JP6355238B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
このため、上記従来の椅子においては、背受け部材を支持する部分の支持剛性を高めることが重要となるが、背受け部材を支持する部分の支持剛性を高めるために背凭れフレーム全体の肉厚を厚くすると、背凭れフレーム全体が大型・重量化し易い等の不具合を生じる。
この場合、背受け部材の下縁部のうちの、前部支持壁と上方延出部の重ね合わせ部との結合部が窪み部の内側に配置され、外部から見えにくくなる。これにより、椅子の外観品質が向上する。
この場合、背受け部材の下縁部が、ボルトとナットによる締結によって前部支持壁と上方延出部方向に強く引き寄せられる力を受けて固定される。また、背受け部材の下縁部は、ナットと前部支持壁及び上方延出部とに強く挟持されて支持されることになる。したがって、背受け部材はより高い剛性をもって支持されるようになる。
この場合、ナットの前面側がカバー部材によって覆い隠されることになり、椅子の外観品質をより高めることが可能になる。
この場合、背受け部材の下縁部と、前部支持壁と上方延出部とは、背凭れフレームの後壁の作業孔を通して結合されるようになり、その結合作業後には、作業孔が閉塞部材によって閉塞される。したがって、作業孔を通して結合作業を容易に行うことができるとともに、結合作業後には、結合部を閉塞部材で遮蔽して椅子の外観品質を高めることができる。
この場合、作業孔を通して、背受け部材の下縁部と前部支持壁及び上方延出部とを、作業位置を確認しながらより容易に結合することができる。
これらの図に示すように、この実施形態に係る椅子1は、フロア上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、支基3の上面側に取り付けられて着座者の臀部を支持する座4と、座4の後方側に配置されて着座者の背部を支持する背凭れ5と、支基3と背凭れ5を連結する背凭れ連結部材である連結ステー6と、座4の下面側の左右の両側部から座4の上方側に延出し、着座者の肘や腕先が載せ置かれる肘掛け7と、を備えている。なお、この実施形態においては、支基3が座4や背凭れ5等の荷重を支持する支持構造体を構成している。
背凭れ5は、これらの図にも示すように、着座者の背部から荷重を受ける背受け部材である背板11と、背板11の背部に取り付けられる強度部材である背凭れフレーム12と、を有している。
背板11は、図2,図8,図10に示すように、樹脂材料によって正面視が縦長の略矩形形状に形成されている。また、背板11は、図1,図3に示すように着座者の腰部に対応する位置(下から三分の一程度上方に上がった位置)が最も前方側に膨出するように上下方向に沿って湾曲して形成されている。背板11は、上縁部11a及び下縁部11bと、左右両側の側縁部11c,11dを残し、中央領域に所定パターンの複数の長孔93…が形成されている。背板11は、この複数の長孔93…により、着座者の背部から荷重が入力されたときに中央領域の柔軟な変形を許容する。
枠状フレーム部12Aの上辺12Aaは、側辺12Ac,12Adに連結される左右の端部に対し、中央領域が後方側に凹状に湾曲している。上辺12Aaの幅方向の中央領域の後面には、図2,図3等に示すように、ヘッドレストやハンガー等のオプション部材を取り付けるための凹部22が設けられている。この凹部22は、オプション部材を用いないときには蓋部材23によって閉塞されている。
また、枠状フレーム部12Aの左右の側辺12Ac,12Adと、各側辺12Ac,12Adの下端に連続する傾斜辺12Ae,12Afの幅方向内側の端部には、前方側に向かって突出する補強リブである内縁リブ25(内側遮蔽壁)が連続して形成されている。
一方、左右の側辺12Ac,12Adの下端側に設けられる第2係合凹部16は、図6,図9に示すように、外縁リブ24よりも幅方向外方側に配置されている。
連結ステー6は、上方側に開口する略コ字状の金属製の前部プレート6Aと、この前部プレート6Aの上面に結合された金属製の肉厚の後部片6Bと、を備えている。前部プレート6Aは左右一対の側壁42,42が前方側に向かって延出し、これらの側壁42,42が支基3内に挿入され、支基3内の図示しない傾動機構に連結されている。
また、この実施形態においては、後部片6Bの傾斜連結部45は屈曲部を持たない平坦な形状に形成されており、ベース部44と上方延出部40を二段階に屈曲したかたちで接続している。しかし、傾斜連結部45は、ベース部44と上方延出部40を三段階以上に屈曲して接続する構造であっても良く、さらに、円弧状に湾曲してベース部44と上方延出部40を滑らかに接続する構造であっても良い。
背凭れフレーム12の前部支持壁28は、図3,図4,図13に示すように、連結ステー6の上方延出部40が収容空間41に収容配置された状態において、当該上方延出部40の前面に沿って延出している。そして、前部支持壁28は、上方延出部40の前面に当接した状態で、上下2本のボルト50,51(第2の締結手段)によって上方延出部40に締結固定されている。上部側のボルト50は、上方延出部40の上方側のボルト挿通孔30に挿入され、そのボルト挿通孔30に埋設されたナット32に螺合される。また、下部側のボルト51は、上方延出部40の下方側のボルト挿通孔31と背板11のボルト挿通孔20に挿入され、背板11のボルト挿通孔20に埋設されたナット21に螺合される。
この実施形態に係る椅子1は、背凭れ5、座4、脚部2等が適宜分解された状態で出荷され、これらが店舗やユーザーの自宅等で組み付けられる。
最初に、脚部2と支基3と座4と連結ステー6は、嵌合やボルト締結等によって適宜組み付けられ、図14に示すように背凭れ5以外の本体部側の部品が一体化される。この状態では、連結ステー6が支基3に取り付けられ、連結ステー6の前部プレート6Aと後部片6Bのベース部44が座4の後方に向かって略水平に延出し、後部片6Bの上方延出部40が傾斜連結部45を介して上方側に向きを変えて延出している。
この後、背凭れフレーム12の後部の作業孔52を閉塞部材53によって閉塞して椅子1の組み付けを完了する。
したがって、この実施形態に係る椅子1においては、背凭れフレーム12全体の不要な肉厚増加等を招くことなく、背板11を支持する部分の支持剛性を効率良く高めることができる。
したがって、この実施形態の構造を採用することにより、背板11を連結ステー6により高い剛性をもって支持させることができる。
この他の実施形態に係る椅子101は、上記の実施形態の椅子1と基本構成はほぼ同様とされているが、背受け部材である背板11の前面側の外縁部とが、カバー部材55によって覆われている点が上記の実施形態の椅子1と異なっている。なお、上記の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省力するものとする。
したがって、この実施形態に係る椅子101の場合、窪み部19やナット21が完全に外部から見えなくなることから、外観品質をより高めることができる。
3 支基(支持構造体)
4 座
5 背凭れ
6 連結ステー(背凭れ連結部材)
11 背板(背受け部材)
11b 下縁部
12 背凭れフレーム
21 ナット
28 前部支持壁
34 下部支持壁
40 上方延出部
41 収容空間
51 ボルト
52 作業孔
53 閉塞部材
55 カバー部材
Claims (6)
- 支持構造体と、
前記支持構造体に支持される座と、
前記座に着座した着座者の背部を支持する背凭れと、
一端が前記支持構造体に支持され、他端に前記背凭れが取り付けられる背凭れ連結部材と、を備えた椅子において、
前記背凭れは、着座者の背部から荷重を受ける背受け部材と、前記背受け部材の背部に取り付けられる背凭れフレームと、を有し、
前記背凭れ連結部材は上方側に延出する上方延出部を有し、
前記背凭れフレームには、前記上方延出部が下方から挿入されて収容される収容空間と、前記収容空間に収容された前記上方延出部の前面に沿って延出し、前記上方延出部の前面が当接する前部支持壁と、が設けられ、
前記背受け部材の下縁部は、前記前部支持壁の前面に配置され、かつ、前記前部支持壁と前記上方延出部の重ね合わせ部に結合され、
前記背受け部材の下縁部のうちの、前記重ね合わせ部との結合部は、前記座の後端面に対向する位置に設けられていることを特徴とする椅子。 - 支持構造体と、
前記支持構造体に支持される座と、
前記座に着座した着座者の背部を支持する背凭れと、
一端が前記支持構造体に支持され、他端に前記背凭れが取り付けられる背凭れ連結部材と、を備えた椅子において、
前記背凭れは、着座者の背部から荷重を受ける背受け部材と、前記背受け部材の背部に取り付けられる背凭れフレームと、を有し、
前記背凭れ連結部材は上方側に延出する上方延出部を有し、
前記背凭れフレームには、前記上方延出部が下方から挿入されて収容される収容空間と、前記収容空間に収容された前記上方延出部の前面に沿って延出し、前記上方延出部の前面が当接する前部支持壁と、が設けられ、
前記背受け部材の下縁部は、前記前部支持壁の前面に配置され、かつ、前記前部支持壁と前記上方延出部の重ね合わせ部に結合され、
前記背受け部材の下縁部のうちの、前記重ね合わせ部との結合部は、前記背受け部材の荷重受け面から後方側に凹状に窪む窪み部に設けられていることを特徴とする椅子。 - 前記背受け部材の下縁部は、前記上方延出部と前部支持壁を前後方向に貫通するボルトが、前記下縁部に係止されたナットに螺合されることにより、前記重ね合わせ部に結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。
- 前記ナットの前面側は、前記背受け部材の前面側を覆うカバー部材によって被覆されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記背凭れフレームの後壁のうちの、前記前部支持壁の後面に対向する部位には、前記背受け部材の下縁部と前記前部支持壁及び前記上方延出部を結合するための作業孔が設けられ、当該作業孔が脱着可能な閉塞部材によって閉塞されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子。
- 前記作業孔は、前記背凭れフレームの下縁の後壁のうちの最も後方に膨出する部分に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の椅子。
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