JP6350054B2 - 研磨パッドの洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨パッドの洗浄方法に関する。より具体的には、本発明は、とくに精密研磨が求められる用途のガラス基板の仕上げ研磨に使用される研磨パッドを、研磨のインターバル時に洗浄する方法に関する。
従来から、半導体製造工程においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く使用されている。近年、半導体集積回路の高集積化、高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、回路パターンをウェハ面上に正確に結像させるために、露光装置のフォトマスクの基材として使用されるガラス基板は高度の平坦性と平滑性が求められている。
さらに、このような技術動向にあって、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、さらに回路パターンの線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてF2レーザ(波長157nm)が用いられている。そして、これらの露光光源を用いた透過型フォトマスクの基材として使用されるガラス基板にも、高度の平坦性と平滑性が求められている。
さらに、次の世代の露光光源としてEUV光を使用したリソグラフィ技術(すなわち、EUVL技術)が、45nm以降の複数の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUV光とは軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光である。現時点では、リソグラフィ光源として具体的には波長10〜20nm程度、とくに、13.5nm±0.3nm程度の光の使用が検討されている。このEUVLの露光原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のリソグラフィと同じであるが、EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近く、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がない。そのため、屈折光学系では使用できず、反射光学系を使用する。とくに、この反射光学系では、反射型マスクや反射型ミラーが用いられる(特許文献1参照)。
EUVLに用いられる反射型マスクは、(1)基材、(2)基材上に形成された多層反射膜、(3)多層反射膜上に形成された吸収層から基本的に構成される。反射型ミラーの場合は、(1)基材、(2)基材上に形成された多層反射膜から基本的に構成される。
反射型マスクや反射型ミラーの製造に用いられる基材(EUVL光学基材)としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有するガラスや結晶化ガラスで作製されたガラス基板が検討されている。EUVL光学基材用ガラス基板は、これらガラスや結晶化ガラスの素材を、高精度に研磨、洗浄することによって製造される。
一般に、磁気記録媒体用基板や半導体用基板などを、高い平滑性を有する表面に研磨する方法が知られている。例えば、特許文献2には、メモリーハードディスクの仕上げ研磨や半導体基板などの研磨について、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、かつ微小突起(凸状欠点)を低減させる研磨方法として、水、研磨剤、酸化合物を含有してなり、pHが酸性かつ研磨剤の濃度が10重量%未満である研磨液組成物と、研磨パッドと、を用いて化学機械研磨することが記載されている。そして、研磨剤として酸化アルミニウム、シリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが、またpHを酸性にするための酸として硝酸、硫酸、塩酸や有機酸などがそれぞれ例示されている。
EUVL光学基材用ガラス基板についても、特定の研磨スラリーと、研磨パッドと、を用いて化学機械研磨することによって、基板表面の凸欠点や凹欠点を減少させて、ガラス基板の表面平滑性を向上させる方法が特許文献3、4に記載されている。
EUVL光学基材用ガラス基板の場合に、とくに、基板表面の凸欠点や凹欠点を減少させることが求められるのは、凸欠点や凹欠点が存在するガラス基板表面上に多層反射膜を形成すると、これらの欠点によって多層反射膜の周期構造が乱され、位相欠陥を生じるからである。
なお、EUVL光学基材用ガラス基板の研磨では、特許文献3に記載されているように、該基板の表面粗さが所定の要求を満たすように主表面を予備研磨した後、平坦度が所定の要求を満たすように、該主表面を仕上げ研磨するのが一般的である。また、屈折系を用いる透過型マスク用のガラス基板においても、主表面を予備研磨した後、平坦度が所定の要求を満たすように、該主表面を仕上げ研磨する。
上述したように、精密研磨が求められる用途のガラス基板の仕上げ研磨には、特定の研磨スラリーと、研磨パッドと、を用いた化学機械研磨が使用される。仕上げ研磨後の研磨パッドでは、そのパッド面に研磨剤が残留する。
パッド面に研磨剤が残留した状態の研磨パッドを使用して、ガラス基板の仕上げ研磨を実施すると、基板表面にスクラッチ等のキズが発生する原因となるおそれがあるため、研磨のインターバル時に、研磨パッドのパッド面を洗浄して、パッド面に残留する研磨剤を除去する。
研磨のインターバル時に実施する研磨パッドのパッド面の洗浄には、研磨剤スラリーを除去するために、ブラシ洗浄やジェット洗浄といった物理洗浄を実施することが記載されている(特許文献5参照)。
特表2003−505891号公報 特開2003−211351号公報 特開2009−12164号公報 特開2010−221370号公報 特開2005−217037号公報
しかしながら、研磨のインターバル時に、研磨パッドのパッド面を物理洗浄したにもかかわらず、物理洗浄実施後のガラス基板の仕上げ研磨の際に、ガラス基板表面にスクラッチ等のキズが発生する場合があることが明らかになった。
この理由について、本願発明者らは鋭意検討した結果、研磨パッドのパッド面に残留する研磨剤が、物理洗浄の実施時に凝集してしまい、凝集した研磨剤がパッド面に残留した状態で、ガラス基板の仕上げ研磨がなされることで、ガラス基板表面にスクラッチ等のキズが発生することを見出した。
本発明は、上述した従来技術における問題点を解決するため、研磨のインターバル時に実施される、研磨パッドのパッド面の物理洗浄時における研磨剤の凝集の抑制を目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、研磨のインターバル時に実施される、研磨パッドの洗浄方法であって、
前記研磨のインターバル時において、前記研磨パッドのパッド面には、研磨時に使用した研磨スラリーが付着しており、該研磨スラリーは、研磨剤、および、該研磨剤の分散媒からなり、
前記研磨剤のゼータ電位を、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持する希釈液を、前記研磨パッドのパッド面における、前記研磨スラリー中の研磨剤濃度が15質量%以下になるまで、前記研磨パッドのパッド面に対して、流速0.1〜0.2[m/s]の範囲で供給する希釈工程と、
前記希釈工程実施後、洗浄液を供給しながら、前記研磨パッドのパッド面を物理洗浄する洗浄工程と、を含む、研磨パッドの洗浄方法を提供する。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記洗浄液は、前記研磨剤のゼータ電位を、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持することが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記希釈工程の実施時において、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持することが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記洗浄工程の実施時において、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持することが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記洗浄工程では、前記洗浄液を供給しながら、前記研磨パッドのパッド面をブラシ洗浄することが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記希釈液は、前記研磨剤の分散媒と略同一であることが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記洗浄液は、前記研磨剤の分散媒と略同一であることが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒が酸性であり、前記希釈液が塩酸、硝酸、酢酸のいずれかを含むことが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒がアルカリ性であり、前記希釈液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムのいずれかを含むことが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法において、前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒が中性であり、前記希釈液が超純水であることが好ましい。
また、本発明は、本発明の方法により、研磨パッドを洗浄した後、研磨スラリーを供給しながら、該研磨パッドを用いてガラス基板の主面を研磨する、ガラス基板の研磨方法を提供する。
本発明のガラス基板の研磨方法において、研磨パッドの洗浄後、研磨剤の分散媒を供給した後に、研磨スラリーを供給して、該研磨パッドを用いてガラス基板の主面を研磨することが好ましい。
本発明のガラス基板の研磨方法において、前記ガラス基板がフォトマスク用ガラス基板であることが好ましい。
本発明の方法によれば、研磨のインターバル時に実施される、研磨パッドのパッド面の物理洗浄時における研磨剤の凝集を抑制できる。そのため、洗浄後の研磨パッドを用いてガラス基板表面を研磨した際、スクラッチ等のキズの発生を抑制できる。
以下、本発明の研磨パッドの洗浄方法について説明する。
上述したように、ガラス基板の仕上げ研磨後の研磨パッドのパッド面には、研磨時に使用した研磨スラリーが付着している。
研磨スラリーは、研磨剤、および、研磨剤の分散媒からなる。研磨剤は製法により、研磨剤が乾燥した状態として得られる場合と、研磨剤が液体に分散した状態として得られる場合と、がある。後者の分散媒を研磨剤原液の分散媒と呼ぶことにする。研磨剤が乾燥した状態として得られた場合、所望のpHを有し、研磨剤と混合したときに所望の濃度になるように調整した分散媒に研磨剤を混合させて研磨スラリーを調合すればよい。一方、研磨剤が液体に分散した状態として得られた場合、研磨剤原液の分散媒と混合したときに所望のpHとなり、研磨剤と混合したときに所望の濃度となるように調整した分散媒に研磨剤原液を混合させて研磨スラリーを調合すればよい。とくに研磨剤原液の分散媒と研磨スラリーの分散媒のpHが異なる場合、研磨スラリー調整時にそれぞれの分散媒の温度を20℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下に制御することが望ましい。これは、上記のような温度で研磨スラリーを調整すると、該研磨スラリー調整過程で、研磨剤原液中に含まれる研磨剤の原料の未反応成分や不純成分が析出し異物化することを抑制できるからである。異物化した析出物が存在することは、研磨中に被研磨物(基板)にキズを発生させたり、研磨後に被研磨物(基板)上に残り欠陥を発生させたりする要因となるため、該析出物が無いことが好ましい。
本発明の研磨パッドの洗浄方法は、研磨パッドのパッド面に付着した研磨スラリーを除去する目的で、研磨のインターバル時に実施される。
本発明の研磨パッドの洗浄方法は、以下に示す希釈工程、および、洗浄工程からなる。
<希釈工程>
希釈工程では、研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持する希釈液を、研磨パッドのパッド面における、前記研磨スラリー中の研磨剤濃度が15質量%以下になるまで、研磨パッドのパッド面に対して、流速0.01〜0.5[m/s]の範囲で供給する。
研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位は、該研磨スラリーの酸塩基性により異なり、正または負となる。研磨剤の一例として、コロイダルシリカを挙げると、研磨スラリーが酸性の場合、研磨剤、すなわち、コロイダルシリカのゼータ電位は正となる。一方、研磨スラリーが中性またはアルカリ性の場合、研磨剤、すなわち、コロイダルシリカのゼータ電位は負となる。研磨剤が酸化セリウムの場合も、研磨スラリーが酸性の場合、研磨剤、すなわち、酸化セリウムのゼータ電位は正となる。一方、研磨スラリーが中性またはアルカリ性の場合、研磨剤、すなわち、酸化セリウムのゼータ電位は負となる。
本工程では、研磨スラリー中の研磨剤濃度が希釈する目的で供給する希釈液として、本工程実施時における研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持する希釈液を使用する。ここで、研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持するとは、例えば、本工程実施前の研磨剤のゼータ電位が正の場合、本工程の実施時も、研磨剤のゼータ電位を正に維持するという意味である。一方、本工程実施前の研磨剤のゼータ電位が負の場合、本工程の実施時も、研磨剤のゼータ電位を負に維持するという意味である。この理由は、本工程の実施時において、研磨剤のゼータ電位が、正から負、または、負から正に反転すると、研磨剤のゼータ電位が一時的に0となり、表面電位の反発作用が生じないため、研磨剤の分散性が不安定な状態となり、研磨剤が凝集するからである。なお、研磨剤のゼータ電位が0となるのは一時的であっても、いったん研磨剤が凝集すると、研磨剤のゼータ電位が0ではない状態、すなわち、ゼータ電位が負または正に反転した後も、研磨剤は再分散せず、次に実施する洗浄工程で、凝集した研磨剤を完全に除去することは極めて難しい。上述したように、凝集した研磨剤が研磨パッドのパッド面に残留した状態で、ガラス基板の仕上げ研磨を実施すると、ガラス基板表面にスクラッチ等のキズが発生するため問題となる。
これに対し、本工程実施時において、研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持することで、研磨剤の凝集を抑制できる。なお、研磨剤の凝集抑制という点では、本工程実施時において、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持することが好ましく、5mV以上に維持することがより好ましく、10mV以上に維持することがさらに好ましい。
上述した点から明らかなように、研磨剤スラリーのpHとは、実際には研磨剤の分散媒のpHである。そのため、研磨剤の分散媒と酸塩基性が一致する希釈液を用いることで、本工程実施時における研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持できる。
例えば、研磨剤の分散媒が酸性の場合、酸性の希釈液を使用する。この場合、酸性の希釈液としては、無機酸、有機酸のいずれを使用してもよいが、次に実施する洗浄工程後に希釈液の一部が研磨パッド上に残留し、さらにその次に実施する研磨工程の研磨スラリーに混入した場合にも、研磨スラリーに与える影響が小さいという理由から、研磨剤の分散媒と略同一のもの(すなわち、略同一の酸)の使用が好ましい。なお、「略同一」と記載するのは、希釈剤として、研磨剤の分散媒と同一種類の酸を使用する場合、その濃度は異なっていてもよいからである。この点については、後述する研磨剤の分散媒がアルカリ性の場合も同様である。
酸性の研磨剤の分散媒には、塩酸、硝酸、酢酸が通常使用される。そのため、希釈液には、塩酸、硝酸、酢酸のいずれかを含むものを使用することが好ましい。なお、「いずれかを含むもの」と記載するのは、これらの酸は超純水で希釈した水溶液として使用してもよいからである。なお、この点については、後述する研磨剤の分散媒がアルカリ性の場合も同様である。
例えば、研磨剤の分散媒がアルカリ性の場合、アルカリ性の希釈液を使用する。この場合、アルカリ性の希釈液としては、無機アルカリ、有機アルカリのいずれを使用してもよいが、酸性の希釈液について記載したのと同様の理由から、研磨剤の分散媒と略同一のもの(すなわち、略同一のアルカリ)の使用が好ましい。
アルカリ性の研磨剤の分散媒には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムが通常使用される。そのため、希釈液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムのいずれかを含むものを使用することが好ましい。
例えば、研磨剤の分散媒が中性の場合、中性の希釈液を使用する。中性の研磨剤の分散媒には、超純水が通常使用される。そのため、希釈液には、超純水を使用することが好ましい。
本工程では、研磨パッドのパッド面における、研磨スラリー中の研磨剤濃度が15質量%以下になるまで、研磨パッドのパッド面に対して希釈液を供給する。ここで、「研磨パッドのパッド面における」と記載するのは、本工程を実施する研磨のインターバル時は、研磨パッドのパッド面に研磨スラリーが接しており、研磨パッドの洗浄後に実施する仕上げ研磨の際に、研磨パッドのパッド面に残留する研磨剤が、ガラス基板表面におけるスクラッチ等のキズの発生原因となるからである。以下、本明細書において、「研磨パッドのパッド面における、研磨スラリー中の研磨剤濃度」を、「パッド面における研磨剤濃度」とする。なお、パッド面における研磨剤濃度は、パッド面から滴り落ちる研磨スラリー中の研磨剤濃度の測定により確認できる。
本工程において、パッド面における研磨剤濃度を15質量%以下とするのは、次に実施する洗浄工程における研磨剤の凝集を抑制するのに好適だからである。なお、仕上げ研磨に使用する研磨スラリー中の研磨剤濃度は、コロイダルシリカを挙げると、通常18〜40質量%であり、本工程実施前のパッド面における研磨剤濃度も同程度である。
本工程は、パッド面における研磨剤濃度を10質量%以下になるまで実施することが好ましく、5質量%以下になるまで実施することがより好ましい。
本工程では、研磨パッドのパッド面に対して、流速0.01〜0.5[m/s]の範囲で希釈液を供給する。この理由は、希釈液を供給する流速が0.5[m/s]超だと、パッド面で乱流条件となり、研磨剤が凝集しやすくなるからである。一方、希釈液を供給する流速が0.01[m/s]超だと、パッド面における研磨剤濃度を15質量%以下とするのに要する時間が長くなり、現実的ではない。
本工程における希釈液の供給流速は、0.05〜0.3[m/s]が好ましく、0.1〜0.2[m/s]がより好ましい。
<洗浄工程>
洗浄工程では、上記の手順で希釈工程を実施した後、洗浄液を供給しながら、研磨パッドのパッド面を物理洗浄する。研磨パッドのパッド面の物理洗浄には、ブラシ洗浄やジェット洗浄を使用する。これらのいずれの洗浄方法を使用してもよく、両者を併用してもよい。両者の併用とは、例えば、研磨パッドのパッド面に対して、10[m/s]以上の流速で洗浄液を噴射しながら、該パッド面をブラシ洗浄する場合を指す。なお、ジェット洗浄のみを実施する場合も、研磨パッドのパッド面に対して、10[m/s]以上の流速で洗浄液を噴射することが好ましい。
本工程の実施後は、洗浄後の研磨パッドを使用して、ガラス基板の仕上げ研磨を再び実施するため、本工程で使用する洗浄液は、研磨剤の分散媒と略同一のもの、もしくは、超純水が好ましい。洗浄液として、研磨剤の分散媒と略同一のものを使用する場合は、本工程実施時における研磨剤のゼータ電位を、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持できる。これにより、研磨剤の凝集をさらに抑制できる。なお、研磨剤の凝集抑制という点では、本工程実施時において、研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持することが好ましく、5mV以上に維持することがより好ましく、10mV以上に維持することがさらに好ましい。
次に、本発明のガラス基板の研磨方法について説明する。
本発明のガラス基板の研磨方法では、該研磨方法に含まれる、研磨のインターバル時における本発明の洗浄方法により、研磨パッドを洗浄する。研磨パッドの洗浄後は、研磨パッドのパッド面に対し、研磨スラリーを供給しながら、該研磨パッドを用いてガラス基板の主面の研磨を再度実施する。ここで、研磨パッドの洗浄に使用する洗浄液と、研磨剤の分散媒と、が異なる場合、研磨パッドの洗浄後、直ちに研磨スラリーを供給すると、研磨特性に変化が生じる場合がある。そのため、研磨パッドの洗浄後、研磨剤の分散媒を供給した後に、研磨スラリーを供給して、ガラス基板の主面の研磨を再度実施することが好ましい。
本発明のガラス基板の研磨方法は、フォトマスク用ガラス基板の研磨に使用することが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
なお、例1〜8は実施例であり、例9〜例17は比較例である。
本実施例では、パッド面に下記表に記載の研磨スラリーが付着した研磨パッドに対し、下記表に記載の条件で希釈工程および洗浄工程を実施した。例9、11、12、14、例17については、希釈工程を実施せずに洗浄工程を実施した。
なお、下記表に記載のゼータ電位は、それぞれ研磨剤として使用したコロイダルシリカのゼータ電位であり、電気泳動光散乱法を用いたゼータ電位測定システム(大塚電子社製ELSZ−1)で測定した。ブラシ洗浄は、研磨パッドを回転させながら、板にナイロンブラシを植毛したものを圧力0.04kgf/cm2で摺接させることで実施した。
また、表中の凝集密度の個数密度は、洗浄工程実施後の研磨パッドのパッド面に残留する凝集粒子の個数密度を例3の数値に対する相対値で示したものである。即ち、例3の凝集粒子の個数密度を1として、例3以外における凝集粒子の個数密度例の数値を示した。なお、この凝集粒子は、研磨実施時にガラス基板表面のキズの原因となる、粒子径が200nm以上のものとした。

表から明らかなように、実施例(例1〜8)では洗浄後のパッド面に残留する凝集粒子が抑制されていた。
一方、希釈工程を実施しなかった例9、11、12、14、17は、洗浄後のパッド面に残留する凝集粒子を抑制できなかった。とくに洗浄工程実施時にコロイダルシリカのゼータ電位が正から負に反転した例12、負から正に反転した例17は、研磨スラリーがゲル化し、凝集粒子の個数密度を評価できなかった。また、希釈工程実施時にコロイダルシリカのゼータ電位が正から負に反転した例13、負から正に反転した例15、例16は、研磨スラリーがゲル化し、凝集粒子の個数密度を評価できなかった。また、希釈工程実施時において、希釈液の供給流量を0.5m/s超とした例10は、洗浄後のパッド面に残留する凝集粒子を抑制できなかった。

Claims (13)

  1. 研磨のインターバル時に実施される、研磨パッドの洗浄方法であって、
    前記研磨のインターバル時において、前記研磨パッドのパッド面には、研磨時に使用した研磨スラリーが付着しており、該研磨スラリーは、研磨剤、および、該研磨剤の分散媒からなり、
    前記研磨剤のゼータ電位を、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持する希釈液を、前記研磨パッドのパッド面における、前記研磨スラリー中の研磨剤濃度が15質量%以下になるまで、前記研磨パッドのパッド面に対して、流速0.1〜0.2[m/s]の範囲で供給する希釈工程と、
    前記希釈工程実施後、洗浄液を供給しながら、前記研磨パッドのパッド面を物理洗浄する洗浄工程と、を含む、研磨パッドの洗浄方法。
  2. 前記洗浄液が、前記研磨剤のゼータ電位を、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位と同符号のゼータ電位を維持する、請求項1に記載の研磨パッドの洗浄方法。
  3. 前記希釈工程の実施時において、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持する、請求項1または2に記載の研磨パッドの洗浄方法。
  4. 前記洗浄工程の実施時において、前記研磨スラリー中の研磨剤のゼータ電位の絶対値を2mV以上に維持する、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  5. 前記洗浄工程では、前記洗浄液を供給しながら、前記研磨パッドのパッド面をブラシ洗浄する、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  6. 前記希釈液は、前記研磨剤の分散媒と略同一である、請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  7. 前記洗浄液は、前記研磨剤の分散媒と略同一である、請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  8. 前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒が酸性であり、前記希釈液が塩酸、硝酸、酢酸のいずれかを含む、請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  9. 前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒がアルカリ性であり、前記希釈液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムのいずれかを含む、請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  10. 前記研磨剤がコロイダルシリカであり、前記研磨剤の分散媒が中性であり、前記希釈液が超純水である、請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の研磨パッドの洗浄方法により、研磨パッドを洗浄した後、研磨スラリーを供給しながら、該研磨パッドを用いてガラス基板の主面を研磨する、ガラス基板の研磨方法。
  12. 研磨パッドの洗浄後、研磨剤の分散媒を供給した後に、研磨スラリーを供給して、該研磨パッドを用いてガラス基板の主面を研磨する、請求項11に記載のガラス基板の研磨方法。
  13. 前記ガラス基板がフォトマスク用ガラス基板である、請求項11または12に記載のガラス基板の研磨方法。
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