JP7202800B2 - 水分散性組成物、食品組成物、水分散液及び泡立ち抑制方法 - Google Patents

水分散性組成物、食品組成物、水分散液及び泡立ち抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、水分散性組成物、食品組成物、水分散液及び泡立ち抑制方法に関する。
ロコモティブシンドローム(以下、「ロコモ」と記載する)とは、筋肉や関節など運動器の障害のために移動機能(運動機能)の低下をきたした状態であり(2007年 日本整形外科学会提唱)、進行すると要介護リスクが高くなる。ロコモは、筋肉ケア、関節ケア、骨ケアの3つの運動器に対するケアが重要である。
上記3つのケアのうち、骨ケア成分に関連する機能性表示として、現在のところ、大豆イソフラボンやβ-クリプトキサンチン等が消費者庁に機能性表示食品として届出されている。
ところで、ロコモケア製品として、高齢者(アクティブシニア)をターゲット層に想定した場合、剤形を錠剤又はカプセルとすると、一回服用当たりの粒数増加、カプセルサイズアップにより喉につまるなどの危険性が生じる。そのため、剤形は、液体飲料組成物又は要時調製の粉末飲料組成物が好ましい。
骨ケア成分の中でも大豆イソフラボンが粉末のため、上記組成物の好適な材料と考えられる。しかしながら、大豆イソフラボン原料である大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物は、大豆サポニンを含むので、水に溶かすと泡立ちが顕著に生じる。飲料組成物における泡立ちは、摂取時の妨げとなり得る。また、泡の残存により、飲み残しが生じ得る。
一方で、大豆サポニンは、抗酸化機能、コレステロール低下作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、レニン阻害作用、肝機能保護作用、抗腫瘍作用、血糖値上昇抑制作用等の種々の機能を有することが知られており(例えば、非特許文献1参照)、大豆サポニンも有用な成分である。そのため、大豆サポニンの泡立ちを抑制する技術が望まれる。
一般的な消泡技術として、シリコーン系乳化剤、食用油、エタノール等を用いることが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2016-116515号公報 特開平04-320667号公報 特開2016-146751号公報
佐藤俊郎、加茂修一、「大豆サポニンとビタミンK2(メナキノン-7)の構造・吸収・機能」、日本食品科学工学会誌、2013年9月、第60巻、第9号、p.527-533
大豆サポニンの泡立ちを抑制する場合、シリコーン系乳化剤を使用すると、組成物の容量が増加するという課題がある。加えて、シリコーン系乳化剤については、食品添加物公定書で使用量に制限がされており、泡立ち量によっては抑制が不十分な場合がある。また、食用油を用いると、水油分離が生じ得るという課題がある。さらに、エタノールを用いると、アルコール飲料となる等の課題がある。
従って、ロコモケアのうち、大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を用いた骨ケアに資する上記の組成物を調製する場合、効果的に泡立ちを抑制し、飲みやすい飲料を調製することが好ましい。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、筋肉ケア成分の1つとして知られている3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩を添加することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、pHを酸性(2~5)にすることにより、消泡効果が一層高まることを見出した。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕(A)成分:(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物と、(B)成分:3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩(以下、本明細書中「HMB(塩)」とも記載する)と、を含む水分散性組成物。
〔2〕前記(a1)と前記(a2)の合計の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/((a1)+(a2))が5以上である上記〔1〕に記載の水分散性組成物。
〔3〕前記(a2)の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/(a2))が7以上である上記〔1〕又は〔2〕に記載の水分散性組成物。
〔4〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の水分散性組成物を含む食品組成物。
〔5〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の水分散性組成物を含む医薬品組成物。
〔6〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の水分散性組成物と、水媒体と、を含む水分散液。
〔7〕pH値が2~5である上記〔6〕に記載の水分散液。
〔8〕(A)成分:(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を含む水分散体の(B)成分:3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩を有効成分とする泡立ち抑制方法。
本発明によれば、ロコモケアのうち、大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を用いた骨ケアに資する水分散性組成物を用いて水分散液を調製する場合、効果的に泡立ちを抑制し、飲みやすい飲料を調製し得る。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「水分散性組成物」とは、水に投入して撹拌した際、組成物が完全に溶解した状態(即ち、水溶性組成物)、組成物(の一部)が水に安定に浮かんだ状態(即ち、コロイド溶液)、或いは組成物(の一部)が凝集して沈降した状態(即ち、懸濁液)となるものをいう。
[1.水分散性組成物]
本発明の水分散性組成物は、(A)成分:(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物と、(B)成分:HMB(塩)と、を含む。
本発明の水分散性組成物は、(A)成分として(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を含むので、骨ケアとしての機能を期待し得る。また、本発明の水分散性組成物は、(B)成分として、HMB(塩)を含むので、水分散液とした際の顕著な泡立ちを抑制し得るとともに、泡立ちが生じた場合でも短時間で消泡し得る。そして、水分散液の泡立ち抑制効果が高いので、飲みやすい飲料を調製し得る。加えて、HMB(塩)は、筋肉ケア成分の機能性表示が可能である。従って、本発明の水分散性組成物は、水分散液を調製した際、効果的に泡立ちを抑制し、飲みやすい飲料を調製し得るという効果に加えて、筋肉ケア及び骨ケアの2つのロコモケアの機能を期待し得る。
[1-1.(A)成分]
(A)成分は、(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物であり、(a1)大豆イソフラボンの含有量が多いという観点から、大豆胚芽抽出物が好ましい。大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物は、通常、(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する。
(a1)大豆イソフラボンは、骨ケア成分の有効成分である。液体飲料組成物又は要時調製の粉末飲料組成物とする場合、消費者の嗜好性を考慮して酸性に調整することが多い。しかしながら、(a1)大豆イソフラボンは、酸性領域での水への溶解性は低いことが知られている。
(a2)サポニンは、種々の機能を有する成分であることに加えて、水への溶解性が高い成分である。そのため、液体飲料組成物又は要時調製の粉末飲料組成物とする場合、(a1)大豆イソフラボンの含有量と併せて(a2)サポニンの含有量を適宣調整する必要がある。但し、(a2)サポニンは、界面活性作用を有する物質であり、泡立ち作用と関連する。
大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を得る方法は、特に限定されなく、例えば、次の方法が挙げられる。原料として、大豆のみならず、大豆胚芽、脱皮大豆、抽出大豆、分離大豆、脱脂大豆、大豆タンパク質、醤油油、醤油粕、たまり粕、味噌、豆味噌、納豆、発酵大豆、大豆絞り粕、大豆蒸煮液、またはこれらの組合せを使用する。丸大豆、脱皮大豆、脱脂胚軸、大豆胚軸、大豆粉等の固形原料を用いる場合は、まず粉砕機にて細断、粉砕する。
原料又は原料の粉砕物に抽出溶媒を加えて大豆抽出物溶液を得る。抽出溶媒は、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン等のエーテル等の有機溶媒が挙げられる。中でも、含水アルコールが好ましく、70~90体積/体積%(以下、「v/v%」とも記載する)のアルコール水溶液がより好ましく、約80v/v%のアルコール水溶液がさらに好ましい。
抽出温度は、常温から有機溶媒の沸点付近が好ましい。抽出時間は、原料の種類やその量、抽出溶媒の種類やその量にあわせて適宜設定し得る。抽出方法は、混合抽出、並流混合抽出、連続混合抽出、循環混合抽出、濾過を用い得る。抽出回数は、収率を上げるため数回繰り返して行ってもよい。
得られた大豆抽出物溶液は、必要に応じて濃縮、又は乾固してもよい。濃縮方法は、例えば、減圧濃縮、加熱濃縮、通風濃縮、冷凍濃縮、噴霧濃縮、及びその他の濃縮方法、又はこれらの組合せが挙げられる。また、乾燥方法は、例えば、天日乾燥、(熱)風乾燥、真空乾燥、通気乾燥、流動乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、及びその他の乾燥法、又はこれらの組合せが挙げられる。
得られた大豆抽出物溶液中の(a1)大豆イソフラボン含有量が低いときは、更に、合成樹脂を用いて濃縮してもよい。高含有量の(a1)大豆イソフラボンを含有する抽出物は、例えば、特開昭62-126186号、あるいは北川らの方法(日本食品工業学会誌、33(12)、821~825:1986)により得ることができる。例えば、合成樹脂として、多孔性スチレン-ジビニルベンゼン樹脂であるダイヤイオンHP-20(三菱化成工業製)、アンバーライトXAD-2、XAD-4(ローム・アンド・ハース社製)、デュライトS-861、S-862(住友化学工業製)等を用い、溶液量に対して1/50~1/5倍量をカラムに充填し、大豆抽出物溶液を精製する。溶出液としては、30~80v/v%の含水アルコール溶液を用いる。濃縮物は、さらに加熱、減圧により有機溶媒を完全に除去してもよい。
上記の方法により、固形分中の(a1)大豆イソフラボン含有量が20~90質量/質量%(以下、「w/w%」とも記載する)、好ましくは10.0~30.0w/w%、より好ましくは10.0~20.0w/w%の大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物が得られる。その他の成分としては、(a2)サポニンを含む。
また、(A)成分は、市販品として入手可能である。市販品としては、例えば、製品名「イソフラボン-20」(タマ生化学社製)、「AglyMax-30」(ニチモウバイオティックス社製)、「アイソマックス-10」(常磐植物化学研究所社製)、「イソフラボンアグリコン30E」(キッコーマンバイオケミファ社製)、「フジフラボンP10」(フジッコ社製)が挙げられる。
本発明の水分散性組成物に含まれる(A)成分の含有量は、好ましくは1.5~15w/w%であり、より好ましくは2.5~10.5w/w%である。
(A)成分の含有量が1.5w/w%以上であると、骨ケア成分として機能し得る。一方、15w/w%以下であると、水分散液を調製した際に、過度の溶け残りが生じることを防止し得る。
((a1)大豆イソフラボン)
(a1)大豆イソフラボンは、ポリフェノールの一種である。天然由来の(a1)大豆イソフラボンは、マメ科、バラ科、アヤメ科、クワ科、ヒユ科、特にマメ科植物に存在する。(a1)大豆イソフラボンは、大豆、特に胚芽部分に多く含まれている。食品中に含まれる(a1)大豆イソフラボンの多くは、糖が結合したイソフラボン配糖体として存在する。イソフラボン配糖体としては、例えば、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチンが挙げられる。一方、糖が結合していない(a1)大豆イソフラボンは、イソフラボンアグリコン(アグリコン型イソフラボン)と呼ばれている。イソフラボンアグリコンとしては、例えば、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインが挙げられる。
これらの(a1)大豆イソフラボンの成分は、1種単独の成分でもよく、2種以上の成分の併用でもよい。
大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物に含まれる(a1)大豆イソフラボンの含有量は、好ましくは10.0~30.0w/w%であり、より好ましくは10.0~20.0w/w%である。
(a1)大豆イソフラボンの含有量が10.0w/w%以上であると、骨ケア成分としての機能を期待し得る。また、その含有量が30.0w/w%以下であると、水分散液を調製した際に、過度の溶け残りが生じることを防止し得る。
(a1)大豆イソフラボンの含有量は、以下のようにして測定した値である。
大豆イソフラボンとして1~10mgに対応する試料を正確に秤量し、これに70v/v%エタノールを25mL加える。30分間室温で撹拌抽出した後、遠心分離して抽出液を得る。残渣に対して、同様の抽出操作を更に2回行う。計3回分の抽出液を70v/v%エタノールで100mLに定容し、0.45μmPVDFフィルターにて濾過して試験溶液を調製する。
別途、標準品12種類(ダイジン、ゲニスチン、グリシチン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、マロニルダイジン、マロニルゲニスチン、マロニルグリシチン、アセチルダイジン、アセチルゲニスチン、アセチルグリシチン(以上、和光純薬工業社製))を用いて調製した標準溶液をHPLCで分析し、イソフラボン濃度(ダイジン換算値)を定量し、定量係数を乗じることにより真のイソフラボン濃度を算出し得る。
そして、調製した試験溶液をHPLCで分析し、上記の真のイソフラボン濃度と比較した後、各種イソフラボン濃度の総和から大豆イソフラボンの含有量を算出し得る。
以下にイソフラボンの定量係数とHPLC分析条件を記す。
イソフラボンの定量係数:
ダイジン:1.000
ゲニスチン:0.814
グリシチン:1.090
ダイゼイン:0.583
ゲニステイン:0.528
グリシテイン:0.740
マロニルダイジン:1.444
マロニルゲニスチン:1.095
マロニルグリシチン:1.351
アセチルダイジン:1.094
アセチルゲニスチン:1.064
アセチルグリシチン:1.197
HPLC分析条件:
カラム:YMC-Pack QDS-AM-303(4.6×250mm)
移動相:A液 アセトニトリル:水:酢酸=15:85:0.1(v/v/v)
B液 アセトニトリル:水:酢酸=35:65:0.1(v/v/v)
A液 → B液 直線濃度グラジエント(50分間)
流速:1.0mL/min
温度:25℃
検出:UV254nm
注入量:10μL
成人の(a1)大豆イソフラボンの1日当たりの摂取量は、好ましくは10.0~75.0mgであり、より好ましくは15.0~30.0mgであり、さらに好ましくは22.5~27.5mgである。かかる量を摂取することで、骨ケアの機能性成分として有用になる。
((a2)サポニン)
(a2)サポニンは、サポゲニンと糖から構成される配糖体の総称である。(a2)サポニンは、サボンソウをはじめとするさまざまな植物で見られ、一部の棘皮動物(ヒトデ、ナマコ)の体内にも含まれる。(a2)サポニンは、白色の無定形粉末であり、両親媒性を持つため、水に混ぜると溶解し、振り混ぜると石鹸のように泡立つ等の界面活性作用を示す。
(a2)サポニンは、「ソヤサポゲノールA」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC-3位とC-22位に糖鎖がエーテル結合したビスデスモシドサポニンであるグループAサポニンと、「ソヤサポゲノールB」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC-3位に糖鎖がエーテル結合したモノデスモシドサポニンであるグループBサポニンに分類される。また、糖鎖の部分中がアセチル化されたサポニンも存在する。
これらの(a2)サポニンの成分は、1種単独の成分でもよく、2種以上の成分の併用でもよい。
大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物に含まれる(a2)サポニンの含有量は、好ましくは20.0~70.0w/w%であり、より好ましくは35.0~55.0w/w%である。
(a2)サポニンの含有量が20.0w/w%以上であると、水分散液を調製した際に、過度の溶け残りが生じることを防止し得る。また、その含有量が70.0w/w%以下であると、泡立ちが過度に多くなく、(B)成分による泡立ち抑制効果を発揮し、飲みやすい飲料を調製し得る。
(a2)サポニンの含有量は、以下のようにして測定した値である。
大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物にメタノールを加え、還流抽出を行う。得られた抽出液を乾固し、塩酸メタノール溶液にて加水分解を行う。さらに酢酸エチルにて分配した後、ビストリメチルシリルトリフルオロアセドアミドにて誘導体化する。
これをガスクロマトグラフィーに供し、内部標準(カプリン酸コレステロール)から定量を行い得る。定量はアグリコンであるソヤサポゲノールA及びソヤサポゲノールBの検量線からグループAサポニン含量、グループBサポニン含量を測定し、合計量をサポニン含有量とし得る。
[1-2.(B)成分]
(B)成分は、3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩である。HMB(塩)は、ロイシンの代謝産物であり、筋量や筋力の増加に効果のある筋肉ケア素材として知られている。本発明の水分散性組成物は、HMB(塩)とサポニンを併用すると、サポニンによる泡立ちを抑制し、飲みやすい飲料を調製し得るという新規な知見を利用して完成されたものである。
HMBの塩は、食品として配合可能な塩であればよい。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエノールアンモニウム塩、ピリジウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸塩が挙げられる。
これらの中でも、3-ヒドロキシイソ吉草酸の塩は、無機塩基塩が好ましく、カルシウム塩がより好ましい。
(B)成分は、天然由来の成分でもよいし、人工的に製造した成分でもよいし、遺伝子組み換えにより製造された成分でもよいし、市販品でもよい。市販品としては、例えば、製品名「HMB協和」(協和発酵バイオ社製)、「小林HMBパウダー」(小林香料社製)が挙げられる。
(B)成分は、1種単独の成分でもよく、HMB及び/又はHMBの塩の2種以上の組み合わせであってもよい。
本発明の水分散性組成物に含まれる(B)成分の含有量は、好ましくは25~90w/w%であり、より好ましくは30~85w/w%である。
(B)成分の含有量が25w/w%以上であると、(a2)サポニンの泡立ちを抑制し得るとともに、筋肉ケア成分として機能し得る。一方、85w/w%以下であると、製品コストの面で経済的とし得る。
成人のHMB(塩)の1日当たりの摂取量は、好ましくは100~10,000mgであり、より好ましくは1,000~5,000mgである。かかる量を摂取することで、筋肉ケアの機能性成分として有効であるとともに、(B)成分がHMBカルシウム塩の場合には、カルシウムによる骨ケアの効果も期待し得る。
[1-3.含有量及び比率]
本発明の水分散性組成物中、(a1)大豆イソフラボンの含有量は、好ましくは0.1~3.0w/w%であり、より好ましくは0.3~2.5w/w%、さらに好ましくは0.4~2.0w/w%である。
(a1)大豆イソフラボンの含有量が0.1w/w%以上であると、骨ケア成分としての機能を期待し得る。また、その含有量が3.0w/w%以下であると、水分散液を調製した際に、過度の溶け残りが生じることを防止し得る。
本発明の水分散性組成物中、(a2)サポニンの含有量は、好ましくは0.5~10.0w/w%であり、より好ましくは1.0~8.0w/w%、さらに好ましくは1.0~5.0w/w%である。
(a2)サポニンの含有量が0.5w/w%以上であると、水分散液を調製した際に、過度の溶け残りが生じることを防止し得る。また、その含有量が10.0w/w%以下であると、泡立ちが過度に多くなく、(B)成分による泡立ち抑制効果を発揮し、飲みやすい飲料を調製し得る。
(a1)大豆イソフラボンと(a2)サポニンの合計の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/((a1)+(a2)))の下限値は、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。また、その上限値は、特に限定されないが、100以下が好ましく、60以下がより好ましい。
(B)/((a1)+(a2))が5以上であると、(B)成分による(a2)サポニンの泡立ち抑制効果を期待し得、飲みやすい飲料を調製し得る。一方、100以下であると、製品コストの面で経済的とし得る。
(a1)大豆イソフラボンの含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/(a1))の下限値は、20以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上がさらに好ましい。また、その上限値は、特に限定されないが、200以下が好ましい。
(B)/(a1)が20以上であると、筋肉ケアとしての機能性の面で好ましい。一方、200以下であると、製品コストの面で経済的とし得る。
(a2)サポニンの含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/(a2))の下限値は、7以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上がさらに好ましい。また、その上限値は、特に限定されないが、200以下が好ましく、100以下がより好ましい。
(B)/(a2)が7以上であると、(B)成分による(a2)サポニンの泡立ち抑制効果を期待し得、飲みやすい飲料を調製し得る。一方、200以下であると、製品コストの面で経済的とし得る。
[1-4.任意成分]
本発明の水分散性組成物は、本発明の効果を阻害しない限り、任意成分を含んでもよい。任意成分としては、例えば、グルコサミン及び/又はその塩等の関節ケア成分;含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸等の二酸化珪素;結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン、乳糖、コーンスターチ、タルク、粉糖、マンニトール、デキストリン等の賦型剤;ショ糖、砂糖、蜂蜜、ブドウ糖果糖液糖、ブドウ糖、甘草(グリチルリチン)、果糖、ソーマチン、麦芽糖、黒糖等の甘味料;クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸等の食品用有機酸や、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩等のナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、炭酸塩等のpH調整剤;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、EDTA、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の合成抗酸化剤;カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン等のカロテノイド;ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)等の抗酸化ビタミン類;カテキン、イソフラボン等のフラボノイド類;ポリフェノール類、またはそれらの誘導体、ローズマリー抽出物等の抗酸化剤;アロエ搾汁液、アマチャヅル、薬用人参等の薬効成分;リンゴ果汁、梅果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁等の果汁;リンゴ香料、梅香料、ミカン香料、グレープフルーツ香料等の香料が挙げられる。
任意成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
上記の中でも、任意成分としては、pH調整剤を用いることが好ましい。pH調整剤を用いて水分散液のpHを2~5に調整すると、消費者の嗜好性に適する味になることに加えて、(B)成分による(a2)サポニンの泡立ち効果を抑制し、飲みやすい飲料を調製し得るからである。
[1-5.製造工程]
本発明の水分散性組成物の製造方法は、特に限定されるものではない。一例として、粉末顆粒の形態を製造する場合、有効成分をそのまま又はその他の成分や生理活性成分と同時又は数段階に分けて混和したものを、流動層造粒法、撹拌造粒法、押出造粒法等の公知の造粒方法に従って造粒して顆粒状に成形することができる。
[1-6.使用態様]
本発明の水分散性組成物の使用態様は特に限定されない。但し、本発明の水分散性組成物を用いて水分散液を調製する場合、効果的に泡立ちを抑制し、飲みやすい飲料を調製し得るという効果に鑑みると、水媒体に分散して飲用する飲料用原料組成物としての使用態様が好ましい。当該使用態様については、「3.水分散体」でより詳細に説明する。
なお、「水媒体に分散して飲用する」の「分散」には、水媒体に完全に溶解する態様に加えて、コロイド粒子等を形成して一部又は全部が水媒体に粒子として存在する態様も含む。
[2.食品組成物、医薬品組成物]
本発明の食品組成物及び医薬品組成物は、上記の水分散性組成物を含む。食品組成物、医薬品組成物として使用する場合、本発明の水分散性組成物を飲食品や機能性食品に添加剤として使用し得る。添加剤として使用する場合、その様態は、乾燥物の粉末や水分散液として添加し得る。
本発明の水分散性組成物を、添加剤として配合し得る飲食品や機能性食品には、特に制限はない。例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料等)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベット等)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん等)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、マーガリン、発酵乳等)、スープ(粉末状スープ、液状スープ等)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアル等)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆ等)が挙げられる。
本発明の食品組成物及び医薬品組成物は、固形剤形や液体剤形を製造するのに用いられている慣用の任意の補助成分、例えば、賦形剤、崩壊剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、着色剤、矯味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑択剤、懸濁剤、防腐剤、酸化防止剤等を含んでもよい。
賦形剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその薬理学的に許容される誘導体;ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール等の合成高分子;ゼラチン、アラビアゴム末、プルラン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム等の多糖類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のスターチ及びその薬理学的に許容される誘導体;乳糖、果糖、ブドウ糖、白糖、トレハロース、パラチノース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、粉末還元麦芽糖水飴、マルチトール等の糖類及び糖アルコール類;軽質無水ケイ酸、微粒酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル等の無機賦形剤が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプンが挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、アルファー化デンプンが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸が挙げられる。
[3.水分散液]
本発明の水分散液は、上記の水分散性組成物と、水媒体と、を含む。水媒体としては、水のみであってもよいし、試飲可能な限り、含水アルコールのようなものであってもよい。但し、水が好ましい。
水としては、試飲可能な限り限定されるものではない。例えば、水道水、蒸留水、井戸水、精製水が挙げられる。
なお、水の容量は、消費者が試飲することを考慮して、通常、10~1000mLであり、好ましくは50~500mLであり、さらに好ましくは100~200mLである。
本発明の水分散液中、(a1)大豆イソフラボンの含有量は、好ましくは0.001~0.5質量/体積%(g/100mL、以下、「w/v%」とも記載する)であり、より好ましくは0.003~0.1w/v%であり、さらに好ましくは0.005~0.05w/v%である。斯かる範囲であると、骨ケア成分として有用である。
本発明の水分散液中、(a2)サポニンの含有量は、好ましくは0.003~1w/v%であり、より好ましくは0.008~0.3w/v%であり、さらに好ましくは0.01~0.15w/v%である。斯かる範囲であると、(B)成分を用いることで、泡立ちの発生を抑制するとともに、泡立ちが生じても消泡し、飲みやすい飲料を調製し得る。
本発明の水分散液中、(A)成分の含有量は、好ましくは0.03~2w/v%であり、より好ましくは0.05~0.5w/v%、さらに好ましくは0.08~0.2w/v%である。
本発明の水分散液中、(B)成分の含有量は、好ましくは0.2~10w/v%であり、より好ましくは0.5~3.0w/v%である。斯かる範囲であると、(a2)サポニンによる泡立ちの発生を抑制するとともに、泡立ちが生じても短時間で消泡し、飲みやすい飲料を調製し得る。
本発明の水分散液のpH(20℃)は、通常、2~8であり、好ましくは2~6.5であり、より好ましくは2~5.5であり、さらに好ましくは2~5である。水分散液のpHが2~5であると、消費者の嗜好性にそった味にし得るとともに、(B)成分による消泡効果を向上し、飲みやすい飲料を調製し得る。なお、pHの調整は、pH調整剤を用いて行い得る。
[4.泡立ち抑制方法]
本発明の泡立ち抑制方法は、(A)成分を含む水分散体の泡立ちを、(B)成分を有効成分として抑制する方法である。(A)成分を含む水分散体は、(a2)サポニンを含むので、撹拌すると泡立ちが生じ得る。(a2)サポニンによる生じた泡立ちは短時間では消泡しない(後述の比較例1参照)。
本発明の泡立ち抑制方法は、(B)成分を有効成分とするので、(a2)サポニンによる泡立ちを抑制し得るとともに、泡立ちが生じた場合であっても、短時間で消泡し得る(後述の実施例2参照)。そのため、調製した水分散液を水筒等に入れて、職場や運動場等に持ち運ぶ場合であっても、運搬時に生じた泡立ちを消泡し得る。従って、水分散液とする場合、試飲時に都度、泡立ちが生じないようゆっくりと撹拌して調製する必要がなく、消費者の利便性に資する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
[消泡試験]:
表2~4に示す所定量の各成分を混合した組成物に、さらに所定量の精製水を加えて水分散液を調製した。調製した水分散液を円柱状の容器(口の直径:2.5cm、容器の直径:6.5cm、高さ:21cm)に入れ、2秒間に1回、10回上下反転した。反転直後の泡高さを測定し、下記消泡効果の計算方法で消泡率を算出した。消泡率から、下記評価基準で評価した。結果を表に記す。なお、当該試験は室温(22~23℃)で行った。
(消泡効果の計算方法)
a:反転直後の各水分散液の泡高さ
b:実施例1~8:反転直後の比較例1の泡高さ
実施例9 :反転直後の比較例2の泡高さ
比較例3~7:反転直後の比較例1の泡高さ
消泡率(%)=100-(a/b×100)
(評価基準)
A:消泡率が70%以上
B:消泡率が50%以上70%未満
C:消泡率が40%以上50%未満
D:消泡率が40%未満
[飲みやすさの評価]:
表2~4に示す所定量の各成分を混合した組成物に、さらに所定量の精製水を加えて水分散液を調製した。調製した水分散液を円柱状の容器(口の直径:2.5cm、容器の直径:6.5cm、高さ:21cm)に入れ、2秒間に1回、10回上下反転した。反転直後、パネラー男女5名に円柱状の容器に入った各水分散液のうち、20mLを飲んでもらい、下記の評点に従い官能評価を行った。評価基準を下記に示す。なお、当該試験は室温(22~23℃)で行った。
(評点)
5点:泡をほとんど感じず、非常に飲みやすい
4点:泡を感じるが、飲みやすい
3点:泡を感じて、やや飲みづらい
2点:泡をかなり感じて、飲みづらい
1点:泡を強く感じて、非常に飲みづらい
(評価基準)
A:パネラー5名の評点の平均点が4.5点以上
B:パネラー5名の評点の平均点が4.0点以上4.5点未満
C:パネラー5名の評点の平均点が3.5点以上4.0点未満
D:パネラー5名の評点の平均点が3.5点未満
以下の実施例、比較例及び処方例で用いた成分の一覧を表1に記す。
Figure 0007202800000001
(実施例1~8、比較例1)
表2に示す所定量の各成分を混合した組成物に、精製水を加えて200mLの水分散液を調製した。調製した水分散液に対して、消泡試験及び飲みやすさの評価を行った。評価結果を表2に記す。
Figure 0007202800000002
比較例1の結果から、(A)成分を精製水に分散させると、泡立ちが生じ、非常に飲み難いものであることがわかる。また、30分静置しても泡の高さは高く、消泡効果は低かった。一方、実施例1~8の結果から、(A)成分とともに(B)成分を含有する組成物を精製水に分散させると、消泡効果があり、泡を感じても飲みやすいか、泡をほとんど感じず、非常に飲みやすいものであることがわかる。また、実施例2から、30分静置すると泡の高さが1cm以下となり、時間による消泡効果が高かった。
特に、実施例2~6の結果から、水分散液のpHが低い方が泡立ちを抑制できることがわかる。また、実施例1~2、7~8の結果から、(B)成分の含有量を多くすることでも、泡立ちを抑制できることがわかる。
(実施例9、比較例2)
表3に示す所定量の各成分を混合した組成物に、精製水を加えて100mLの水分散液を調製した。調製した水分散液に対して、消泡試験及び飲みやすさの評価を行った。評価結果を表3に記す。
Figure 0007202800000003
比較例2の結果から、精製水の容量を少なくすると、泡立ちがさらに生じ、非常に飲み難いものであることがわかる。一方、実施例9の結果から、(A)成分とともに(B)成分を含有する組成物を精製水に分散させると、精製水の容量が少なくても消泡効果があり、泡を感じても飲みやすいかものであることがわかる。
(比較例1、3~7)
表4に示す所定量の各成分を混合した組成物に、精製水を加えて200mLの水分散液を調製した。調製した水分散液に対して、消泡試験及び飲みやすさの評価を行った。評価結果を表4に記す。
Figure 0007202800000004
比較例1、3の結果から、(B)成分を含まない場合、pHを下げても泡高さがほとんど変わらず、飲みやすさに影響しないことがわかる。また、比較例4~7の結果から、HMBの代謝前のロイシンや水溶性アミノ酸であるグルタミンでも泡の発生を抑制する効果がほとんどないことがわかる。
従って、(a2)サポニンの泡立ちは、(B)成分による特異な効果であるといえる。
以下、処方例を表5に記載する。
Figure 0007202800000005

Claims (8)

  1. (A)成分:(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物と、
    (B)成分:3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩と、
    を含み、
    前記(a2)の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/(a2))が7~45.7であり、
    前記(A)成分に含まれる、
    前記(a1)の含有量が10.0~30.0w/w%であること、及び/又は、
    前記(a2)の含有量が20.0~70.0w/w%であること
    を満たす、
    水分散性組成物。
  2. 前記(a1)と前記(a2)の合計の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)/((a1)+(a2))が5以上である請求項1に記載の水分散性組成物。
  3. 水分散性組成物に含まれる前記(B)成分の含有量が、25~90w/w%である、請求項1又は2に記載の水分散性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水分散性組成物を含む食品組成物。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水分散性組成物を含む医薬品組成物。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水分散性組成物と
    水媒体と、を含む水分散液。
  7. pH値が2~5である請求項6に記載の水分散液。
  8. (A)成分:(a1)大豆イソフラボン及び(a2)サポニンを含有する大豆胚芽抽出物又は大豆抽出物を含む水分散体の(B)成分:3-ヒドロキシイソ吉草酸及び/又はその塩を有効成分とする泡立ち抑制方法。
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