ホウ酸イオンはPVAの分子同士を連結(即ち、ゲル化)させる。このゲル化は多点の分子間力(水素結合、配位結合、共有結合など)によるものである。これにより、封止液5Aの粘度を例えば1000mPa・s以上にすることができ、ゲル状のPVA水溶液を得ることができる。これにより、封止液5Aの取り扱いが容易となり、製造工程を簡便化することができる。
次に、図5(a)に示すように、塗布した封止液5Aを乾燥して硬化させる。例えば、封止液5Aを室温〜50℃程度の温度環境下に放置して、これを乾燥させて硬化させる。
乾燥処理の所要時間は、封止液5Aの厚さにもよるが、例えば数分から数時間程度である。封止液5Aの膜中におけるPVAの濃度が高いため、封止液5Aの乾燥を自然乾燥、又は比較的低温で行うことができる。以上により、セル15内に供給された電気泳動層11の露出部分上に封止膜5が形成される。これにより、電気泳動層11がセル15内に密閉性高く封止されることとなる。この乾燥処理では、封止液5Aに含まれる水分が揮発(すなわち、蒸発)するため、封止膜5の厚さが塗布直後と比較して薄くなる(図4(c)、図5(a)参照)。
次に、図5(b)に示すように、対向電極6を有する対向基板2を用意する。本実施形態では、電気泳動表示装置100に可撓性を付与するため、対向基板2として可撓性を有する樹脂基板を選択した。そして、対向基板2を不図示の接着層を用いてセルマトリクス4に貼り付ける。その後、対向基板2の外周を囲むように不図示のシール材を配置する。
以上の工程を経て、図1に示した電気泳動表示装置100が完成する。
以上のような構成の分散液によれば、粒子の凝集を抑制することで白表示時の光反射率を向上させることができ、かつ応答速度の低下を抑制することができる。そのため、高いコントラストの画像表示が可能であり、高い表示性能を有する分散液を提供することができる。
また、以上のような構成の電気泳動表示装置によれば、上述の分散液を含むので、高いコントラストの画像表示が可能であり、高品質の表示性能を有するものとなる。
[電子機器]
次に、本発明の電子機器の実施形態について説明する。
図6は、本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。
図6(a)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック(電子機器)400は、ブック形状のフレーム401と、このフレーム401に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー402と、操作部403と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部404と、を備えている。
図6(b)は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。この腕時計(電子機器)500は、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部501を備えている。
図6(c)は、電子機器の一例である電子ペーパーを示す斜視図である。この電子ペーパー(電子機器)600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部601と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部602を備えている。
以上の電子ブック400、腕時計500及び電子ペーパー600によれば、本発明に係る電気泳動表示装置が採用されているので、高いコントラストの画像表示が可能であり、高品質の表示が可能な電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部や、マニュアル等の業務用シート、教科書、問題集、情報シート等にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、電気泳動表示装置100として、素子基板1と対向基板2との間に設けられたセル15内に電気泳動層(分散液)11が収容された構造を例に挙げたが、これに限定されず、分散液を収容したマイクロカプセルを素子基板1と対向基板2との間に配置した構成を採用してもよい。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、以下の分散液を用いた。
<分散液>
(粒子)
A粒子(白色粒子):チタニア(CR97、石原産業社製)の表面を、主鎖に数平均分子量10000のシロキサン構造を有する高分子で修飾。1次粒子径250nm
B粒子(黒色粒子):チタンブラック(SC−13M−T、三菱マテリアル社製)の表面を、主鎖に数平均分子量10000のシロキサン構造を有する高分子で修飾。1次粒子径75nm
C粒子(黒色粒子):チタンブラックの表面を、主鎖に数平均分子量16000のシロキサン構造を有する高分子で修飾。
D粒子(白色粒子):チタニアの表面を、主鎖に数平均分子量25000のシロキサン構造を有する高分子で修飾。
E粒子(白色粒子):チタニアの表面を、主鎖に数平均分子量60000のシロキサン構造を有する高分子で修飾。
白色粒子、黒色粒子の粒子径は、動的光散乱法を測定原理として測定。
(分散媒)
分散媒:シリコーンオイル(KF-96L−2cs、信越シリコーン社製)
(分散液)
上記A粒子〜E粒子を適宜混合し(後述)、上記分散媒に分散させて調整。分散液の粒子濃度:40質量%
<水準1>
(実施例1)
A粒子:C粒子=7:1(質量比)で混合した分散液1について、下記方法で光反射率を測定した。
上記分散液を、下記テストセルに封入したものについて色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用いて測定し、光反射率を求めた。具体的には、光源としてリング光源を用い、リング光源から照射した光をテストセルで反射させ、反射光の光量を色彩輝度計で測定した。
(テストセル)
テストセル:一対のガラス基板(0.5mm厚、ITO電極付き)で封入空間を形成
基板間の離間距離 30μm
測定時の電圧:所定の電圧印加後、充分に粒子が移動する時間が経過した後に反射率を測定。
(比較例1)
A粒子:B粒子=7:1(質量比)で混合した分散液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液の光反射率を測定した。
図7は、実施例1および比較例1の分散液1,2について、印加電圧と白表示時の光反射率との関係を示すグラフである。図7において、横軸は測定時の印加電圧(単位:V)、縦軸は光反射率(単位:%)を示している。縦軸の値は、比較例1において印加電圧10Vの条件での測定結果を100とした相対値を示している。
図8は、図7に示す結果に基づいて、比較例1の分散液に対する実施例1の分散液の、光反射率の上昇率を示すグラフである。図8では、各印加電圧における比較例1の分散液の光反射率を100%として示している。
図に示すように、実施例1の分散液によれば、比較例1の分散液よりも光反射率が向上することが確かめられた。
図9は、実施例1および比較例1の分散液1,2について、表示応答性能を測定したグラフであり、電圧印加時間と光反射率との関係を示すグラフである。図9(a)は、黒表示から白表示に変化させる際の表示応答性能を示し、図9(b)は、白表示から黒表示に変化させる際の表示応答性能を示す。
図9において、横軸は電圧印加時間(単位:秒)、縦軸は光反射率(単位%)を示している。
図に示すように、黒色粒子の高分子鎖の数平均分子量を、10000から16000に高分子量化しても、応答速度にはほぼ影響がないことが分かった。
図7〜9に示す結果から、実施例1の分散液では、比較例1の分散液と比べ、応答速度は維持したままで、光反射率を向上させることが可能であることが分かった。
<水準2>
(実施例2)
D粒子:B粒子=12:1(質量比)で混合した分散液3を用いたこと、測定時の印加電圧を10Vとしたこと以外は実施例1と同様にして、分散液の光反射率を測定した。
(実施例3)
E粒子:B粒子=12:1(質量比)で混合した分散液4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液の光反射率を測定した。
図10は、実施例2,3についての白表示時の光反射率を示す。図中の光反射率は、実施例2について測定した値を100%としたときの相対値である。
図に示すように、白色粒子の表面を修飾する高分子鎖を高分子量化することにより、白表示時の光反射率が向上することが分かった。黒表示時の光反射率について別途測定したところ、実施例2,3に差が見られなかったため、コントラスト(白反射率/黒反射率)が向上することが分かった。
以上の結果から、本発明が有用であることが確かめられた。
1,2,3,4…分散液、11…電気泳動層(分散液)、30…分散媒、31…電気泳動粒子、32…色粒子、33…高分子鎖、100…電気泳動表示装置、400…電子ブック(電子機器)、500…腕時計(電子機器)、600…電子ペーパー(電子機器)

Claims (5)

  1. 色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、
    前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、
    前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、
    前記第1粒子は、正に帯電しており、
    前記第2粒子は、負に帯電しており、
    前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、
    前記第1粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、
    前記第1粒子の総表面積と前記第2粒子の総表面積とを比較して、相対的に総表面積が小さい色粒子を修飾する前記高分子鎖は、相対的に総表面積が大きい色粒子を修飾する前記高分子鎖よりも数平均分子量が小さい分散液。
  2. 色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、
    前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、
    前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、
    前記第1粒子は、正に帯電しており、
    前記第2粒子は、負に帯電しており、
    前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、
    前記第1粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、
    前記高分子鎖の付着量は、前記色粒子の質量に対して3%以上10%以下である分散液。
  3. 色粒子と、前記色粒子の表面を修飾する高分子鎖と、を有する電気泳動粒子と、
    前記電気泳動粒子を分散させる分散媒と、を備え、
    前記電気泳動粒子は、複数の第1粒子と複数の第2粒子とを有し、
    前記第1粒子は、正に帯電しており、
    前記第2粒子は、負に帯電しており、
    前記高分子鎖の数平均分子量は、5000以上100000以下であり、
    前記第1粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量と、前記第2粒子の表面に付着した前記高分子鎖の数平均分子量との合計が、25000以上200000以下であり、
    前記高分子鎖は直鎖型である分散液。
  4. 一対の基板と、
    前記一対の基板間に挟持された電気泳動層と、を備え、
    前記電気泳動層が請求項1からのいずれか1項に記載の分散液を含む電気泳動表示装置。
  5. 請求項に記載の電気泳動表示装置を備えた電子機器。
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