JP6349736B2 - 酸性ガス吸着・除去フィルタ - Google Patents

酸性ガス吸着・除去フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP6349736B2
JP6349736B2 JP2014006635A JP2014006635A JP6349736B2 JP 6349736 B2 JP6349736 B2 JP 6349736B2 JP 2014006635 A JP2014006635 A JP 2014006635A JP 2014006635 A JP2014006635 A JP 2014006635A JP 6349736 B2 JP6349736 B2 JP 6349736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb
activated carbon
weight
gas adsorption
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014006635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015134318A (ja
Inventor
祐介 西谷
祐介 西谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2014006635A priority Critical patent/JP6349736B2/ja
Publication of JP2015134318A publication Critical patent/JP2015134318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6349736B2 publication Critical patent/JP6349736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/02Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/10Inorganic adsorbents
    • B01D2253/102Carbon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/10Inorganic adsorbents
    • B01D2253/112Metals or metal compounds not provided for in B01D2253/104 or B01D2253/106
    • B01D2253/1122Metals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/10Inorganic adsorbents
    • B01D2253/112Metals or metal compounds not provided for in B01D2253/104 or B01D2253/106
    • B01D2253/1124Metal oxides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/25Coated, impregnated or composite adsorbents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/30Physical properties of adsorbents
    • B01D2253/34Specific shapes
    • B01D2253/342Monoliths
    • B01D2253/3425Honeycomb shape
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2257/00Components to be removed
    • B01D2257/30Sulfur compounds
    • B01D2257/302Sulfur oxides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2257/00Components to be removed
    • B01D2257/40Nitrogen compounds
    • B01D2257/404Nitrogen oxides other than dinitrogen oxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2258/00Sources of waste gases
    • B01D2258/06Polluted air

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

本発明は、酸性ガス、特に、二酸化硫黄などの硫黄酸化物や二酸化窒素などの窒素酸化物の吸着・除去性能に優れた酸性ガス吸着・除去フィルタに関する。さらに詳しくは、一般生活における温湿度領域において、長期にわたって除去性能を発現できる酸性ガス吸着・除去フィルタに関する。ここで言う、一般生活における温湿度領域とは、温度範囲でおおよそ−30〜50℃、湿度範囲でおおよそ20〜95RH%のことである。
大気中の酸性ガス、特に、硫黄酸化物や窒素酸化物等の有害ガスを除去するために、活性炭の吸着作用を利用した吸着除去手法が知られている。また、活性炭を用いる際には、活性炭に薬剤を添着し、活性炭に化学吸着能を付与する手法も知られている。
硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性ガス除去性能向上を目的として、活性炭に薬剤を添着した例としては、活性炭にアルカリ薬剤、特に水酸化カリウムを添着した脱硝剤(例えば、特許文献1)やアミノ基含有有機物を添着した酸性ガス除去剤(例えば、特許文献2)が開示されている。
また、フィルタとしては、無機または有機繊維基紙を基材とし、吸着材として、活性炭、またはゼオライトを、ガス反応材として、炭酸カリウムをそれぞれ担持したコルゲート状構造体からなるフィルタ(例えば、特許文献3)が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に開示される薬剤添着活性炭や薬剤添着フィルタでは、硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性ガスの吸着性能が不十分であり、また吸着性能にも限界があるため、長期間にわたって、硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性ガス吸着・除去性能を維持することは困難であるという問題がある。
そこで、活性炭やアルミナ等の多孔質体に触媒を担持し、吸着した硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性ガスを分解、または反応させて除去する手法が知られている。
多孔質担体に触媒を担持した例としては、炭素を主成分とし、アルカリ金属の1種または2種以上と、セリウム、トリウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、および錫からなる群から選ばれた1種または2種以上とを含有し、硫黄化合物からなる表面層を有する窒素酸化物吸着剤(例えば、特許文献4)や白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、マンガン、ニッケル、コバルトおよび鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素がアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニアおよびチタニア−ジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種に担持された窒素酸化物除去剤(例えば、特許文献5)が開示されている。
しかしながら、特許文献4に開示される窒素酸化物吸着剤は200〜400℃の範囲内の温度ではガス中の窒素酸化物除去には効果は見られるが、一般生活における温湿度領域において長期にわたって十分な除去性能を発現できないという問題がある。
また、特許文献5に開示される窒素酸化物除去剤は、白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムを使用しているため、非常に高価であり、コスト的に不利であるという問題がある。
上述のとおり、長期間にわたって硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性ガス吸着・除去性能を維持できる酸性ガス吸着・除去剤、酸性ガス吸着・除去フィルタは見当たらないのが現状である。
特開平6−126162号公報 特開平6−7634号公報 特開2001−310109号公報 特開昭63−287552号公報 特開平11−57399号公報
本発明は上記従来技術の課題を背景になされたものであり、一般生活における温湿度領域で長期にわたって十分な除去性能を発現できる酸性ガス吸着・除去フィルタを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、以下の通りである。
1.アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭およびマンガン酸化物の混合物をハニカム担体に担持したハニカム構造体フィルタであって、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量とマンガン酸化物の重量の比率(重量比)が、(アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量)/(マンガン酸化物の重量)=0.4〜10であり、ハニカム構造体フィルタのBET比表面積が50〜310m/ccであることを特徴とする酸性ガス吸着・除去フィルタ。
2.前記アルカリ金属を含む水酸化物がNaOHまたはKOHである上記1に記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
3.前記アルカリ金属を含む炭酸塩がNaCOまたはKCOである上記1または2に記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
4.前記アルカリ金属を含む炭酸水素塩がNaHCOまたはKHCOである上記1〜3のいずれかに記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
5.前記アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の混合比率が、活性炭100重量部に対して0.03〜30重量部である上記1〜4のいずれかに記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
本発明による酸性ガス吸着・除去フィルタは、一般生活における温湿度領域で長期にわたって十分な除去性能を発現することが可能であるという利点を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタは、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物を添着した活性炭とマンガン酸化物の混合物をハニカム担体に担持したハニカム構造体フィルタであって、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量とマンガン酸化物の重量の比率(重量比)が、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物を添着した活性炭/マンガン酸化物=0.4〜10であり、ハニカム構造体フィルタのBET比表面積が50〜310m/ccにすることにより、一般生活における温湿度領域で長期にわたって十分な除去性能を発現できることを本発明者は見出した。
酸性ガスであるガス状硫黄酸化物や窒素酸化物等の吸着・除去メカニズムについては明確ではないが、次の(1)〜(3)のように推測される。
まず、最初に(1)マンガン酸化物にガス状硫黄酸化物が、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物が添着された活性炭に窒素酸化物がそれぞれ吸着される。
その後、(2)ガス状硫黄酸化物はマンガン酸化物の酸化触媒作用によりガス状硫黄酸化物がより高酸化状態の硫黄酸化物に酸化され、窒素酸化物は活性炭上のアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と反応し、固定化される。
そして、(3)生成した高酸化状態の硫黄酸化物はマンガン酸化物に吸着された水分と反応し、硫酸となり、活性炭に移行して、吸着除去される。活性炭は生成した硫酸、窒素酸化物の受容体として作用しており、もし、活性炭の混合比率が低ければ、水分が優先的に吸収されてしまうため、前記メカニズム(3)が阻害され、長期にわたって十分な酸性ガス吸着・除去フィルタの除去性能を発現することができない。
本発明におけるアルカリ金属を含む水酸化物としては、例えばNaOH、KOHなどが挙げられ、アルカリ金属を含む炭酸塩としては、例えばNaCO、KCOなどが挙げられ、アルカリ金属を含む炭酸水素塩としては、例えばNaHCO、KHCOなどが挙げられ、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明におけるアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の混合比率が、活性炭100重量部に対して0.03〜30重量部であることが好ましく、0.05〜25重量部であることがより好ましい。アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物の活性炭に対する混合比率が0.03重量部未満であれば、長期にわたって十分な酸性ガス吸着・除去性能を発現することができない。また、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物の活性炭に対する混合比率が30重量部を超えると、混合したアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物により活性炭細孔が閉塞され、酸性ガス吸着・除去性能が低下するという不都合が生じるからである。
本発明において、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量とマンガン酸化物の重量の比率(重量比)が、(アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量)/(マンガン酸化物の重量)=0.4〜10である。アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量とマンガン酸化物の重量の比率(重量比)が、0.4未満であれば、生成した硫酸や窒素酸化物を活性炭上で固定化することができず、長期にわたって十分な酸性ガス吸着・除去フィルタの除去性能を発現することができない。また、10を超えると、マンガン酸化物による硫黄酸化物除去性能が大幅に低下するため、活性炭への硫黄酸化物、窒素酸化物の負荷が大きくなり、長期にわたって十分な酸性ガス吸着・除去フィルタの除去性能を発現することができない。
本発明における活性炭種は、特に限定しない。例えば、黒鉛、鉱物系材料(褐炭、瀝青炭などの石炭系、石油または、石油ピッチなど)、植物系材料(木質、果実殻(ヤシ殻など)など)、高分子系材料(ポリアクリルニトリル、フェノール系材料、セルロース)などを原料とする活性炭が挙げられ、これらの原料を炭化、または不融化した後、賦活処理することによって得られる活性炭を使用することができる。
本発明における活性炭作製時の炭化方法、不融化方法、賦活方法については、特に限定されず、従来公知の加工方法を用いることができる。例えば、賦活は、炭化、または不融化処理を施した炭素原料を水や二酸化炭素などの賦活ガス中で、500〜1000℃程度で熱処理するガス賦活法や炭化、または不融化処理を施した炭素原料をリン酸、塩化亜鉛、水酸化カリウムなどの賦活剤と混合し、300〜800℃程度で熱処理する化学賦活法などを用いることができる。
本発明における活性炭のBET比表面積は、600m/g以上であることが好ましく、700m/g以上であることがより好ましい。600m/g未満であれば、酸性ガスの吸着容量が小さく、結果として、十分な除去性能が発現できない。また、活性炭のBET比表面積の上限は特に限定するものではないが、3000m/g以下であることが好ましい。この範囲を超えると、製造が非常に困難になるという不都合が生じるからである。
本発明におけるマンガン酸化物の結晶形については、特に限定しない。例えば、α型、γ型、ε型が挙げられ、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明におけるマンガン酸化物のBET比表面積は、100m/g以上であることが好ましく、150m/g以上がより好ましい。マンガン酸化物のBET比表面積が100m/g以上であれば、低温での高い除去性能を発現することができるからである。また、マンガン酸化物のBET比表面積の上限は特に限定するものではないが、500m/g以下であることが好ましい。この範囲を超えると、製造が非常に困難になるという不都合が生じるからである。
本発明におけるマンガン酸化物の製造方法は、特に限定しない。金属塩を含有する溶液に濃硝酸等を添加して、加温後、過マンガン酸カリウム水溶液やオゾンガス等を添加する方法、金属塩を含有する溶液に酸素ガス、オゾン水、または過酸化水素水等の酸化剤を添加して、金属を高酸化状態にした後、アンモニア、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩等のアルカリを添加して沈殿を生成させた後、沈殿を濾別、乾燥させる方法、金属塩を含有する溶液に酸素ガス、オゾン水、または過酸化水素水等の酸化剤を添加して、金属を高酸化状態にした後、スクロース、グルコース、ポリビニルアルコール等の有機還元剤を添加して、生成したゲルを濾別、乾燥させる方法、マンガン塩を含有する溶液にアンモニア、炭酸アンモニウム等のアルカリを添加して沈殿を生成させた後、沈殿を濾別、乾燥、焼成して製造する方法等を用いることができる。使用する金属塩に関しては、特に定めないが、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の一般的な塩を使用することができる。溶解度の面から、硝酸塩、硫酸塩が好ましい。また、溶液の溶媒の種類に関しては、特に定めないが、一般的な有機溶剤、水等を使用することができる。環境への負荷を考慮すると、水が好ましい。乾燥、焼成温度に関しては、500℃以下であることが好ましい。500℃を超えると、マンガン酸化物の結晶化が進行し、結果として、低温で十分な除去性能が発現できない。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタのBET比表面積は50〜310m/ccである。より好ましくは、70〜280m/ccである。BET比表面積が50m/cc未満であれば、酸性ガス吸着・除去フィルタの酸性ガス吸着・除去性能が十分ではなく、310m/ccを超えると、酸性ガス吸着・除去剤成分によるハニカム担体のセル目詰まり等が起こり、酸性ガス吸着・除去性能の低下やフィルタの圧力損失が高くなる等の問題がある。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタに含まれるアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭およびマンガン酸化物以外のその他の成分については特に限定しないが、ジルコニウム、銅、コバルト、銀、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物を含有することが好ましい。より好ましくは、ジルコニウム、銀、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物である。これらの元素を含有することにより、酸性ガス吸着・除去能を向上させ、長期にわたって十分な除去性能を発現することができる。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタのハニカム担体を構成する基材は、特に制限されず、従来公知の無機系、有機系繊維、セラミック、アルミ等を用いることができる。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタのハニカム担体のセル数については、制限されず、50〜1500セル/inchを有するハニカム構造体を用いることができる。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタの製造方法については特に定めない。ハニカム担体を、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭、マンガン酸化物の混合物と無機化合物系・有機化合物系バインダーを含む水性スラリーと接触させた後に乾燥するといった一般的な方法を用いることができる。前記水性スラリーの固形分比率は、10〜50%、好ましくは25〜50%である。固形分比率が10%未満であると担体表面にアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭、マンガン酸化物の混合物が十分に担持されなくなるため好ましくない。また、固形分比率が50%を越えると増粘して水性スラリーの流動性が低下して含浸できなくなるため好ましくない。乾燥する際の温度は、通常60〜200℃、好ましくは100〜150℃である。乾燥温度が200℃を越えると、有機化合物系バインダーが劣化するため好ましくない。また、乾燥温度が60℃未満であると、乾燥時間が長くなるため、コストが高くなり、好ましくない。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタに用いられるハニカム担体の表面に担持されている層に含有されるアルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭、マンガン酸化物の混合物および無機化合物系・有機化合物系バインダー成分の合計量は、40〜220g/L、好ましくは、50〜200g/Lである。添着量が220g/Lを越えると、ハニカム担体セルの目詰まり等が起こり、フィルタの圧力損失が高くなる等の問題がある。また、添着量が40g/L未満であると、酸性ガス吸着・除去性能が不十分である。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタに含まれるバインダー成分については特に限定されず、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、デキストリン等の有機化合物系バインダーやベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト、シリカゾル等の無機化合物系バインダー等を用いることができる。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタに用いられるハニカム担体の表面に担持されている層に含有されるバインダー成分の量は、担体表面に担持される層中の固形分に対して有機化合物系バインダーでは0.5〜10重量%、無機化合物系バインダーでは5〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、有機化合物系バインダーでは0.5〜5.0重量%、無機化合物系バインダーでは10〜30重量%である。有機化合物系バインダー10重量%、無機化合物系バインダーで40重量%を超えると酸性ガス吸着・除去剤がバインダーにより被覆され、酸性ガス吸着・除去剤の除去性能が低下してしまうため、好ましくない。また、有機化合物系バインダーで0.5重量%未満、無機化合物系バインダーで5.0重量%未満であると、担体表面に十分に酸性ガス吸着・除去剤を担持することができないため、好ましくない。
本発明における酸性ガス吸着・除去フィルタは、屋内、乗り物内、壁紙、家具、内装材、樹脂成形体、電気機器等で、酸性ガスを低減する目的で広く用いることができる。特に空気中に含有される酸性ガスの除去目的で用いることが好ましく、例えば、粒状物を通気性の箱、袋、網等の容器に充填し、静置もしくは通気させて用いることが好ましい。また、除去速度が速く、一旦除去した酸性ガスが脱離する問題が少ないため、通風状態で用いることがより好ましく、自動車や鉄道車両等の車室内の空気を清浄化するためのエアフィルタ、健康住宅、ペット対応マンション、高齢者入所施設、病院、オフィス等で使用される空気清浄機用フィルタ、エアコン用フィルタ、OA機器の吸気・排気フィルタ、ビル空調用フィルタ、産業用クリーンルーム用フィルタに用いられることがより好ましい。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示す。下記実施例は本発明方法を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
(ハニカムフィルタのBET比表面積の測定方法)
ハニカムフィルタサンプルを5.0×5.0×5.0mmのサイズにカットし、120℃で12時間真空乾燥した後、秤量した。自動比表面積装置ジェミニ2375(マイクロメリティックス社製)を使用し、液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着量を相対圧が0.02〜0.95の範囲で徐々に高めながら40点測定し、前記サンプルの吸着等温線を作製した。(相対圧0.02〜0.15での結果をBETプロットし、体積当りのBET比表面積[m/cc]を求めた。)
(酸性ガス吸着・除去フィルタ除去性能の評価方法:二酸化硫黄除去)
酸性ガス吸着・除去フィルタを26φ、高さ20mmにカットし、内径26mmのガラスカラム内にセットし、二酸化硫黄ガス100ppmを含む温度25℃、相対湿度50%の空気を流量2.0L/minで流通した。ガラスカラム内の温度は25℃一定とした。ガラスカラムの入口、出口濃度を光音響ガスモニター1312(INNOVA社製)により、測定開始から1時間の二酸化硫黄ガスの濃度変化を連続的に測定し、二酸化硫黄ガス供給量と除去率から二酸化硫黄ガス除去量を算出した。そして、二酸化硫黄ガス除去量と時間の曲線を積分することにより、二酸化硫黄ガス除去量[mg]を算出し、この二酸化硫黄ガス除去量[mg]をサンプル体積で割ることにより、サンプル当りの二酸化硫黄ガス除去量[mg/cc]を算出した。
(酸性ガス吸着・除去フィルタ除去性能の評価方法:二酸化窒素除去)
酸性ガス吸着・除去フィルタを26φ、高さ20mmにカットし、内径26mmのガラスカラム内にセットし、二酸化窒素ガス1.0ppmを含む温度25℃、相対湿度50%の空気を流量10L/minで流通した。ガラスカラム内の温度は25℃一定とした。ガラスカラムの入口、出口濃度をNO−NO−NO Analyzer Model 42C(Thermo Fisher Scientific社製)により、測定開始から二酸化窒素ガス除去率が40%に到達するまで、二酸化窒素ガスの濃度変化を連続的に測定し、二酸化窒素ガス供給量と除去率から二酸化窒素ガス除去量を算出した。そして、二酸化窒素ガス除去量と時間の曲線を積分することにより、二酸化窒素ガス除去量[mg]を算出し、この二酸化窒素ガス除去量[mg]をサンプル体積で割ることにより、サンプル当りの二酸化窒素ガス除去量[mg/cc]を算出した。
<実施例1>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)198gを675mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)68mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム133g(ナカライテスク株式会社製)を2250mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、350℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は125m/gであった。
得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は133m/ccであった。
<実施例2>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)198gを675mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)68mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム133g(ナカライテスク株式会社製)を2250mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、250℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は220m/gであった。
得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は139m/ccであった。
<実施例3>
過マンガン酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)180gを1500mlのイオン交換水に溶解させ、しばらく撹拌した。その後、スクロース(和光純薬工業株式会社製)144gを1000mlのイオン交換水に溶解したスクロース溶液を添加した後、1時間撹拌した。得られたゾルを濾別し、120℃で乾燥処理を行った。その後、250℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は311m/gであった。
得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は145m/ccであった。
<実施例4>
実施例2で得られたα型酸化マンガン5.5g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)54.5g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)5.5g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は230m/ccであった。
<実施例5>
実施例2で得られたα型酸化マンガン20g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)40g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)4.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は180m/ccであった。
<実施例6>
実施例2で得られたα型酸化マンガン36g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)24g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)2.4g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は97g/L、BET比表面積は117m/ccであった。
<実施例7>
実施例2で得られたα型酸化マンガン42.9g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)17.1g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)1.7g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は92m/ccであった。
<実施例8>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)0.9mg(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム0.03重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は155m/ccであった。
<実施例9>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)1.5mg(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム0.05重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は155m/ccであった。
<実施例10>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)1.5g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム5重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は101g/L、BET比表面積は147m/ccであった。
<実施例11>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)2.25g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム7.5重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は143m/ccであった。
<実施例12>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.75g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム12.5重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は135m/ccであった。
<実施例13>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)4.5g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム15重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は131m/ccであった。
<実施例14>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)6.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム20重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は101g/L、BET比表面積は124m/ccであった。
<実施例15>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)9.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム30重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は108m/ccであった。
<実施例16>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:820m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は71m/ccであった。
<実施例17>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1150m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は101g/L、BET比表面積は94m/ccであった。
<実施例18>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1500m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は102g/L、BET比表面積は118m/ccであった。
<実施例19>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:2900m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は215m/ccであった。
<実施例20>
硝酸マンガン(II)六水和物(ナカライテスク株式会社製)120gを400mlのイオン交換水に溶解し、しばらく撹拌した。次に、過マンガン酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)40.0gを200mlのイオン交換水に溶解し、しばらく撹拌した。その後、硝酸マンガン水溶液を過マンガン酸カリウム水溶液に撹拌下でゆっくり滴下し、約30分間反応させたところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別、イオン交換水にて水洗し、120℃で乾燥させた後、300℃で1時間焼成処理を施したところマンガン酸化物が得られた。得られたマンガン酸化物の結晶形はγ型、BET比表面積は152m/gであった。
得られたγ型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は134m/ccであった。
<実施例21>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)151gを980mlのイオン交換水に溶解させ、硫酸(ナカライテスク株式会社製)68mlを加え、30℃に恒温槽内でしばらく撹拌した後、20g/Nmのオゾンを含む酸素ガスを6時間通じ、酸化反応を行ったところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で1.5時間焼成処理を施したところε型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は180m/gであった。
得られたε型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は102g/L、BET比表面積は136m/ccであった。
<実施例22>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを180gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は50g/L、BET比表面積は82m/ccであった。
<実施例23>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は118g/L、BET比表面積は167m/ccであった。
<実施例24>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを110gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は149g/L、BET比表面積は208m/ccであった。
<実施例25>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを100gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は176g/L、BET比表面積は250m/ccであった。
<実施例26>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、シリカゾル(日産化学工業株式会社製スノーテックス30:固形分率30%、乾燥重量16.2g)54gを100gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は105g/L、BET比表面積は92m/ccであった。
<比較例1>
硫酸マンガン(II)一水和物(和光純薬工業株式会社製)198gを675mlのイオン交換水に溶解させ、濃硝酸(ナカライテスク株式会社製)68mlを加え、60℃に加温しながらしばらく撹拌した。また過マンガン酸カリウム133g(ナカライテスク株式会社製)を225mlのイオン交換水に溶解した。その後、60℃に加温・保持した硫酸マンガン温水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を混合したところ、白色の沈殿が得られた。その後、白色の沈殿を濾別し、120℃で乾燥させた後、550℃で1.5時間焼成処理を施したところα型酸化マンガンを含むマンガン酸化物が得られ、BET比表面積は88m/gであった。
得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は104m/ccであった。
<比較例2>
実施例2で得られたα型酸化マンガン2.9g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)57.1g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)5.7g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は190m/ccであった。
<比較例3>
実施例2で得られたα型酸化マンガン48g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)12g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)1.2g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は98g/L、BET比表面積は59m/ccであった。
<比較例4>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は100g/L、BET比表面積は123m/ccであった。
<比較例5>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:500m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は99g/L、BET比表面積は40m/ccであった。
<比較例6>
実施例2で得られたα型酸化マンガン30g、ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)30g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)3.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを230gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は35g/L、BET比表面積は58m/ccであった。
<比較例7>
実施例2で得られたα型酸化マンガン60g、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタの総添着量は35g/L、BET比表面積は27m/ccであった。
<比較例8>
ヤシ殻活性炭(BET比表面積:1800m/g)60g、炭酸カリウム(ナカライテスク株式会社製)6.0g(活性炭100重量部に対して、炭酸カリウム10重量部)、ポリビニルピロリドン2.1gを130gのイオン交換水中に添加し、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。引き続いて、厚さ0.02mmのアルミ箔を基材としたハニカム(600セル/inch)を前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(120℃)で3時間乾燥させることで酸性ガス吸着・除去フィルタを得た。得られたフィルタのBET比表面積は198m/ccであった。
以下表1により本発明の効果を説明する。本発明である実施例1〜21、23〜26から次のことが分かる。実施例は、α型酸化マンガンを含むマンガン酸化物のBET比表面積が100m2/gよりも小さい場合(比較例1)、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物を添着した活性炭/マンガン酸化物の重量混合比率が10より大きい場合(比較例2)、添着量が98g/Lよりも小さい場合(比較例6)、および、マンガン酸化物を含有しない場合(比較例8)と比較して、二酸化硫黄ガス除去容量が高いことが分かる。また、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物を添着した活性炭/マンガン酸化物の重量混合比率が、0.4より小さい場合(比較例3)、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物が活性炭へ添着されていない場合(比較例4)、活性炭のBET比表面積が600m2/gよりも小さい場合(比較例)、添着量が98g/Lよりも小さい場合(比較例6)、および、α型酸化マンガンを含むマンガン酸化物単体(比較例7)と比較して、二酸化窒素ガス除去容量が高いことがわかる。
このように、比較例1,2,8は二酸化窒素ガス除去の性能は高いが、二酸化硫黄ガス除去の性能が実施例の最低値よりも低い。一方で、比較例3,4,5,7は二酸化硫黄除去の性能は高いが、二酸化窒素の性能が実施例の最低値よりも低い。
本発明の酸性ガス吸着・除去フィルタは、長期にわたって酸性ガス吸着・除去性能を維持することができるため、広い分野で用いることができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (5)

  1. アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物、活性炭およびマンガン酸化物の混合物をハニカム担体に担持したハニカム構造体フィルタであって、アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量とマンガン酸化物の重量の比率(重量比)が、(アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の合計重量)/(マンガン酸化物の重量)=0.4〜10であり、ハニカム構造体フィルタのBET比表面積が50〜310m2/ccであり、マンガン酸化物のBET比表面積が100m 2 /g以上であり、担持量が98〜220g/Lであり、かつ、前記ハニカム担体がアルミ製であることを特徴とする酸性ガス吸着・除去フィルタ。
  2. 前記アルカリ金属を含む水酸化物がNaOHまたはKOHである請求項1に記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
  3. 前記アルカリ金属を含む炭酸塩がNa2CO3またはK2CO3である請求項1または2に記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
  4. 前記アルカリ金属を含む炭酸水素塩がNaHCO3またはKHCO3である請求項1〜3のいずれかに記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
  5. 前記アルカリ金属を含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物と活性炭の混合比率が、活性炭100重量部に対して0.03〜30重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の酸性ガス吸着・除去フィルタ。
JP2014006635A 2014-01-17 2014-01-17 酸性ガス吸着・除去フィルタ Active JP6349736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006635A JP6349736B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 酸性ガス吸着・除去フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006635A JP6349736B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 酸性ガス吸着・除去フィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015134318A JP2015134318A (ja) 2015-07-27
JP6349736B2 true JP6349736B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=53766607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014006635A Active JP6349736B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 酸性ガス吸着・除去フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6349736B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101610757B1 (ko) * 2015-11-24 2016-04-08 주식회사 세일에프에이 구리-망간 촉매가 함유된 유해가스 제거용 복합 조성물
US11554342B2 (en) 2017-11-10 2023-01-17 Toyobo Co., Ltd. Filter
KR20210076011A (ko) * 2018-10-23 2021-06-23 바스프 코포레이션 공기 정화용 촉매-흡착제 필터
CN115318260B (zh) * 2022-07-26 2024-01-12 山东大学 一种锰、环糊精共修饰改性的竹炭材料及其制备方法与应用
CN116020574A (zh) * 2022-12-31 2023-04-28 中钢集团天澄环保科技股份有限公司 一种具有保护剂的整体式一氧化碳净化催化剂及其制备方法和用途

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0564654A (ja) * 1991-01-24 1993-03-19 Sakai Chem Ind Co Ltd 脱臭方法
US20020177520A1 (en) * 2001-03-30 2002-11-28 Nichias Co., Ltd. Chemical filter
JP5195127B2 (ja) * 2008-07-31 2013-05-08 東洋紡株式会社 脱臭浄化フィルタ
JP6405718B2 (ja) * 2013-06-18 2018-10-17 東洋紡株式会社 酸性ガス吸着・除去剤およびそれを用いた吸着・除去フィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015134318A (ja) 2015-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI826408B (zh) 用於催化甲醛氧化的催化劑及其製備與用途
JP7294755B2 (ja) ガス状汚染物質の除去における改善された効率性のための表面改質炭素及び吸着剤
JP6349736B2 (ja) 酸性ガス吸着・除去フィルタ
AU659342B2 (en) Activated carbon impregnated with GP 1/6-12 metal salt
KR101762718B1 (ko) 다공성 구리-망간 필터메디아 및 그 제조방법
RU2375112C1 (ru) Фотокатализатор-адсорбент (варианты)
KR101680610B1 (ko) 산성가스 제거용 활성탄 흡착제 및 이의 제조방법
JP6405718B2 (ja) 酸性ガス吸着・除去剤およびそれを用いた吸着・除去フィルタ
KR20080027334A (ko) 흡착제 및 그 제조 방법
JP5503155B2 (ja) 一酸化炭素除去フィルター
JP4895858B2 (ja) 新規排ガス浄化方法
Hsu et al. Copper loaded on sol-gel-derived alumina adsorbents for phosphine removal
JP2008215253A (ja) 排NOx浄化方法及び排NOx浄化装置
JP7165669B2 (ja) フィルタ
JP2008207161A (ja) 空気浄化材製造方法および空気浄化材および空気浄化装置および空気浄化方法
JP5706476B2 (ja) 一酸化炭素酸化触媒、及びその製造方法
JP5982964B2 (ja) 硫黄酸化物除去剤
JP2002079099A (ja) ガス除去材
JP2016193414A (ja) ケミカルフィルター
WO2010073350A1 (ja) NOx吸収剤及びその製造方法並びにその除去方法
TWI314473B (en) High activity chemical filter, its preparation and use in removing hazard gas by adsorption
WO2015072263A1 (ja) 吸着剤
JP6607422B1 (ja) ホルムアルデヒド捕捉材
WO2020110874A1 (ja) アルデヒド分解用触媒
JP2017094309A (ja) アルデヒド類除去触媒とその製造方法、アルデヒド類ガスの除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180521

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6349736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250