JP6354962B2 - 酸素高炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、羽口から高炉内に常温の純酸素を吹き込み、炉頂からは窒素含有量の少ない高炉ガスを発生せる酸素高炉の操業方法に関する。
一般的な高炉は、熱風炉にて空気および富化酸素を加熱して生成させた熱風を、羽口を通じて炉内に吹き込むことにより溶銑の製造を行なう炉である。これに対して近年、特許文献1に開示されているような酸素高炉が開発されている。この酸素高炉というのは、前記熱風炉からの熱風ではなく、基本的には羽口から常温の純酸素を吹き込むことで溶銑を製造する高炉である。また、この酸素高炉では、炉頂装入コークスの使用量を削減する代わりに羽口から多量の微粉炭を吹き込むことができる点、そして実質的に窒素を含まない低窒素高炉ガスを炉頂に発生させてこれを回収して利用できるようにした点が大きな特徴となっている。
かかる酸素高炉の場合、羽口から純酸素を吹き込んで赤熱コークスと直接反応させるため、羽口先(炉内)の温度が異常に高温になるという技術的な課題があった。従って、該酸素高炉の操業では、羽口先の燃焼領域(レースウェイ)での温度(羽口先温度)を適正な温度に制御する必要が生じる。この点に関し、前記特許文献1に開示されている高炉操業方法では、COを含む炉頂ガスを羽口から吹き込むことにより、所定の温度範囲に制御する方法を提案している。また、この特許文献1は、HOまたはCOを羽口から吹き込む方法も提案している。その他、羽口から重質油を吹き込む技術もある。
また、酸素高炉の場合、羽口から熱風ではなく純酸素を吹き込むので、炉内ガスには窒素がほとんど含まれず、通常の高炉、即ち熱風高炉の操業と比べて炉内ガスの流量が少なくなる。そのため、炉頂部の温度が低くなり、水蒸気の結露による粉固着などの操業トラブルを引き起こす懸念があった。従って、特許文献1に示されているように、酸素高炉ではシャフト部から700〜1200℃程度に予熱された高温ガスを吹き込み、高炉上部を昇温することが考えられている。
一方、酸素高炉ではなく通常の高炉(以下、酸素高炉と区別するため「熱風高炉」という)においては、羽口から粉鉱石を吹き込む技術がある。この技術は、熱風高炉において、溶銑のSi濃度を低下させる働きとともに、羽口から鉄源を供給する効果がある。また、羽口から吹き込んだ粉鉱石はレースウェイで十分溶解しないと羽口先もしくは炉芯に蓄積し、直接還元反応による熱不足を招く他、未溶融物の生成による通気・通液特性の悪化を招く懸念がある。
さらに、特許文献2には、SiOに対するFeOの重量比が2未満である粉体鉄源を、SiOに対するFeOの重量比が2以上10以下となるように還元処理したものを羽口から炉内に吹き込み、レースウェイにおける溶融性の改善を図る技術の開示がある。
さらに、特許文献3では、羽口の粉鉱石吹込みランスの位置よりも上流側の位置に微粉炭吹込みランスを配設することにより、粉鉱石の加熱を促進して速やかな溶融還元ができるようにして、通気、通液不良を無くする方法を提案している。
さらにまた、特許文献4では、酸素高炉に粉鉱石を吹き込み、低Si銑を製造する方法を提案している他、特許文献5には、酸素高炉に廃プラスチックを吹き込む方法を提案しており、シャフト部より200Nm/tの予熱ガスを吹き込む例が示されており、また、特許文献6には、酸素高炉に羽口から微粉炭と炉頂ガスを吹き込むとともにシャフト部に100Nm/tの予熱ガスを吹き込む例が示されており、特許文献7には、酸素高炉の羽口から微粉炭、炉頂ガスを吹き込むとともに、シャフト部から150−160Nm/tの予熱ガスを吹き込む例が示されており、特許文献8では、酸素高炉にコールドボンドペレットを装入し、羽口から微粉炭、石灰石、珪石を吹き込むとともに、シャフト部から100−400Nm/tの予熱ガスを吹き込む例が示されている。
特開昭60−159104号公報 特開2000−96113号公報 特開平9−157712号公報 特開昭63−169311号公報 特開2015−193927号公報 特開昭62−27509号公報 特開昭63−171808号公報 特開平3−188207号公報
羽口から熱風に代えて純酸素を吹き込む方式の、特許文献1に開示されているような酸素高炉では、前述したように、羽口先の温度が極めて高温になるという特徴があり、それ故に羽口先の温度をうまく低下させて操業することが必須となる。この点、羽口から熱風を吹き込む従来の一般的な熱風高炉では、羽口先の温度が異常高温化するようなことはなく、これは酸素高炉に特有の技術的課題である。
これに対し、前記特許文献1に開示された技術では、羽口から常温の純酸素とともにHOやCOを吹き込み、下記の吸熱反応を導いて羽口先の温度が低下するように工夫している。即ち、この技術は、燃焼(酸化)とは逆反応(還元)である吸熱反応を起させることにより、異常高温化した羽口先の温度を下げるという考え方である。一方で、下記(1)式および(2)式の反応から判るように、HOやCOの吹き込みは、羽口の先(レースウェイ)において固体炭素を消費することになるので、コークスの使用量が却って増加するという問題がある。即ち、酸素高炉は、本質的にはコークス使用量の増加を招くのである。
O+C→H+CO (1)
CO+C→2CO (2)
前述したように、従来、熱風高炉においても、鉄源供給の意味を込めて羽口から粉鉱石の吹き込みが行なわれていた。しかし、熱風高炉の場合は、レースウェイでの火炎温度が低いため、例えば、上記特許文献2では、羽口から吹き込んだ粉鉱石がレースウェイにおいて十分に昇温されないために溶解することなく、未溶融物として残留し、これが高炉の通気、通液特性の悪化を招くという大きな問題があった。また、粉鉱石というのは本質的に、熱容量が大きく、条件によっては大きな吸熱反応となる直接還元反応を引き起こす原因となるので、粉鉱石を熱風高炉の羽口から吹込む方法はレースウェイや炉芯部の温度低下を招くという懸念がある。この場合、レースウェイや炉芯部で温度低下が発生すると、炉下部への熱供給補償のためにコークス比を増大させざるを得ず、結果的にコークス比の増大を招くことになる。
この点、前記特許文献3に開示された技術では、上記未溶融鉱石による通気・通液不良および温度低下を改善するため、微粉炭吹込みランスの位置を粉鉱石吹き込みランスの位置より上流側にすることで、鉱石をレースウェイに侵入する前に十分に加熱し、このことによってレースウェイ内では速やかに還元溶融が起こるようにしている。しかし、この方法では、ブローパイプの上流で吹き込んだ微粉炭粒子が下流の鉱石吹きこみランスと衝突することが避けられないため、ランスが早期に損耗するという問題がある。
前述したように、一般的な熱風高炉では粉鉱石を羽口から吹き込んだ際の溶融不足や熱不足の問題が依然として未解決のままであることがわかる。
しかし、酸素高炉の場合においては状況が異なる。それは、酸素高炉の場合、熱風高炉とは異なり、高炉下部ではむしろ温度が過大になるという条件である。従って、酸素高炉は、熱風高炉とは対照的に、羽口からの鉱石の吹き込みに伴う温度低下作用はむしろ有利になると考えられる。
また、酸素高炉においては、高炉シャフト部への予熱ガスの吹込みが必須となることは前述のとおりであるが、この予熱ガスは高炉ガスなどの燃料を部分燃焼させて生成させなければならない。特許文献2、3に開示の技術においては、粉鉱石を高炉に吹き込む技術ではあるが、熱風高炉を対象としたものであるため、シャフト部への予熱ガス吹込みは想定されていない。即ち、酸素高炉において粉鉱石吹込みを用いた場合の予熱ガス吹込み条件に関する記載はない。
また前記特許文献4においては、酸素高炉内に粉鉱石を吹き込み、300Nm/tの予熱ガスの吹込みを行う例が記載されているが、予熱ガス吹込み量が多いため、炉頂から高温のガスが発生するため、炉頂設備の損傷を引き起こす懸念があり好ましくない。
また、前記特許文献5〜8については、酸素高炉の羽口から各種還元材および炉頂ガスを吹き込む一方、シャフト部より予熱ガスを吹き込む方法が開示されているが、羽口より粉鉱石を吹き込むことまでは検討されていない。従って、酸素高炉の羽口から粉鉱石を吹き込んだ場合における炉内反応や炉頂設備保護については考慮されていない。特に、後述するように、酸素高炉の羽口から粉鉱石を吹き込む場合、シャフト部では、装入鉱石による吸熱作用が大きく変化するため、炉頂ガス温度を適正値とするためには、粉鉱石吹込みの影響を考慮することは必須であるところ、この点、前記特許文献5〜8の方法では不十分である。
そこで、本発明の第1の目的は、異常高温化となりがちな酸素高炉の羽口先温度を低温化させて適正な温度に制御しつつ低コークス比を実現することができる酸素高炉の操業方法を提案することにある。
また、本発明の第2の目的は、酸素高炉のシャフト部への予熱ガス吹込み量を粉鉱石吹込み量に応じた適正な値とすることにより、酸素高炉における炉頂の結露防止と炉頂設備の保護とを両立させることにある。
本発明は、従来技術が抱えている前記課題を解決し、上掲の目的を実現するために開発した、いわゆる羽口から少なくとも純酸素を吹き込む酸素高炉を使って銑鉄を製造する方法であって、その際に、この高炉の羽口から炉内に純酸素の吹き込みを行なうと共に、その羽口からはまた粉鉱石を吹き込むことにより、羽口先の温度を低下させて高温化するのを防止する点に特徴がある。
即ち、本発明は、炉内に羽口を通じて純酸素を吹き込み、炉頂からは低窒素の高炉ガスを発生させる酸素高炉の操業方法において、前記羽口からは純酸素を吹き込むと共に粉鉱石をも併せて吹き込み、かつシャフト部からは予熱ガスを吹き込むこととし、その予熱ガスの吹き込みに当たっては、該予熱ガスの吹込み原単位Vph(Nm/t)を、粉鉱石の吹込み原単位POR(kg/t)との関係において、下記の範囲を満足するように行なうことを特徴とする酸素高炉の操業方法である。

105−0.25×POR < Vph < 235−0.25×POR
また、上記の構成からなる本発明においては、
(1)前記羽口からは、さらに微粉炭の如き還元材および水蒸気のうちの一種以上を吹き込むこと、
(2)前記純酸素及び粉鉱石の吹き込みに当たっては、羽口後端部に接続されているバーナー管を用いること、
(3)前記純酸素及び粉鉱石の吹き込みに際し、該純酸素の吹き込みを羽口後端部に接続されているバーナー管にて行なう一方、該粉鉱石の吹き込みを該バーナー管とは別の粉鉱石吹き込み管を用いて行なうこと、
が、より好ましい解決方法になり得るものと考えられる。
本発明によれば、酸素高炉の羽口より純酸素と共に粉鉱石を併せて吹き込むことにより、羽口先の温度より適正な温度に保持できるようにしたので、酸素高炉特有の課題である羽口先燃焼領域における異常高温化を抑制しつつ、一方で効果的な鉄源供給を果して、低コークス操業が実現できるようになる。また、本発明によれば、粉鉱石の吹込み量に応じて酸素高炉のシャフト部への予熱ガス吹込み量を適正に行なうことにより、炉頂における結露防止と炉頂設備の保護を両立させることができるようになる。しかも、本発明によれば、過剰な予熱ガスの吹込みを行なわなくて済むので、酸素高炉のエネルギー消費を削減できる効果もある。
酸素高炉およびその周辺設備の一例を示す略線図である。 羽口後端部に接続したバーナー管を通じて粉鉱石および微粉炭を吹き込む例を示す断面図である。 微粉炭吹き込み用バーナー管とは別に羽口内に、粉鉱石の吹き込み管を配設した例を示す断面図である。 実施例におけるコークス比に及ぼす粉鉱石吹込み量の影響を示すグラフである。 実施例における予熱ガス吹込み量に及ぼす粉鉱石吹込み量の影響を示すグラフである。
図1は、本発明に係る操業方法の対象となる酸素高炉およびその周辺設備の一例を示す図である。図1において、図示の1は酸素高炉、2はCガスとBガスとを混合してMガスを生成させるための混合機、3は前記Mガスを予熱して炉内に吹き込むためのバーナー、4は高炉排ガスを用いて発電する発電機、5は純酸素を製造する酸素プラント、6は酸素高炉1内に酸素などを吹き込むための羽口である。
図1に示す構成において、前記酸素高炉1では、一般的な熱風高炉と同じように、炉頂部から鉄鉱石や焼結鉱と共に、コークスなどが装入される。また、その下部に配設されている羽口6からは常温の純酸素が吹き込まれる。
本発明の操業方法において用いられる羽口6としては、特開昭63−171811号公報に開示されているような酸素−微粉炭吹き込み用同心多重管型のバーナー管7を用いることができる。例えば、図2に示す羽口6の後端部にバーナー管7を直列に連設し、このバーナー管7の中心通路7aから微粉炭と粉鉱石との混合物を吹き込むと同時に、外側の環状通路7bからは、常温の純酸素を吹き込むようにすればよい。
また、図3に示す例は、羽口6に連設した前記バーナー管7とは別に、該バーナー管7に沿って別途配設された粉鉱石吹込み管8を羽口6内に直接挿着し(バーナー管7の吹き出し方向の羽口先端部側)、この粉鉱石吹込み管8からは粉鉱石を、そして前記バーナー管7からは常温の純酸素と共に微粉炭を並行して吹き込むようにしてもよい。
酸素高炉の場合、炉下部にある羽口6からは熱風に代えて基本的には常温の純酸素が吹き込まれる。その純酸素は、酸素プラント5を用いた深冷分離等の分離技術を適用して空気から製造するのが一般的である。このときに必要となる電力については、製鉄所で発生するコークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Mガス)、あるいはこれらの混合ガス(Mガス)を用いて発電したものが使われる。
かかる酸素高炉の操業に当たっては、図2に示す例では、前記羽口6に配設したバーナー管7の外環状通路(外管)7bからは純酸素を、そしてこのバーナー管7の中心通路(内管)7aからは微粉炭等の基本的還元材の他、天然ガスやコークス炉ガス、水蒸気などの補助的還元材と共に粉鉱石が吹き込まれる。ただし、上記粉鉱石は、図3に示す例では、微粉炭等の基本的還元材とは別に、前記バーナー管7とは別に専用の粉鉱石吹込み管8を設けて、ここから羽口6を通じて炉内に吹き込んでもよい。
このように、本発明では、羽口6を通じて炉内(羽口先にレースウエイ部分)に純酸素及び粉鉱石を吹き込む場合、図2に示すような中心通路7a部分から粉鉱石を吹き込むと同時にその外環状通路7bからは純酸素を吹き込む多重管型のバーナー管7を用いる場合の他、図3に示すように、中心通路7aからは、例えば、微粉炭や燃料ガスなどの還元材をそしてその外環状通路7bからは純酸素を吹き込み、さらに、バーナー管7とは別の粉鉱石吹き込み管8から粉鉱石を吹き込む形式のものを適用することが好ましい。
ただし、酸素高炉では、炉内発生ガス流量が少なくなるため、炉頂部の温度が低下するという問題がある。この点、炉頂ガス温度が100℃以下になってしまうと、炉頂で結露が発生して操業トラブルを引き起こす。そこで、本発明では、炉頂ガス(高炉ガス)の温度を100℃以上に保つために、図1に示すように、COを多く含んだ燃焼ガスである該高炉排ガスの一部を、バーナー3等にて部分的に燃焼させて高温のガスとし、これを高炉のシャフト部の上部から炉内に吹き込む方法(予熱ガス吹込み)を採用することにしている。
このような予熱ガスの使用は、その吹込み量を増やすほど炉頂ガスの温度を上昇させることができる。この点、酸素高炉の操業では、高炉内の径方向のガス温度分布や操業の時間変動も考慮し、炉頂ガス温度を100℃よりもやや高め、即ち、100℃〜200℃となるように予熱ガスの吹込みを行なう。一方、炉頂ガス温度が200℃以上を超えるような高温になるまで予熱ガスを多量に吹き込んでしまうと、炉頂設備の損傷の問題が起こりうるため好ましくない。
高炉では、通常、中腹部あたりでのガス温度がおよそ1000℃ほどの高温状態となっており、その後、シャフト部を上昇する際に、炉上部から降下してくる常温の鉱石やコークスとの間で熱交換をしながら、炉上部にまで上昇する過程で低温化していくのが普通である。この点、酸素高炉に粉鉱石の吹込みを行うと、粉鉱石を羽口から吹き込んだ分だけ炉頂から装入される鉱石量が減少させることができる。その結果、高炉シャフト部において鉱石によるガスから吸収される熱量が減少し、ガスの温度低下が抑制される。そのため、粉鉱石吹込み量を増やすにしたがって、炉頂ガス温度を適正な温度(100℃〜200℃)に保つために必要となる予熱ガス吹込み量を少なくすることができる。
この点に関し、例えば、上述した粉鉱石の吹込みを考慮せずに予熱ガス吹込み量を決めてしまうと、予熱ガス吹込み量が過剰となってしまい、炉頂設備の損傷を招くという危険がある。従って、酸素原料への予熱ガス吹込みの量は、粉鉱石の吹込み量に応じて変化させることが望ましい。即ち、酸素高炉においては、炉頂ガス温度が適正なレベル(100℃〜200℃)となるようにするためには、羽口からの粉鉱石の吹込み量との関係において、下記(1)式を満たすように、予熱ガス吹込み量を決めればよい。
105−0.25×POR<Vph<235−0.25×POR・・・(1)
ここで、上記(1)式中のPORは羽口からの粉鉱石吹込み原単位(kg/t)、Vphは、シャフト部への予熱ガスの吹込み原単位(Nm/t)である。上記(1)式において、Vphが105−0.25×PORよりも少ないと、炉頂ガス温度が100℃以下となってしまい炉上部の結露が起こり、粉原料の炉体付着や圧損上昇などの操業トラブルを引き起こす。また、Vphが235−0.25×PORよりも大きいと、高温ガスが炉頂に流出し、集塵機等の炉頂設備損傷の問題が起こる。また、過剰な予熱ガス吹込みを行うと、高炉ガスを酸素高炉自身で多量に消費してしまうため、酸素高炉のエネルギー消費が増大してしまう問題もある。
もし、酸素高炉の操業が安定しており炉頂ガス温度変動ほとんど起こらないようであれば、炉頂ガス温度をさらに低温側100℃〜150℃の範囲となるように予熱ガス吹込み量を削減してもよく、炉頂設備のさらなる長寿命化および酸素高炉のさらなるエネルギー消費削減が可能となる。この場合、予熱ガス吹込み量の好適範囲は、下記(2)式の範囲となる。
105−0.25×POR<Vph<175−0.25×POR・・・(2)
なお、羽口先の温度に関しては、2000℃〜2600℃の範囲内に維持することが好ましい。もし、羽口先の温度が2000℃未満になってしまうと、微粉炭を吹き込む場合にその燃焼が不十分となってしまい、未燃チャーの量が増大して高炉内での圧損が増大してしまう懸念がある。
一方で、酸素高炉では、羽口から炉内に、熱風(1000℃以上)に代えて基本的には常温の純酸素を高流速(100m/s以上)で吹き込むため、常温酸素自身による羽口の冷却効果が得られるというメリットがある。従って、従来(特開2003−247008号)から指摘されているような、羽口まわり耐火物の損傷の懸念は小さくなり、羽口先温度を2300℃以下に制限する必要もなくなる。一方で、羽口先温度が2600℃以上にまで上がってしまうと、直接還元比率の比率が急増し、炉内の吸熱反応分の増大による炉操業の困難が予想される。これらの点を鑑みると、羽口先温度は2000℃〜2600℃に調整することが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る酸素高炉の操業においては、羽口6には、図2、図3に示すような構成の1本(バーナー管7)もしくは2本(バーナー管7及び粉鉱石吹き込み管8)の吹き込み管が直接接続される。そして、それぞれの吹き込み管7、8からは純酸素や粉鉱石の他、還元材である微粉炭等が吹き込まれる。その結果、バーナー管7の燃焼ガスの噴射方向の前方の炉内のコークス堆積層部分(レースウエイ)の燃焼空間において、コークスの燃焼ガス化が行なわれる。なお、前述したように、羽口先の温度(レースウエイ部の温度)は、微粉炭や粉鉱石、水蒸気等羽口吹込み材の吹き込み量が多いと低温化することから、羽口先の温度が適性となるように微粉炭や粉鉱石の吹込み量を調整することが望ましい。それでも羽口先の温度が適正値よりも高くなってしまう場合は、必要最小限の水蒸気を羽口から吹き込むとよい。
本発明において用いる純酸素は、酸素濃度の高いガスを意味し、必ずしも酸素100%のガスでなくてもよい。純酸素は深冷分離やPSA、膜分離等の技術によって製造することができる。酸素濃度は高ければ高いほどよいが、酸素濃度80%以上であれば羽口における燃焼反応を十分促進できるので本発明に適用可能である。
以下、本発明の効果を確認するために、高炉内の熱物質収支を計算するシミュレーションを行なったので、その結果を説明する。
本発明に適合する例(以下、「実施例」という)は、出銑比5、炉内容積2515m、出銑量が12573t/dの酸素高炉を想定した。酸素高炉および周辺設備の構成は、図1の構成とした。羽口6としては、バーナー管7を配設した図2に示すような形式のものを用いた。そして、そのバーナー管7の中心通路7aからは微粉炭と共に粉鉱石を吹き込み、そして、このバーナー管7の外環状通路7bからは25℃の純酸素を吹き込んだ。バーナー管7は、外径89mmとし、羽口は内径140mmとした。高炉炉頂の結露を防止するため、高炉排ガス(Bガス)の一部を再循環させ、1000℃となるまでバーナー管7で部分燃焼させたうえで、予熱ガスとしてシャフト部より吹き込んだ。炉頂から装入する鉱石は、焼結鉱80mass%、塊鉄鉱石20mass%の混合物とし、シャフト効率は94%と仮定した。そして、羽口から微粉炭を300kg/t吹き込む条件とした。水蒸気は純酸素と同じくバーナー管7の中心通路7aから純酸素と混合させて吹き込むこととし、羽口先温度が2200℃となるように吹込み量を調整することとした。微粉炭の搬送ガスは窒素で5Nm/tとし、粉鉱石の搬送ガスは窒素で11Nm/tとした。
酸素高炉において、粉鉱石の吹込み量を0kg/tから200kg/tまで変化させた場合のコークス比の変化を図4に示す。粉鉱石吹込み量が0kg/tの場合(比較例)では、羽口先温度が異常高温(2600℃以上)となってしまうため、94kg/tの水蒸気吹き込んで羽口先温度を2200℃まで低下させた。このため、レースウェイでは水蒸気とコークスのガス化反応が起こってしまい、コークス比が高く(約308kg/t)なってしまう。一方、粉鉱石を吹き込んだ場合は該粉鉱石自身に羽口先温度を下げる効果があるため、水蒸気吹込み量を低減できる。結果としてコークス比が削減される。図4の結果より、粉鉱石吹込み量が増すほどコークス比を削減できることを確認できた。
次に、粉鉱石吹込み原単位POR(kg/t)を0kg/t〜200kg/tの範囲で変化させると同時に、シャフト部への予熱ガス吹込み原単位(Nm/t)を0Nm/tから250Nm/tの範囲で変化させた条件でシミュレーションを行い、炉頂ガス温度の変化を調べた。その結果を図5に示す。炉頂ガス温度が適正温度である100℃から200℃となる条件(図5において、○および△のプロットで示した条件)を見ると、粉鉱石吹込み原単位を増やすほど、少ない予熱ガス吹込み量で炉頂ガス温度が適正値となることがわかる。即ち、粉鉱石吹込み量に応じて予熱ガス吹込み量を変えることで、炉頂ガス温度を適正に保つことができ、炉頂の結露防止と炉頂設備の両立が可能となることが確認できた。特に、本発明に適合する範囲(105−0.25×POR<Vph<235−0.25×POR)は、図5の2本の実線で挟まれた範囲となる。
これらの結果から分かるように、本発明に適合する条件では、炉頂ガス温度が100℃から200℃の間になっており、適正条件となっていることがわかる。一方、本発明の範囲外では、炉頂ガス温度が100℃以下、もしくは200℃以上となっており不適切な操業条件となってしまうことがわかった。以上の結果より、本発明に従って粉鉱石吹込み原単位と予熱ガス吹込み原単位を決定すれば、酸素高炉として望ましい操業をすることができることが確認できた。
以上説明したように、酸素高炉内に、純酸素と共に粉鉱石の吹き込みを行ない、かつシャフト部からの予熱ガス吹込み量を適正な範囲にすることで、コークス比を削減し、高炉炉頂の結露を抑止すると同時に炉頂設備を保護できる操業が可能であることが確認できた。
本発明に係る酸素高炉の操業技術は、純酸素を吹き込む他の還元炉などへの転用も可能である。
1 酸素高炉
2 混合機
3 バーナー
4 発電機
5 酸素プラント
6 羽口
7 バーナー管
7a 中心通路
7b 外環状通路
8 粉鉱石吹込み管

Claims (4)

  1. 炉内に羽口を通じて純酸素を吹き込み、炉頂からは低窒素の高炉ガスを発生させる酸素高炉の操業方法において、前記羽口からは純酸素を吹き込むと共に粉鉱石をも併せて吹き込み、かつシャフト部からは予熱ガスを吹き込むこととし、その予熱ガスの吹き込みに当たっては、該予熱ガスの吹込み原単位Vph(Nm/t)を、粉鉱石の吹込み原単位POR(kg/t)との関係において、下記の範囲を満足するように行なうことを特徴とする酸素高炉の操業方法。

    105−0.25×POR<Vph<235−0.25×POR
  2. 前記羽口からは、さらに還元材および水蒸気のうちの一種以上を吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の酸素高炉の操業方法。
  3. 前記純酸素及び粉鉱石の吹き込みに当たっては、羽口後端部に接続されているバーナー管を用いることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の酸素高炉の操業方法。
  4. 前記純酸素及び粉鉱石の吹き込みに際し、該純酸素の吹き込みを羽口後端部に接続されているバーナー管にて行なう一方、該粉鉱石の吹き込みを該バーナー管とは別の粉鉱石吹き込み管を用いて行なうことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の酸素高炉の操業方法。
JP2016168281A 2015-09-11 2016-08-30 酸素高炉の操業方法 Active JP6354962B2 (ja)

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