JP6349091B2 - 超解像蛍光イメージング用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、スピロ環の環化平衡による蛍光発光特性を利用した新規な超解像蛍光イメージング用プローブ、及び当該プローブを用いた超解像蛍光イメージング方法に関する。
一般に、光の回折により点像は波長の半分程度に広がってしまうため、光学顕微鏡の空間分解能は、Abbeの回折限界に制限され、点像の広がりよりも近接に位置する2点を分離してイメージングすることは不可能と考えられてきた。しかしながら、1990年代から回折限界を上回る分解能での超解像イメージング手法がいくつか報告されてきており(Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.,9,929,2008等)、生細胞に適用することで従来法では観測できなかった生物学的現象を捉える可能性が広がりつつある。
超解像イメージング法の1種であるSTORM(stochasticopticalreconstructionmicroscopy)やPALM(photo−activatedlocalizationmicroscopy)に代表されるSLM法(singlemoleculelocalizationmicroscopy)では、試料内にある蛍光分子を十分距離が離れた1分子ずつ確率的に発光させ、その分子の位置を正確に特定し、重ね合わせることで数10nmの解像度の蛍光画像を構築することができる(例えば、Zhuangら、米国特許公開公報US2008/0032414)。
このようなSLMでは、主に、市販の蛍光色素や蛍光蛋白質が用いられている。しかしながら、このような市販の有機蛍光色素を確率的に発光させるためには、一般的に10〜100mM程度のチオール存在下、酸素を除去した条件において、無蛍光状態を達成するための0.8kW/cm程度の高強度のレーザーにより励起し、三重項等の長寿命の無蛍光状態を作り出すことが必須であり、このような条件は生細胞におけるイメージングには適さない。また、分子内の可逆的な光反応に基づき確率的に発光させるという試みもなされているが、その構造最適化は不十分であり、超解像蛍光イメージングへの適用例は殆ど報告されておらず、汎用されるに至っていない。
これまでの、超解像蛍光イメージング法の開発は、主に光学系や解析ソフトウェアの観点からの開発がほとんどであり、重要な蛍光プローブの開発が遅れているのが現状である。
M.Fernandez−Suarezら、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.,9,929,2008
Zhuangら、米国特許公開公報US2008/0032414
本発明の解決しようする課題は、チオール等の還元剤非存在下かつ酸素存在下において、データ取得前に蛍光性のプローブを無蛍光状態にするために必要であったレーザー照射を省くことができ、かつ低出力のレーザー照射でも機能する超解像蛍光イメージングに適した蛍光プローブ化合物を開発し、生細胞にも適用可能な超解像蛍光イメージング手法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、ローダミン類の熱的な分子内スピロ環化平衡に着目し、分子内求核基と蛍光団の適切な組み合わせによって自発的な蛍光ON/OFF挙動を制御することで、従来のようなチオールとの反応やレーザー照射に依らずに、上記の生細胞にも適用可能な条件下における超解像蛍光イメージングを可能とする蛍光プローブ分子が得られることを見出した。より具体的には、蛍光プローブ分子内の求核基の求核性と蛍光団の求電子性を変化させて、開環分子の存在比や熱的な閉環速度を最適化することによって、超解像蛍光イメージングに適した確率的な発光が可能となることを見出した。これらの知見に基づき、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、一態様において、以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む超解像蛍光イメージング用プローブを提供するものである。
Figure 0006349091
式中、Xは、酸素原子又はC(R)(R)又はSi(R)(R)を表し(ここで、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);Rは、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アミド基、又はアジド基を表し;Yは、C-Cアルキレン基を表し;Rは、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、ヒドロキシル基、チオール基、又はカルボキシル基を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、アジド基、又はハロゲン原子を表し;R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し(ここで、R及びRは、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい);及び、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子もしくはアルキル基を示し、又は、N(R)(R10)がアミド基もしくはカルバメート基を形成する(ここで、R及びR10がアルキル基である場合、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい)。
好ましくは、Xが、Si(R)(R)であり、Yが、メチレン基でありRが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R、R、R及びR10が、いずれもメチル基である。
好ましくは、上記式中、Xが、酸素原子であり、Yがメチレン基であり、Rが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R及びRが、いずれも水素原子であり、N(R)(R10)がアミド基である。
好ましくは、上記式中、Xが、酸素原子であり、Yがメチレン基であり、Rが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R、R、R及びR10が、いずれも水素原子である。
好ましい態様では、本発明は、上記式(I)における
Figure 0006349091
の部分構造が、以下よりなる群:
Figure 0006349091
から選択され、及び、
式(I)における
Figure 0006349091
の部分構造が、以下よりなる群:
Figure 0006349091
から選択され、式(I)の化合物がこれらの任意の組み合わせからなる、上記超解像蛍光イメージング用プローブに関する。
より好ましい態様では、式(I)で表される化合物は、以下よりなる群から選択される。
Figure 0006349091
別の態様において、本発明は、好ましくは、以下の平衡反応
Figure 0006349091
における式(I)の化合物と式(II)の化合物の存在比が、中性条件の水系溶液中において、1:10000〜1:10であり、より好ましくはは1:1000〜1:100であることを特徴とする、超解像蛍光イメージング用プローブである。
上記平衡反応における平衡定数Kcyclが、pKcyclとして3〜7の範囲内となることが好ましく、4〜6の範囲内がより好ましい。
上記平衡反応における反応速度定数kが、中性条件の水系溶液中において、1〜1.0x10−1であることが好ましく、1〜100S−1であることがより好ましい。
さらに別の態様において、本発明は、上記の超解像蛍光イメージング用プローブを用いる超解像蛍光イメージング方法であって、生体分子にプローブ分子を結合し、これにレーザー光を照射して前記プローブ分子からの蛍光発光を撮影した画像データを取得し、一定の時間間隔でこれを繰り返して得られた複数の前記画像データを解析したうえで重ね合わせることによって、前記生体分子の構造に対する超高解像のイメージ画像を得ることを含む、方法に関する。
本発明の超解像蛍光イメージング方法は、チオールを含む化合物の非存在下で行われることが好ましく、同様に、酸素の存在下で行われることが好ましい。
本発明によれば、蛍光プローブ分子内の求核基の求核性と蛍光団の求電子性を変化させて、分子内スピロ環化平衡における開環分子の存在比や熱的な閉環速度を検出器であるCCDカメラ等のフレームレートに最適化することによって、従来のような無蛍光状態を達成するためのチオールとの反応や高強度のレーザー照射に依らずに、超解像蛍光イメージングに適した確率的な発光が達成できる。
このように、熱的な分子内スピロ環化平衡を確率的な蛍光発光の原理とするため、本発明による超解像蛍光イメージングでは、高濃度のチオールの添加は不要であり、従来法のようにデータ取得前に蛍光性のプローブを無蛍光状態にするために必要であったレーザー照射を省くことができるため、細胞毒性を低減することができる。さらに、レーザー強度を従来の1/10程度に低減することができ、酸素存在下においても十分に測定可能である。実際に、かかる条件下において、in vitroで構築した微小管やプラスミドSNA上のRecA filamentsといった微小構造や固定細胞及又は生細胞中の微小管の超解像蛍光イメージング観察に成功した。従って、生細胞へのダメージを最小限に抑えた測定を行うことができるため、今後の生物学的な現象の理解に貢献できると考えられる。
さらに、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブが、その分子内にタンパク質等への結合部位(カルボキシル基等)を有する場合には、目標タンパク質等へのラベル化にも適しており、固定細胞だけでなく、生細胞系における広範な研究に利用できると期待できる。また、当該プローブに基づく超解像蛍光イメージング法は、市販の顕微鏡を光学系として利用することができるため、汎用性の高い手法であると考えられる。このように、開発したプローブの基礎研究上、産業上の利用価値、経済効果は極めて大きいものといえる。
図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図1は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化(a)及び蛍光スペクトル変化(b)を示した図である。 図2は、プローブ化合物の蛍光団の部分構造を固定して、種々の求核基を変化させた場合における各吸光度変化を示したグラフである。吸光度が最大値の半分になるpHをpKcyclとした。 図3は、プローブ化合物の求核基を固定して、蛍光団の部分構造を変化させた場合における各吸光度変化を示したグラフである。吸光度が最大値の半分になるpHをpKcyclとした。 図4は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をエステル化した化合物12(HMSiR−NHS)を用いてラベル化したチューブリンをin vitroで構築した微小管をSTORM顕微鏡で観察した結果を示すものである。 図5は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をエステル化した化合物12(HMSiR−NHS)を用いて、プラスミドDNA上に構築したRecAfilamentをSTORM顕微鏡で観察した結果を示す図である。 図6は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をベンジルグアニン誘導体にした化合物26(HMSiR−BG)を用いて、固定細胞(HeLa細胞)の微小管(β−チューブリン)をSTORM顕微鏡で観察した結果を示す図である。 図7は、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をベンジルグアニン誘導体にした化合物26(HMSiR−BG)を用いて、生細胞(HeLa細胞)の微小管(β−チューブリン)をSTORM顕微鏡で観察した結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
本明細書において、「アルキル基」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば炭素数1〜6個程度、好ましくは炭素数1〜4個程度である。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれであってもよい)、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、又はアリール基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルキルオキシ基やアラルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
また、本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と定義されている場合には、置換基の種類、置換位置、及び置換基の個数は特に限定されず、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、スルホ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの置換基にはさらに置換基が存在していてもよい。このような例として、例えば、ハロゲン化アルキル基、ジアルキルアミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
(1)超解像蛍光イメージング用プローブ
本発明の超解像蛍光イメージング用プローブは、一態様において、以下の一般式(I)で表される構造を有する化合物である。
Figure 0006349091
上記一般式(I)において、Xは、酸素原子又はC(R)(R)又はSi(R)(R)を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す。R及びRが、アルキル基である場合、それらは1以上の置換基を有することができ、そのような置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基などを1個又は2個以上有していてもよい。R及びRは、いずれもメチル基であることが好ましい。また、場合によっては、R及びRは互いに結合して環構造を形成していてもよい。例えば、R及びRがともにアルキル基である場合に、R及びRが互いに結合してスピロ炭素環を形成することができる。形成される環は、例えば5ないし8員環程度であることが好ましい。
は、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アミド基、又はアジド基を表す。これらの置換基は、タンパク質等の生体分子と共有結合等により結合し得る置換基(ラベル化置換基)を含むことが好ましい。その場合、それら自身がラベル化置換基であってもよいし、又はラベル化置換基によって置換されていてもよい。例えば、カルボキシル基がN-ヒドロキシスクシンイミド等の脱離基やSNAP−tagの基質であるベンジルグアニン誘導体やHaloTag(登録商標)で用いられるリガンドで置換されていてもよい。そのようなラベル化置換基は、特に限定されず、当該技術分野において公知のものであれば用いることができる。Rが水素原子以外である場合、そのベンゼン環における位置は特に限定されないが、Yを有する置換基に対してメタ位であることが好ましい。また、ベンゼン環上に2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
Yは、C-Cアルキレン基を表す。当該アルキレン基は直鎖状アルキレン基又は分枝鎖状アルキレン基のいずれであってもよい。例えば、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CH−CH−)、プロピレン基(−CH−CH−CH−)のほか、分枝鎖状アルキレン基として−CH(CH)−、−CH−CH(CH)−、−CH(CHCH)−なども使用することができる。これらのうち、メチレン基又はエチレン基が好ましく、閉環速度の観点からメチレン基がさらに好ましい。なお、Cアルキレン基とは、Yが結合であること、すなわち、Rがベンゼン環に直接結合している場合を表している。
は、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、ヒドロキシル基、チオール基、又はカルボキシル基を表す。好ましくは、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基である。Rが、置換されていてもよいアミノ基又は置換されていてもよいアミド基である場合、当該置換基を、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、当該置換基を1個又は2個以上有していてもよい。
、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、アジド基、又はハロゲン原子を表す。R及びRがいずれも水素原子であることが好ましい。また、R及びRが、いずれも水素原子であるか、又は、いずれもスルホ基であることが好ましい。場合によっては、R、R、R、又はRのいずれかが、上記のような、タンパク質等の生体分子と共有結合し得るラベル化置換基を含むこともできる。その場合、それら自身がラベル化置換基であってもよいし、又はラベル化置換基によって置換されていてもよい。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。R及びRがともにアルキル基を示す場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。例えば、R及びRはそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましく、R及びRがいずれもメチル基である場合がさらに好ましい。また、R及びRがアルキル基の場合に、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。その場合、RとR、又はR及びRの組み合わせのいずれか一方のみが環構造を形成してもよいし、いずれもが環構造を形成してもよい。
及びR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基を示し、又は、N(R)(R10)がアミド基もしくはカルバメート基を形成するものであることができる。R及びR10がともにアルキル基を示す場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。例えば、R及びR10はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましく、R及びR10がいずれもメチル基である場合がさらに好ましい。R又はR10の一方が水素原子であって、他方がカルボニル基であることも好ましい。この場合、N(R)(R10)はアミド結合を形成する。カルボニル基に結合する他の置換基は特に限定されないが、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。場合によっては、N(R)(R10)が、上記のような、タンパク質等の生体分子と共有結合し得るラベル化置換基を含むこともできる。その場合、それら自身がラベル化置換基であってもよいし、又はラベル化置換基によって置換されていてもよい。
また、R及びR10がアルキル基の場合に、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。その場合、RとR、又はR及びRの組み合わせのいずれか一方のみが環構造を形成してもよいし、いずれもが環構造を形成してもよい。
上記各置換基の好ましい組み合わせとしては、例えば、Xが、Si(R)(R)であり、Yが、メチレン基であり、Rが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R、R、R及びR10が、いずれもメチル基である場合が挙げられる。同様に、Xが、酸素原子であり、Yがメチレン基であり、RRが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R及びRが、いずれも水素原子であり、N(R)(R10)がアミド基である場合も好ましい。さらに、Xが、酸素原子であり、Yがメチレン基であり、Rが、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、R、R、R及びR10が、いずれも水素原子である場合も好ましい。
このような置換基の組み合わせは、式(I)における求核基である
Figure 0006349091
の部分構造の求核性、及び、式(I)における蛍光団骨格である
Figure 0006349091
の部分構造の求電子性に基づいて、適宜選択することが可能である。
式(I)における求核基の部分構造の具体例としては、
Figure 0006349091
が挙げられる。一方、式(I)における蛍光団骨格の部分構造の具体例としては、
Figure 0006349091
が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではなく、あくまで代表的な例を示しているに過ぎない。当該求核基の求核性と蛍光団骨格の求電子性のバランスによって、式(I)の化合物のスピロ環化のし易さが決定されるため、これら部分構造の適切な組み合わせを選択することによって、後述の開環構造(すなわち、式(I)に示される構造)と閉環構造との間の平衡反応における所望の平衡定数及び反応速度を得ることができる。上記の求核基又は蛍光団骨格が任意の位置にラベル化置換基を含むことが好ましい。
本発明の超解像蛍光イメージング用プローブとして特に適切な式(I)の化合物の具体例としては、
Figure 0006349091
が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。また、当該化合物は、任意の位置にラベル化置換基を有することができる。
上記式(I)で表される化合物は、R及びRが連結するN原子において1価の正電荷を有するため、通常は塩として存在する。そのような塩としては、塩基付加塩、酸付加塩、アミノ酸塩などを挙げることができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩などの有機アミン塩を挙げることができ、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。アミノ酸塩としてはグリシン塩などを例示することができる。もっとも、これらの塩に限定されることはない。
式(I)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個または2個以上の不斉炭素を有する場合があり、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。
式(I)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、エタノール、アセトン、イソプロパノールなどの溶媒を例示することができる。
上記の蛍光プローブは、必要に応じて試薬の調製に通常用いられる添加剤を配合して組成物として用いてもよい。例えば、生理的環境で用いるための添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。これらの組成物は、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供され得る。
本明細書の実施例には、式(I)で表される本発明の化合物に包含される代表的化合物についての製造方法が具体的に示されているので、当業者は本明細書の開示を参照することにより、及び必要に応じて出発原料や試薬、反応条件などを適宜選択することにより、式(II)に包含される任意の化合物を容易に製造することができる。
(2)本発明のプローブを用いた超解像蛍光イメージング方法
本発明の超解像蛍光イメージング方法は、生体分子に上記で説明した式(I)のプローブ分子を接触させ、これにレーザー光を照射して前記プローブ分子からの蛍光発光を撮影したCCDカメラ等によって画像データを取得し、一定の時間間隔でこれを繰り返して得られた複数の前記画像データを解析したうえで重ね合わせることによって、前記生体分子の構造に対する超高解像のイメージ画像を得ることを含むものである。観測対象となる生体分子としては、細胞膜(脂質)、タンパク質、DNA、RNA等が挙げられる。
ここで、SLMによる超解像蛍光イメージングの原理については、非特許文献2に詳述されている。従って、本発明の超解像蛍光イメージング方法における基本手順は、式(I)のプローブを用いる点以外は、当該文献に記載された超解像蛍光イメージング手法を参照することができる。
本発明の超解像蛍光イメージング方法は、式(I)の化合物が、以下に示される
Figure 0006349091
スピロ環化平衡によって、開環状態(I)では400〜700nm程度の励起光を吸収して強い蛍光を発光するのに対し、閉環状態(II)では全く蛍光を発光しないという特性を有することを利用するものである。このように自発的な蛍光のON/OFFを行い得るため、当該平衡における平衡定数及び反応速度を適切化することによって、従来の速度を検出器であるCCDカメラ等のフレームレートに最適化することによって、従来のようにチオールとの反応や高強度のレーザー照射など、プローブ分子を無蛍光状態とするために外部刺激を用いることなく、超解像蛍光イメージングに適した確率的な発光が達成できる。従って、本発明の超解像蛍光イメージング方法では、チオールを含む化合物の非存在下で行うことができ、また、酸素の存在下でも測定を行うことができるため、測定系内に酸素を除去する試薬を添加する必要もない。また、自発的に蛍光のON/OFFを行い得るため、従来法のようにデータ取得前に蛍光性のプローブを無蛍光状態にするために必要であったレーザー照射を省くことができるため、細胞毒性を低減することができる。さらに、用いるレーザーの強度を従来の1/10程度で行うことができる。当該レーザーの強度は、シグナル対ノイズ比(S/N比)や細胞毒性等の観点から、0.0001〜0.5kW/cm程度であることが好ましい。
SLMによる超解像蛍光イメージングでは、光の回折限界よりも近接した場所において蛍光プローブ分子が発光することは好ましくないため、一度の測定において蛍光を発する状態のプローブ分子は、一定割合以下である必要がある。従って、上記平衡における式(I)の化合物と式(II)の化合物の存在比は、中性条件の水系溶液中において、室温で、1:10000〜1:10であることが好ましく、1:1000〜1:100がより好ましい。このような存在比となるためには、上記平衡の平衡定数Kcyclが、pKcyclとして3〜7の範囲が好ましく、4〜6の範囲内となることがより好ましい。当該平衡定数は、Kcycl=[平衡状態における(I)の濃度]/[平衡状態における(II)の濃度][Hの濃度]で表され、当該技術分野における周知の手法によって実験的に算出することができる。
また、検出器であるCCDカメラ等のフレームレートに対応させるためには、開環状態の式(I)の化合物の寿命は、1マイクロ秒〜1秒の範囲であることが好ましく、10ミリ秒〜1秒の範囲であることがより好ましい。そのような寿命の範囲となるためには、上記平衡における反応速度定数が、中性条件の水系溶液中において、室温で、1〜1.0x10−1の範囲であることが好ましく、1〜100S−1の範囲であることがより好ましい。当該反応速度については、当該技術分野において公知のレーザーフラッシュフォトリシス等のシステムを用いて、ナノ秒レーザーによって蛍光プローブを励起し、ナノ秒〜ミリ秒オーダーの過渡吸収スペクトルや蛍光スペクトルを測定することによって算出することができる。
上述のとおり、これら平衡定数及び反応速度定数は、式(I)の化合物における求核基の求核性と蛍光団骨格の求電子性のバランスに依存するため、これら部分構造の適切な組み合わせを選択することによって、所望の平衡定数及び反応速度を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下のスキーム1に従って、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物7(HMSiRCOOH)及び化合物11(AMSiRCOOH)を合成した。なお、化合物6の合成については、ACSChem.Biol.2011,6,600−608に開示されており、これを参照することができる。
Figure 0006349091
化合物(2)の合成
化合物(1)5.03g(23.39mmol,1eq)の四塩化炭素(CCl4)懸濁液(100mL)にN-ブロモスクシンイミド(NBS)9.16g(51.5mmol,2.2eq),アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)76.8mg(0.47mmol,0.02eq)を加え、18時間加熱還流した。室温に戻し、10%炭酸ナトリウム水溶液を200mL加え、ジクロロメタンで2回洗浄した。濃塩酸30mLを加え酢酸エチルで2回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をジクロロメタン/メタノール=10/1で洗浄し、目的化合物(2)(5.93g,68%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ:7.29(s,1H),7.71(d,J=8.3Hz,1H),7.86(dd,J=2.1,8.3Hz, 1H),8.63(d,J=2.1Hz,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:39.9,125.5,132.9,133.0,133.2,134.4,142.5,167.9
化合物(3)の合成
化合物(2)5.65g(15.15mmol,1eq)を10%炭酸ナトリウム水溶液100mLに溶かし、70℃で1時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液に濃塩酸30mLを加え酢酸エチルで2回抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去し、目的化合物(3)(3.29g,95%)を得た。
1HNMR(400MHz,Acetone-d6)δ:7.94(d,J=8.3Hz,1H),8.17(dd,J=2.2,8.3Hz,1H), 8.46(d,J=2.2Hz,1H),10.37(s,1H)
13CNMR(400MHz,Acetone-d6)δ:131.5,131.5,131.7,134.7,135.5,136.5,166.1,191.3
HRMS(ESI-):m/zcalcdfor[M]-,226.93493;found,226.93679(err.-1.9mDa)
化合物(4)の合成
化合物(3)500mg(2.18mmol,1eq)をテトラヒドロフラン10mLに溶かし、0℃に冷やした。水素化ホウ素ナトリウム123.8mg(3.27mmol,1.5eq)を加え、0℃で5時間撹拌した。1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去し、目的化合物(4)(492.7mg,98%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ:4.69(s,2H),7.67(d,J=8.2Hz,1H),7.81(dd,J=2.2,8.2Hz, 1H),8.21(m,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:64.3,128.0,130.3,130.7,131.5,133.7,142.4,169.1
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M+Na]+,252.94708;found,252.94774(err.-0.7mDa,mSigma:9.2)
化合物(5)の合成
硫酸マグネシウム83.4mg(0.69mmol,8eq)の脱水ジクロロメタン懸濁液(2mL)に濃硫酸4.6mL(0.087mmol,1eq)を加え室温で15分間撹拌した。化合物(4)20mg(0.087mmol,1eq)、tert-ブチルアルコール64.2mg(0.87mmol,10eq)を加え、密栓して20時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィーで粗精製し(ヘキサン/酢酸エチル=98/2-87/13(6min))、目的化合物(5)(10.5mg,35%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:1.31(s,9H),1.58(s,9H),4.50(s,2H),7.54 (d,J=8.3Hz,1H),7.71(dd,J=2.2,8.3Hz,1H),8.14(d,J=8.3Hz,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:27.7(CH3),28.3(CH3),63.5(CH),74.1(C),81.3(C), 127.2(C),129.3(CH),130.1(CH),131.4(C),132.3(CH),139.4(C),165.3(C)
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M+Na]+,365.07228;found,365.07232(err.-0.0mDa,mSigma:9.8)
化合物(7)(HMSiRCOOH)の合成
化合物(5)103.3mg(0.301mmol,5eq)を脱水テトラヒドロフラン(THF)5mLに溶かし、アルゴン雰囲気下、-78℃で10分間撹拌した。1Msec-ブチルリチウムシクロヘキサン、n-ヘキサン溶液301μL(0.301mmol,5eq)を8分間かけて加え、25分間撹拌した。化合物(1)33.4mg(0.060mmol,1eq)のTHF(2mL)溶液を加え、-78℃で10分間、室温で1時間撹拌した。1N塩酸を0.5mL加え、室温で10分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。トリフルオロ酢酸3mLを加え、室温で42時間撹拌した後、減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O) (A/B=90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(7)(2.4mg,24%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ:0.61(s,3H),0.62(s,3H),3.35(s,12H),4.36(s,2H), 6.77(dd,J=2.7,9.6Hz,2H),7.03(d,J=9.6Hz,2H),7.28(d,J=7.9Hz,1H),7.37(d,J=2.7Hz,2H),8.10(d,J=7.0Hz,1H),8.41(s,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:-1.33,-1.09,40.93,62.01,115.32,122.34,128. 14,129.22,129.45,130.65,132.77,141.51,142.11,142.97,149.39,155.82,167.92,169.14
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M]+,459.20985;found,459.21126(err.-1.4mDa)
化合物(8)の合成
化合物(7)5.9mg(0.013mmol,1eq)をジクロロメタン1.5mLとメタノール1.5mLに溶かし、0℃に冷やした。2Mトリメチルシリルジアゾメタンジエチルエーテル溶液192μLをゆっくり加え、10分間撹拌した後、溶媒を減圧除去し、目的化合物(8)(4.7mg,77%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.54(s,3H),0.62(s,3H),2.95(s,12H),3.93(s,3H), 5.29(s,2H),6.61(dd,J=2.9,8.9Hz,2H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),6.96(d,J=2.8Hz,2H),7.09(d,J=8.0Hz,1H),7.93(d,J=8.0Hz,1H),8.00(s,1H)
13CNMR(400MHz,CDCl3)δ:-0.96,0.65,40.60,52.30,72.24,92.60,113.95,116.76, 122.86,124.57,128.69,129.26,129.50,135.48,137.70,140.11,148.94,151.83,167.16
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M+Na]+,495.20504;found,495.20372(err.1.3mDa)
化合物(11)(AMSiRCOOH)の合成
化合物(8)25mg(0.053mmol,1eq)をTHF5mLに溶かし、パラジウム炭素26mgを加え、水素雰囲気下室温で30分間激しく撹拌した。セライト上でろ過し、ろ液を減圧除去した。残渣をトルエン5mLに溶かし、ジアザビシクロウンデセン(DBU)15.8μL(0.106mmol,2eq)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)23.7μL(0.106mmol,2eq)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。THF5mL、水0.5mLに溶かし、トリフェニルホスフィン23mg(0.088mmol,2eq)を加え、アルゴン雰囲気下で12時間加熱還流した。溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィーで粗精製した(ジクロロメタン/メタノール=92/8-85/15(6min))。0.4M水酸化リチウム水-メタノール(1/3)溶液を1mL加え、室温で6時間撹拌した。1N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去した。ジクロロメタン5mLに溶かし、クロラニル22mgを加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O)(A/B=90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(11)(AMSiRCOOH)(2.1mg,9%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ:0.51(s,3H),0.64(s,3H),2.97(s,12H),4.45(s,2H), 6.63,6.70(m,4H),6.96(d,J=8.0Hz,1H),7.07(d,J=2.5Hz,2H),8.01(d,J=8.0Hz,1H),8.05(s,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:-2.04,0.73,40.45,79.95,115.17,118.01,124.52, 126.24,131.17,131.30,134.13,137.91,138.59,140.33,147.96,151.11,174.25
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M]+,458.22583;found,458.22584(err.-0.0mDa)
化合物(12)の合成
化合物(7)8.4mg(0.018mmol,1eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶かし、N-ヒドロキシコハク酸イミド10.5mg(0.091mmol,5eq),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)17.5mg(0.091mmol,5eq)を加え、24時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O) (A/B=90/10 to 0/100 30min))、目的化合物(12)(8.1mg,79%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ:0.62(s,3H),0.62(s,3H),2.95(s,4H),3.36(s,12H),4.38(s,2H),6.80(dd,J=2.8,9.6Hz,2H),7.03(d,J=9.6Hz,2H),7.38(d,J=2.8Hz,2H),7.42(d,J=7.9Hz,1H),8.23(d,J=7.9Hz,1H),8.52(s,1H)
13CNMR(400MHz,MeOD)δ:-1.3,-1.1,26.6,41.0,61.7,115.5,122.5,127.3,127.8, 129.7,131.4,141.9,142.6,145.1,149.4,155.9,163.1,166.5,171.8
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M+H]+,556.22622;found,556.22596(err.0.3mDa)
また、以下のスキーム2に従って、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物14(HMAcRG)、16(AMAcRG)、及び17(AMRG)を合成した。なお、化合物13及び14の合成については、J.Am.Chem.Soc.,2013,135,409−414に開示されており、これを参照することができる。
Figure 0006349091
化合物(14)(HMAcRG)の合成
化合物(13)30mg(0.095mmol)をピリジン1mLに溶かし、0度に冷やした。無水酢酸9.0μL(0.095mmol,1eq)のピリジン(1mL)溶液を加え、アルゴン雰囲気下、室温で23時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O)(A/B=90/10 to 0/100 60min))、目的化合物(14)(HMAcRG)(23.6mg,69%)を得た。
1HNMR(300MHz,MeOD)δ:7.64(d,1H,J=7.7Hz),7.56(t,1H,J=7.6Hz),7.44(t,1H,J=7.5Hz),7.17(d,1H,J=7.5Hz),7.03-7.00(m,2H),6.71-6.74(m,4H),4.23(s,2H).13CNMR(75MHz,MeOD)δ:161.5,159.9,159.6,141.0,133.4,132.2,131.3,130.3,129.5,128.8,118.0,115.0,98.4,62.8.
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M]+,317.12900;found,317.12862(err.-0.38mDa)
化合物(16)(AMAcRG)の合成
化合物(14)7.3mg(0.020mmol,1eq)をTHF2mLに溶かし、パラジウム炭素34mgを加え、水素雰囲気下室温で40分間激しく撹拌した。セライト上でろ過し、ろ液を減圧除去した。残渣をTHF2mL,トルエン2mLに溶かし、ジアザビシクロウンデセン(DBU)6.1μL(0.041mmol,2eq)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)9.1μL(0.041mmol,2eq)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃で18時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィーで粗精製した(ジクロロメタン/メタノール=95/5-88/12(6min))。THF3mL、水0.3mLに溶かし、トリフェニルホスフィン7.8mg(0.030mmol,2eq)を加え、アルゴン雰囲気下で6時間加熱還流した。溶媒を減圧除去し、ジクロロメタン2mLに溶かし、クロラニル7.3mgを加え、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O)(A/B=90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(16)(AMAcRG)(2.0mg,27%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ2.12(s,3H),4.35(d,J=5.0Hz,2H),6.41(dd,J=2.2,8.4Hz,1H),6.52(d,J=2.3Hz,1H),6.59(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=8.6Hz,1H),6.90(d,J=7.6Hz,1H),7.07(dd,J=2.1,8.5Hz,1H),7.30(t,J=7.4Hz,1H),7.39(dt,J=1.0,7.4Hz,1H),7.45(d,J=7.5Hz,1H),7.59(d,J=2.1Hz,1H)
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M]+,358.15500;found,358.15672(err.-1.7mDa)
化合物(17)(AMRG)の合成
化合物(15)6.7mg(0.017mmol,1eq)をTHF5mL、水2mLに溶かし、トリフェニルホスフィン9.1mg(0.035mmol,2eq)を加え、アルゴン雰囲気下で18時間、80℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、1N塩酸5mLを加えアルゴン雰囲気下で1時間、加熱還流した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、情話食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluentA(H2O,1%MeCN,0.1%TFA)及びeluentB(MeCN,1%H2O) (A/B=90/10 to 0/100 60min))、目的化合物(12)(AMRG)(3.1mg,56%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD)δ3.88(s,2H),6.86,6.89(m,4H),7.09(d,J=9.4Hz,2H), 7.42(d,J=7.4Hz,1H),7.68(d,J=2.2,10.9Hz,1H),7.76-7.81(m,2H)
HRMS(ESI+):m/zcalcdfor[M]+,316.14444;found,316.14521(err.-0.8mDa)
また、以下のスキームに従って、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物21(HMAcRGCOOH)を合成した。なお、化合物18の合成については、J.Org.Chem., 2008, 73, 8711−8718に開示されており、これを参照することができる。
Figure 0006349091
化合物(19)の合成
化合物(18)2g(4.062 mmol, 1 eq)をトルエン70mLに溶かし、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(クロロホルム付加物) 840mg(0.8125mmol, 0.2 eq)、キサントホス1.176g(2.031mmol, 0.5eq)、炭酸セシウム4g(12.19mmol, 3 eq)、ベンゾフェノンイミン4.09mL(24.37mmol, 6eq ) を加え、100℃で13時間撹拌した。セライト上で濾過し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。シリカゲルクロマトグラフィーで粗精製し(ヘキサン/酢酸エチル=83/17―62/38(15min))、酢酸エチルで再結晶することで目的化合物(19)(1.3805g、61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.05 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.77 (d, J = 7.0 Hz, 4 H), 7.52-7.49 (m, 2 H), 7.45-7.44 (m, 4 H), 7.29-7.27 (m, 6 H), 7.16 (m, 4 H), 6.75 (d, J = 1.9 Hz, 2 H) , 6.66 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 2 H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ176.1 (C), 169.3 (C), 157.6 (C), 157.0 (C), 138.9 (C), 135.5 (C), 131.5 (CH), 129.7 (CH), 129.4 (CH), 128.5 (CH), 128.3 (CH), 127.3 (CH), 117.7 (CH), 117.6 (C), 108.4 (CH); HRMS (m/z): [M+Na]+ calcd. for C39H26N2NaO2, 577.18865; found, 577.18802.(err. 0.6 mDa)
化合物(20)(HMRGCOOH)の合成
化合物(5)371.3mg(1.0818mmol, 3 eq)を脱水テトラヒドロフラン(THF)15 mLに溶かし、アルゴン雰囲気下、-78℃で10分間撹拌した。1M sec-ブチルリチウム シクロヘキサン、n-ヘキサン溶液1.08 mL(1.08mmol, 3 eq)を5分間かけて加え、30分間撹拌した。化合物(19) 200 mg (0.3606 mmol, 1 eq)のTHF (8 mL)溶液を加え、-78℃で10分間、室温で1時間半撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を5 mL加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。シリカゲルクロマトグラフィーで粗精製し(ヘキサン/酢酸エチル=67/33―46/54(9min))、トリフルオロ酢酸 5mLを加え、室温で18時間撹拌した後、減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(20) (64.9 mg, 38%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ8.41 (d, J = 1.0 Hz, 1 H), 8.17 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1 H), 7.39 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.05 (d, J = 9.2 Hz, 2 H), 6.83 (dd, J = 9.2, 2.1 Hz, 2 H), 6.75 (d, J = 2.1 Hz, 2 H), 4.34 (s, 2 H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ168.9 (C), 161.5 (C), 159.6 (C), 157.9 (C), 141.7 (C), 136.5 (C), 133.8 (C), 133.0 (CH), 130.7 (CH), 130.4 (CH), 129.8 (CH), 118.2 (CH), 114.5 (C), 98.6 (CH), 62.4 (CH2); HRMS (m/z): [M]+ calcd. for C21H17N2O4, 361.11828; found, 361.11837.(err. -0.1 mDa)
化合物(21)(HMAcRGCOOH)の合成
化合物(20)45.8mg(0.1271mmol, 1 eq)を脱水ピリジン5 mLと脱水N,N−ジメチルホルムアミド5 mLに溶かし、無水酢酸18 mL(0.1906 mmol, 1.5 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで粗精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル=87/13―79/21(6 min))、目的化合物(21) (14.6 mg, 29%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ8.08 (s, 1 H), 7.93 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.61 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.07 (dd, J = 8.6, 2.0 Hz, 1 H), 6.87 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.84 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 6.65 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 6.50 (d, J = 2.2 Hz, 1 H), 6.41 (dd, J = 8.5, 2.2 Hz, 1 H), 5.29 (s, 2 H), 2.12 (s, 3 H); HRMS (m/z): [M-H]- calcd. for C23H17N2O5, 401.11430; found, 401.11696.(err. -2.7 mDa)
さらに、以下のスキームに従って、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物21(HMMoRCOOH)を合成した。なお、化合物22の合成については、J.Org.Chem., 2008, 73, 8711−8718に開示されており、これを参照することができる。
Figure 0006349091
化合物(23)(HMRGCOOH)の合成
化合物(5)58.5mg(0.1703 mmol, 2 eq)を脱水テトラヒドロフラン(THF)7 mLに溶かし、アルゴン雰囲気下、-78℃で10分間撹拌した。1M sec-ブチルリチウム シクロヘキサン、n-ヘキサン溶液0.17 mL(0.17 mmol, 2 eq)を2分間かけて加え、30分間撹拌した。化合物(22) 31.2 mg (0.0852 mmol, 1 eq)のTHF (5 mL)溶液を加え、-78℃で30分間、室温で23時間半撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を3 mL加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。トリフルオロ酢酸 3 mLを加え、室温で23時間撹拌した後、減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(20) (39.0 mg, 75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) dδ: 3.77 (t, J = 4.7, 8 H), 3.85 (t, J = 4.7, 8 H), 4.38 (s, 2 H), 7.21-7.28 (m, 6 H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 8.18 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1 H), 8.41 (d, J = 1.0 Hz, 1 H); 13C NMR (400 MHz, MeOD) δ: 48.5 (CH2), 62.6 (CH2), 67.4 (CH2), 98.6 (CH), 115.6, 116.2 (CH), 129.9 (CH), 130.6 (CH), 130.8 (CH), 132.7 (CH), 134.0 (C), 136.3 (C), 141.9 (C), 158.2 (C), 159.0 (C), 159.8 (C), 168.8 (C); HRMS (ESI +): m/z calcd for [M] +, 501.20201; found, 501.20237 (err. -0.4 mDa)
また、以下のスキームに従って、本発明の超解像蛍光イメージング用プローブである化合物を合成した。なお、化合物24の合成については、Nat.Biotech.,2003, 21,86−89に開示されており、化合物25の合成については、J.Am.Chem.Soc.2013,135,6184−6191に開示されており、これらを参照することができる。
Figure 0006349091
化合物(26)(HMSiR−BG)の合成
化合物(7)9.2 mg(0.0201 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド1 mLに溶かし、化合物(24)5.4 mg(0.0201 mmol, 1 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール2.7 mg(0.0201 mmol, 1 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.8 mg(0.0201 mmol, 1 eq)、トリエチルアミン5.6 mL(0.0402 mmol, 2 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で17時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 50min))、目的化合物(26) (HMSiR−BG)(9.9 mg, 60%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.33 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.95 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.46 (d, J = 8.0, 2 H), 7.37 (d, J = 2.6 Hz, 2 H), 7.27 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.04 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 6.75 (dd, J = 9.6, 2.6 Hz, 2 H), 5.66 (s, 2 H), 4.66 (s, 2 H), 4.36 (s, 2 H), 3.35 (s, 12 H), 0.61 (s, 3 H), 0.60 (s, 3 H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ 169.4, 168.0, 161.2,158.3, 155.8, 153.7, 149.4, 143.5, 142.2, 141.8, 141.6, 141.0, 136.2, 135.5, 130.7, 130.3, 128.8, 128.2, 127.3, 126.9, 122.3, 115.2, 108.4, 70.8, 62.1, 44.3, 40.9, -1.1, -1.3; HRMS (m/z): [M]+ calcd. for C40H43N8O3Si, 711.32219; found, 711.32339. (err. 1.2 mDa)
化合物(27)(HMSiR−Halo)の合成
化合物(7)10.6 mg(0.0185 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド2 mLに溶かし、化合物(25)7.2 mg(0.0278 mmol, 1.5 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール3.8 mg(0.0278 mmol, 1.5 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩5.3 mg(0.0278 mmol, 1.5 eq)、トリエチルアミン12.9 mL(0.0926 mmol, 5 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で13時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(27) (HMSiR−Halo)(5.2 mg, 36%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.22 (s, 1 H), 7.92 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.05 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 6.76 (dd, J = 9.6, 2.6 Hz, 2H), 4.37 (s, 2 H), 3.71-3.61 (m, 8 H), 3.53-3.49 (m, 4 H), 3.35 (s, 12 H), 1.77-1.70 (m, 2H), 1.63-1.56 (m, 2 H), 1.48-1.37 (m, 4 H), 0.62 (s, 3 H), 0.61 (s, 3 H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ169.5 (C), 168.1 (C), 155.8 (C), 149.5 (C), 142.2 (CH), 141.6 (C), 141.5 (C), 136.4 (C), 130.6 (CH), 128.3 (C), 127.3 (CH), 126.8 (CH), 122.3 (CH), 115.2 (CH), 72.2 (CH2), 71.3 (CH2), 71.2 (CH2), 70.6 (CH2), 62.2 (CH2), 45.7 (CH2), 41.1 (CH2), 40.9 (CH3), 33.7 (CH2), 30.5 (CH2), 27.7 (CH2), 26.5 (CH2), -1.1 (CH3), -1.3 (CH3); HRMS (m/z): [M]+ calcd. for C37H51ClN3O4Si, 664.33319; found, 664.33434.(err. -1.2 mDa)
化合物(28)(HMAcRG−BG)の合成
化合物(21)2.4 mg(0.0060 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド1 mLに溶かし、化合物(24)4.8 mg(0.0180 mmol, 3 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール2.4 mg(0.0180 mmol, 3 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.4 mg(0.0180 mmol, 3 eq)、トリエチルアミン8.3 mL(0.0596 mmol, 10 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で20時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(28) (HMAcRG−BG) (2.1 mg, 46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ8.48 (s, 1 H), 8.27 (s, 1 H), 8.23 (s, 1 H), 8.04 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.48-7.44 (m, 4 H), 7.34-7.30 (m, 2 H), 7.04 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 6.98 (s, 1 H), 5.65 (s, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 4.39 (s, 2 H), 2.23 (s, 3 H); HRMS (m/z): [M+Na]+ (closed form + Na) calcd. for C36H30N8NaO5, 677.22314; found, 677.22302.(err. 0.1 mDa)
化合物(29)(HMAcRG−Halo)の合成
化合物(21)4.2 mg(0.0104 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド2 mLに溶かし、化合物(25)7.0 mg(0.0312 mmol, 3 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール4.2 mg(0.0312 mmol, 3 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩6.0 mg(0.0312 mmol, 3 eq)、トリエチルアミン14.6 mL(0.1044 mmol, 10 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で21時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(29)(HMAcRG−Halo)(2.0 mg, 21%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.50 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 8.02 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.47-7.44 (m, 2 H), 7.34-7.30 (m, 2 H), 7.05 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 6.97 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 4.40 (s, 2 H), 3.73-3.62 (m, 8 H), 3.54-3.49 (m, 4 H), 2.23 (s, 3 H), 1.75 (quin, J = 6.9 Hz, 2 H), 1.59 (quin, J = 6.9 Hz, 2 H), 1.48-1.37 (m, 4 H); HRMS (m/z): [M+Na]+ (closed form + Na) calcd. for C33H38ClN3NaO6, 630.23413; found, 630.23342.(err. -0.7 mDa)
化合物(30)(HMMoR−BG)の合成
化合物(23)10.3 mg(0.0206 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド5 mLに溶かし、化合物(24)16.7 mg(0.0618 mmol, 3 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール8.3 mg(0.0618 mmol, 3 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩11.8 mg(0.0618 mmol, 3 eq)、トリエチルアミン28.7 mL(0.2060 mmol, 10 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(30)(HMMoR−BG)(12.6 mg, 71%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.38 (s, 1 H), 8.25 (d, J = 1.4 Hz, 1 H), 8.03 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1 H), 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.28-7.22 (m, 6 H), 5.68 (s, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 4.38 (s, 2 H), 3.85 (dd, J = 4.9, 4.2 Hz, 8 H), 3.77 (dd, J = 4.9, 4.2 Hz, 8 H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ169.1,161.1, 159.8, 159.1, 158.3, 158.0, 153.4, 143.9, 142.0, 141.1, 137.5, 135.4, 135.1, 132.7, 130.9, 130.3, 128.9, 128.4, 127.6, 116.2, 115.7, 107.8, 98.5, 71.0, 67.4, 62.7, 48.5, 44.4; HRMS (m/z): [M]+ calcd. for C42H41N8O6, 753.31436; found, 753.31450.(err. -0.1 mDa)
化合物(31)(HMMoR−Halo)の合成
化合物(23)9.8 mg(0.0196 mmol, 1 eq)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド2 mLに溶かし、化合物(24)5.9 mg(0.0711 mmol, 3.6 eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール7.9 mg(0.0587 mmol, 3 eq)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩11.3 mg(0.0587 mmol, 3 eq)、トリエチルアミン27.3 mL(0.1960 mmol, 10 eq)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で13時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、HPLCで精製し(eluent A (H2O, 1% MeCN, 0.1% TFA) and eluent B (MeCN, 1% H2O) (A/B = 90/10 to 0/100 40min))、目的化合物(31) (HMMoR−Halo)(10.0 mg, 62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.23 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 8.01 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 1 H), 7.42 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.28-7.23 (m, 6 H), 4.39 (s, 2 H), 3.86 (dd, J = 5.0, 4.2 Hz, 8 H), 3.77 (dd, J = 5.0, 4.2 Hz, 8 H), 3.73-3.56 (m, 8 H), 3.54-3.49 (m, 4 H), 1.79-1.70 (m, 2 H), 1.63-1.56 (m, 2 H), 1.49-1.35 (m, 4 H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ169.2 (C), 159.8 (C), 159.1 (C), 158.4 (C), 142.0 (C), 137.6 (C), 135.0 (C), 132.7 (CH), 130.8 (CH), 128.5 (CH), 127.5 (CH), 116.2 (CH), 115.8 (C), 98.5 (CH), 72.2 (CH2), 71.3 (CH2), 71.2 (CH2), 70.5 (CH2), 67.4 (CH2), 62.8 (CH2), 48.9 (CH2), 45.7 (CH2), 41.1 (CH2), 33.7 (CH2), 30.5 (CH2), 27.7 (CH2), 26.5 (CH2); HRMS (m/z): [M]+ calcd. for C39H49ClN3O7, 706.32536; found, 706.32555.(err. -0.2 mDa)
平衡定数(pK cycl )の算出
本発明のプローブ化合物について、溶液中での吸収スペクトル変化及び蛍光スペクトル変化を測定し、そのpH依存性から平衡定数を算出した。化合物7(HMSiRCOOH)、化合物11(AMSiRCOOH)、化合物14(HMAcRG)、化合物16(AMAcRG)、化合物17(AMRG)、及び化合物21(HMAcRGCOOH)の各pHにおける吸収スペクトル変化及び蛍光スペクトル変化(励起波長620nm)を図1中の(a)及び(b)にそれぞれ示す。測定は、化合物3が0.5μMの1%DMSO水溶液で行った。その結果、化合物7ではpKcycl=5.8が得られた。その他も同様にして、pKcyclを測定し、得られた結果を以下の表1に示す。
Figure 0006349091
表1によれば、これら化合物のpKcyclは、いずれも3.6〜6.7の範囲であり、これら化合物が中性条件下では大多数が閉環状態であり、開環状態のものの存在比率がSLMによる超解像蛍光イメージングに適した範囲内であることを示している。
また、プローブ化合物の蛍光団の部分構造を固定して、種々の求核基を変化させた場合におけるpKcyclを算出した結果を図2に示す。逆に、プローブ化合物の求核基を固定して、蛍光団の部分構造を変化させた場合におけるpKcyclを算出した結果を図3に示す。これらの結果から、求核基と蛍光団の組み合わせを変えることによって、pKcyclを制御することが可能であることが分かった。
閉環速度の算出
レーザーフラッシュフォトリシスにより本発明のプローブ化合物の過渡吸収スペクトルの経時変化を測定することによって、開環構造と閉環構造の平衡における反応速度定数k、閉環速度時定数τ、開環量子収率Φoを算出した。溶液条件は、3%DMSO水溶液、pH7.4(10mMNaPiバッファー)である。測定条件は295Kで、光源は10mJ/pulseのXeClエキシマーレーザー(308nm)である。各化合物について得られた結果を表2に示す。
Figure 0006349091
微小管の超解像蛍光イメージング
化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をエステル化した化合物12でラベル化したチューブリンをin vitroで構築した微小管を、チオールを添加せず、酸素存在下で、データ取得前に無蛍光状態にするためのレーザーを照射することなく、従来法より極めて低い0.02 kW/cmの励起強度によりSTORM顕微鏡で観察し、解析することで超解像画像が取得できた。解析前のprojection画像に比べ、解像度が高い(線が細くなる)ことが確認できた(図4)。
RecAfilamentonplasmidDNAの超解像蛍光イメージング
直径約500nmの環状構造を持つプラスミドDNA上に構築したRecAfilamentをSTORM顕微鏡で観察した。蛍光プローブとして、化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をエステル化した化合物12を用いた。解析をしない状態(Projection画像)では、環状構造が潰れてしまうのに対して、STORMイメージングでは明確に環状構造が確認できた(図5)。
実施例4及び5の結果は、本発明のプローブを用いて、チオールを添加せず、酸素存在下で、データ取得前に無蛍光状態にするためのレーザーを照射することなく、超解像蛍光イメージングが可能であることを実証するものである。
固定細胞における微小管の超解像蛍光イメージング
化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をSNAP−tagの基質であるベンジルグアニン基と結合した化合物26(HMSiR−BG)でHeLa生細胞のβ−チューブリンをラベル化し、メタノールで固定後、PBS中で観察した。細胞膜を通過し、β−チューブリンを選択的にラベル化できていることが確認できた。また、チオールを添加せず、酸素存在下で、データ取得前に無蛍光状態にするためのレーザーを照射することなく超解像画像を取得できた。解析前のprojection画像に比べ、解像度が高い(線が細くなる)だけでなく、1本に見えていた微小管を2本に分離することが出来た(図6)。
生細胞における微小管の超解像蛍光イメージング
化合物7(HMSiRCOOH)のカルボキシル基をSNAP−tagの基質であるベンジルグアニン基と結合した化合物26(HMSiR−BG)でHeLa生細胞のβ−チューブリンをラベル化し、培地で洗浄後、培地中で観察した。細胞膜を通過し、β−チューブリンを選択的にラベル化できることが確認できた。細胞質内においても、チオールを添加せず、酸素存在下で、データ取得前に無蛍光状態にするためのレーザーを照射することなく、超解像画像を取得できた。解析前のprojection画像に比べ、解像度が高い(線が細くなる)だけでなく、1本に見えていた微小管を2本に分離することが出来た(図7)。
実施例6及び7の結果は、本発明のプローブをSNAP−tag等の基質特異的にラベル化されるタンパク質を用いることで、任意のタンパク質の超解像蛍光イメージングが固定細胞及び生細胞において可能であることを実証するものである。

Claims (13)

  1. 以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む超解像蛍光イメージング用プローブ:
    Figure 0006349091
    〔式中、
    Xは、酸素原子又はC(R)(R)又はSi(R)(R)を表し(ここで、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);
    は、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アミド基、又はアジド基を表し;
    Yは、 -Cアルキレン基を表し;
    は、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、ヒドロキシル基、チオール基、又はカルボキシル基を表し;
    、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、アジド基、又はハロゲン原子を表し;
    及びRは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し(ここで、R及びRは、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい);及び、
    及びR10は、それぞれ独立に水素原子もしくはアルキル基を示し、又は、N(R)(R10)がアミド基もしくはカルバメート基を形成する(ここで、R及びR10がアルキル基である場合、それぞれR及びRと一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。
  2. Xが、Si(R)(R)であり、
    Yがメチレン基であり、
    が、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、
    、R、R及びR10が、いずれもメチル基である、
    請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  3. Xが、酸素原子であり、
    Yがメチレン基であり、
    が、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、
    及びRが、いずれも水素原子であり、
    N(R)(R10)がアミド基である
    請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  4. Xが、酸素原子であり、
    Yがメチレン基であり、
    が、置換されていてもよいアミノ基又はヒドロキシル基であり、
    、R、R及びR10が、いずれも水素原子であ
    請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  5. 及び/又はR が、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基であり;且つ/又は、
    及び/又はR 10 は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基である
    請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  6. 式(I)における
    Figure 0006349091
    の部分構造が、以下よりなる群:
    Figure 0006349091
    から選択され、及び、
    式(I)における
    Figure 0006349091
    の部分構造が、以下よりなる群:
    Figure 0006349091
    から選択され、式(I)の化合物がこれらの任意の組み合わせからなる、請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  7. 式(I)で表される化合物が以下よりなる群から選択される、請求項1に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
    Figure 0006349091
  8. 以下の平衡反応
    Figure 0006349091
    における式(I)の化合物と式(II)の化合物の存在比が、中性条件の水系溶液中において、1:10000〜1:10であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  9. 以下の平衡反応
    Figure 0006349091
    における平衡定数Kcyclが、pKcyclとして3〜7の範囲内となることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  10. 以下の平衡反応
    Figure 0006349091
    における反応速度定数kが、中性条件の水系溶液中において、1〜1.0x10−1であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超解像蛍光イメージング用プローブ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の超解像蛍光イメージング用プローブを用いる超解像蛍光イメージング方法であって、
    生体分子にプローブ分子を結合させ、これにレーザー光を照射して前記プローブ分子からの蛍光発光を撮影した画像データを取得し、一定の時間間隔でこれを繰り返して得られた複数の前記画像データを解析したうえで重ね合わせることによって、前記生体分子の構造に対する超高解像のイメージ画像を得ることを含む、方法。
  12. チオールを含む化合物の非存在下で行う、請求項11に記載の超解像蛍光イメージング方法。
  13. 酸素の存在下で行う、請求項11又は12に記載の超解像蛍光イメージング方法。
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