JP6357632B2 - 像安定化機能を備えた望遠鏡及びその双眼光学装置 - Google Patents

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Description

この発明は、手に保持された望遠鏡、特に単対物望遠鏡、が外部からの振動や衝撃等を受けることで生じる鏡体の手振れによって、望遠鏡の光軸に対する観察対象から射出される光束の射出角度が変動することで生じる光学像のぶれに起因する観察像の品質劣化を補償し物体像を安定して観察することができる像安定化機能を備えた望遠鏡に関する。
手で保持した単眼望遠鏡あるいは双眼望遠鏡等の望遠鏡を通して遠方の観察対象を観察する場合、特に移動中の航空機、船舶あるいは車両等内に持ち込んで手持の望遠鏡によって観察対象(物体)を観察する場合、航空機、船舶あるいは車両等の振動や衝撃(以下振動等と記す)が望遠鏡を保持する手を介して望遠鏡の鏡体に加わり、それが原因で望遠鏡は所謂手振れを起こすことになる。この望遠鏡の手振れによって観察対象から出射する光束の出射角度が望遠鏡の光軸に対して変動する。その結果、望遠鏡によって形成された観察対象の光学像(すなわち観察像)が振動し(ぶれ)たり解像度が悪化する等して、観察像が劣化してしまうことがある。
望遠鏡においては、通常その視界が狭く、また対物レンズによって形成された光学像が接眼レンズによって拡大されて観察されるので、望遠鏡の鏡体に加わる外部振動等の振幅がたとえ小さい場合であっても、観察像の劣化を無視することができない。
これまでに、望遠鏡鏡体の手振れに起因する観察像の光学的品質劣化を補償する像安定化装置、及びその像安定化装置を備えた望遠鏡が種々提案されている。
本出願人の発明である特許文献1に記載された像安定化装置は、単眼望遠鏡であれ双眼望遠鏡であれいずれの望遠鏡にも適用可能であるが、特に単眼望遠鏡に適用した場合の実施例について詳細に説明されている。
この像安定化装置は、単眼望遠鏡の対物レンズと接眼レンズの間の光軸上に配置され該光軸に直交しかつ互いに直交する二軸の回りに回動可能なジンバル懸架装置とこのジンバル懸架装置に装着された正立プリズムを含む像安定化光学系により構成されている事を特徴としている。
特許文献2は、望遠鏡の対物レンズ光学系と接眼レンズ光学系の間の光軸上に配置された頂角を変えることができる可変プリズムを含む像安定化光学系より構成されている事を特徴とする像安定化装置を記載している。
また、特許文献3に記載された像安定化装置は望遠鏡の対物レンズ光学系の後方の光軸上に配置されたレンズ光学系を光軸に直交する方向へ移動する構成を特徴としている。
特許文献1記載の像安定化装置は特許文献2及び3記載のいずれの像安定化装置に比べても補償可能な単眼望遠鏡の鏡体の手振れ量が大きいという利点を有している。
US2014/0092476A1 特開平07−043647 特開2001−116989
しかしながら、正立プリズムを対物レンズと接眼レンズとの間の光軸上に配置されたジンバル懸架装置に装着した像安定化光学系を備えた単眼望遠鏡にあっては、外部振動等に起因する望遠鏡の鏡体の手振れによって生じる観察像の品質劣化を十分に補償することができるが、単眼望遠鏡は常にいずれか一方の目で観察対象を観察するために、眼が疲れやすいという問題がある。
さらに、単眼望遠鏡全体を小型化及び/あるいは軽量化すると、観察者が小型軽量化された単眼望遠鏡を手で保持する場合、観察者が観察中に単眼望遠鏡を手で安定に保持し続けることが困難になり、単眼望遠鏡は不安定に動揺する。その結果、単眼望遠鏡の接眼レンズの射出瞳に対する観察者の眼の瞳の相対位置が変動して(ずれて)しまい、観察対象の観察がし難くなるという不都合が生じるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、対象物の観察中に観察者が使用中の眼に疲労を覚え難く、観察者の眼の相対的瞳位置が変動して観察がしづらいという問題が生じない像安定化機能を備えた単対物望遠鏡を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために本発明は、対物光学系と、接眼光学系と、前記対物光学系と前記接眼光学系との間の光軸上に配置され前記光軸に直交しかつ互いに直交する回動軸を有するジンバル懸架手段に装着された正立プリズムより構成された像安定化機能を備えた単対物望遠鏡であって、前記接眼光学系は前記正立プリズムの後方の前記光軸上に設けられ前記光軸を2方向に分岐する分岐光学手段と、2方向に分岐された分岐光軸を前記光軸と平行にする一対の偏向光学手段と、2分された前記分岐光軸上にそれぞれ設けられた接眼レンズにより構成された双眼光学装置であることを特徴とする望遠鏡である。
また本発明は、対物光学系と正立プリズムを同一光軸上に有する望遠鏡に装着される双眼光学装置であって、前記正立プリズムの後方の前記光軸上に設けられ前記光軸を2分する分岐光学手段と、2分された前記分岐光軸を前記光軸と平行にする一対の偏向光学手段と、2分された前記分岐光軸上にそれぞれ設けられた接眼レンズにより構成されている双眼光学装置である。
また本発明は、対物光学系と正立プリズムを同一光軸上に有する望遠鏡に装着される双眼光学装置であって、前記正立プリズムの後方の前記光軸上に設けられ前記光軸を2分するとともに射出する光量を不均等に分割する分岐光学手段と、2分された前記分岐光軸を前記光軸と平行にする一対の偏向光学手段と、2分された前記分岐光軸上にそれぞれ設けられた接眼レンズにより構成されている双眼光学装置である。
本発明によれば、単対物光学系で形成された光学像が望遠鏡の鏡体に加わる外部振動等に起因する望遠鏡の手振れによって生じる観察像の品質劣化を十分に補償することができる上に、観察像を双眼光学装置を介して両眼で観察することが出来るため単眼望遠鏡による観察時に生じる眼精疲労を回避する事ができる。
さらに、観察者は双眼光学装置を両手で安定に保持することができるので双眼光学装置の動揺が抑制され、その結果、観察中に観察者の眼の瞳と双眼光学装置の接眼レンズの射出瞳との相対位置の変動が低減され、観察像の視認性が向上する。
また、通常は双眼視による観察像は単眼視による観察像に比し明るさが減少してしまうが、分岐光学手段による光量の分割比を、望ましくは7:3ないし8:2の範囲内で、不均等に設定することによって、観察像の明るさが改善される。従って、両手で保持された双眼光学装置が安定して視認性が向上することに加えて、分岐光学手段の光量分割比を不均等に設定することで観察像の明るさが改善され観察像の視認性がさらに向上する。
像安定化機能を有する単眼望遠鏡の概略説明図である。 図1Aに示された単眼望遠鏡の像安定化に関する基本的な原理を説明する概略説明図である。 単眼望遠鏡の正立プリズムを懸架するジンバル懸架装置を例示する図1AのA−A断面に沿う断面図である。 本発明の一実施例である像安定化機能を有する単対物双眼望遠鏡を示す概略図である。
本発明の像安定化機能を有する望遠鏡の基本的な原理を図1A及び図1Bを参照して説明する。
図1Aは従来周知の像安定化機能を有する単対物単眼望遠鏡(以下単眼望遠鏡と略記する)1を示している。単眼望遠鏡1は鏡体2内に光軸Xを有する望遠鏡光学系3が設けられている。この望遠鏡光学系3は、鏡体2の物体側の端部に固定保持された対物レンズ4、鏡体2の観察側の端部に固定保持された接眼レンズ5及び対物レンズ4と接眼レンズ5との間に配置された正立プリズム6、例えばシュミットの正立プリズム、により構成されている。シュミットの正立プリズムはプリズム6aとプリズム6bとから成り、プリズム6bにダハ面が形成されている。このような正立プリズムは入射光軸と出射光軸とを同一直線上にとることが出来る。
正立プリズム6は後述する鏡体2内に固定配置されたジンバル懸架装置9に装着されている。このジンバル懸架装置9に懸架された正立プリズム6が対物レンズ4及び接眼レンズ5と協同することによって望遠鏡光学系3に像安定化機能を付与している。
ジンバル懸架装置9は正立プリズム6を光軸Xに直交しかつ互いに直交する回転軸(図2中符号54及び55参照)の回りに回動可能に保持している。一方このジンバル懸架装置9はその回転軸と光軸Xとの交点をとする時、交点は対物レンズ4の中心から正立プリズム6の入射面までの光学距離(光路長)Lと、正立プリズム6の入射面と出射面との間の機械的距離M及び正立プリズム6の出射面から接眼レンズ5の中心までの光学距離(光路長)Nの和S(S=L+M+N)の中点に位置するように設定されている。厳密にいえば、対物レンズ及び接眼レンズは実際にはいずれも肉厚を有する複数枚のレンズによって構成されているのが普通であるので、前記ジンバル懸架装置9の回転軸と光軸Xとの交点の位置は、対物レンズ4の後側主点と正立プリズム6の入射面との間の光学距離(光路長)と、正立プリズム6の入射面と出射面との間の機械的距離及び正立プリズム6の出射面と接眼レンズ5の前側主点との間の光学距離(光路長)の中点に位置するように設定される。
以下の単眼望遠鏡における像安定化に関する基本的な原理の説明においは、対物レンズ及び接眼レンズは薄肉レンズ系として説明する。
図1Bは図1Aに示された単眼望遠鏡1の像安定化に関する基本的な原理を説明する図であり、観察者が鏡体2を手で保持して望遠鏡光学系3の光軸Xが水平となる初期の位置(初期位置)に単眼望遠鏡1を維持している状態(図1A参照)において、外部振動等が観察者の手を介して単眼望遠鏡1の鏡体2に加えられた結果、あるいは単眼望遠鏡1の鏡体2を保持している観察者の手自体が振動等を生じた結果、鏡体2に固定装着された単眼望遠鏡光学系3の対物レンズ4と接眼レンズ5が初期位置の水平状態に対して加えられた振動等の大きさに応じた角度、例えば図1Bに示すように角度θ、傾いた位置(傾斜位置)をとる。この傾斜位置における望遠鏡光学系3の光軸Xdは初期位置の望遠鏡光学系3の光軸Xと角度θ傾いている。
この時、ジンバル懸架装置9はこの望遠鏡光学系3の光軸の角度変化θ、あるいはそれと等価な物理量、を検出して懸架された正立プリズム6が図1Aに示す初期状態を維持するように制御する。
単眼望遠鏡1の傾斜位置においてジンバル懸架装置9の制御により正立プリズム6が初期位置にある図1Bに示された状態(像安定化状態)において、傾斜位置にある対物レンズ4の中心を通り初期位置にある望遠鏡光学系3の光軸Xと平行に入射高hiの位置で正立プリズム6に入射する光線Liは正立プリズム6を通り、正立プリズム6の初期位置の光軸Xに関して入射光線Liと反対側の射出高he (he = hi)の位置から初期位置にある光軸Xと平行に射出光線Leとして射出し、傾斜位置にある接眼レンズ5の中心を通って進む。正立プリズム6はその入射光軸と射出光軸が同一直線上にとることが出来るから、正立プリズム6の入射面に垂直に入射高hiの位置から入射する入射光線は正立プリズム6の射出面の射出高heの位置から垂直に射出する。すでに説明したようにジンバル懸架装置9の回転軸と光軸との交点は対物レンズ4の中心から正立プリズム6の入射面までの光学距離(光路長)Lと、正立プリズム6の入射面と出射面との間の機械的距離M及び正立プリズム6の出射面から接眼レンズ5の中心までの光学距離(光路長)Nの和S(S=L+M+N)の中点に位置しているから、正立プリズム6の射出面から射出する光線Leはその射出高heが入射高hiと等しく初期位置の光軸Xに平行であり、傾斜位置にある接眼レンズ5の中心を通ることとなる。
以上説明したように、初期位置においても傾斜位置においても対物レンズ4の中心に入射する入射光線Liと接眼レンズ5の中心を通って進む射出光線Leはともに望遠鏡光学系3の初期位置の光軸Xに平行になるので、単眼望遠鏡1は鏡体2に振動等が加わった場合でも安定した鮮鋭な観察像が得られる。
図2はジンバル懸架装置9の一例を示ものであり図1のA−A断面に沿う断面図である。ここに例示するジンバル懸架装置9は支持枠体51、外枠52及び内枠53で構成されている。
外枠52は該外枠52の左右の側壁に設けられた回転軸62と支持枠体51の左右の側壁に設けられた軸受63を介して水平軸54の周りに回動自在に支持枠体51に支持されており、一方、内枠53は該内枠53の上下壁に設けられた回転軸64と外枠52の上下壁に設けられた軸受65を介して垂直軸55の周りに回動自在に外枠52に支持されている。内枠53は正立プリズム6を固定保持しており、支持枠体51は単眼望遠鏡1の鏡体2内に固定装着されジンバル懸架装置9を単眼望遠鏡1の鏡体2内に支持している。
ジンバル懸架装置9は二基のボイスコイルモータ、すなわち外枠52を回動制御する第一のボイスコイルモータ561と内枠53を回動制御する第二のボイスコイルモータ562を備えている。第一のボイスコイルモータ561は楕円環状のコイル581、該コイル581の楕円状の空間内のほぼ中央部に配置された位置検出素子571とヨーク板591で構成された第一ヨーク部と、永久磁石601とヨーク板611で構成された第二ヨーク部とで構成されている。これら第一と第二のヨーク部は支持枠体51と外枠52のそれぞれの上壁に所定の空隙を設けて分離配置されている。また、第二のボイスコイルモータ562は楕円環状のコイル582、該コイル582の楕円状の空間内のほぼ中央部に配置された位置検出素子572とヨーク板592で構成された第一ヨーク部と、永久磁石602とヨーク板612で構成された第二ヨーク部とで構成されている。これら第一と第二のヨーク部は外枠52と内枠53のそれぞれの上壁に所定の空隙を設けて分離配置されている。
第一のボイスコイルモータ561は外枠52の上壁外面上に延設されたボイスコイルモータ駆動回路が形成された回路基板66上と支持枠体51上に分離配置されている。詳しくは、回路基板66の外面側(支持枠体51に対向する側)には第一のヨーク部の楕円環状コイル581と位置検出素子571が、内面側には第一のヨーク部のヨーク板591が夫々固定配設されており、支持枠体51の内面側には第一のヨーク部に対向するように 第二のヨーク部の永久磁石601とヨーク板611が固定配設されている。この第一のボイスコイルモータ561では外枠52に固定配設された第一ヨーク部がモータの可動子として機能し、支持枠体51に固定配設された第二ヨーク部がモータの固定子として機能する。
また、第二のボイスコイルモータ562は外枠52の上壁外面上に延設された回路基板66上と内枠53上に分離配置されている。詳しくは、回路基板66の内面側には第一のヨーク部の楕円環状コイル582と位置検出素子572が、外面側には第一のヨーク部のヨーク板592が夫々固定配設されており、内枠53の外面側には第一のヨーク部に対向するように第二のヨーク部の永久磁石602とヨーク板612が固定配設されている。この第二のボイスコイルモータ562では外枠52に固定配設された第一ヨーク部がモータの固定子として機能し、内枠53に固定配設された第二ヨーク部がモータの可動子として機能する。
ジンバル懸架装置9は正立プリズム6が装着された内枠53に角速度センサー70を固定装着しており、手振れ等の単眼望遠鏡1の鏡体2の振動で生じる角度変位を検出して正立プリズム6の動きを打ち消す目標値を与えることにより、位置検出素子の出力に基づく位置サーボと、角速度センサーの出力に基づく角速度サーボの二重帰還ループを構成している。なお、ボイスコイルモータ駆動回路は周知の種々の形態の駆動回路を利用することができる。
図3は本発明の一実施例である像安定化機能を備えた単対物双眼望遠鏡を示すものである。単対物双眼望遠鏡100は単対物望遠鏡本体部101と双眼光学装置102とによって構成されている。単対物望遠鏡本体部101は、鏡体112の内部に望遠鏡光学系103の一部を構成する対物レンズ113と、図2に例示されたジンバル懸架装置119に装着されたシュミットの正立プリズム116を望遠鏡光学系103の光軸(以下望遠鏡光軸と記す)X上に備えており、これによって、望遠鏡光学系103に像安定化機能を付与している。
単対物望遠鏡本体部101と双眼光学装置102はバヨネットマウント方式やスクリューマウント方式の周知のマウント手段104を介して着脱自在に構成されている。このような着脱自在なマウント手段104を採用することで単対物望遠鏡本体101は双眼光学装置102と図示せぬ単眼観察装置を簡便な操作で交換し観察者は双眼視観察にも単眼視観察にも使用することができる。
双眼光学装置102は双眼光学装置鏡体121の内部に組み込まれ、望遠鏡光学系103の一部を構成する光軸分岐手段130と光軸偏向手段140及び双眼接眼手段150によって構成されている。
光軸分岐手段130は例えばハーフミラー131を有するビームスプリッター132で構成され、望遠鏡光軸Xを透過方向に分岐した左接眼光軸XLと反射方向に折曲分岐した右接眼光軸XRへ二分する。
光軸偏向手段140は、透過方向に分岐した左接眼光軸XLを直角プリズム141と142によって左側(図中下方)に折り曲げた後に望遠鏡光軸Xと平行方向へ偏向する左光軸偏向手段140Lと、反射方向に折曲分岐した右接眼光軸Xを直角プリズム143と平行平面を備えた光路長調整用のガラスブロック144によって右側(図中上方)に折り曲げた後に望遠鏡光軸Xと平行方向へ偏向する右光軸偏向手段140Rで構成されている。
双眼接眼手段150は左右一対の接眼レンズ150L及び150Rから成り、それぞれ左右の接眼光軸X及び軸X上に配設されている。左右の接眼レンズ150L及び150Rの光軸方向の機械的位置はガラスブロック144によって光路長が調整されることによって光軸方向の同一位置に合わせられている。
上記双眼光学装置102において、光路偏向手段140の左右の光軸偏向手段140L及び140Rに用いられたプリズムはミラーに置換することが出来る。
ところで、以上に説明した双眼光学装置を用いると、両手で保持された単対物望遠鏡は安定し、従って観察像が安定して視認性が向上する。一方、単眼視による対象物の観察と双眼視による対象物の観察とを比較した場合、双眼視では単眼視に比べて観察像が暗くなるという問題が生じる。
単対物望遠鏡に双眼光学装置を装着して両眼で対象物を観察する場合、1つの像を2つに分割するので、光量分割比が50%対50%であるビームスプリッターを使用して像を2分割するとそれぞれの眼に入る光量は単対物望遠鏡に入射する全光量の半分になってしまう。左右の眼の感受性をそれぞれBL及びBRとすると双眼視の場合の感受性Bは下記の数式Iによって表されることが経験的にわかっている。
(数I)
B = √(BL 2 + BR 2)
ビームスプリッターの光量分割比が50%:50%の場合、両眼による感受性は以下の数式IIによって求められる。
(数II)
B = √(0.52 + 0.52) = 0.7
即ち、単眼視の場合の明るさを1とすると双眼視では明るさは0.7倍の明るさになってしまう。
そこで本発明の双眼光学装置では光軸分岐手段140であるビームスプリッター132が射出光量を透過方向と反射方向で不均等に分割するような光量分割比を有している。具体的にはビームスプリッター132のハーフミラー131の透過率/反射率の値が1でないことを特徴としている。光量分割比は80%:20%から70%:30%の範囲であることが望ましい。
ビームスプリッターの光量分割比が80%:20%である場合の双眼視における明るさは以下の数式IIIによって与えられる。
(数III)
B = √(0.82 + 0.22) = 0.82
ビームスプリッターの光量分割比が75%:25%である場合の双眼視における明るさは以下の数式IVによって与えられる。
(数IV)
B = √(0.752 + 0.252) = 0.79
さらに、ビームスプリッターの光量分割比が70%:30%である場合の双眼視における明るさは以下の数式Vによって与えられる。
(数V)
B = √(0.72 + 0.32) = 0.76
以上の考察から、双眼視における像の明るさはビームスプリッターの光量分割比を不均等にすることによって明るさは改善され、少なくとも光量分割比が50%:50%の場合の明るさが単眼視の場合の0.7倍に比べて明るくなり、光量分割比を75%:25%程度にすると実用上ほぼ満足出来る明るさで観測することが出来る。
双眼光学装置は左右両手で保持され左右両眼での観察を可能とするのでより安定した光学像を観察することが出来るので、望遠鏡光軸を2分する分岐光学手段の光量分割比を不均等にすることによって左右の光学像の明るさが異なっても不自然さを感じることは少なく、実用上の効果は極めて大きい。
1 単対物望遠鏡
2 鏡体
3 望遠鏡光学系
4 対物レンズ
5 接眼レンズ
6 正立プリズム
9 ジンバル懸架装置
51 支持枠体
52 外枠
53 内枠
54 水平軸
55 垂直軸
561、562 ボイスコイルモータ
66 回路基板
70 角速度センサー
100 単対物双眼望遠鏡
101 単対物望遠鏡本体部
102 双眼光学装置
112 鏡体
103 望遠鏡光学系
113 対物レンズ
119 ジンバル懸架装置
116 正立プリズム
104 マウント手段
121 双眼光学装置鏡体
130 光軸分岐手段
131 ハーフミラー
132 ビームスプリッター
140 光軸偏向手段
140L、140R 左右光軸偏向手段
150 双眼接眼手段
150L、150R 接眼レンズ

Claims (2)

  1. 対物光学系を光軸上に有する望遠鏡に装着される双眼光学装置であって、前記光軸上に設けられ前記光軸を2分する分岐光学手段と、2分された分岐光軸を前記光軸と平行にする一対の偏向光学手段と、2分された前記分岐光軸上にそれぞれ設けられた接眼レンズにより構成され、観察像の明るさを改善する為に前記分岐光学手段の光量分割比を不均等に設定することを特徴とする双眼光学装置。
  2. 前記分岐光学手段の光量分割比は7:3ないし8:2の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の双眼光学装置。
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