JP6349575B2 - Hmbを含有する酸性飲料 - Google Patents
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Description
また、加熱殺菌工程や冷蔵保存時においては、さらに析出沈殿物の発生しやすいという問題点もあった。
また、加熱殺菌工程や冷蔵保存時においても析出沈殿物を発生しない酸味料をスクリーニングすることにより、析出沈殿物を生じない安定性に優れた酸味料添加飲料を提供するに至った。
具体的には、本発明は、以下のHMB及び酸味料を配合する飲料を提供する。
上記課題を解決するための本願第1発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有することを特徴とする飲料である。
(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
[本願第2発明の構成]
上記課題を解決するための本願第2発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)を含有し、クエン酸塩、酒石酸塩を含まないことを特徴とする飲料である。
(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上
[本願第3発明の構成]
上記課題を解決するための本願第3発明は、前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/3以上であることを特徴とする本願第1発明に記載の飲料である。
[本願第4発明の構成]
上記課題を解決するための本願第4発明は、前記(A)がリンゴ酸であり、前記(B)がクエン酸であることを特徴とする本願第1又は3発明に記載の飲料である。
[本願第5発明の構成]
上記課題を解決するための本願第5発明は、前記(B)の酸味料は、果汁由来であることを特徴とする本願第1、3又は4発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第6発明の構成]
上記課題を解決するための本願第6発明は、前記飲料は、40℃以上の温度で加熱殺菌処理したことを特徴とする本願第1〜5発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第7発明の構成]
上記課題を解決するための本願第7発明は、前記飲料は、0℃〜15℃の温度で72時間以上冷蔵したことを特徴とする本願第1〜6発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第8発明の構成]
上記課題を解決するための本願第8発明は、前記3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウムであることを特徴とする本願第1〜7発明のいずれかに記載の飲料である。
また、HMB及び酸味料を配合した飲料において、析出沈殿物が発生することなく、保存安定性に優れた飲料を提供することができる。
本願第3、4、6〜8発明によれば、析出沈殿物の発生を阻害する効果が顕著なものとなる。
本願第5発明によれば、クエン酸、酒石酸を含有する果汁を使用しても析出沈殿物が発生することがなく、果汁のフレッシュさを有するHMB配合飲料を提供することができる。
[HMB]
本発明のHMBとは、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩であり、飲料に配合されて摂取される。HMBの塩としては、特に制限されないが、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。特に、カルシウム塩が好ましい。
HMBの摂取量は、一日あたり0.01〜10gであり、好ましくは、1〜3gであり、飲料に溶解して摂取される。
本発明の飲料の容量は、特に限定されないが、1〜2000mLであり、好ましくは、50〜1000mL、特に好ましくは、80〜600mLである。
本発明において、HMB配合飲料に添加される酸味料は、(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上、及び、(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上である。
また、クエン酸三ナトリウムは、クエン酸の酸味を緩和するなど、酸味の改良、向上効果をもつ酸味料である。
酒石酸、酒石酸ナトリウムは、ぶどうに多く含まれる酸で、やや渋みを感じる爽快な酸味を有する。酸味の付与、増強効果を有する酸味料である。
しかし、これらの(B)成分の酸味料のみをHMB配合飲料に添加すると、析出沈殿物を発生するため、(B)成分のみでは、酸味料を添加した飲料を流通することができない。
リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムは、リンゴなどの果実類に広く含まれる酸であり、クエン酸に比べ酸味度は同じ程度であるが、わずかに刺激的で持続性のある酸味を付与する効果がある。
また、乳酸、乳酸ナトリウムは、ヨーグルトや乳酸菌飲料等の酸味の主成分である。やわらかくコクがあり、わずかに渋みのある酸味料である。
これらのクエン酸塩、酒石酸塩を含まない条件において、(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上を添加することにより、析出沈殿物を形成せずに酸味を付けることが可能である。
これらの天然物を使用する場合には、天然物に含まれる酸味料の含量を測定して適切な配合量に調整して使用する。
(A)成分の酸味料の配合量は0.01〜10質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.08〜0.5質量%である。
(B)成分の酸味料の配合量は0.01〜5質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.08〜0.5質量%である。
また、本発明のHMBと酸味料を配合する飲料のpHは1〜6.5であり、pH2〜6であることが好ましい。
また、(A)成分として乳酸、(B)成分としてクエン酸を使用した場合には、(A)成分の配合量を(B)成分の配合量に対して1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることが特に好ましい。
本発明のHMB及び酸味料を配合する飲料の製造方法は、各成分を混合溶解し、加熱殺菌処理をすることが好ましい。
加熱殺菌処理とは、40℃以上に加熱することにより殺菌する処理である。好ましくは60℃以上、更に好ましくは80℃以上に加熱する。また、加熱温度は、130℃以下であり、好ましくは100℃以下である。
(実施例1、2、比較例1〜4)
各例では、表1に表示される各成分を混合溶解することによりHMB及び酸味料を配合した飲料を調製する。得られた飲料を90℃で30分間加熱して殺菌後、室温に冷却する。常温まで冷却した飲料を8℃の冷蔵庫で72時間保管した。
◎:8℃で72時間冷蔵後も析出沈殿物が発生せず、澄明な液体であった。
○:加熱殺菌処理をしても析出沈殿物が発生しなかったが、8℃で72時間冷蔵後、わずかな析出沈殿物が認められた。
×:加熱殺菌処理後、多量の析出沈殿物が認められた。
さらに、比較例3では、リンゴ酸又は乳酸に代えて、アスコルビン酸を添加したものの、析出沈殿物の発生を抑制することができなかった。比較例4では、クエン酸に対するアスコルビン酸の配合量を多くした飲料を調製したが、これも析出沈殿物の発生を抑制することができなかった。
実施例1、2と同様に、表2に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
実施例1、2と同様に、表3に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
一方、リンゴ酸の配合量がクエン酸の配合量の1/4以下では、加熱殺菌後には、析出沈殿物は認められなかったものの、冷蔵保管後、わずかに析出が認められた。なお、リンゴ酸の配合量がクエン酸の配合量の1/4以下とした飲料においても、常温下で72時間保管した場合には析出沈殿物は認められなかった。
実施例1、2と同様に、表4に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
実施例15、16では、清涼飲料として「パイナップル果汁30%飲料」及び「スポーツドリンク」を調製した。調製方法は、実施例1、2と同様に、表5、6に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
本発明は、クエン酸含む果汁を配合したフレッシュな清涼飲料において、HMBを添加することができる。
Claims (8)
- 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、
前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有し、
前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/3以上であることを特徴とする飲料。
(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される1種又は2種以上 - 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有し、
前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/1以上であることを特徴とする飲料。
(A)乳酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される1種又は2種以上 - 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)を含有し、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩を含まないことを特徴とする飲料。
(A)乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上 - 前記(A)がリンゴ酸であり、前記(B)がクエン酸であることを特徴とする請求項1に記載の飲料。
- 前記(B)の酸味料は、果汁由来であることを特徴とする請求項1、2又は4のいずれかに記載の飲料。
- 前記飲料は、40℃以上の温度で加熱殺菌処理したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の飲料。
- 前記飲料は、0℃〜15℃の温度で72時間以上冷蔵したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の飲料。
- 前記3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の飲料。
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