JP6340939B2 - 電源装置及び電力変換装置 - Google Patents
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Description
この状態から商用電源の停電が発生すると、商用電源に代わって、蓄電池の放電により直流負荷に電力を供給することができる。
(1)DC/DCコンバータの制御部が起動する(但し、スイッチング動作は、まだ開始しない。)。
(2)突入電流制限回路の抵抗を介して蓄電池の出力がDC/DCコンバータに提供され、DCバス(すなわちDCバスに接続されたコンデンサ)が充電される。このときのDC/DCコンバータは、スイッチング動作はせず、内部のダイオードの存在により電流を通過させる。
(3)DCバスが充電され、蓄電池の電圧と同じ電圧になればDCバスを充電する電流は自然に止まり、突入電流制限回路の抵抗が短絡されるか若しくは直通の電路に切り替えられる。これにより、蓄電池の出力が直接、DC/DCコンバータに提供される状態となる。また、DC/DCコンバータは昇圧チョッパとしてスイッチング動作を開始する。
(4)直流負荷をオン(投入)の状態とする。
(1)直流負荷がオン(投入)の状態になっている。
(2)DC/DCコンバータの制御部が起動する(但し、スイッチング動作は、まだ開始しない)。
(3)突入電流制限回路の抵抗を介して蓄電池の出力がDC/DCコンバータ内のダイオードを通り抜け、DCバスを充電しようとするが、直流負荷に電流を引っぱられるため、DCバスの電圧が蓄電池の電圧まで上がらない。
(4)DCバスの電圧が上がらないまま、直流負荷に流れていく電流が抵抗を流れ続ける。その結果、突入電流制限回路の抵抗が焼損する場合がある。また、突入電流制限回路の抵抗として、温度ヒューズ付抵抗を使用することもあるが、この場合にも、ヒューズの溶断が発生して取替が必要となる不便が起こり得る(以下同様。)。
(1)直流負荷がオン(投入)の状態になっている。また、DC/DCコンバータは、外部からの指令か又は蓄電池の残量不足により停止している。
(2)DC/DCコンバータの制御部は、突入電流制限回路の抵抗をバイパスせず、抵抗に電流が流れ得る状態となっている。
(3)突入電流制限回路の抵抗を介して蓄電池の出力がDC/DCコンバータ内のダイオードを通り抜け、直流負荷に電流を供給し続ける。
(4)DCバスの電圧が上がらないまま、直流負荷に流れていく電流が抵抗を流れ続ける。その結果、突入電流制限回路の抵抗が焼損する場合がある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、蓄電池を用いる電源装置において、できるだけ簡素な構成により、突入電流制限抵抗を保護することを目的とする。
本発明の電源装置は、直流負荷が接続されるDCバスと、前記DCバスに接続されたコンデンサと、充電時は前記DCバスの電圧に基づいて充電され、放電時は前記DCバスに電力を供給する蓄電池と、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、スイッチを閉じることにより充放電電流を流す主電路及び、前記スイッチが開いているときに前記蓄電池から突入電流制限抵抗を介して前記DCバスへの充電電流を通す副電路を有する突入電流制限回路と、前記突入電流制限抵抗と直列に、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられた保護スイッチと、前記DCバスの電圧Vdcを検知する電圧センサと、前記蓄電池の電圧Vbを検知する電圧センサと、前記電圧Vdcが前記電圧Vbより低い場合に前記蓄電池から前記突入電流制限抵抗を通って流出する電流を、前記保護スイッチを限時動作で開くことにより遮断する制御部とを備えている。
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
この場合、電流センサを設けなくても簡易に保護スイッチを開くべき時期を認識して突入電流制限抵抗を確実に保護することができる。
この場合、電流センサが検知した電流値に基づいて正確な時期に保護スイッチを開き、突入電流制限抵抗を確実に保護することができる。
蓄電池の電圧が放電の電圧下限値で待機消費電力を賄う場合の電流値は、いわば、正常な最大値である。従って、閾値電流が、当該電流値よりも大きい値であることにより、待機消費電力を賄う場合のどのような電流値の電流が突入電流制限抵抗に流れても、それだけでは保護スイッチを開くことはない。従って、誤動作が防止される。
この場合、DC/DC変換部を含む電源装置において突入電流制限抵抗を保護することができる。
すなわち、DCバスの電圧Vdcが蓄電池の電圧Vbより高い状態になった場合には、保護スイッチを閉じても突入電流制限抵抗に電流が流れないので、保護スイッチを閉状態に復帰することができる。
次に、本発明の実施形態の詳細について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電源装置の主回路部分を簡略化して示す接続図である。図において、電源装置100のDCバス1には、双方向性のDC/DC変換部2が接続されている。DC/DC変換部2は、突入電流制限回路3及び保護スイッチ4を介して、蓄電池5と接続される。突入電流制限回路3は、スイッチ31(主電路)と、突入電流制限抵抗32(副電路)とを互いに並列に接続して成る。蓄電池5は、例えば鉛蓄電池や、リチウムイオン蓄電池である。DC/DC変換部2は、付随する突入電流制限回路3及び保護スイッチ4と共に、いわば広義の、電力変換装置200を構成している。
DCバス1へは、交流の商用電源8からAC/DCコンバータ9を介して、安定した直流電圧を提供することができる。
図2は、図1における電力変換装置200の構成を詳細に示す回路図である。図1と同一部位には同一の符号を付している。電力変換装置200は、コンデンサ6が接続されたDCバス1と蓄電池5との間に、設けられている。DC/DC変換部2は、互いに直列に接続されたスイッチング素子Q1,Q2と、それらの相互接続点に接続されたDCリアクトル21と、DCバス1の電圧を検知する電圧センサ22と、蓄電池5の電圧を検知する電圧センサ23と、DC/DC変換部2を流れる電流を検知する電流センサ24と、制御部10とを備え、図示のように接続されている。
制御部10は、CPUを搭載してソフトウェア主体に動作するものであってもよいし、アナログ回路によって同様の機能を実現するものであってもよい。
蓄電池5の充電を行う場合には、制御部10は、保護スイッチ4及びスイッチ31を閉じている。この状態で、制御部10は、スイッチング素子Q2をオフに固定し、スイッチング素子Q1を高周波でオン/オフ制御する。オンのデューティが適切な値になるようにチョッパ制御することにより、DCバス1の電圧は降圧され、DCリアクトル21による平滑化を経て、蓄電池5の充電に適した直流電圧になる。この直流電圧により、閉じているスイッチ31及び保護スイッチ4を介して、蓄電池5が充電される。
商用電源8から正常に定電圧がDCバス1に供給される状態では、直流負荷7の電力需要に増減があっても特に問題なく電力が供給される。従って、ピークシフト等の目的で意図的にAC/DCコンバータ9を停止させない限り、蓄電池5の出番はない。また、蓄電池5が満充電であれば充電を行う必要はないので、制御部10は、DC/DC変換部2のスイッチング動作を停止させ、また、スイッチ31を開く。但し、制御部10は、保護スイッチ4を閉じている。
図3は、スイッチング動作停止状態から停電が発生した場合に起こり得る電流の流れ(太線)を示す接続図である。
DC/DC変換部2のスイッチング動作停止状態から商用電源8の停電が発生すると、直流負荷7がDCバス1から電流を引っぱろうとしてコンデンサ6の電荷を放電させ、DCバス1の電圧が急降下する。その結果、DCバス1の電圧をVdc、蓄電池5の電圧をVbとすると、Vdc<Vbの関係となる。
ステップS2において「No」すなわちVdc>Vbであれば、制御部10は、保護スイッチ4を閉じて(ステップS3)、ステップS1に戻り、同様の処理を繰り返す。すなわち、DCバスの電圧Vdcが蓄電池の電圧Vbより高い状態になった場合には、保護スイッチ4を閉じても突入電流制限抵抗32に電流が流れないので、保護スイッチ4を閉状態に復帰することができる。
また、ステップS1においてスイッチング動作を再開する場合、制御部10は、ステップS9において保護スイッチ4を閉じて(あるいは閉じたままにして)処理終了となる。
但し、このような電流センサ24を省略して以下の演算を制御部10が行うことにより、電流値を求めることも可能である。すなわち、DC/DC変換部2がスイッチング動作を停止していて、DCバス1の電圧Vdcが蓄電池5の電圧Vbより低い場合に突入電流制限抵抗32に流れる電流Iとは、突入電流制限抵抗32の抵抗値をRとすると、
I=(Vb−Vdc)/R
によって求めることができる。すなわちこの場合、電流センサを設けなくても簡易に保護スイッチ4を開くべき時期を認識して突入電流制限抵抗32を確実に保護することができる。
閾値電流Ithが、当該電流値Imaxよりも大きい値であることにより、待機消費電力を賄う場合のどのような電流値の電流が突入電流制限抵抗32に流れても、それだけでは保護スイッチ4を開くことはない。従って、誤動作が防止される。
Tth>−C×R×loge{(Pc×R)/(Vb_max×Vb_min)}
として求めることができる。
図5は、電力変換装置200の第2例を示す回路図である。
図2との違いは、保護スイッチ4と、これを制御するBMS制御部10Bが、電力変換装置200とは別に設けられている点である。制御部10と、BMS制御部10Bとは、相互に通信できるように接続されている。保護スイッチ4を開閉する場合、制御部10がBMS制御部10Bを介して行うことになる。このような構成は、蓄電池5側にBMS(Battery Management System)300として保護スイッチ4やBMS制御部10Bが装備されている場合に好適な構成である。すなわち、保護スイッチ4やその制御部は、第1例のように電力変換装置200に属していてもよいし、第2例のように、BMS等の外部装置に属していてもよい。制御の動作については、第1例(図2)と同様である。
図6は、電力変換装置200の第3例を示す回路図である。
図2との違いは、突入電流制限回路3である。図6では、主電路としてのスイッチ31と、副電路としての突入電流制限抵抗32及び保護スイッチ4の直列体とによって、突入電流制限回路3が構成されている。保護スイッチ4のオン/オフは、制御部10により行われる。すなわちこの場合、第1例(図2)における保護スイッチ4が、突入電流制限回路3内に「片切り」で入っている。これは、第1例よりも簡素な構成といえる。制御の動作については、第1例と同様である。
図7は、電源装置の第2例を示す接続図である。第1例(図1)との違いは、太陽光発電パネル11からDC/DCコンバータ12を介してDCバス1に電力を送り込むことができる点である。
この場合、商用電源8の停電後に、保護スイッチ4を開くことになっても、太陽光発電により、電圧Vdcが電圧Vbより高い状態に回復した場合には、直ちに、保護スイッチ4を閉じることができる(図4のステップS2からステップS3)。
すなわち、DCバスの電圧Vdcが蓄電池の電圧Vbより高い状態になった場合には、保護スイッチ4を閉じても突入電流制限抵抗32に電流が流れないので、保護スイッチ4を閉状態に復帰することができる。
図8は、電源装置の第3例を示す接続図である。第1例(図1)との違いは、電力変換装置200及び蓄電池5の組み合わせが複数組になっている点である。電力変換装置200を、DC/DC変換部2と共に突入電流制限回路3及び保護スイッチ3込みで、ユニット化することにより、増設が容易となる。
なお、上記の各電源装置100はDC/DC変換部2を備えている例を示したが、例えばDC/DC変換部2に代えて、蓄電池5側からDCバス1へ向かう方向を順方向とするダイオードのみを介して、突入電流制限回路3とDCバス1とが互いに接続されている場合もあり得る。この場合であっても、DCバス1の電圧Vdcが蓄電池5の電圧Vbより低い場合に蓄電池5から突入電流制限抵抗32を通って流出する電流を、保護スイッチ4を限時動作で開くことにより遮断することで、突入電流制限抵抗32を保護することができる。
2 DC/DC変換部
3 突入電流制限回路
4 保護スイッチ
5 蓄電池
6 コンデンサ
7 直流負荷
8 商用電源
9 AC/DCコンバータ
10 制御部
10B BMS制御部
11 太陽光発電パネル
12 DC/DCコンバータ
21 リアクトル
22,23 電圧センサ
24 電流センサ
31 スイッチ
32 突入電流制限抵抗
100 電源装置
200 電力変換装置
300 BMS
Q1 スイッチング素子
Q1d ダイオード
Q2 スイッチング素子
Q2d ダイオード
Claims (4)
- 直流負荷が接続されるDCバスと、
前記DCバスに接続されたコンデンサと、
充電時は前記DCバスの電圧に基づいて充電され、放電時は前記DCバスに電力を供給する蓄電池と、
前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、スイッチを閉じることにより充放電電流を流す主電路及び、前記スイッチが開いているときに前記蓄電池から突入電流制限抵抗を介して前記DCバスへの充電電流を通す副電路を有する突入電流制限回路と、
前記突入電流制限抵抗と直列に、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられた保護スイッチと、
前記DCバスの電圧Vdcを検知する電圧センサと、
前記蓄電池の電圧Vbを検知する電圧センサと、
前記電圧Vdcが前記電圧Vbより低い場合に前記蓄電池から前記突入電流制限抵抗を通って流出する電流を、前記保護スイッチを限時動作で開くことにより遮断する制御部と
を備え、
前記電圧V dc が前記電圧V b より低い場合には、前記制御部は、電位差(V b −V dc )と前記突入電流制限抵抗の抵抗値とに基づいて、流れる電流値を求め、当該電流値が閾値電流以上であって、かつ、当該電流値の電流が流れる時間が閾値時間に達した場合に、前記保護スイッチを開き、
前記閾値電流とは、前記蓄電池の電圧が放電の電圧下限値で当該電源装置の動作停止時の待機消費電力を賄う場合の電流値よりも大きい値である、電源装置。 - 前記DCバスと、前記突入電流制限回路との間に、DC/DC変換部が設けられており、当該DC/DC変換部は、スイッチング動作の停止時にも、前記蓄電池から前記DCバスへの通電を可能とするダイオードを含んでいる請求項1に記載の電源装置。
- 前記制御部は、前記保護スイッチを限時動作で開いた後で、前記電圧V dc が前記電圧V b より高い状態になった場合には、前記保護スイッチを閉じる請求項2に記載の電源装置。
- コンデンサが接続されたDCバスと蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、
前記DCバスの電圧に基づいて前記蓄電池を充電し、前記DCバスに放電させて前記DCバスに電力を供給するDC/DC変換部と、
前記DC/DC変換部と前記蓄電池との間に設けられ、スイッチを閉じることにより充放電電流を流す主電路及び、前記スイッチが開いているときに前記蓄電池から突入電流制限抵抗を介して前記DCバスへの充電電流を通す副電路を有する突入電流制限回路と、
前記突入電流制限抵抗と直列に、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられた保護スイッチと、
前記DCバスの電圧V dc を検知する電圧センサと、
前記蓄電池の電圧V b を検知する電圧センサと、
前記電圧V dc が前記電圧V b より低い場合に前記蓄電池から前記突入電流制限抵抗を通って流出する電流を、前記保護スイッチを限時動作で開くことにより遮断する制御部と
を備え、
前記電圧V dc が前記電圧V b より低い場合には、前記制御部は、電位差(V b −V dc )と前記突入電流制限抵抗の抵抗値とに基づいて、流れる電流値を求め、当該電流値が閾値電流以上であって、かつ、当該電流値の電流が流れる時間が閾値時間に達した場合に、前記保護スイッチを開き、
前記閾値電流とは、前記蓄電池の電圧が放電の電圧下限値で当該電源装置の動作停止時の待機消費電力を賄う場合の電流値よりも大きい値である、電力変換装置。
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