以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、画像処理システムの全体図である。LAN(Local Area Network)100上には、MFP(Multifunction Peripheral)101、認証サーバ102、ファイルサーバ103が互いに通信可能に接続されている。MFP101は、画像処理装置の一例である。認証サーバ102は、認証装置の一例である。ファイルサーバ103は、ファイル管理装置の一例である。なお、MFP101は、ファイルサーバ103内のフォルダを宛先としてSMBやFTPを用いて画像データのファイル送信を行うことができるが、ファイルサーバ103以外にも、図示しないクライアントPC内のフォルダを宛先とすることもできる。また、MFP101は、図示しないメールサーバを介して画像データを電子メールで送信することができる。また、画像処理システムは、MFP101、認証サーバ102、ファイルサーバ103を含むものとするが、MFP101および認証サーバ102のみ、或いはMFP101のみを画像処理システムと称することもできる。
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、MFP101の場合は、1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはHDD214)を用いて後述する図10乃至図13のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはHDDを協働させて図10乃至図13のフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210を接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210を接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210を接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データ(画像ファイル)を生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。MFP101は、スキャナ221で生成された画像データ(画像ファイル)をファイル送信またはメール送信することができる。
ネットワークI/F218は、制御部210(MFP101)をLAN100に接続する。ネットワークI/F218は、LAN100上の外部装置(認証サーバ102やファイルサーバ103など)に画像データや情報を送信したり、LAN100上の外部装置から各種情報を受信したりする。
図3は、認証サーバ102の構成を示すブロック図である。CPU311を含む制御部310は、認証サーバ102全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラムを記憶する。
ネットワークI/F315は、制御部310(サーバ102)をLAN100に接続する。ネットワークI/F315は、LAN100上の他の装置との間で各種情報を送受信する。なお、ファイルサーバ103の構成は、認証サーバ102と同様であるため、説明は省略する。
図4は、認証サーバ102がHDD314内で管理している情報を示す図である。認証サーバ102は、図1に示す画像処理システムを含むドメインを管理し、ユーザを認証するために必要な情報401及び402と、ユーザに関する情報403乃至408を、ユーザ毎に管理している。情報401は、ユーザを一意に示すユーザ名であって、例えばMFP101が設置されている会社の社員コードである。
図4には、A1001というユーザ名に対応するユーザの情報を示す。A1001のユーザは、MFP101の使用を開始するときに、ユーザ名として「A1001」を、パスワードとして「secret33」を、それぞれ入力する必要がある。MFP101で入力された認証情報(ユーザ名及びパスワード)は、認証サーバ102に送信される。認証サーバ102は、MFP101から送信された認証情報(ユーザ名及びパスワード)を、情報401及び402として管理しているものと照合し、一致した場合は認証OKをMFP101に通知する。一方、認証情報が一致しなかった場合は、認証NGをMFP101に通知する。
情報403乃至408は、認証情報が一致した場合に、認証OKとともにMFP101に通知される情報である。情報403は、A1001のユーザの名前が「Taro Tanaka」であることを示している。情報404は、A1001のユーザが「users」というグループに属していることを示している。情報405は、情報402として管理しているパスワードを、A1001のユーザ自身が変更可能であるか否かを示している。情報405が「不可」となっている場合は、情報402のパスワードは管理者のみが変更可能である。
情報406は、情報402として管理されているパスワードの有効期限を示している。情報406が「無期限」となっている場合は、情報402のパスワードを無期限で使用することができる。情報406に期限が設定されている場合、ユーザは、期限が近づいたときにパスワードの変更を要求される。情報407は、A1001のユーザ自身のメールアドレスを示している。A1001のユーザは、情報407として管理されているメールアドレスを宛先として送信された電子メールを受け取ることができる。情報408は、A1001のユーザ自身のフォルダが置かれている位置を示している。A1001のユーザは、情報408が示すフォルダにアクセス可能であり、そのフォルダに格納されたデータを取得することができる。
図5は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。ユーザは、図5の画面において、操作キー501乃至503のいずれかを操作することにより、機能を選択することができる。図5は、操作キー501が選択された状態を示している。なお、図5では、機能として「スキャンして送信」「コピー」「ファクス」を例示しているが、MFP101がこれら以外の機能を備えていてもよい。
操作キー501を選択したユーザは、操作キー511乃至515のいずれかを操作することにより、送信する画像データの宛先を設定することができる。操作キー511を操作すると、HDD214に保持されているアドレス帳の内容が表示され、ユーザは、アドレス帳に登録された内容を参照し、画像データの宛先として設定することができる。
操作キー512を操作すると、ワンタッチキーの一覧が表示される。ワンタッチキーには1つまたは複数の宛先が予め対応付けられており、ユーザは、所望のワンタッチキーを操作することにより、ワンタッチキーに対応付けられている内容を、画像データの宛先として設定することができる。操作キー513を操作すると、ユーザからの宛先情報の新規入力を受け付ける画面が表示される。ユーザは、表示された画面を介して宛先情報を入力し、画像データの宛先として設定することができる。
操作キー514は、ユーザが自分自身のフォルダを画像データの宛先として設定したい場合に操作する操作キーである。ユーザが操作キー514を操作すると、ユーザ自身のフォルダが画像データの宛先として自動的に設定される(詳細は後述する)。操作キー515は、ユーザが自分自身のメールアドレスを画像データの宛先として設定したい場合に操作する操作キーである。ユーザが操作キー515を操作すると、ユーザ自身のメールアドレスが画像データの宛先として自動的に設定される(詳細は後述する)。
操作キー521は、カラー/モノクロなどの読取設定を行う場合に使用する操作キーである。操作キー522は、読取解像度を設定する場合に使用する操作キーである。操作キー523は、送信する画像データのファイル形式を設定する場合に使用する操作キーである。操作キー524は、片面/両面読取の設定を行う場合に使用する操作キーである。操作キー525は、読取サイズを設定する場合に使用する操作キーである。
図6は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図6の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。管理者は、操作キー601乃至603のいずれかを操作することにより、操作キー514が操作された場合のフォルダの設定方法を選択することができる。
MFP101は、フォルダの設定方法として、「ホームフォルダ」「ユーザ毎に登録」「サーバで管理」の3つの方法を備えている。「ホームフォルダ」は、フォルダのホスト名とパスの一部を、複数のユーザに共通のものとして管理者が予めMFP101に登録しておき、これらを画像データの宛先として設定する方法である。管理者は、図6の情報610及び620として、「ホームフォルダ」を選択した場合に使用するフォルダのホスト名とパスの一部を登録しておく。この設定方法は、例えば、同一のホスト内及び/または同一のフォルダ内に各ユーザのフォルダを設けることができるため、管理者によるフォルダの管理が容易であるという利点がある。
「ユーザ毎に登録」は、ユーザ自身のフォルダのホスト名とパスを、一般のユーザが予めMFP101に登録しておき、これらを画像データの宛先として設定する方法である。登録の詳細については、図8を用いて後述する。この設定方法は、ユーザが任意のフォルダを自分のフォルダとして登録しておくことができるため、ユーザにとって使い勝手が良いという利点がある。
「サーバで管理」は、図4の情報408として認証サーバ102で管理している情報を、画像データの宛先として設定する方法である。この設定方法は、ユーザ毎のフォルダをサーバで一元的に管理するため、フォルダ情報の更新が必要となったときに更新のための手間が軽減されるという利点がある。
MFP101は、「ホームフォルダ」「ユーザ毎に登録」「サーバで管理」の3つの方法を備えることにより、MFP101が設置されている環境に合わせて、フォルダの設定方法を選択的に切り替えることができる。具体的には、フォルダの管理を容易に行いたい場合は「ホームフォルダ」を選択し、ユーザの使い勝手を優先させたい場合は「ユーザ毎に登録」を選択し、フォルダをサーバで一元的に管理したい場合は「サーバで管理」を選択するといったことが可能となる。なお、操作キー602または603が操作された場合に、情報610及び620を入力できないようにグレーアウト表示しても良い。
図7は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図7の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。管理者は、図7の画面を介して、SMTP認証に関する設定を行う。SMTP認証とは、電子メールの配信を担うメールサーバが認証を行うことにより、メールアドレスを偽った不正な電子メールが送信されることを防止するための機能である。MFP101からの電子メールの送信に利用するメールサーバがSMTP認証を行うものである場合に、管理者は、情報700を「ON」に設定する。SMTP認証が不要な場合は、管理者は、情報700を「OFF」に設定する。
情報700を「ON」に設定した場合、管理者は、操作キー701及び702のいずれかを操作して、SMTP認証に使用する認証情報の設定方法を選択する必要がある。操作キー701を操作した場合は、情報720及び730として図7の画面を介して管理者が登録しておいた認証情報が、SMTP認証に使用される。情報720及び730は、MFP101を操作する複数のユーザに共通して使用される認証情報である。
操作キー702を操作した場合は、一般のユーザが予めMFP101に登録しておいた認証情報が、SMTP認証に使用される。登録の詳細については、図8を用いて後述する。情報710は、MFP101からの電子メールの送信に使用するメールサーバのアドレスを示す情報である。
図8は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図8の画面は、一般のユーザがMFP101を操作する場合に表示される。ユーザは、情報801及び802として、ユーザ自身(図8の例ではA1001のユーザ)のフォルダのホスト名とパスを登録することができる。ここで登録した情報は、「ユーザ毎に登録」(図6の操作キー602)が選択された場合に、画像データの宛先として設定される。
また、ユーザは、情報803及び804として、SMTP認証に使用する認証情報(ユーザ名及びパスワード)を登録することができる。ここで登録した情報は、「ユーザ毎に登録」(図7の操作キー702)が選択された場合に、SMTP認証の認証情報として設定される。
図9は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図9の画面は、一般のユーザがMFP101を操作する場合に表示される。ユーザは、図9の画面を介して、アドレス帳への宛先登録を行うことができる。ここでは、ファイル送信の一例であるSMBを用いて画像データを送信するための宛先登録を行う場合を例に説明する。
情報901は、ユーザによって選択されたプロトコルを示す情報である。MFP101では、SMBまたはFTPのいずれかを選択可能であるものとするが、これら以外のプロトコルが選択肢として含まれていても良い。
情報902及び903は、それぞれ画像データの宛先となるフォルダの位置情報(ホスト名及びパス)である。情報904及び905は、情報902及び903によって特定されるフォルダにアクセスするために必要な認証情報(ユーザ名及びパスワード)である。
情報906は、情報905のパスワードを、送信毎にユーザに入力(確認)させるか否かを示す情報である。情報906が「ON」に設定されると、実際に画像データを送信するときに、(たとえ、情報905としてパスワードが登録されていたとしても)ユーザはパスワードを改めて入力する必要がある。
図10は、MFP101におけるログイン動作(ユーザがMFP101の使用を開始するときの一連の動作)を説明するフローチャートである。図10のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
ステップS1001では、操作部219に表示した画面を介して、ユーザからの認証情報(ユーザ名及びパスワード)の入力を受け付ける(受付)。
ステップS1002では、ステップS1001で受け付けた認証情報を認証サーバ102に送信し、ユーザ認証を依頼する(ユーザによるMFP101の使用可否を問い合わせる)。ステップS1003では、認証サーバ102から通知される内容が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。この結果、認証OKである場合にはステップS1004に進み、ユーザによるMFP101の使用を許可する。一方、認証NGである場合にはそのまま処理を終了する(或いは、ステップS1001に戻り、認証情報を入力するための画面を再表示する)。
ステップS1005では、図6の操作画面を介して管理者が予め選択しているフォルダ設定方法が何かを判定する。選択されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であればステップS1008へ、「ホームフォルダ」であればステップS1006へ、「サーバで管理」であればステップS1007へ、それぞれ進む。
MFP101は、前述した通り、3つのフォルダ設定方法を備えているため、予め管理者によって選択されている設定方法を用いてフォルダ位置情報を取得する。「ホームフォルダ」が選択されている場合は、図6の情報610及び620として登録されているフォルダ位置情報を取得する。「ユーザ毎に登録」が選択されている場合は、図8の情報801及び802として登録されているフォルダ位置情報を取得する。「サーバで管理」が選択されている場合は、図4の情報408として認証サーバ102に登録され、認証OKの旨とともにMFP101に通知されるフォルダ位置情報を取得する。
ステップS1006では、図6の情報610及び620が取得可能であるか否かを判定する。「ホームフォルダ」が選択されているにも関わらず情報610及び620取得可能でなければ、操作キー514を用いたフォルダの設定ができないため、ステップS1008をスキップしてステップS1009に進む。情報610及び610が取得可能でない場合とは、例えば情報610及び620がMFP101に登録されていない場合である。同様に、ステップS1007では、図4の情報408が取得可能であるか否かを判定する。「サーバで管理」が選択されているにも関わらず情報408が取得可能でなければ、操作キー514を用いたフォルダの設定ができないため、ステップS1008をスキップしてステップS1009に進む。情報408が取得可能でない場合とは、例えば情報408が認証サーバ102に登録されていない場合である。
一方、「ユーザ毎に登録」が選択されている場合は、図8の情報801及び802として登録されているフォルダ位置情報を取得して使用するが、ここでは情報801及び802が取得可能であるか否かに関わらずステップS1008に進む。この理由は、「ユーザ毎に登録」が選択されている場合は、MFP101にユーザがログインするタイミングで情報801及び802が登録されていなくとも、後述する図11のステップS1103でフォルダ位置情報の入力を受け付けることができるためである。
ステップS1008では、図5の画面に操作キー514を表示させる。一方、ステップS1006またはS1007でNoと判定した場合は、ステップS1008をスキップしてステップS1009に進むため、図5の画面に操作キー514は表示されない。
ステップS1009では、図4の情報407として認証サーバ102に登録され、認証OKの旨とともに通知されるメールアドレスを取得可能であるか否かを判定する。ステップS1009でYesと判定した場合はステップS1010に進み、図5の画面に操作キー515を表示させる。一方、ステップS1009でNoと判定した場合は、ステップS1010をスキップして処理を終了するため、図5の画面に操作キー515は表示されない。これは、図4の情報407が取得可能でなければ、操作キー515を用いたメールアドレスの設定ができないためである。情報407が取得可能でない場合とは、例えば情報407が認証サーバ102に登録されていない場合である。
図11は、MFP101において、図5の操作キー514が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図11のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
ステップS1101では、選択されているフォルダ設定方法が何かを判定する。選択されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であればステップS1102へ、「ホームフォルダ」であればステップS1106へ、「サーバで管理」であればステップS1108へ、それぞれ進む。
ステップS1102では、図8の情報801及び802が取得可能であるか否かを判定する。取得可能であればYesと判定し、取得可能でなければNoと判定する。情報801及び802が取得可能でない場合とは、例えば情報801及び802がMFP101に登録されていない場合である。
ステップS1102でYesと判定した場合はステップS1004に進み、Noと判定した場合はステップS1103に進む。ステップS1103では、ユーザからのフォルダ位置情報の入力を受け付けるための画面を表示し、ユーザからのフォルダ位置情報の入力を受け付ける。なお、ここで受け付けたフォルダ位置情報は、今回の送信1回限りで使用するものとしても良いし、図8の情報801及び802として登録することで「ユーザ毎に登録」による次回以降の送信で使用できるようにしても構わない。
ステップS1104では、図8の情報801またはステップS1103で表示した画面を介してユーザから入力された情報を、変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1105では、図8の情報802またはステップS1103で表示した画面を介してユーザから入力された情報を、変数FOLDERの値として設定する。
ステップS1106では、図6の情報610を、変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1107では、図6の情報620に、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたユーザ名を組み合わせたものを、変数FOLDERの値として設定する。図4及び図6に示した例では、ステップS1007で設定される値は「/home/A1001」となる。
ステップS1108では、図4の情報408の一部を、変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1109では、図4の情報408の残りの一部を、変数FOLDERの値として設定する。図4に示した例では、ステップS1108で設定される値は「server.abc.co.jp」となり、ステップS1109で設定される値は「/user/tanaka」となる。
ステップS1110では、画像データのファイル送信に用いるプロトコルを設定する。ファイル送信に用いるプロトコルは、アドレス帳の宛先を参照した場合は図9の情報901で選択されたものとなるが、操作キー514を操作して宛先を設定した場合はSMBが自動的に設定される。ここでSMBを自動的に設定するのは、ファイル送信に用いられるプロトコルのうちSMBの使用頻度が最も高いためであるが、他のプロトコル(例えばFTP)を自動的に設定するようにしても構わない。
ステップS1111では、ステップS1104,S1106,S1108で設定された変数HOSTの値を、画像データの宛先となるフォルダを特定するためのホスト名として設定する。また、ステップS1112では、ステップS1105,S1107,S1109で設定された変数FOLDERの値を、画像データの宛先となるフォルダを特定するためのパスとして設定する。
ステップS1113では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたユーザ名の情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするためのユーザ名として設定する。また、ステップS1114では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたパスワードの情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするためのパスワードとして設定する。
このように、MFP101では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力された認証情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするための認証情報として引き継ぐ(流用する)ようにしている。これにより、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするための認証情報を予めMFP101に登録しておくことを必要とせずに、ファイル送信のための宛先設定の手間を軽減することができる。
ステップS1115では、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報(図9の情報906として説明したもの)をOFFに設定する。
図12は、MFP101において、図5の操作キー515が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図12のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
ステップS1201では、図7の情報700を参照し、SMTP認証がONに設定されているか否かを判定する。SMTP認証がONに設定されている場合は、ステップS1202に進み、そうでない場合はステップS1209に進む。
ステップS1202では、図7の操作キー701及び702のどちらが操作されているかに基づき、「機器設定」の認証情報をSMTP認証に使用するか、「ユーザ毎に登録」の認証情報をSMTP認証に使用するかを判定する。この判定の結果、「機器設定」の認証情報をSMTP認証に使用する場合はステップS1203に進み、「ユーザ毎に登録」の認証情報を使用する場合はステップS1205に進む。
ステップS1203では、図7の情報720を、変数USERの値として設定する。また、ステップS1204では、図7の情報730を、変数PASSの値として設定する。ステップS1205では、図8の情報803を、変数USERの値として設定する。また、ステップS1206では、図8の情報804を、変数PASSの値として設定する。
ステップS1207では、ステップS1203,S1205で設定された変数USERの値を、SMTP認証に使用するユーザ名として設定する。また、ステップS1208では、ステップS1204,S1206で設定された変数PASSの値を、SMTP認証に使用するパスワードとして設定する。
ステップS1209では、図4の情報407として認証サーバ102に登録され、認証OKの旨とともに通知されるメールアドレスを、画像データの宛先(To)として設定する。なお、このメールアドレスは電子メールの送信元(From)としても設定される。
図13は、MFP101において、図5の画面を介した宛先設定が行われた後、図示しないスタートキーが操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図13のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
ステップS1301では、設定されている宛先(複数の宛先が設定されている場合はそのうちの1つ)を取り出し、画像データをファイル送信するための宛先であるか否かを判定する。取り出した宛先が画像データをファイル送信するための宛先であればステップS1302に進み、そうでない場合はステップS1304に進む。ここで、画像データをファイル送信するための宛先でない場合とは、取り出した宛先が画像データを電子メールで送信するための宛先であるものとするが、電子メール以外のプロトコルで画像データを送信するための宛先であっても構わない。
ステップS1302では、取り出した宛先に対して設定されている、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報(図9の情報906として説明したもの)を判定する。この判定の結果、送信毎にユーザにパスワードを入力させることが設定されている場合はステップS1303に進み、そうでない場合はステップS1303をスキップしてステップS1304に進む。なお、図5の操作キー514を用いて設定された宛先は、図11のステップS1115で説明した通り、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報がOFFに設定されているため、ステップS1302の判定結果はNoとなる。ステップS1303では、ユーザからのパスワードの入力を受け付けるための画面を表示し、ユーザからのパスワードの入力を受け付ける。
ステップS1304では、他の宛先が設定されているか否かを判定し、他の宛先が指定されていればステップS1301に戻り、そうでない場合はステップS1305に進む。
ステップS1305では、設定されている宛先に応じたプロトコルで画像データを送信する。設定されている宛先が図5の操作キー514を用いて設定されたものであれば、図11のステップS1111で設定されたホスト名に対応するファイルサーバ103にSMBで接続し、ステップS1112で設定されたパスを用いて宛先のフォルダを特定する。また、図11のステップS1113及びS1114で設定された認証情報を用いてファイルサーバ103へのログイン(フォルダへのアクセス)を行い、画像データをファイルサーバ103へ送信(フォルダへ格納)する。
設定されている宛先がアドレス帳を参照したものであり、且つ、ファイル送信に対応したものであれば、図9の情報902に対応するファイルサーバ103に接続し、図9の情報903を用いて宛先のフォルダを特定する。また、図9の情報904及び905(或いは図13のステップS1303で入力されたパスワード)を用いてファイルサーバ103へのログイン(フォルダへのアクセス)を行い、画像データをファイルサーバ103へ送信(フォルダへ格納)する。
設定されている宛先が図5の操作キー515を用いて設定されたものであれば、図12のステップS1207及びS1208で設定された認証情報を用いてメールサーバへのログイン(SMTP認証)を行う。そして、ステップS1209で設定されたメールアドレスを宛先として、画像データを添付した電子メールを送信する。
なお、ステップS1305で送信する画像データは、ステップS1305でスキャナ221による原稿読み取りを行って生成するものとするが、これ以外の態様であっても構わない。例えば、スタートキーが操作される前に、別のユーザ操作をトリガーとして原稿読み取りを行っておくようにしても良い。
また、上述の説明では、スキャナ221で生成した画像データを送信する場合を例に挙げたが、これ以外の方法(例えば、外部からのファクス受信)で入力された画像データを送信する場合に適用することもできる。
また、上述の説明では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザからの認証情報の入力を受け付ける場合を例に挙げたが、これ以外の方法(例えば、カードリーダを用いたICカードからの認証情報の受け付け)を採用しても良い。
以上説明したように、MFP101は、ユーザからの認証情報の入力を受け付ける(ステップS1001)。認証サーバ102は、MFP101が受け付けた認証情報に基づいてユーザを認証する(ステップS1002)。MFP101は、画像データの宛先として、ユーザのフォルダを設定するための操作キーを備え(操作キー514)、操作キーが操作された場合のフォルダの設定方法を選択する(操作キー601乃至603)。MFP101は、操作キーが操作されたことに応じて、予め選択されている設定方法に従ってフォルダを設定する(ステップS1101乃至S1113)。MFP101は、設定されたフォルダを宛先として、画像データを送信する(S1305)。
これにより、ユーザ自身のフォルダの設定方法を、MFP101の設置環境に合わせて選択的に切り替えることが可能となる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。